JP3603408B2 - 空調装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、略平板状のドアが回動し、開口部の開閉を行う空調装置に関するものであり、特に、ドアの風上側の空間と風下側の空間との圧力差の脈動に起因して発生する自励振動を防止することができる空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置に用いられるドア装置の一例としては、例えば、図1に示すように、ケース2に回動自在に支持された略平板状のエアミックスドア8をヒータコア7の上流側に設けたものが知られている。エアミックスドア8は最大暖房時には冷風通路開口部13を閉じるような位置となるように、一方、最大冷房時には温風通路開口部である、ヒータコア7の通風面を閉じるような位置となるように回動することにより、エバポレータ6を通過し、冷却された空気がヒータコア7を通過する空気の量の割合を調節する。
【0003】
そして、このような構造のドア装置では、送風時にエアミックスドア8に加わる力の均衡によっては、エアミックスドア8が自励振動を発生することが知られている。
例えば、図1に示すようなレイアウトの空調装置において、冷風通路開口部13をわずかに開いた位置、つまりエアミックスドア8が最大暖房時における位置よりも微小角度だけ、通風抵抗のあるヒータコア7側へと回動した位置にあると、エバポレータ6を通過した空気は通風抵抗のより少ない冷風通路20aに勢いよく流入し、シール面14とエアミックスドア8との小さな隙間を通過する空気の風速は増加する。その結果、このシール面14とエアミックスドア8との小さな隙間を通過する空気により、エアミックスドア8の風下側の圧力は低下し、エアミックスドア8は冷風通路開口部13を閉じる方向に吸引される。しかし、エアミックスドア8が冷風通路開口部13を閉じると、エアミックスドア8を冷風通路開口部13側へ吸引する力はなくなり、エアミックスドア8はもとの位置に戻る。このような作動を微小時間内に繰り返すことにより、エアミックスドア8の風上側となる空間と風下側となる空間の圧力差は脈動する。さらに、風速の脈動が加わることにより、エアミックスドア8は不安定な状態となり、自励振動を発生する。なお、自励振動は、冷風通路開口部13とエアミックスドアの板面とがなす角度が10度以下であると起こりやすいことが、経験的に知られている。
【0004】
そして、このような自励振動が発生することにより、ドア装置の作動時において異音が発生してしまうという問題点があった。
このような問題点を解決するため、従来、図6から図9に示すような構造のドア装置19が知られている。ドア装置19は、ケース2に回動自在に支持された回転軸10と、この回転軸10と連結したエアミックスドア8とからなり、エアミックスドア8の上部先端部の板面には、厚さ3〜6mm程度、表面積2〜3cm2 程度の、ウレタン材などの弾性部材からなるパッキン21が設けられている。一方、ケース2には、上壁16、および冷風通路開口部13の周囲となる、シール面14とともに、エアミックスドア8に向けて伸びる高さ3〜6mmのリブ22が形成されている。なお、このリブ22は、シール面14のパッキン21と対向する位置に形成される。
【0005】
ドア装置19をこのような構造とすることにより、エアミックスドア8が最大暖房時における位置よりも微小角度だけヒータコア7側へと回動した位置にある、つまり自励振動が発生する範囲にある時、リブ22はパッキン21に2〜3mmほど嵌入しており、エアミックスドア8は保持される。そのため、自励振動を防止することができ、異音の発生を防止することができるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなドア装置19に用いられるエアミックスドア8としては、金属や樹脂からなる薄板状のプレート8aの両面に、ウレタン材8bが装着されたものが用いられる。
しかしながら、プレート8aの板厚やウレタン材8bの板厚のバラツキ、エアミックスドア8の板面の反りといった、エアミックスドア8に回転方向への歪みが生じると、エアミックスドア8が自励振動の発生する領域にある際に、パッキン21とリブ22との接触量が減少し、エアミックスドア8を保持する力が減少してしまう可能性があった。その結果、エアミックスドア8を保持することができず、自励振動を防止することができないという問題点が生じる。
【0007】
また、パッキン21の面積が2〜3cm2 程度とかなり小さいので、パッキン21の設置位置とリブ22の形成位置について高い寸法精度が要求されるという問題点があった。
さらに、冷風通路開口部13と同一平面となるシール面14に対し、リブ22がエアミックスドア8に向けて突出して形成されているので、最大暖房時において、パッキン21とリブ22が邪魔となり、エアミックスドア8とシール面14とを密着させることができない。そのため、冷風通路20aへの風漏れが生じ、暖房能力の低下やフロントガラスの曇りといった不具合が生じてしまうという問題点もあった。
【0008】
そこで、本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ドアの回動方向に生じる歪みに影響されることなく、自励振動を防止することができるドア装置の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1ないし7は、ドア(8)の、回転軸(10)の軸方向における端部、またはこのドアの端部と対向する、ケース(2)の壁面(16)のいずれか一方に設けられる弾性部材(12)と、この弾性部材に対向する位置に設けられた突起部(15)とを有し、ケースの壁面に設けられる弾性部材または突起部が、ドアの風上側の空間と風下側の空間との圧力差の脈動により引き起こされるドアの自励振動が発生する範囲(θ1 )よりも広い範囲(θ2 )にわたって、ドアの回動方向に沿って設けられているという技術的手段を採用するものである。
【0010】
ドアが開口部を閉じる位置から、徐々にドアを回動させ、開口部がわずかに開いた位置にドアがあると、ドアの板面と開口部の開口平面との間のわずかな間隙を経て、ドアの風上側から風下側へと空気が勢いよく流入し、その結果、ドアの風下側の空間の圧力が低下し、ドアの風上側の空間と風下側の空間との圧力差は増大する。ドアの風下側の空間の圧力が低下することにより、ドアは風下側に吸引され、開口部が閉じられた状態と同じ状態となる。開口部が閉じられた状態と同じ状態となると、ドアを風下側へ吸引する力はなくなり、ドアは元の位置、つまり開口部がわずかに開いた位置に戻る。このような作動を微小時間内に繰り返すことにより、ドアの風上側となる空間と風下側となる空間の圧力差が脈動する。さらに、風速の脈動が加わることにより、ドアは不安定な状態となり、自励振動が発生する。
【0011】
請求項1ないし7の発明によれば、ケースの壁面の自励振動が発生する範囲よりも広い範囲に弾性部材または突起部のいずれか一方が形成されているので、自励振動が発生する範囲内において、突起部が、対向する弾性部材に嵌入している。そのため、ドアの振動は弾性部材に吸収され、ドアは保持された状態となり、自励振動の発生は防止される。そのため、自励振動の発生による異音の発生が防止される。また、弾性部材または突起部のいずれか一方は、回転軸の軸方向においてドアの端部に設けられているので、ドアを成形する際に生じるドアの板厚のバラツキなどの、ドアの回動方向における歪みに影響されることなく、ドアを保持することができる。さらに、ドアと開口部とを密着させることができるので、風漏れを防止することができる。
【0012】
また、請求項2の発明は、弾性部材(12)をドア(8)の端部に設け、突起部(15)を弾性部材と対向するケース(2)の壁面(16)の、ドアの風上側となる空間と前記ドアの風下側となる空間との圧力差の脈動により引き起こされるドアの自励振動が発生する範囲(θ1 )よりも広い範囲(θ2 )にわたって、ドアの回動方向に沿って設けるという技術的手段を採用するものである。
【0013】
請求項2の発明によれば、突起部をケースの壁面に設けるので、ケースとの一体成形により形成することができ、容易に製造することができる。
さらに、請求項3の発明は、ヒータコア(7)が配される温風通路(20b)の最上流側に形成された温風通路開口部と、ヒータコアを迂回する冷風通路(20a)の最上流側に形成された冷風通路開口部(13)とを開閉するエアミックスドア(8)をヒータコアの上流側に設ける空調装置(1)において、エアミックスドアの、回転軸(10)の軸方向における端部、またはこのエアミックスドアの端部と対向する、ケース(2)の壁面(16)のいずれか一方に設けられる弾性部材(12)と、この弾性部材に対向する位置に設けられた突起部(15)とを有し、ケースの壁面に設けられる弾性部材または突起部が、エアミックスドアの風上側の空間と風下側の空間との圧力差の脈動により引き起こされるエアミックスドアの自励振動が発生する範囲(θ1 )よりも広い範囲(θ2 )にわたって、エアミックスドアの回動方向に沿って設けられているという技術的手段を採用するものである。
【0014】
温風通路にはヒータコアが配されているので、冷風通路開口部は温風通路開口部に比べて通風抵抗が少ない。したがって、ヒータコアの上流側に配され、温風通路と冷風通路の開閉を行うエアミックスドアを、冷風通路開口部がわずかに開いた位置に回動させると、エアミックスドアの板面と冷風通路開口部との間のわずかな間隙を経て、エアミックスドアの風上側から風下側へと空気が勢いよく流入する。その結果、上述したような要因により、エアミックスドアの自励振動が発生する。
【0015】
請求項3の発明によれば、ケースの壁面に設けられる弾性部材または突起部が、エアミックスドアの自励振動が発生する範囲よりも広い範囲にわたって、エアミックスドアの回動方向に沿って形成されているので、請求項1と同様の作用により、エアミックスドアの自励振動の発生は防止される。
さらに、請求項4の発明では、特に、弾性部材(12)または突起部(15)をドア(8)の径方向の先端部付近に設けるという技術的手段を採用するものである。
【0016】
請求項4の発明によれば、弾性部材または突起部のドアの径方向の先端部に設けることにより、ドアを保持するために必要な力を小さくすることができる。
さらに、請求項5の発明では、特に、ケース(2)の壁面(16)に弾性部材(12)または突起部(15)を設ける範囲を、ドア(8)が開口部(13)を閉じる位置からドアの回動方向に10度以上とするという技術的手段を採用するものである。
【0017】
自励振動は、ドアが開口部を閉じる位置からドアの回動方向に10度より小さい範囲において発生することが、経験的に知られている。したがって、請求項5の発明によれば、ケースの壁面の、自励振動が発生する範囲よりも広い範囲に弾性部材または突起部のいずれか一方を設けるので、自励振動を防止することができる。
【0018】
さらに、請求項6の発明では、特に、突起部(15)の、ドア(8)の回動方向において開口部(13)から最も離れた部分が丸みを帯びた形状であるという技術的手段を採用するものである。
請求項6の発明によれば、突起部をこのような形状とすることにより、ドアが開口部を閉じる方向へと回動する際に、突起部の、開口部から最も離れた部分が弾性部材に引っ掛かってしまうことを防止することができ、弾性部材の耐久性を向上させることができる。
【0019】
さらに、請求項7の発明では、特に、ドア(8)の回転軸(10)の軸方向における変位を防止する変位防止部材(11)を回転軸に設けるという技術的手段を採用するものである。
請求項7の発明によれば、変位防止部材によりドアの回転軸の軸方向における変位を防止することができるので、確実に突起部を弾性部材に嵌入させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両用空調装置に配されるドア装置に適用した場合に望ましい実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は車両用空調装置18の全体概略構成図である。車両用空調装置18は、ポリプロピレンなどの樹脂からなるケース2と、このケース2の内部に配設される空調機能部品とからなる。
【0021】
ケース2内の空気最上流側の部分には、車室内の空気を吸入する内気吸入口3aと、車室外の空気を吸入する外気吸入口3bとを有し、内外気切替ドア4により、ケース2内に吸入する空気を内気とするか外気とするかを選択する内外気切換装置3が配置されている。
さらに、この内外気切換装置3よりも下流側の部分には、ケース2内に空気流を発生させる送風機5が配設される。この送風機5が回転すると、内気吸入口3aまたは外気吸入口3bを介して、内気または外気がケース2内に吸引され、車室内に向かう空気流が発生する。
【0022】
ケース2内の送風機5よりも下流側の部分には、通過する空気を冷却するエバポレータ6が配設されている。このエバポレータ6は、図示しないコンデンサ、コンプレッサ、リキッドタンクおよび膨張弁と配管結合されて冷凍サイクルを構成しており、ケース2の通路断面をほぼ閉じるように立設されている。送風機5によって吸入された空気は、エバポレータ6の方向に流れ込む。
【0023】
ケース2内の、エバポレータ6よりも下流側は、冷風通路20aと温風通路20bとに分岐しており、それぞれの通路の、空気の流れの最上流側となる部分には、温風通路開口部と冷風通路開口部13とが形成されている。エバポレータ6を通過した空気は、これらの開口部を介して冷風通路20aと温風通路20bととに流入する。
【0024】
なお、温風通路20bには、その通路断面をほぼ閉じるように、自動車用エンジンの冷却水(温水)を熱源とする温水ヒータのヒータコア7が立設されており、ヒータコア7の通風面が前述した温風通路開口部となっている。一方、冷風通路20aはヒータコア7を迂回するように形成されており、その最上流側には冷風通路開口部13が形成される。この冷風通路開口部13の周囲には、最大暖房時において、後述するエアミックスドア8と接触するシール面14が、ケース2の一部として形成されている。
【0025】
また、ヒータコア7の上流側には、冷風通路20aへ流入する空気と温風通路20bへ流入する空気とを所望する割合で流入させるドア装置1が配設されている。このドア装置1については、後で詳述する。
ケース2内の、冷風通路20aおよび温風通路20bよりも下流側の部分には、冷風通路20aを通過した冷風と温風通路20bを通過した温風とを混合させるエアミックス部が設けられており、空調温度を調節することができる。さらに、このエアミックス部よりも下流側の部分は連通ダクトが形成されており、連通ダクトの下流側には空調温度を調節された空気を車室内に吹き出すための吹出口9が開口している。
【0026】
ドア装置1は、図2から図5に示すように、ケース2に回動可能に支持された回転軸10と、その一端が回転軸10に連結されたエアミックスドア8と、この回転軸10を回動させる駆動手段(図示しない)とからなる。
回転軸10の端部は、ケース2の上壁16に形成された挿入孔16aと、ケース2の下壁17に形成された挿入孔17aに、それぞれ挿入されることにより、ケース2に、回転軸10の長手方向が鉛直方向となるように支持される。
【0027】
エアミックスドア8は、樹脂からなる薄板状のプレート8aと、このプレート8aの両面に装着されたウレタン材8bとからなる。エアミックスドア8の一端は回転軸10に連結されており、回転軸10を中心として回動する。
エアミックスドア8は回動することにより、冷風通路開口部13、およびヒータコア7の通風面である温風通路開口部の開閉を行う。エアミックスドア8の板面は、最大暖房時には冷風通路開口部13を閉じるような位置となるように、最大冷房時には温風開口部を閉じるような位置となるように、エアミックスドア8は回動する。
【0028】
エアミックスドア8の、回転軸10の軸方向において端部である、エアミックスドア8の上面には、弾性部材である、ウレタンからなるパッキン12が設けられている。なお、このパッキン12は、エアミックスドア8の上面の、エアミックスドア8が回動する際に、径方向の先端部となる部分に設けられている。
また、ケース2の上壁16の、エアミックスドア8が回動する際にパッキン12と対向する部分には、エアミックスドア8側、つまり下側に突出した、突起部であるリブ15が、ケース2と一体成形により形成されている。このリブ15は、シール面14からプレート8aの板面とがなす角度が約15度となるようにエアミックスドア8を回動させた位置(図中θ2 で表わされる範囲)まで、エアミックスドア8の回動方向に沿って形成されている。シール面14から離れている側の、リブ15の端部は、角がとられ、丸みを帯た形状となっている。
【0029】
なお、リブは15はエアミックスドア8が回動する際にパッキン12と対向する部分に形成されており、パッキン12に2〜3mmほど嵌入するような高さを有している。
回転軸10の、エアミックスドア8の上面と上壁16との間には、変位防止手段である、リング状のドーナツパッキン11が挿入されている。
【0030】
続いて、本実施例の作動について述べる。
内気吸入口3aから吸入された車室内の空気、または外気吸入口3bから吸入された車室外の空気は、送風機5へと送られた後、エバポレータ6を通過し、冷却される。エバポレータ6を通過した空気は、ドア装置1のエアミックスドア8の操作位置に応じて、冷風通路20aと温風通路20bとに分配され、エバポレータ6を通過した空気が冷風通路20aと温風通路20bとに流入する割合は調節される。
【0031】
続いて、通風抵抗のより少ない冷風通路開口部13がわずかに開いた状態となる、位置にエアミックスドア8がある際に発生するエアミックスドア8の自励振動の防止について述べる。
通風抵抗の大きさが異なる2つの開口部を開閉するドア装置では、通風抵抗のより少ない開口部がわずかに開いた状態となる位置にエアミックスドアがあると、以下に述べるように、エアミックスドアが自励振動を発生することが知られている。
【0032】
エアミックスドアが冷風通路開口部をわずかに開く位置にあると、冷風通路開口部は温風通路開口部であるヒータコアの通風面よりも通風抵抗が少ないので、冷風通路開口部へとエバポレータを通過した空気が勢いよく流れ込む。その結果、エアミックスドアの風下側の空間の圧力が低下し、エアミックスドアが冷風通路開口部側へと吸引される。その結果、冷風通路開口部が閉鎖された状態と同じになる。冷風通路開口部が閉鎖された状態と同じになると、先端部を吸引する力はなくなり、エアミックスドアは元の位置に戻る。このような状態を微小時間内に繰り返すことにより、エアミックスドアは自励振動が発生する。エアミックスドアの風上側となる空間と風下側となる空間の圧力差は脈動する。さらに、風速の脈動が加わることにより、エアミックスドアは不安定な状態となり、自励振動が発生する。なお、自励振動は、冷風通路開口部とエアミックスドアの板面とがなす角度が10度より小さい(図4中θ1 で表わされる範囲)と起こりやすいことが、経験的に知られている。
【0033】
しかしながら、本発明の実施の形態では、上述したような自励振動が発生しやすい範囲(図4中θ1 で表わされる範囲)よりも、さらに広い範囲(図4中θ2 で表わされる範囲)にリブ15が形成されている。自励振動が発生しやすい範囲において、リブ15はパッキン12に嵌入しているので、エアミックスドア8は保持され、自励振動の発生を防止することができる。その結果、自励振動による異音の発生を防止することができる。
【0034】
また、従来例では、自励振動が発生しやすい領域において、エアミックスドア8を保持するためのパッキン21をエアミックスドア8の板面に設けていたが、本発明では、特に、エアミックスドア8の、回転軸10の軸方向の端部である、エアミックスドア8の上面に設けている。そのため、エアミックスドア8の板厚のバラツキや板面の反りといった、エアミックスドア8の回動方向における歪みの影響を受けることなく、エアミックスドア8を保持することができる。また、エアミックスドア8とシール面14との間には、従来例のような自励振動を防止する部材が設けられていないので、エアミックスドア8とシール面14とを密着させることができ、冷風通路20aへの風漏れを防止することができる。その結果、暖房能力の低下やフロントガラスの曇りを防止することができる。
【0035】
さらに、パッキン12はエアミックスドア8の径方向における先端部に設けられているので、小さな保持力によりエアミックスドア8の自励振動を防止することができる。
さらに、リブ15はケース2と一体成形により形成されているので、製造工程において容易にケース2に設けることができる。
【0036】
さらに、リブ15の、シール面14側から最も離れている端部は、角がとられ、丸みを帯びた形状となっているので、エアミックスドア8がヒータコア7の通風面を閉じる位置から冷風通路開口部13への向きに回動する際の、リブ15の端部のパッキン12の引っ掛かりを防止することができ、エアミックスドア8をスムーズに回動させることができる。
【0037】
さらに、回転軸10の、エアミックスドア8の上面と上壁16との間に、リング状のドーナツパッキン11が挿入されているので、このドーナツパッキン11によりエアミックスドア8の回動時における、上下方向の変位を防止することができ、エアミックスドア8の回動によるパッキン12の位置ずれを防止することができ、確実にリブ15がパッキン12に嵌入することができる。
【0038】
なお、以上に述べた実施の形態では、パッキンをエアミックスドアに設け、リブをケースに設けたが、逆に、パッキンをケースに設け、リブをエアミックスドアに設けた構造としても同様の効果を得ることができる。
また、エアミックスドアの形状を以下に述べるような形状としても、以上に述べた実施の形態と同様の効果を得ることができる。即ち、エアミックスドアは、その上面に、エアミックスドアの回動方向と同じ方向に溝が形成されており、この溝の内側にはパッキンが設けられている。一方、リブは、以上に述べた実施の形態と同様に、ハウジングの上壁の、自励振動が発生する範囲よりも広い範囲に形成されているが、上述したエアミックスドアに形成された溝にはめこまれ、溝の内側に設けられたパッキンに嵌入した状態となっている。
【0039】
また、以上に述べた実施の形態ではエアミックスドアの上面先端部にパッキンを設けたが、パッキンを設ける位置はエアミックスドアの上面であればよい。また、パッキンは、回転軸の軸方向において端部となるエアミックスドアの面に設けてあればよく、エアミックスドアの下面に設けてあってもよい。したがって、パッキンを設ける位置は、その意味では、特に限定されるものではない。
【0040】
また、以上に述べた実施の形態では、リブをケースと一体成形したものについて示したが、リブはケースまたはエアミックスドアに別体として設けてもよい。また、以上に述べた実施の形態では、エアミックスドアの材質を樹脂としたが、エアミックスドアの材質は、例えば金属でもよく、その材質は特に限定されない。同様に、パッキンやリブについてもその材質は特に限定されない。
【0041】
また、以上に述べた実施の形態では、本発明をヒータコアの上流側に設けたエアミックスドアに適用した例について示したが、例えば、車両用空調装置において、フット吹出口と、通風抵抗のより少ないフェイス吹出口との間で通風方向を切替える切替えドアにおいても、フェイス吹出口がわずかに開いた際に自励振動が発生するため、このような切替えドアついても適用することが可能である。
【0042】
また、空気通路の風下側に設けられた開口部を、回動することにより開閉するドア装置であっても、この開口部がわずかに開いた状態であると、ドアと開口部とのわずかな隙間に勢いよく、空気が流入し、ドアの風上側の空間と風下側の空間の圧力差が増大する。その結果、前述したようにして、自励振動が発生するので、本発明をこのようなドアついても適用することが可能である。したがって、本発明を適用するドアの種類は特に限定されるものではない。
【0043】
また、以上に述べた実施の形態では、ケースの上壁の、シール面からプレートの板面とがなす角度が約15度となる範囲に形成したが、シール面からプレートの板面とがなす角度が約10度より小さい範囲において自励振動は発生するので、リブが形成される範囲は、この自励振動は発生する範囲よりも広い範囲であればよく、リブが形成される範囲は特に限定されない。また、パッキンがケースの上壁に設けられる場合についても、同様に、パッキンが設けられる範囲は自励振動は発生する範囲よりも広い範囲であればよく、パッキンが設けられる範囲は特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調装置18の全体概略構成図である。
【図2】ケース2の、図1におけるA部の拡大図であり、ドア装置1を上方から見た図である。
【図3】ドア装置1の、ケース2への取り付け状態を示す図である。
【図4】ドア装置1の作動状態を示す図である。
【図5】ドア装置1の、ケース2への取り付け状態を示す図であり、一部破断図である。
【図6】従来例におけるケース2の、図1におけるA部の拡大図であり、ドア装置19を上方から見た図である。
【図7】従来例における、ドア装置19の、ケース2への取り付け状態を示す図である。
【図8】従来例における、ドア装置19の作動状態を示す図である。
【図9】従来例における、ドア装置19の、ケース2への取り付け状態を示す図であり、一部破断図である。
【符号の説明】
1 ドア装置
2 ケース
8 ドアであるエアミックスドア
10 回転軸
12 弾性部材であるパッキン
13 開口部である冷風通路開口部
15 突起部であるリブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、略平板状のドアが回動し、開口部の開閉を行う空調装置に関するものであり、特に、ドアの風上側の空間と風下側の空間との圧力差の脈動に起因して発生する自励振動を防止することができる空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置に用いられるドア装置の一例としては、例えば、図1に示すように、ケース2に回動自在に支持された略平板状のエアミックスドア8をヒータコア7の上流側に設けたものが知られている。エアミックスドア8は最大暖房時には冷風通路開口部13を閉じるような位置となるように、一方、最大冷房時には温風通路開口部である、ヒータコア7の通風面を閉じるような位置となるように回動することにより、エバポレータ6を通過し、冷却された空気がヒータコア7を通過する空気の量の割合を調節する。
【0003】
そして、このような構造のドア装置では、送風時にエアミックスドア8に加わる力の均衡によっては、エアミックスドア8が自励振動を発生することが知られている。
例えば、図1に示すようなレイアウトの空調装置において、冷風通路開口部13をわずかに開いた位置、つまりエアミックスドア8が最大暖房時における位置よりも微小角度だけ、通風抵抗のあるヒータコア7側へと回動した位置にあると、エバポレータ6を通過した空気は通風抵抗のより少ない冷風通路20aに勢いよく流入し、シール面14とエアミックスドア8との小さな隙間を通過する空気の風速は増加する。その結果、このシール面14とエアミックスドア8との小さな隙間を通過する空気により、エアミックスドア8の風下側の圧力は低下し、エアミックスドア8は冷風通路開口部13を閉じる方向に吸引される。しかし、エアミックスドア8が冷風通路開口部13を閉じると、エアミックスドア8を冷風通路開口部13側へ吸引する力はなくなり、エアミックスドア8はもとの位置に戻る。このような作動を微小時間内に繰り返すことにより、エアミックスドア8の風上側となる空間と風下側となる空間の圧力差は脈動する。さらに、風速の脈動が加わることにより、エアミックスドア8は不安定な状態となり、自励振動を発生する。なお、自励振動は、冷風通路開口部13とエアミックスドアの板面とがなす角度が10度以下であると起こりやすいことが、経験的に知られている。
【0004】
そして、このような自励振動が発生することにより、ドア装置の作動時において異音が発生してしまうという問題点があった。
このような問題点を解決するため、従来、図6から図9に示すような構造のドア装置19が知られている。ドア装置19は、ケース2に回動自在に支持された回転軸10と、この回転軸10と連結したエアミックスドア8とからなり、エアミックスドア8の上部先端部の板面には、厚さ3〜6mm程度、表面積2〜3cm2 程度の、ウレタン材などの弾性部材からなるパッキン21が設けられている。一方、ケース2には、上壁16、および冷風通路開口部13の周囲となる、シール面14とともに、エアミックスドア8に向けて伸びる高さ3〜6mmのリブ22が形成されている。なお、このリブ22は、シール面14のパッキン21と対向する位置に形成される。
【0005】
ドア装置19をこのような構造とすることにより、エアミックスドア8が最大暖房時における位置よりも微小角度だけヒータコア7側へと回動した位置にある、つまり自励振動が発生する範囲にある時、リブ22はパッキン21に2〜3mmほど嵌入しており、エアミックスドア8は保持される。そのため、自励振動を防止することができ、異音の発生を防止することができるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなドア装置19に用いられるエアミックスドア8としては、金属や樹脂からなる薄板状のプレート8aの両面に、ウレタン材8bが装着されたものが用いられる。
しかしながら、プレート8aの板厚やウレタン材8bの板厚のバラツキ、エアミックスドア8の板面の反りといった、エアミックスドア8に回転方向への歪みが生じると、エアミックスドア8が自励振動の発生する領域にある際に、パッキン21とリブ22との接触量が減少し、エアミックスドア8を保持する力が減少してしまう可能性があった。その結果、エアミックスドア8を保持することができず、自励振動を防止することができないという問題点が生じる。
【0007】
また、パッキン21の面積が2〜3cm2 程度とかなり小さいので、パッキン21の設置位置とリブ22の形成位置について高い寸法精度が要求されるという問題点があった。
さらに、冷風通路開口部13と同一平面となるシール面14に対し、リブ22がエアミックスドア8に向けて突出して形成されているので、最大暖房時において、パッキン21とリブ22が邪魔となり、エアミックスドア8とシール面14とを密着させることができない。そのため、冷風通路20aへの風漏れが生じ、暖房能力の低下やフロントガラスの曇りといった不具合が生じてしまうという問題点もあった。
【0008】
そこで、本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ドアの回動方向に生じる歪みに影響されることなく、自励振動を防止することができるドア装置の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1ないし7は、ドア(8)の、回転軸(10)の軸方向における端部、またはこのドアの端部と対向する、ケース(2)の壁面(16)のいずれか一方に設けられる弾性部材(12)と、この弾性部材に対向する位置に設けられた突起部(15)とを有し、ケースの壁面に設けられる弾性部材または突起部が、ドアの風上側の空間と風下側の空間との圧力差の脈動により引き起こされるドアの自励振動が発生する範囲(θ1 )よりも広い範囲(θ2 )にわたって、ドアの回動方向に沿って設けられているという技術的手段を採用するものである。
【0010】
ドアが開口部を閉じる位置から、徐々にドアを回動させ、開口部がわずかに開いた位置にドアがあると、ドアの板面と開口部の開口平面との間のわずかな間隙を経て、ドアの風上側から風下側へと空気が勢いよく流入し、その結果、ドアの風下側の空間の圧力が低下し、ドアの風上側の空間と風下側の空間との圧力差は増大する。ドアの風下側の空間の圧力が低下することにより、ドアは風下側に吸引され、開口部が閉じられた状態と同じ状態となる。開口部が閉じられた状態と同じ状態となると、ドアを風下側へ吸引する力はなくなり、ドアは元の位置、つまり開口部がわずかに開いた位置に戻る。このような作動を微小時間内に繰り返すことにより、ドアの風上側となる空間と風下側となる空間の圧力差が脈動する。さらに、風速の脈動が加わることにより、ドアは不安定な状態となり、自励振動が発生する。
【0011】
請求項1ないし7の発明によれば、ケースの壁面の自励振動が発生する範囲よりも広い範囲に弾性部材または突起部のいずれか一方が形成されているので、自励振動が発生する範囲内において、突起部が、対向する弾性部材に嵌入している。そのため、ドアの振動は弾性部材に吸収され、ドアは保持された状態となり、自励振動の発生は防止される。そのため、自励振動の発生による異音の発生が防止される。また、弾性部材または突起部のいずれか一方は、回転軸の軸方向においてドアの端部に設けられているので、ドアを成形する際に生じるドアの板厚のバラツキなどの、ドアの回動方向における歪みに影響されることなく、ドアを保持することができる。さらに、ドアと開口部とを密着させることができるので、風漏れを防止することができる。
【0012】
また、請求項2の発明は、弾性部材(12)をドア(8)の端部に設け、突起部(15)を弾性部材と対向するケース(2)の壁面(16)の、ドアの風上側となる空間と前記ドアの風下側となる空間との圧力差の脈動により引き起こされるドアの自励振動が発生する範囲(θ1 )よりも広い範囲(θ2 )にわたって、ドアの回動方向に沿って設けるという技術的手段を採用するものである。
【0013】
請求項2の発明によれば、突起部をケースの壁面に設けるので、ケースとの一体成形により形成することができ、容易に製造することができる。
さらに、請求項3の発明は、ヒータコア(7)が配される温風通路(20b)の最上流側に形成された温風通路開口部と、ヒータコアを迂回する冷風通路(20a)の最上流側に形成された冷風通路開口部(13)とを開閉するエアミックスドア(8)をヒータコアの上流側に設ける空調装置(1)において、エアミックスドアの、回転軸(10)の軸方向における端部、またはこのエアミックスドアの端部と対向する、ケース(2)の壁面(16)のいずれか一方に設けられる弾性部材(12)と、この弾性部材に対向する位置に設けられた突起部(15)とを有し、ケースの壁面に設けられる弾性部材または突起部が、エアミックスドアの風上側の空間と風下側の空間との圧力差の脈動により引き起こされるエアミックスドアの自励振動が発生する範囲(θ1 )よりも広い範囲(θ2 )にわたって、エアミックスドアの回動方向に沿って設けられているという技術的手段を採用するものである。
【0014】
温風通路にはヒータコアが配されているので、冷風通路開口部は温風通路開口部に比べて通風抵抗が少ない。したがって、ヒータコアの上流側に配され、温風通路と冷風通路の開閉を行うエアミックスドアを、冷風通路開口部がわずかに開いた位置に回動させると、エアミックスドアの板面と冷風通路開口部との間のわずかな間隙を経て、エアミックスドアの風上側から風下側へと空気が勢いよく流入する。その結果、上述したような要因により、エアミックスドアの自励振動が発生する。
【0015】
請求項3の発明によれば、ケースの壁面に設けられる弾性部材または突起部が、エアミックスドアの自励振動が発生する範囲よりも広い範囲にわたって、エアミックスドアの回動方向に沿って形成されているので、請求項1と同様の作用により、エアミックスドアの自励振動の発生は防止される。
さらに、請求項4の発明では、特に、弾性部材(12)または突起部(15)をドア(8)の径方向の先端部付近に設けるという技術的手段を採用するものである。
【0016】
請求項4の発明によれば、弾性部材または突起部のドアの径方向の先端部に設けることにより、ドアを保持するために必要な力を小さくすることができる。
さらに、請求項5の発明では、特に、ケース(2)の壁面(16)に弾性部材(12)または突起部(15)を設ける範囲を、ドア(8)が開口部(13)を閉じる位置からドアの回動方向に10度以上とするという技術的手段を採用するものである。
【0017】
自励振動は、ドアが開口部を閉じる位置からドアの回動方向に10度より小さい範囲において発生することが、経験的に知られている。したがって、請求項5の発明によれば、ケースの壁面の、自励振動が発生する範囲よりも広い範囲に弾性部材または突起部のいずれか一方を設けるので、自励振動を防止することができる。
【0018】
さらに、請求項6の発明では、特に、突起部(15)の、ドア(8)の回動方向において開口部(13)から最も離れた部分が丸みを帯びた形状であるという技術的手段を採用するものである。
請求項6の発明によれば、突起部をこのような形状とすることにより、ドアが開口部を閉じる方向へと回動する際に、突起部の、開口部から最も離れた部分が弾性部材に引っ掛かってしまうことを防止することができ、弾性部材の耐久性を向上させることができる。
【0019】
さらに、請求項7の発明では、特に、ドア(8)の回転軸(10)の軸方向における変位を防止する変位防止部材(11)を回転軸に設けるという技術的手段を採用するものである。
請求項7の発明によれば、変位防止部材によりドアの回転軸の軸方向における変位を防止することができるので、確実に突起部を弾性部材に嵌入させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両用空調装置に配されるドア装置に適用した場合に望ましい実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は車両用空調装置18の全体概略構成図である。車両用空調装置18は、ポリプロピレンなどの樹脂からなるケース2と、このケース2の内部に配設される空調機能部品とからなる。
【0021】
ケース2内の空気最上流側の部分には、車室内の空気を吸入する内気吸入口3aと、車室外の空気を吸入する外気吸入口3bとを有し、内外気切替ドア4により、ケース2内に吸入する空気を内気とするか外気とするかを選択する内外気切換装置3が配置されている。
さらに、この内外気切換装置3よりも下流側の部分には、ケース2内に空気流を発生させる送風機5が配設される。この送風機5が回転すると、内気吸入口3aまたは外気吸入口3bを介して、内気または外気がケース2内に吸引され、車室内に向かう空気流が発生する。
【0022】
ケース2内の送風機5よりも下流側の部分には、通過する空気を冷却するエバポレータ6が配設されている。このエバポレータ6は、図示しないコンデンサ、コンプレッサ、リキッドタンクおよび膨張弁と配管結合されて冷凍サイクルを構成しており、ケース2の通路断面をほぼ閉じるように立設されている。送風機5によって吸入された空気は、エバポレータ6の方向に流れ込む。
【0023】
ケース2内の、エバポレータ6よりも下流側は、冷風通路20aと温風通路20bとに分岐しており、それぞれの通路の、空気の流れの最上流側となる部分には、温風通路開口部と冷風通路開口部13とが形成されている。エバポレータ6を通過した空気は、これらの開口部を介して冷風通路20aと温風通路20bととに流入する。
【0024】
なお、温風通路20bには、その通路断面をほぼ閉じるように、自動車用エンジンの冷却水(温水)を熱源とする温水ヒータのヒータコア7が立設されており、ヒータコア7の通風面が前述した温風通路開口部となっている。一方、冷風通路20aはヒータコア7を迂回するように形成されており、その最上流側には冷風通路開口部13が形成される。この冷風通路開口部13の周囲には、最大暖房時において、後述するエアミックスドア8と接触するシール面14が、ケース2の一部として形成されている。
【0025】
また、ヒータコア7の上流側には、冷風通路20aへ流入する空気と温風通路20bへ流入する空気とを所望する割合で流入させるドア装置1が配設されている。このドア装置1については、後で詳述する。
ケース2内の、冷風通路20aおよび温風通路20bよりも下流側の部分には、冷風通路20aを通過した冷風と温風通路20bを通過した温風とを混合させるエアミックス部が設けられており、空調温度を調節することができる。さらに、このエアミックス部よりも下流側の部分は連通ダクトが形成されており、連通ダクトの下流側には空調温度を調節された空気を車室内に吹き出すための吹出口9が開口している。
【0026】
ドア装置1は、図2から図5に示すように、ケース2に回動可能に支持された回転軸10と、その一端が回転軸10に連結されたエアミックスドア8と、この回転軸10を回動させる駆動手段(図示しない)とからなる。
回転軸10の端部は、ケース2の上壁16に形成された挿入孔16aと、ケース2の下壁17に形成された挿入孔17aに、それぞれ挿入されることにより、ケース2に、回転軸10の長手方向が鉛直方向となるように支持される。
【0027】
エアミックスドア8は、樹脂からなる薄板状のプレート8aと、このプレート8aの両面に装着されたウレタン材8bとからなる。エアミックスドア8の一端は回転軸10に連結されており、回転軸10を中心として回動する。
エアミックスドア8は回動することにより、冷風通路開口部13、およびヒータコア7の通風面である温風通路開口部の開閉を行う。エアミックスドア8の板面は、最大暖房時には冷風通路開口部13を閉じるような位置となるように、最大冷房時には温風開口部を閉じるような位置となるように、エアミックスドア8は回動する。
【0028】
エアミックスドア8の、回転軸10の軸方向において端部である、エアミックスドア8の上面には、弾性部材である、ウレタンからなるパッキン12が設けられている。なお、このパッキン12は、エアミックスドア8の上面の、エアミックスドア8が回動する際に、径方向の先端部となる部分に設けられている。
また、ケース2の上壁16の、エアミックスドア8が回動する際にパッキン12と対向する部分には、エアミックスドア8側、つまり下側に突出した、突起部であるリブ15が、ケース2と一体成形により形成されている。このリブ15は、シール面14からプレート8aの板面とがなす角度が約15度となるようにエアミックスドア8を回動させた位置(図中θ2 で表わされる範囲)まで、エアミックスドア8の回動方向に沿って形成されている。シール面14から離れている側の、リブ15の端部は、角がとられ、丸みを帯た形状となっている。
【0029】
なお、リブは15はエアミックスドア8が回動する際にパッキン12と対向する部分に形成されており、パッキン12に2〜3mmほど嵌入するような高さを有している。
回転軸10の、エアミックスドア8の上面と上壁16との間には、変位防止手段である、リング状のドーナツパッキン11が挿入されている。
【0030】
続いて、本実施例の作動について述べる。
内気吸入口3aから吸入された車室内の空気、または外気吸入口3bから吸入された車室外の空気は、送風機5へと送られた後、エバポレータ6を通過し、冷却される。エバポレータ6を通過した空気は、ドア装置1のエアミックスドア8の操作位置に応じて、冷風通路20aと温風通路20bとに分配され、エバポレータ6を通過した空気が冷風通路20aと温風通路20bとに流入する割合は調節される。
【0031】
続いて、通風抵抗のより少ない冷風通路開口部13がわずかに開いた状態となる、位置にエアミックスドア8がある際に発生するエアミックスドア8の自励振動の防止について述べる。
通風抵抗の大きさが異なる2つの開口部を開閉するドア装置では、通風抵抗のより少ない開口部がわずかに開いた状態となる位置にエアミックスドアがあると、以下に述べるように、エアミックスドアが自励振動を発生することが知られている。
【0032】
エアミックスドアが冷風通路開口部をわずかに開く位置にあると、冷風通路開口部は温風通路開口部であるヒータコアの通風面よりも通風抵抗が少ないので、冷風通路開口部へとエバポレータを通過した空気が勢いよく流れ込む。その結果、エアミックスドアの風下側の空間の圧力が低下し、エアミックスドアが冷風通路開口部側へと吸引される。その結果、冷風通路開口部が閉鎖された状態と同じになる。冷風通路開口部が閉鎖された状態と同じになると、先端部を吸引する力はなくなり、エアミックスドアは元の位置に戻る。このような状態を微小時間内に繰り返すことにより、エアミックスドアは自励振動が発生する。エアミックスドアの風上側となる空間と風下側となる空間の圧力差は脈動する。さらに、風速の脈動が加わることにより、エアミックスドアは不安定な状態となり、自励振動が発生する。なお、自励振動は、冷風通路開口部とエアミックスドアの板面とがなす角度が10度より小さい(図4中θ1 で表わされる範囲)と起こりやすいことが、経験的に知られている。
【0033】
しかしながら、本発明の実施の形態では、上述したような自励振動が発生しやすい範囲(図4中θ1 で表わされる範囲)よりも、さらに広い範囲(図4中θ2 で表わされる範囲)にリブ15が形成されている。自励振動が発生しやすい範囲において、リブ15はパッキン12に嵌入しているので、エアミックスドア8は保持され、自励振動の発生を防止することができる。その結果、自励振動による異音の発生を防止することができる。
【0034】
また、従来例では、自励振動が発生しやすい領域において、エアミックスドア8を保持するためのパッキン21をエアミックスドア8の板面に設けていたが、本発明では、特に、エアミックスドア8の、回転軸10の軸方向の端部である、エアミックスドア8の上面に設けている。そのため、エアミックスドア8の板厚のバラツキや板面の反りといった、エアミックスドア8の回動方向における歪みの影響を受けることなく、エアミックスドア8を保持することができる。また、エアミックスドア8とシール面14との間には、従来例のような自励振動を防止する部材が設けられていないので、エアミックスドア8とシール面14とを密着させることができ、冷風通路20aへの風漏れを防止することができる。その結果、暖房能力の低下やフロントガラスの曇りを防止することができる。
【0035】
さらに、パッキン12はエアミックスドア8の径方向における先端部に設けられているので、小さな保持力によりエアミックスドア8の自励振動を防止することができる。
さらに、リブ15はケース2と一体成形により形成されているので、製造工程において容易にケース2に設けることができる。
【0036】
さらに、リブ15の、シール面14側から最も離れている端部は、角がとられ、丸みを帯びた形状となっているので、エアミックスドア8がヒータコア7の通風面を閉じる位置から冷風通路開口部13への向きに回動する際の、リブ15の端部のパッキン12の引っ掛かりを防止することができ、エアミックスドア8をスムーズに回動させることができる。
【0037】
さらに、回転軸10の、エアミックスドア8の上面と上壁16との間に、リング状のドーナツパッキン11が挿入されているので、このドーナツパッキン11によりエアミックスドア8の回動時における、上下方向の変位を防止することができ、エアミックスドア8の回動によるパッキン12の位置ずれを防止することができ、確実にリブ15がパッキン12に嵌入することができる。
【0038】
なお、以上に述べた実施の形態では、パッキンをエアミックスドアに設け、リブをケースに設けたが、逆に、パッキンをケースに設け、リブをエアミックスドアに設けた構造としても同様の効果を得ることができる。
また、エアミックスドアの形状を以下に述べるような形状としても、以上に述べた実施の形態と同様の効果を得ることができる。即ち、エアミックスドアは、その上面に、エアミックスドアの回動方向と同じ方向に溝が形成されており、この溝の内側にはパッキンが設けられている。一方、リブは、以上に述べた実施の形態と同様に、ハウジングの上壁の、自励振動が発生する範囲よりも広い範囲に形成されているが、上述したエアミックスドアに形成された溝にはめこまれ、溝の内側に設けられたパッキンに嵌入した状態となっている。
【0039】
また、以上に述べた実施の形態ではエアミックスドアの上面先端部にパッキンを設けたが、パッキンを設ける位置はエアミックスドアの上面であればよい。また、パッキンは、回転軸の軸方向において端部となるエアミックスドアの面に設けてあればよく、エアミックスドアの下面に設けてあってもよい。したがって、パッキンを設ける位置は、その意味では、特に限定されるものではない。
【0040】
また、以上に述べた実施の形態では、リブをケースと一体成形したものについて示したが、リブはケースまたはエアミックスドアに別体として設けてもよい。また、以上に述べた実施の形態では、エアミックスドアの材質を樹脂としたが、エアミックスドアの材質は、例えば金属でもよく、その材質は特に限定されない。同様に、パッキンやリブについてもその材質は特に限定されない。
【0041】
また、以上に述べた実施の形態では、本発明をヒータコアの上流側に設けたエアミックスドアに適用した例について示したが、例えば、車両用空調装置において、フット吹出口と、通風抵抗のより少ないフェイス吹出口との間で通風方向を切替える切替えドアにおいても、フェイス吹出口がわずかに開いた際に自励振動が発生するため、このような切替えドアついても適用することが可能である。
【0042】
また、空気通路の風下側に設けられた開口部を、回動することにより開閉するドア装置であっても、この開口部がわずかに開いた状態であると、ドアと開口部とのわずかな隙間に勢いよく、空気が流入し、ドアの風上側の空間と風下側の空間の圧力差が増大する。その結果、前述したようにして、自励振動が発生するので、本発明をこのようなドアついても適用することが可能である。したがって、本発明を適用するドアの種類は特に限定されるものではない。
【0043】
また、以上に述べた実施の形態では、ケースの上壁の、シール面からプレートの板面とがなす角度が約15度となる範囲に形成したが、シール面からプレートの板面とがなす角度が約10度より小さい範囲において自励振動は発生するので、リブが形成される範囲は、この自励振動は発生する範囲よりも広い範囲であればよく、リブが形成される範囲は特に限定されない。また、パッキンがケースの上壁に設けられる場合についても、同様に、パッキンが設けられる範囲は自励振動は発生する範囲よりも広い範囲であればよく、パッキンが設けられる範囲は特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調装置18の全体概略構成図である。
【図2】ケース2の、図1におけるA部の拡大図であり、ドア装置1を上方から見た図である。
【図3】ドア装置1の、ケース2への取り付け状態を示す図である。
【図4】ドア装置1の作動状態を示す図である。
【図5】ドア装置1の、ケース2への取り付け状態を示す図であり、一部破断図である。
【図6】従来例におけるケース2の、図1におけるA部の拡大図であり、ドア装置19を上方から見た図である。
【図7】従来例における、ドア装置19の、ケース2への取り付け状態を示す図である。
【図8】従来例における、ドア装置19の作動状態を示す図である。
【図9】従来例における、ドア装置19の、ケース2への取り付け状態を示す図であり、一部破断図である。
【符号の説明】
1 ドア装置
2 ケース
8 ドアであるエアミックスドア
10 回転軸
12 弾性部材であるパッキン
13 開口部である冷風通路開口部
15 突起部であるリブ
Claims (7)
- 内部に空気通路を形成するケースと、
このケースに形成された開口部と、
前記ケースに回動可能に支持された回転軸と、
この回転軸に、その一端が連結され、前記回転軸を中心に回動する略平板状のドアと、
前記回転軸を回動させる駆動手段と、
前記回転軸の軸方向における前記ドアの端部、または前記ドアの前記端部と対向する前記ケースの壁面のいずれか一方に設けられた弾性部材と、
この弾性部材に対向するように、前記ケースの壁面、または前記ドアの前記端部のいずれか他方に設けられ、前記弾性部材に向かって突起する突起部と
を有し、
前記ケースの壁面に設けられる前記弾性部材または前記突起部が、前記ドアの風上側となる空間と前記ドアの風下側となる空間との圧力差の脈動により引き起こされる前記ドアの自励振動が発生する範囲よりも広い範囲にわたって、前記ドアの回動方向に沿って設けられていることを特徴とする空調装置。 - 前記弾性部材が前記ドアの前記端部に設けられ、前記突起部が、前記弾性部材と対向する前記ケースの壁面の、前記ドアの風上側となる空間と前記ドアの風下側となる空間との圧力差の脈動により引き起こされる前記ドアの自励振動が発生する範囲よりも広い範囲にわたって、前記ドアの回動方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項1記載の空調装置。
- 前記ケース内に配設され、通過する空気を冷却するエバポレータと、
このエバポレータよりも下流側に、前記エバポレータを通過した空気を加熱するヒータコアが配設される温風通路と、
この温風通路の最も上流側に形成される温風通路開口部と、
前記ヒータコアを迂回する冷風通路と、
この冷風通路の最も上流側に形成される冷風通路開口部とを有し、
前記ドアが前記ヒータコアの上流側に配され、前記ドアが回動することにより前記温風通路開口部と前記冷風通路開口部との開口割合を調節するエアミックスドアであり、
前記ケースの壁面に設けられる前記弾性部材または前記突起部は、前記エアミックスドアの風上側となる空間と前記エアミックスドアの風下側となる空間との圧力差の脈動により引き起こされる前記エアミックスドアの自励振動が発生する範囲よりも広い範囲にわたって、前記エアミックスドアの回動方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の空調装置。 - 前記弾性部材または前記突起部を、前記ドアの径方向の先端部付近に設けることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空調装置。
- 前記ケースの壁面に、前記弾性部材または前記突起部のいずれか一方を設ける範囲を、前記ドアが前記開口部を閉じる位置から前記ドアの回動方向に10度以上とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の空調装置。
- 前記突起部の、前記ドアの回動方向において、前記開口部から最も離れた部分が丸みを帯びた形状であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の空調装置。
- 前記ドアの前記回転軸の軸方向における変位を防止する変位防止部材を前記回転軸に設けることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の空調装置。
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