JP2013133069A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フット吹出開口部を開閉するフット用ドアにおいて、フット吹出開口部以外の他の吹出開口部へ空気を漏らす際の騒音を低減することが可能な車両用空調装置を提供する。
【解決手段】第1ロータリドア6は、フット吹出開口部26,27側に位置する外周壁部60の回転方向端部に、弾性材からなり、外方に突出するシール部材64を有する。第1ロータリドア6がフット吹出開口部26,27へ通じる通路を閉じる回転位置から他の吹出開口部24,25側に変位した状態で、シール部材64の先端と空調ケース2の内壁面との間には、空調空気の一部が他の吹出開口部24,25に向かって漏れる隙間が形成されている。シール部材64は、回転軸61に直交する断面形状が、当該漏れ空気の上流側に位置する風上側部位64aの方が下流側に位置する風下側部位64bよりも、外周壁部60に対する突出高さが高くなるように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転軸と一体に回転する外周壁部を有するロータリドアによって吹出開口部を開閉する構成を備える車両用空調装置に関する。
特許文献1に記載の車両用空調装置は、フットモード時に開放されるフット開口部の開閉状態を制御する第1ロータリドアを備えている。この第1ロータリドアは、両端にそれぞれ配された同軸の2つの回転軸と、各回転軸を扇のかなめとしてそれぞれ放射状に延びる扇形の2つの側板部と、2つの側板部の外周端部を連結する外周ドア面と、を一体に備えて構成される。一体である外周ドア面及び2つの側板部の周縁部表面には、外方に突出するシール部が設けられている。このシール部は、ケースの内壁面に設けられるリブに圧着することにより、ドアのシール構造をなす。当該シール部は、回転軸に直交する断面が略V字状をなす凸条部である。
特許第4089390号公報
特許文献1の車両用空調装置では、第1ロータリドアがフット開口部を全閉する位置と通通路を全閉する位置との中間位置にあるとき、シール部とケースの内壁面との間には隙間が生じうる。これにより、例えば、フットデフロスタモード時に、空気混合部からフット開口部に向けて流れてきた空調風の一部は、第1ロータリドアの外周面とケースの内壁面との間を流れ、デフロスタ開口部側に漏れることがある。この漏れ風が断面略V字状のシール部の外側を流れるときに、V字状の凹んだ部分によって外側に渦を巻く流れが発生するようになる。この渦の発生が起因して、車室内への騒音が増大するという問題がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フット吹出開口部の開閉状態を制御するフット用ドアにおいて、フット吹出開口部以外の他の吹出開口部へ空気を漏らす際の騒音を低減することが可能な車両用空調装置を提供することである。
上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1は、回転軸(61)と、所定の間隔を設けて対向し回転軸と一体に回転する一対の側板部(62)と、一対の側板部を連結し側板部及び回転軸と一体に回転する外周壁部(60)とを一体に有するロータリドア(6)を備え、当該ロータリドアの回転位置によって、空調ケース(2)に形成されるフット吹出開口部(26,27)への通路を開閉する車両用空調装置(1)に係る発明であって、
ロータリドアは、複数の吹出開口部(24,25,26,27)のうち、フット吹出開口部(26,27)側に位置する外周壁部の回転方向端部に、弾性材からなり、外周壁部よりも外方に突出するシール部材(64)を有し、
ロータリドアがフット吹出開口部へ通じる通路を閉じる回転位置から他の吹出開口部(24,25)側に変位した状態で、シール部材(64)の先端と空調ケースの内壁面との間には、空調空気の一部が他の吹出開口部に向かって漏れる隙間が形成されており、
シール部材は、ロータリドアの回転軸(61)に直交する断面形状が、当該漏れ空気の上流側に位置する風上側部位(64a,64Aa)の方が下流側に位置する風下側部位(64b,64Ab)よりも、外周壁部に対する突出高さが高くなるように形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、ロータリドアがフット吹出開口部への通路を閉じる回転位置から他の吹出開口部側に変位した状態では、空調空気の一部がシール部材の先端と空調ケースの内壁面との間を流通して他の吹出開口部へ向けて漏れるようになる。風上側部位の方の突出高さが高いことにより、この漏れ空気風についてシール部材の風上側部位から風下側部位に沿って流れる際に、渦を巻く流れが抑制されるため、上記従来の装置に比べて渦騒音を低減することができる。この発明による渦騒音の抑制は、人間に対して耳ざわりの騒音として伝わる周波数帯域に騒音レベルを低下するため、車室内の乗員が受ける騒音低減として有用である。したがって、フット吹出開口部の開閉状態を制御するフット用ドアにおいて、フット吹出開口部以外の他の吹出開口部へ空気を漏らす際の騒音を低減することが可能な車両用空調装置を提供することができる。
請求項2によると、当該風下側部位(64b)は、当該外周壁部(60)と同じ高さに形成されていることを特徴とする。この発明によれば、シール部材の風下側部位が外周壁部と同じ高さであることにより、風上側部位に沿う漏れ空気の流れを外周壁部の外表面に沿う流れへと滑らかに移行させることができる。したがって、シール部材の風下側部位と風下側部位の間には全く窪みがないため、渦を巻く流れの形成を阻害効果が顕著である。
請求項3によると、当該外周壁部(60)は、凹凸部のない外表面を有することを特徴とする。この発明によれば、上記の漏れ空気が外周壁部の外表面に沿って流れる際の流れが安定するため、漏れ空気風発生時のさらなる騒音低減効果が図れる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明を適用した第1実施形態に係る車両用空調装置の内部構造を示す概要図である。 第1実施形態の車両用空調装置について、第1ロータリドアにおける外周壁の端部の構成を説明するための部分的断面図である。 従来品に関して、フット用ドアにおける外周壁の端部の構成を説明するための部分的断面図である。 第1実施形態品と従来品について、騒音レベルの検証実験を行った結果を比較した周波数特性図である。 本発明を適用した第2実施形態について、第1ロータリドアにおける外周壁の端部の構成を説明するための部分的断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
(第1実施形態)
本発明を適用した第1実施形態の車両用空調装置1について図1〜図3にしたがって説明する。図1は、第1実施形態に係る車両用空調装置1の内部構造を示す概要図である。なお、図1では、車室内への吹き出しモードがフットモードである状態を示している。
車両用空調装置1は、送風ユニットと、この送風ユニットから送風された送風空気の温度調節を行う空調ユニットと、を備えている。空調ユニット、送風ユニットは、それぞれ、例えばポリプロピレンといった樹脂成型品のケースからなり、このケースは複数の分割ケース部材を組み合わせて形成され、複数の分割ケース部材は弾性のあるクリップ、ねじ等により結合される。さらに強度を向上する場合には、所定量のタルクやガラス繊維を含有したPP樹脂を用いてもよい。例えば、送風ユニットは、車室内のインストルメントパネル裏の空間のうち、中央部から助手席側へオフセットして配置されている。これに対し、空調ユニットは、インストルメントパネル裏の空間のうち、車両幅の略中央部に配置されている。
送風ユニットは、車室内空気及び車室外空気の少なくとも一方を取り入れる内外気切替え装置と、内気、外気を吸入する送風装置と、を備える。内外気切替え装置は、内外気切替えドアを備え、内外気切替えドアの位置によって、空気取入口の開閉状態を切り替え、送風装置の吸引力によって、開放された空気取入口から、外気、内気、またはこれらの両方を取り入れる。送風装置は、遠心多翼ファンからなるファンを有する。ファンは、渦巻き状のスクロールケーシング内に配置され、モータの駆動力によって回転する。ファンが回転することによって送風装置に吸い込まれた空気は、送風ユニットと空調ユニットを接続するダクト内から空気通路20を通ってエバポレータ3の熱交換部に達する。
空調ユニットは、空調ケース2内にエバポレータ3、ヒータコア4、エアミックスドア5、第1ロータリドア6、第2ロータリドア7等を内蔵する。エバポレータ3は、車両前後方向には薄型の形態で空調ケース2内の空気通路20を横断するように配置されている。したがって、エバポレータ3の熱交換部の前面に、送風ユニットからの送風空気が流入する。エバポレータ3は、冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を通過空気から吸熱して、空気通路20を流通する空気を冷却する冷却用熱交換器である。
エバポレータ3の空気流れ下流側である車両後方には、所定の間隔を隔ててヒータコア4が配置されている。ヒータコア4は、エバポレータ3を通過した空気を加熱し、その内部に高温の温水(例えばエンジン冷却水)が流れル構造であり、この温水を熱源として空気を加熱する加熱用熱交換器である。ヒータコア4は、その熱交換部がエバポレータ3下流における車両前方側半分の空間を占有するように配置され、エバポレータ3下流を部分的に横断する。
エバポレータ3とヒータコア4との間の通路には、エアミックスドア5が設けられている。エアミックスドア5は、エバポレータ3を通過してきた内気を、ヒータコア4で加熱する空気とヒータコア4を迂回して加熱しない空気とに分けて、両者の風量割合を調整する温調ドアである。エアミックスドア5は、平行移動して変位する板状、フィルム状等のスライド式ドアである。エアミックスドア5は、エバポレータ3下流の通路を、ヒータコア4の熱交換部の前面を全閉する位置から、ヒータコア4が横断されていない通路を全閉する位置までの範囲にわたって移動可能であり、任意の位置に変位可能に構成されている。
エアミックスドア5がヒータコア4の熱交換部の前面を全閉する位置や、中間位置に制御された場合は、エバポレータ3下流におけるヒータコア4と空調ケース2の内壁面との間には、エバポレータ3を通過した冷風が流れる冷風通路21が形成される。エアミックスドア5が冷風通路21を全閉する位置や、中間位置に制御された場合は、ヒータコア4を通過した空気はヒータコア4出口の温風通路22に達する。
上記の通り、エアミックスドア5は、その位置により、ヒータコア4を通る温風の風量とヒータコア4を通過しない冷風の風量との比率を調節して、車室内へ供給する空調空気を生成する空気混合方式の温調手段である。エアミックスドア5は、その開度に応じて冷風と温風の風量割合を調節し、空調風の温度調節を行う。制御装置は、マニュアル操作による指令やオートエアコンの設定温度に応じて、エアミックスドア5の位置を制御する。
空調ケース2の内部空間におけるヒータコア4よりも下流側であって冷風通路21の下流側には、エバポレータ3から流れてきた冷風とヒータコア4で加熱された温風とが合流して混ざり合うエアミックスチャンバ23が設けられている。エアミックスチャンバ23で温度調節された空調空気は、空調ケース2に形成されて、車室内につながるデフロスタ吹出開口部24、フェイス吹出開口部25、フロントフット吹出開口部26、リアフット吹出開口部27を開閉する第2ロータリドア7、第1ロータリドア6が制御されることによって、車室内への吹き出しモードが選択され、適正な風量で車室内へ供給される。
空調ケース2の車両前方側の上部には、第2ロータリドア7によって切り替えて開閉されるデフロスタ吹出開口部24とフェイス吹出開口部25が設けられている。空調ケース2の車両後方側には、第1ロータリドア6によって開閉されるフロントフット吹出開口部26とリアフット吹出開口部27(以下、両開口部とも、「フット吹出開口部」と称することがある。)が設けられている。デフロスタ吹出開口部24及びフェイス吹出開口部25は、連通路29を介してフット吹出開口部26,27に連通している。デフロスタ吹出開口部24及びフェイス吹出開口部25は、連通路29を通じてエアミックスチャンバ23に連通する。第1ロータリドア6は、フット吹出開口部26,27の開閉に伴って連通路29も開放及び遮閉する。
デフロスタ吹出開口部24は、ダクトを介して窓ガラスに向けて開口する車室内の送風口に連通している。フェイス吹出開口部25は、ダクトを介して乗員の上半身に向けて開口する車室内の送風口に連通している。フロントフット吹出開口部26は、ダクトを介して前席乗員の足元に向けて開口する車室内の送風口に連通している。リアフット吹出開口部27は、リアフット通路28を介して後席乗員の足元に向けて開口する車室内の送風口に連通している。
図示しない制御装置は、マニュアル操作による指令やオートエアコンの設定温度に応じて、空気取入モード、吹出しモードを制御する。制御装置は、空気取入モードとして、外気モード、内気モード、内外気導入モードのいずれかに設定する。また制御装置は、第2ロータリドア7、第1ロータリドア6の回転位置を制御して、吹出しモードとして、フットモード、フェイスモード、バイレベルモード、デフロスタモード、フットデフロスタモード等に設定する。また、制御装置は、マニュアル操作による指令やオートエアコンの設定温度に応じて、送風装置による送風量と、エアミックスドア5による車室内吹き出し空気の温度調整とを制御する。
次に、第1ロータリドア6及び第2ロータリドア7について詳細に説明する。第1ロータリドア6及び第2ロータリドア7は、吹き出しモード切替機構を構成する。第1ロータリドア6は、左右両端にそれぞれ配された同軸の回転軸61と、所定の間隔を設けて対向し回転軸61と一体に回転する扇形状の一対の側板部62と、一対の側板部62における円弧状の端部間を連結し側板部62及び回転軸61と一体に回転する外周壁部60と、を一体に備えている。外周壁部60は、第1ロータリドア6のドア面をなす。
左右の各回転軸61は、各側板部62の扇形の要の位置において左右の外方へ突出し、空調ケース2の内壁の軸受穴に回転自在に支持される。外周壁部60は、回転軸61を中心とする円弧状の断面形状を構成し、一対の側板部62の外周端部を連結するドア面を構成するため、一対の側板部62と外周壁部60とで囲まれる外周壁部60の内側空間は、常時、空調ケース2内の通路につながっており、空調空気は自由に流通できるようになっている。また、外周壁部60の外表面は、凹凸部のない表面を呈する。
第2ロータリドア7は、第1ロータリドア6と外形寸法等が異なるが、ドアの基本構造は同一である。第2ロータリドア7は、左右両端にそれぞれ配された同軸の回転軸71と、所定の間隔を設けて対向し回転軸71と一体に回転する扇形状の一対の側板部72と、一対の側板部72における円弧状の端部間を連結し側板部72及び回転軸71と一体に回転する外周壁部70と、を一体に備えている。外周壁部70は、第2ロータリドア7のドア面をなす。
第1ロータリドア6及び第2ロータリドア7は、それぞれ、上記の各部が樹脂材料で一体に成形される成型部品であり、後述するシール部材63,64,73のそれぞれがこの成形部品の所定箇所に溶着、接着等により固定され、または二色成形により一体成型される。シール部材63,64は、第1ロータリドア6の回転位置(例えば、各吹出しモードに対応する回転位置)に応じて、空調ケース2に設けられた所定のシール面に弾性変形を伴って圧着することにより空気の漏れを妨げる。シール部材73は、第2ロータリドア7の回転位置に応じて、空調ケース2に設けられた所定のシール面に弾性変形を伴って圧着することにより空気の漏れを妨げる。
第1ロータリドア6と第2ロータリドア7のシール構造は、ドアシール構造はドア操作力を低減できるリップシールタイプである。第2ロータリドア7が備えるシール部材73は、回転方向の両側それぞれにおいて、外周壁部70の回転方向端部と一対の側板部62の直線状の辺縁部とにわたり連続してトンネル形状に設けられている。シール部材73は、エラストマー等の弾性材からなり、外周壁部70よりも外方に突出する断面V字形状である。
第1ロータリドア6が備える一方のシール部材64は、フット吹出開口部26,27側に位置する、外周壁部60の回転方向端部と、一対の側板部62の直線状の辺縁部とにわたり連続してトンネル形状に設けられている。シール部材64は、エラストマー等の弾性材からなり、外周壁部60よりも外方に突出する形状である。
第1ロータリドア6が備える他方のシール部材63は、フット吹出開口部26,27以外の他の吹出開口部(デフロスタ吹出開口部24、フェイス吹出開口部25)側に位置する、外周壁部60の回転方向端部と、一対の側板部62の直線状の辺縁部とにわたり連続してトンネル形状に設けられている。シール部材63は、エラストマー等の弾性材からなり、外周壁部60よりも外方に突出する断面V字形状である。また第2ロータリドア7が備えるシール部材73も、エラストマー等の弾性材からなり、外周壁部60よりも外方に突出する断面V字形状である。シール部材63,64,73を形成するエラストマーは、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、二トリルゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)、フロロエーテルゴム(FO)、ウレタンゴム、シリコンゴム等である。
図2は、第1ロータリドア6における外周壁部60の端部の構成を説明するための部分的断面図である。特にシール部材64は、図2に示すように、第1ロータリドア6がフット吹出開口部26,27へ通じる通路を閉じる回転位置から他の吹出開口部側に変位した状態で、空調ケース2の内壁面との間に隙間が形成されるようになっている。空調ケース2内の通路を流れてきた空調空気の一部は、この隙間を通ってデフロスタ吹出開口部24やフェイス吹出開口部25に向かって漏れて(図2の矢印参照)、車室内に送風される。空調空気の残部は、フロントフット吹出開口部26やリアフット吹出開口部27から流出して車室内に送風される。
シール部材64は、回転軸61に直交する断面形状が、当該漏れ空気の上流側に位置する風上側部位64aの方が下流側に位置する風下側部位64bよりも、外周壁部60に対する突出高さが高くなるように形成されている。特に風下側部位64bは、図2に示すように、外周壁部60と同じ高さに形成されていることが好ましい。
次に、複数の吹き出しモードの中から代表してフットモード時の作動について図1を参照して説明する。フットモードでは、第1ロータリドア6はフット吹出開口部26,27を全開し、連通路29を閉じる回転位置に制御され、シール部材63は空調ケース2側のシール面に弾性的に圧着する。この結果、第1ロータリドア6により連通路29が遮断状態とされ、車室内の送風口に連通するフット吹出開口部26,27の流路が全開状態となる。しかしながら、フット吹出開口部26,27寄りに位置するシール部材64と空調ケース2の内壁面との間には、隙間が生じているため、空調風の一部は当該隙間を通過して連通路29に漏れるようになる。空調風の大部分は、フット吹出開口部26,27から流出し、ダクト内を介して前席及び後席の乗員足元に向けて吹き出される。
このとき、第2ロータリドア7は、デフロスタ吹出開口部24を全開し、フェイス吹出開口部25を全閉する回転位置に制御されている。このため、上記隙間を通過して連通路29に流れた漏れ空気は、第2ロータリドア7の外周壁部70の内側を通過して、デフロスタ吹出開口部24から流出し、車室内の窓ガラス等に向けて吹き出されるようになる。
次に、第1実施形態に対する従来の比較例として、図3を参照して、従来品のフット用ドア100における外周壁の端部の構成を説明する。図3に示すように、従来のフット用ドア100が備えるシール部材103は、フット吹出開口部側に位置する、外周壁部101の回転方向端部と、一対の側板部102の直線状の辺縁部とにわたり連続してトンネル形状に設けられている。
シール部材103は、エラストマー等の弾性材からなり、外周壁部101よりも外方に突出する断面V字形状である。シール部材103は、回転軸に直交する断面形状が、図3の矢印で示す漏れ空気の上流側に位置する風上側部位103aと下流側に位置する風下側部位103bとが、外周壁部60に対する突出高さがほぼ同じになるように形成されている。
このような断面V字形状のシール部材103によれば、フット用ドアの外周壁面と空調ケースの内壁面との間を流れ、デフロスタ開口部側に漏れる空気が断面略V字状のシール部103の外側を流れるときに、V字状の凹んだ部分によって外側に渦を巻くようになる。この渦の発生が起因して、車室内への騒音が増大する。第1実施形態の車両用空調装置1におけるシール部材64によれば、このような渦巻く流れを抑制することが可能になるのである。
以下に、第1実施形態の車両用空調装置1がもたらす作用効果について述べる。車両用空調装置1において、第1ロータリドア6は、複数の吹出開口部のうち、フット吹出開口部26,27側に位置する外周壁部60の回転方向端部に、弾性材からなり、外周壁部60よりも外方に突出するシール部材64を有する。第1ロータリドア6がフット吹出開口部26,27へ通じる通路を閉じる回転位置から他の吹出開口部24,25側に変位した状態で、シール部材64の先端と空調ケース2の内壁面との間には、空調空気の一部が他の吹出開口部24,25に向かって漏れる隙間が形成されている。シール部材64は、回転軸61に直交する断面形状が、当該漏れ空気の上流側に位置する風上側部位64aの方が下流側に位置する風下側部位64bよりも、外周壁部60に対する突出高さが高くなるように形成されている。さらにシール部材64は、回転軸61に直交する断面形状が風上側部位64aから風下側部位64bにかけて徐々に突出高さが低くなるように形成されている。
この構成によれば、第1ロータリドア6がフット吹出開口部26,27への通路を閉じる回転位置から他の吹出開口部24、25側に変位した状態では、空調空気の一部がシール部材64の先端と空調ケース2の内壁面との間を流通して他の吹出開口部24、25へ向けて漏れるようになる。そして、風上側部位64aの方の突出高さが高いことにより、この漏れ空気について風上側部位64aから風下側部位64bに沿って流れる際に、渦を巻く流れが抑制される。このため、回転軸に直交するシール部材の断面形状に窪みがある上記従来の装置に比べて、渦騒音を低減することができる。
図4は、第1実施形態の装置と従来品について、フットモード時の騒音レベルの検証実験を行った結果を比較した周波数特性図である。図4に示すように、1000Hzを超える比較的高い周波数帯域において、本実施形態品(実線で示す騒音特性)は従来品(破線で示す騒音特性)に対して騒音の音圧レベルが低減することが確認されている。この周波数帯域は、人間の耳に耳障りに聞こえる音であり、この音を抑制できることにより、実使用上、有効な騒音低減が図れると考えられる。したがって、フット吹出開口部26,27の開閉状態を制御するフット用ドアにおいて、フット吹出開口部以外の他の吹出開口部24,25へ空気を漏らす際の騒音を低減することが可能な車両用空調装置1を実現できる。
また、シール部材64における風下側部位64bは、外周壁部60と同じ高さに形成されている。さらに、シール部材64は、回転軸61に直交する断面形状が風上側部位64aから風下側部位64bにかけて徐々に突出高さが低くなるように形成されている。これによれば、風上側部位64aに沿って流れる漏れ空気を、外周壁部60の外表面に沿う流れへと滑らかに移行させることができる。したがって、シール部材64の風上側部位64aと風下側部位64bの間には全く窪みがないため、渦を巻く流れの形成を妨げる顕著な効果が期待でき、騒音低減において多大な成果が得られる。
また、外周壁部60は、凹凸部のない外表面を有することにより、漏れ空気が外周壁部60の外表面に沿って流れる際の流れが安定する。したがって、上記の回転軸61に直交するシール部材64の特徴的断面形状と組み合わせることで、漏れ空気発生時のさらなる騒音低減が得られる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、車両用空調装置の構成について、第1実施形態を変更する実施形態である。図5は、第2実施形態について、第1ロータリドア6Aにおける外周壁部60の端部の構成を説明するための部分的断面図である。以下、特に説明しない形態は、第1実施形態と同様とし、異なる形態について説明する。
第2実施形態は、シール部材64Aの構成が、第1実施形態に対して相違している。図5に示すように、シール部材64Aは、回転軸に直交する断面形状が、当該漏れ空気の上流側に位置する風上側部位64Aaの方が下流側に位置する風下側部位64Abよりも、外周壁部60に対する突出高さが高くなるように形成されている。さらに、空調ケース2の内壁面側には、連通路29側に突出する形状のリブ29aが設けられている。このリブ29aの突出量と風下側部位64Abの突出高さとによれば、上記の漏れ空気の風量を絞ることができるので、漏れ量を微調整することが可能である。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
上記の第1実施形態では、シール部材64と空調ケース2の内壁面との間を流れてフット吹出開口部26,27側から他の吹出開口部へ向けて漏れる空気は、開放されているデフロスタ吹出開口部24から流出して車室内へ送風される。しかしながら、本発明に係る車両用空調装置は、この形態に限定されるものではなく、他の吹出開口部として開放されたフェイス吹出開口部25から流出して車室内へ送風される実施形態でもよい。
また、上記の第1実施形態では、第1ロータリドア6は、フット吹出開口部26,27を全開し、他の吹出開口部24,25側の連通路29を閉じる回転位置に制御されているが、本発明に係る車両用空調装置は、この形態に限定されるものではない。例えば、第1ロータリドア6は、フット吹出開口部26,27を全開する位置と全閉する位置との中間位置に制御される実施形態でもよく、この場合でも、シール部材64と空調ケース2の内壁面との間にはフット吹出開口部26,27側から他の吹出開口部24,25へ向けて空気が流れるため、第1実施形態と同様の作用効果が得られるのである。
上記実施形態において、フット用ドアである第1ロータリドア6は、その外周壁部の外表面が円弧状であるが、この形状に限定するものではない。例えば、第1ロータリドア6の外周壁部は、湾曲面がない平板状であってもよい。
また、上記実施形態において、デフロスタ吹出開口部24及びフェイス吹出開口部25を開閉する第2ロータリドア7は、平行移動するスライド移動方式の板ドア、フィルムドア等の他の形式のドアであってもよい。
上記実施形態において、第1ロータリドア6の回転軸61及び第2ロータリドア7の回転軸71は、リンク機構を介して共通の吹出モードドア操作機構に連結する。この吹出モードドア操作機構として、モータを用いたアクチュエータ機構を用いてもよいし、手動操作機構を用いてもよい。
1…車両用空調装置
2…空調ケース
24…デフロスタ吹出開口部(他の吹出開口部)
25…フェイス吹出開口部(他の吹出開口部)
26…フロントフット吹出開口部(フット吹出開口部)
27…リアフット吹出開口部(フット吹出開口部)
6…第1ロータリドア(ロータリドア)
60…外周壁部
61…回転軸
62…側板部
64…シール部材
64a,64Aa…風上側部位
64b,64Ab…風下側部位

Claims (3)

  1. 回転軸(61)と、所定の間隔を設けて対向し前記回転軸と一体に回転する一対の側板部(62)と、前記一対の側板部を連結し前記側板部及び前記回転軸と一体に回転する外周壁部(60)とを一体に有するロータリドア(6)を備え、当該ロータリドアの回転位置によって、空調ケース(2)に形成されるフット吹出開口部(26,27)への通路を開閉する車両用空調装置(1)であって、
    前記ロータリドアは、複数の吹出開口部(24,25,26,27)のうち、前記フット吹出開口部(26,27)側に位置する前記外周壁部の回転方向端部に、弾性材からなり、前記外周壁部よりも外方に突出するシール部材(64)を有し、
    前記ロータリドアが前記フット吹出開口部へ通じる通路を閉じる回転位置から他の吹出開口部(24,25)側に変位した状態で、前記シール部材(64)の先端と前記空調ケースの内壁面との間には、空調空気の一部が前記他の吹出開口部に向かって漏れる隙間が形成されており、
    前記シール部材は、前記ロータリドアの回転軸に直交する断面形状が、当該漏れ空気の上流側に位置する風上側部位(64a,64Aa)の方が下流側に位置する風下側部位(64b,64Ab)よりも、前記外周壁部に対する突出高さが高くなるように形成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記風下側部位(64b)は、前記外周壁部(60)と同じ高さに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記外周壁部(60)は、凹凸部のない外表面を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
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