JP2020179736A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Tatsuya Iwasaki
達也 岩崎
洋介 原田
Yosuke Harada
洋介 原田
啓悟 嘉本
Keigo Kamoto
啓悟 嘉本
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Abstract

【課題】シール部とケーシングの面との間の微小な隙間が生じた場合であっても、その隙間を空気が通過する際に発生する異音を抑制する。【解決手段】ダンパは、回動軸と、閉止板部62と、閉止板部62の周縁部から突出する弾性材からなる板状のシール部64とを備えている。ケーシング51Cは、シール部64の突出方向先端部が当接するシール面51aと、シール面51aとシール部64との間に形成された隙間を通過する空気の流速を低下させる流速低減部59とを備えている。【選択図】図11

Description

本発明は、例えば自動車等に搭載される車両用空調装置に関し、特に、空気通路を開閉するためのダンパを備えた構造の技術分野に属する。
従来より、車両用空調装置は、車室内の空気(内気)と車室外の空気(外気)の一方を導入して送風する送風ユニットと、冷却用熱交換器及び加熱用熱交換器を有する空調ユニットとを備えている。送風ユニットは、内気導入口と外気導入口とが形成された送風ケーシングを備えており、送風ケーシングの内部には、内気導入口及び外気導入口を開閉するための内外気切替ダンパが収容されている。
また、空調ユニットは、冷却用熱交換器及び加熱用熱交換器を収容するとともに、複数の空気吹出口が形成された空調ケーシングを備えており、空調ケーシングの内部には、空調風の温度調節を行うためのエアミックスダンパと、空気吹出口を開閉して吹出モードを切り替えるための吹出方向切替ダンパとが収容されている。
この種のダンパとしては、例えば特許文献1〜3に開示されているように、回動軸と、回動軸周りに回動することによって開口部を閉止する閉止板部とを備えたものがある。特許文献1〜3では、閉止板部の周縁部に、弾性材からなる板状のシール部が当該周縁部から突出するように設けられている。ダンパがケーシングの開口部を閉止した状態にあるとき、シール部がケーシングに接触する。
特開2004−210035号公報 特開2005−335507号公報 特開2008−279905号公報
ところで、特許文献1〜3では、ダンパがケーシングの開口部を閉止した状態にあるとき、主にシール部の突出方向先端部がケーシングの面に接触することによってシール性が得られるようになっている。
ところが、板状のシール部の場合、成形誤差等の要因によってその突出方向先端部が必ずしもケーシングの面に沿うように成形されないことがある。また、ケーシングの面についても公差範囲内で形状誤差が生じることがあり、さらに、ダンパのケーシングへの組付誤差も生じることがある。上記した各種誤差が生じると、ダンパの突出方向先端部とケーシングの面との間に隙間が生じやすくなる。この隙間は、シール部が弾性変形することによってある程度は縮小することができるが、完全に無くそうとするためには各部の成形精度や組み付け精度を極めて高くしなければならず、現実的ではない。したがって、車両用空調装置において板状のシール部の突出方向先端部とケーシングの面との間に局所的に微小な隙間が発生するのは避けられない。
シール部とケーシングの面との間に微小な隙間が発生すると、その隙間を空気が通過する際に笛を吹いたときのような異音が発生する。特に隙間が狭く、空気の流速が速い場合に異音の発生が顕著なものになる。送風ユニット及び空調ユニットは車室に配設されているので、隙間を空気が通過することによって発生した異音が車室の乗員に届きやすく、問題となる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シール部とケーシングの面との間の微小な隙間が生じた場合であっても、その隙間を空気が通過する際に発生する異音を抑制することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、シール部とケーシングの面との間に形成された隙間を通過する空気の流速を低下させるようにした。
第1の発明は、空気が流通する空気通路と該空気通路の端部が接続される開口部とを有するケーシングと、該ケーシングに収容され、前記開口部を開閉するダンパとを備えた車両用空調装置において、前記ダンパは、前記ケーシングに回動可能に支持される回動軸と、前記開口部を閉止する閉止板部と、該閉止板部の周縁部から突出する弾性材からなる板状のシール部とを備え、前記ケーシングは、前記ダンパの前記閉止板部が前記開口部を閉止する閉止状態にあるときに前記シール部の突出方向先端部が当接するシール面と、該シール面と前記シール部の突出方向先端部との間に形成された隙間を通過する空気の流速を低下させる流速低減部とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、ダンパの閉止板部がケーシングの開口部を閉止する閉止状態にあるときにはシール部の突出方向先端部がケーシングのシール面に当接して閉止板部とケーシングとの間がシールされる。このとき、各部の成形誤差や組付誤差等によってシール部とケーシングのシール面との間に隙間が発生することが考えられる。隙間が発生すると、その隙間を空気が通過することになるが、空気が隙間を通過する際、その空気の流速が流速低減部によって低下する。これにより、空気が隙間を通過する際に発生する異音が抑制される。
第2の発明は、前記シール部は、突出方向先端に近づくほど互いの離間距離が長くなるように形成された第1リップ部と第2リップ部とを備え、前記閉止状態にあるときに前記第1リップ部の突出方向先端部が前記シール面に当接するように配置され、前記流速低減部は、前記閉止状態にあるときの前記第1リップ部の突出方向先端部と対向するように配置される板状に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、閉止状態にあるときに第1リップ部の突出方向先端部がシール面に当接し、また、この状態からダンパを反対方向に回動させると第2リップ部がケーシングの面に当接する。したがって、第1リップ部と第2リップ部を設けることで、ダンパがどちらに回動されてもシール性が確保される。そして、第1リップ部の突出方向先端部がシール面に当接したとき、板状の流速低減部が第1リップ部の突出方向先端部と対向するように配置されるので、隙間を通過する空気の流速が確実に低下する。
第3の発明は、前記流速低減部は、前記隙間を通過する空気流れ方向を基準として前記第1リップ部よりも下流側に配置されるとともに、前記ケーシングから突出するように形成され、前記流速低減部の前記ケーシングからの突出長さは、前記第1リップ部の厚み寸法よりも長く設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1リップ部とケーシングのシール面との隙間を通過した空気が流速低減部に衝突することになり、このとき、流速低減部の突出長さが第1リップ部の厚み寸法よりも長いので空気の流速が確実に低下する。
第4の発明は、前記流速低減部は、前記シール部の長手方向に沿って連続して設けられていることを特徴とする。
すなわち、シール部とケーシングのシール面との間の隙間はシール部の長手方向のどの部分に形成されるか、製品毎の特定が難しい場合があるが、本発明では流速低減部がシール部の長手方向に沿って連続して設けられているので、隙間がシール部の長手方向のどの部分に形成されていても、その隙間を流通する空気が流速低減部に衝突して空気の流速が確実に低下する。
第5の発明は、前記流速低減部は、前記シール部の長手方向の一部にのみ設けられていることを特徴とする。
すなわち、シール部とケーシングのシール面との間の隙間ができやすい箇所が決まっている場合があるが、この場合に、当該箇所のみ流速低減部を設けるようにすることで、不要な部分にまで流速低減部を設けずに済む。
第6の発明は、前記流速低減部の前記ケーシングからの突出長さは、前記シール部の長手方向の部位によって異なっていることを特徴とする。
すなわち、シール部とケーシングのシール面との間の隙間の大きさはシール部の長手方向の部位によって異なっていたり、隙間がある部分と無い部分とがあったりする。本発明では、隙間が大きな部分では流速低減部の突出長さを長くし、反対に隙間が小さな部分では流速低減部の突出長さを短くすることで、異音の抑制効果を低下させることなく、流速低減部を形成するための材料を削減することが可能になる。また、隙間がある部分では、流速低減部の突出長さを長くし、隙間が無い部分では流速低減部を設けないようにすることも可能である。この場合も異音の抑制効果を低下させることなく、流速低減部を形成するための材料を削減することが可能になる。
第7の発明は、前記流速低減部の突出方向は、前記シール面に対して略直交する方向であることを特徴とする。
この構成によれば、隙間から流出した空気の流れと流速低減部の突出方向とが略直交することになるので、隙間から流出した空気の流れの向きが流速低減部によって変わり、空気の流速が確実に低下する。
第8の発明は、前記流速低減部は、前記シール部の回動軌跡に沿うように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、流速低減部とシール部との距離が回動軸の周方向について一定に保たれるので、周方向に誤差が生じていたとしても、隙間から流出した空気の流速が確実に低下する。
第9の発明は、前記第1リップ部の基端部と前記第2リップ部の基端部とが連続していることを特徴とする。
この構成によれば、第1リップ部及び第2リップ部の基端部同士が連続することで、シール部の厚み方向の寸法を短くすることが可能になる。
第10の発明は、前記第1リップ部の突出方向先端部は、前記シール面に向けて屈曲していることを特徴とする。
この構成によれば、第1リップ部の突出方向先端部がシール面に確実に接触するようになる。
第1の発明によれば、ダンパの閉止板部に弾性材からなる板状のシール部を設け、ケーシングのシール面とシール部の突出方向先端部との間に形成された隙間を通過する空気の流速を低下させる流速低減部をケーシングに設けたので、シール部とケーシングの面との間に微小な隙間が生じた場合であっても、その隙間を空気が通過する際に発生する異音を抑制することができる。
第2の発明によれば、第1リップ部と第2リップ部とを備えるシール部を設け、閉止状態にあるときに第1リップ部の突出方向先端部をシール面に当接させ、このときの第1リップ部の突出方向先端部と対向するように板状の流速低減部を配置することで、隙間を通過する空気の流速を確実に低下させることができる。
第3の発明によれば、第1リップ部よりも下流側に配置された流速低減部の突出長さを第1リップ部の厚み寸法よりも長く設定したので、隙間を通過した空気が流速低減部に衝突して空気の流速を確実に低下させることができる。これにより、異音をより一層小さくすることができる。
第4の発明によれば、流速低減部がシール部の長手方向に沿って連続しているので、製品毎にバラつきが生じていても、隙間を空気が通過する際に発生する異音を抑制することができる。
第5の発明によれば、シール部とケーシングのシール面との間の隙間ができやすい箇所にのみ流速低減部を設けることができる。これにより、不要な部分にまで流速低減部を設けずに済むので、開口部の開口面積を広く確保することができる。
第6の発明によれば、速低減部の突出長さをシール部の長手方向の部位によって異ならせることで、異音の抑制効果を低下させることなく、流速低減部を形成するための材料を削減することができ、流速低減部を設けることによるコストの上昇幅を小さくできる。
第7の発明によれば、流速低減部の突出方向をシール面に対して略直交する方向にしたので、隙間から流出した空気の流れの向きを流速低減部によって変えて空気の流速を確実に低下させることができる。
第8の発明によれば、流速低減部がシール部の回動軌跡に沿うように形成されているので、回動軸の周方向に誤差が生じていたとしても、隙間から流出した空気の流速を確実に低下させることができる。
第9の発明によれば、第1リップ部の基端部と第2リップ部の基端部とを連続させたので、シール部の厚み方向の寸法を短くしてシール部をコンパクトにすることができ、空気通路を流通する空気の流れの邪魔にならないようにすることができる。
第10の発明によれば、第1リップ部の突出方向先端部をシール面に向けて屈曲させることで、シール面に確実に接触させて隙間を小さくすることができる。
本発明の実施形態に係る車両用空調装置の空調ユニットの正面図である。 空調ユニットの背面図である。 空調ユニットの右側面図である。 図2におけるIV−IV線断面図である。 送風ユニットの背面図である。 送風ユニットの右側面図である。 送風ユニットの左側面図である。 送風ユニットの平面図である。 送風ユニットの分解斜視図である。 図5のX−X線断面図である。 図10におけるB部拡大図である。 内外気切替ダンパを閉止板部に対向する側から見た図である。 内外気切替ダンパの右側面図である。 内外気切替ダンパの平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置を構成する空調ユニット1を車両前側から見た図であり、図2は、空調ユニット1を車両後側から見た図であり、図3は、空調ユニット1を車両右側から見た図である。車両用空調装置は、例えば自動車等の車両に搭載されて車室の空調を行うものであり、空調ユニット1と、図5〜図8に示す送風ユニット50とを備えている。この実施形態では、空調ユニット1が車幅方向中央部に配設され、送風ユニット50が空調ユニット1の車両右側に配設される場合について説明するが、空調ユニット1と送風ユニット50との配設位置は特に限定されるものではない。空調ユニット1と、送風ユニット50とは、車室の前端部に設けられているインストルメントパネル(図示せず)の内部に収容されている。空調ユニット1と送風ユニット50とは一体に構成されていてもよいし、別体に構成されていてもよい。空調ユニット1と送風ユニット50とは車幅方向に並ぶことなく、車幅方向中央部に配置されるように構成されていてもよい。尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」というものとする。
また、図示しないが、車両の車室よりも前にはエンジンが搭載されるエンジンルームが設けられている。エンジンルームには、冷凍サイクルを構成する圧縮機や凝縮器等が配設されている。また、エンジンの代わりに車両走行用のモータが搭載されていてもよい。
(空調ユニット1の構成)
空調ユニット1は、図4に示すように、空調ケーシング2と、冷却用熱交換器3と、加熱用熱交換器4と、上側エアミックスダンパ6と、下側エアミックスダンパ7と、デフロスタダンパ8と、前席用ベントダンパ9と、ヒートダンパ10とを備えている。
空調ケーシング2は、例えば複数の樹脂製部材を組み合わせて構成されており、冷却用熱交換器3と、加熱用熱交換器4と、上側エアミックスダンパ6と、下側エアミックスダンパ7と、デフロスタダンパ8と、前席用ベントダンパ9と、ヒートダンパ10とを収容する部材である。空調ケーシング2の分割構造は、特に限定されるものではないが、例えば、前後方向や上下方向とすることができる。この実施形態では、図1〜図4に示すように、空調ケーシング2が、前側ケーシング部材2Aと後側ケーシング部材2Bとに分割されるとともに、前側ケーシング部材2Aが上下方向に、後側ケーシング部材2Bが左右方向にそれぞれ分割されている。従って、4つの部材を組み合わせることによって空調ケーシング2が構成されている。
図3に示すように、空調ケーシング2の前部の右側壁部には、送風ユニット50から送られてきた空調用空気を空調ケーシング2の内部に導入するための空気導入口2aが形成されている。空調ユニット1は、空気導入口2aから導入された空調用空気を、冷却用熱交換器3及び加熱用熱交換器4により温度調節可能に構成されている。詳細は後述するが、冷却用熱交換器3を通過した空気のうち、加熱用熱交換器4を通過する空気量が、上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7によって設定される。
空調ケーシング2における空気導入口2aの周縁部には、中間ダクト部2Cが一体成形されている。図2に示すように、中間ダクト2Cは、右側へ突出するように形成されている。この中間ダクト2Cの右端部に、後述する送風ケーシングが接続されており、送風ケーシングから送風された空調用空気が中間ダクト2Cを介して空気導入口2aに流入するようになっている。尚、空気導入口2aは、送風ケーシングが配設されている側に形成されているが、空調ケーシング2の前部の左側壁部及び右側壁部のいずれに形成されていてもよい。
図4に示すように、空調ケーシング2の上壁部の前側には、車両のフロントガラスの内面に向けて空調風を供給するためのデフロスタ吹出口2bが形成されている。図2に示すように、このデフロスタ吹出口2bは左右方向に長い形状とされている。デフロスタ吹出口2bには図示しないデフロスタダクトが接続されている。デフロスタダクトの下流端部は、インストルメントパネルの前端部に形成されたデフロスタ口(図示せず)に接続されている。
図4に示すように、空調ケーシング2の上壁部におけるデフロスタ吹出口2bよりも後側には、前席に着座している乗員(前席乗員)の上半身に向けて空調風を供給するための前席用ベント吹出口2cが形成されている。前席用ベント吹出口2cには図示しないベントダクトが接続されている。ベントダクトの下流端部は、インストルメントパネルの車幅方向略中央部に形成されたセンタベント口(図示せず)及びインストルメントパネルの車幅方向両側にそれぞれ形成されたサイドベント口(図示せず)に接続されている。デフロスタ吹出口2bと前席用ベント吹出口2cとは前後方向に並ぶように配置されている。
空調ケーシング2の後壁部の下側には、乗員の足下近傍に向けて空調風を供給するためのヒート吹出口2dが形成されている。ヒート吹出口2dには図示しないヒートダクトが接続されている。ヒートダクトは、前席乗員の足下近傍まで延びるフロントヒートダクトと、後席乗員の足下近傍まで延びるリヤヒートダクトとからなり、前席乗員及び後席乗員の足下近傍に空調風を供給することができるようになっている。尚、ヒートダクトはフロントヒートダクトのみで構成されていてもよい。また、ヒート吹出口2dは複数設けることができる。
空調ケーシング2の内部には、空気導入通路R1と、上側温風生成通路R2aと、下側温風生成通路R2bと、デフロスタ通路R3と、前席用ベント通路R4と、ヒート通路R5と、上側通路R6aと、下側通路R6bとが形成されている。これら通路R1、R2a、R2b、R3、R4、R5、R6a、R6bは本発明の空気通路である。
空気導入通路R1は、空調ケーシング2の内部において前側部分に形成されている。空気導入通路R1の上流端部は空気導入口2aに接続されている。空気導入通路R1は空気導入口2aから後側へ延びている。空気導入通路R1の下流端部に冷却用熱交換器3が配設されている。
冷却用熱交換器3は、空気導入通路R1を流通する空調用空気を冷却するためのものである。冷却用熱交換器3は、空調ケーシング2の内部において前側に位置しており、その空気通過面が上下方向に延びる姿勢とされている。冷却用熱交換器3の上部及び下部が空調ケーシング2によって保持されている。
この実施形態では冷却用熱交換器3が、ヘッダタンク、チューブ及びフィン(図示せず)を有するエバポレータ(冷媒蒸発器)で構成されている。エバポレータは、従来から周知の冷凍サイクル装置の構成要素である。冷却用熱交換器3の内部を流通する低温の冷媒と冷却用熱交換器3の外部を通過する空調用空気とが熱交換することによって空調用空気が冷却される。このときに冷却用熱交換器3の表面に発生した凝縮水は、図1〜図3に示すドレン管部2fから空調ケーシング2の外部に排出されるようになっている。空気導入通路R1は、冷風を生成する冷風生成通路でもある。
加熱用熱交換器4は、冷却用熱交換器3の空気流れ方向下流側(後側)において空調ケーシング2の上下方向中間部に配置されている。従って、冷却用熱交換器3は、加熱用熱交換器4よりも前方に配置されることになる。加熱用熱交換器4は冷却用熱交換器3から後側に離れて配置されており、加熱用熱交換器4と冷却用熱交換器3との間には空間が設けられている。加熱用熱交換器4は、その空気通過面が上下方向に延びる姿勢とされている。
加熱用熱交換器4と冷却用熱交換器3との間には、隔壁部21が上下方向に延びるように設けられている。隔壁部21よりも後側に、上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bが形成されている。上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bは、空調ケーシング2の内部において前後方向の中間部、かつ、上下方向の中間部に形成されることになり、上側温風生成通路R2aの下に下側温風生成通路R2bが位置することになる。上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bは、隔壁部21から後側へ延びるように形成される。図示しないが、上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bの間に前後方向に延びる区画板を配設するようにしてもよい。
上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bには、加熱用熱交換器4が配設されている。加熱用熱交換器4の略上半部が上側温風生成通路R2aに配置され、加熱用熱交換器4の略下半部が下側温風生成通路R2bに配置される。加熱用熱交換器4は、ヘッダタンク、チューブ及びフィン(図示せず)を有するヒータコアで構成されている。加熱用熱交換器4には、車両に搭載されているエンジン(図示せず)を循環するエンジン冷却水が供給パイプ4a(図1に示す)を介して供給されるようになっている。加熱用熱交換器4に供給されたエンジン冷却水と、加熱用熱交換器4の外部を通過する空調用空気とが熱交換することによって空調用空気が加熱される。加熱用熱交換器4に供給されたエンジン冷却水は、排出パイプ4b(図1に示す)によってエンジンに戻されるようになっている。供給パイプ4a及び排出パイプ4bの前側は、空調ケーシング2の前部に設けられたブラケット2g(図1に示す)によって保持されている。加熱用熱交換器4の上部及び下部は、空調ケーシング2に保持されている。また、加熱用熱交換器4の前後方向の寸法(外部空気の通過方向の寸法)は、冷却用熱交換器3の前後方向の寸法よりも短く設定されている。尚、加熱用熱交換器4は冷凍サイクルの凝縮器で構成されていてもよい。
加熱用熱交換器4の上下方向の寸法は冷却用熱交換器3の上下方向の寸法よりも短く設定されており、空調ケーシング2の内部には、加熱用熱交換器4の上方に空間が形成されるとともに、加熱用熱交換器4の下方にも空間が形成される。これら空間は通路となるものであり、具体的には、空調ケーシング2の加熱用熱交換器4の上方には、冷却用熱交換器3を通過した冷風が流通する上側通路R6aが形成されており、また、空調ケーシング2の加熱用熱交換器4の下方には、冷却用熱交換器3を通過した冷風が流通する下側通路R6bが形成されている。
上側通路R6aの上流端部は、冷却用熱交換器3における空気流れ方向下流側の面の上側と対向するように配置され、空気導入通路R1の下流端部の上側部分に連通している。上側通路R6aは、加熱用熱交換器4の上部よりも上方へ向けて延びている。また、上側通路R6aの中途部は、上側温風生成通路R2aの上流端部に連通可能となっている。上側通路R6aの中途部と、上側温風生成通路R2aの上流端部との間に、上側エアミックスダンパ6が配設されている。
上側エアミックスダンパ6は、上側温風生成通路R2aの上流端部の開度を変更することによって上側温風生成通路R2aを流通する空気量を調整するためのものである。上側エアミックスダンパ6は、左右方向に延びる回動軸6aと、回動軸6aから径方向に延出する閉止板部6bとを備えている。回動軸6aの左右両端部が空調ケーシング2の左右両側壁部に対して回動可能に支持されている。回動軸6aは、加熱用熱交換器3の上部近傍に配置されている。閉止板部6bは、上側温風生成通路R2aの上流端部を全閉にした状態(図4に示す)から上方へ回動して上側温風生成通路R2aの上流端部を全開にした状態(図示せず)に切り替えられるとともに、全閉状態と全開状態との間の任意の位置に停止させることができるようになっている。上側エアミックスダンパ6が上側温風生成通路R2aの上流端部を全開にすると、上側通路R6aの下流側が閉止板部6bによって遮断されて上側通路R6aの冷風が上側温風生成通路R2aに流入することになる。これがフルホット状態である。また、上側エアミックスダンパ6が上側温風生成通路R2aの上流端部を全閉にすると、上側通路R6aの下流側が閉止板部6bによって全開にされて上側通路R6aの冷風が上側温風生成通路R2aに流入しなくなる。これはフルコールド状態である。
また、下側通路R6bの上流端部は、冷却用熱交換器3における空気流れ方向下流側の面の下側と対向するように配置され、空気導入通路R1の下流端部の下側部分に連通している。従って、空気導入通路R1から流出した冷風は、上側通路R6a及び下側通路R6bの両方に流入することになる。下側通路R6bは、冷却用熱交換器3の後側から加熱用熱交換器4の下方を通って加熱用熱交換器4よりも後側へ向けて延びており、空調ケーシング2の下部後側に達している。下側通路R6bは、空調ケーシング2の下部後側から上方へ湾曲しながら延び、空調ケーシング2の後壁部に沿って該空調ケーシング2の上部に達するまで延びている。
下側通路R6bの中途部は、下側温風生成通路R2bの上流端部に連通可能となっている。下側通路R6bの中途部と、下側温風生成通路R2bの上流端部との間に、下側エアミックスダンパ7が配設されている。
下側エアミックスダンパ7は、下側温風生成通路R2bの上流端部の開度を変更することによって下側温風生成通路R2bを流通する空気量を調整するためのものである。下側エアミックスダンパ7は、左右方向に延びる回動軸7aと、回動軸7aから径方向に延出する閉止板部7bとを備えている。回動軸7aの左右両端部が、上側エアミックスダンパ6の回動軸6aから下方に離れており、空調ケーシング2の左右両側壁部に対して回動可能に支持されている。回動軸7aは、加熱用熱交換器3の下部近傍に配置されている。閉止板部7bは、下側温風生成通路R2bの上流端部を全閉にした状態(図4に示す)から下方へ回動して下側温風生成通路R2bの上流端部を全開にした状態(図示せず)に切り替えられるとともに、全閉状態と全開状態との間の任意の位置に停止させることができるようになっている。下側エアミックスダンパ7が下側温風生成通路R2bの上流端部を全開にすると、下側通路R6bが閉止板部7bによって遮断されて下側通路R6bの冷風が下側温風生成通路R2bに流入することになる。これがフルホット状態である。また、下側エアミックスダンパ7が下側温風生成通路R2bの上流端部を全閉にすると、下側通路R6bが閉止板部7bによって全開にされて下側通路R6bの冷風が下側温風生成通路R2bに流入しなくなる。これがフルコールド状態である。
上側エアミックスダンパ6と下側エアミックスダンパ7とは、周知のリンク機構を使用することで連動させることができ、例えばエアミックスアクチュエータ等によって駆動される。エアミックスアクチュエータは、図示しないが空調制御装置に接続されている。空調制御装置は、乗員による設定温度や車室外温度、車室内温度等に基づいて上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7の開度を演算し、上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7がその開度となるように、エアミックスアクチュエータを制御する。
エアミックスアクチュエータによって上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bの開度が大きくされると、上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bへ流入する冷風量が増えるので、温風の生成量が増えることになり、調和空気の温度が上昇する。一方、エアミックスアクチュエータによって上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bの開度が小さくされると、上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bへ流入する冷風量が減るので、温風の生成量が減ることになり、調和空気の温度が低下していく。上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7を回動させることによって調和空気の温度を狙いの温度とすることができるように構成されている。
上述のようにして生成された調和空気によって空調ケーシング2の内部に空調風が形成される。空調風は、フルホット時には加熱用熱交換器4で生成された温風のみとなり、また、フルコールド時には冷却用熱交換器3で生成された冷風のみとなり、また、フルホットとフルコールドの間の時には温風と冷風が混合したものになる。
デフロスタ通路R3は、空調ケーシング2の内部において上側に形成されており、内部には空調風が流通するようになっている。デフロスタ通路R3の下流端部は、デフロスタ吹出口2bに接続されている。デフロスタ通路R3は、デフロスタ吹出口2bを介して車室に連通している。
デフロスタダンパ8は、デフロスタ通路R3を開閉するためのものであり、左右方向に延びる回動軸8aと、回動軸8aから径方向に延出する閉止板部8b、8bと、閉止板部8b、8bの周縁部から突出する弾性材からなる板状のシール部8cとを備えている。回動軸8aの左右両端部が空調ケーシング2の左右両側壁部に対して回動可能に支持されている。回動軸8aは、デフロスタ通路R3の前後方向中間部に配置されている。デフロスタダンパ8が回動軸8a回りに回動することにより、閉止板部8b、8bによってデフロスタ通路R3が全閉状態(図4に示す)から全開状態(図示せず)、及びその反対にも切り替えられるとともに、その中間開度にも切り替えられるようになっている。
空調ケーシング2の上側には、乗員の上半身に空調風を供給するための前席用ベント通路R4が上側通路R6aの下流側及び下側通路R6bの下流側に連通するように形成されている。すなわち、前席用ベント通路R4は、空調ケーシング2の内部の上側においてデフロスタ通路R3よりも後側に形成されており、内部には空調風が流通するようになっている。また、前席用ベント通路R4は、加熱用熱交換器4の上方に形成されている。前席用ベント通路R4の下流端部は、前席用ベント吹出口2cに接続されている。前席用ベント通路R4は、前席用ベント吹出口2cを介して車室に連通している。
前席用ベントダンパ9は、前席用ベント通路R4を開閉するためのものであり、左右方向に延びる回動軸9aと、回動軸9aと一体化された閉止板部9bと、閉止板部9bの周縁部から突出する弾性材からなる板状のシール部9cとを備えている。回動軸9aの左右両端部が空調ケーシング2の左右両側壁部に対して回動可能に支持されている。回動軸9aは、前側寄りに配置されている。前席用ベントダンパ9が回動軸9a回りに回動することにより、閉止板部9bによって前席用ベント通路R4が全開状態(図4に示す)から全閉状態(図示せず)、及びその反対にも切り替えられるようになっている。
ヒート通路R5は、空調ケーシング2の内部において前席用ベント通路R4よりも下側に形成されており、内部には空調風が流通するようになっている。ヒート通路R5の下流端部は、ヒート吹出口2dに接続されている。ヒート通路R5は、ヒート吹出口2dを介して車室に連通している。
ヒートダンパ10は、ヒート通路R5を開閉するためのものであり、左右方向に延びる回動軸10aと、回動軸10aから径方向に延出する閉止板部10b、10bと、閉止板部10b、10bの周縁部から突出する弾性材からなる板状のシール部10cとを備えている。回動軸10aの左右両端部が空調ケーシング2の左右両側壁部に対して回動可能に支持されている。回動軸10aは、ヒート通路R5の上流端部の上部近傍に配置されている。ヒートダンパ10が回動軸10a回りに回動することにより、回動軸10aよりも下に位置する閉止板部10bによってヒート通路R5が全閉状態(図4に示す)になる。この全閉状態から閉止板部10b、10bが前後方向に延びる姿勢となるまでヒートダンパ10を回動させると、全開状態(図示せず)に切り替えられる。ヒートダンパ10を反対方向に回動させることで全開状態から全閉状態にすることができる。図4に示すように、ヒートダンパ10が全閉状態にあるときには、閉止板部10bは上下方向に延びることになる。一方、ヒートダンパ10が全開状態にあるときには、閉止板部10bが前後方向に延びる姿勢となる。これにより、ヒートダンパ10よりも下側の空調用空気がヒートダンパ10の上方へ流れなくなる。
また、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10は、周知のリンク機構を使用することで連動させることができ、例えば吹出方向切替用アクチュエータ等によって駆動される。吹出方向切替用アクチュエータは、図示しないが空調制御装置に接続されている。空調制御装置は、乗員による設定温度や車室外温度、車室内温度等に基づいてデフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10の開度を演算し、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10がその開度となるように、吹出方向切替用アクチュエータを制御する。これにより、例えば、ベントモード、デフロスタモード、ヒートモード、バイレベルモード、デフヒートモード等に切り替えることができる。
(空調ユニット1のダンパ構造)
空調ユニット1が有するダンパは、上述したように複数あり、上側エアミックスダンパ6、下側エアミックスダンパ7、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10である。上側エアミックスダンパ6、下側エアミックスダンパ7、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10の空調ケーシング2に対する支持構造は同じにすることができ、後述する送風ユニット50の内外気切替用ダンパ54の支持構造と同じにすることができる。上側エアミックスダンパ6、下側エアミックスダンパ7、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10に設けられている回動軸6a、7a、8a、9a、10aを、空調ケーシング2に形成された軸受孔(図示せず)にそれぞれ挿入する。
また、上側エアミックスダンパ6、下側エアミックスダンパ7、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10と、空調ケーシング2の内面との間のシール構造は全て同じにすることができ、後述する送風ユニット50の内外気切替用ダンパ54と、送風ケーシングの内面との間のシール構造と同じにすることができる。
尚、上側エアミックスダンパ6、下側エアミックスダンパ7、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10の支持構造及びシール構造は全て同じにすることなく、一部のみ、送風ユニット50の内外気切替用ダンパ54と同じにし、他は異なる構造であってもよい。
(空調ユニット1の動作)
次に、上記のように構成された空調ユニット1の動作について説明する。まず、図4に示すベントモードについて説明すると、このベントモードは、デフロスタ通路R3とヒート通路R5とを閉じて、前席用ベント通路R4を開くモードである。図4では、上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7が上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを全閉状態にしているので、冷却用熱交換器3を通過した冷風が上側通路R6a及び下側通路R6bを流通する。このように、上側通路R6a及び下側通路R6bを設けていることで、通路断面積を増やすことができ、通気抵抗が低減される。
前席用ベント通路R4が開いているので、冷風は前席用ベント通路R4に流入して前席用ベント吹出口2cから車室の各部に供給される。
仮に、上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7が上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを半開状態にしていれば、上側温風生成通路R2aと下側温風生成通路R2bとで温風が生成され、この温風と冷風とが混合して調和空気となり、車室の各部に供給される。
次に、ヒートモードについて説明する。このヒートモードは、前席用ベント通路R4を閉じて、デフロスタ通路R3とヒート通路R5とを開くモードである。上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7が上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを全開状態にすると、冷却用熱交換器3を通過した冷風が上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを流通する間に加熱用熱交換器4によって加熱される。上側温風生成通路R2aを流通した温風は、主に上方へ向かって流れてデフロスタ通路R3に流入してデフロスタ吹出口2bから車室に供給される。下側温風生成通路R2bを流通した温風は、主にヒート通路R5へ向かって流れてヒート吹出口2dからから車室に供給される。
次に、デフロスタモードについて説明すると、このデフロスタモードは、デフロスタ通路R3を開き、前席用ベント通路R4及びヒート通路R5を閉じるモードである。上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7が上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを全開状態にすると、冷却用熱交換器3を通過した冷風が上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを流通する間に加熱用熱交換器4によって加熱される。上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを流通した温風は、主に上方へ向かって流れてデフロスタ通路R3に流入してデフロスタ吹出口2bから車室に供給される。
(送風ユニット50の構成)
図5〜図11に示すように、送風ユニット50は、送風ケーシング51と、シロッコファン52(図9に示す)と、ファン駆動モータ53と、内外気切替ダンパ54と、内外気切替用アクチュエータAと、フィルタF(図9及び図10に示す)とを備えている。
送風ケーシング51は、例えば複数の樹脂製部材を組み合わせて構成されており、シロッコファン52と、内外気切替ダンパ54と、フィルタFを収容する部材である。送風ケーシング51の分割構造は、特に限定されるものではないが、例えば、前後方向や上下方向とすることができる。この実施形態では、図5〜図9に示すように、送風ケーシング51が、下側スクロール部材51Aと、上側スクロール部材51Bと、右側ケーシング部材51Cと、左側ケーシング部材51Dとに分割されている。従って、4つの部材を組み合わせることによって送風ケーシング51が構成されている。
送風ケーシング51の下側部分には、下側スクロール部材51Aと上側スクロール部材51Bとにより、シロッコファン52が収容されるスクロールケーシング55が形成されている。シロッコファン52は、回転中心線が上下方向に延びる姿勢でスクロールケーシング55内に収容されている。送風ケーシング51の底壁部には、出力軸(図示せず)が上下方向に延びる姿勢とされたファン駆動モータ53が取り付けられている。ファン駆動モータ53の出力軸にシロッコファン52が連結されており、ファン駆動モータ53の回転力がシロッコファン52に伝達されるようになっている。
図7に示すように、スクロールケーシング55の左前側には、空気流出口55aが形成されている。空気流出口55aは、空調ケーシング2の空気導入口2aに接続されるようになっている。
送風ケーシング51のスクロールケーシング55よりも上側部分には、フィルタFが収容されている。送風ケーシング51のフィルタFを収容する部分よりも上側部分は、内外気切替部56とされており、この内外気切替部56は右側ケーシング部材51Cと左側ケーシング部材51Dとで構成されている。内外気切替部56には、車室内の空気(内気)を送風ケーシング51内の空気通路T(図10に示す)に導入するための内気導入口56aと、車室外の空気(外気)を送風ケーシング51内の空気通路Tに導入するための外気導入口56b(図10に示す)とが形成されている。内気導入口56a及び外気導入口56bは空気通路Tの上流端部に接続された開口部であり、送風ケーシング51の外面に開口している。
内気導入口56aは、内外気切替部56の後壁部に形成されるとともに、図6及び図7に示すように内外気切替部56の右側壁部及び左側壁部にも形成されており、車室内に開口している。外気導入口56bは、内外気切替部56の前壁部に形成されており、図示しないが車体のカウルを介して車室外と連通している。
内外気切替ダンパ54は、内外気切替部56の内部に収容されており、内気導入口56aと外気導入口56bの一方を開放して他方を閉塞することによって導入モードを切り替えるための部材である。内気導入口56aを開放して外気導入口56bを閉塞すると、送風ケーシング51に導入される空気が内気のみとなり、送風ユニット50は内気循環モードになる。一方、内気導入口56aを閉塞して外気導入口56bを開放すると、送風ケーシング51に導入される空気が外気のみとなり、送風ユニット50は外気導入モードになる。
内外気切替ダンパ54は、左側回動軸60と、右側回動軸61と、内気導入口56a及び外気導入口56bを開閉する閉止板部62と、シール部64とを備えている。左側回動軸60は左側へ突出するように形成され、また、右側回動軸61は右側へ突出するように形成されている。左側回動軸60と右側回動軸61の回動中心線は、共に左右方向に延びる同一直線上に位置するようになっており、従って、内外気切替ダンパ54は前後方向に回動することになる。また、左側回動軸60と右側回動軸61とは左右対称形状に形成することができる。左側回動軸60の右端部(基端部)と、右側回動軸61の左端部(基端部)は、左右方向に延びる連結部65によって連結されている。
図12〜図14に示すように、閉止板部62は、左側回動軸60の基端部から径方向に延びる左側閉止板部62aと、右側回動軸61の基端部から径方向に延びる右側閉止板部62bと、左側閉止板部62aの先端縁部から右側閉止板部62bの先端縁部まで延びる本体部62cとを含んでいる。左側閉止板部62a及び右側閉止板部62bは、それぞれ左側回動軸60及び右側回動軸61から離れるに従って幅が広くなるように形成されている。また、本体部62cは平板状であってもよいし、湾曲していてもよく、その形状は特に限定されない。
図12に示すように、シール部64は、閉止板部62の回動軸60、61方向の一方側に位置する周縁部に沿って延びるように形成されたものと、閉止板部62の回動軸60、61方向の他方側に位置する周縁部に沿って延びるように形成されたものとがある。2つのシール部64は、例えばゴムや熱可塑性エラストマー等の弾性材で構成されている。2つのシール部64は長手方向の端部において互いに一体化されていてもよい。
シール部64は、閉止板部62の周縁部から突出しており、送風ケーシング51の内面に接触することにより、外気導入モード時に内気導入口56aも周縁部と閉止板部62との間をシールし、内気循環モード時に外気導入口56bの周縁部と閉止板部62との間をシールする。外気導入モード時には、閉止板部62が内気導入口56aを閉止する閉止状態にあり、また、内気循環モード時には、閉止板部62が外気導入口56bを閉止する閉止状態にある。
シール部64は閉止板部62に一体成形することができる。すなわち、例えば、金型に、予め成形しておいた閉止板部62を保持しておき、金型のキャビティにシール部64を構成する材料を射出することで、閉止板部62の周縁部にシール部64を一体成形することができる。これにより、部品点数の増加が抑制されて内外気切替ダンパ54の組立工数を低減できる。シール部64と閉止板部62とを一体成形する際、従来から周知のダイスライド等を備えた射出成形装置を用いて、左側回動軸60、右側回動軸61、閉止板部62を硬質樹脂により成形した後、シール部64を閉止板部62に一体成形することもできる。
尚、シール部64は、閉止板部62とは別部品とされていてもよく、シール部64及び閉止板部62の成形後、シール部64を閉止板部62に組み付けて一体化することができる。また、シール部64は、複数の部材からなるものであってもよい。
シール部64は、閉止板部62の左側閉止板部62aに設けられる部分と、閉止板部62の右側閉止板部62bに設けられる部分と、閉止板部62の本体部62cに設けられる部分とからなり、これら3つの部分は一体成形されて連続している。シール部64は、第1リップ部64aと、第2リップ部64bとを有しており、これら第1リップ部64a及び第2リップ部64bは一体成形されている。閉止板部62の本体部62cに設けられる第1リップ部64a及び第2リップ部64bは、左側回動軸60及び右側回動軸61の径方向外方へ向けて突出するように形成されており、また、閉止板部62の左側閉止板部62a及び右側閉止板部62bに設けられる第1リップ部64a及び第2リップ部64bは、左側回動軸60及び右側回動軸61の軸方向に突出するように形成されている。突出方向は図示した方向に限られるものではなく、左側回動軸60及び右側回動軸61の接線方向であってもよい。また、第1リップ部64a及び第2リップ部64bの各々の厚みは、閉止板部62の厚みよりも薄く設定されている。また、第1リップ部64a及び第2リップ部64bの厚みは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1リップ部64a及び第2リップ部64bは、突出方向先端に近づくほど互いの離間距離が長くなるように形成されている。また、第1リップ部64aの基端部と第2リップ部64bの基端部とは互いに連続するとともに、閉止板部62の周縁部近傍に位置している。第1リップ部64aはその基端部から突出方向先端側へ向かって略平坦に延びた後、第2リップ部64bから離れる方向に屈曲している。第2リップ部64bはその基端部から突出方向先端側へ向かって略平坦に延びた後、第1リップ部64aから離れる方向に屈曲している。第1リップ部64aにおける平坦に形成された部分と、第2リップ部64bにおける平坦に形成された部分とがなす角度は、例えば70°〜90°の範囲で設定することができる。第1リップ部64a及び第2リップ部64bは、突出方向先端に向かって次第に薄くなるように形成してもよい。
図7に示すように、送風ケーシング51の内外気切替部56の左側壁部には、内外気切替ダンパ54の左側回動軸60が挿入される左側軸受孔70が形成され、また、図6に示すように、内外気切替部56の右側壁部には、内外気切替ダンパ54の右側回動軸61が挿入される右側軸受孔71が形成されている。左側回動軸60は、左側軸受孔70に挿入した状態で送風ケーシング51の外方へ突出しており、この左側回動軸60の端部に内外気切替用アクチュエータAの出力軸が連結されるようになっている。内外気切替用アクチュエータAによって内外気切替ダンパ54を回動させることにより、図10に示す内気導入モードと、図示しない外気導入モードとに切り替えることができる。尚、内外気切替ダンパ54は、乗員が操作する操作ワイヤ(図示せず)によって回動させることもでき、この場合はリンク機構等を介して操作ワイヤを左側回動軸60に連結すればよい。また、右側回動軸61に、内外気切替用アクチュエータAや操作ワイヤを連結してもよい。送風ケーシング51の左側軸受孔70と、右側軸受孔71とは左右対称に形成することができる。
送風ケーシング51の内面には、内外気切替ダンパ54の閉止板部62が外気導入口56bを閉止する閉止状態(内気導入モード状態)にあるときに、上に位置するシール部64の突出方向先端部が当接する第1シール面51aが設けられている。また、送風ケーシング51の内面には、内気導入モード状態にあるときに、下に位置するシール部64の突出方向先端部が当接する第2シール面51bが設けられている。
また、送風ケーシング51の内面には、内外気切替ダンパ54の閉止板部62が内気導入口56aを閉止する閉止状態(外気導入モード状態)にあるときに、上に位置するシール部64の突出方向先端部が当接する第3シール面51cが設けられている。また、送風ケーシング51の内面には、外気導入モード状態にあるときに、下に位置するシール部64の突出方向先端部が当接する第4シール面51dが設けられている。第1〜第4シール面51a〜51dは同様に形成することができる。
図11に示すように、第1シール面51aは、上下方向に延びる平坦な面で構成されている。内気導入モード状態では、上に位置するシール部64のうち、第1リップ部64aの突出方向先端部が第1シール面51aに当接するようになっている。第1リップ部64aの突出方向先端部が第2リップ部64bから離れる方向に屈曲しているので、第1シール面51aに向けて屈曲することになる。
第1シール面51aは、シール部64の長手方向に沿って延びるように形成されている。内気導入モード状態にあるとき、シール部64の第1リップ部64aは、斜め前へ向けて延びる姿勢になり、第1シール面51aに対して後から当接するように配置される。このとき、第2リップ部64bにはシール面が当接していないが、この第2リップ部64bは斜め後へ向けて延びる姿勢になる。したがって、第1リップ部64aと、第2リップ部64bとの間には、上方に開放した空間が形成されることになり、この空間を形成する第1リップ部64aと第2リップ部64bとの前後方向の離間寸法は下へ行くほど短くなる。
上述したような板状のシール部64の場合、成形誤差等の要因によってその突出方向先端部が必ずしも送風ケーシング51の第1シール面51aに沿うように成形されないことがある。また、送風ケーシング51の第1シール面51aについても公差範囲内で形状誤差が生じることがあり、さらに、内外気切替用ダンパ54の送風ケーシング51への組付誤差も生じることがある。上記した各種誤差が生じると、内外気切替用ダンパ54の突出方向先端部と送風ケーシング51の第1シール面51aとの間に隙間が生じやすくなる。この隙間は、シール部64が弾性変形することによってある程度は縮小することができるが、完全に無くそうとするためには各部の成形精度や組み付け精度を極めて高くしなければならず、現実的ではない。したがって、本実施形態に係る車両用空調装置1においては、板状のシール部64の突出方向先端部と送風ケーシング51の第1シール面51aとの間に局所的に微小な隙間が発生するのは避けられない。
図10に示すように、第1シール面51aが上下方向に延びているので、上記隙間を流通する空気の流れ方向は上下方向になる。また、図11に示すように内気導入モードとされている状態で車両が走行すると、いわゆるラム圧によって走行風が外気導入口56bに流入し、シール部64の突出方向先端部と送風ケーシング51の第1シール面51aとの隙間を流通して上方へ向けて流れることになる。このとき、空気の流速が高いと、隙間を通過する際に異音が発生するおそれがある。
このことに対して、この実施形態では、図10及び図11に示すように、送風ケーシング51には、内気導入モード状態にあるときの第1リップ部64aの突出方向先端部と対向するように配置される板状の流速低減部59が設けられている。流速低減部59は、送風ケーシング51の第1シール面51aとシール部64の第1リップ部64aの突出方向先端部との間に形成された隙間を通過する空気の流速を低下させるためのものである。流速低減部59は、送風ケーシング51に一体成形することができるが、送風ケーシング51とは別体に成形した後、当該送風ケーシング51に組み付けるように構成することもできる。送風ケーシング51に組み付ける場合には、爪嵌合による組付構造や締結部材による組付構造を採用することができる。
流速低減部59は、前記隙間を通過する空気流れ方向(本実施形態では上方向)を基準として第1リップ部64aよりも下流側(上側)に配置されている。流速低減部59は、送風ケーシング51から後側へ突出するように形成されている。流速低減部59の突出長さは、第1リップ部64aの厚み寸法よりも長く設定されている。これにより、第1リップ部64aと送風ケーシング51の第1シール面51aとの隙間を通過した空気が流速低減部59に確実に衝突することになり、このとき、流速低減部59の突出長さが第1リップ部64aの厚み寸法よりも長いので空気の流速が確実に低下する。
流速低減部59は、シール部64の長手方向に沿って連続して設けられている。すなわち、シール部64と送風ケーシング51の第1シール面51aとの間の隙間はシール部64の長手方向のどの部分に形成されるか、製品毎の特定が難しい場合があるが、流速低減部59がシール部64の長手方向に沿って連続して設けられていることで、隙間がシール部64の長手方向のどの部分に形成されていても、その隙間を流通する空気が流速低減部59に衝突して空気の流速が確実に低下する。
また、流速低減部59は、シール部64の長手方向の一部にのみ設けられていてもよい。すなわち、シール部64と送風ケーシング51の第1シール面51aとの間の隙間ができやすい箇所が決まっている場合があるが、この場合に、当該箇所のみ流速低減部59を設けるようにすることで、不要な部分にまで流速低減部59を設けずに済む。流速低減部59の長さが任意の長さに設定することができ、断続的に設けることもできる。
流速低減部59の送風ケーシング51からの突出長さは、シール部64の長手方向の部位によって異なっていてもよいし、同一であってもよい。すなわち、シール部64と送風ケーシング51の第1シール面51aとの間の隙間の大きさはシール部64の長手方向の部位によって異なっていたり、隙間がある部分と無い部分とがあったりする。隙間が大きな部分では流速低減部59の突出長さを長くし、反対に隙間が小さな部分では流速低減部59の突出長さを短くすることで、異音の抑制効果を低下させることなく、流速低減部59を形成するための材料を削減することが可能になる。また、隙間がある部分では、流速低減部59の突出長さを長くし、隙間が無い部分では流速低減部59を設けないようにすることも可能である。この場合も異音の抑制効果を低下させることなく、流速低減部59を形成するための材料を削減することが可能になる。
流速低減部59の突出方向は、送風ケーシング51の第1シール面51aに対して略直交する方向とされている。これにより、隙間から流出した空気の流れと流速低減部59の突出方向とが略直交することになるので、隙間から流出した空気の流れの向きが流速低減部59によって変わり、空気の流速が確実に低下する。流速低減部59の突出方向と、第1シール面51aとのなす角度は、例えば80°から100°の範囲で設定することができる。
流速低減部59は、シール部64の回動軌跡に沿うように形成されている。すなわち、シール部64の突出方向先端部が回動軸60、61の周方向に回動するので、シール部64の突出方向先端部の回動軌跡は回動軸60、61の軸心を中心とした円弧状になる。よって、流速低減部59をシール部64の回動軌跡に沿うように形成すると、流速低減部59が回動軸60、61の軸心を中心とした円弧状になる。これにより、流速低減部59とシール部64との距離が回動軸60、61の周方向について一定に保たれるので、周方向に誤差が生じていたとしても、隙間から流出した空気の流速が確実に低下する。
(実施形態の作用効果)
この実施形態によれば、内外気切替用ダンパ54の閉止板部62が送風ケーシング51の外気導入口56bを閉止する閉止状態にあるときにシール部64の突出方向先端部が送風ケーシング51の第1シール面51aに当接して閉止板部62と送風ケーシング51との間をシールすることができる。このとき、各部の成形誤差や組付誤差等によってシール部64と送風ケーシング51の第1シール面51aとの間に隙間が発生することがあるが、その隙間を空気が通過する際、空気の流速が流速低減部59によって低下する。これにより、空気が隙間を通過する際に発生する異音を抑制することができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
上記実施形態では、送風ユニット50に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、空調ユニット1に本発明を適用することもできる。例えば空調ユニット1のデフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9、ヒートダンパ10のシール構造を内外気切替用ダンパ54のシール構造のように構成することができる。
以上説明したように、本発明に係る車両用空調装置は、例えば内外気切替ダンパを備えたものに適用することができる。
1 空調ユニット
2 空調ケーシング
6 上側エアミックスダンパ
7 下側エアミックスダンパ
8 デフロスタダンパ
9 前席用ベントダンパ
10 ヒートダンパ
50 送風ユニット
51 送風ケーシング
54 内外気切替ダンパ
56a 内気導入口
56b 外気導入口
60 左側回動軸
61 右側回動軸
62 閉止板部
64 シール部
64a 第1リップ部
64b 第2リップ部

Claims (10)

  1. 空気が流通する空気通路と該空気通路の端部が接続される開口部とを有するケーシングと、該ケーシングに収容され、前記開口部を開閉するダンパとを備えた車両用空調装置において、
    前記ダンパは、前記ケーシングに回動可能に支持される回動軸と、前記開口部を閉止する閉止板部と、該閉止板部の周縁部から突出する弾性材からなる板状のシール部とを備え、
    前記ケーシングは、前記ダンパの前記閉止板部が前記開口部を閉止する閉止状態にあるときに前記シール部の突出方向先端部が当接するシール面と、該シール面と前記シール部の突出方向先端部との間に形成された隙間を通過する空気の流速を低下させる流速低減部とを備えていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    前記シール部は、突出方向先端に近づくほど互いの離間距離が長くなるように形成された第1リップ部と第2リップ部とを備え、
    前記閉止状態にあるときに前記第1リップ部の突出方向先端部が前記シール面に当接するように配置され、
    前記流速低減部は、前記閉止状態にあるときの前記第1リップ部の突出方向先端部と対向するように配置される板状に形成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項2に記載の車両用空調装置において、
    前記流速低減部は、前記隙間を通過する空気流れ方向を基準として前記第1リップ部よりも下流側に配置されるとともに、前記ケーシングから突出するように形成され、
    前記流速低減部の前記ケーシングからの突出長さは、前記第1リップ部の厚み寸法よりも長く設定されていることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項3に記載の車両用空調装置において、
    前記流速低減部は、前記シール部の長手方向に沿って連続して設けられていることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項3に記載の車両用空調装置において、
    前記流速低減部は、前記シール部の長手方向の一部にのみ設けられていることを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項3から5のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    前記流速低減部の前記ケーシングからの突出長さは、前記シール部の長手方向の部位によって異なっていることを特徴とする車両用空調装置。
  7. 請求項3から6のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    前記流速低減部の突出方向は、前記シール面に対して略直交する方向であることを特徴とする車両用空調装置。
  8. 請求項3から6のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    前記流速低減部は、前記シール部の回動軌跡に沿うように形成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  9. 請求項2から8のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    前記第1リップ部の基端部と前記第2リップ部の基端部とが連続していることを特徴とする車両用空調装置。
  10. 請求項9に記載の車両用空調装置において、
    前記第1リップ部の突出方向先端部は、前記シール面に向けて屈曲していることを特徴とする車両用空調装置。
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