JP2020152322A - 車両用空調装置のダンパ構造 - Google Patents

車両用空調装置のダンパ構造 Download PDF

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祐司 山口
Yuji Yamaguchi
祐司 山口
陽介 花崎
Yosuke Hanazaki
陽介 花崎
謙一郎 東
Kenichiro Azuma
謙一郎 東
好宏 長谷川
Yoshihiro Hasegawa
好宏 長谷川
浩之 徳田
Hiroyuki Tokuda
浩之 徳田
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Abstract

【課題】寸法精度を高めることなく、ダンパの構造によって当該ダンパの軸方向のガタだけでなく、径方向をガタも吸収できるようにしてコストを低減可能にする。【解決手段】ケーシングには軸受孔70が形成されている。軸受孔70の内周面はテーパー面部70aを有している。ダンパ54は、軸受孔70に挿入される軸部60と、軸部60の外周面から径方向に離れる方向に突出し、テーパー面70aに接する弾性材からなる当接部63とを備えている。【選択図】図12

Description

本発明は、車両に搭載される車両用空調装置のダンパ構造に関し、特にダンパを回動可能にケーシングに支持する構造の技術分野に属する。
従来より、車両用空調装置は、車室内の空気と車室外の空気とを切り替えて導入可能な送風ユニットと、導入された空気を温度調節して車室の各部に供給する空調ユニットとを備えている(例えば、特許文献1〜4参照)。送風ユニットは、車室内の空気を導入するための内気導入口と、車室外の空気を導入するための外気導入口とが形成された送風ケーシングと、送風ケーシング内に収容されて内気導入口及び外気導入口を開閉する内外気切替ダンパとを備えている。また、空調ユニットは、空調風が吹き出す複数の吹出口が形成された空調ケーシングと、空調ケーシング内に収容された加熱用熱交換器及び冷却用熱交換器と、空調風の温度調節を行うエアミックスダンパと、吹出方向を切り替えるための吹出方向切替用ダンパとを備えている。
特許文献1のダンパは、空調ケーシングに回動可能に支持される支軸と、通路を開閉する板部と、板部に設けられた弾性材からなるシール部とを有している。シール部は、空調ケーシングに設けられた軸受部と、ダンパの板部との間に達するように形成されたスラストガタ防止部を有している。スラストガタ防止部は、ダンパのスラスト方向のガタを吸収する部分である。
また、特許文献2のダンパは、空調ケーシングに回動可能に支持される支軸と、通路を開閉する板部とを有している。支軸には、リップ部が設けられている。このリップ部は、空調ケーシングから一旦離れる方向に延び、そこから空調ケーシング側に向かって湾曲し、先端が空調ケーシングの内面に対して弾性力を持って当接するように形成されている。リップ部によりダンパのスラスト方向のガタを吸収するようにしている。
また、特許文献3のダンパは、空調ケーシングに回動可能に支持される支軸と、通路を開閉する閉止板とを有している。このダンパには、軸方向に弾性変形する弾性変形部が一体成形されている。弾性変形部は、空調ケーシングの内面に対して軸方向に接するように位置付けられている。弾性変形部によりダンパのスラスト方向のガタを吸収するようにしている。
また、特許文献4のダンパは、空調ケーシングに回動可能に支持される支軸と、通路を開閉するダンパ本体部とを有している。このダンパには、軸方向に筒状に延びるとともに弾性変形可能な弾性部材が固定されており、弾性部材と空調ケーシングとの間にリング状のシール材を設け、弾性部材の弾性力によりシール材を空調ケーシングに押しつけるようにしている。このものもダンパのスラスト方向のガタが吸収される。
特開2002−31399号公報 特開2004−196168号公報 特開2011−16513号公報 特開2004−217021号公報
ところで、特許文献1〜4のダンパでは、ダンパの軸方向(スラスト方向)のガタを吸収することができるが、ダンパの径方向(ラジアル方向)のガタの吸収効果は殆どないものであると考えられる。
しかしながら、一般的に、ダンパの支軸の外周面とケーシングの軸受孔の内周面との間には、若干の隙間ができる場合が多く、この隙間は、ダンパの径方向のガタとなって現れる。すなわち、ダンパの支軸の外周面とケーシングの軸受孔の内周面との間に隙間ができないようにするのは成形精度の点で極めて困難であり、そのような寸法関係を実現しようとすると精密な金型加工が要求されて金型加工費が高騰する。また、開発段階でそのような寸法関係となるように育成を行おうとすると開発工数の大幅な増加に繋がり、ひいてはコストの高騰を招くので、若干の隙間が許容されるような公差範囲でもって寸法設定が行われるのが通常である。また、ダンパの支軸がケーシングの軸受孔の内方でスムーズに回動できるように各部の寸法を設定しておかなければならず、この点からも、ダンパの支軸の外周面とケーシングの軸受孔の内周面との間には若干の隙間ができてしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、寸法精度を高めることなく、ダンパの構造によって当該ダンパの軸方向のガタだけでなく、径方向をガタも吸収できるようにしてコストを低減できるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、ダンパをケーシングに対して弾性材によってフローティング支持できるようにした。
第1の発明は、空気通路を有するケーシングと、前記ケーシング内に収容されるダンパとを備えた車両用空調装置のダンパ構造において、前記ケーシングには、軸受孔が形成され、前記軸受孔の内周面は、前記ケーシングの内方へ向かって拡径して当該ケーシング内に開口するテーパー面部を有し、前記ダンパは、前記軸受孔に挿入される軸部と、前記空気通路を開閉する板部と、前記軸部の外周面から径方向に離れる方向に突出し、前記テーパー面部に接する弾性材からなる当接部とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、ダンパの軸部をケーシングの軸受孔に挿入すると、ダンパの当接部が軸受孔のテーパー面部に接する。当接部は、軸部の外周面から径方向に離れる方向に突出しているので、当接部の弾性変形により、ダンパの径方向のガタが吸収される。また、当接部が接しているテーパー面部はケーシングの内方へ向かって拡径しているので、ダンパの軸方向のガタが生じている場合、当接部の弾性変形によって軸方向のガタが吸収される。当接部は、テーパー面部の軸方向中間部に接するように配置することが可能である。
第2の発明は、前記当接部は、前記軸部の周方向に連続していることを特徴とする。
この構成によれば、当接部が軸受孔のテーパー面部に対して全周に亘って当接するので、軸部と軸受孔との間が当接部によってシールされる。また、当接部と軸部とを全周に亘って密着させておくことで、当接部と軸部との間もシールされる。
第3の発明は、前記当接部は、前記ケーシングの内方から外方へ向かう方向に突出していることを特徴とする。
この構成によれば、当接部がその突出方向先端部から力を受けた際に、軸部の径方向及び軸方向の両方向に弾性変形しやすくなる。
第4の発明は、前記軸受孔の内周面と、前記軸部の外周面との間には全周に亘って隙間が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、軸部を軸受孔に挿入すると、軸部の外周面と軸受孔の内周面との間に全周に亘って隙間が存在することになるので、当接部を径方向のどの方向にも変形させることが可能になる。
第5の発明は、前記軸部と前記ケーシングの内面との間には隙間が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ダンパをケーシングに組み付けた状態で、軸部とケーシングの内面との間に隙間が存在することになるので、当接部を径方向及び軸方向に容易に変形させることが可能になる。
第6の発明は、前記板部の周縁部には前記ケーシングの内面に接触する弾性材からなるシール部が設けられ、前記シール部を構成する弾性材により前記当接部が構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、板部の周縁部に設けられるシール部と同じ弾性材で当接部が構成されるので、例えば同一工程でシール部と当接部が得られる。尚、シール部と当接部とは別体であってもよいし、一体成形されたものであってもよい。
第7の発明は、前記当接部は、前記軸部の周方向に延びる板状に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、当接部が板状であることから、テーパー面部から力を受けた際に当接部が容易に撓み変形して径方向及び軸方向のガタが吸収される。
第8の発明は、前記当接部の突出方向は前記テーパー面部と交差するように設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、当接部の突出方向とテーパー面部とが交差しているので、テーパー面部から力を受けた際に当接部が確実に撓み変形するようになり、径方向及び軸方向のガタが確実に吸収される。
第1の発明によれば、ケーシングの軸受孔の内周面が当該ケーシングの内方へ向かって拡径するテーパー面部を有し、ダンパは軸受孔に挿入される軸部の外周面から径方向に離れる方向に突出してテーパー面部に接する弾性材からなる当接部を備えているので、寸法精度を高めることなく、当接部の弾性変形によってダンパの軸方向及び径方向の両方向のガタを吸収でき、コストを低減できる。
第2の発明によれば、当接部が軸部の周方向に連続しているので、軸部と軸受孔との間を当接部によってシールして空気の漏れを抑制することができる。
第3の発明によれば、当接部が軸部の外周面から径方向に離れる方向だけでなく、ケーシングの内方から外方へ向かう方向に突出することになるので、当接部がその先端部から力を受けた際に、軸部の径方向及び軸方向の両方向に変形しやすくなり、両方向のガタを十分に吸収することができる。
第4の発明によれば、軸受孔の内周面と、軸部の外周面との間に全周に亘って隙間を形成したので、当接部を径方向のどの方向へも変形させることができ、ガタを十分に吸収することができる。
第5の発明によれば、軸部とケーシングの内面との間には隙間を形成したので、当接部を径方向及び軸方向に容易に変形させることができ、ガタを十分に吸収することができる。
第6の発明によれば、板部の周縁部に設けられるシール部と同じ弾性材で当接部が構成されるので、例えば同一工程でシール部と当接部を得ることができ、工程を簡素化することができる。
第7の発明によれば、当接部を撓み変形可能な板状にすることで、ガタを十分に吸収することができる。
第8の発明によれば、当接部の突出方向とテーパー面部とを交差させたので、テーパー面部から力を受けた際に当接部が確実に撓み変形してガタを確実に吸収することができる。
本発明の実施形態に係る車両用空調装置の空調ユニットの正面図である。 空調ユニットの背面図である。 空調ユニットの右側面図である。 空調ユニットのIV−IV線断面図である。 車両用空調装置の送風ユニットを後方から見た斜視図である。 送風ユニットの背面図である。 送風ユニットの右側面図である。 送風ユニットの左側面図である。 図7におけるIX−IX線断面であり、斜め後方から見た図である。 図7におけるIX−IX線断面である。 右側ケーシング部材及び内外気切替ダンパを省略した送風ユニットを後方から見た斜視図である。 図10における一点鎖線内を拡大して示す断面図である。 内外気切替ダンパの斜視図である。 内外気切替ダンパの側面図である。 内外気切替ダンパの正面図である。 実施形態の変形例に係るダンパの軸部近傍の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置を構成する空調ユニット1を車両前側から見た図であり、図2は、空調ユニット1を車両後側から見た図であり、図3は、空調ユニット1を車両右側から見た図である。車両用空調装置は、例えば自動車等の車両に搭載されて車室の空調を行うものであり、空調ユニット1と、図5〜図8に示す送風ユニット50とを備えている。この実施形態では、空調ユニット1が車幅方向中央部に配設され、送風ユニット50が空調ユニット1の車両右側に配設される場合について説明するが、空調ユニット1と送風ユニット50との配設位置は特に限定されるものではない。空調ユニット1と、送風ユニット50とは、車室の前端部に設けられているインストルメントパネル(図示せず)の内部に収容されている。空調ユニット1と送風ユニット50とは一体に構成されていてもよいし、別体に構成されていてもよい。空調ユニット1と送風ユニット50とは車幅方向に並ぶことなく、車幅方向中央部に配置されるように構成されていてもよい。尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」というものとする。
また、図示しないが、車両の車室よりも前にはエンジンが搭載されるエンジンルームが設けられている。エンジンルームには、冷凍サイクルを構成する圧縮機や凝縮器等が配設されている。また、エンジンの代わりに車両走行用のモータが搭載されていてもよい。
(空調ユニット1の構成)
空調ユニット1は、図4に示すように、空調ケーシング2と、冷却用熱交換器3と、加熱用熱交換器4と、上側エアミックスダンパ6と、下側エアミックスダンパ7と、デフロスタダンパ8と、前席用ベントダンパ9と、ヒートダンパ10とを備えている。
空調ケーシング2は、例えば複数の樹脂製部材を組み合わせて構成されており、冷却用熱交換器3と、加熱用熱交換器4と、上側エアミックスダンパ6と、下側エアミックスダンパ7と、デフロスタダンパ8と、前席用ベントダンパ9と、ヒートダンパ10とを収容する部材である。空調ケーシング2の分割構造は、特に限定されるものではないが、例えば、前後方向や上下方向とすることができる。この実施形態では、図1〜図4に示すように、空調ケーシング2が、前側ケーシング部材2Aと後側ケーシング部材2Bとに分割されるとともに、前側ケーシング部材2Aが上下方向に、後側ケーシング部材2Bが左右方向にそれぞれ分割されている。従って、4つの部材を組み合わせることによって空調ケーシング2が構成されている。
図3に示すように、空調ケーシング2の前部の右側壁部には、送風ユニット50から送られてきた空調用空気を空調ケーシング2の内部に導入するための空気導入口2aが形成されている。空調ユニット1は、空気導入口2aから導入された空調用空気を、冷却用熱交換器3及び加熱用熱交換器4により温度調節可能に構成されている。詳細は後述するが、冷却用熱交換器3を通過した空気のうち、加熱用熱交換器4を通過する空気量が、上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7によって設定される。
空調ケーシング2における空気導入口2aの周縁部には、中間ダクト部2Cが一体成形されている。図2に示すように、中間ダクト2Cは、右側へ突出するように形成されている。この中間ダクト2Cの右端部に、後述する送風ケーシングが接続されており、送風ケーシングから送風された空調用空気が中間ダクト2Cを介して空気導入口2aに流入するようになっている。尚、空気導入口2aは、送風ケーシングが配設されている側に形成されているが、空調ケーシング2の前部の左側壁部及び右側壁部のいずれに形成されていてもよい。
図4に示すように、空調ケーシング2の上壁部の前側には、車両のフロントガラスの内面に向けて空調風を供給するためのデフロスタ吹出口2bが形成されている。図2に示すように、このデフロスタ吹出口2bは左右方向に長い形状とされている。デフロスタ吹出口2bには図示しないデフロスタダクトが接続されている。デフロスタダクトの下流端部は、インストルメントパネルの前端部に形成されたデフロスタ口(図示せず)に接続されている。
図4に示すように、空調ケーシング2の上壁部におけるデフロスタ吹出口2bよりも後側には、前席に着座している乗員(前席乗員)の上半身に向けて空調風を供給するための前席用ベント吹出口2cが形成されている。前席用ベント吹出口2cには図示しないベントダクトが接続されている。ベントダクトの下流端部は、インストルメントパネルの車幅方向略中央部に形成されたセンタベント口(図示せず)及びインストルメントパネルの車幅方向両側にそれぞれ形成されたサイドベント口(図示せず)に接続されている。デフロスタ吹出口2bと前席用ベント吹出口2cとは前後方向に並ぶように配置されている。
空調ケーシング2の後壁部の下側には、乗員の足下近傍に向けて空調風を供給するためのヒート吹出口2dが形成されている。ヒート吹出口2dには図示しないヒートダクトが接続されている。ヒートダクトは、前席乗員の足下近傍まで延びるフロントヒートダクトと、後席乗員の足下近傍まで延びるリヤヒートダクトとからなり、前席乗員及び後席乗員の足下近傍に空調風を供給することができるようになっている。尚、ヒートダクトはフロントヒートダクトのみで構成されていてもよい。また、ヒート吹出口2dは複数設けることができる。
空調ケーシング2の内部には、空気導入通路R1と、上側温風生成通路R2aと、下側温風生成通路R2bと、デフロスタ通路R3と、前席用ベント通路R4と、ヒート通路R5と、上側通路R6aと、下側通路R6bとが形成されている。これら通路R1、R2a、R2b、R3、R4、R5、R6a、R6bは空気通路である。
空気導入通路R1は、空調ケーシング2の内部において前側部分に形成されている。空気導入通路R1の上流端部は空気導入口2aに接続されている。空気導入通路R1は空気導入口2aから後側へ延びている。空気導入通路R1の下流端部に冷却用熱交換器3が配設されている。
冷却用熱交換器3は、空気導入通路R1を流通する空調用空気を冷却するためのものである。冷却用熱交換器3は、空調ケーシング2の内部において前側に位置しており、その空気通過面が上下方向に延びる姿勢とされている。冷却用熱交換器3の上部及び下部が空調ケーシング2によって保持されている。
この実施形態では冷却用熱交換器3が、ヘッダタンク、チューブ及びフィン(図示せず)を有するエバポレータ(冷媒蒸発器)で構成されている。エバポレータは、従来から周知の冷凍サイクル装置の構成要素である。冷却用熱交換器3の内部を流通する低温の冷媒と冷却用熱交換器3の外部を通過する空調用空気とが熱交換することによって空調用空気が冷却される。このときに冷却用熱交換器3の表面に発生した凝縮水は、図1〜図3に示すドレン管部2fから空調ケーシング2の外部に排出されるようになっている。空気導入通路R1は、冷風を生成する冷風生成通路でもある。
加熱用熱交換器4は、冷却用熱交換器3の空気流れ方向下流側(後側)において空調ケーシング2の上下方向中間部に配置されている。従って、冷却用熱交換器3は、加熱用熱交換器4よりも前方に配置されることになる。加熱用熱交換器4は冷却用熱交換器3から後側に離れて配置されており、加熱用熱交換器4と冷却用熱交換器3との間には空間が設けられている。加熱用熱交換器4は、その空気通過面が上下方向に延びる姿勢とされている。
加熱用熱交換器4と冷却用熱交換器3との間には、隔壁部21が上下方向に延びるように設けられている。隔壁部21よりも後側に、上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bが形成されている。上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bは、空調ケーシング2の内部において前後方向の中間部、かつ、上下方向の中間部に形成されることになり、上側温風生成通路R2aの下に下側温風生成通路R2bが位置することになる。上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bは、隔壁部21から後側へ延びるように形成される。図示しないが、上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bの間に前後方向に延びる区画板を配設するようにしてもよい。
上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bには、加熱用熱交換器4が配設されている。加熱用熱交換器4の略上半部が上側温風生成通路R2aに配置され、加熱用熱交換器4の略下半部が下側温風生成通路R2bに配置される。加熱用熱交換器4は、ヘッダタンク、チューブ及びフィン(図示せず)を有するヒータコアで構成されている。加熱用熱交換器4には、車両に搭載されているエンジン(図示せず)を循環するエンジン冷却水が供給パイプ4a(図1に示す)を介して供給されるようになっている。加熱用熱交換器4に供給されたエンジン冷却水と、加熱用熱交換器4の外部を通過する空調用空気とが熱交換することによって空調用空気が加熱される。加熱用熱交換器4に供給されたエンジン冷却水は、排出パイプ4b(図1に示す)によってエンジンに戻されるようになっている。供給パイプ4a及び排出パイプ4bの前側は、空調ケーシング2の前部に設けられたブラケット2g(図1に示す)によって保持されている。加熱用熱交換器4の上部及び下部は、空調ケーシング2に保持されている。また、加熱用熱交換器4の前後方向の寸法(外部空気の通過方向の寸法)は、冷却用熱交換器3の前後方向の寸法よりも短く設定されている。尚、加熱用熱交換器4は冷凍サイクルの凝縮器で構成されていてもよい。
加熱用熱交換器4の上下方向の寸法は冷却用熱交換器3の上下方向の寸法よりも短く設定されており、空調ケーシング2の内部には、加熱用熱交換器4の上方に空間が形成されるとともに、加熱用熱交換器4の下方にも空間が形成される。これら空間は通路となるものであり、具体的には、空調ケーシング2の加熱用熱交換器4の上方には、冷却用熱交換器3を通過した冷風が流通する上側通路R6aが形成されており、また、空調ケーシング2の加熱用熱交換器4の下方には、冷却用熱交換器3を通過した冷風が流通する下側通路R6bが形成されている。
上側通路R6aの上流端部は、冷却用熱交換器3における空気流れ方向下流側の面の上側と対向するように配置され、空気導入通路R1の下流端部の上側部分に連通している。上側通路R6aは、加熱用熱交換器4の上部よりも上方へ向けて延びている。また、上側通路R6aの中途部は、上側温風生成通路R2aの上流端部に連通可能となっている。上側通路R6aの中途部と、上側温風生成通路R2aの上流端部との間に、上側エアミックスダンパ6が配設されている。
上側エアミックスダンパ6は、上側温風生成通路R2aの上流端部の開度を変更することによって上側温風生成通路R2aを流通する空気量を調整するためのものである。上側エアミックスダンパ6は、左右方向に延びる軸部6aと、軸部6aから径方向に延出する閉塞板部6bとを備えている。軸部6aの左右両端部が空調ケーシング2の左右両側壁部に対して回動可能に支持されている。軸部6aは、加熱用熱交換器3の上部近傍に配置されている。閉塞板部6bは、上側温風生成通路R2aの上流端部を全閉にした状態(図4に示す)から上方へ回動して上側温風生成通路R2aの上流端部を全開にした状態(図示せず)に切り替えられるとともに、全閉状態と全開状態との間の任意の位置に停止させることができるようになっている。上側エアミックスダンパ6が上側温風生成通路R2aの上流端部を全開にすると、上側通路R6aの下流側が閉塞板部6bによって遮断されて上側通路R6aの冷風が上側温風生成通路R2aに流入することになる。これがフルホット状態である。また、上側エアミックスダンパ6が上側温風生成通路R2aの上流端部を全閉にすると、上側通路R6aの下流側が閉塞板部6bによって全開にされて上側通路R6aの冷風が上側温風生成通路R2aに流入しなくなる。これはフルコールド状態である。
また、下側通路R6bの上流端部は、冷却用熱交換器3における空気流れ方向下流側の面の下側と対向するように配置され、空気導入通路R1の下流端部の下側部分に連通している。従って、空気導入通路R1から流出した冷風は、上側通路R6a及び下側通路R6bの両方に流入することになる。下側通路R6bは、冷却用熱交換器3の後側から加熱用熱交換器4の下方を通って加熱用熱交換器4よりも後側へ向けて延びており、空調ケーシング2の下部後側に達している。下側通路R6bは、空調ケーシング2の下部後側から上方へ湾曲しながら延び、空調ケーシング2の後壁部に沿って該空調ケーシング2の上部に達するまで延びている。
下側通路R6bの中途部は、下側温風生成通路R2bの上流端部に連通可能となっている。下側通路R6bの中途部と、下側温風生成通路R2bの上流端部との間に、下側エアミックスダンパ7が配設されている。
下側エアミックスダンパ7は、下側温風生成通路R2bの上流端部の開度を変更することによって下側温風生成通路R2bを流通する空気量を調整するためのものである。下側エアミックスダンパ7は、左右方向に延びる軸部7aと、軸部7aから径方向に延出する閉塞板部7bとを備えている。軸部7aの左右両端部が、上側エアミックスダンパ6の軸部6aから下方に離れており、空調ケーシング2の左右両側壁部に対して回動可能に支持されている。軸部7aは、加熱用熱交換器3の下部近傍に配置されている。閉塞板部7bは、下側温風生成通路R2bの上流端部を全閉にした状態(図4に示す)から下方へ回動して下側温風生成通路R2bの上流端部を全開にした状態(図示せず)に切り替えられるとともに、全閉状態と全開状態との間の任意の位置に停止させることができるようになっている。下側エアミックスダンパ7が下側温風生成通路R2bの上流端部を全開にすると、下側通路R6bが閉塞板部7bによって遮断されて下側通路R6bの冷風が下側温風生成通路R2bに流入することになる。これがフルホット状態である。また、下側エアミックスダンパ7が下側温風生成通路R2bの上流端部を全閉にすると、下側通路R6bが閉塞板部7bによって全開にされて下側通路R6bの冷風が下側温風生成通路R2bに流入しなくなる。これがフルコールド状態である。
上側エアミックスダンパ6と下側エアミックスダンパ7とは、周知のリンク機構を使用することで連動させることができ、例えばエアミックスアクチュエータ等によって駆動される。エアミックスアクチュエータは、図示しないが空調制御装置に接続されている。空調制御装置は、乗員による設定温度や車室外温度、車室内温度等に基づいて上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7の開度を演算し、上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7がその開度となるように、エアミックスアクチュエータを制御する。
エアミックスアクチュエータによって上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bの開度が大きくされると、上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bへ流入する冷風量が増えるので、温風の生成量が増えることになり、調和空気の温度が上昇する。一方、エアミックスアクチュエータによって上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bの開度が小さくされると、上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bへ流入する冷風量が減るので、温風の生成量が減ることになり、調和空気の温度が低下していく。上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7を回動させることによって調和空気の温度を狙いの温度とすることができるように構成されている。
上述のようにして生成された調和空気によって空調ケーシング2の内部に空調風が形成される。空調風は、フルホット時には加熱用熱交換器4で生成された温風のみとなり、また、フルコールド時には冷却用熱交換器3で生成された冷風のみとなり、また、フルホットとフルコールドの間の時には温風と冷風が混合したものになる。
デフロスタ通路R3は、空調ケーシング2の内部において上側に形成されており、内部には空調風が流通するようになっている。デフロスタ通路R3の下流端部は、デフロスタ吹出口2bに接続されている。デフロスタ通路R3は、デフロスタ吹出口2bを介して車室に連通している。
デフロスタダンパ8は、デフロスタ通路R3を開閉するためのものであり、左右方向に延びる軸部8aと、軸部8aから径方向に延出する閉塞板部8b、8bとを備えている。軸部8aの左右両端部が空調ケーシング2の左右両側壁部に対して回動可能に支持されている。軸部8aは、デフロスタ通路R3の前後方向中間部に配置されている。デフロスタダンパ8が軸部8a回りに回動することにより、閉塞板部8b、8bによってデフロスタ通路R3が全閉状態(図4に示す)から全開状態(図示せず)、及びその反対にも切り替えられるとともに、その中間開度にも切り替えられるようになっている。
空調ケーシング2の上側には、乗員の上半身に空調風を供給するための前席用ベント通路R4が上側通路R6aの下流側及び下側通路R6bの下流側に連通するように形成されている。すなわち、前席用ベント通路R4は、空調ケーシング2の内部の上側においてデフロスタ通路R3よりも後側に形成されており、内部には空調風が流通するようになっている。また、前席用ベント通路R4は、加熱用熱交換器4の上方に形成されている。前席用ベント通路R4の下流端部は、前席用ベント吹出口2cに接続されている。前席用ベント通路R4は、前席用ベント吹出口2cを介して車室に連通している。
前席用ベントダンパ9は、前席用ベント通路R4を開閉するためのものであり、左右方向に延びる軸部9aと、軸部9aと一体化された閉塞板部9bとを備えている。軸部9aの左右両端部が空調ケーシング2の左右両側壁部に対して回動可能に支持されている。軸部9aは、前側寄りに配置されている。前席用ベントダンパ9が軸部9a回りに回動することにより、閉塞板部9bによって前席用ベント通路R4が全開状態(図4に示す)から全閉状態(図示せず)、及びその反対にも切り替えられるようになっている。
ヒート通路R5は、空調ケーシング2の内部において前席用ベント通路R4よりも下側に形成されており、内部には空調風が流通するようになっている。ヒート通路R5の下流端部は、ヒート吹出口2dに接続されている。ヒート通路R5は、ヒート吹出口2dを介して車室に連通している。
ヒートダンパ10は、ヒート通路R5を開閉するためのものであり、左右方向に延びる軸部10aと、軸部10aから径方向に延出する閉塞板部10b、10bとを備えている。軸部10aの左右両端部が空調ケーシング2の左右両側壁部に対して回動可能に支持されている。軸部10aは、ヒート通路R5の上流端部の上部近傍に配置されている。ヒートダンパ10が軸部10a回りに回動することにより、軸部10aよりも下に位置する閉塞板部10bによってヒート通路R5が全閉状態(図4に示す)になる。この全閉状態から閉塞板部10b、10bが前後方向に延びる姿勢となるまでヒートダンパ10を回動させると、全開状態(図示せず)に切り替えられる。ヒートダンパ10を反対方向に回動させることで全開状態から全閉状態にすることができる。図4に示すように、ヒートダンパ10が全閉状態にあるときには、閉塞板部10bは上下方向に延びることになる。一方、ヒートダンパ10が全開状態にあるときには、閉塞板部10bが前後方向に延びる姿勢となる。これにより、ヒートダンパ10よりも下側の空調用空気がヒートダンパ10の上方へ流れなくなる。
また、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10は、周知のリンク機構を使用することで連動させることができ、例えば吹出方向切替用アクチュエータ等によって駆動される。吹出方向切替用アクチュエータは、図示しないが空調制御装置に接続されている。空調制御装置は、乗員による設定温度や車室外温度、車室内温度等に基づいてデフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10の開度を演算し、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10がその開度となるように、吹出方向切替用アクチュエータを制御する。これにより、例えば、ベントモード、デフロスタモード、ヒートモード、バイレベルモード、デフヒートモード等に切り替えることができる。
(空調ユニット1のダンパ構造)
空調ユニット1が有するダンパは、上述したように複数あり、上側エアミックスダンパ6、下側エアミックスダンパ7、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10である。上側エアミックスダンパ6、下側エアミックスダンパ7、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10の空調ケーシング2に対する支持構造は同じにすることができ、後述する送風ユニット50の内外気切替用ダンパ54の支持構造と同じにすることができる。上側エアミックスダンパ6、下側エアミックスダンパ7、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10に設けられている軸部6a、7a、8a、9a、10aを、空調ケーシング2に形成された軸受孔(図示せず)にそれぞれ挿入する。
尚、上側エアミックスダンパ6、下側エアミックスダンパ7、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10の支持構造は全て同じにすることなく、一部のみ、送風ユニット50の内外気切替用ダンパ54と同じにし、他は異なる構造であってもよい。
(空調ユニット1の動作)
次に、上記のように構成された空調ユニット1の動作について説明する。まず、図4に示すベントモードについて説明すると、このベントモードは、デフロスタ通路R3とヒート通路R5とを閉じて、前席用ベント通路R4を開くモードである。図4では、上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7が上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを全閉状態にしているので、冷却用熱交換器3を通過した冷風が上側通路R6a及び下側通路R6bを流通する。このように、上側通路R6a及び下側通路R6bを設けていることで、通路断面積を増やすことができ、通気抵抗が低減される。
前席用ベント通路R4が開いているので、冷風は前席用ベント通路R4に流入して前席用ベント吹出口2cから車室の各部に供給される。
仮に、上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7が上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを半開状態にしていれば、上側温風生成通路R2aと下側温風生成通路R2bとで温風が生成され、この温風と冷風とが混合して調和空気となり、車室の各部に供給される。
次に、ヒートモードについて説明する。このヒートモードは、前席用ベント通路R4を閉じて、デフロスタ通路R3とヒート通路R5とを開くモードである。上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7が上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを全開状態にすると、冷却用熱交換器3を通過した冷風が上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを流通する間に加熱用熱交換器4によって加熱される。上側温風生成通路R2aを流通した温風は、主に上方へ向かって流れてデフロスタ通路R3に流入してデフロスタ吹出口2bから車室に供給される。下側温風生成通路R2bを流通した温風は、主にヒート通路R5へ向かって流れてヒート吹出口2dからから車室に供給される。
次に、デフロスタモードについて説明すると、このデフロスタモードは、デフロスタ通路R3を開き、前席用ベント通路R4及びヒート通路R5を閉じるモードである。上側エアミックスダンパ6及び下側エアミックスダンパ7が上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを全開状態にすると、冷却用熱交換器3を通過した冷風が上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを流通する間に加熱用熱交換器4によって加熱される。上側温風生成通路R2a及び下側温風生成通路R2bを流通した温風は、主に上方へ向かって流れてデフロスタ通路R3に流入してデフロスタ吹出口2bから車室に供給される。
(送風ユニット50の構成)
図5〜図11に示すように、送風ユニット50は、送風ケーシング51と、シロッコファン52(図11に一部を示す)と、ファン駆動モータ53と、内外気切替ダンパ54とを備えている。
送風ケーシング51は、例えば複数の樹脂製部材を組み合わせて構成されており、シロッコファン52と、内外気切替ダンパ54とを収容する部材である。送風ケーシング51の分割構造は、特に限定されるものではないが、例えば、前後方向や上下方向とすることができる。この実施形態では、図5〜図11に示すように、送風ケーシング51が、下側スクロール部材51Aと、上側スクロール部材51Bと、右側ケーシング部材51Cと、左側ケーシング部材51Dとに分割されている。従って、4つの部材を組み合わせることによって送風ケーシング51が構成されている。尚、図11は、右側ケーシング部材を取り外し、かつ、内部に収容されていた内外気切替ダンパ54を取り外した状態を示しており、後方から見た斜視図である。
送風ケーシング51の下側部分には、下側スクロール部材51Aと上側スクロール部材51Bとにより、シロッコファン52が収容されるスクロールケーシング55が形成されている。シロッコファン52は、回転中心線が上下方向に延びる姿勢でスクロールケーシング55内に収容されている。送風ケーシング51の底壁部には、出力軸(図示せず)が上下方向に延びる姿勢とされたファン駆動モータ53が取り付けられている。ファン駆動モータ53の出力軸にシロッコファン52が連結されており、ファン駆動モータ53の回転力がシロッコファン52に伝達されるようになっている。
図5や図8に示すように、スクロールケーシング55の左前側には、空気流出口55aが形成されている。空気流出口55aは、空調ケーシング2の空気導入口2aに接続されるようになっている。
送風ケーシング51のスクロールケーシング55よりも上側部分は、内外気切替部56とされており、この内外気切替部56は右側ケーシング部材51Cと左側ケーシング部材51Dとで構成されている。内外気切替部56には、車室内の空気(内気)を送風ケーシング51内の空気通路T(図9〜図11に示す)に導入するための内気導入口56aと、車室外の空気(外気)を送風ケーシング51内の空気通路Tに導入するための外気導入口56b(図11に示す)とが形成されている。内気導入口56a及び外気導入口56bは空気通路Tの一部(上流端部)である。
内気導入口56aは、内外気切替部56の後壁部に形成されるとともに、図7及び図8に示すように内外気切替部56の右側壁部及び左側壁部にも形成されており、車室内に開口している。外気導入口56bは、内外気切替部56の前壁部に形成されており、図示しないが車体のカウルを介して車室外と連通している。
内外気切替ダンパ54は、内外気切替部56の内部に収容されており、内気導入口56aと外気導入口56bの一方を開放して他方を閉塞することによって導入モードを切り替えるための部材である。内気導入口56aを開放して外気導入口56bを閉塞すると、送風ケーシング51に導入される空気が内気のみとなり、送風ユニット50は内気循環モードになる。一方、内気導入口56aを閉塞して外気導入口56bを開放すると、送風ケーシング51に導入される空気が外気のみとなり、送風ユニット50は外気導入モードになる。
内外気切替ダンパ54は、左側軸部60と、右側軸部61と、内気導入口56a及び外気導入口56bを開閉する板部62と、当接部63と、シール部64とを備えている。左側軸部60は左側へ突出するように形成され、また、右側軸部61は右側へ突出するように形成されている。左側軸部60と右側軸部61の回動中心線は、共に左右方向に延びる同一直線上に位置するようになっている。また、左側軸部60と右側軸部61とは左右対称形状に形成することができる。左側軸部60の右端部(基端部)と、右側軸部61の左端部(基端部)は、左右方向に延びる連結部65によって連結されている。
図13〜図15に示すように、板部62は、左側軸部60の基端部から径方向に延びる左側板部62aと、右側軸部61の基端部から径方向に延びる右側板部62bと、左側板部62aの先端縁部から右側板部62bの先端縁部まで延びる本体部62cとを有している。左側板部62a及び右側板部62bは、それぞれ左側軸部60及び右側軸部61から離れるに従って幅が広くなるように形成されている。また、本体部62cは平板状であってもよいし、湾曲していてもよい。
シール部64は、板部62の周縁部に沿って延びるように形成されており、例えばゴムや熱可塑性エラストマー等の弾性材で構成されている。シール部64は、板部62から突出しており、送風ケーシング51の内面に接触することにより、外気導入モード時に内気導入口56aと板部62との間をシールし、内気循環モード時に外気導入口56bと板部62との間をシールする。シール部64は、板部62とは別部品とされていてもよく、シール部64及び板部62の成形後、シール部64を板部62に組み付けて一体化することができる。
図9〜図12に示すように、送風ケーシング51の内外気切替部56の左側壁部には、内外気切替ダンパ54の左側軸部60が挿入される左側軸受孔70が形成され、内外気切替部56の右側壁部には、内外気切替ダンパ54の右側軸部61が挿入される右側軸受孔71が形成されている。左側軸部60は、左側軸受孔70に挿入した状態で送風ケーシング51の外方へ突出しており、この左側軸部60の端部に内外気切替用アクチュエータ80(図5や図6等に示す)の出力軸が連結されるようになっている。内外気切替用アクチュエータ80によって内外気切替ダンパ54を回動させることにより、図9や図10に示す外気導入モードと、図示しない内気導入モードとに切り替えることができる。尚、内外気切替ダンパ54は、乗員が操作する操作ワイヤ(図示せず)によって回動させることもでき、この場合はリンク機構等を介して操作ワイヤを左側軸部60に連結すればよい。また、右側軸部61に、内外気切替用アクチュエータ80や操作ワイヤを連結してもよい。
送風ケーシング51の左側軸受孔70と、右側軸受孔71とは左右対称に形成することができる。以下、左側軸受孔70について詳細に説明する。左側軸受孔70の内周面は、送風ケーシング51の内方へ向かって拡径して当該送風ケーシング51内に開口するテーパー面部70aを有している。テーパー面部70aは、左側軸受孔70の周方向に連続して形成されている。左側軸受孔70の中心線X(図12に示す)と、テーパー面部70aとのなす角度は、例えば40°〜60°の範囲で設定することができるが、これに限られるものではなく、任意の角度に設定することができる。テーパー面部70aの中心線X方向の寸法は、例えば5mm〜10mm程度に設定することができる。
また、図12に示すように、左側軸受孔70の内周面と、左側軸部60の外周面との間には全周に亘って隙間S1が形成されている。すなわち、左側軸受孔70の内径は、左側軸部60の外径よりも所定寸法だけ大きく設定されるとともに、後述する当接部63がテーパー面部70aに接することによって左側軸受孔70の中心線と、左側軸部60の中心線とが略一致するように、左側軸部60が位置付けられている。左側軸受孔70の中心線と、左側軸部60の中心線とは若干ずれていてもよい。左側軸受孔70の内周面と、左側軸部60の外周面との隙間S1は、例えば0.1mm〜0.5mm程度に設定することができるが、これに限られるものではない。
また、内外気切替ダンパ54の左側軸部60と送風ケーシング51の内面との間には隙間S2が形成されている。この隙間S2の形成により、左側軸部60と送風ケーシング51との干渉が回避される。本実施形態では、隙間S1や隙間S2の形成が許容されているので、左側軸部60及び左側軸受孔70の成形精度をそれほど高める必要はなく、金型加工費を低減することができる。右側についても同様である。
図15に示すように、内外気切替ダンパ54の当接部63は、シール部64と同様な弾性材からなり、左側軸部60と、右側軸部61とにそれぞれ設けられている。この実施形態では、シール部64を構成する弾性材により当接部63が構成されている。例えば、1つの金型内で、シール部64と当接部63とを同じ材料で同時に成形することができる。これにより、当接部63が左側軸部60と一体成形されることになるので、部品点数の増加が抑制されて内外気切替ダンパ54の組立工数を低減できる。シール部64と当接部63を成形する際、従来から周知のダイスライド等を備えた射出成形装置を用いて、左側軸部60、右側軸部61、板部62を硬質樹脂により成形した後、シール部64を板部62に一体成形し、当接部63を左側軸部60及び右側軸部61に一体成形することができる。
尚、シール部64を構成する弾性材と、当接部63を構成する弾性材とは異なっていてもよく、一方を他方に比べて軟らかくしてもよい。当接部63を別部品とすることもでき、この場合は、当接部63を成形した後、左側軸部60に組み付けて一体化することができる。当接部63を別部品とする場合、当接部63の一部を左側軸部60に埋め込むことで当接部63の脱落を防止するようにしてもよい。
左側軸部60に設けられる当接部63は、左側軸部60の基端部の外周面から径方向に離れる方向に突出する板状をなし、左側軸受孔70のテーパー面部70aに接するように形成されている。右側軸部61に設けられる当接部63は、右側軸部61の基端部の外周面から径方向に離れる方向に突出し、右側軸受孔71のテーパー面部(図示せず)に接するように形成されている。左側軸部60に設けられる当接部63と、右側軸部61に設けられる当接部63とは左右対称形状である。以下、左側軸部60に設けられる当接部63について詳細に説明する。
図14に示すように、当接部63は左側軸部60の周方向に連続して延びており、当接部63の突出方向先端部が左側軸受孔70のテーパー面部70aに対して全周に亘って当接するようになっている。当接部63は弾性変形するものなので、テーパー面部70aに追従するように変形して当接部63の先端部とテーパー面部70aとの間の隙間が殆ど無くなる。これにより、当接部63の先端部とテーパー面部70aとの間のシール性を確保することができる。当接部63の軸方向の位置は、内外気切替ダンパ54を送風ケーシング51に組み付けた状態で、当接部63の先端部がテーパー面部70aに対して所定の力で押圧されるように設定されている。これにより、当接部63が弾性変形して上述したシール性が確実なものになるとともに、当接部63の反発力によって内外気切替ダンパ54のガタが抑制される。このときの当接部63の弾性変形量により、内外気切替ダンパ54のガタが吸収される。
また、当接部63の突出方向はテーパー面部70aと交差するように設定されている。当接部63の突出方向と、テーパー面部70aとは略直交させることもできる。尚、当接部63は左側軸部60の周方向に断続して設けられていてもよい。また、当接部63は、突出方向先端側へ行くほど薄肉に形成されていてもよい。また、当接部63はいわゆるリップ形状であってもよい。
当接部63は、送風ケーシング51の内方から外方へ向かう方向に突出しており、具体的には、左側軸部60に設けられる当接部63の場合、先端へ行くほど左に位置するように形成されている。これにより、当接部63の基端部が先端部に比べて右に位置することになる。当接部63の左側軸部60に対する傾斜角度は特に限定されるものではないが、40°〜60°の間で設定することができる。当接部63の先端部は、内外気切替ダンパ54を送風ケーシング51に組み付けた状態で、テーパー面部70aの軸方向中間部に接して若干弾性変形するように配置されている。
内外気切替ダンパ54を送風ケーシング51に組み付けると、左右両側の当接部63が送風ケーシング51の左側軸受孔70及び右側軸受孔71のテーパー面部70aに接することになるので、内外気切替ダンパ54の左側軸部60及び右側軸部61が、それぞれ左側軸受孔70及び右側軸受孔71の内周面から離れた状態になる。これがフローティング状態である。フローティング状態では、左右の当接部63のうち、一方または両方が撓むように弾性変形して内外気切替ダンパ54の軸方向及び径方向のガタが吸収される。尚、成形時の誤差や組付時の誤差等により、内外気切替ダンパ54の左側軸部60及び右側軸部61の一方が、左側軸受孔70及び右側軸受孔71の一方の内周面に接触することもある。
当接部63の基端部の周縁部は、左側軸部60の基端部の外周面に対して全周に亘って密着している。これにより、当接部63の基端部と左側軸部60の基端部との間がシールされる。当接部63の基端部は、左側軸部60に対して固定されている。したがって、内外気切替ダンパ54が回動すると、当接部63の先端部がテーパー面部70aに摺接することになるが、このときの摺動抵抗は小さなものであることから問題とはならない。
図16に示す実施形態の変形例のように、当接部63は、左側軸部60の基端部から先端側に向かって離れた部位に設けることもできる。この場合、当接部63を左側軸部60の軸方向中間部に位置決めするための位置決め部(図示せず)を設けるのが好ましい。位置決め部は、例えば左側軸部60の外周面に設けた突起や溝等で構成することができる。
(実施形態の作用効果)
この実施形態によれば、内外気切替ダンパ54の左側軸部60及び右側軸部61を送風ケーシング51の左側軸受孔70及び右側軸受孔71に挿入することで、内外気切替ダンパ54を送風ケーシング51に組み付けることができる。内外気切替ダンパ54を送風ケーシング51に組み付けると、内外気切替ダンパ54に設けられている当接部63が軸受孔70、71のテーパー面部70aに接する。当接部63は、弾性材からなるものであるとともに、左側軸部60及び右側軸部61の外周面から径方向に離れる方向に突出しているので、内外気切替ダンパ54の組付後に当接部63が変形することにより、内外気切替ダンパ54の径方向のガタが吸収される。また、当接部63が接しているテーパー面部70aは送風ケーシング51の内方へ向かって拡径しているので、当接部63の変形によって内外気切替ダンパ54の軸方向のガタも吸収される。したがって、各部の寸法精度を高めることなく、当接部63の弾性変形によって内外気切替ダンパ54の軸方向及び径方向の両方向のガタを吸収できるので、コストを低減できる。
尚、空調ユニット1の上側エアミックスダンパ6、下側エアミックスダンパ7、デフロスタダンパ8、前席用ベントダンパ9及びヒートダンパ10にも同様な構造を適用することができ、この場合も内外気切替ダンパ54と同様な作用効果を奏することができる。
また、内外気切替ダンパ54の当接部63が送風ケーシング51の軸受孔70、71のテーパー面部70aに対して全周に亘って当接するので、左側軸部60及び右側軸部61と、軸受孔70、71との間を当接部63によってシールすることができる。これにより、空気の漏れを抑制することができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る車両用空調装置のダンパ構造は、例えば内外気切替ダンパ、エアミックスダンパ、吹出方向切替ダンパ等に利用することができる。
1 空調ユニット
2 空調ケーシング
6 上側エアミックスダンパ
7 下側エアミックスダンパ
8 デフロスタダンパ
9 前席用ベントダンパ
10 ヒートダンパ
50 送風ユニット
51 送風ケーシング
54 内外気切替ダンパ
60 左側軸部
61 右側軸部
62 板部
63 当接部
64 シール部
70 左側軸受孔
70a テーパー面部

Claims (8)

  1. 空気通路を有するケーシングと、
    前記ケーシング内に収容されるダンパとを備えた車両用空調装置のダンパ構造において、
    前記ケーシングには、軸受孔が形成され、
    前記軸受孔の内周面は、前記ケーシングの内方へ向かって拡径して当該ケーシング内に開口するテーパー面部を有し、
    前記ダンパは、前記軸受孔に挿入される軸部と、前記空気通路を開閉する板部と、前記軸部の外周面から径方向に離れる方向に突出し、前記テーパー面部に接する弾性材からなる当接部とを備えていることを特徴とする車両用空調装置のダンパ構造。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置のダンパ構造において、
    前記当接部は、前記軸部の周方向に連続していることを特徴とする車両用空調装置のダンパ構造。
  3. 請求項1または2に記載の車両用空調装置のダンパ構造において、
    前記当接部は、前記ケーシングの内方から外方へ向かう方向に突出していることを特徴とする車両用空調装置のダンパ構造。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の車両用空調装置のダンパ構造において、
    前記軸受孔の内周面と、前記軸部の外周面との間には全周に亘って隙間が形成されていることを特徴とする車両用空調装置のダンパ構造。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の車両用空調装置のダンパ構造において、
    前記軸部と前記ケーシングの内面との間には隙間が形成されていることを特徴とする車両用空調装置のダンパ構造。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の車両用空調装置のダンパ構造において、
    前記板部の周縁部には前記ケーシングの内面に接触する弾性材からなるシール部が設けられ、
    前記シール部を構成する弾性材により前記当接部が構成されていることを特徴とする車両用空調装置のダンパ構造。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の車両用空調装置のダンパ構造において、
    前記当接部は、前記軸部の周方向に延びる板状に形成されていることを特徴とする車両用空調装置のダンパ構造。
  8. 請求項7に記載の車両用空調装置のダンパ構造において、
    前記当接部の突出方向は前記テーパー面部と交差するように設定されていることを特徴とする車両用空調装置のダンパ構造。
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