JP2024031233A - 車両用空調装置 - Google Patents

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恒星 酒井
泰輔 平
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Abstract

【課題】エバポレータよりも下流側にケーシング構成部材の合わせ部が位置している場合に、空調用空気の流れによって飛ばされた凝縮水が合わせ部に付着するのを抑制する。【解決手段】エバポレータ40を収容する空調ケーシング30は、複数のケーシング構成部材を組み合わせて構成されている。ケーシング構成部材同士の合わせ部C1は、エバポレータ40よりも空気流れ方向下流側に位置付けられている。空調ケーシング30の内部には、エバポレータ40よりも空気流れ方向下流側かつ合わせ部C1よりも空気流れ方向上流側に配置され、上下方向に延びる板部50が設けられている。【選択図】図6

Description

本開示は、例えば自動車等に搭載される車両用空調装置に関する。
車両用空調装置は、例えば、エバポレータ及びヒータコアと、これらを収容する空調ケーシングと、空調用空気を送風する送風用ファンとを備えたものが知られている。送風用ファンから送風された空調用空気はエバポレータによって冷却され、その後、エアミックスダンパの作用により、ヒータコアで加熱またはヒータコアをバイパスして流れ、空調用ケーシング内で所望温度の調和空気となった後、車室の各部に供給される(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1、2では、空調用空気がエバポレータで冷却される際に発生した凝縮水を排出するためのドレン部が空調ケーシングの底壁に設けられている。
特開2006-137214号公報 特開2019-93972号公報
ところで、一般的な空調ケーシングは、樹脂材によって成形された複数のケーシング構成部材が組み合わされてできている。空調ケーシングの構造やエバポレータ等のレイアウトによっては、ケーシング構成部材の合わせ部がエバポレータよりも空気流れ方向下流側に位置することがある。
送風用ファンによる空調用空気の送風量が多い場合は、エバポレータのフィン等に保水されていた凝縮水が空調用空気によって下流側へ吹き飛ばされてしまい、ケーシング構成部材の合わせ部の内面に付着する場合がある。ケーシング構成部材の合わせ部の内面に付着した凝縮水は、毛細管現象によって合わせ部の内部に入り込み、空調ケーシングの外部に漏れ出すことがある。空調ケーシングの外部に漏れ出した凝縮水は、車室内に滴下するので問題になる。
本開示は、かかる点に鑑みたものであり、その目的とするところは、エバポレータよりも下流側にケーシング構成部材の合わせ部が位置している場合に、空調用空気の流れによって飛ばされた凝縮水が合わせ部に付着するのを抑制することにある。
上記目的を達成するために、本開示に係る一態様では、空調用空気を冷却するエバポレータと、該エバポレータを収容する空調ケーシングとを備え、該空調ケーシングに導入された空調用空気を前記エバポレータにより冷却して車室の各部に供給可能に構成された車両用空調装置を前提とすることができる。前記空調ケーシングは、複数のケーシング構成部材を組み合わせて構成されており、前記ケーシング構成部材同士の合わせ部は、前記エバポレータよりも空気流れ方向下流側に位置付けられている。前記空調ケーシングの内部には、前記エバポレータよりも空気流れ方向下流側かつ前記合わせ部よりも空気流れ方向上流側に配置され、上下方向に延びる板部が設けられている。
この構成によれば、エバポレータが空調用空気を冷却することで、エバポレータには凝縮水が保水される。エバポレータに保水された凝縮水は、空調用空気の流れによって下流側へ飛ばされる場合がある。エバポレータよりも空気流れ方向下流側には上下方向に延びる板部が設けられているので、空調用空気の流れによって飛ばされた凝縮水は板部に当たり、下へ導かれることになる。これにより、凝縮水がケーシング構成部材の合わせ部に付着しにくくなる。
本開示の他の態様に係る板部は、前記ケーシング構成部材に一体成形されていてもよい。この構成によれば、部品点数及び組付工数を削減できるとともに、板部のケーシング構成部材に対する相対的な位置関係を精度良く維持でき、板部による凝縮水の合わせ部への付着抑制効果がより一層向上する。
本開示の他の態様では、空調ケーシングの底壁における前記エバポレータよりも空気流れ方向下流側には、前記凝縮水を排水するためのドレン部が設けられていてもよい。この場合、前記板部は、前記ドレン部よりも空気流れ方向上流側に位置付けることができる。この構成によれば、板部に当たった凝縮水が下へ導かれると、その空気流れ方向下流側にドレン部があるので、ドレン部に向けてスムーズに流れていき、車室外へ排水される。
本開示の他の態様に係る板部は、前記エバポレータの下側部分と対向するように配置されている。すなわち、エバポレータに発生した凝縮水は重力によって下側部分へ流れるので、エバポレータの下側部分に保水される量が上側部分に比べて相対的に多くなる。この保水される量が多くなる下側部分と対向するように板部が位置していることで、多くの凝縮水が板部に的確に当たるようになり、凝縮水の合わせ部への付着抑制効果がより一層向上する。
本開示の他の態様に係る空調ケーシングには、前記底壁から上方へ突出し、前記エバポレータの下部を下方から支持する複数の支持部が空気流れ方向と交差する方向に互いに間隔をあけて設けられていてもよい。また、空調ケーシングには、前記底壁から上方へ突出し、前記エバポレータの下部を下方から支持する支持部が前記空調ケーシングの側壁から離間して設けられていてもよい。
この構成によれば、エバポレータに向けて送風された空調用空気の一部が支持部の間、または支持部と側壁との間を流通してエバポレータの空気流れ方向下流側へ向けて流れることになる。エバポレータよりも空気流れ方向下流側にドレン部が位置していることから、底壁に滴下した凝縮水が支持部の間または支持部と側壁との間を流通した空気によってドレン部へ向けて流されることになる。つまり、板部によって多くの凝縮水が下方に導かれて底壁に滴下したとしても、その凝縮水をドレン部から確実に排水させることができる。
本開示の他の態様に係る板部は、前記支持部よりも空気流れ方向下流側かつ前記支持部よりも上方に配置されていてもよい。すなわち、空調ケーシング内の空調用空気の主流は概ねエバポレータを通過する方向の流れとなっているが、支持部の間を流通した空気の一部は主流とは異なる方向に流れることがあり、例えば上方に向かうことも考えられる。本態様では、支持部の間を流通した空気の一部が上方へ向かうと、そこに板部が位置しているので、凝縮水が支持部の間を流通した空気の一部によって巻き上げられたとしても、板部に当たることになり、合わせ部への付着が抑制される。
本開示の他の態様に係るケーシング構成部材は、前記空調ケーシングの車両左側部分を構成する左側ケーシング構成部材と、前記空調ケーシングの車両右側部分を構成する右側ケーシング構成部材とを含んでいてもよい。この場合、前記合わせ部は、前記空調ケーシングの車両左右方向中間部に位置付けることができ、また、前記板部は、前記空調ケーシングの車両左右方向中間部において車両左右方向に延びるように形成することができる。これにより、左側ケーシング構成部材及び右側ケーシング構成部材の合わせ部に凝縮水が付着し難くなる。
本開示の他の態様では、左側ケーシング構成部材と前記右側ケーシング構成部材との一方に、他方に係合する爪部が設けられていてもよい。この場合、前記板部は、前記爪部よりも空気流れ方向上流側に配置することができる。これにより、空調用空気の流れによって飛ばされた凝縮水が爪部に付着し難くなるので、凝縮水が爪部を介して空調ケーシングの外部へ漏れ出さないようにすることが可能になる。
また、エバポレータは、上側部分が下側部分よりも空気流れ方向上流側に位置するように傾斜配置されていてもよい。これにより、空調ケーシングにおけるエバポレータが収容される部分の高さ方向の寸法が短くなる。
以上説明したように、エバポレータよりも空気流れ方向下流側かつケーシング構成部材同士の合わせ部よりも空気流れ方向上流側に上下方向に延びる板部を設けたので、エバポレータに保水されている凝縮水が空調用空気によって飛ばされた場合に合わせ部に付着するのを抑制できる。これにより、凝縮水が車室内に漏れ出さないようにすることができる。
本発明の実施形態に係る車両用空調装置の斜視図である。 車両用空調装置が搭載された自動車の内部を示す図である。 車両用空調装置の左側面図である。 車両用空調装置の平面図である。 車両用空調装置を後方から見た図である。 図4におけるVI-VI線断面図である。 図3におけるVII-VII線断面図である。 右側ケーシング構成部材と底部ケーシング構成部材を分離した状態を示す左側面図である。 底部ケーシング構成部材の平面図である。 底部ケーシング構成部材を後方から見た図である。 底部ケーシング構成部材の底面図である。 右側ケーシング構成部材を前方から見た図である。 実施形態の変形例に係る図9相当図である。 実施形態の変形例に係る図10相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置1を示すものである。この車両用空調装置1は、図2に一部を示す自動車100の車室R内に配設され、車室R内を空調する装置である。この実施形態の説明では、車両前側を単に前といい、車両後側を単に後といい、車両左側を単に左といい、車両右側を単に右というものとするが、これは説明に便宜を図るための定義であり、本発明を限定するものではない。また、車両用空調装置1の左右方向は幅方向に相当する。
図2に示すように、自動車100の車室R内の車両前部には、車幅方向(左右方向)に離間した運転席及び助手席からなる前席シート101が配設されている。自動車100の車室R内における前席シート(1列目シート)101の後方には、2列目シート102が配設され、さらに2列目シート102の後方には3列目シート103が配設されている。つまり、この自動車100は、前席シート101、2列目シート102及び3列目シート103を備えた車両である。車室Rには、荷室の一部または全部が含まれていてもよい。
自動車100の車室R内には、前席シート101の前方にインストルメントパネルPが配設されている。このインストルメントパネルPの内部には、上記車両用空調装置1とは別の前席用空調装置200が配設されている。前席用空調装置200は、主に前席シート101の乗員へ供給する空調風及びフロントウインドガラスGの内面に供給する空調風を生成する。図示しないが、前席用空調装置200は、冷却器や加熱器、エアミックスダンパ、吹出方向切替ダンパ等を有している。尚、図2ではダクト類を省略している。
車両用空調装置1は、2列目及び3列目シート102、103の乗員へ空調風を供給する後席用空調装置であり、前席用空調装置200から後方に離れた場所に配設される。車両用空調装置1を配設する場所の一例としては、例えば運転席と助手席との間を挙げることができる。運転席と助手席との間には、図示しないが、前後方向に長いセンターコンソールが配設されており、このセンターコンソールの内部に車両用空調装置1を収容することが可能になっている。また、車両用空調装置1を覆うカバー(図示せず)等が車室Rに設けられている。車両用空調装置1は、送風ユニット2と空調ユニット3とを備えている。送風ユニット2と空調ユニット3とは、別体であってもよいし、一体であってもよい。また、送風ユニット2と空調ユニット3とは、前後方向に並ぶように配置されていてもよいし、上下方向に並ぶように配置されていてもよい。
図1に示すように、送風ユニット2は、空調用空気を空調ユニット3へ送風するためのユニットであり、送風ケーシング20と、送風用ファン21と、送風用ファン21を回転駆動するためのモータ(図示せず)とを備えている。送風ケーシング20の左側壁部には、空調用空気を吸い込む吸込口20aが形成されている。吸込口20aは車室内に開口しており、車室内の空気(内気)を吸い込むものである。送風用ファン21は、送風ケーシング20の内部に収容された遠心式ファン(シロッコファン)であり、その回転軸は左右方向に延びている。送風ケーシング20の右側壁部に上記モータが固定されており、このモータの出力軸に送風用ファン21が固定されている。送風用ファン21の回転により、空調用空気が送風ケーシング20の左側壁部の吸込口20aから送風ケーシング20の内部に吸い込まれ、吸い込まれた空調用空気が後方へ向けて送風されるようになっている。
図3及び図4にも示すように、空調ユニット3は送風ユニット2の後方に配置されている。空調ユニット3は、空調ケーシング30を備えている。空調ケーシング30は、後述するエバポレータ40を収容する部材である。空調ケーシング30と、送風ケーシング20とは別部材で構成されていてもよいし、空調ケーシング30に送風ケーシング20が一体成形されていてもよい。
図1、図3、図4等に示すように、空調ケーシング30は、複数のケーシング構成部材31~33を組み合わせて構成されている。空調ケーシング30の前部に送風ケーシング20の後部が接続されて一体化されている。本実施形態の空調ケーシング30は、空調ケーシング30の左側部分を構成する左側ケーシング構成部材31と、空調ケーシング30の右側部分を構成する右側ケーシング構成部材32と、空調ケーシング30の底壁を構成する底部ケーシング構成部材33とで構成されている。左側ケーシング構成部材31、右側ケーシング構成部材32及び底部ケーシング構成部材33は、例えば樹脂材を射出成形してなるものである。空調ケーシング30を構成するケーシング構成部材の数は、3つに限られるものではなく、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
空調ケーシング30は前後方向の寸法が上下方向の寸法よりも長く設定されており、全体として送風ケーシング20よりも前後方向に長い形状を有している。これにより、空調ケーシング30を運転席及び助手席の間に配設することが可能になっている。
図6に示すように、空調ケーシング30の前壁部の上下方向中間部には、空調用空気を当該空調ケーシング30の内部に導入するための空気導入口30cが形成されている。空気導入口30cには、送風ケーシング20の後部に設けられている空気吐出部20b(図6に示す)が接続されており、送風ユニット2から送風された空調用空気は、空調ケーシング30の前側から導入されて後側へ向かう流れを形成する。したがって、空調ケーシング30内を流れる空調用空気の主流は、前側から後側へ流れることになる。尚、空調ケーシング30の内部は複雑な形状であることから、部位によっては空気が上方や下方に流れることもある。
図6に示すように、空調ユニット3は、送風ユニット2により導入された空調用空気を冷却して冷風を生成する冷却器としてのエバポレータ(空気冷却器)40と、空調用空気を加熱して温風を生成する加熱器としてのヒータコア(空気加熱器)41とを備えている。エバポレータ40及びヒータコア41は、空調ケーシング30に収容されており、ヒータコア41はエバポレータ40の空気流れ方向下流側に配置されている。エバポレータ40は、当該エバポレータ40の上側部分が下側部分よりも空気流れ方向上流側に位置するように傾斜配置されている。また、ヒータコア41も、当該ヒータコア41の上側部分が下側部分よりも空気流れ方向上流側に位置するように傾斜配置されている。
エバポレータ40は、上側ヘッダタンク40a及び下側ヘッダタンク40bと、コア40cとを有している。上側ヘッダタンク40aは、エバポレータ40の上部を構成する部材であり、空調ケーシング30の左側壁から右側壁に亘って延びていて、左右方向に長い形状を持っている。下側ヘッダタンク40bは、エバポレータ40の下部を構成する部材であり、空調ケーシング30の左側壁から右側壁に亘って延びていて、左右方向に長い形状を持っている。コア40cは、上側ヘッダタンク40aと下側ヘッダタンク40bとの間に設けられており、上下方向に長い複数のチューブとフィン(共に図示せず)を左右方向に交互に積層して一体化したものである。チューブ間を空調用空気が通過するようになっている。チューブの上部は上側ヘッダタンク40aに接続され、チューブの下部は下側ヘッダタンク40bに接続されている。
自動車100には、冷媒を圧縮するコンプレッサ(図示せず)、凝縮器(図示せず)、膨張弁42等が搭載されている。これら機器により冷凍サイクルが構成されている。膨張弁42は、図11に示す開口部33bに嵌め込まれた状態で底部ケーシング構成部材33に固定されている。
エバポレータ40には、膨張弁42によって減圧された冷媒が流入するようになっている。冷媒が上側ヘッダタンク40aや下側ヘッダタンク40bに流入した後、コア40cのチューブ内を流通することで空調用空気と熱交換し、これにより空調用空気が冷却される。空調用空気が冷却されると、チューブの表面やフィンの表面には凝縮水が生成される。生成された凝縮水は、重力の作用により、チューブやフィンを伝いながらエバポレータ40の下側部分へ流れて空調ケーシング30の底壁に滴下する。また、凝縮水の生成量が多い場合には、凝縮水がエバポレータ40の上下方向中間部からも空調ケーシング30の底壁に滴下することがある。
ヒータコア41は、上側ヘッダタンク41a及び下側ヘッダタンク41bと、コア41cとを有している。上側ヘッダタンク41aは、ヒータコア41の上部を構成する部材であり、空調ケーシング30の左側壁から右側壁に亘って延びていて、左右方向に長い形状を持っている。下側ヘッダタンク41bは、ヒータコア41の下部を構成する部材であり、空調ケーシング30の左側壁から右側壁に亘って延びていて、左右方向に長い形状を持っている。コア41cは、上側ヘッダタンク41aと下側ヘッダタンク41bとの間に設けられており、上下方向に長い複数のチューブとフィン(共に図示せず)を左右方向に交互に積層して一体化したものである。チューブ間を空調用空気が通過するようになっている。チューブの上部は上側ヘッダタンク41aに接続され、チューブの下部は下側ヘッダタンク41bに接続されている。
自動車100における発熱源であるエンジンやモータ、インバータ等を冷却するための冷却水がヒータコア41に流入するようになっている。また、ヒータコア41の代わりに、例えば上記凝縮器等が搭載されていてもよいし、通電によって発熱する電気式ヒータ等が搭載されていてもよい。
ヒータコア41の上下方向の寸法は、エバポレータ40の上下方向の寸法よりも短く設定されている。また、ヒータコア41の空気通過方向の寸法は、エバポレータ40の空気通過方向の寸法よりも短く設定されている。さらに、ヒータコア41の上部は、エバポレータ40の上部よりも下に位置付けられている。
また、例えば左側ケーシング構成部材31を右側ケーシング構成部材32に対して左側方から組み付けることで、左側ケーシング構成部材31と右側ケーシング構成部材32とを一体化することができ、また、右側ケーシング構成部材32を左側ケーシング構成部材31に対して右側方から組み付けることによっても、左側ケーシング構成部材31と右側ケーシング構成部材32とを一体化することができる。左側ケーシング構成部材31と右側ケーシング構成部材32の外周部の嵌合部Cは、図1、図3、図4等に示すように、空調ケーシング30の周囲に設けられ、また、左側ケーシング構成部材31と右側ケーシング構成部材32の下側部分における合わせ部C1(図6に示す)は、エバポレータ40よりも空気流れ方向下流側にも設けられている。合わせ部C1は、後側へ行くほど下に位置するように傾斜している。
嵌合部C及び合わせ部C1は、同様に構成されている。嵌合部C及び合わせ部C1の例として、図示しないが、左側ケーシング構成部材31と右側ケーシング構成部材32との一方の部材に、当該部材の縁部に沿って延びる突条部を形成し、他方の部材に、上記突条部が嵌合する凹条部を形成した構造を挙げることができる。嵌合部C及び合わせ部C1の構造はこれに限られるものではなく、どのような構造であってもよい。また、底部ケーシング構成部材33を、左側ケーシング構成部材31及び右側ケーシング構成部材32に組み付ける場合も、上記嵌合部C及び合わせ部C1と同様な構造を設けることができる。
図8に示すように、右側ケーシング構成部材32には、左側ケーシング構成部材31に係合する爪部32aが形成されている。一方、左側ケーシング構成部材31には爪部32aが係合する孔部(図示せず)が形成されている。左側ケーシング構成部材31及び右側ケーシング構成部材32を一体化する際には、爪部32aを孔部に係合させることで、合わせ部C1近傍における結合力が高まる。
図6に示すように、エバポレータ40の下部は、支持部43によって支持されている。すなわち、空調ケーシング30の底壁には、当該底壁から上方へ突出し、エバポレータ40の下部を下方から支持する2つの支持部43(図9、図10にも示す)が空気流れ方向と交差する方向である左右方向に互いに間隔をあけて設けられている。支持部43は左右方向に延びる板状をなしている。支持部43の上部にエバポレータ40の下部が当接するようになっている。左右の支持部43の隙間は、空調ケーシング30の左右方向中間部に位置している。空調用空気の主流は空調ケーシング30の前から後へ向けて流れているので、空調用空気の一部が左右の支持部43の間に形成されている隙間Sを通過して後へ流れることになる。また、図11に示すように、支持部43は中空状も厚い板状をなしており、下方に向けて開放されている。支持部43の数は、3つ以上であってもよい。この場合も、左右方向に隣合う支持部43の間には、隙間Sを形成するのが好ましい。
図9に示すように、空調ケーシング30の底壁におけるエバポレータ40よりも空気流れ方向下流側には、凝縮水を排水するためのドレン部44が設けられている。ドレン部44は、底部ケーシング構成部材33の後部において左右方向中間部に位置している。空調ケーシング30の底壁は、ドレン部44が設けられている部位が最も下に位置するように傾斜している。ドレン部44は、空調ケーシング30の底壁の上面に開口して下方へ延びる筒状部または管状部等で構成されており、車体のフロアパネル(図示せず)に形成された開口部を介して車室外と連通している。従って、ドレン部44に流入した凝縮水は当該ドレン部44によって車室外へ排水される。本実施形態では、ドレン部44がヒータコア41の真下に位置付けられている。
図6に示すように、空調ユニット3の内部には、冷風生成通路R1と、温風生成通路R2と、バイパス通路R3と、エアミックス空間R4とが形成されている。冷風生成通路R1は、空調ユニット3の内部において前側部分に形成されている。冷風生成通路R1の上流端は、空気導入口30cに接続されている。冷風生成通路R1は、空気導入口30cへの接続部分から後方へ向けて延びている。冷風生成通路R1の上下方向の寸法は、後側へ行くほど長くなっており、冷風生成通路R1の断面積が後側に向かって次第に拡大している。
冷風生成通路R1における空気導入口30cへの接続部分から後方に離れた部分には、エバポレータ40が配置されている。エバポレータ40は、空調用空気が通過する空気通過面が上側へ行くほど前側に位置するように傾斜配置されている。冷風生成通路R1を流通する空調用空気は、エバポレータ40の前方から当該エバポレータ40を通過して後方へ流れる。
温風生成通路R2は、空調ユニット3の内部において冷風生成通路R1の後方に形成されている。温風生成通路R2の上流端は、冷風生成通路R1の下流端の下側部分に連通している。したがって、温風生成通路R2には、冷風生成通路R1を流通した空調用空気が流入する。温風生成通路R2は後側へ向けて延びており、温風生成通路R2の前後方向の長さは、冷風生成通路R1の前後方向の長さよりも短く設定されている。温風生成通路R2の上下方向の寸法は、冷風生成通路R1の上下方向の寸法よりも短く設定されている。
温風生成通路R2には、ヒータコア41が配置されている。ヒータコア41は、空気通過面が上側へ行くほど前側に位置するように傾斜配置されている。温風生成通路R2を流通する空調用空気は、ヒータコア41の前方から当該ヒータコア41を通過して後方へ流れ、ヒータコア41を通過する間に冷却水等と熱交換することによって加熱される。
ヒータコア41は、後述する2列目シート用ベント吹出口30dよりも後下方、且つ3列目シート用ベント吹出口30e及びヒート吹出口30fよりも上方を指向する方向に傾斜して設けられる。これにより、3列目シート用ベント吹出口30e及びヒート吹出口30fへの流通抵抗を低減することができるとともに、2列目シート用ベント吹出口30dを前方に配置することによって空調ケーシング30を小型化できる。
バイパス通路R3は、空調ユニット3の内部において冷風生成通路R1の後方に形成され、温風生成通路R2の上方に位置している。バイパス通路R3の上流端は、冷風生成通路R1の下流端の上側部分に連通している。したがって、バイパス通路R3には、冷風生成通路R1を流通した空調用空気が流入する。バイパス通路R3はヒータコア41の上方を後側へ向けて延びている。バイパス通路R3の前後方向の長さは、冷風生成通路R1の前後方向の長さよりも短く設定されている。また、バイパス通路R3の上下方向の寸法は、温風生成通路R2の上下方向の寸法よりも短く設定されている。
エアミックス空間R4は、エバポレータ40によって生成された冷風と、ヒータコア41によって生成された温風とを混合するための空間であり、空調ユニット3の内部において後側かつ上部に形成されている。バイパス通路R3の下流端は、エアミックス空間R4に対して前側から接続されており、バイパス通路R3を流通した空調用空気は温風生成通路R2をバイパスし、エアミックス空間R4の前方から当該エアミックス空間R4に後方へ向けて流入する。したがって、空調ケーシング30の内部には、冷風がヒータコア41の上方を後側へ流れてエアミックス空間R4に流入するようにバイパス通路(空気通路)R3が形成されている。
このエアミックス空間R4は、温風生成通路R2の上方に位置しているので、温風生成通路R2の下流端は、エアミックス空間R4に対して下側から接続されている。したがって、温風生成通路R2を流通した空調用空気はエアミックス空間R4の下方から当該エアミックス空間R4に上方へ向けて流入する。
エアミックス空間R4に流入した冷風の流れと温風の流れとを衝突させて混合することで所望温度の空調風が生成される。空調風の温度は、エアミックス空間R4における冷風と温風との混合割合によって調整できる。エアミックス空間R4に流入した冷風の割合が増えれば、空調風の温度が低下し、一方、エアミックス空間R4に流入した温風の割合が増えれば、空調風の温度が上昇する。
空調ユニット3は、冷風と温風とのエアミックス空間R4における混合割合を変更するためのエアミックスダンパ29を備えている。エアミックスダンパ29は、空調ケーシング30に収容されている。エアミックスダンパ29として使用可能なダンパは、どのような形式であってもよく、例えばバタフライタイプ、ロータリタイプ、ルーバタイプ等を挙げることができるが、本実施形態では、スライドダンパを使用している。
すなわち、エアミックスダンパ29は、冷風生成通路R1の下流端の上側部分(バイパス通路R3に連通する部分)と、冷風生成通路R1の下流端の下側部分(温風生成通路R2に連通する部分)との開度を変更可能に構成されている。より具体的には、エアミックスダンパ29は、上下方向にスライド可能に、空調ケーシング30の内面に支持されている。駆動装置34によってエアミックスダンパ29が上下方向に駆動される。
エアミックスダンパ29は、例えば板状をなしており、その一部に開口が形成されている。エアミックスダンパ29の動作は特に限定されるものではないが、エアミックスダンパ29を上方へスライドさせると、冷風生成通路R1の下流端の上側部分の開口面積が小さくなる一方、冷風生成通路R1の下流端の下側部分の開口面積が大きくなるように動作させることができる。反対に、エアミックスダンパ29を下方へスライドさせると、冷風生成通路R1の下流端の上側部分の開口面積が大きくなる一方、冷風生成通路R1の下流端の下側部分の開口面積が小さくなる。この場合、エアミックスダンパ29を上端位置までスライドさせると、冷風生成通路R1の下流端の上側部分が全閉になる一方、冷風生成通路R1の下流端の下側部分が全開になり、また、エアミックスダンパ29を下端位置までスライドさせると、冷風生成通路R1の下流端の上側部分が全開になる一方、冷風生成通路R1の下流端の下側部分が全閉になる。つまり、エアミックスダンパ29の動作により、エアミックス空間R4に流入する冷風の量及び温風の量を変更できる。
図示しないが、エアミックスダンパがバタフライタイプやルーバタイプのものであれば、エアミックスダンパの回動角度によってエアミックス空間R4に流入する冷風の量及び温風の量を変更できる。エアミックスダンパがロータリタイプのものであれば、エアミックスダンパの回動角度によってエアミックス空間R4に流入する冷風の量及び温風の量を変更できる。
空調ケーシング30の後側の上部には、2列目シート102の乗員の上半身へ供給される空調風が吹き出す2列目シート用ベント吹出口30dが形成されている。2列目シート用ベント吹出口30dは上方に向けて開口している。2列目シート用ベント吹出口30dの形状は、左右方向に長い形状となっている。エアミックス空間R4の上部に2列目シート用ベント吹出口30dが連通しており、エアミックス空間R4の空気が2列目シート用ベント吹出口30dへ向けて流通可能になっている。2列目シート用ベント吹出口30dには、図示しないダクトが接続されており、このダクトにより空調風を所望の方向へ導くようにしている。
2列目シート用ベント吹出口30dの下方には、ヒータコア41が位置している。このヒータコア41と2列目シート用ベント吹出口30dとは、上下方向に離れている。
空調ケーシング30の後側の下部には、3列目シート103の乗員の上半身へ供給される空調風が吹き出す3列目シート用ベント吹出口30eが形成されている。また、空調ケーシング30の後側の下部には、2列目シート102の乗員及び3列目シート103の乗員の足下へ供給される空調風が吹き出すヒート吹出口30fが形成されている。また、空調ケーシング30の後側には、後方へ向けて膨出する膨出部30Aが形成されている。膨出部30Aの内部における上側には、エアミックス空間R4の下側部分が形成されている。したがって、膨出部30Aの内部における上側において冷風と温風との混合が可能になっている。
膨出部30Aの内部における下側には、3列目シート用ベント通路R5と、後席用ヒート通路R6とが形成されるとともに、3列目シート用ベント通路R5及び後席用ヒート通路R6を仕切るための仕切部38が形成されている。3列目シート用ベント通路R5は、膨出部30Aの内部の後側を上下方向に延びており、3列目シート用ベント通路R5の上端部(上流端)は、エアミックス空間R4の下部に連通している。後席用ヒート通路R6は、膨出部30Aの内部の前側を上下方向に延びており、後席用ヒート通路R6の上端部(上流端)は、エアミックス空間R4の下部において3列目シート用ベント通路R5よりも前側部分に連通している。
3列目シート用ベント通路R5の下端部(下流端)に3列目シート用ベント吹出口30eが連通している。また、後席用ヒート通路R6の下端部(下流端)にヒート吹出口30fが連通している。ヒート吹出口30fと3列目シート用ベント吹出口30eとは前後方向に並んでおり、具体的には、ヒート吹出口30fが3列目シート用ベント吹出口30eよりも前側に位置している。
3列目シート用ベント吹出口30eの位置は、ヒータコア41の下部よりも後方とされている。ヒート吹出口30f及び3列目シート用ベント吹出口30eは下方に向けて開口している。ヒート吹出口30f及び3列目シート用ベント吹出口30eの形状は、左右方向に長い形状となっている。3列目シート用ベント吹出口30eは、ヒート吹出口30fよりも高い位置に開口しており、この3列目シート用ベント吹出口30eには3列目シート103の近傍まで延びるダクト(図示せず)が接続されている。また、ヒート吹出口30fには、2列目シート102の乗員の足下近傍及び3列目シート103の乗員の足下近傍まで延びる足下ダクト(図示せず)が接続されている。
空調ケーシング30の内部には、ヒータコア41から後方に離れた箇所に縦板部35が設けられている。縦板部35は、空調ケーシング30の底壁から上方へ延びており、ヒータコア41の後側の面と対向するように配置される。ヒータコア41を通過した空調用空気は、縦板部35によって上方、即ちエアミックス空間R4へ向けて案内される。
縦板部35がヒータコア41の後側の面と対向するように配置されているので、ベントモード時に冷風を縦板部35によって上方へ案内してヒータコア41からの受熱を極力避けることができる。これにより、2列目シート用ベント吹出口30dから吹き出す空調風の温度上昇を抑制できる。ベントモードでは、空調風が2列目シート用ベント吹出口30d及び3列目シート用ベント吹出口30eから吹き出す。
空調ユニット3は、上側ダンパ36と下側ダンパ37とを備えている。上側ダンパ36と下側ダンパ37とは、空調風の吹出方向を切り替えるための吹出方向切替用ダンパである。上側ダンパ36は、空調ケーシング30の内部において後側かつ上部に収容され、また、下側ダンパ37は、空調ケーシング30の内部において後側かつ下部に収容されている。上側ダンパ36及び下側ダンパ37は、図示しない駆動機構によって駆動される。上側ダンパ36と下側ダンパ37を連動させてもよいし、別々に駆動してもよい。上側ダンパ36及び下側ダンパ37の駆動制御は、従来から周知の手法を用いることができ、乗員の操作によって乗員が所望する吹出モードとなるように上側ダンパ36及び下側ダンパ37を駆動してもよいし、オートエアコン制御のロジックに従って上側ダンパ36及び下側ダンパ37を駆動してもよい。
上側ダンパ36は、2列目シート用ベント吹出口30dを開閉するためのダンパであり、2列目シート用ベントダンパである。すなわち、上側ダンパ36は、左右方向に延びる回動軸36aと、当該回動軸36aから径方向へ延びる2枚の閉塞板部36bとを備えたバタフライタイプのダンパである。回動軸36aは空調ケーシング30の左右両側壁部に対して回動可能に支持されている。図6に示す状態では、上側ダンパ36が2列目シート用ベント吹出口30dを開放している。バイレベルモードでは、ベントモードに比べて上側ダンパ36による2列目シート用ベント吹出口30dの開度が小さくなる。図示しないが、上側ダンパ36後へ向けて回動させることで、2列目シート用ベント吹出口30dを全閉状態にすることもできる。バイレベルモードでは、空調風が2列目シート用ベント吹出口30d、3列目シート用ベント吹出口30e及びヒート吹出口30fから吹き出す。
下側ダンパ37は、3列目シート用ベント吹出口30e及びヒート吹出口30fを開閉するためのダンパであり、3列目シート用ダンパである。下側ダンパ37の配設位置は、膨出部30Aの内部であり、3列目シート用ベント通路R5の上流端を開閉することにより、間接的に、3列目シート用ベント吹出口30eを開閉することができ、また、後席用ヒート通路R6の上流端を開閉することにより、間接的に、ヒート吹出口30fを開閉することができる。
バイレベルモードでは、3列目シート用ベント吹出口30e及びヒート吹出口30fの両方を開く回動位置となるまで、下側ダンパ37が回動する。一方、ベントモードでは、ヒート吹出口30fを全閉にし、3列目シート用ベント吹出口30eを全開にする回動位置となるまで、下側ダンパ37が回動する。図示しないが、ヒート吹出口30fを全開にし、3列目シート用ベント吹出口30eを全閉にする回動位置となるまで、下側ダンパ37を回動させることもできる。このようにして、空調風を車室の各部に供給することができる。
(凝縮水の漏水抑制構造)
上述したように、本実施形態では、図6に示すように、左側ケーシング構成部材31と右側ケーシング構成部材32との合わせ部C1がエバポレータ40よりも空気流れ方向下流側に位置付けられている。また、合わせ部C1は、空調ケーシング30の車両左右方向中間部に位置付けられている。具体的には、エバポレータ40における最も保水量の多い部分であるエバポレータ40の下側部分の後方に合わせ部C1が位置しているので、送風量が多い時などでは、エバポレータ40に保水されている凝縮水が空調用空気によって後へ飛ばされてしまい、合わせ部C1に付着するおそれがある。合わせ部C1は、突条部及び凹条部を有していて、突条部を凹条部に嵌合させている部分なので、合わせ部C1に付着した凝縮水は毛細管現象によって合わせ部C1の内部に入り込み、空調ケーシング30の外部に漏れ出すおそれがある。
このことに対し、本実施形態では、合わせ部C1からの凝縮水の漏水を抑制するための漏水抑制板部50を空調ケーシング30の内部に設けている。漏水抑制板部50は、エバポレータ40よりも空気流れ方向下流側かつ合わせ部C1よりも空気流れ方向上流側に配置され、上下方向及び左右方向に延びている。漏水抑制板部50は、左右方向の寸法が上下方向の寸法よりも長く設定されている。また、漏水抑制板部50は、ドレン部44よりも空気流れ方向上流側に位置付けられるとともに、空調ケーシング30の左右方向中間部に位置付けられている。漏水抑制板部50は、平板状をなしているが、湾曲していてもよい。
図12に示すように、漏水抑制板部50の左縁部50aは、上下方向に延びる一方、右縁部50bは、下へ行くほど左に位置するように傾斜している。右縁部50bが傾斜していることで、漏水抑制板部50の左右方向の寸法は、下へ行くほど短くなっている。また、漏水抑制板部50の上縁部50c及び下縁部50dは、互いに略平行に左右方向に延びている。
漏水抑制板部50は、鉛直方向に延びていてもよいし、鉛直面に対して傾斜していてもよい。例えば、漏水抑制板部50の上側部分が下側部分よりも前に位置するように漏水抑制板部50が傾斜していてもよいし、漏水抑制板部50の上側部分が下側部分よりも後に位置するように漏水抑制板部50が傾斜していてもよい。漏水抑制板部50の下縁部は、空調ケーシング30の底壁から上方に離れており、漏水抑制板部50と、空調ケーシング30の底壁との間を凝縮水や空調用空気が流通可能になっている。
漏水抑制板部50は、エバポレータ40の下側部分を支持する左右の支持部43よりも空気流れ方向下流側かつ支持部43よりも上方に配置されている。そして、本実施形態では、左右の支持部43の間の隙間Sが空調ケーシング30の左右方向中間部に位置しているので、隙間Sの後方に漏水抑制板部50が配置されることになる。
漏水抑制板部50が配設されている高さは、エバポレータ40の下側部分と略同じ高さとされている。従って、漏水抑制板部50の前方にエバポレータ40の下側部分が配置されることになり、漏水抑制板部50の前面と、エバポレータ40の下側部分とが前後方向に対向するように配置される。また、図8に示す爪部32aよりも空気流れ方向上流側に漏水抑制板部50が配置されている。
図12に示すように、漏水抑制板部50は、右側ケーシング構成部材32に一体成形されている。これにより、部品点数及び組付工数を削減できるとともに、漏水抑制板部50の右側ケーシング構成部材32に対する相対的な位置関係を精度良く維持できる。漏水抑制板部50がエバポレータ40の下側部分と対向するように配置されることから、右側ケーシング構成部材32の下側部分に漏水抑制板部50が一体成形されることになる。また、漏水抑制板部50が左右方向に延びているので、漏水抑制板部50の左側部分は、右側ケーシング構成部材32から左側方に突出するように配置される。尚、漏水抑制板部50は、左側ケーシング構成部材31に一体成形されていてもよい。例えば、漏水抑制板部50の右側部分を右側ケーシング構成部材32に一体成形し、左側部分を左側ケーシング構成部材31に一体成形してもよい。
また、漏水抑制板部50は、右側ケーシング構成部材32及び左側ケーシング構成部材31とは別部材で構成されていてもよい。漏水抑制板部50を別部材とする場合、樹脂材等で成形された漏水抑制板部50を右側ケーシング構成部材32及び左側ケーシング構成部材31の少なくとも一方に取り付けることにより、空調ケーシング30と一体化することができる。
エバポレータ40が空調用空気を冷却することで、エバポレータ40には凝縮水が保水される。エバポレータ40に保水された凝縮水は、空調用空気の流れによって下流側へ飛ばされる場合がある。エバポレータ40よりも空気流れ方向下流側には上下方向に延びる漏水抑制板部50が設けられているので、空調用空気の流れによって飛ばされた凝縮水は漏水抑制板部50に当たり、下へ導かれることになる。これにより、凝縮水が合わせ部C1に付着しにくくなる。漏水抑制板部50に当たった凝縮水が下へ導かれると、その空気流れ方向下流側にドレン部44があるので、ドレン部44に向けてスムーズに流れていき、車室外へ排水される。漏水抑制板部50は、凝縮水が合わせ部C1に付着するのを抑制する水付着抑制板部と呼ぶこともできる。
また、漏水抑制板部50は、右側ケーシング構成部材32に設けられている爪部32aよりも空気流れ方向上流側に配置されているので、空調用空気の流れによって飛ばされた凝縮水が爪部32aに付着し難くなる。これにより、凝縮水が爪部32aを介して空調ケーシング30の外部へ漏れ出さないようにすることが可能になる。
また、エバポレータ40で生成された凝縮水は、空調ケーシング30の底壁に滴下する。支持部43よりも前側の底壁に滴下した凝縮水は、支持部43の間の隙間Sを通過して後方へ流れていく。このとき、空調用空気が支持部43の間の隙間Sを後方へ流れているので、その空気の流れにより、凝縮水の後方への流れが促進される。これにより、凝縮水の排水性が良好になる。特に、ドレン部44の左右方向の位置と、隙間Sの左右方向の位置とが略同じであるため、隙間Sを流れた空気の流れの方向にドレン部44が位置することになり、排水性がより一層良好になる。
一方、左右の支持部43の間の隙間Sを後方へ流れた空調用空気の一部は主流とは異なる方向に流れることがあり、例えば上方に向かうことも考えられる。本実施形態では、左右の支持部43の間を流通した空気の一部が上方へ向かうと、そこに漏水抑制板部50が位置しているので、凝縮水が左右の支持部43の間を流通した空気の一部によって巻き上げられたとしても、漏水抑制板部50に当たることになり、合わせ部C1への付着が抑制される。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
例えば、図13及図14に示す変形例のように、エバポレータ40の下側部分を支持する支持部43を1つだけ設けてもよい。変形例の支持部43は、空調ケーシング30の左側壁及び右側壁からそれぞれ離間して設けられいる。これにより、支持部43の左端部と、空調ケーシング30の左側壁との間に左側隙間S1が形成され、また、支持部43の右端部と、空調ケーシング30の右側壁との間に右側隙間S2が形成されることになる。この場合、空調用空気は、支持部43の左右両側方を通って後へ流れることになる。
以上説明したように、本発明に係る車両用空調装置は、例えば2列目シートや3列目シートを有する自動車で利用できる。
1 車両用空調装置
30 空調ケーシング
31 左側ケーシング構成部材
32 右側ケーシング構成部材
32a 爪部
40 エバポレータ
43 支持部
44 ドレン部
50 漏水抑制板部50
C1 合わせ部

Claims (10)

  1. 空調用空気を冷却するエバポレータと、該エバポレータを収容する空調ケーシングとを備え、該空調ケーシングに導入された空調用空気を前記エバポレータにより冷却して車室の各部に供給可能に構成された車両用空調装置において、
    前記空調ケーシングは、複数のケーシング構成部材を組み合わせて構成されており、
    前記ケーシング構成部材同士の合わせ部は、前記エバポレータよりも空気流れ方向下流側に位置付けられ、
    前記空調ケーシングの内部には、前記エバポレータよりも空気流れ方向下流側かつ前記合わせ部よりも空気流れ方向上流側に配置され、上下方向に延びる板部が設けられていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    前記板部は、前記ケーシング構成部材に一体成形されていることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    前記空調ケーシングの底壁における前記エバポレータよりも空気流れ方向下流側には、前記エバポレータで生成された凝縮水を排水するためのドレン部が設けられ、
    前記板部は、前記ドレン部よりも空気流れ方向上流側に位置付けられていることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項3に記載の車両用空調装置において、
    前記板部は、前記エバポレータの下側部分と対向するように配置されていることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項4に記載の車両用空調装置において、
    前記空調ケーシングには、前記底壁から上方へ突出し、前記エバポレータの下部を下方から支持する複数の支持部が空気流れ方向と交差する方向に互いに間隔をあけて設けられていることを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項4に記載の車両用空調装置において、
    前記空調ケーシングには、前記底壁から上方へ突出し、前記エバポレータの下部を下方から支持する支持部が前記空調ケーシングの側壁から離間して設けられていることを特徴とする車両用空調装置。
  7. 請求項5に記載の車両用空調装置において、
    前記板部は、前記支持部よりも空気流れ方向下流側かつ前記支持部よりも上方に配置されていることを特徴とする車両用空調装置。
  8. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    前記ケーシング構成部材は、前記空調ケーシングの車両左側部分を構成する左側ケーシング構成部材と、前記空調ケーシングの車両右側部分を構成する右側ケーシング構成部材とを含み、
    前記合わせ部は、前記空調ケーシングの車両左右方向中間部に位置付けられ、
    前記板部は、前記空調ケーシングの車両左右方向中間部において車両左右方向に延びていることを特徴とする車両用空調装置。
  9. 請求項8に記載の車両用空調装置において、
    前記左側ケーシング構成部材と前記右側ケーシング構成部材との一方には、他方に係合する爪部が設けられ、
    前記板部は、前記爪部よりも空気流れ方向上流側に配置されていることを特徴とする車両用空調装置。
  10. 請求項4に記載の車両用空調装置において、
    前記エバポレータは、上側部分が下側部分よりも空気流れ方向上流側に位置するように傾斜配置されていることを特徴とする車両用空調装置。
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