JPH07292230A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び人工大理石成形体の製造方法 - Google Patents
不飽和ポリエステル樹脂組成物及び人工大理石成形体の製造方法Info
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- JPH07292230A JPH07292230A JP10909694A JP10909694A JPH07292230A JP H07292230 A JPH07292230 A JP H07292230A JP 10909694 A JP10909694 A JP 10909694A JP 10909694 A JP10909694 A JP 10909694A JP H07292230 A JPH07292230 A JP H07292230A
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Abstract
械強度に優れた人工大理石成形品を製造することができ
る不飽和ポリエステル樹脂組成物、及びその組成物から
の人工大理石成形品を製造する。 【構成】 不飽和ポリエステル樹脂(イ)100重量
部、無機質充填材(ロ)50〜400重量部、硬化剤
(ハ)0.5〜3重量部、低収縮剤である単官能性ビニ
ル系単量体と多官能性ビニル系単量体とペルオキシ結合
供与体より形成され、0.01〜1%の全活性酸素量を
有し、1.50〜1.58の屈折率を有するペルオキシ
結合含有ビニル系三次元共重合体(ニ)を3〜30重量
部を主成分とする不飽和ポリエステル樹脂組成物、及び
その組成物を加熱成形せしめる人工大理石の成形品を製
造する。
Description
テル樹脂組成物、より詳しくはクラックが無く、透明性
に優れ、更に機械強度に優れた人工大理石成形体を製造
することができる不飽和ポリエステル樹脂組成物、及び
同組成物を加熱成形して人工大理石成形体を製造する方
法に関する。
人工大理石製品は、急速に市場に広まってきており、な
かでも透明感の高いタイプに人気が集中している。しか
し不飽和ポリエステル樹脂は硬化時に大きな収縮を起こ
すため、寸法安定性に欠け、成形品にクラックや反りを
生じ易いという欠点を持っている。そのため従来からこ
の欠点を解決する手段として様々な方法が検討されてい
る。
いて、低収縮剤として三次元スチレンポリマーを含有す
る不飽和ポリエステル樹脂成形材料を加熱成形すること
により、クラックのない半透明の人工大理石を製造する
方法が開示されている。又特開平4−363313号公
報において、低収縮剤としてエチレン性不飽和二重結合
を有する反応性架橋樹脂微粒子を含有する不飽和ポリエ
ステル樹脂成形材料を加熱成形することにより、透明
性、耐久性、寸法安定性に優れた人工大理石の成形品を
得ることができるとしている。
−56555号公報においては、硬化樹脂と低収縮剤の
屈折率が近似していないこと、又硬化樹脂と低収縮剤の
間で界面剥離を起こすことから、透明性の高い成形品を
得ることが困難であった。更に特開平4−363313
号公報においては、用いられる低収縮剤には製造工程が
多く、工業レベルで安価に生産することが困難であっ
た。
ことが無く、透明性に優れ、更に機械強度に優れた人工
大理石成形品を容易に得ることができる不飽和ポリエス
テル樹脂組成物が実用的に要求されている。
求に応じる不飽和ポリエステル樹脂組成物を開発する目
的で鋭意検討した結果、低収縮剤として特定範囲の全活
性酸素量を有し特定の組成を有するペルオキシ結合を含
有し、特定範囲の屈折率を有するビニル系三次元共重合
体を配合した不飽和ポリエステル樹脂組成物が前記目的
を達成することを見出してこの発明を完成するに至っ
た。
(イ)100重量部、無機質充填材(ロ)50〜400
重量部、硬化剤(ハ)0.5〜3重量部、低収縮剤とし
て単官能性ビニル系単量体と多官能性ビニル系単量体と
ペルオキシ結合供与体より形成され、0.01〜1%の
全活性酸素量を有し、1.50〜1.58の屈折率を有
するペルオキシ結合含有ビニル系三次元共重合体(ニ)
3〜30重量部を主成分とする不飽和ポリエステル樹脂
組成物及び前述の不飽和ポリエステル樹脂組成物を加熱
成形して人工大理石成形体を製造する方法に関する。
物の各成分について説明する。不飽和ポリエステル樹脂
(イ)とは、不飽和二塩基酸40〜100モル%と、飽
和二塩基酸60〜0モル%を酸成分とし、多価アルコー
ルと重縮合反応を行って得られた不飽和ポリエステル
(I)を、該不飽和ポリエステル(I)と共重合可能な
エチレン性不飽和単量体(II)で希釈したものであ
る。上記不飽和二塩基酸としては、例えば無水マレイン
酸、マレイン酸、又はフマル酸等を挙げることができ、
上記飽和二塩基酸としては、例えばイソフタル酸、オル
ソフタル酸、又は無水フタル酸等を挙げることができ、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等を併用してもよ
い。上記多価アルコールとしては、例えばエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネ
オペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、水素添加ビスフェノールA等を
挙げることができる。又該エチレン性不飽和単量体(I
I)としては、一般にはスチレンが用いられるが、その
他α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、アクリル
酸及びアルキルエステル等を挙げることができ、これら
は一種又は二種以上より選択される。これらの該不飽和
ポリエステル(I)と該エチレン性不飽和単量体(I
I)の好ましい配合割合は、該不飽和ポリエステル
(I)20〜70重量%と該エチレン性不飽和単量体
(II)80〜30重量%の範囲である。該不飽和ポリ
エステル(I)と該エチレン性不飽和単量体(II)の
配合量で、該不飽和ポリエステル(I)が20重量%未
満で、該エチレン性不飽和単量体(II)が80重量%
を越える場合には、組成物を加熱成形した場合成形品の
収縮が大きく、クラックが入り易く、該不飽和ポリエス
テル(I)が70重量%を越え、該エチレン性不飽和単
量体(II)が30重量%未満の場合には、不飽和ポリ
エステル樹脂(イ)の粘度が高いため、必然的に不飽和
ポリエステル樹脂組成物の粘度も高くなり、作業性が悪
化する傾向にある。
がいずれも使用可能であるが、硬化後の樹脂の屈折率と
の近似、価格、成形品の外観及び耐煮沸性を考慮する
と、シランカップリング剤で処理されたホウケイ酸ガラ
ス粉末又は水酸化アルミニウムが最も好ましい。該ガラ
ス粉末としては、例えば日本フェロー(株)製の「フェ
ローフィラーM−50S」又は「フェローフィラーM−
60S」等を挙げることができ、該水酸化アルミニウム
としては、昭和電工(株)製の「ハイジライトH−10
0」又は「ハイジライトH−320」等を挙げることが
でき、これらは一種又は二種以上より選択される。無機
質充填材(ロ)の配合量は、不飽和ポリエステル樹脂
(イ)100重量部に対して50〜400重量部の範囲
で、好ましくは100〜300重量部の範囲である。配
合量が50重量部未満の場合には、成形時にクラックが
入り易く、400重量部を越える場合には、不飽和ポリ
エステル樹脂組成物の粘度が高くなり作業性が悪化する
と共に成形品の機械強度が弱くなる。
ソブチロニトリル等のアゾビス系化合物、メチルエチル
ケトンペルオキシド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキ
シル)ペルオキシジカーボネート、ラウロイルペルオキ
シド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、ベンゾイルペルオキシド、1,1−ビス−(t−ブ
チルペルオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス−(t−ヘキシルペルオキシ)3,
5,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルペルオ
キシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ
ベンゾエート、ジクミルペルオキシド、クメンヒドロペ
ルオキシド等の有機過酸化物等、不飽和ポリエステル樹
脂の硬化剤として一般に用いられているものを挙げるこ
とができる。硬化剤の配合は、不飽和ポリエステル樹脂
(イ)100重量部に対して、0.5〜3重量部の範囲
である。配合量が0.5重量部未満の場合には、不飽和
ポリエステル樹脂組成物が完全に硬化せず、3重量部を
越える場合には、硬化速度が速過ぎて成形品にクラック
が入り易くなる。
体(ニ)は、単官能性ビニル系単量体と架橋剤である多
官能性ビニル系単量体とペルオキシ結合供与体より形成
される。ビニル系三次元共重合体中にペルオキシ結合を
導入する方法は特に限定されることはなく、ペルオキシ
結合が該三次元共重合体にペンダントしていても、該三
次元共重合体の主鎖中に組み込まれていても、末端に結
合していても良い。以下にビニル系三次元共重合体中に
ペルオキシ結合を導入する一般的な三種類の方法につい
て説明する。
てペルオキシ結合含有ビニル系単量体を共重合させてビ
ニル系三次元共重合体と生成させる方法で、この方法で
はペルオキシ結合が該三次元共重合体にペンダントした
形で導入される。ここで用いるペルオキシ結合含有ビニ
ル系単量体としては、例えばt−ブチルペルオキシメタ
クリロイロキシエチルカーボネート、t−アミルペルオ
キシメタクロイロキシエチルカーボネート、t−ヘキシ
ルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート、
t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、t−アミル
ペルオキシアリルカーボネート、t−ヘキシルペルオキ
シアリルカーボネート、t−ブチルペルオキシアリルオ
キシエチルカーボネート、t−アミルペルオキシアリル
オキシエチルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシア
リルオキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシ
エチルフマレート、t−アミルペルオキシエチルフマレ
ート、t−ヘキシルペルオキシエチルフマレート、t−
ブチルペルオキシイソプロピルフマレート、t−アミル
ペルオキシイソプロピルフマレート、t−ヘキシルペル
オキシイソプロピルフマレート、t−ブチルペルオキシ
シクロヘキシルフマレート、t−アミルペルオキシシク
ロヘキシルフマレート、t−ヘキシルペルオキシシクロ
ヘキシルフマレート、t−ブチルペルオキシクロトネー
ト、t−アミルペルオキシクロトネート等を挙げること
ができ、これらは一種又は二種以上より選択される。
オキシ結合を有するポリメリックペルオキシドをペルオ
キシ結合供与体として用いるものであり、該ポリメリッ
クペルオキシド中のペルオキシ結合の一部を開裂させて
ビニル系三次元共重合体を生成させ、該三次元共重合体
中に該ポリメリックペルオキシド中のペルオキシ結合を
残存させる形で導入するものである。ここで用いる該ポ
リメリックペルオキシドとしては、例えば次式(化1)
及び(化2)で示されるものが代表的であるが、その他
のポリメリックペルオキシドであっても良い。
キシ結合含有ビニル系三次元共重合体生成のための重合
時の重合温度等を考慮して、一種又は二種以上より選択
される。
公報及び特開平5−213863号公報に開示されたペ
ルオキシケタールをペルオキシ結合供与体として用いて
ビニル系三次元共重合体の重合を行うもので、該ペルオ
キシケタールの熱分解により新たに生成するペルオキシ
エステル結合を該三次元共重合体の分子末端に導入する
ものである。該ペルオキシケタールとしては、例えば、
1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−2−メチルシクロ
ヘキサン、1,1−ジ−t−アミルペルオキシ−2−メ
チルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルペルオ
キシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−オ
クチルペルオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1
−ジ−t−ブチルペルオキシ−2−プロピルシクロヘキ
サン、1,1−ジ−t−アミルペルオキシ−2−プロピ
ルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルペルオキ
シ−2−プロピルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−オ
クチルペルオキシ−2−プロピルシクロヘキサン、1,
1−ジ−t−ブチルペルオキシ−2−イソプロピルシク
ロヘキサン、1,1−ジ−t−アミルペルオキシ−2−
イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシ
ルペルオキシ−2−イソプロピルシクロヘキサン、1,
1−ジ−t−オクチルペルオキシ−2−イソプロピルシ
クロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−2
−ブチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−アミルペル
オキシ−2−ブチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−
ヘキシルペルオキシ−2−ブチルシクロヘキサン、1,
1−ジ−t−オクチルペルオキシ−2−ブチルシクロヘ
キサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−2−イソ
ブチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−アミルペルオ
キシ−2−イソブチルシクロヘキサン、、1,1−ジ−
t−ヘキシルペルオキシ−2−イソブチルシクロヘキサ
ン、1,1−ジ−t−オクチルペルオキシ−2−イソブ
チルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキ
シ−2−メチルシクロペンタン、1,1−ジ−t−ブチ
ルペルオキシ−2−プロピルシクロペンタン等が挙げら
れ、ペルオキシ結合含有ビニル系三次元共重合体の重合
時の重合温度等を考慮して、これらは一種又は二種以上
より選択される。
重合体の全活性酸素量は0.01%〜1%である。全活
性酸素量が0.01%未満では、該三次元共重合体に反
応点が十分に存在しないため、人工大理石成形体を製造
した時に硬化後の樹脂と該三次元共重合体の間で界面剥
離が起こり、成形品の透明性が低下したり、機械強度が
低下し、又1%を越えると硬化が不均一で進行し成形品
にクラックが入り易くなる。尚ここで言う全活性酸素量
とは、該三次元共重合体のペルオキシ結合が分解する際
に発生する遊離ラジカルの数量を示す指針となる値であ
る。
共重合体の製造に使用される単官能性ビニル系単量体と
しては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、t−ブ
チルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)ア
クリル酸、フマル酸(ジ)メチル、フマル酸(ジ)エチ
ル、フマル酸(ジ)イソプロピル、フマル酸(ジ)ブチ
ル、フマル酸(ジ)シクロヘキシル等のフマル酸モノエ
ステル又はフマル酸ジエステル類、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類を挙げ
ることができ、これらは一種又は二種以上より選択され
る。
重合体の製造に使用される多官能性ビニル系単量体とし
ては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の
ジビニルベンゼン誘導体、エチレングリコールジメタク
リレート、エチレングリコールジアクリレート等のアル
キレングリコールジ(メタ)アクリレート誘導体、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタク
リレート、フタル酸ジアリル、アクリル酸ビニル、クロ
トン酸ビニル等の一分子中に重合可能な二重結合が二つ
以上存在するものを挙げることができ、これらは一種又
は二種以上より選択される。
重合体の製造に用いられる多官能性ビニル系単量体は、
該三次元共重合体の架橋密度が好ましくは0.01〜1
0%、更に好ましくは0.1〜5%になるように使用さ
れる。架橋密度が0.01%未満の場合には、不飽和ポ
リエステル樹脂の構成成分であるエチレン性不飽和単量
体に対するペルオキシ結合含有ビニル系三次元共重合体
の溶解度が増し膨潤し難くなるため、得られる成形品に
クラックが入り易くなる傾向がある。又架橋密度が10
%を越える場合には、該三次元共重合体がエチレン性不
飽和単量体で膨潤し難くなるため、収縮防止能が低下し
て成形品にクラックが入り易くなる傾向にある。尚ここ
で言う架橋密度とは、架橋剤として最も一般的に用いら
れているジビニルベンゼンの添加部数を基準にしてお
り、以下に示した(数1)より求めることができる。
能性ビニル系単量体の添加部数 b:多官能性ビニル系単量体の分子量 c:多官能性ビニル系単量体中の単官能性ビニル系単量
体と共重合可能なエチレン性不飽和結合の数
体を形成する単官能性ビニル系単量体、多官能性ビニル
系単量体及びペルオキシ結合供与体の種類と割合は、該
三次元共重合体の屈折率(nD )が1.50〜1.58
の範囲になるように選択される。屈折率が1.50未満
でも、1.58を越えて大きくなっても硬化後の樹脂成
分や充填材との屈折率の差が大きくなり、成形品の透明
性が低下する。
の平均粒子径は好ましくは1〜100μmの範囲、より
好ましくは10〜75μmの範囲である。平均粒子径が
1μm未満の場合は、粉立ちのために作業性が悪くな
り、100μmより大きくなると、成形品の表面性が悪
くなる傾向にある。
体の製造方法としては、ラジカル重合開始剤を用いる懸
濁重合法、乳化重合法、塊状重合法等の任意の重合法を
挙げることができるが、工業的には懸濁重合法が最も好
ましい。ペルオキシ結合含有ビニル系三次元共重合体を
得る方法としては既に三つの一般的方法について述べ
た。その第一の方法では、ラジカル重合開始剤としてベ
ンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−
ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t
−ブチルペルオキシド、アセチルペルオキシド、t−ブ
チルペルオキシベンゾエート、クメンヒドロペルオキシ
ド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾビス化合物、過
硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウ
ム、過酸化水素等の無機過酸化物等を挙げることがで
き、これらは一種又は二種以上より選択される。ラジカ
ル重合開始剤の選択としては、例示したような10時間
半減期温度が50〜130℃のものが好ましく、その使
用量は三次元共重合体を構成する単量体の全成分に対し
て0.1〜5重量%であることが好ましい。更に前述の
ように第二の方法ではポリメリックペルオキシドを、第
三の方法ではペルオキシケタールを用いているが、これ
らの場合、第一方法で用いるラジカル重合開始剤を併用
しても良い。その使用量は三次元共重合体を構成する単
量体の全成分に対して0.1〜30重量%であることが
好ましい。尚ここで言う有機過酸化物の10時間半減期
温度とは、ラジカルに対して比較的不活性な溶媒(例え
ばベンゼン)中で該有機過酸化物の熱分解を行った場合
の、10時間で該有機過酸化物の活性酸素量が半分にな
る温度を意味し、所望する重合温度に適した重合開始剤
を選択するときの目安になるものである。
濁剤としては、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリ
アクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、
カルボキシメチルセルロース等の親水性有機高分子、第
三リン酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等
の難溶性無機塩が一般に用いられているが、これらに限
定されるものではない。又難溶性無機塩を使用する場合
には、陰イオン界面活性剤を併用することが好ましい。
陰イオン界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウ
ム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルス
ルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの懸濁剤
及び陰イオン界面活性剤の種類と使用量は、目的とする
ペルオキシ結合含有ビニル系三次元共重合体の粒子径に
よって適宜選択できる。ペルオキシ結合含有ビニル系三
次元共重合体の平均粒子径の調整は、懸濁剤及び陰イオ
ン界面活性剤の種類と使用量の選択や生成した三次元共
重合体の機械的手段による粉砕等により行うことができ
る。
製造する場合には、ペルオキシ結合含有ビニル系三次元
共重合体を該組成物中に均一に分散且つ膨潤させること
が必要である。このためには不飽和ポリエステル樹脂等
の組成物構成成分に該三次元共重合体を直接配合して充
分に混合攪拌しても良いし、予め該三次元共重合体をス
チレン等の不飽和ポリエステルと共重合可能なエチレン
性不飽和単量体で充分に膨潤させてゲル状にしたものを
配合しても良い。
ニル系三次元共重合体(ニ)の配合量は、不飽和ポリエ
ステル樹脂(イ)100重量に対して3〜30重量部の
範囲であり、好ましくは5〜15重量部の範囲である。
配合量が3重量部未満の場合には、収縮防止能が低下し
て、成形品にクラックが入り易くなり、又30重量部を
越える場合には、該組成物の粘度が高くなり、作業性が
悪くなる。
物より人工大理石成形体を製造する方法について説明す
る。この方法においては、通常の注型法、圧縮成形法、
射出成形法、トランスファー成形法、インジェクション
成形法、押出成形法等のいずれも使用できる。成形温度
は60〜150℃の範囲が好ましい。成形温度が60℃
未満の場合には、成形に長時間を要するため生産性が悪
化し、成形温度が150℃を越える場合には、成形品に
焼けやふくれ等の外観不良を起こす傾向にある。
ト、オクテン酸コバルト等の金属石鹸類、ジメチルベン
ジルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩、
アセチルアセトン等のβ−ジケトン類、ジメチルアニリ
ン、N−エチルメタトルイジン、トリエタノールアミン
等のアミン類を硬化促進剤として併用することができ
る。硬化剤及び硬化促進剤は一種又は二種以上より、所
望する成形温度や成形時間によって適宜選択される。本
発明の樹脂組成物を成形する際、硬化速度、最高発熱温
度或いは成形物の物性等を調節する目的で、通常使用さ
れている禁止剤及び調節剤を使用することができる。禁
止剤としては、例えばハイドロキノン、1,4−ベンゾ
キノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類、ピロガノ
ール、4,6−ジフェニルピロガノール等のピロガノー
ル類、カテコール、4−t−ブチルカテコール等のカテ
コール類等を挙げることができる。又調節剤としては、
最高発熱温度を高くさせるアスコルビン酸、最高発熱温
度を低くさせるα−メチルスチレンダイマー等が挙げら
れる。この発明の成形方法に使用することのできる禁止
剤及び調節剤の使用量は、必要に応じて適宜選択される
が、通常不飽和ポリエステル樹脂(イ)100重量部に
対して0〜10重量部が好ましい。
型の材質によって選択されるが、通常無加圧から140
kg/cm2 までの範囲が好ましい。不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物に有機又は無機の染料もしくは顔料を添加
しておくと、この樹脂組成物を加熱成形して得られた人
工大理石は着色され、且つ表面に紋様を生じさせること
ができる。更に樹脂組成物中に増粘剤として酸化マグネ
シウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化
カルシウム等のアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物
を配合することができ、内部離型剤としてステアリン
酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等を配
合することができ、強化材としてガラス繊維、炭素繊維
等の無機繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ビニ
ロン繊維等の有機繊維を配合することができる。
成成分であるペルオキシ結合含有ビニル系三次元共重合
体は、不飽和ポリエステル樹脂中のエチレン性不飽和単
量体を吸油して膨潤するため収縮防止効果を発揮してク
ラックの発生を抑えることができる。又成形中に該三次
元共重合体中のペルオキシ結合が熱分解を起こしてラジ
カルを発生し、そのラジカルが不飽和ポリエステル樹脂
と反応して化学的な結合を形成することで硬化樹脂と該
三次元共重合体の間の界面剥離を無くすることができ、
透明性に優れ、更に機械強度に優れた成形品が得られ
る。更に該三次元共重合体が硬化樹脂に近似した特定範
囲の屈折率を有しているため、成形品の光線透過性に優
れる。
からは、クラックの発生が無い、透明性と機械強度に優
れた人工大理石成形体を効率よく得ることができ、工業
上有用である。
り更に具体的に説明する。尚これらの例において、部又
は%は特に断らない限り、夫々重量部及び重量%を表
す。又各例中の各測定項目は以下の方法に従って行っ
た。
0.2g精秤し、300ml容量の梨型フラスコに入れ
た。これにベンゼン20mlを加え、マグネチックスタ
ーラーを用いて30分攪拌した。これにイソプロピルア
ルコール20mlと氷酢酸2mlと飽和ヨウ化カリウム
2mlを加え、3分間煮沸した。これをN/100チオ
硫酸ナトリウム溶液にてヨードの色が消えるまで滴定
し、(数2)により全活性酸素量を測定した。
l) F:N/100チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター S:試料(g) (2)屈折率 屈折率(nD )が1.4〜1.8までの液体を種々揃
え、これに試料を入れて顕微鏡で観察した。液体と試料
の屈折率が一致すると境界線が見えなくなるので、液体
の屈折率から試料の屈折率を求めた。 (3)平均粒子径 レーザー回折式粒度分析計(日機装(株)製マイクロト
ラックFRA)により試料の平均粒子径を測定した。
平板状)内で硬化させ、その成形品を用いて(数3)に
より成形収縮率を測定した。
mm、浴槽状)のクラックの発生の有無を目視で判定し
た。 (6)全光線透過率 JIS−K7105(プラスチックの光学的特性試験方
法)に準じて、東洋精機製作所(株)製の直読ヘイズメ
ーターを用いて成形品(厚さ8mm)の全光線透過率を
測定した。 (7)曲げ強さ JIS−K6911(熱硬化性プラスチック一般試験方
法)に準じて、成形品を別途作成し、曲げ強さを測定し
た。 (8)表面光沢 JIS−K7105(プラスチックの光学的特性試験方
法)に準じて、東洋精機製作所(株)製のグロスメータ
ーを用いて成形品の表面光沢(60度鏡面光沢度)を測
定した。
合体の製造〕 (参考例 1)温度計、窒素導入管、攪拌機及びコンデ
ンサーを備えたガラス製反応器に水400部、部分ケン
化ポリビニールアルコール(日本合成化学工業(株)
製、商品名:ゴーセノールGH−20)の1%水溶液1
00部、ヒドロキシアパタイト10%水溶液(日本化学
工業(株)製、商品名スーパータイト10)20部を仕
込んだ。次に純度75%のベンゾイルペルオキシド(日
本油脂(株)製、商品名:ナイパーBW、以下BPOと
略記する)0.4部をスチレン(以下Stと略記する)
60部、メタクリル酸メチル(以下MMAと略記する)
40部、t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカーボネート(以下MECと略記する)5部、ジビニ
ルベンゼン(以下DVBと略記する)0.2部からなる
混合液に溶解し、これを前記反応器に仕込んだ。反応器
内に窒素を導入しながら、攪拌下80℃で5.5時間重
合を行い、続いて90℃で0.5時間重合を行った。重
合物を室温まで冷却した後、5%塩酸水溶液で洗浄し、
続いて水で洗浄を行い、濾別し、真空乾燥を行い、白色
粉末状のペルオキシ結合含有ビニル系三次元共重合体9
3部を得た。原材料組成、重合体収率、重合体特性を表
1に示した。
MMA、メタクリル酸(以下MAAと略記する)、アク
リル酸ブチル(以下BAと略記する)、フマル酸ジイソ
プロピル(以下DIPFと略記する)、MEC、DVB
及びトリメチロールプロパントリメタクリレート(以下
TMPTMAと略記する)の仕込み量を変更した以外は
参考例1と同様にしてペルオキシ結合含有ビニル系三次
元共重合体を得た。原材料組成、重合体特性を表1に示
した。
拌機及びコンデンサーを備えたガラス製反応器に水40
0部、部分ケン化ポリビニールアルコール(日本合成化
学工業(株)製、商品名:ゴーセノールGH−20)の
1%水溶液100部、ヒドロキシアパタイト10%水溶
液(日本化学工業(株)製、商品名:スーパータイト1
0)20部を仕込んだ。次に(化1)に記載したポリメ
リックペルオキシド(以下ATと略記する)7部を前記
水溶液中に投入して室温下で1時間攪拌し分散させた
後、St60部、MMA40部及びDVB0.2部から
なる混合液を前記反応器に仕込んだ。反応器内に窒素を
導入しながら、攪拌下70℃で4.2時間重合を行っ
た。重合物を室温まで冷却した後、5%塩酸水溶液で洗
浄し、続いて水で洗浄を行い、濾別し、真空乾燥を行
い、白色粉末状のペルオキシ結合含有ビニル系三次元共
重合体92部を得た。原材料組成、重合体特性を表2に
示した。
して(化2)に記載したポリメリックペルオキシド(以
下AZと略記する)4部を用いた以外は参考例14と同
様にしてペルオキシ結合含有ビニル系三次元共重合体を
得た。原材料組成、重合体特性を表2に示した。
拌機及びコンデンサーを備えたガラス製反応器に水40
0部、部分ケン化ポリビニールアルコール(日本合成化
学工業(株)製、商品名:ゴーセノールGH−20)の
1%水溶液100部、ヒドロキシアパタイト10%水溶
液(日本化学工業(株)製、商品名:スーパータイト1
0)20部を仕込んだ。次にSt60部、MMA40
部、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−2−メチルシ
クロヘキサン(日本油脂(株)製、商品名:パーへキサ
MC、以下MCと略記する)4部及びDVB0.2部か
らなる混合液を前記反応器に仕込んだ。反応器内に窒素
を導入しながら、攪拌下80℃で4.8時間重合を行
い、続いて90℃で0.5時間重合を行った。重合物を
室温まで冷却した後、5%塩酸水溶液で洗浄し、続いて
水で洗浄を行い、濾別し、真空乾燥を行い、白色粉末状
のペルオキシ結合含有ビニル系三次元共重合体93部を
得た。原材料組成、重合体特性を表2に示した。
MAA、BA、DIPF、MEC、DVB及びTMPT
MAの仕込み量を表2に示したように変更した以外は参
考例1と同様にしてペルオキシ結合含有ビニル系三次元
共重合体を得た。原材料組成、重合体特性を表2に示し
た。尚この参考例17及び18は、全活性酸素量がこの
発明の請求範囲から逸脱しているものである。
MAA、BA、DIPF、AT、DVB及びTMPTM
Aの仕込み量を表2に示したように変更した以外は参考
例14と同様にしてペルオキシ結合含有ビニル系三次元
共重合体を得た。原材料組成、重合体特性を表2に示し
た。尚この参考例19及び20は、全活性酸素量がこの
発明の請求範囲から逸脱しているものである。
MAA、BA、DIPF、MC、DVB及びTMPTM
Aの仕込み量を表2に示したように変更した以外は参考
例16と同様にしてペルオキシ結合含有ビニル系三次元
共重合体を得た。原材料組成、重合体特性を表2に示し
た。尚この参考例21及び22は、全活性酸素量がこの
発明の請求範囲から逸脱しているものである。
MAA、BA、DIPF、MEC、DVB及びTMPT
MAの仕込み量を表2に示したように変更した以外は参
考例1と同様にしてペルオキシ結合含有ビニル系三次元
共重合体を得た。原材料組成、重合体特性を表2に示し
た。尚この参考例23及び24は、屈折率がこの発明の
請求範囲から逸脱しているものである。
(株)製、商品名:ダイヤレックスHF−77)を固形
分が30%になるようにStに溶解して、ポリスチレン
のスチレン溶液を得た。
公報の実施例1記載の方法に従って、St100部、D
VB1部より平均粒子径が28μmの三次元スチレンポ
リマーを得た。
(武田薬品工業(株)製、商品名:ポリマール9305
Z、固形分52%、不飽和ポリエステル52重量%、エ
チレン性不飽和単量体48重量%、表3〜5中には不飽
和ポリエステル樹脂(A)と記載した)100部、無機
質充填材としてホウケイ酸ガラス粉末(日本フェロー
(株)製、商品名:フェローフィラーM−50S)25
0部、硬化剤としてt−ブチルペルオキシベンゾエート
(日本油脂(株)製、商品名:パーブチルZ、表3〜5
中には硬化剤(A)と記載した)1部、低収縮剤として
参考例1記載のペルオキシ結合含有ビニル系三次元共重
合体10部、増粘剤として酸化マグネシウム(協和化学
工業(株)製、商品名:キョーワマグ40)1部、内部
離型剤としてステアリン酸亜鉛(日本油脂(株)製、商
品名:ジンクステアレート)3部、強化材として3mm
長のガラス繊維(日本板硝子(株)製、商品名:チョッ
プドストランド)10部を混合機で充分混練した。これ
をポリエチレンフィルムで包み、40℃の雰囲気下に2
4時間放置し、表3に示す本発明の不飽和ポリエステル
樹脂組成物を得た。次に該組成物を夫々予熱された金型
にチャージし、成形温度140℃、成形圧力100kg
/cm2 で5分間加熱加圧成形し、200mm×200
mm×8mmの平板状と、200mm×200mm×4
mmの平板状と、150mm×80mm×200mm、
厚さ10mmの浴槽状の人工大理石の成形品を得た。次
いでこの成形品について各種評価を行い、その結果を表
3に示した。
たペルオキシ結合含有ビニル系三次元共重合体を用い
て、参考例1に準じて表3及び4に記載した配合組成の
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を調製した。次
に該組成物を用いて人工大理石成形品を得た。この成形
品について各種評価を行い、その結果を表3及び4に示
した。尚実施例11は、無機質充填材として水酸化アル
ミニウム(昭和電工(株)製、商品名:ハイジライトH
−320)を用いたものである。
(日本ユピカ(株)製、商品名:ユピカ6424、固形
分54%、不飽和ポリエステル54重量%、エチレン製
不飽和単量体46重量%、表3〜5中には不飽和ポリエ
ステル樹脂(B)と記載した)100部、無機質充填材
としてホウケイ酸ガラス粉末(日本フェロー(株)製、
商品名:フェローフィラーM−50S)200部、硬化
剤としてビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオ
キシジカーボネート(日本油脂(株)製、商品名:パー
ロイルTCP)0.5部と、t−ヘキシルペルオキシ−
2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製、商品
名:パーヘキシルO)0.5部(この二種類の硬化剤の
組み合わせを表3〜5中には硬化剤(B)と記載し、そ
の配合量は0.5部と0.5部の和を採り1部と記し
た)、参考例14記載のペルオキシ結合含有ビニル系三
次元共重合体5部を混合機で充分混練し、本発明の不飽
和ポリエステル樹脂組成物を得た。次に該組成物を夫々
予熱された金型に注入し、成形温度80℃、無加圧で加
熱成形を行い、200mm×200mm×8mmの平板
状と、200mm×200mm×4mmの平板状と、1
50mm×80mm×200mm、厚さ10mmの浴槽
状の人工大理石の成形品を得た。次いでこの成形品につ
いて各種評価を行い、その結果を表4に示した。
考例14及び15で得られたこの発明におけるペルオキ
シ結合含有ビニル系三次元共重合体を用いて、実施例2
4に準じて表4に記載した配合組成の本発明の不飽和ポ
リエステル樹脂組成物を調整した。次に該組成物を用い
て人工大理石成形品を得た。この成形品について各種評
価を行い、その結果を表4に示した。
れている不飽和ポリエステル樹脂(A)の固形分を20
%(不飽和ポリエステル20重量%、エチレン製不飽和
単量体80重量%)としたものに、参考例1で得られた
ペルオキシ結合含有ビニル系三次元共重合体を低収縮剤
として用いて、実施例1に準じて本発明の不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物を調整した。次に該組成物を用いて人
工大理石成形品を製造した。この成形品について各種評
価を行った結果は、実施例1で得られた人工大理石と同
等の、成形クラックが無く、透明性が高く、更に機械強
度が高い成形品が得られた。
(A)の固形分を70%(不飽和ポリエステル70重量
%、エチレン製不飽和単量体30重量%)としたもの
に、参考例1で得られたペルオキシ結合含有ビニル系三
次元共重合体を低収縮剤として用いて、実施例1に準じ
て本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を調整した。
次に該組成物を用いて人工大理石成形品を製造した。こ
の成形品について各種評価を行った結果は、実施例1で
得られた人工大理石と同等の、成形クラックが無く、透
明性が高く、更に機械強度が高い成形品が得られた。
得られた物性が本発明外であるペルオキシ結合含有ビニ
ル系三次元共重合体、参考例25で得られたポリスチレ
ンのスチレン溶液と、参考例26で得られた三次元スチ
レンポリマーを比較用低収縮剤として用い、実施例1に
準じて表5に記載した配合組成に従って人工大理石用不
飽和ポリエステル樹脂組成物を調整し、該組成物を用い
て人工大理石成形品を製造した。これを用いて各種評価
を行い、その結果を表5に示した。
0で得られた物性が本発明外であるペルオキシ結合含有
ビニル系三次元共重合体、参考例25で得られたポリス
チレンのスチレン溶液と、参考例26で得られた三次元
スチレンポリマーを比較用低収縮剤として用い、実施例
24に準じて表5に記載した配合組成に従って人工大理
石用不飽和ポリエステル樹脂組成物を調整し、該組成物
を用いて人工大理石成形品を製造した。これを用いて各
種評価を行い、その結果を表5に示した。
ケイ酸ガラス粉末(M−50S)の配合量を30部とし
た以外は実施例1と同様にして不飽和ポリエステル樹脂
組成物の調整を行い、該組成物を用いて人工大理石成形
品を製造したところ、得られた三種類の成形品にはいず
れも大きな成形クラックの発生が確認された。 (比較例 16)無機質充填材であるホウケイ酸ガラス
粉末(M−50S)の配合量を500部とした以外は実
施例1と同様にして不飽和ポリエステル樹脂組成物の調
整を行ったところ、該組成物の粘度が高すぎるため作業
性が悪く、該組成物から得られる成形品の曲げ強さも
6.1kgf/mm2 と低かった。 (比較例 17)硬化剤であるt−ブチルペルオキシベ
ンゾエートの配合量を0.1部とした以外は実施例1と
同様にして不飽和ポリエステル樹脂組成物の調整を行
い、該組成物を用いて人工大理石の成形を試みたが、該
組成物が完全硬化するまでに至らなかった。 (比較例 18)硬化剤であるt−ブチルペルオキシベ
ンゾエートの配合量を5.0部とした以外は実施例1と
同様にして不飽和ポリエステル樹脂組成物の調整を行
い、該組成物を用いて人工大理石の成形を試みたが、硬
化速度が速過ぎて成形品にクラックが入った。 (比較例 19)低収縮剤である参考例1記載のペルオ
キシ結合含有ビニル系三次元共重合体の配合量を1部と
した以外は、実施例1と同様にして人工大理石用不飽和
ポリエステル樹脂組成物の調整を行い、該組成物を用い
て人工大理石の成形を試みたが、樹脂の硬化収縮を抑え
ることができず成形品にクラックが入った。 (比較例 20)低収縮剤である参考例1記載のペルオ
キシ結合含有ビニル系三次元共重合体の配合量を40部
とした以外は、実施例1と同様にして不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物の調整を試みたが、該組成物の粘度が極め
て高くなり、該組成物の調整ができなかった。
発明における単官能性ビニル系単量体と多官能性ビニル
系単量体とペルオキシ結合供与体より形成され、0.0
1〜1%の全活性酸素量を有し、1.50〜1.58の
屈折率を有するペルオキシ結合含有ビニル系三次元共重
合体を配合して得られるこの発明の不飽和ポリエステル
樹脂組成物を用いて加熱成形を行うことにより、成形時
にクラックが発生することなく、透明性が高く、更に機
械強度が高い人工大理石の成形品を得ることができるこ
とは明らかである。
Claims (2)
- 【請求項1】 不飽和ポリエステル樹脂(イ)100重
量部、無機質充填材(ロ)50〜400重量部、硬化剤
(ハ)0.5〜3重量部、低収縮剤である単官能性ビニ
ル系単量体と多官能性ビニル系単量体とペルオキシ結合
供与体より形成され、0.01〜1%の全活性酸素量を
有し、1.50〜1.58の屈折率を有するペルオキシ
結合含有ビニル系三次元共重合体(ニ)3〜30重量部
を主成分とする不飽和ポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂
組成物を加熱成形して人工大理石成形体を製造する方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10909694A JP3401912B2 (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び人工大理石成形体の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10909694A JP3401912B2 (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び人工大理石成形体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07292230A true JPH07292230A (ja) | 1995-11-07 |
JP3401912B2 JP3401912B2 (ja) | 2003-04-28 |
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JP (1) | JP3401912B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001294467A (ja) * | 2000-04-07 | 2001-10-23 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 人工大理石成形体 |
-
1994
- 1994-04-26 JP JP10909694A patent/JP3401912B2/ja not_active Expired - Fee Related
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