JP3118892B2 - 不飽和ポリエステル樹脂組成物およびその硬化方法 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物およびその硬化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レジコン成形、並板や
平板用の連続成形、フィラメントワインデイィング成形
などの50〜130℃での中温領域における硬化に用い
られる不飽和ポリエステル樹脂組成物およびその硬化方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】レジコン関係では、外観がポイントにな
る用途、例えば、大理石調の浴槽、洗面化粧台、テーブ
ルトップなどの肉厚注型品には、常温硬化系の促進剤で
あるコバルトの有機塩が、硬化樹脂に経日黄変性を与え
ることから、これを用いないで、50ないし130℃、
好ましくは60ないし100℃の中温領域で硬化させる
ことが実用化されている。FRP関係についても、特に
クラックの発生を嫌う耐蝕機器類は、極力室温に近い温
度で、しかも十分なポットライフをもって、成形するこ
とが望まれている。
【0003】このような用途には、いわば中温硬化用と
も言うべき硬化剤の使用が鍵を握ることとなり、その要
求される性質は次のようである。 (1)成形に必要な温度で急激に分解し、樹脂を完全硬
化できる。 (2)反面、常温(30℃以下)では樹脂との混合系は
作業上十分なポットライフを有している。 (3)取扱が容易なこと、なるべくならば、面倒な冷凍
庫保管は避けたい。 (4)最高発熱温度は低い方が、クラック発生の危険が
ないので望ましい。 (5)硬化物に着色を与えてはならない。 以上の要望を完全に満たすことはできないが、ペルオキ
シエステル系ではt―ブチルペルオキシー2―エチルヘ
キサノエート、ペルオキシジカーボネート系ではビス
(4―t―ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボ
ネートおよびペルオキシケタール系と第4級アンモニウ
ム塩との併用系には、1,1―ビス(t―ブチルペルオ
キシ)3,3,5―トリメチルシクロヘキサンなどの有
機過酸化物が硬化剤として用いられている。
【0004】また一方、モダン・プラスチックス・イン
ターナショナル(Modern plastics In
ternational)10月号、1988年、70
〜74頁(L.H.PalysおよびV.R.Kama
th)には、ラジカル重合分野においてt―アミルペル
オキシ2―エチルヘキサノエートが残存モノマーの低減
に有効であり、またt―ブチル誘導体に比較して、低分
子量のポリマーが得られることが報告されていた。しか
しながら、今までは、1,1―ビス(t―アミルペルオ
キシ)3,3,5―トリメチルシクロヘキサン、t―ア
ミルペルオキシ2―エチルヘキサノエートなどのt―ア
ミル系のパーオキサイドが一般の不飽和ポリエステル樹
脂の硬化に用いられるときには残存モノマーの低減に有
効であると述べられているだけで、実用的にさほど有効
な効果は得られていなかった。すなわち、今までは硬化
剤の分解温度と効率が主に重視されているのみで、本発
明によって見出されたような不飽和ポリエステルの反応
性や硬化物の最高到達温度と硬化剤との関係については
何等記載されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特に、近年、バスタ
ブ、洗面化粧台、キッチンカウンターなどで透明感を持
たせた高級品指向の製品をプレス成形によって量産する
ことが考えられており、付加価値を出すために平板でな
く、深絞りのあるバスタブや、凹凸形状のあるカウンタ
ーなどの量産化が注目されている。しかし、このような
厚物成形においては、硬化時の発熱のために、製品コー
ナー部にクラックが入り、良品を得ることが困難であ
る。
【0006】このため、量産するような場合には温度低
減などでクラック防止をしているが、硬化が十分に完結
しないため光沢の悪化と成形サイクルが長くなるなどの
問題が生じている。また、SMCやBMCなどの高温成
形においても、プレス成形の設備費を安くするためや電
子素子を内蔵するなどの熱に弱い電気機器に損傷を与え
ないために中温領域が望まれているが、低温で硬化でき
るようにすればするほどポットライフや不完全硬化等の
問題が生じるため現状では十分満足できる硬化系は得ら
れていない。
【0007】このように、中温領域での硬化に対する要
望は年々高まっており、そのための硬化剤に望まれてい
る課題としては、 (1)十分な硬化度のものが短時間に得えられること、 (2)常温で作業できる程度のポットライフを有するこ
と、 (3)肉厚品の成形において、クラック発生のないこ
と、 (4)常温で貯蔵・取扱ができるものであることなどが
挙げられる。 しかしながら、高温硬化に比較して、中温硬化では不飽
和ポリエステルと不飽和単量体との共重合速度が低下す
るうえに、樹脂硬化物のガラス転移温度が10ないし1
80℃の温度領域にあるため、中温領域で硬化速度およ
び硬化度を上げるのは著しく困難な状態にある。この問
題を解決するため不飽和ポリエステル樹脂に注目して、
不飽和ポリエステルの反応性を上げようとするとクラッ
ク発生などの新たな問題が生じる。また、高温硬化剤に
促進剤を併用する方法は、促進剤による着色などの問題
を避けることができず好ましくない。本発明は、不飽和
ポリエステル樹脂と硬化剤の組合せにより、肉厚品の成
形において、クラックのない、中温で硬化できる、常温
で貯蔵できる不飽和ポリエステルまたは硬化方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【解決を解決するための手段】本発明者等は、前述の課
題を解決すべく、不飽和ポリエステル樹脂および硬化剤
の両面に渡って、鋭意検討を重ねた結果、第1の本発明
としては、反応性が10〜80%の不飽和ポリエステ
ル、不飽和単量体、充填剤および硬化剤として下記の一
般式(1) (式中、R はt―アミル基またはt―ヘキシル基で
あり、Rは1―エチルペンチル基である。)で示され
るペルオキシエステルとからなる不飽和ポリエステル樹
脂組成物を見出し、第2の本発明として、前記組成物を
50〜130℃での硬化雰囲気温度において硬化したと
ころ、効率よく硬化物が得られることを見出し本発明を
完成するに至った。更に第2の本発明をより効果的に行
うには硬化物の最高発熱温度が前記硬化雰囲気温度より
も100℃を越えない範囲で硬化成形すると、残存モノ
マーが低減できるだけでなく、十分な硬度の硬化物がク
ラックの発生もなく短時間に得られ、かつ硬化物の物性
が著しく向上することを見出した。
【0009】本発明の硬化剤としてのペルオキシエステ
ルは、従来公知の方法で、例えば、2―エチルヘキサン
酸塩化物と相当する第3級アルキルヒドロペルオキシド
とを塩基の存在下で反応させて得ることができ、具体例
としては、t―アミルペルオキシ2―エチルヘキサノエ
ートおよびt―ヘキシルペルオキシ2―エチルヘキサノ
エートがあり、本発明の目的を達成するためには後者の
t―ヘキシルペルオキシエステルの方が好ましい。すな
わち、両者のペルオキシエステルでは硬化速度は僅かし
か異ならないが、炭素数が僅かに異なることに起因する
分解生成物の違いが硬化物の物性に著しい影響を及ぼす
ため、t―ヘキシルペルオキシ2―エチルヘキサノエー
トがより優れた硬化剤になる。また、第3級アルキルヒ
ドロペルオキシドの炭素数が1つ小さいt―ブチルペル
オキシ2―エチルヘキサノエートでは硬化が不十分で、
十分な硬度のものが得られなく、また炭素数が3個多い
1,1,3,3―テトラメチルブチルペルオキシ2―エ
チルヘキサノエートでは常温での貯蔵安定性が悪いうえ
に、樹脂との相溶性が悪く最終成形品の物性の低下を招
くため好ましくない。
【0010】本発明の硬化剤としては、前述のペルオキ
シエステルを単独または併用、あるいは前述のペルオキ
シエステルにビス(4―t―ブチルシクロヘキシル)ペ
ルオキシジカーボネート、t―ブチルペルオキシネオデ
カノエート、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペル
オキシド、t―ブチルペルオキシ3,5,5―トリメチ
ルヘキサノエート、t―ブチルペルオキシベンゾエー
ト、ビス(t―ブチルペルオキシ)3,3,5―トリメ
チルシクロヘキサンなどの他の有機過酸化物を併用する
ことができる。
【0011】本発明に用いる不飽和ポリエステル樹脂と
は、不飽和二塩基酸及び/またはその酸無水物と、飽和
二塩基酸及び/またはその酸無水物を含む酸成分と、多
価アルコールとからなる成分との縮合反応によって得ら
れた不飽和ポリエステルと、重合性の不飽和単量体を含
む樹脂状の溶液のことであり、従来公知の方法による脱
水縮合によって製造することができる。
【0012】不飽和二塩基酸および/またはその酸無水
物としては、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、無水マレイン酸などが用いられ、飽和二塩
基酸および/またはその酸無水物としては、フタル酸、
無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリ
ット酸、無水トリメリット酸、琥珀酸、アゼライン酸、
アジピン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ロジンー無水
マレイン酸付加物、クロレンデイック酸、無水クロレン
デイック酸、テトラブロモフタル酸、テトラブロモ無水
フタル酸などが用いられる。これらは2種以上を併用し
てもよい。
【0013】多価アルコール成分としては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,3―ブタンジオー
ル、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、トリエチレングリコール、水添ビスフェノールA、
イソペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロール
プロパン、ジシクロペンタジエン、ペンタエリスリトー
ルなどが用いられる。これらは2種以上を併用してもよ
い。不飽和単量体とは、スチレン、ビニルトルエン、ジ
ビニルベンゼン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、ジ
アリルフタレートなどの不飽和ポリエステルと反応して
架橋構造を形成させることのできるもののことであり、
前記不飽和ポリエステルを溶解して、必要に応じヒドロ
キノンなどの重合禁止剤などの添加物を加えて不飽和ポ
リエステル樹脂とすることができる。
【0014】不飽和ポリエステルの反応性は、一般には
二塩基酸中の不飽和二塩基酸のモル%として表され、不
飽和ポリエステルと不飽和単量体との反応性(速度)の
尺度となる。従って、この反応性は、不飽和ポリエステ
ル中の二重結合濃度を表すものであり、本発明ではオル
ソフタル酸系不飽和ポリエステルの反応性を基準とした
不飽和ポリエステル中のマレイン酸基およびフマル酸基
の濃度と定義した。すなわち、反応性の既知なオルソフ
タル酸系不飽和ポリエステルの赤外線吸収スペクトルに
おける980cm-1近辺のマレイン酸基およびフマル酸
基二重結合の吸収強度との比較によって、不飽和ポリエ
ステルの反応性を決定した。本発明の不飽和ポリエステ
ルの反応性は10〜80%であり、10%未満であると
十分な硬化速度と硬化物強度が得られないし、80%以
上であると硬化物にクラックが発生するために好ましく
ない。すなわち、本発明の硬化剤は、樹脂が前記反応性
の範囲内にあるとき特に有効である。
【0015】不飽和ポリエステルの使用量は、前記の不
飽和ポリエステル、不飽和単量体および硬化剤からなる
樹脂組成物中30ないし75重量%の範囲内、不飽和単
量体の使用量は、25ないし70重量%の範囲内である
ことが好ましい。不飽和ポリエステルの使用量が少な過
ぎたり、多過ぎたりすると硬化速度が遅くなったり十分
な強度の硬化物が得られなくなるため好ましくない。ま
た、硬化剤の使用量は、0.3ないし3%の範囲内であ
ることが好ましく、少な過ぎると硬化が不十分となり、
多すぎると硬化が速すぎ制御が困難となる。
【0016】本発明に用いる充填剤としては、炭酸カル
シウム、水酸化アルミニウム、ガラス粉、タルクなどを
挙げることができ、その使用量は前記不飽和ポリエステ
ルと不飽和単量体との総量100重量部に対して100
ないし200重量部の範囲内であることが好ましい。本
発明の樹脂組成物は、ジイソシアネート類、酸化マグネ
シウムなどの増粘剤、有機および無機の染顔料からなる
着色剤、ガラス繊維、炭素繊維などの補強剤、ステアリ
ン酸亜鉛などの離型剤、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレ
ン、架橋ポリスチレン、飽和ポリエステル、酢酸ビニル
・スチレンブロックコポリマー、粉末状の不飽和ポリエ
ステル樹脂硬化物などの低収縮剤など従来公知のものを
必要に応じて利用できる。
【0017】本発明の硬化方法は、前記不飽和ポリエス
テル樹脂組成物を50ないし130℃、好ましくは60
ないし100℃の雰囲気温度において、硬化物の最高発
熱温度が、前記雰囲気温度に加え100℃を超えない成
形条件で硬化することが必要である。100℃を超えた
場合には硬化物にクラックの発生など好ましくない現象
が起こる。このため、硬化発熱を十分に制御できる成形
装置を用いる必要がある。また、硬化後、より高温度で
アフターキュアーし、さらに硬化度を高めることができ
る。
【0018】本発明の硬化方法には、中温において従来
行われているレジコン成形、波板や平板の連続成形、フ
ィラメントワインデイング成形は勿論のこと、中温領域
で行うSMCやBMCなどの公知の成形方法が適用でき
る。
【0019】(実施例)以下本発明を実施例、比較例お
よび比較参考例によって具体的に説明する。また、本発
明に用いた不飽和ポリエステルの反応性の分析法、硬化
特性の測定方法の概略と硬化剤の種類を以下に示す。な
お、使用量で表わされた%はすべて重量%を表わしてい
る。(不飽和ポリエステルの反応性の分析法)不飽和ポ
リエステルの反応性は、表1のオルソフタル酸系不飽和
ポリエステルの組成とそれに基く反応性を基準とし、5
%クロロホルム溶液の赤外線吸収スペクトルにおける9
80cm-1の吸収強度の比較によって決定した。
【0020】
【表1】
【0021】(硬化特性の測定方法)18mm試験管法 :JIS―K―6901に準じた硬化
試験により得られた硬化発熱曲線より各特性値を以下の
ごとく求めた。 ゲル化時間:油浴に 浸漬後浴温+5℃に到達するまで
の時間。 最小硬化時間:油浴に浸漬後最高発熱温度に到達するま
での時間。 最高発熱温度:硬化時の最高発熱温度。 硬度測定法:試験管法の硬化方法において測定温度でさ
らに30分間硬化させた硬化物を温度25℃で60分間
冷却し、バーコル硬度計GYZJ―934―1で求め
た。
【0022】キュラストメーター測定法:オリエンテッ
ク社製VPD(振幅角±1/4゜)を用いて得られたト
ルク曲線より各特性値を以下のごとく求めた。 T0:トルク発現までの時間 T10 :Tmax の10%トルクが得られるまでの時間 T90 :Tmax の90%トルクが得られるまでの時間 Tmax :最大トルク値残存スチレン測定法 :試験管法、キュラストメーターお
よび注型による測定において、所定温度および所定時間
で硬化させた硬化物を細片化し、50mlのガラス製三
角フラスコに約5gを精秤し、酢酸エチル20mlを加
え、冷却器つき抽出装置により80℃で4時間抽出を行
い冷却後、内部標準物質としてn―デカン約0.03g
を精秤して加える。抽出溶液を濾紙を用いて濾過した
後、ガスクロマトグラフィーにて残存スチレンを定量し
た。
【0023】耐水性試験:所定温度において所定時間硬
化させた平板状硬化物の片側(接触面積、縦90mm×
横140mm)に連続して温度94±1℃の沸騰水を3
00時間接触させ接触部分の外観の変化を目視により観
察した。
【0024】(硬化剤の種類)硬化剤はすべて日本油脂
株式会社製の製品を用い、商品名と化学名との関係は以
下の通りである。 パーアミルO:tーアミルペルオキシー2―エチルヘキ
サノエート パーヘキシルO:t―ヘキシルペルオキシー2―エチル
ヘキサノエート パーブチルO:t―ブチルペルオキシー2―エチルヘキ
サノエート パーオクタO:t―オクチルペルオキシー2―エチルヘ
キサノエート パーロイルTCP:ビス(4―t―ブチルシクロヘキシ
ル)ペルオキシジカーボネート
【0025】実施例1ないし実施例4、比較例1ないし
2 (充填剤入り樹脂コンパウンドの18mm試験管法によ
る硬化)イソフタル酸系人工大理石注型用樹脂(固形分
66%、スチレン含有量34%および不飽和ポリエステ
ルの反応性75%)に対して、1%の各種硬化剤を使用
し、前記樹脂と平均粒径50ミクロンのガラス粉の5
0:50混合物および前記樹脂と平均粒径15ミクロン
の水酸化アルミニウムの50:50混合物からなる樹脂
コンパウンドを70℃の18mm試験管法によって硬化
特性および硬化物のクラック発生の有無を調べた。硬化
剤としては、パーアミルO、パーヘキシルOおよびパー
ブチルOを用い、実施例1ないし4、比較例1ないし2
として表2に示した。
【0026】
【表2】
【0027】表2より、ガラス粉および水酸化アルミニ
ウムのような充填剤を混入させ最高発熱温度が硬化雰囲
気温度より100℃を超えないようにすると硬化物のク
ラックの発生が抑えられ、本発明の硬化剤を用いると従
来の硬化剤であるパーブチルOよりもゲル化時間と最小
硬化時間が短く、また最高発熱温度が高くなることが分
かる。
【0028】実施例5ないし8、比較例3ないし4 (充填剤入り樹脂コンパウンドの18mm試験管法によ
る硬化)イソフタル酸系人工大理石注型用樹脂(固形分
66%、スチレン含有量34%および不飽和ポリエステ
ルの反応性70%)に対して1%の各種硬化剤を使用
し、前記樹脂と平均粒径の50ミクロンのガラス粉の5
0:50混合物および前記樹脂と平均粒径15ミクロン
の水酸化アルミニウムの50:50混合物からなる樹脂
コンパウンドを70℃の18mm試験管法によって硬化
特性および硬化物のクラック発生の有無を調べた。 硬
化剤としては、パーアミルO、パーヘキシルOおよびパ
ーブチルOを用い、実施例5ないし8、比較例3ないし
4とし表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】表3より、ガラス粉および水酸化アルミニ
ウムのような充填剤を混入させ最高発熱温度が硬化雰囲
気温度より100℃を超えないようにすると、硬化物の
クラックの発生が抑えられ、本発明の硬化剤を用いる
と、従来の硬化剤であるパーブチルOよりもゲル化時間
および最小硬化時間が短く、最高発熱温度が高くなるこ
とが分かる。
【0031】実施例9ないし12ならびに比較例5ない
し8 (充填剤入り樹脂コンパウンドの18mm試験管法によ
る硬化)オルソフタル酸系人工大理石注型用樹脂(固形
分69%、スチレン含有量31%および不飽和ポリエス
テルの反応性31%)に対して、1%の各種硬化剤を使
用し、前記樹脂に対して平均粒径30ミクロンの水酸化
アルミニウムを50:50の比率で混入した樹脂コンパ
ウンドについて18mm試験管法でゲル化時間、最小硬
化時間、最高発熱温度および硬化物の硬度などの硬化特
性を求めた。硬化剤としては、パーアミルO、パーヘキ
シルOおよびパーロイルTCPを用い、実施例9ないし
12ならびに比較例5ないし8として表4に示した。
【0032】
【表4】
【0033】表4より、本発明の硬化剤は、従来の硬化
剤であるパーブチルOおよびパーロイルTCPに比較し
て、硬化温度が速く最高発熱温度が高いとともに硬化物
の硬度が高くなっていることが分かる。すなわち、従来
の硬化剤に比べて本発明の硬化剤を用いると、通常のラ
ジカル重合とは異なって、より高度な架橋構造を有する
ポリマーが得られることが分かる。
【0034】
【表5】
【0035】実施例13および14ならびに比較例9お
よび10 (キュラストメーターによる硬化特性の評価)前記オル
ソフタル酸系人工大理石注型用樹脂(固形分69%、ス
チレン含有量31%および不飽和ポリエステルの反応性
31%)に対して、平均粒径30ミクロンの水酸化アル
ミニウムを50:50の比率で混入し、前記樹脂に対し
て1%の各種硬化剤を含む樹脂コンパウンドを作製し
て、80%でのキュラストメーターによる硬化特性の評
価と80℃で60分間硬化したキュラストメーター試験
片での残存スチレン量の測定を行った。硬化剤として
は、パーアミルO、パーヘキシルO、パーブチルOおよ
びパーロイルTCPを用い、それぞれ実施例13および
14ならびに比較例9および10として表5に示した。
【0036】表5より、本発明の硬化剤は、従来の硬化
剤であるパーブチルOよりは硬化速度が速く、Tmax
大きく、さらに残存フチレン量が少なくなっており、ま
たパーロイルTCPよりは硬化速度は遅くなっている
が、Tmaxが大きく、残存スチレン量が少なくなってい
ることが分かる。このことは、本発明の硬化剤が硬化完
結度を高くするとともに、架橋密度の高い硬化物を与え
ることを示している。
【0037】実施例15および16ならびに比較例11 オルソフタル酸系人工大理石用低反応性樹脂(固形分6
9%、スチレン含有量31%および不飽和ポリエステル
の反応性31%)に対して、平均粒径8ミクロンの水酸
化アルミニウムを100:200の比率で混合し、前記
樹脂に対して1%の各種硬化剤を添加して樹脂コンパウ
ンドを作製した。厚み3mmのステンレスを用いて作製
した縦110mm×横160mm×高さ40mm×厚み
15mmの金型の片側面に、イソフタル酸系人工大理石
ゲルコート用樹脂(固形分61%、スチレン含有量39
%および不飽和ポリエステル樹脂の反応性66%)で厚
さ0.4mmのゲルコート層を作成し、次いで前記樹脂
コンパウンドを注型し、硬化特性を求めた。ゲルコート
層の硬化は、温度70℃60分行い、注型後の硬化も含
め循環式乾燥機を用いて行った。注型後の加熱は、最小
硬化時間+2分間行い、その後脱型し常温にして2時間
冷却し硬化物の表面硬度、残存スチレン量、耐水性及び
臭気を求めた。ゲルコート層の硬化と注型後の硬化には
同じ硬化剤を用い、具体的には、パーアミルO、パーヘ
キシルOおよびパーブチルOを用い、それぞれ実施例1
5および16ならびに比較例11として、その結果を表
6に示した。
【0038】
【表6】
【0039】表6より、注型法による硬化特性および硬
化物の物性において、従来の硬化剤であるパーブチルO
と比較すると、本発明の硬化剤は、クラック発生を伴わ
ず硬化時間を短縮でき、最高発熱温度を高め、かつ表面
硬度や残存モノマーを低減できることが分かった。ま
た、本発明の硬化剤の中でも、耐水性や臭気の点で、パ
ーヘキシルOが特に優れているのは硬化剤の分解生成物
が著しく影響を及ぼしていることを示している。
【0040】
【発明の効果】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
およびその硬化方法は前述のように構成されているため
以下の優れた特徴を有している。 (1)反応性の低い樹脂を用いても十分な硬化度のもの
が短時間に得られるため、硬化物の物性、例えば、硬
度、機械的強度、耐水性などに優れたものが得られる。
さらに、硬化時間の短縮により成形サイクルを速くで
き、生産性の向上が達成できる。(2)常温においても
作業できるほど十分なポットライフを有している。
【0041】(3)肉厚品の成形においてもクラックの
発生もなく硬化度の高いものが得られる。(4)硬化剤
の分解生成物による悪影響が少ないため硬化物の耐水
性、臭気等に優れるなど各種の優れた特徴を有するもの
である。本発明の硬化剤を用いて得られるこれらの特徴
は、tーアミル系パーオキサイドを用いた通常のラジカ
ル重合において得られる効果とは全く異なるものであ
る。すなわち、t―アミル系パーオキサイドは通常のラ
ジカル重合で分子量分布の狭い低分子量のポリマーを提
供するのに反して、本発明の硬化剤が不飽和ポリエステ
ル樹脂の硬化に用いられた時には、より架橋構造の高い
高分子量ポリマーを提供し、最終ポリマーの構造に与え
る影響は全く異なるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 283/00 - 283/01 C08F 4/00 - 4/38 C08F 290/00 - 290/14 C08F 299/00 - 299/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応性が10ないし80%の不飽和ポリ
    エステル、不飽和単量体、充填剤および硬化剤として下
    記の一般式(1) (式中、R はt―アミル基またはt―ヘキシル基で
    あり、Rは1―エチルペンチル基である。) で示されるペルオキシエステルとからなることを特徴と
    する不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 反応性が10ないし80%の不飽和ポリ
    エステル、不飽和単量体、充填剤および硬化剤として下
    記の一般式(1) (式中、R はt―アミル基またはt―ヘキシル基で
    あり、Rは1―エチルペンチル基である。) で示されるペルオキシエステルとからなる不飽和ポリエ
    ステル樹脂組成物を、50ないし130℃での硬化雰囲
    気温度において硬化することを特徴とする前記不飽和ポ
    リエステル樹脂組成物の硬化方法。
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