JP2022098813A - 硬化性樹脂組成物、その硬化物及び人工大理石 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
(A)熱硬化性樹脂、
(B)エチレン性不飽和単量体、
(C)低収縮剤、
(D)無機充填材、及び
(E)硬化剤
を含む硬化性樹脂組成物であって、
前記(A)熱硬化性樹脂は、(A1)不飽和ポリエステル樹脂及び(A2)ビニルエステル樹脂を含み、
前記(C)低収縮剤が、単官能性ビニル系単量体と多官能性ビニル系単量体とを含有する単量体組成物より形成される三次元共重合体であり、前記単官能性ビニル系単量体組成物が、スチレン誘導体及び(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも含有し、
前記(A1)不飽和ポリエステル樹脂の含有量が、前記(A)熱硬化性樹脂中、18~98質量%であり、
前記(D)無機充填材の含有量が、前記(A)熱硬化性樹脂及び前記(B)エチレン性不飽和単量体の合計100質量部に対して、130~270質量部である、硬化性樹脂組成物。
[2]
前記(A1)不飽和ポリエステル樹脂の含有量が、前記(A)熱硬化性樹脂中、30~90質量%である[1]に記載の硬化性樹脂組成物。
[3]
前記(D)無機充填材の含有量が、前記(A)熱硬化性樹脂及び前記(B)エチレン性不飽和単量体の合計100質量部に対して、150~250質量部である[1]又は[2]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[4]
前記(A2)ビニルエステル樹脂が、ビスフェノール型エポキシ化合物と不飽和一塩基酸との反応物である[1]~[3]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[5]
前記(C)低収縮剤の含有量が、前記(A)熱硬化性樹脂及び前記(B)エチレン性不飽和単量体の合計100質量部に対して、3~20質量部である[1]~[4]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[6]
(F)離型剤を更に含む、[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[7]
(G)繊維強化材を更に含む、[1]~[6]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[8]
(H)増粘剤を更に含む、[1]~[7]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[9]
前記硬化性樹脂組成物がバルクモールディングコンパウンドである[1]~[8]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[10]
[1]~[9]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物の硬化物。
[11]
[10]に記載の硬化物を含む人工大理石。
一実施形態の硬化性樹脂組成物は、(A)熱硬化性樹脂、(B)エチレン性不飽和単量体、(C)低収縮剤、(D)無機充填材、及び(E)硬化剤を含む。硬化性樹脂組成物は、更に、(F)離型剤、(G)繊維強化材、及び(H)増粘剤からなる群より選択される少なくとも1つの成分を含有することができる。以下、硬化性樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
(A)熱硬化性樹脂は、(A1)不飽和ポリエステル樹脂及び(A2)ビニルエステル樹脂を含む。
(A1)不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコールと不飽和多塩基酸との重縮合体、又は多価アルコールと不飽和多塩基酸と飽和多塩基酸との重縮合体である。(A1)不飽和ポリエステル樹脂は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。なお、本開示では一般の不飽和ポリエステル樹脂に含有されるスチレンモノマー等は(B)エチレン性不飽和単量体に分類される。(A1)不飽和ポリエステル樹脂を用いることにより、機械的強度及び耐熱性に優れる硬化物を得ることができる。
装置:昭和電工株式会社製Shodex(登録商標)GPC-101
カラム:昭和電工株式会社製LF-804
カラム温度:40℃
試料:試料の0.2質量%テトラヒドロフラン溶液
流量:1mL/分
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI-71S
不飽和度(モル%)={(不飽和多塩基酸のモル数×不飽和多塩基酸1分子あたりのエチレン性不飽和結合の数)/(不飽和多塩基酸のモル数+飽和多塩基酸のモル数)}×100
(A2)ビニルエステル樹脂は、一般的に、(a)2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物中のエポキシ基と、(b)ラジカル重合性不飽和結合及びカルボキシ基を有する不飽和一塩基酸のカルボキシ基との開環反応によって得られるラジカル重合性不飽和結合を有する化合物である。(A2)ビニルエステル樹脂に関しては、例えば、ポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社、1988年発行)等に記載がある。(A2)ビニルエステル樹脂は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。(A2)ビニルエステル樹脂は、取り扱いの面から一般には、(B)エチレン性不飽和単量体で希釈して使用される。
(a)エポキシ化合物は、2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限はない。好ましくは、ビスフェノール型エポキシ化合物及びノボラックフェノール型エポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも一種であり、より好ましくはビスフェノール型エポキシ化合物である。(a)エポキシ化合物を原料に用いる(A2)ビニルエステル樹脂を使用することにより、硬化物の機械的強度及び耐食性がより一層向上する。
(b)不飽和一塩基酸は、エチレン性不飽和結合を有するモノカルボン酸であれば特に制限はない。好ましくは、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等であり、より好ましくはアクリル酸又はメタクリル酸であり、硬化物の耐食性の観点から、更に好ましくはメタクリル酸である。
(A2)ビニルエステル樹脂は、公知の合成方法により合成することができる。例えば、加熱撹拌可能な反応容器内において、エステル化触媒、及び(a)エポキシ化合物の存在下で(b)不飽和一塩基酸を添加し、70~150℃、好ましくは80~140℃、更に好ましくは90~130℃で反応させる方法が挙げられる。
(B)エチレン性不飽和単量体は、エチレン性不飽和結合を有する単量体であれば特に制限はない。(B)エチレン性不飽和単量体は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。(B)エチレン性不飽和単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレン、メトキシスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、アセナフチレン等のビニル化合物;及びメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、(A)熱硬化性樹脂との共重合性の観点から、ビニル化合物が好ましく、スチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレン、及びメトキシスチレンから選択される一種以上がより好ましく、スチレンが更に好ましい。
(C)低収縮剤は、単官能性ビニル系単量体と多官能性ビニル系単量体とを含有する単量体組成物より形成される三次元共重合体である。単量体は、必要に応じて(A)熱硬化性樹脂と反応する反応基、例えばペルオキシ結合供与体を含有してもよい。
(活性酸素量の測定方法)
三次元共重合体(試料)を0.2g精秤し、300mL容量の梨型フラスコに入れる。これにベンゼン20mLを加え、マグネチックスターラーを用いて30分撹拌する。これにイソプロピルアルコール20mLと氷酢酸2mLと飽和ヨウ化カリウム2mLを加え、3分間煮沸する。得られた煮沸物をN/100チオ硫酸ナトリウム溶液にてヨードの色が消えるまで滴定して、以下の式により活性酸素量を求める。
活性酸素量(%)=(A×F×0.00008/S)×100
A:N/100チオ硫酸ナトリウム溶液の滴下量(mL)
F:N/100チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
S:試料(g)
架橋密度(%)=(a/100)×(130/b)×(c/2)×100
a:単官能性ビニル系単量体100質量部に対する多官能性ビニル系単量体の添加量(質量部)
b:多官能性ビニル系単量体の分子量
c:多官能性ビニル系単量体中の、単官能性ビニル系単量体と重合可能なエチレン性不飽和結合の数
(D)無機充填材としては、本発明の技術分野において公知の粒子状物質を用いることができる。(D)無機充填材を使用することで、成形品の成形収縮率を小さくする、硬化性樹脂組成物の粘度を調整して作業性を向上させる、あるいは成形品の強度を向上させることができる。(D)無機充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ワラストナイト、クレー、カオリン、マイカ、石膏、無水ケイ酸、ガラス粉末等が挙げられる。これらの中でも、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム及び水酸化アルミニウムが安価であるため好ましい。(D)無機充填材は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
(E)硬化剤としては、加熱によりラジカルを発生する熱重合開始剤であれば特に限定されないが、例えば、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、アルキルパーエステル、パーカーボネート等の過酸化物が挙げられる。これらの過酸化物の中でも、1,1-ジ-t-ヘキシルパーオキシ-シクロヘキサン、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシオクトエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、1,1-ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、及びジ-t-ブチルパーオキサイドが好ましい。(E)硬化剤は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
硬化性樹脂組成物は、必要に応じて(F)離型剤を含有してもよい。(F)離型剤としては、例えば、炭素原子数10~30の脂肪酸及びその塩、シリコーンオイル、合成ワックスなどを用いることができる。これらの中でも、(A1)不飽和ポリエステル樹脂との相溶性に優れることから、炭素原子数10~30の脂肪酸又はその塩を用いることが好ましい。炭素原子数10~30の脂肪酸及びその塩としては、具体的には、ステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アミド、及びオレイン酸アミドが挙げられる。(F)離型剤は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
硬化性樹脂組成物は、必要に応じて(G)繊維強化材を含有してもよい。(G)繊維強化材としては、アスペクト比が3以上の繊維状物質であれば特に限定されない。アスペクト比は、JIS Z 8900-1:2008「粒子径測定装置検定用粒子」に記載されている顕微鏡法によって測定することができる。(G)繊維強化材としては、具体的には、ガラス繊維、好ましくはチョップドストランドガラスが挙げられる。
硬化性樹脂組成物は、必要に応じて(H)増粘剤を含有してもよい。(H)増粘剤としては、増粘効果を示す化合物を用いることができる。(H)増粘剤としては、例えば、金属化合物、及びイソシアネート化合物が挙げられる。金属化合物としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物及び酸化物が挙げられる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物及び酸化物としては、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、及び酸化カルシウムが挙げられる。イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート;キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ポリイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;前記ポリイソシアネートのアロファネート体、ビュレット体、トリマー体;及びフェニルイソシアネート、イアソシアナトエチルメタクリレート等のモノイソシアネートが挙げられる。
硬化性樹脂組成物は、上記の成分に加えて、着色剤、重合禁止剤、減粘剤などの粘度調整剤等の本発明の技術分野において公知の成分を、本発明の効果を阻害しない範囲において含むことができる。
硬化性樹脂組成物は、(A)熱硬化性樹脂、(B)エチレン性不飽和単量体、(C)低収縮剤、(D)無機充填材、及び(E)硬化剤を混合することにより製造することができる。硬化性樹脂組成物には、更に(F)離型剤、(G)繊維強化材、(H)増粘剤、及びその他添加剤からなる群より選択される少なくとも1つの成分を混合することができる。混合方法としては、例えば、混練が挙げられる。混練方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、ディスパー、プラネタリーミキサー等を用いることができる。混練温度は、好ましくは5℃~50℃であり、より好ましくは10~40℃である。
硬化性樹脂組成物は、必要に応じて加熱することにより硬化させることができる。硬化性樹脂組成物を硬化させる条件は、用いる材料によって適宜設定することができ、好ましい条件の一例としては、温度120~180℃、より好ましくは温度120℃~160℃及び硬化時間1~30分である。
硬化性樹脂組成物を、所望の形状に成形して硬化することによって、硬化性樹脂組成物の硬化物を含む成形品を製造することができる。成形及び硬化方法としては、特に限定されず、本発明の技術分野において通常行われる方法、例えば、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等を用いることができる。
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口及び還流冷却器を備えた4つ口フラスコに、無水マレイン酸0.93kg(9.5モル)と、無水フタル酸0.07kg(0.5モル)と、プロピレングリコール0.76kg(10モル)とを仕込んだ。そして、窒素ガス気流下で加熱撹拌しながら200℃まで昇温してエステル化反応を行い、不飽和ポリエステル樹脂を得た。その後スチレンモノマーを、不飽和ポリエステル樹脂とスチレンモノマーの合計に対して30質量%となるように添加し、不飽和ポリエステル樹脂とスチレンの混合物を得た。得られた不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和度95モル%、重量平均分子量8,000であった。
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口及び還流冷却器を備えた1Lの4つ口フラスコに、エポキシ当量が188.0であるビスフェノールA型エポキシ樹脂アラルダイト(登録商標)AER-2603(旭化成イーマテリアルズ株式会社製)478.9g、及びメチルハイドロキノン0.35gを溶解させたメタクリル酸73.1gを仕込み、撹拌しながら昇温した。100~110℃になった時点で、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(セイクオール(登録商標)TDMP、精工化学株式会社製)1.4gを溶解させたメタクリル酸146.2gを30分間かけて滴下し、130℃で反応させた。酸価が30mgKOH/g以下になった時点で冷却し、スチレン389gとハイドロキノン0.1gを加え、スチレンを47質量%含むビスフェノールA型ビニルエステル樹脂を合成した。数平均分子量は620であった。
装置:昭和電工株式会社製Shodex(登録商標)GPC-101
カラム:昭和電工株式会社製LF-804
カラム温度:40℃
試料:試料の0.2質量%テトラヒドロフラン溶液
流量:1mL/分
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI-71S
(B)エチレン性不飽和単量体:
スチレン(出光興産株式会社製)
(C)低収縮剤:
モディパーM202S(反応性基を有するスチレン・アクリル系多元共重合物、日油株式会社製)
デュオマスターMS-200(ポリスチレン、積水化成品工業株式会社製)
SGP-70C(架橋ポリスチレン、綜研化学株式会社製)
(D)無機充填材:
B103(水酸化アルミニウム、平均粒子径7μm、日本軽金属業株式会社製)
(E)硬化剤:
パーヘキシルI(t-ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、日油株式会社製)
(F)離型剤:
ステアリン酸カルシウム(日油株式会社製)
(G)繊維強化材:
CS 3 E-227(チョップドストランドガラス、繊維径11μm、繊維長3mm、日東紡績株式会社製)
(H)増粘剤:
マグミック(酸化マグネシウム、協和化学工業株式会社製)
(I)その他添加剤:着色剤
タイペークA-220(二酸化チタン、石原産業株式会社製)
(硬化性樹脂組成物の作製)
(A)熱硬化性樹脂として合成例1で合成した不飽和ポリエステル樹脂41部、合成例2で合成したビニルエステル樹脂16部、(B)エチレン性不飽和単量体としてスチレン43部、(C)低収縮剤13質量部、(D)無機充填材210質量部、(E)硬化剤1.8質量部、(F)離型剤5質量部、(G)繊維強化材35質量部、(H)増粘剤0.8質量部、及び(I)着色剤1質量部を双腕式ニーダーに投入し、30分間30℃にて混練して硬化性樹脂組成物を調製した。
下記条件にて硬化性樹脂組成物を成形することにより得た成形品を各種試験に利用した。
成形機:150トン圧縮成形機(株式会社大阪ジャッキ製作所製)
成形金型:320mm×220mm t6mm平板成形用金型
成形金型温度:意匠面側140℃、裏面側120℃
成形圧力:80kgf/cm2
加圧時間:420秒
試料量:720g
上記成形品に対し、表面を染色浸透探傷剤(株式会社タセトカラーチェック 浸透液 FP-S 450型 FPS450)で染色した後に乾いたウエスで拭き取り、成形品に生じうるクラックに染色液が浸透したか否かを確認した。染色液の浸透によるクラックが確認できないものを良、確認できたものを不良とした。
上記成形品に対し、意匠面側の表面に目視で色ムラが確認できず均一なものを良、若干の色ムラを確認できるものを可、顕著な色ムラを確認できるものを不良とした。
上記成形品に対し、意匠面側に蛍光灯を映し、映した蛍光灯の歪みが少ないものを良、中程度の歪みのものを可とした。歪みが大きい又は成形品表面の凹凸により蛍光灯が映らないものを不良とした。
上記成形品から約80mm角の試験片を切り出し、約98℃の熱水に48時間浸漬した後に試験片表面の水分を拭き取り、23℃/50%RHの環境に72時間静置した。試験前後の意匠面側の試験片の変色を、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製 CM-2600d)を用いて確認した。ΔEが1.5以下のものを良、ΔEが1.5よりも大きいものを不良とした。
上記成形品に対し、意匠面側の中央部に1kgの鋼球を高さを変化させながら自由落下させ、意匠面側にクラックが生じない最大高さを落球衝撃高さ(cm)とした。
上記成形品に対し、意匠面側に280℃に加熱した油を入れた鍋を20分間置き、成形品の表裏を貫通するクラックがないものを良、貫通するクラックが生じたものを不良とした。
表1に記載の組成を用いる以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製した。次いで、実施例1と同様にして成形品を作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (11)
- (A)熱硬化性樹脂、
(B)エチレン性不飽和単量体、
(C)低収縮剤、
(D)無機充填材、及び
(E)硬化剤
を含む硬化性樹脂組成物であって、
前記(A)熱硬化性樹脂は、(A1)不飽和ポリエステル樹脂及び(A2)ビニルエステル樹脂を含み、
前記(C)低収縮剤が、単官能性ビニル系単量体と多官能性ビニル系単量体とを含有する単量体組成物より形成される三次元共重合体であり、前記単官能性ビニル系単量体組成物が、スチレン誘導体及び(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも含有し、
前記(A1)不飽和ポリエステル樹脂の含有量が、前記(A)熱硬化性樹脂中、18~98質量%であり、
前記(D)無機充填材の含有量が、前記(A)熱硬化性樹脂及び前記(B)エチレン性不飽和単量体の合計100質量部に対して、130~270質量部である、硬化性樹脂組成物。 - 前記(A1)不飽和ポリエステル樹脂の含有量が、前記(A)熱硬化性樹脂中、30~90質量%である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記(D)無機充填材の含有量が、前記(A)熱硬化性樹脂及び前記(B)エチレン性不飽和単量体の合計100質量部に対して、150~250質量部である請求項1又は2のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記(A2)ビニルエステル樹脂が、ビスフェノール型エポキシ化合物と不飽和一塩基酸との反応物である請求項1~3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記(C)低収縮剤の含有量が、前記(A)熱硬化性樹脂及び前記(B)エチレン性不飽和単量体の合計100質量部に対して、3~20質量部である請求項1~4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- (F)離型剤を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- (G)繊維強化材を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- (H)増粘剤を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記硬化性樹脂組成物がバルクモールディングコンパウンドである請求項1~8のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1~9のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物。
- 請求項10に記載の硬化物を含む人工大理石。
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WO2024024213A1 (ja) * | 2022-07-29 | 2024-02-01 | 株式会社レゾナック | 熱硬化性樹脂組成物、及び成形品 |
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WO2024024213A1 (ja) * | 2022-07-29 | 2024-02-01 | 株式会社レゾナック | 熱硬化性樹脂組成物、及び成形品 |
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