JPH0729221A - 光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスクの製造方法

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JPH0729221A
JPH0729221A JP17285693A JP17285693A JPH0729221A JP H0729221 A JPH0729221 A JP H0729221A JP 17285693 A JP17285693 A JP 17285693A JP 17285693 A JP17285693 A JP 17285693A JP H0729221 A JPH0729221 A JP H0729221A
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tracking
mark
recording
manufacturing
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JP17285693A
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Shinkichi Horigome
信吉 堀籠
Yoshinori Miyamura
芳徳 宮村
Yumiko Anzai
由美子 安齋
Tetsuya Nishida
哲也 西田
Tomoko Udagawa
智子 宇田川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、CD-ROMなどの再生専用型光
ディスクを安く、しかも短時間で大量に生産できる作製
方法を提供するものである。この方法によりCD-RO
Mを新聞、週刊誌などの電子出版メディアへと展開させ
ることができる。 【構成】 透明基板上の記録膜に、予め図1に示すよう
なトラッキング用パタ−ンを形成させておくことによ
り、情報を記録するカッティングプロセスのコストを低
下させることができる。 【効果】 本発明により、従来のような高価なカッティ
ング装置を必要としないためにCD-ROMなどの再生
専用型光ディスクを速く、安く作ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CD-ROMなどの再
生専用型光ディスクの製法等に係り、とくに情報を記録
するカッティングプロセスを省略して、短時間で大量
に、しかも安価に光ディスクを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクには再生専用型と読み書き可
能型とがある。前者にはレーザディスク(LD)やコンパ
クトディスク(CD)があり、現在大量に生産されてい
る。再生専用型光ディスクにはこれら以外に、マルチメ
ディア媒体としてCD-ROM、CD-I、などがあり、
これらは将来大きく発展しようとしている。とくに、電
子出版物としてのCD-ROMに対する期待は大きい。
CD-ROMは、現在辞書、ナビゲーション用地図、電
話帳、特許明細書、教材、百科事典、ゲーム用ソフトな
どに使用されている。さらに、将来は新聞や週刊誌のよ
うに即時性と大量部数の要求される分野にも展開するも
のと予想されている。従来の紙に比べれば、情報容量あ
たりの光ディスクの重量と容積は非常に小さくなり、森
林資源上、また廃棄物の点でも有利となるはずである。
また光ディスクの材料であるプラスチックは再生利用の
可能性も高い。
【0003】CD-ROMを新聞などに適用するために
は、スタンパやレプリカを現在の印刷技術に匹敵する速
度で作製する必要がある。この要求に応える新しい作製
方法は、特願平3−222692に記載されている。こ
れによると、まずクロム膜付きガラス基板にフォトレジ
スト膜を塗布したものを準備しておく。ユーザーからオ
リジナル情報を入手次第、これをカッテング装置にか
け、情報に応じて変調したArイオンレーザー光で記録
する。つぎに、現像とエッチングにより転写用フォトマ
スクが得られる。このマスクをシリコンウエハ上のフォ
トレジスト膜に密着させて、紫外線を照射する。これの
現像とエッチングとにより、マスクの情報がシリコンウ
エハ表面に凹状のピットとして形成される。これをスタ
ンパとする。この方法では、短時間に多数枚のスタンパ
を作製できるという特徴がある。多数枚のスタンパと紫
外線硬化樹脂とを用いて、一回の紫外線照射でスタンパ
の数だけのレプリカを一挙に作製することができる。つ
まり、レプリカ一枚当りの作製時間が、従来の射出成形
法に比べて数十倍の速さとなる。これは現状の印刷速度
に迫るものである。
【0004】しかし、上記の新作製法では、転写用フォ
トマスクを作製する度にカッティング装置にかける必要
がある。このカッティング装置は非常に高価なものであ
る。カッティング装置では、拠り所とするマークの無い
ところに1〜2μm程度のトラックピッチで精度良く記
録しなければならず、高精度の機構が必要となる。この
ことが高価にしている主な原因である。
【0005】つぎに、CD-ROMの利用のされ方につ
いて考えて見る。例えば、本社から電送された原稿情報
を各支社が受信し、これを基づいて刷版を作製し、印刷
している場合を考える。もし印刷の代りにCD-ROM
を作製することにすると、各支社が一台づつ高価なカッ
ティング装置を持たなければならないという問題が発生
する。つまり、設備投資額が高くなり製造コストが高く
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の欠点を解決し、短時間で大量に、しかも安価に光デ
ィスクを作製する方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明の特徴は、
(1)溝、あるいはマークピット、またはその両者をト
ラッキング用パターンとして螺旋状または同心円状に形
成されている透明基板上に、光照射により光透過率の変
化する記録膜を形成する工程と、上記溝、あるいはマー
クピットをトラッキングしながら光ビームにより上記記
録膜に情報を書き込む工程と、該情報が書き込まれた基
板を転写用フォトマスクとして用い、シリコン、石英、
ガラスまたは金属からなるスタンパ用基板上に塗布され
たフォトレジスト膜に密着露光、あるいは非接触露光、
現像、エッチングを行ってスタンパを作製する工程と、
該スタンパから紫外線硬化樹脂を用いて透明樹脂基板上
に情報パターンを複製させる工程とを含む光ディスクの
製造方法にある。
【0008】(2)上記(1)記載の透明基板としてガ
ラスあるいはプラスチックを用いることが好ましい。
【0009】(3)上記(1)記載の記録膜としてTe
Se系などのカルコゲナイド膜、または色素膜を用いる
ことが好ましい。
【0010】(4)上記(1)記載の記録膜に情報を記
録したあと、保護膜としてSiO2、SiNなどの透明
無機膜、あるいは硬質の有機高分子膜を設けた転写用フ
ォトマスクを介して作製することができる。
【0011】(5)上記(1)記載のトラッキング用パ
ターンとして溝、あるいはウォブルマーク、またはこれ
らにクロックマーク、番地用マークを加えたパターンを
用いることができる。
【0012】第2の発明の特徴は、(6)溝、あるいは
マークピット、またはその両者をトラッキング用パター
ンとして螺旋状または同心円状に形成されている透明基
板上に、光照射により光透過率の変化する記録膜を形成
したあと、上記溝、あるいはマークピットをトラッキン
グしながら光ビームにより上記記録膜に情報を書き込ん
だものを転写用フォトマスクとして用い、シリコン、石
英、ガラスまたは金属からなるスタンパ用基板上に塗布
されたフォトレジスト膜に密着露光、あるいは非接触露
光、現像、エッチング等の工程を経て得られるスタンパ
から、紫外線硬化樹脂を用いて透明樹脂基板上に情報パ
ターンを複製させる光ディスクの製造方法にある。
【0013】(7)上記(6)記載の透明基板としてガ
ラスあるいはプラスチックを用いることが好ましい。
【0014】(8)上記(6)記録の膜としてTeSe
系などのカルコゲナイド膜、または色素膜を用いること
が好ましい。
【0015】(9)上記(6)記載の記録膜に情報を記
録したあと、保護膜としてSiO2、SiNなどの透明
無機膜、あるいは硬質の有機高分子膜を設けた転写用フ
ォトマスクを介して作製することができる。
【0016】(10)上記(6)記載のトラッキング用
パターンとして溝、あるいはウォブルマーク、またはこ
れらにクロックマーク、番地用マークを加えたパターン
を用いることができる。
【0017】本発明の特徴は、透明基板に予め情報記録
のためのトラッキング用マークを形成しておくことによ
り、廉価な光ディスク装置を用いて情報信号を有する転
写用フォトマスクを作製できることにある。トラッキン
グ用パターンは図1に示すように溝2、あるいは、一対
のウォブルマーク3を適当な長さごとに設ける。また、
これらにクロック用マーク4、トラックおよびセクター
の番地を示す、いわゆるヘッダー信号用マーク5を加え
ることもできる。トラッキング用マークピットが形成さ
れている場合には、ピット間に情報記録用の領域6があ
る。溝だけの場合は、一周全部が記録領域6となる。
【0018】本発明を以下に詳しく述べる。まず、ガラ
ス基板上にポジ型フォトレジストを約140nmの厚さ
に塗布する。これをカッティング装置にかけてトラッキ
ング用パターン2、3、4、5に応じて変調されたAr
イオンレーザビームを照射する。波長はフォトレジスト
が感光する458nmである。これを現像することによ
り、フォトレジスト膜にトラッキング用マークなどのパ
ターンを有する原盤が得られる。このようにして原盤が
得られたあとは、従来技術であるニッケルめっきによる
スタンパの作製と、これを用いた射出成形法、あるいは
紫外線硬化法(2P法)により、トラッキング用マーク
を有する基板を作ることができる。また、前述の特願平
3−222692に記載されている方法でも作製でき
る。つまり、クロム膜付きガラス基板に回転塗布により
フォトレジスト膜を設けたあと、カッテング装置による
書き込み、現像、エッチング工程を経てトラッキング用
パターンを有する転写用フォトマスクを作製する。この
フォトマスクから得られるシリコンスタンパを用いて、
2P法によりトラッキング用マークなどのパターン付き
プラスチック製基板を作ることができる。これらの基板
をブランク基板と呼ぶことにする。射出成形法では、ポ
リカーボネートからなるブランク基板が、また2P法で
は紫外線硬化樹脂層とガラス、あるいは透明プラスチッ
クからなるブランク基板が容易に多数枚得ることができ
る。
【0019】以上のように、ブランク基板の作製には高
価なカッティング装置を必要とするわけであるが、本発
明では、原盤一枚作るだけで十分である。この原盤から
得られる一枚のニッケルスタンパやシリコンスタンパか
ら、射出成形法や2P法によりトラッキング用パターン
付きのブランク基板を数万枚以上複製することができる
からである。ブランク基板の厚さは0.5〜5mmであ
る。
【0020】つぎに、図2(a)に示すように、得られ
たブランク基板1にスパッタリングや蒸着法により記録
膜7を形成する。光ビームにより透過率の変化する代表
的な記録膜には、穴あけ型記録膜がある。その材料とし
ては、TeSe系などのカルコゲナイド、あるいは色素
系がある。その膜厚は10〜数100nmである。Te
−Se系記録膜の場合には、ニトロセルロースなどの熱
分解性ポリマー膜を下地膜としてブランク基板表面上に
設けておくことが望ましい。この下地膜には、記録感度
を向上させる、記録穴の形をきれいにするなどの効果が
ある。下地膜の厚さは、10〜100nmである。この
際、トラッキング用の溝、あるいは凹凸ピットが埋らな
い程度の厚さにする必要がある。
【0021】また、スピロピラン系化合物などのフォト
クロミック材料もレーザビームの照射により透過率が変
化するので、本発明における記録膜として使用すること
が可能である。この記録膜付きブランク基板を光ディス
クドライブのレーザビーム8で情報を記録する。この光
ディスクドライブは、カッテイング装置のように高精度
の送り機構は必要としない。例えば市販されている追記
型光ディスクドライブで十分である。すでに基板表面に
レーザビームのトラッキング用ピットや溝が付いている
からである。現在のドライブには、波長が780〜83
0nmの半導体レーザが装備されているが、TeSe系
などのカルコゲナイド膜、あるいは色素系膜は、このよ
うな波長域のレーザ光で記録マークとしての穴をあける
ことができる。穴のあいた部分は透明となる。つぎに、
このように記録されたブランク基板を転写用フォトマス
クとして使用する。この方法を図2(c)(d)に示
す。まず、シリコンウエハ12上に塗布されたフォトレ
ジスト膜13にこの転写用フォトマスク11を密着させ
紫外線14を照射する。この密着露光の際、記録膜が直
接フォトレジストに接触することになるので、記録膜に
傷が付く恐れがある。これを防止するために、図2
(b)に示すように、情報を記録後、SiO2などの薄
い保護膜10をスパッタリングにより形成しておくこと
もできる。あるいは、回転塗布により硬質のポリマー膜
を形成しても同じ効果が得られる。塗布の場合は、ピッ
トや溝が埋らない程度の膜厚にする必要がある。
【0022】密着露光のあと、現像することにより、情
報の記録穴だけがフォトレジスト膜に凹ピット9として
形成される。トラッキング用パターン2、3、4、5は
記録膜で覆われているので転写されない。
【0023】つぎに、このフォトレジストパターンをマ
スクにして反応性イオンエッチングを行うことにより、
シリコン表面上に情報マーク9が凹状ピットとして形成
される。これをスタンパ15として用いる。このような
スタンパの作製方法の特徴は、短時間の間に多数枚のス
タンパを作製できることにある。これらのスタンパ15
を図2(h)のように多面を有する回転体16に貼付け
る。透明樹脂シート17上にセットされた紫外線硬化樹
脂18の上からスタンパを押しつけ、シート側から紫外
線19を照射し樹脂を硬化させる。スタンパからシート
を剥離することにより、一挙に多数枚のレプリカ20を
とることができる。これを繰り返すことにより連続的に
レプリカを作製できる。レプリカの形成された樹脂シー
トは、Al反射膜と、さらにその上に保護膜用のフィル
ムとが形成され、最終的には機械的に打ち抜いて中心穴
付きの円形状とし、CD-ROMディスクとなる。
【0024】ブランク基板にトラッキング用溝だけがつ
いている場合には、従来のフォーマットによるCD−R
OMを作製できるという利点がある。しかし、マークピ
ットがついている場合には、これらのピット領域には情
報マークがなくなるので、これを補正するために、再生
装置に特別の回路を設ける必要がある。
【0025】本技術は、上記のような再生専用型光ディ
スクだけでなく、追記型や可逆型光ディスク用基板の作
製にも適用することができる。
【0026】
【作用】透明基板上の記録膜に予めトラッキング用パタ
ーンを形成しておくことにより、トラッキング用パター
ン作成のための情報を書き込むカッティング装置が不要
となる。
【0027】各支社は、市販の通常の光ディスクドライ
ブを設置し、記録膜の付いたブランク基板を予め購入し
準備しておく。本社から原稿が入り次第、ブランク基板
に原稿情報を記録する。この記録されたブランク基板を
上述のように転写用フォトマスクとして使い、大量のC
D−ROMを短時間で作製することが出来る。
【0028】
【実施例】
(実施例1)厚さ10mmのガラス基板の上に、フォト
レジストとしてAZ-1350Jを0.14μmの厚さに
回転塗布したあと、80℃で一時間ベーキングした。A
rイオンレーザを備えたカッティング装置により、トラ
ッキングマークに応じて変調されたレーザ光パルスを照
射する。本実施例では、トラッキングパターンとしてト
ラッキング溝2だけを用いた。トラックピッチは1.6
μmで、螺旋状に記録した。マークは直径80mm内に
記録した。また、溝幅は約0.4μmである。これを現
像することにより、溝2はフォトレジスト膜に凹状溝と
して形成される。これが原盤である。これを120℃で
30分ポストベークをおこなった。この原盤から以下の
ように従来技術を用いてニッケルスタンパを作製した。
まず、原盤のフォトレジストの表面にスパッタリングに
より厚さ約70nmのニッケル膜を設けた。このニッケ
ル膜を電極としてニッケルめっき層を形成した。めっき
層の厚さは約0.3mmである。めっき終了後、フォト
レジストとめっき層との界面で剥離させた。ニッケル表
面にフォトレジストが残留している場合には、酸素アッ
シングでこれを除去する。このようにしてニッケルスタ
ンパが得られる。スタンパの外周部を加工したあと、射
出成形機にセットし直径3.5インチのブランク基板1
を成形した。基板の材料はポリカーボネトである。この
ブランク基板の表面に、ニトロセルロースの酢酸ブチル
溶液を回転塗布することにより、下地膜を形成した。こ
れの膜厚は約30nmであり、溝が埋まるようなことは
ない。
【0029】つぎに、図2(a)に示すようにブランク
基板1の上に、スパッタリングにより厚さ25nmのT
85Se15記録膜7を形成した。この記録膜付きブラン
ク基板を、市販品である5インチ用追記型光ディスクド
ライブにかけて、情報を書き込んだ。このドライブのレ
ーザ波長は780nmであり、光ビーム8は基板側から
入射させた。情報はサブミクロンの穴として溝と溝との
間、いはゆるランド部に記録した。記録終了後、保護膜
10として厚さ30nmのSiO2をスパッタリングに
より形成した。これがつぎのプロセスでの転写用フォト
マスク11となる。
【0030】一方3.5インチの円形状シリコンウエハ
12(厚さ0.4mm)表面にフォトレジスト13を0.
2μmの厚さに塗布し、80度Cでベーキングした。図
2(c)に示すように、フォトマスク11とシリコンウ
エハ12を密着させて高圧水銀灯の光14で露光し、現
像した。この際、トラッキング用溝2は転写されず、穴
として書き込まれた情報ピット9だけが転写される。つ
ぎに、ポストベークしたあと、反応性イオンエッティン
グ装置(RIE)によりCF4を反応ガスとしてエッチ
ングした。RIE装置は平行平板型であり、その周波数
は13.56MHzである。その結果、シリコンウエハ
表面に情報用マークとして凹状のピット9だけが形成さ
れる。ピットの深さは0.11μmとなるように制御し
た。残っているフォトレジストは酸素アッシングで除去
しシリコンスタンパ15を得た。
【0031】つぎに、紫外線樹脂硬化物から容易に剥離
できるように、シリコン表面をフッ素化合物で処理し表
面エネルギーを低下させた。具体的にはF(CF28
(CH22−Si(OCH33の溶液を回転塗布する
か、あるいは蒸発させてシリコン表面をこの分子でおお
ったあと、100℃で10分間熱処理した。この表面処
理により水に対する接触角は約110度となり表面エネ
ルギーが低下していること、およびUV樹脂硬化物から
の剥離力が未処理スタンパのときと比べて数分の一にな
ることを確認した。また熱処理によりフッ素化合物はシ
リコン表面に化学結合することにより転写プロセスで離
脱することはない。
【0032】このようにして得られたのシリコンスタン
パ15を図2(h)に示すように回転体16の面に固定
する。この際、高速硬化型のエポキシ系接着剤を使用し
た。厚さ0.6mmのポリカーボネート製シート17を
ロールから引きだす。シートの幅は300mm、また複
屈折率はダブルパスで60nm以下である。このシート
上に液状の紫外線硬化樹脂18を凸状に滴下し,その上
からスタンパ15を押しつける。これは紫外線硬化樹脂
と点接触し空気泡が入らないための工夫である。紫外線
硬化樹脂がスタンパ全面に拡げられたあと高圧水銀灯に
よりシート側から紫外線19を一秒間照射した。高圧水
銀灯の出力は80W/cmである。紫外線硬化樹脂はア
クリレート系であるが一秒間照射で硬化する材料を特別
に開発した。硬化された樹脂層の厚さは20μm程度で
あった。つぎに、硬化した樹脂層をスタンパから剥離す
ることにより、レプリカ20が得られる。情報パターン
が転写されたポリカーボネートシートに反射膜としてア
ルミニューム膜をスパッタした。厚さは約70nmであ
る。この場合、シート17を連続的にスパッタ装置内を
通過させた。つぎに、各転写パターンの中心を光学的な
手法で検出しながら3インチサイズの光デイスクとして
打ち抜いた。その上に保護膜として樹脂製の保護膜を設
けた。得られたCD−ROMの電気信号特性としてのC
/N比は、従来のCDと同等の55〜60dBであっ
た。
【0033】(実施例2)実施例1においてニッケルめ
っき終了後、めっき面にエポキシ系接着剤を塗布し、そ
の上に厚さ5mmの平坦な鋼鉄製円板を押しつけて接着
させた。これはスタンパの平坦性を確保するためであ
る。つぎに、フォトレジストとめっき層との界面で剥離
させた。これを2P法用のスタンパとし用いる。このス
タンパの上に紫外線硬化樹脂を置き、その上から直径
3.5インチ、厚さ1.2mmのガラス基板を押しつけ
る。ガラス基板側から紫外線を照射し紫外線硬化樹脂を
硬化させた。ニッケル層と硬化樹脂との間で剥離させる
ことにより、ブランク基板1を作製した。つぎに、酢酸
ブチルに溶かしたニトロセルロース溶液を用いて、回転
塗布により約30nmの下地膜を形成した。このあとの
プロセスは、実施例1と全く同じとした。このようにし
て得られたCD-ROMの電気信号特性としてのC/N
比は、従来のCDと同等の55〜60dBであった。
【0034】
【発明の効果】本発明では、透明基板上に、予めトラッ
キング用パターンを形成しておくことにより、情報を書
き込むカッティングプロセスのコストを大幅に低下させ
ることができる。つまり、トラッキング用パターンがあ
るために従来のような高価なカッティング装置を必要と
せず、これよりはるかに安価な通常の光ディスクドライ
ブで書き込むことが可能となる。この結果、CD-RO
Mを即時性と大量生産とが要求される新聞、週刊誌、雑
誌などへ適用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラッキング用パターンを示す図である。
【図2】本発明による光ディスクの作製プロセスを示す
図である。
【符号の説明】
1…トラッキング用パターン付ブランク基板、2…溝、
3…ウォブルマーク、4…クロックマーク、5…ヘッダ
ー信号用マーク、6…情報記録領域、7…記録膜、8…
レーザビーム、9…情報用マーク、10…保護膜、11
…転写用フォトマスク、12…シリコンウエハ、13…
フォトレジスト、14…密着露光用紫外線、15…シリ
コンスタンパ、16…多面回転体、17…透明樹脂シー
ト、18…紫外線硬化樹脂、19…樹脂硬化用紫外線、
20…レプリカ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 哲也 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 宇田川 智子 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溝、あるいはマークピット、またはその両
    者をトラッキング用パターンとして螺旋状または同心円
    状に形成されている透明基板上に、光照射により光透過
    率の変化する記録膜を形成する工程と、上記溝、あるい
    はマークピットをトラッキングしながら光ビームにより
    上記記録膜に情報を書き込む工程と、該情報が書き込ま
    れた基板を転写用フォトマスクとして用い、シリコン、
    石英、ガラスまたは金属からなるスタンパ用基板上に塗
    布されたフォトレジスト膜に密着露光、あるいは非接触
    露光、現像、エッチングを行ってスタンパを作製する工
    程と、該スタンパから紫外線硬化樹脂を用いて透明樹脂
    基板上に情報パターンを複製させる工程とを含むことを
    特徴とする光ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】上記透明基板としてガラスあるいはプラス
    チックを用いたことを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の光ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】上記記録膜としてTeSe系などのカルコ
    ゲナイド膜、または色素膜を用いたことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の光ディスクの製造方法。
  4. 【請求項4】上記記録膜に情報を記録したあと、保護膜
    としてSiO2、SiNなどの透明無機膜、あるいは硬
    質の有機高分子膜を設けた転写用フォトマスクを介して
    作製することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    光ディスクの製造法。
  5. 【請求項5】上記トラッキング用パターンとして溝、あ
    るいはウォブルマーク、またはこれらにクロックマー
    ク、番地用マークを加えたパターンを用いることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の光ディスクの製造方
    法。
  6. 【請求項6】溝、あるいはマークピット、またはその両
    者をトラッキング用パターンとして螺旋状または同心円
    状に形成されている透明基板上に、光照射により光透過
    率の変化する記録膜を形成したあと、上記溝、あるいは
    マークピットをトラッキングしながら光ビームにより上
    記記録膜に情報を書き込んだものを転写用フォトマスク
    として用い、シリコン、石英、ガラスまたは金属からな
    るスタンパ用基板上に塗布されたフォトレジスト膜に密
    着露光、あるいは非接触露光、現像、エッチング等の工
    程を経て得られるスタンパから、紫外線硬化樹脂を用い
    て透明樹脂基板上に情報パターンを複製させることを特
    徴とする光ディスクの製造方法。
  7. 【請求項7】上記透明基板としてガラスあるいはプラス
    チックを用いたことを特徴とする特許請求の範囲第6項
    記載の光ディスクの製造方法。
  8. 【請求項8】上記記録膜としてTeSe系などのカルコ
    ゲナイド膜、または色素膜を用いたことを特徴とする特
    許請求の範囲第6項記載の光ディスクの製造方法。
  9. 【請求項9】上記記録膜に情報を記録したあと、保護膜
    としてSiO2、SiNなどの透明無機膜、あるいは硬
    質の有機高分子膜を設けた転写用フォトマスクを介して
    作製することを特徴とする特許請求の範囲第6項記載の
    光ディスクの製造法。
  10. 【請求項10】上記トラッキング用パターンとして溝、
    あるいはウォブルマーク、またはこれらにクロックマー
    ク、番地用マークを加えたパターンを用いることを特徴
    とする特許請求の範囲第6項記載の光ディスクの製造方
    法。
JP17285693A 1993-07-13 1993-07-13 光ディスクの製造方法 Pending JPH0729221A (ja)

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