JPH0729083U - 便器の床固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】便器に設けたスカート状台座の側壁に開設した
取付孔から台座内の床に固定した固定具に締め付け部材
を捩じ込んで固定する形式の便器において、床固定の施
工性を向上させ、且つコストダウンを図る。 【構成】スカート状に形成された台座の前面に取付孔を
開設し、該取付孔に締め付け部材を挿入して、これを台
座に囲まれた床に固定した固定具に捩じ込んで、便器を
床に固定するようになすことにより、床固定作業を便器
の正面側で行なうことができるようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は大便器や小便器、例えば床固定型便器の床への固定構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、便器の床固定構造として、例えば実公平３−５１４２７号公報のものが 知られている。 このものは、便器に設けた無底スカート状台座の側壁に開設した取付孔に取付 用ビスを挿入し、この取付用ビスを台座内の床に固定した固定具に捩じ込むこと により、固定具を介して便器を床に固定するもので、取付孔は台座の周壁の左右 に相対向するように開設され、固定具は木材またはプラスチック材からなりその 端面が上記取付孔に対向するように床に木ねじで固定されている。 即ち、上記従来の便器の床固定構造は便器の左右から固定具に取付用ビスを捩 じ込む構造となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、便器の固定は便所にて行なわれるが、便所のスペースは一般に狭く 、その狭いスペースの中で施工を行なわなければならない。 従って、施工者が右利きの場合、便器の右側面からの取付用ビスの捩じ込みは 比較的楽にできるが、左側面からの作業は非常にやり難く、このことが施工の手 間となって、上記固定構造を採る便器は施工者に好まれない。 また、便器の左右から固定する構造であるため、部品も少なくとも左右の二組 みが必要になり、コストアップともなっている。 本考案は従来技術が有する上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とす るところは、便器の床固定の施工性を向上し、且つコストの低減を図ることにあ る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本考案の便器の床の固定構造にあっては、少なく とも下端内部を空洞状としたスカート状台座を有して床上にセットされる便器と 、台座の前面に開設された取付孔と、便器を床にセットした状態において台座に 囲まれる床に固定されて取付孔に対向する固定具と、台座の外側から取付孔に挿 入されて固定具に捩じ込まれる締付け部材とを備えるものである。 上記締付け部材を木ネジとして、固定具を木ネジを捩じ込み可能な材料で構成 してもよいし、締付け部材をボルトとして、固定具にボルトに対応するねじ孔を 設けてもよい。 上記締付け部材は化粧キャップで化粧を施すことが望ましい。

【０００５】

【作用】

以上のように構成した便器の床固定構造にあっては、便器前部の床への固定は 一カ所の固定で足り、その固定作業は便器正面側から行なうことができる。

【０００６】

【実施例】

以下、図に基づいて本考案の実施の一例を説明する。 図中１は便器、11はその台座であり、この台座11は便器１のボール部12、トラ ップ排水路13を囲んで下端内部を空洞状としたスカート状に形成されており、そ の正面下部には取付孔14が該台座11を貫通して開設されている。 また、上記台座11はその後部寄りの下端部に部分的に形成された木ネジ挿通口 （図示せず）を有する水平なフランジ部15を一体に備えている。

【０００７】 この便器１は管元を床２から室内に臨ませて床２に配管された排水管８に、ト ラップ排水路13を連絡せしめて床２の所定位置にセットされ、後部を台座11後部 のフランジ部15に設けた木ネジ挿通口を挿通する取付け木ネジ３等により床２に 固定すると共に台座11正面の取付孔14より締め付け部材４を挿入して、これを台 座11内の床２に固定した固定具５に捩じ込んで前部を固定する。

【０００８】 上記固定具５は木材またはプラスチックでブロック状に形成されたものであり 、便器１の台座11内に収まり、且つ取付孔14に近接して対向するように、便器１ をセットする床２の所定位置に配置され、木ネジ６等で床に固定される。 この固定具５の床２への固定は、勿論、便器１のセット前に行なわれ、施工に 当たっては、予め固定具５の設置された床２の所定位置に、この固定具５を台座 11内に収めるように便器１がセットされることになる。

【０００９】 締め付け部材４は木ネジからなり、便器１の台座11の外側から台座11正面の取 付孔14に挿入し、固定具５に捩じ込んで便器１を固定具５に締め付け固定する。 これにより、便器１前部は固定具５を介して床２に固定される。

【００１０】 尚、上記締め付け部材４の頭部41には見栄えを良くするため化粧キャップ７が 装着される。 化粧キャップ７は例えば磁石71を備え、該磁石71の磁力により締め付け部材４ の頭部41に取り付ることができるが、図３に示すように化粧キャップ７に脚部72 を設けると共に締め付け部材４の頭部41中央に孔42を穿設して、上記化粧キャッ プ７の脚部72を締め付け部材４の頭部41の孔42に挿入するようにし、化粧キャッ プ７の脚部72に設けた凸部73と、締め付け部材４の孔42に設けた凹部43とのスナ ップフィット的係合により取り付けるようにしたり、図４に示すよう締め付部材 ４の頭部41に嵌着状に被せるような構造とすることもできる。 また、図示はしていないが、前記図３の構造において化粧キャップ７に設ける 脚部72と締め付け部材４に設ける孔42のスナップフィット的係合に代えて、化粧 キャップ７の脚部72と締め付け部材４の孔42とに相互に螺合するネジを設けて化 粧キャップ７を締め付け部材４に螺着するような構造となすことも可能である。

【００１１】 次に、図５は他の実施例を示すものであり、固定具５がアングル鉄等により構 成されて、水平な床固定部51と、この床固定部51の一端から直角に起立するよう に延伸する便器固定部52とを有しており、上記床固定部51には木ネジ６等を挿通 させるための透孔53が開設され、便器固定部52には便器１の台座11の取付孔14の 高さ位置に対応する箇所にねじ孔54が開設されている。

【００１２】 この固定具５は先の実施例同様、便器１の台座11内に収まり、且つ便器固定部 52のねじ孔54が台座11の取付孔14に近接して対向するように、便器１をセットす る床２の所定位置に配置され、木ネジ６等で床２に固定される。

【００１３】 一方、この実施例では、締め付け部材４がボルトであり、便器１の台座11の外 側から台座11正面の取付孔14に挿入して、これを固定具５のねじ孔54に螺合させ 締め付けることにより、固定具５を介して便器１を床２に固定する。

【００１４】 尚、この実施例においても、締め付け部材４頭部41には化粧キャップ７を装着 して化粧する。

【００１５】

【効果】

本考案は以上のように構成したので、下記するような効果を奏する。 （１）．下端内部を空洞状としてスカート状に形成された台座の前面に取付孔を 開設し、該取付孔に締め付け部材を挿入して、この締め付け部材を台座に囲まれ た床に固定した固定具に捩じ込むことにより便器を床に固定するようにしたので 、締め付け部材の捩じ込み作業は便器の正面側から行なうことができ、右利き、 左利きの別無く楽に作業を行なうことができる。 従って、作業性が良く、便器に設けたスカート状台座の側壁に開設した取付孔 から台座内の床に固定した固定具に締め付け部材を捩じ込んで固定する形式の便 器にも拘らず、施工業者に敬遠される恐れがない。 （２）．また、便器前部の固定を一箇所のみで行なうので、部品が一セットあれ ば良く、部品点数が少なくなり、コスト低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す便器の床固定構造の断
面図。

【図２】要部の拡大断面図。

【図３】締め付け部材への化粧キャップの取着構造の実
施例を示す断面図。

【図４】締め付け部材への化粧キャップの取着構造の他
の実施例を示す断面図。

【図５】本考案の他の実施例を示す要部の断面図。

【符号の説明】

１：便器 ２：床 ４：締め付け部材 ５：固定具 ７：化粧キャップ 11: 便器の台座 14：取付孔 54：ねじ孔

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも下端内部を空洞状としたスカー
   ト状台座を有して床上にセットされる便器と、台座の前
   面に開設された取付孔と、便器を床にセットした状態に
   おいて台座に囲まれる床に固定されて取付孔に対向する
   固定具と、台座の外側から取付孔に挿入されて固定具に
   捩じ込まれる締付け部材とを備える便器の固定構造。
2. 【請求項２】締付け部材が木ネジで、固定具が木ネジを
   捩じ込み可能な材料からなる請求項１記載の便器の床固
   定構造。
3. 【請求項３】締付け部材がボルトで、固定具がボルトに
   対応するねじ孔を備えることを特徴とする請求項１記載
   の便器の固定構造。
4. 【請求項４】締付け部材に化粧キャップを装着してなる
   請求項１乃至３のいずれかに記載の便器の床固定構造