JPH072892U - ローラーハースキルン用搬送ローラー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本考案は、ローラーハースキルンの炉外搬送
ラインにおいて、セッター煉瓦の方向変換部直前にスト
ッパーを有するセッター煉瓦整合部を設け、該整合部に
セラミックス製ローラーを配設したことを特徴とする、
ローラーハースキルン用搬送ローラーである。 【効果】 このような技術的構成とすることによりセッ
ター整合部のローラーの耐摩耗性が向上しかつチューブ
状セラミックスローラーへの低融物の付着がなく、ロー
ラーハースキルンの生産性を高め得る搬送ローラーを提
供するものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はローラーハースキルンの炉外搬送ラインのローラーの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ローラーハースキルンは炉内に設置された回転ローラーによって処理物を送り ながら加熱するキルンである。

【０００３】 タイル・陶磁器等の焼成炉として使用されているローラーハースキルンは耐火 物製セッター（棚板）の上にタイル等の被焼成物を積載し焼成を行う、高能率で 生産性が高い連続焼成炉である。

【０００４】 この種のローラーハースキルンのセッター搬送ラインにおける搬送用ローラー は、炉内部分ではチューブ状セラミックスローラー、炉外部分では金属ローラー 及び金属チェーンベルト等が通常使用されている。被焼成品を積載したセッター はこれらローラー上に１〜３列に並べられて搬送されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

セッターは搬送中に位置がずれる（斜め向き）ことが多いため、セッターの方 向変換時には、その直前でローラーを回転させながらセッターをストッパーによ り一旦停止させ、所望の定位置に整合させる。この場合セッターと空転するロー ラーとの摩擦により金属ローラーの摩耗、損傷が激しく、定期的な交換が必要で ある。

【０００６】 一方、金属ローラーが摩耗するとセッター裏面に金属ローラーからＦｅ成分が 付着する。このセッターは次回の焼成時ローラーハースキルン内に入るが、ロー ラーハースキルンの操業温度は最高１３００℃となるため、これら付着したＦｅ 成分とセッターを構成する耐火物成分（通常ムライト・コージライト質耐火物） とが反応し、Ｆｅ₂ Ｏ₃ −Ａｌ₂ Ｏ₃ −ＳｉＯ₂ 系の低融物を生成し、これら低 融物はセッターの繰返し通過時にキルン内のセラミックスチューブローラーに付 着かつ成長し、セッターのスムーズな搬送を妨げ、蛇行、積層物の落下、ずれ等 の要因となり、キルン操業上問題となっていることが当業者に知られているとこ ろである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前述のような諸問題点を解決するために、本考案者らは種々検討、実験の結果 本考案を開発したものであり、本考案の技術的構成は、ローラーハースキルンの 炉外搬送ラインにおいて、セッター煉瓦の方向変換部直前にストッパーを有する セッター煉瓦整合部を設け、該整合部にセラミックス製ローラーを配設したこと を特徴とする、ローラーハースキルン用搬送ローラーにあり、このような技術的 構成とすることによりセッター整合部のローラーの耐摩耗性が向上しかつチュー ブ状セラミックスローラーへの低融物の付着がなく、ローラーハースキルンの生 産性を高め得る搬送ローラーを提供するものである。

【０００８】 本考案の一具体例を示す添付図面により詳細に説明する。

【０００９】 図１は本考案を適用したローラーハースキルンの炉外搬送ローラー及び搬送チ ェーンベルトのみを示す平面略図であり、図２は本考案の要部（図１の矢印Ｘ） 側面図であり、図３は整合部Ａに使用するセラミックスローラーの一例である。

【００１０】 ローラーハースキルンにおけるセッターの移行工程を図１により略説する： （ａ）ローラーハースキルン（炉壁等の図示は省略）内の焼成工程を完了した セッター１は炉外の搬送ラインに送出される。

【００１１】 セッターは蛇行、ずれ等により正常な方向となっていないので、搬送ラインの 方向変換部付近に設けられたストッパー３に係止され、定位置に整合（又は位置 決め）される（Ａ領域）、整合された後ストッパー３は解除される。

【００１２】 （ｂ）整合されたセッター１はついで駆動している金属ローラーにより搬送さ れＢ領域に到達する。このＢ領域にはチェーンベルト４が設けてあり、該チェー ンベルトの上昇によりチェーンベルト４にセッターは載置され、チェーンベルト の駆動により矢印ｂ方向に転向、搬送されＣ領域に至り、チェーンベルトの降下 により、セッターはＣ領域の金属ローラー５に載置される。

【００１３】 （ｃ）金属ローラー４の駆動によりセッター１は矢印ｃ方向に搬送されて、被 焼成物の製品取出し工程に移行される。

【００１４】 炉内に配設されるチューブ状セラミックスローラーは通常ムライト質あるいは アルミナ質セラミックスであり、使用温度範囲内ではセラミックスローラーとセ ッター組成単独での付着反応はないが、Ｆｅ成分が存在すると１１００℃付近か らセッター成分と金属ローラーから来るＦｅ分との反応によってＦｅ₂ Ｏ₃ −Ａ ｌ₂ Ｏ₃ −ＳｉＯ₂ 系低融物を生成し、これら低融物はセッター及びセラミック スローラーの両者に付着することが実験によって確認できた。

【００１５】 また、実炉において付着物を分析したところ、数％〜数１０％のＦｅ₂ Ｏ₃ が 検出されており、前述の付着現象にはＦｅ成分が関与していることが判明した。

【００１６】 本考案ではセッター整合部のセッターがストッパーにより一時的に停止する領 域のローラーをセラミックス製ローラー２（図３）とすることにより、セッター 及び該ローラー両者への低融物の発生、付着を防止することができる。

【００１７】 セラミックスローラーの材質はＡｌ₂ Ｏ₃ ，ＳｉＣ，ＺｒＯ₂ ，Ｓｉ₃ Ｎ₄ 等 の緻密質で耐摩耗性の優れたセラミックス製としうる。

【００１８】

【考案の効果】

炉内のセラミックスチューブローラーへの低融物付着によるトラブルを防止す るために従来は３〜４ヶ月毎に炉の操業を停止しセラミックスチューブローラー を取出し付着物を除去する定期的なメンテナンスが必要であった。しかしセッタ ー整合部のローラーをセラミック化することにより付着量は従来の１／３〜１／ ５となりメンテナンス頻度の大幅な減少が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用したローラーハースキルンの炉外
搬送ローラー及び搬送チェーンベルトのみを示す平面図

【図２】図１の矢印Ｘの側面図

【図３】整合部Ａに使用するセラミックスロールの略図

【符号の説明】

１ セッター煉瓦 ２ セラミックスローラー ３ ストッパー ４ チェーンベルト ５ 金属ローラー ６ ローラーシャフト ７ ローラー固定用キー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ローラーハースキルンの炉外搬送ライン
   において、セッター煉瓦の方向変換部直前にストッパー
   を有するセッター煉瓦整合部を設け、該整合部にセラミ
   ックス製ローラーを配設したことを特徴とする、ローラ
   ーハースキルン用搬送ローラー。