JPH07286280A - パターン状の金属層を有するプラスチック成形品の製造方法 - Google Patents

パターン状の金属層を有するプラスチック成形品の製造方法

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JPH07286280A
JPH07286280A JP6078496A JP7849694A JPH07286280A JP H07286280 A JPH07286280 A JP H07286280A JP 6078496 A JP6078496 A JP 6078496A JP 7849694 A JP7849694 A JP 7849694A JP H07286280 A JPH07286280 A JP H07286280A
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Japan
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plastic molded
exposed
molded product
photoresist
metal layer
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JP6078496A
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English (en)
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Yoshiyuki Ando
好幸 安藤
Toshiyuki Oaku
俊幸 大阿久
Akira Sato
亮 佐藤
Hideki Asano
秀樹 浅野
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 立体構造を有するプラスチック成形品の表面
にパターン状の金属層を有するプラスチック成形品の製
造方法を提供する。 【構成】 立体構造を有するプラスチック成形品1を形
成し、その表面を粗面化して得られた粗化面上に金属め
っきを施し、金属めっき層の上にフォトレジスト膜を形
成し、電気回路のパターンを有するフォトマスク11を
介して露光した後エッチングを施すことによりプラスチ
ック成形品1の表面に電気回路のパターン状金属層を形
成したパターン状の金属層を有するプラスチック成形品
の製造方法において、プラスチック成形品10にプラス
チック成形品10の形状に合わせてフォトマスク11を
密着させた後フォトレジストを露光する際に、複数の方
向からフォトレジストを露光させると共に露光すべきレ
ジストの面以外の面は遮光マスク12,13,14で遮
光することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、めっき等により部分的
に表面を金属被覆した筐体、回路基板、回路部品、コネ
クタ、電磁シールド部品等のパターン状の金属層を有す
るプラスチック成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチック成形品の表面に電気
回路のパターンを形成した射出成形回路基板(以下「M
CB」という。)及び射出成形経路部品(以下「MI
D」という。)と呼ばれるものが小型軽量化及び製造工
程の減少をもたらすものと期待されている。これは、プ
ラスチック成形品の立体面に金属パターンを形成するも
のであり、従来のプリント基板のように平板に限定され
ず、種々の形状に対応できるのが特徴である。
【0003】立体的な電気回路を形成する方法としてフ
ォトレジスト法がある。フォトレジスト法には、立体構
造を有するプラスチック成形品の表面にパターン状のめ
っきレジストを形成し、プラスチックの露出部分に無電
解めっきを施すことにより電気回路を形成する方法、成
形品上に一様に形成された金属層の上に、パターン状の
エッチングレジストを形成し、金属層の露出部分をエッ
チングにより除去する方法、成形品上に感光性触媒を一
様に塗布し、パターン状に露光された部分に金属層を形
成する方法がある。
【0004】めっきレジスト、エッチングレジスト及び
感光性触媒のいずれを用いるにせよ、フォトレジスト又
は感光性触媒にパターン状の露光を与える必要があり、
そのためには写真的方法が利用されている。すなわち、
予めパターンが形成されたマスク(フォトマスク)をフ
ォトレジスト等に密着させ、マスクを介してフォトレジ
スト等に露光を行い(あるいはマスク像を投影して)、
感光させて潜像を形成し、現像処理してレジストパター
ンを形成する(あるいは金属を析出させる)ことによ
り、プラスチック成形品の表面にパターン状を形成する
ことが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電気回路を
立体化させるのに際し、フォトレジストを露光する方法
は実際には難しい問題があるのであまり進展していない
のが現状である。特に立体度(形状の複雑さ)が大きい
程実用化が難しいからである。その大きな原因としては
次の2点が挙げられる。
【0006】第1は、回路パターンが微細で立体的な形
状のフォトマスクの製作が難しいこと。例えばマスクの
材質が金属の場合、立体的で微細な回路パターンを加工
することが困難である。さらに回路が閉じた系の場合、
回路パターンの内側と外側とが完全に分離独立している
ため、そのパターン幅を一定に保ったまま内側のパター
ンと外側のパターンとを同一面で保持することが難し
い。また材質がポリエステル等の場合、フィルムやシー
ト等平面状であれば写真蝕刻法により回路パターンの微
細化は容易であるが、大幅な立体化が難しい。
【0007】第2は露光条件が悪いこと。立体物に露光
するには、複数の光源を用いて異なる角度から照射する
ことにより、立体物を同時に露光することができるが、
露光ににじみが生じるので回路の微細化が困難となる。
また、平面部に対して垂直に平行光を照射すれば平面部
での回路の微細化に対しては有利になるが、立体物の立
上がり面には光が照射されにくくなり、露光が困難であ
る。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、立体構造を有するプラスチック成形品の表面にパタ
ーン状の金属層を有するプラスチック成形品の製造方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、立体構造を有するプラスチック成形品を形
成し、その表面を粗面化して得られた粗化面上に金属め
っきを施し、金属めっき層の上にフォトレジスト膜を形
成し、電気回路のパターンを有するフォトマスクを介し
て露光した後エッチングを施すことによりプラスチック
成形品の表面に電気回路のパターン状金属層を形成した
パターン状の金属層を有するプラスチック成形品の製造
方法において、プラスチック成形品にプラスチック成形
品の形状に合わせてフォトマスクを密着させた後フォト
レジストを露光する際に、複数の方向からフォトレジス
トを露光させると共に露光すべきレジストの面以外の面
は遮光マスクで遮光するものである。
【0010】本発明は上記構成に加え、フォトレジスト
膜用のエッチングレジストとして電着レジストを用いて
もよい。
【0011】本発明は上記構成に加え、プラスチック成
形品の電子部品を搭載すべき場所にその電子部品の形
状、大きさに合わせた凹部を形成してもよい。
【0012】
【作用】上記構成によれば、複数の方向からフォトレジ
ストを露光させると共に露光すべきレジストの面以外の
面は遮光マスクで遮光するので、レジストの露光すべき
面が1回だけ略垂直に露光され、複数回露光されること
がないため、フォトマスクの微細パターンが忠実に、し
かもにじむことなくフォトレジストに露光され、微細パ
ターンの潜像がフォトレジストに形成される。このフォ
トレジストをエッチングすることにより微細パターンが
形成される。この金属めっき層はこの微細パターンに従
ってエッチングされ、最終的にはプラスチック成形品の
表面に微細パターン状の金属層が形成される。
【0013】フォトレジスト膜用のエッチングレジスト
として電着レジストを用いた場合には金属めっき層の表
面に均一な厚さのレジスト膜が形成されるので、より微
細なパターンを形成することができる。また、フォトレ
ジストを異なる方向から露光するので、立体的なフォト
マスクを製作するのが容易となる。
【0014】プラスチック成形品の電子部品を搭載すべ
き場所にその電子部品の形状、大きさに合わせた凹部を
形成した場合には、電子部品搭載時の位置合わせが確実
になり、はんだ付けの信頼性が向上する。電子部品搭載
後はプラスチック成形品の凹部がその電子部品で埋めら
れて平面状になるので、メカ部品等他の部品が安定して
収納され、部品の集積度が向上し、機器の小型化に大き
く寄与する。さらに凹部の内部にも回路を形成すること
により、配線の自由度が向上する。
【0015】本発明の露光方法として、光源には紫外線
を含む輻射線を発するものが好ましい。例えば、超高圧
水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドラン
プ灯が好ましい。但し、露光に必要な電磁波の波長はフ
ォトレジスト等の感光波長により選択されるもので、紫
外線を含まない光源を用いてもよい。
【0016】プラスチック成形品の平面部及びその近傍
には微細なパターンを配置するのが好ましい。但しこの
場合露光は垂直方向よりの平行光もしくはそれに近いこ
とが必要である。
【0017】プラスチック成形品の立上がり面にあるフ
ォトレジスト等を一様に露光するためにはむしろ散乱性
の大きい光を用いてもよい。立上がり面に対して複数の
露光光線を異なった位置から異なった角度で露光するた
めには2灯以上の光源を用いてもよい。また、1個の光
源(1灯)を用い、複数の反射鏡(プリズムでもよい)
の光反射手段との組み合わせにより、露光を必要とする
平面の方向の数、または、それより少ない数の方向から
の、露光を行うようにするのが好ましい。2灯以上の光
源を用い、複数の反射鏡等(またはプリズム)との組み
合わせにより、光源の数より多数の方向から露光を行っ
てもよい。反射鏡、プリズム等の偏向手段は、光線の方
向を調整できるものが望ましい。フォトレジスト等の面
への入射方向は、面に対し45°から90°(垂線に対
し45°以下)が好ましいが45°未満でもよい。複雑
な立体構造を有する配線体の場合には、陥没部にも十分
な露光が行われるように斜めに入射する光で露光するの
が好ましい。従って露光装置の光源又は光反射手段は、
そのように配置するのが好ましい。種々の面にあるフォ
トレジスト等を一様に露光できるように1個又は複数の
光源又は反射手段の位置を調整できることが好ましい。
光源に対し、露光される構造体(例えばコンベア)を移
動させてもよい。
【0018】本発明において、プラスチック成形品の材
料としてはその成形品に要求される剛性寸法安定性、耐
熱性電気的特性によって選ばれるが、通常のエンジニア
リングプラスチックが適している。例えば、ポリカーボ
ネート、ABS樹脂、ポリエーテルイミド、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリフェリレンスルフィ
ド、液晶ポリマー等が好ましい。あるいはフェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の熱硬化
性樹脂を用いてもよい。これらの樹脂にガラス繊維、チ
タン酸カリウム繊維、炭酸カルシウム等のフィラーを添
加してもよい。表面に金属層を形成させるため、特定の
溶剤や薬品等に侵され易く、粗面化されやすいものがよ
く、樹脂中に低分子量分を加えたり、ブタジエンゴム等
のゴム成分を加えてもよい。また、無電解めっきを行う
ためにその触媒となるパラジウム、金、銀等の貴金属を
加えてもよい。
【0019】本発明におけるプラスチック成形品の成形
は、材料に応じて射出成形、圧縮成形、押出し成形及び
切削等によって加工される。
【0020】本発明におけるプラスチック成形品の表面
の粗面化は、金属層の成形品への十分な接着力を付与す
るため成形品表面を粗面化する必要がある。まずアルカ
リクリーナ、界面活性剤、有機溶剤等により成形品に付
着している離型剤や脂分等の汚れを除去する。次に、ク
ロム酸/硫酸、水酸化カリウム、フッ化水素酸/硝酸、
酸性フッ化アンモニウム/硝酸等のエッチング液を用い
て表面を粗面化する。
【0021】プラスチック材料の中に予め触媒が添加さ
れている場合はそのままめっき工程に入る。
【0022】ここで触媒としては周期率表第5列第VIII
族の金属の化合物、例えばハロゲン化物が好ましい。具
体的には塩化パラジウムである。
【0023】予め触媒が付与されていない場合には表面
粗化の後に触媒付与の前処理工程を付加してもよい。触
媒付与の方法としてはキャタリスト−アクセラレータ
法、すなわちパラジウム、錫等の金属の混合触媒液に浸
漬した後、塩酸、しゅう酸等の酸で活性化して、成形材
料の粗面化された表面にパラジウム等を析出させる方法
と、センシタイジング−アクティベーティング法、すな
わち塩化第一錫、塩化ヒドラジン、次亜燐酸等の強い還
元剤を粗面化された成形材料の金属パターン形成部分に
吸着させた後、パラジウム、金等の貴金属イオンを含む
触媒液に浸漬し、貴金属を析出させる。
【0024】前処理後、無電解(化学)めっきを施し、
その上から銅、ニッケル等のめっきを施す。金属層を電
気回路パターンの配線部として用いる場合には、一般に
銅層を形成する。
【0025】尚、めっきは始めに無電解めっきで5μm
以下の溝付を行い、その後電気めっきにて所定の厚さに
成形してもよい。
【0026】フォトマスクの材料としては、合成樹脂あ
るいは金属等を用いることができる。透明なプラスチッ
クフィルム、例えばポリエステルフィルムに銀塩感光材
その他の感光材を積層した感光性フィルムを用い、所要
の立体形状に折曲げ成形前又は後に、必要なパターンの
焼き付け(光透過部と非透過部のパターンの形成)を行
ってもよい。折曲げの際にフィルムの白化が生じないよ
うに配慮が必要である。また、黒色等の遮光性プラスチ
ックフィルムを所要の形に折曲げ、必要な部分を接合
し、開口部をレーザ(例えばCO2 レーザ)で形成して
もよい。
【0027】これとは逆に透明なプラスチック等を射出
成形、折曲げと接合等によって必要な形に成形し、非透
過部をレーザ照射等により形成してもよい。
【0028】フォトマスク用金属材料としては、主にス
テンレス鋼、りん青銅等が用いられ、その厚さは通常5
0〜300μm程度である。パターンを微細化するため
には、薄い金属箔を遮光材とし、平面性を保つため、ポ
リエステルフィルムと貼り合わせてもよい。エッチング
は貼り合わせの前に行ってもよいが、貼り合わせ後に行
うのが好ましい。これらの金属板の表面にフォトレジス
トを塗布し、パターン状に露光し、現像して露光部また
は非露光部のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄
等のエッチング液によりエッチングすることにより、パ
ターン状の開口部を形成させることができる。
【0029】金属板をパターン状にエッチングした後、
配線体を形成するための成形品等の露光を必要とする面
の立体的形状に成形してもよいが、成形後にエッチング
を行ってもよく、後者の場合良好な密着が得やすい。
【0030】金属板の成形には、プレス成形を用いるこ
とができる。プレス成形の際生じる変形を考慮してパタ
ーンの寸法を設計する必要がある。エッチング後、すな
わちパターン状の開口部形成後にプレス成形する場合に
は開口部の間隔の狭い部分で切断が生じないように配慮
が必要である。
【0031】パターン状に開口部形成(エッチング等)
後に成形する場合、立体成形品の表面の展開図の形状に
金属板にエッチングを行い、立体成形品の表面に密着す
る形状に成形してもよい。この際、隣接する縁を溶接等
で接合してもよい。
【0032】金属等を切削加工により露光面に密着し得
る形に成形し、開口部を放電加工等によって形成しても
よい。
【0033】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0034】図1(a)、(b)は本発明のパターン状
の金属層を有するプラスチック成形品の製造方法の一実
施例を示す図である。図2は立体構造を有するプラスチ
ック成形品の一例の外観斜視図であり、図3はそのA−
A線断面図である。
【0035】図2及び図3において、略引出し型に成形
されたプラスチック成形品1の底板部2には2つの略方
形状の凹部3,4が形成されている。プラスチック成形
品1の側面部5,6と底板部2との境界部7,8は丸み
を帯びている。このようなプラスチック成形品1は射出
成形によって形成される。プラスチック成形品1の材料
としてはポリプラスチックス社製ベクトラC−810を
用いた。これはガラス繊維と無機充填材とを都合50重
量%含むめっきグレードの液晶ポリマである。
【0036】このようなプラスチック成形品1の内側の
表面にパターン状の金属層を形成する場合の製造方法に
ついて以下述べる。
【0037】まず、プラスチック成形品1の表面を常法
により脱脂処理し、約60℃の水酸化カリウム溶液に約
30分間浸漬して粗化し、触媒を付与した後キャタリス
ト−アクセラレータ法でその表面全面に無電解銅めっき
を行い、銅を約30μmの厚さに析出させる。この銅層
上に電着塗装を用いてフォトレジスト層を形成する。
尚、フォトレジスタの一例としてネガ型電着エッチング
レジスト(日本ペイント社製、フォトEDN−500
0)を用いた。
【0038】図1(a)に示すように、内面(図では上
側)に銅層及びフォトレジストが形成されたプラスチッ
ク成形品10の内側に、その形状に合わせて形成した立
体構造のフォトマスク11を密着するように配置する。
フォトマスク11の上からフォトマスク11の平面部1
1aに向かって垂直に複数の平行光L1 を、例えば積算
光量が約200mJ/cm2 となるように照射する。こ
れによりフォトマスク11の平面部11aの下側に位置
する部分のフォトレジストが露光する。尚、プラスチッ
ク成形品10の側面部の両外側は遮光マスク12,13
で覆われており、プラスチック成形品10の両内側はフ
ォトマスク11の側面部11bで覆われているので、平
行光L1 が照射されてもフォトマスク11の側面部11
bでは反射され、遮光マスク12,13では遮光される
ため、フォトマスク11の側面部11bの下側に位置す
る部分のフォトレジストには光が到達せず露光しない。
従ってプラスチック成形品10の平面部の内側のフォト
レジストだけ露光する。
【0039】図1(b)に示すように、フォトマスク1
1の平面部11aの上に、フォトマスク11の平面部1
1aを覆うと共に密着するように形成された遮光マスク
14を設置する。これによりフォトマスク11の側面部
11bだけが露出することになる。平行光L1 とは異な
る角度の照射光L2 を異なる位置からプラスチック成形
品1の内側を照射すると、照射光L2 はフォトマスク1
1の側面部11bを透過してその下側に位置する部分の
フォトレジストに到達する。従ってプラスチック成形品
10の側面部の内側のフォトレジストだけ露光する。尚
照射光L2 の積算光量は約200mJ/cm2 となるよ
うに照射される。これによりプラスチック成形品10の
内側のフォトレジストの平面部と側面部とはそれぞれ1
回ずつ露光される。従ってプラスチック成形品10の内
側のフォトレジストには電気回路の微細パターンの潜像
が形成される。
【0040】露光後、プラスチック成形体10の表面の
フォトレジストを1%炭酸ソーダ溶液で1分間現像し、
露光された部分のみにエッチングレジストを形成し、塩
化第二鉄溶液でエッチングを行うことにより、パターン
状の金属層を有するプラスチック成形品が得られた。
尚、エッチングレジストは、エッチング終了後除去され
る。
【0041】ところで、上述したパターン状の金属層を
有するプラスチック成形品を製造するには、平行光L1
及び照射光L2 を発生するための光源が重要な要素とな
る。図4及び図5は本発明のパターン状の金属層を有す
るプラスチック成形品の製造に用いられる光源を示す図
である。図6は図5の光源の平面配置図である。
【0042】図4に示す光源は、フォトマスク11の平
面部11aに対して垂直な方向に平行光線を照射する。
光源15は、ランプ(オーク製作所製、EXM−120
1)16と、楕円反射鏡17と、コールドミラー18,
19,20と、フライアイレンズ21と、凹面鏡22と
からなっており、図示しない支持部材で支持される。
【0043】ランプ16は無電極型の超高圧水銀灯であ
る。このランプ16で生じた散乱光は楕円反射鏡17で
集光された後、コールドミラー18で反射され、フライ
アイレンズ21を透過した後コールドミラー19,20
で反射され、さらに凹面鏡22で反射され、平行光L1
として平面部11aを照射するようになっている。尚、
光源15は図では1灯で平行光をフォトレジストに照射
するが、これに限定されるものではなく、2灯以上のラ
ンプを用いて平行光を照射するように構成してもよい。
【0044】図5及び図6に示す光源23は、図4に示
した光源15とは異なる位置から、平行光L1 とは異な
る角度でフォトマスク11を介してフォトレジストを照
射するための光源である。光源23は水銀灯24と、楕
円反射鏡25とからなっており、図示しない支持部材で
支持されている。4灯の光源23はプラスチック成形品
10に対して異なる位置から異なる角度(斜め)で照射
するように配置されている。尚、光源23の個数は図で
は4灯であるが、これに限定されるものではなく、プラ
スチック成形品10の形状に応じて灯数を増減したり配
置を変えてもよい。
【0045】次に実施例の作用を述べる。
【0046】立体構造を有するプラスチック成形品10
上に形成されたフォトレジストに対し、略垂直な方向か
ら露光させた後異なる方向からフォトレジストを露光さ
せると共に露光すべきフォトレジストの面以外の面は遮
光マスク12,13,14で遮光するので、フォトレジ
ストの露光すべき面が複数回露光されることがないた
め、フォトマスク11の微細パターンが忠実に、しかも
にじむことなくフォトレジストに照射され、微細パター
ンの潜像がフォトレジストに形成される。このフォトレ
ジストをエッチングすることによりフォトレジストの微
細パターンが形成される。この金属めっき層はこの微細
パターンに従ってエッチングされ、最終的にはプラスチ
ック成形品10の表面に微細パターン状の金属層が形成
される。
【0047】フォトレジスト膜用のエッチングレジスト
として電着レジストを用いた場合は、ドライフィルムレ
ジストと比較して肉厚を薄く、かつ均一に塗布すること
ができる。このため金属めっき層の表面に均一な厚さの
レジスト膜が形成されるので、より微細なパターンを形
成することができる。また、フォトレジストを異なる方
向から照射するので、立体的なフォトマスクを製作する
のが容易となる。従って従来は工業的に有利に製造でき
なかった立体構造を有するプラスチック成形品を容易に
製作することができる。
【0048】プラスチック成形品10の電子部品を搭載
すべき場所にその電子部品の形状、大きさに合わせた凹
部3,4を形成した場合には、電子部品搭載時の位置合
わせが確実になり、はんだ付けの信頼性が向上する。電
子部品搭載後はプラスチック成形品10の凹部3、4が
その電子部品で埋められて平面状になるので、メカ部品
等他の部品が安定して収納され、部品の集積度が向上
し、機器の小型化に大きく寄与する。さらに凹部3,4
の内部にも回路を形成することにより、配線の自由度が
向上する。尚、本実施例では立体構造を有する引出し型
のプラスチック成形品10の内側にパターン状の金属層
を形成する場合で説明したが、これに限定されるもので
はなく外側に形成してもよく他の形状のプラスチック成
形品の表面にパターン状の金属層を形成してもよい。
【0049】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0050】フォトレジストを露光する際に、複数の方
向からフォトレジストを露光させると共に露光すべきレ
ジストの面以外の面は遮光マスクで遮光することによ
り、フォトレジストが均等に露光されるので、立体構造
を有するプラスチック成形品の表面に微細パターン状の
金属層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパターン状の金属層を有するプラスチ
ック成形品の製造方法の一実施例を示す図である。
【図2】立体構造を有するプラスチック成形品の一例の
外観斜視図である。
【図3】図2に示したプラスチック成形品のA−A線断
面図である。
【図4】本発明のパターン状の金属層を有するプラスチ
ック成形品の製造に用いられる光源を示す図である。
【図5】本発明のパターン状の金属層を有するプラスチ
ック成形品の製造に用いられる光源を示す図である。
【図6】図5に示した光源の平面配置図である。
【符号の説明】
1,10 プラスチック成形品 11 フォトマスク 12,13,14 遮光マスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 秀樹 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立体構造を有するプラスチック成形品を
    形成し、その表面を粗面化して得られた粗化面上に金属
    めっきを施し、金属めっき層の上にフォトレジスト膜を
    形成し、電気回路のパターンを有するフォトマスクを介
    して露光した後エッチングを施すことにより上記プラス
    チック成形品の表面に電気回路のパターン状金属層を形
    成したパターン状の金属層を有するプラスチック成形品
    の製造方法において、上記プラスチック成形品に該プラ
    スチック成形品の形状に合わせてフォトマスクを密着さ
    せた後フォトレジストを露光する際に、複数の方向から
    フォトレジストを露光させると共に露光すべきレジスト
    の面以外の面は遮光マスクで遮光することを特徴とする
    パターン状の金属層を有するプラスチック成形品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 上記フォトレジスト膜用のエッチングレ
    ジストとして電着レジストを用いた請求項1記載のパタ
    ーン状の金属層を有するプラスチック成形品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記プラスチック成形品の電子部品を搭
    載すべき場所にその電子部品の形状、大きさに合わせた
    凹部を形成した請求項1又は2記載のパターン状の金属
    層を有するプラスチック成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記凹部の内部に電気回路のパターンを
    形成した請求項3記載のパターン状の金属層を有するプ
    ラスチック成形品の製造方法。
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