JPH07286134A - ワニスの使用方法 - Google Patents

ワニスの使用方法

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JPH07286134A
JPH07286134A JP10326394A JP10326394A JPH07286134A JP H07286134 A JPH07286134 A JP H07286134A JP 10326394 A JP10326394 A JP 10326394A JP 10326394 A JP10326394 A JP 10326394A JP H07286134 A JPH07286134 A JP H07286134A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリイミド前駆体を含有するワニスを使用す
る場合において、ワニスの輸送又は、保管時には、溶剤
成分中に特定の溶剤の少なくとも1種を90重量%以上含
有し、ワニスの使用時には、他の特定の溶剤の少なくと
も1種を配合して使用するワニスの使用方法。 【効果】 本発明の使用方法により、ワニスの輸送、又
は保管時の粘度変化を極力抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶の配向を制御する
液晶配向膜、或いは、液晶カラーフィルターの保護膜等
のポリアミック酸系ワニスに関するものである。特に、
ワニスの経時変化に対して安定なワニスを供給するもの
である。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、低電圧駆動、低消費電
力、薄型表示素子、等の特徴により時計をはじめ、電
卓、TV、ワープロ、パソコン等、各種の表示素子とし
て使用される様になってきた。そして、今後ますますそ
の用途を広げようとしている。それを支える技術として
は、セルの基板、スペーサー、光源、駆動技術、液晶材
料、表示方式、シール材、カラーフィルター、電極技
術、配向膜等の数々の技術開発が行われており、これら
の技術が同時に平行して完成されて初めて優れた液晶表
示素子となる。しかし現在は未だ色々な問題が残されて
いる。一つ配向膜の分野においても、配向膜の塗布性
(はじきの発生等)、ティルト角の大きさ、ティルト角
の安定性、配向むら、ワニスの化学的安定性等、種々の
問題がある。液晶の配向膜としては、無機系配向膜、及
び有機系配向膜に分類されるが、一般的には、ライン生
産に適した有機系配向膜が用いられている。又、有機系
配向膜においては、ポリビニルアルコール、ポリイミド
等の高分子膜が用いられているが、これらの中では、耐
熱性、配向制御性、安定性等が他の有機高分子膜と比較
して良い事から、ポリイミド系高分子膜が用いられる様
になってきた。
【0003】しかし、液晶表示素子が多方面に使用され
る様になってくると、より表示品質の高い表示素子が求
められる様になり、又、より作業性の良い配向剤が要求
される様になっている。ポリイミド系配向剤は、通常ポ
リアミック酸の溶液として使用されている。その溶媒と
して、一般的には、非プロトン性極性有機溶媒が用いら
れており、その具体例として、N−メチル−2−ピロリ
ドン(以後、NMPと記載する)、N−メチルカプロラ
クタム、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジ
エチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、
N−メチルプロピオンアミド、γ−ブチルラクトン等の
極性溶媒が用いられている。しかし、これらの溶剤のみ
では、実用的には、塗膜に“はじき”が発生し、基板上
に均一膜を形成する事が出来ない。従って、これらの溶
剤に加えてはじき性改良等の目的でセロソルブ系溶剤等
が併用されている。
【0004】ポリイミド前駆体を含有するワニスは一般
にセロソルブ系溶剤を含有する場合温度に対して不安定
であり、室温に放置してさえもワニスの粘度が変化しや
すく、その保存においては、低温で保存する処置がとら
れている。又、これらの輸送に当たっては、低温輸送等
の特別の配慮がなされているほどである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリイミド
前駆体を含有するワニスのこのような粘度の不安定さを
改良する事を課題とする。従来、ポリアミック酸の溶剤
としては、前述したような有極性溶剤、セロソルブ系溶
剤(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル)等が用いられ
ている。しかし、後述するように、単にこれらの溶媒を
使用しても必ずしも満足のいく結果は得られていない。
ワニスは一般に印刷法、スピンナー法、吹き付け法、あ
るいは、浸漬法等により塗布され得るが、ワニスの粘度
の変化は、これらの作業工程において膜厚の変動の原因
となったり、あるいは印刷性不良の原因となったりして
安定な膜を形成する事が困難となる弊害が生じる。これ
らのワニスは保存時には、フリーザー内保管により比較
的安定に保たれるが、輸送時においては、しばしば常温
に放置されることも考えられる。粘度の変化は±10%以
内、好ましくは、5%以内が好ましいと思われる。これ
までこの様なポリアミック酸の粘度変化の防止方法につ
いてはあまり知られていない。
【0006】本発明は、ポリイミド前駆体を含有するワ
ニスの種々の問題点の中でワニスの安定性の改良に関す
るものであり、とりわけその粘度の経時変化を極力抑え
たワニスの使用方法に関するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリイミド前
駆体を含有するワニスの粘度変化の防止手段として、次
の方法による解決策を見いだしたものである。即ち、ポ
リアミック酸はNMP等の溶剤下では粘度は、殆ど変化
なく安定した粘度を維持することが可能であるが、セロ
ソルブ系、カルビトール系、トリグリコール系、プロピ
レングリコール系、ジ−あるいは、トリ−プロピレング
リコール系等のいわゆるグリコール系溶剤の下では、例
えば、室温保存の場合に、粘度が急落するワニスあるい
は、逆に粘度が上昇してしまうもの等がある。例えば、
NMPとブチルセロソロルブとの共存下では、経時変化
により、粘度が急激に低下しやすく、一方、ジアルキル
グリコール系溶剤(例えば、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル等)との併用では粘度が逆に上昇しやすい
傾向がある。粘度が低下するものと、上昇するものを併
用すると比較的安定した粘度を維持することも可能であ
るが、必ずしも十分とはいえない。
【0008】本発明では、安定した保存性を有するワニ
スを得る方法として、ポリイミド前駆体を含有するワニ
スを使用する場合において、ワニスの輸送又は、保管時
には、溶剤成分中に下記A群の少なくとも1種を90重量
%以上含有し、ワニスの使用時には、下記B群の溶剤を
配合して使用するワニスの使用方法である。即ち、A
群:NMP、N−メチルカプロラクタム、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルプロピオン
アミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチルラクトン、
ジメチルイミダゾリジノンの中から少なくとも1種を溶
剤成分中90重量%以上含有したワニスを、保存あるいは
輸送し、ワニスの使用時に、塗布性の改善(ハジキ性の
改良、白化防止、等)等のために、B群:エチレングリ
コールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノ又はジアルキルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノ又はジアルキルエーテル、これらのアセテート類、プ
ロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノ又はジアルキルエーテル、トリプロピ
レングリコールモノ又はジアルキルエーテル、これらの
アセテート類、乳酸アルキル、3−メトキシ−3−メチ
ルブタノール、テトラリン、デカリン、イソホロン、マ
ロン酸ジアルキルを配合して使用する方法である。A群
の溶剤の中では特にNMPが毒性が低いこと、引火点が
高いこと(95℃)等から輸送等の面からは好ましい(航
空輸送時にもIATAに該当しない)。又、これらの溶
剤の含有量は98〜60重量%程度が好ましい。98重量%を
超えると他の溶剤を配合した時にポリマー濃度が小さく
なりすぎ、また60重量%未満ではワニスの粘度が高くな
りすぎ、取扱いが困難となるので好ましくない。
【0009】ポリイミド前駆体は、機構は明らかではな
いが、これら上記の溶剤中では安定した粘度を維持する
ことが出来る(実施例参照)。ワニスの輸送時や保管時
に使用されるA群の溶剤の他に、ワニスの粘度の経時変
化に支障のない程度に他の溶剤を含有する事は可能であ
るが、その量は、10重量%以内が好ましい。
【0010】10重量%以内含有され得る溶剤としては、
例えば、B群の溶剤等を挙げることができる。これらは
塗布性改良のために用いる事も可能である。粘度の経時
変化を生じにくい他の溶剤としては、乳酸アルキル、前
出のグリコール系溶剤のアセテート系溶剤、テトラリ
ン、デカリン、イソホロン等を挙げることが出来る。こ
れらも前出の溶剤と同様に塗布性改良を目的としても使
用出来る。しかし、これらの溶剤に限定するものではな
く、このような効果のある溶剤はすべて含むことができ
る。これらの溶剤は、ポリイミド前駆体に対しては必ず
しも溶解性が十分ではなく、前記NMP等の併用が必要
になり、その意味で、NMP等のA群の溶剤は必須成分
となる。
【0011】一方、使用時に配合し得る溶剤として、ワ
ニスの塗布性が要求されることから塗布性に効果を有す
る溶剤が可能であり、それらの例を挙げると以下の溶剤
等があげられる。即ち、エチレングリコールモノアルキ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、こ
れらのアセテート類、プロピレングリコールモノアルキ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエー
テル、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテ
ル、これらのアセテート類、乳酸アルキル、3−メチル
−3−メトキシブタノール、テトラリン、デカリン、イ
ソホロン、マロン酸ジアルキル等を挙げることができ
る。これらの中では、一般に表面張力の小さい溶剤が好
ましい事は言うまでもない。又、塗布時のポリイミド前
駆体の濃度としては、好ましくは1〜20重量%、更に好
ましくは2〜10重量%程度である。1重量%未満では、
膜厚が薄くなりすぎ、また20重量%を超えると均一な膜
の形成が困難となり、又、膜が厚くなりすぎるので好ま
しくない。
【0012】本発明におけるポリイミド前駆体として
は、一般式
【0013】
【化1】
【0014】(式中、R1 は4価の脂環式、又は芳香族
炭化水素、又は複素環式残基を主要構成成分とし、基中
にはハロゲン等の基を有するも可。R2 は2価の基を示
し、炭化水素残基を主要構成成分とし、基中に−O−、
あるいは−S−、あるいはハロゲン基や−CN等の基を
有するも可。)で示される構造単位を有するポリアミッ
ク酸が用いられる。即ち、ポリアミック酸としては、ピ
ロメリット酸二無水物の様な芳香族環を有するテトラカ
ルボン酸二無水物や、シクロブタン環等の脂環式テトラ
カルボン酸にジアミノ化合物を反応させて得られるポリ
アミック酸等が用いられる。
【0015】テトラカルボン酸二無水物としては、ピロ
メリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)スルホン二無水物、1,2,5,6−ナフタリン
テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタリ
ンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族系テトラカルボ
ン酸等を、又、脂環式テトラカルボン酸としては、シク
ロブタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、ビシクロ
オクタンや下記記載の脂環式テトラカルボン酸等を挙げ
ることができる。
【0016】
【化2】
【0017】又、ジアミノ化合物として、1,1−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキ
サン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−エチ
ルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]−4−nプロピルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]−4−nブチルシクロヘキサン、1,1−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−nペ
ンチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル]−4−nヘキシルシクロヘキ
サン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]−4−nヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−n
オクチルシクロヘキサン、
【0018】2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ペンタン、2,
2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘ
キサン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]ヘプタン、2,2−ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]オクタン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]ノナン、2,2−
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]デカ
ン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]ドデカン、
【0019】1,1−ビス[4−(4−アミノベンジ
ル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−
(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロ
ヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)
フェニル]−4−エチルシクロヘキサン、1,1−ビス
[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−nプロ
ピルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノ
ベンジル)フェニル]−4−nブチルシクロヘキサン、
1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]
−4−nペンチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−
(4−アミノベンジル)フェニル]−4−nヘキシルシ
クロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジ
ル)フェニル]−4−nヘプチルシクロヘキサン、1,
1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4
−nオクチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4
−アミノベンジル)フェニル]メタン、
【0020】4,4’−ジアミノフェニルエーテル、
4,4’−ジアミノジフェニルメタ4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルス
ルフィド、4,4’−ジ(メタ−アミノフェノキシ)ジ
フェニルスルホン、4,4’−(パラ−アミノフェノキ
シ)ジフェニルスルホン、オルト−フェニレンジアミ
ン、メタ−フェニレンジアミン、パラ−フェニレンジア
ミン、ベンジジン、2,2’−ジアミノベンゾフェノ
ン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジ
アミノジフェニル−2,2’−プロパン、1,5−ジア
ミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サメチルプロパン等の芳香族ジアミノ化合物、1,4−
ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロ
ヘキシルメタン等の脂環式ジアミノ化合物がある。しか
し、本発明で用いられるテトラカルボン酸二無水物やジ
アミノ化合物はこれらに限定されるものではない。
【0021】更に、酸無水物及びジアミノ化合物は2種
類以上を組合わせて用いることもできる。これらの原料
から合成されたポリイミド前駆体の濃度は、0.1〜40重
量%とすることができるが、通常のワニスの塗布手段
(例えば、スピンナー塗布、印刷塗布、浸漬塗布、スプ
レー塗布等)で用いるには、1〜10重量%程度の濃度が
適量である。
【0022】又、これらのポリイミド前駆体の一部がイ
ミド化されたポリアミド・イミドのワニスにおいても適
用することが可能である。
【0023】
【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例を示す。 実施例1〜5 1)母液1の製造 300mlのフラスコに攪拌装置、温度計、コンデンサー及
び窒素置換装置を付し、フラスコ内を窒素ガスにより置
換した後、脱水精製したNMP85.8mlを添加した。次い
で、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]オクタン10.0gを仕込み攪拌溶解した後、5℃に
氷冷した。次に、ピロメリット酸二無水物5.2gを一度に
投入し、冷却しながら攪拌反応させ、1時間反応後、パ
ラアミノフェニルトリメトキシシラン1.14gを加え、10
℃、1時間攪拌反応により16重量%でピロメリット酸二
無水物、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]オクタン及び、パラアミノフェニルトリメト
キシシランのモル比がそれぞれ8:7:1.8からなるポ
リアミック酸透明溶液が得られた。この溶液の25℃にお
ける粘度は、約1400cpsであった。この透明溶液を母液
1とする。
【0024】2)試料液の調合 母液1(ポリマー16重量%)及び母液1に本発明による
溶剤(NMP)をポリマーの量が8重量%濃度になるよ
うに調合し、よく混合して、粘度経時変化評価用試料と
した。 3)粘度変化の評価 50ccのガラス容器に各液を約30cc入れ、25℃に調節した
室内に試料を保存し、粘度の経時変化を測定した。 使用粘度計:ELD形回転粘度計(東京計器製) 測定温度:25℃ 尚、粘度の保持率は次式で表した。 粘度保持率=(経日後の粘度/テスト開始時の粘度)×
100 したがって、保持率としては100または100±10以内が好
ましい。
【0025】4)結果 実施例1,2は、ポリマー濃度8%及び16%のワニスを
室温で15日間放置した後の粘度の保持率を示したもので
ある。実施例3,4,5は実施例1の試料(15日経過し
たもの)にB群の溶剤を配合したワニスの粘度を初期の
同じ溶剤組成の試料の粘度で割った値を示している。
【0026】
【表1】
【0027】DMTG :トリエチレングリコールジメチルエ
ーテル DMCa :ジメチルカルビトール BC :ブチルセロソルブ 比較例1〜3 1)母液1の製造 前記の実施例1で用いた母液1を用い、前記の方法と同
様の方法で有機溶剤を混合し、室温に放置した際の粘度
の保持率を測定した。その結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】DMTG :トリエチレングリコールジメチルエ
ーテル DMCa :ジメチルカルビトール BC :ブチルセロソルブ 以上の実施例、及び比較例から判るようにポリイミド前
駆体はNMP中では安定であるが、グリコール系溶剤の
中では不安定であることが判る。従って、A群の溶剤中
で保存あるいは、輸送し、使用時にB群の溶剤を配合し
て使用すると、保存、あるいは、輸送中での粘度変化に
あまり気を使わず取り扱うことができる。
【0030】実施例6 実施例3の試料を用いて、下記の要領で液晶セルを作成
し、液晶の配向性を目視にて評価した。その結果、液晶
の配向性ドメインなくきれいに一方向に配向しているこ
とが認められた。
【0031】液晶セルの作成手順と配向性評価方法 導電膜としてインジウム錫オキサイドを蒸着した硝子基
板に実施例3のワニスを数滴滴下した後、2200rpmにて1
5秒間スピンナーにかけて塗布し、次いで100℃で60分間
加熱後、200℃にて90分間加熱硬化させて後、冷却後、
ラビング装置にて膜面上をラビングした。この基板を膜
面が互いに内側になるように相対して設置し、約10μの
ギャップとなる液晶用セル(アンチパラレルセル)を作
成した。このセルに液晶(ZLI-1132:メルク社)を注入
し、注入後、100℃まで一瞬加熱したあと室温まで放冷
し、液晶の配向状態を観察した。
【0032】
【発明の効果】以上の実施例及び、比較例から判るよう
に本発明の方法によれば、ポリイミド前駆体系ワニスを
安定な状態で保存あるいは輸送することが可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミド前駆体を含有するワニスを使用
    する場合において、ワニスの輸送又は、保管時には、溶
    剤成分中に下記A群の溶剤の少なくとも1種を90重量%
    以上含有し、ワニスの使用時には、下記B群の溶剤の少
    なくとも1種を配合して使用するワニスの使用方法。 A群:N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロ
    ラクタム、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
    メチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、
    N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオン
    アミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチルラクトン及
    びジメチルイミダゾリジノン。 B群:エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエ
    チレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、トリエ
    チレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、これら
    のアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエ
    ーテル、ジプロピレングリコールモノ又はジアルキルエ
    ーテル、トリプロピレングリコールモノ又はジアルキル
    エーテル、これらのアセテート類、乳酸アルキル、3−
    メトキシ−3−メチルブタノール、テトラリン、デカリ
    ン、イソホロン、マロン酸ジアルキル。
  2. 【請求項2】溶剤がN−メチル−2−ピロリドンである
    請求項1記載のワニスの使用方法。
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