JPH072787B2 - オレフイン重合体の製造法 - Google Patents

オレフイン重合体の製造法

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JPH072787B2
JPH072787B2 JP15577685A JP15577685A JPH072787B2 JP H072787 B2 JPH072787 B2 JP H072787B2 JP 15577685 A JP15577685 A JP 15577685A JP 15577685 A JP15577685 A JP 15577685A JP H072787 B2 JPH072787 B2 JP H072787B2
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益造 横山
浩一 加藤
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三菱油化株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、オレフイン重合体の製造法に関するものであ
る。更に詳しくは、極めて高い立体規則性重合能と活性
を有する触媒を用いてオレフイン類を重合させ、極めて
高い立体規則性及びポリマー性状に優れるオレフイン重
合体を製造する方法に関するものである。
先行技術 従来、ハロゲン化マグネシウムにチタン化合物を担持さ
せた固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とから成る
触媒系は、それまでの触媒系に比べて重合活性が高く、
重合体から触媒残渣を除去する必要が無くなると言われ
てきた。しかしながら、この担体型触媒は、立体規則性
が低くて、アタクチツクポリマー抽出工程の省略は不可
能とされてきたのであるが、近年、固体触媒成分として
ハロゲン化マグネシウム、チタン化合物に更に電子供与
体、特に特定のカルボン酸エステルを含有するものを利
用することにより、かなり立体規則性が改善された触媒
系が数多く提案されている(特公昭52-36786、同52-369
13、同52-50037各号公報等)。
しかしながら、これらの提案によれば、工業的に容認し
うるほどの立体規則性の高い重合体を得るためには、固
体触媒成分と有機アルミニウム化合物成分の他に電子供
与体成分、特に特定のカルボン酸エステルを使用する必
要があるのが普通であつた。その結果得られる重合体
は、固体触媒成分および重合時に用いた電子供与体成分
に由来する触媒残渣による発臭が大きな問題となつてい
た。即ち、この様な重合体の発臭原因を後処理により解
消することは困難であり、また製造上不利益である。
また、高度の立体規則性と活性を有し、しかもポリマー
性状のよい重合体の製造に用いられるエステル等の電子
供与体を含有する固体触媒成分は、固体触媒成分調製工
程で多量のTiCl4による加熱処理工程を必要とするのが
通常である。そのため、使用後のTiCl4の回収、処理な
ど触媒製造装置および操作が煩雑で、固体触媒成分製造
の技術的改善が望まれていた。
さらに、ハロゲン化マグネシウムとTiCl4及び電子供与
体成分を粉砕により接触させ、その後必要に応じハロゲ
ン化炭素化合物などの溶媒洗浄を施すことにより、多量
のTiCl4による加熱工程を必須としない固体触媒成分の
調製法も提案されているが、得られる重合体のポリマー
性状は充分でなく、改良が望まれる状態である。
ポリマー性状は、スラリー重合および気相重合等におい
てはきわめて重要である。たとえば、ポリマー性状が悪
いと重合槽内におけるポリマー付着、重合槽からのポリ
マー抜き出し不良等の問題が生じやすい。また重合槽内
のポリマー濃度は、ポリマー性状と密接な関係にあり、
ポリマー性状がよくないと重合槽内のポリマー濃度は高
くできない。ポリマー濃度が高くできないということ
は、工業生産上きわめて不利なことである。
カルボン酸エステルを用いないオレフイン重合用固体触
媒成分の製造法は、特開昭54−78786、同58−5309およ
び同58−5311各号公報などで提案されているが、これら
の方法では触媒活性及び特に得られるポリマーの立体規
則性等の点で未だ充分とは言えなかつた。
また、炭素数3以上のα−オレフインの重合において、
固体触媒成分と有機アルミニウム化合物成分にさらにSi
−O−C結合を有する有機ケイ素化合物成分を用いる提
案は、特開昭54−94590、同55−36203、特公昭58−2192
1、特開昭57−63310各号公報など提案されているが、い
づれも固体触媒成分あるいは重合時にカルボン酸エステ
ルを使用しているうえ、いづれも多量のTiCl4による加
熱処理工程を必要とするかまたは重合体のポリマー性状
が充分ではなく改良が望まれる状態であつた。
さらに、炭素数3以上のα−オレフインの重合におい
て、固体触媒成分および重合時にもカルボン酸エステル
を使用せず、固体触媒成分、有機アルミニウム化合物成
分およびSi−O−C結合を有する有機ケイ素化合物成分
を用いる例が特開昭56−41206および同57−63312各号公
報などに示されているが、いづれも立体規則性、活性お
よびポリマー性状の観点から工業的実用性に欠けており
技術的改良が望まれていた。
発明の概要 本発明は、触媒の存在下にオレフイン類を重合させてオ
レフイン重合体を製造する方法において、用いる触媒が
下記成分(I)、成分(II)及び成分(III)、成分
(I):(i)ジハロゲン化マグネシウムとチタンテト
ラアルコキシドとを接触させ、次いでこれに (但しRは炭化水素残基を示す) 構造を有するポリマーケイ素化合物を接触させて得られ
る固体成分と、(ii)ケイ素のハロゲン化合物及び/又
は(iii)四ハロゲン化チタン化合物との接触生成物で
ある成分(A)とケイ素のハロゲン化合物である成分
(B)及びチタンテトラアルコキシドである成分(C)
と接触させて得られる固体触媒成分、 成分(II):有機アルミニウム化合物、 成分(III):Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合
物、 から形成されるものであるオレフイン重合体の製造法を
提供するものである。
発明の効果 本発明の方法によれば、極めて高活性で更に活性の持続
性に優れかつオレフイン類の立体規則性を極めて高めた
重合が行える。その結果、極めて高い立体規則性を有し
かつ微粉が極めて少なく粒度分布の狭いまた嵩密度の高
いポリマー性状に優れた重合体が得られる。更に、本発
明の方法に用いる触媒形成成分にカルボン酸エステル等
の電子供与体を使用しないため、製品重合体の臭いが著
しく改善される。
また、本発明による固体触媒成分は、多量のTiCl4によ
る加熱処理工程を必要としないため、固体触媒の工業的
生産のうえで著るしく改善される。
発明の具体的説明 〔触媒〕 本発明に用いる触媒は、下記成分(I)、成分(II)及
び成分(III)から形成されるものである。
成分(I):(i)ジハロゲン化マグネシウムとチタン
テトラアルコキシドとを接触させ、次いでこれに (但しRは炭化水素残基を示す) 構造を有するポリマーケイ素化合物を接触させて得られ
る固体成分と、(ii)ケイ素のハロゲン化合物及び/又
は(iii)四ハロゲン化チタン化合物との接触生成物で
ある成分(A)とケイ素のハロゲン化合物である成分
(B)及びチタンテトラアルコキシドである成分(C)
を接触させて得られる固体触媒成分、 成分(II):有機アルミニウム化合物、 成分(III):Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合
物。
本発明に用いられる触媒の成分(i)の一成分であるジ
ハロゲン化マグネシウムとしては例えばMgF2、MgCl2、M
gBr2等がある。
またチタンテトラアルコキシドとしてはたとえば、Ti
(OC2H5、Ti(O-isoC3H7、Ti(O-nC4H9、T
i(O-nC3H7、Ti(O-isoC4H9、Ti(O-CH2CH(CH
3、Ti(O-C(CH3、Ti(O-C5H11
Ti(O-C6H13、Ti(O-nC7H15、Ti(OCH(C3H7
、Ti〔OCH(CH3)C4H9、Ti(OC8H17、Ti
(OC10H21、Ti〔OCH2CH(C2H5)C4H9等があ
る。
更に、 (但しRは炭化水素残基を示す)構造を有するポリマー
ケイ素化合物は、中でもRが炭素数1〜10程度、特に1
〜6程度の炭化水素残基であるものが好ましい。
このような構造単位を有するポリマーケイ素化合物の具
体例としては、メチルヒドロポリシロキサン、エチルヒ
ドロポリシロキサン、フエニルヒドロポリシロキサン、
シクロヘキシルヒドロポリシロキサン等があげられる。
それらの重合度は特に限定されるものではないが、取り
扱いを考えれば、粘度が10センチストーク程度となるも
のが好ましい。またヒドロポリシロキサンの末端構造
は、大きな影響をおよぼさないが、不活性基たとえばト
リアルキルシリル基で封差されることが望ましい。
本発明に用いる触媒の成分(i)は、上述のジハロゲン
化マグネシウムとチタンテトラアルコキシドとを接触さ
せ、次いでこれにポリマーケイ素化合物を接触させて得
られるものである。この3成分の接触法は特に限定され
るものではないが一般に、−100〜200℃、好ましくは、
0℃〜70℃の温度範囲で接触させればよい。接触時間
は、通常10分から20時間程度、好ましくは、0.5〜5時
間である。
上記3成分の接触は、撹拌下に行なうことが好ましいボ
ールミル、振動ミル等による機械的な粉砕によつて、接
触させることもできる。3成分の接触の順序は、ジハロ
ゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコキシドを接触
させて、次いでポリマーケイ素化合物を接触させる。
また、上記3成分の接触は、分散媒の存在下に、行なう
こともできる。その場合の分散媒としては炭化水素、ハ
ロゲン化炭化水素、ジアルキルポリシロキサン等があげ
られる。炭化水素の具体例としてはヘキサン、ヘプタ
ン、トルエン、シクロヘキサン等があり、ハロゲン化炭
化水素の具体例としては塩化n−ブチル、1,2−ジクロ
ロエチレン、四塩化炭素、クロルベンゼン等があり、ジ
アルキルポリシロキサンの具体例としてはジメチルポリ
シロキサン、メチル−フエニルポリシロキサン等があげ
られる。
上記3成分の使用量は、本発明の効果が認められるかぎ
り任意のものでありうるが、一般的には次の範囲が好ま
しい。チタンアルコキシドの使用量は、ジハロゲン化マ
グネシウムに対してモル比で0.1〜10の範囲内でよく、
好ましくは1〜4の範囲内である。ポリマーケイ素化合
物の使用量は、ジハロゲン化マグネシウムに対してモル
比で1×10-2〜100の範囲内でよく、好ましくは0.1〜10
の範囲内である。
かくして製造された本発明に用いる触媒の成分(i)
は、チタン、マグネシウム、ハロゲン及びケイ素を含有
し、ハロゲンとマグネシウムのモル比が0.4以上2未
満、好ましくは1.0〜1.8の範囲にあり、この成分(i)
の比表面積は、多くの場合小さくて通常10m2/g以下であ
り、大部分は3m2/g以下である。
本発明に用いられる触媒の一成分である成分(ii)はケ
イ素のハロゲン化合物である。例えば、 R 4−nSiX(但し、R2はC1〜10の炭化水素残基
を、Xはハロゲン原子を、nは1〜4の数をそれぞれ示
す)で表わされる化合物が使用できる。更に具体的に
は、SiCl4、SiBr4、CH3SiCl4、C2H5SiCl3、C3H7SiCl3
C4H9SiCl3、C6H13SiCl3、C6H11SiCl3、C6H5SiCl3、CH3C
6H4SiCl3、C2H3SiCl3、(C2H52SiCl2、(C6H52SiCl
2、(CH33SiCl等がある。
これらケイ素のハロゲン化合物は2種以上組合せて使用
することができる。
本発明に用いられる触媒の一成分である成分(iii)は
四ハロゲン化チタンである。四ハロゲン化チタンとして
は、TiCl4などが挙げられる。
上述の成分(i)と、成分(ii)及び/又は成分(ii
i)の接触生成物である成分(A)の各成分の使用量
は、本発明の効果が認められるかぎり任意のものである
が、一般的には次の範囲内が好ましい。
成分(ii)及び成分(iii)の使用量は、成分(i)を
構成するジハロゲン化マグネシウムに対して、モル比で
1×10-2〜100の範囲内でよく、好ましくは0.1〜10の範
囲内である。
成分(A)を得る成分(i)と、成分(ii)及び/又は
成分(iii)の接触方法は特に限定されず任意の方法で
行なうことができる。この接触は、一般に−100〜200
℃、好ましくは0〜100℃の温度範囲で接触させればよ
い。接触時間は、通常10分から20時間程度、好ましくは
0.5時間〜5時間である。
成分(i)と、成分(ii)および/または成分(iii)
の接触は、撹拌下に行なうことが好ましい。またこの接
触は、分散媒の存在下に行なうこともできる。その場合
の分散媒としては、成分(i)を製造するときに使用す
べきものとして例示したものの中から選ぶことができ
る。
成分(B)は、ケイ素のハロゲン化合物である。このケ
イ素のハロゲン化合物は、上述した成分(ii)で定義さ
れたものと同様に定義される。成分(B)と成分(ii)
のそれぞれに用いられるケイ素のハロゲン化合物は、同
一でもそれぞれ異なる化合物であつてもよい。
成分(C)は、チタンテトラアルコキシドである。具体
的にはTi(O-C2H5、Ti(O-isoC3H7、Ti(O-nC4
H9、Ti(O-nC3H7、Ti(O-isoC4H9、Ti(O-
CH2CH(CH3、Ti(O-C(CH3、Ti(O-C5
H11、Ti(O-C6H13、Ti(O-C7H15、Ti(O-C
H(C5H7、Ti(O-C8H17、Ti(O-C10H21
などが挙げられる。
本発明に用いる触媒の成分(I)は、上述した成分
(A)と成分(B)及び成分(C)を接触させて得られ
る。
各成分(A)、(B)及び(C)の使用量は、本発明の
効果が認められるかぎり任意のものであるが、一般的に
は次の範囲内が好ましい。
成分(B)の使用量は、成分(A)を構成するジハロゲ
ン化マグネシウムに対して、モル比で約0.01〜約100、
より好ましくは約1〜約10の範囲内である。
成分(C)の使用量は、成分(B)に対してモル比で約
0.1〜約10、特に好ましくは約1〜5の範囲内である。
成分(A)、成分(B)及び成分(C)の接触方法は、
成分(A)〜(B)を一括ないし段階的にあるいは一回
ないし複数回接触させてなるものであり、種々の調製法
で得ることができる。具体的な調製法のいくつかを示せ
ば、下記の通りである。
成分(A)を成分(B)のケイ素のハロゲン化合物
と液相で接触させ、次いで成分(C)のチタンテトラア
ルコキシドを液相で接触させる。
成分(B)と成分(C)を液相で接触混合し、接触
混合物と成分(A)を液相で接触させる。
なお、接触は分散媒の存在下に行なうこともできる。そ
の場合の分散媒としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水
素等が挙げられる。炭化水素の具体例としては、ヘキサ
ン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等があり、ハ
ロゲン化炭化水素の具体例としては、塩化n−ブチル、
1,2−ジクロロエチレン、四塩化炭素、クロルベンゼン
等がある。
また、接触生成物成分(A)や固体触媒成分である成分
(I)の製造において、任意の工程で、任意の方法によ
り、アルミニウムのハロゲン化合物などのハロゲン化剤
を用いることができる。
本発明に用いられる有機アルミニウム化合物〔成分(I
I)〕は、一般式Al▲R5 n▼X3−n(但し、R5はC
1〜12の炭化水素残基を、Xはハロゲン原子又はアルコ
キシ基を、nは0<n≦3の数をそれぞれ示す)で表わ
される化合物である。
このような有機アルミニウム化合物は、具体的には、た
とえばトリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルア
ルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウ
ム、トリイソヘキシルアルミニウム、トリオクチルアル
ミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソ
ブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウ
ムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライ
ドなどがある。勿論、これらの有機アルミニウム化合物
を2種以上併用することもできる。
α−オレフインの重合において用いられる有機アルミニ
ウム化合物〔成分〔II〕〕と固体触媒成分である成分
(I)の使用比率は広範囲に変えることができるが、一
般に、固体触媒成分中に含まれるチタン原子当り1〜10
00、好ましくは10〜500(モル比)の割合で有機アルミ
ニウム化合物を使用することができる。
本発明に用いられるSi−O−C結合を有する有機ケイ素
化合物〔成分〔III〕〕は、少くとも一つのSi−O−C
結合を有する化合物、例えばアルコキシシラン、アリー
ロキシシランなどである。又、他の例としてはアルコキ
シ基を有するシロキサン類、カルボン酸のシリルエステ
ルなどをあげることができる。
より具体的には以下の如き化合物を例示できる。トリメ
チルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、te
rt−ブチルメチルジメトキシシラン、tert−ブチルメチ
ルジエトキシシラン、2−ノルボルナンメチルジメトキ
シシラン、2−ノルボルナンメチルトリエトキシシラ
ン、ジフエニルジメトキシシラン、メチルフエニルジメ
トキシシラン、ジフエニルジエトキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、フエニルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシ
ラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、フエニルトリ
エトキシシラン、クロルトリエトキシシラン、2−ノル
ボルナントリエトキシシラン、2−ノルボルネントリエ
トキシシラン、5−エチリデン−2−ノルボルナントリ
エトキシシラン、5−エチリデン−2−ノルボルナント
リメトキシシラン、テトラエトキシシランなど。
これらの中でとくに好ましいのは、フエニルトリメトキ
シシラン、フエニルトリエトキシシラン、2−ノルボル
ナントリエトキシシラン、2−ノルボルネントリエトキ
シシラン、5−エチリデン−2−ノルボルナントリエト
キシシラン、5−エチリデン−2−ノルボルナントリメ
トキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert
−ブチルトリエトキシシラン、メチルフエニルジメトキ
シシラン、メチルフエニルジエトキシシラン、2−ノル
ボルナンメチルジメトキシシラン、2−ノルボルナンメ
チルジエトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシ
シラン、tert−ブチルメチルジエトキシシランなどの如
きアルコキシ基を2個ないし3個有するアルコキシシラ
ンが特に好ましい。
上述の成分(III)の有機ケイ素化合物の量は通常、有
機アルミニウム化合物1モルに対して0.001〜1モル、
好ましくは0.01〜0.5モルの比率で使用される。
固体触媒成分である成分(I)、有機アルミニウム化合
物である成分(II)および有機ケイ素化合物である成分
(III)の接触ないし、混合順序ないし回数は任意であ
る。
かくして得られた触媒を本発明の方法に使用するが、本
発明の方法に用いるオレフイン類としては、エチレン、
プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルペ
ンテンなどのα−オレフインがあり、これらは単独重合
だけでなくこれら相互のランダム共重合、ブロツク共重
合を行うことができる。また、共重合に際しては共役ジ
エンや非共役ジエンのような多不飽和化合物も共重合オ
レフインとして用いることができる。
重合法としては、ヘキサン、ヘプタン等の不活性炭化水
素を溶媒とするいわゆるスラリー重合法、液化モノマー
を溶媒とする液相重合法あるいはモノマーがガス相とし
て存在する気相重合法などが可能である。
重合温度は一般に20〜150℃程度、好ましくは40〜100℃
程度、重合圧力は大気圧〜100気圧程度、好ましくは大
気圧〜50気圧程度である。重合体の分子量調節は、主と
して水素を用いる方法により実施される。
実験例 実施例1 〔成分(i)の製造〕 充分に窒素置換した300mlフラスコに、脱水および脱酸
素したn−ヘプタン50mlを導入し、次いでMgCl2(塩化
マグネシウム)を0.1モル、Ti(OBu)(テトラブトキ
シチタン)を0.2モル導入後、90℃にて2時間反応させ
て、MgCl2の炭化水素溶液を調製した。次いで、40℃に
温度を下げ、メチルハイドロジエンポリシロキサン(20
センチストークスのもの)を12ml導入して、3時間反応
させたところ、約40gの灰白色の固体が析出した。この
析出固体をn−ヘプタンで充分に洗浄して分析したとこ
ろ、この析出固体には12.1重量%のMgCl2が含まれてい
た。
〔成分(A)の製造〕
充分に窒素置換した300mlフラスコに、上記で合成した
固体成分(i)を20g含むヘプタンスラリー65mlを導入
した。次いで成分(ii)としてのSiCl47.5mlを15℃で加
えたのち15℃で2時間反応させ、次いで70℃に昇温し70
℃で2時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタン200m
l、50℃にて、デカンテーシヨンにより3回洗浄し、上
澄みを除去して成分(A)を得た。
〔成分(I)の製造〕
次いで温度を20℃に下げ、上記で得た成分(A)に成分
(B)としてのSiCl4を7.5ml加え分散後、フラスコを水
で冷却しつつ20℃で成分(C)としてのTi(OBu)417ml
を滴下ロートより滴下し、次いで70℃で4時間反応させ
た。その後上澄み液を除去し、n−ヘプタン200mlで、5
0℃にて、デカンテーシヨン法により固体を洗浄して目
的とする固体触媒成分(I)スラリーを得た(この固体
触媒成分(I)中にはチタンが4.60重量%含有されてい
た)。
〔プロピレンの重合〕
撹拌および温度制御装置を有する内容積1リツトルのス
テンレス鋼製オートクレーブに、真空−プロピレン置換
を数回くり返したのち、充分に脱水および脱酸素したn
−ヘプタンを500ml、フエニルトリエトキシシラン105mg
(成分(III))、トリエチルアルミニウム250mg(成分
(II))(Bi/Al=0.20モル比)および上記固体触媒成
分(I)スラリーよりTi原子換算で0.5mgをプロピレン
雰囲気下でこの順序で導入し、水素100mlを加えて重合
を開始した。重合は、プロピレン圧力7kg/cm2G、70℃で
3時間行なつた。重合終了後、残存モノマーをパージ
し、ポリマースラリーを別して、粉体ポリマーの乾燥
および液の濃縮によりそれぞれの生成ポリマー量を求
めた。
この粉体ポリマーの立体規則性(以下製品IIという)
は、沸騰n−ヘプタン抽出試験により求めた。また、全
II(全生成ポリマー量に対する沸騰n−ヘプタン不溶性
ポリマー量の割合)は、全II=粉体ポリマー量×製品II
/(粉体ポリマー量+液濃縮ポリマー量)なる関係式
で求めた。これらの結果を表−1に記す。
実施例2 実施例1の固体触媒成分(I)の製造において、成分
(i)と成分(ii)のSiCl4の反応後(成分(A)の製
造)、成分(B)及び(C)との接触法としてSiCl4とT
i(OBu)を事前に混合反応させたものを使用して成分
(I)の製造を行つた。それ以外は実施例1と全く同様
に製造を行い、更にプロピレンの重合も実施例1と全く
同様に行つた(得られた固体触媒成分はチタンが4.85重
量%含有されている)。重合の結果を表−1に記す。
実施例3〜6 実施例1の固体触媒成分(I)の製造において、固体組
成物(i)と接触反応させる成分(ii)のSiCl4の量を
8.7mlとし、さらに接触生成物(A)と反応させるケイ
素のハロゲン化合物成分(B)及びチタンテトラアルコ
キシド成分(C)をそれぞれ表−2に示す化合物とした
以外は実施例1と全く同様に行い、更にプロピレンの重
合も実施例1と全く同様に行つた。これらの結果を表−
2に記す。
実施例7〜11 〔成分(i)の製造〕 充分に窒素置換した10の撹拌装置を備えたセパラブル
フラスコに、脱水および脱酸素したn−ヘプタン1.5
を導入し、次いでMgCl2を3モル、Ti(OBu)を6モル
導入後、90℃にて2時間反応させてMgCl2の炭化水素溶
液を調製した。次いで、メチルハイドロジエンポリシロ
キサン(20cps)を360ml加えて40℃で3時間反応させた
ところ、約1.2kgの灰白色の固体が析出した。この析出
固体をn−ヘプタンで充分に洗浄して分析したところ、
この析出固体には12.1重量%のMgCl2が含まれていた。
〔成分(A)の製造〕
この析出固体から1kgを2.5のスラリーとしてサンプリ
ングして、上記と同様の10のセパラブルフルスコに入
れた。次いで、SiCl4(成分(ii))435mlを15℃で加え
たのち15℃で2時間反応させ、次いで60℃に昇温し、60
℃で4時間反応させた。反応終了後、デカンテーシヨン
により上澄みを除去し、n−ヘプタン7、50℃にて、
デカンテーシヨンにより5回洗浄して、目的とする接触
生成物(成分(A))を得た。
このスラリーの一部をサンプリングして、n−ヘプタン
を蒸発乾固後に分析したところ、固体中には、4.20重量
%のチタンが含まれていることが判つた。
〔成分(I)の製造〕
上記で合成した接触生成物〔成分(A)〕4.94gを含む
スラリーを、充分に窒素置換した300mlフラスコにサン
プリングし、上澄みを除去する。
次いで表−3に示すSiCl4量を加え(成分(B)の導
入)分散後、15℃で、表−3に示すTi(OBu)量とn
−ヘプタン15mlを滴下し(成分(C)の導入)、次いで
表−3に示す反応条件で反応させた。その後上澄みを除
去し、n−ヘプタン200ml、50℃にて、デカンテーシヨ
ンにより固体を洗浄して、目的とする固体触媒成分
(I)スラリーを得た。
〔プロピレンの重合〕
上述の様にして製造した触媒成分(I)を用いたことの
他は、実施例1と同様にプロピレンの重合を行つた。そ
の結果を表−3に示す。
比較例1〜4 実施例7で製造した接触生成物成分(A)を4.94g含む
スラリーを、充分に窒素置換した300mlフラスコにサン
プリングし、上澄み液を除去する。次いで表−4に示す
処理剤にて、表−4に示す反応条件で反応させた。反応
終了後上澄み液を除去し、n−ヘプタン200ml、50℃に
て、デカンテーシヨンにより固体を洗浄して、触媒成分
(I)に代わる固体触媒成分スラリーを得た。
この触媒成分を成分(I)の代りに用いた以外はプロピ
レンの重合は実施例1と全く同様に行つた。これらの結
果を表−4に記す。
比較例5〜6 実施例2におけるプロピレンの重合において、フエニル
トリエトキシシランを表−5に示す安息香酸エチルの各
使用量に変えた以外は実施例2と全く同様に実験を行つ
た。その結果を表−5に示す。
実施例12〜15 実施例2におけるプロピレンの重合において、フエニル
トリエトキシシランを表−5に示す有機ケイ素化合物に
変えた以外は実施例2と全く同様に実験を行なつた。そ
の結果を表−5に示す。
実施例16 〔成分(A)及び成分(I)の製造〕 充分に窒素置換した300mlフラスコに、実施例1で合成
した固体成分(i)を20g含むヘプタンスラリー85mlを
導入した。次いで成分(iii)のTiCl45.5mlとn−ヘプ
タン25mlを20℃で滴下ロートで加えたのち20℃で1時間
反応させ、次いで80℃に昇温し80℃で2時間反応させ
た。反応終了後、デカンテーシヨンにより上澄みを除去
し触媒成分(A)を得た。これを続いて温度を20℃に下
げ、成分(B)のSiCl4を7.5ml加え分散後、フラスコを
水で冷却しつつ20℃で、成分(C)のTi(OBu)417mlを
滴下ロートより滴下し、次いで90℃で2時間反応させ
た。その後上澄み液を除去し、n−ヘプタン200mlで、5
0℃にて、デカンテーシヨン法により固体を洗浄して、
目的とする固体触媒成分(I)スラリーを得た(この固
体触媒成分中にはチタンが4.89重量%含有されてい
る)。
〔プロピレンの重合〕
上述の様にして製造した触媒成分(I)を用いた他は実
施例1と同様にプロピレンの重合を行つた。その結果を
表−6に示す。
実施例17〜20 実施例16の固体触媒成分(I)の製造において、それぞ
れ成分(iii)、成分(B)および成分(C)としてのT
iCl4、SiCl4およびTi(OBu)の使用量を表−6に示す
量に変えた以外は実施例16と全く同様に製造し、この触
媒成分を用いた以外は実施例16と同様にプロピレンの重
合を行つた。これらの結果を表−6に示す。
比較例7〜8 実施例16で用いた固体触媒成分(I)を用い、フエニル
トリエトキシシランの代りに、安息香酸エチルを表−7
に示す量を使用した以外は実施例1と同様にプロピレン
の重合を行つた。これらの結果を表−7に示す。
比較例9 実施例16で製造した触媒成分(A)を、実施例1のプロ
ピレンの重合において触媒成分(I)の代りに使用した
以外は、実施例1と同様にプロピレンの重合を行つた。
その結果、粉体ポリマーは得られなかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、チーグラー触媒に関する本発明の技術内容の
理解を助けるためのものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の存在下にオレフィン類を重合させて
    オレフィン重合体を製造する方法において、用いる触媒
    が、下記成分(I)、成分(II)及び成分(III)、 成分(I):(i)ジハロゲン化マグネシウムとチタン
    テトラアルコキシドとを接触させ、 次いでこれに (但しRは炭化水素残基を示す)構造を有するポリマー
    ケイ素化合物を接触させて得られる固体成分と、(ii)
    ケイ素のハロゲン化合物及び/又は(iii)四ハロゲン
    化チタン化合物との接触生成物である成分(A)とケイ
    素のハロゲン化合物である成分(B)及びチタンテトラ
    アルコキシドである成分(C)を接触させて得られる固
    体触媒成分、 成分(II):有機アルミニウム化合物、 成分(III):Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合
    物、 から成形されるものであるオレフィン重合体の製造法。
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