JPH07278647A - 回転熱処理炉 - Google Patents

回転熱処理炉

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JPH07278647A
JPH07278647A JP7174894A JP7174894A JPH07278647A JP H07278647 A JPH07278647 A JP H07278647A JP 7174894 A JP7174894 A JP 7174894A JP 7174894 A JP7174894 A JP 7174894A JP H07278647 A JPH07278647 A JP H07278647A
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JP
Japan
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furnace
heat
heat treatment
rotary
treated
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Application number
JP7174894A
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English (en)
Inventor
Masaaki Okuyama
雅章 奥山
Ryuichi Murakami
竜一 村上
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一な熱処理の実施が可能で、被熱処理材の
曲がりや歪みの発生を抑えることができると共に、被熱
処理材の吊設が簡便に行える竪型熱処理炉を提供する。 【構成】 本発明の回転熱処理炉は、炉体1と、炉体1
の上端開口部に着脱自在に配設された炉蓋2と、炉蓋2
の中心貫通孔2aに挿通され、炉蓋2の上部に配設され
た回転装置5に接続されている中心回転軸3と、中心貫
通孔2aの周辺の貫通孔2bにそれぞれ挿通され、動力
伝達機構を介して中心回転軸3に連結されている4つの
回転軸4と、各回転軸3,4の下端にそれぞれ接続され
た吊設治具6とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は回転熱処理炉に関し、更
に詳しくは、被熱処理材に対して均一な熱処理が可能
で、熱処理にともなう前記被熱処理材の曲がりや歪みの
発生を抑制することができ、曲がり等の規格が厳しいエ
ンジン用シャフトなどの熱処理に適した回転熱処理炉に
関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材の熱処理操作は加熱,冷却が基本操
作である。その際の加熱速度、加熱温度、保持時間、冷
却速度および冷却段階での保持方法(温度、時間)によ
って、使用目的に必要な特性を鋼材に具備させることが
可能となる。一般に、鋼材の熱処理に際しては、従来か
ら横型の連続式熱処理炉が採用されている。連続式熱処
理炉では、挿入口より被熱処理材が台車またはベルトコ
ンベアにより炉内へ挿入され、炉内で所定温度に一定時
間保持された後、他方の出口より取り出され、次いで、
冷却槽に投入されることにより所定の熱処理が施され
る。
【0003】例えば、航空機のエンジン用シャフト等に
ついても、従来から横型の熱処理炉による熱処理が行わ
れている。しかしながら、上記エンジン用シャフトは長
尺かつ大径であると共に膨出部などを有し、形状が一様
でない場合がある。このような長尺鋼材を横にして配置
し、連続式熱処理炉で熱処理を行うと、下方に作用する
重力により加熱保持中に鋼材が曲がることや、充分な均
熱状態にならず被熱処理材に歪みなどが発生することが
ある。特に、エンジン用シャフトの場合、この曲がりは
その用途において致命的な欠陥となるので、曲がりおよ
び歪みを極力抑制することが要請される。
【0004】そこで、エンジン用シャフトのように、曲
がりや歪みの発生を防止すべき長尺の被熱処理材の熱処
理に際しては、炉内における加熱保持中に曲げの力が加
わらないように、また全体が均一に加熱されるように、
被熱処理材を垂直に保持した竪型の熱処理炉が使用され
ることがある。竪型熱処理炉の場合、被熱処理材を炉体
上部から炉内に吊設する必要がある。その場合の吊設方
法としては、例えば、炉蓋の内部に、通常は棒状の形を
した吊設治具を配置し、また、被熱処理材の上端に、軸
方向に対して直交する方向に孔をあけ、ここへ通し棒を
挿通し、通し棒が被熱処理材の両側から延出した部分を
前記吊設治具に形成されている孔へ掛け渡すという方法
が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、被熱処理材
が長尺で大型である場合には、この被熱処理材を収容す
る竪型熱処理炉も大型のものが使用される。しかしなが
ら、大型の炉の場合、炉体内の温度分布は不均一になり
やすいため、炉内に吊設されている被熱処理材を均一に
加熱することはかなり困難である。
【0006】また、加熱後につづく焼入れ冷却時におい
ては、被熱処理材の熱容量が大きいため、冷却材が沸騰
して、被熱処理材の表面に気泡が発生する。そのため、
被熱処理材の表面には冷却材に接しない部分が生じ、均
一な冷却が進行しないことがある。このように竪型炉に
よる熱処理であっても、炉内温度分布の不均一や、焼入
れ冷却時の不均一冷却が原因となって被熱処理材に曲が
りや歪みの生ずることがある。
【0007】例えば、直径130mm、長さ2300m
mで下端から160mmの部分に外径320mm、長さ
40mmの膨出部を有するエンジン用シャフト153本
に対し、竪型の電気炉内で930℃に5時間保持後油槽
に浸漬して焼入れを行い、再び竪型の電気炉内で600
℃に6時間保持後空冷して焼戻しを行う熱処理を施した
ところ、41本に1mm以上の曲がりが発生していた。
(1mm以上の曲がりの発生率:27%) 一方、被熱処理材を竪型炉内に吊設する従来の吊設治具
では、被熱処理材の全重量が通し棒に掛かるので、加熱
処理中に、熱と重量とで通し棒が変形することがあっ
た。
【0008】また、従来の吊設治具は、材料を旋盤によ
り所定の軸形状に加工した後、所定位置に、通し棒を挿
通する孔をドリルであけなければならないと共に、吊設
する際も、前記通し棒を孔へ挿入するための位置決めに
手間が掛かっていた。本発明は、従来の竪型熱処理炉の
上記した問題を解決し、均一な熱処理の実施が可能で、
被熱処理材の曲がりや歪みの発生を抑えることができる
と共に、被熱処理材の吊設が簡便に行える竪型熱処理炉
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、長尺の被熱処理材を吊設する熱処理炉
であって、前記被熱処理材を回転させることを特徴とす
る回転熱処理炉が提供される。具体的には、上端が開口
し、炉壁に発熱体を有する炉体と、前記炉体の上端の開
口部に着脱自在に配設され、少なくとも1個の貫通孔を
有する炉蓋と、前記炉蓋の貫通孔に挿通された回転軸
と、前記炉蓋の上部に配設され、下端に前記回転軸が接
続されている回転装置と、前記回転軸の下端に配設さ
れ、前記被熱処理材が吊設保持される吊設治具とを備え
たことを特徴とする回転熱処理炉が提供される。
【0010】ところで、前記回転熱処理炉において、複
数本の被熱処理材に熱処理を施す場合、1個の貫通孔を
前記炉蓋の中心位置に形成し、かつ、その中心貫通孔の
周辺に複数個の貫通孔を形成し、前記複数個の貫通孔に
挿通されると共に、前記回転軸に動力伝達機構を介して
連結され、下端にそれぞれ前記吊設治具が配設された複
数本の回転軸を備えた構成にすることが好ましい。
【0011】また、前記回転熱処理炉において、更に炉
内温度分布の不均一を解消するために前記炉蓋が回転機
構を介して炉体の上端開口部に回転自在に配設された構
成にすることが好ましい。更に、本発明では、被熱処理
材の設置が簡便に行えるように、前記回転熱処理炉で熱
処理される被熱処理材の一端に設けられた外径よりも小
径の吊り下げ部に係脱自在に係合する係合部を備えたこ
とを特徴とする吊設治具が提供される。
【0012】
【作用】本発明による回転熱処理炉は、回転装置に接続
された回転軸が、炉蓋に穿設されている貫通孔に挿通さ
れ、前記回転軸の下端に位置する吊設治具を介して被熱
処理材が炉体内に吊設されている。この状態で、回転装
置を作動させ、回転軸を回転させることにより被熱処理
材を回転させながら加熱保持する。ついで加熱保持終了
後、昇降移動装置により炉蓋ごと被熱処理材を吊り上
げ、冷却槽の位置まで移動し、被熱処理材を回転させた
まま冷却槽に浸漬し、焼入れを行う。その結果、被熱処
理材は加熱、冷却まで垂直に吊設されたままなので、長
手方向に曲げる力が加わらないと共に、被熱処理材が回
転させられているため、加熱時には熱が被熱処理材全体
に伝わり、冷却時には冷却材に被熱処理材全体が常に接
するようになるので、均一加熱、均一冷却が行われる。
【0013】また、前記回転熱処理炉の炉蓋に複数の貫
通孔をあけ、そこへ動力伝達機構を介してそれぞれ回転
可能な状態の複数本の回転軸を挿通し、各回転軸の下端
に吊設治具を介して被熱処理材を吊設した状態で上記と
同様に熱処理を行うことにより、一度に複数本の被熱処
理材に対し、均一加熱、均一冷却を施すことができる。
【0014】更に、前記炉蓋を回転機構を介して炉体の
上端開口部に回転自在に配設し、炉蓋自体も回転させる
ことにより、被熱処理材を自転させると共に、公転させ
ることができる。特に、複数本の被熱処理材を吊設した
場合、炉内温度分布の不均一が生じる可能性があるが、
自転だけではなく公転も加わることにより、炉内位置が
異なることによって生じた炉内における加熱温度の不均
一は解消される。
【0015】被熱処理材の一端に外径よりも小径の吊り
下げ部を形成し、前記吊り下げ部に係脱自在に係合する
係合部を備えた吊設治具を使用することにより、被熱処
理材を吊設する際に通し棒の位置決めなどの作業を省く
ことができ簡便に吊設作業を行うことができる。
【0016】
【実施例】以下に、添付図面に基づいて、本発明の実施
例を詳細に説明する。 実施例1 本発明の回転熱処理炉は、図1に示すように、炉体1
と、炉体1の上端開口部に着脱自在に配設された炉蓋2
と、炉蓋2の中心貫通孔2aに挿通され、炉蓋2の上部
に配設された回転装置5に接続されている中心回転軸3
と、中心貫通孔2aの周辺の貫通孔2bにそれぞれ挿通
され、動力伝達機構を介して中心回転軸3に連結されて
いる4つの回転軸4と、各回転軸3,4の下端にそれぞ
れ接続された吊設治具6とからなる。
【0017】炉体1は、長尺の被熱処理材7を吊設して
収容できるように縦長の円筒形状をしていて、鋼板製の
炉殻1aと、その内面全体に断熱材として組付けられた
耐火断熱煉瓦1bと、耐火断熱煉瓦1bの内面に配設さ
れた発熱体のニッケルクロム線1cとからなる。炉蓋2
には、図1および図2に示すように、中心貫通孔2a
と、その周辺に4つの貫通孔2bが形成されている。各
貫通孔2a,2bにはそれぞれ軸受け2cが嵌挿され、
炉蓋2の上部には、例えば、ワイヤー8を係止する係止
部2dが配設されている。
【0018】炉蓋2は、例えば、鋼板2eと、その炉体
側に組付けられた耐火断熱ファイバー2fとから成り、
この耐火断熱ファイバー2fによって炉内の熱逃散が防
止される。炉蓋2の係止部2dにはワイヤー8が掛けら
れ、このワイヤー8は、例えばクレーンのような昇降移
動装置(図示せず)のフック8aに係着されている。そ
して炉蓋2は、昇降移動装置で吊り上げられ、被熱処理
材7を吊設したまま冷却槽(図示せず)の位置まで移動
できるようになっている。
【0019】図1および3に示すように、中心回転軸3
は、炉蓋2の中心貫通孔2aに挿通されている。そし
て、回転軸4は、炉蓋2の中心貫通孔2aの周辺に設け
られた4つの貫通孔2bにそれぞれ挿通されている。中
心回転軸3および回転軸4の炉外に延出した部分には、
例えばスプロケッド9がそれぞれ設けられており、中心
回転軸3と各回転軸4とは、動力伝達機構として、例え
ば、チェーン10を介して連結されている。更に、各回
転軸3,4の下端には後述する吊設治具6との接続の際
に用いる、軸方向に直交する貫通孔(図示せず)が設け
られている。
【0020】尚、本実施例では動力伝達機構としてチェ
ーン10を用いたが、かかる目的を達成できればチェー
ン10に限定されるものではなく、例えば、ギヤを組み
合わせた構造であってもよい。回転装置5は、前記した
各回転軸3,4を介して被熱処理材7を回転させる働き
をするものであり、図1で示したように、モータ5aと
減速機5bとからなり、架台5cを介して炉蓋2の上部
に配設されている。
【0021】減速機5bの下端には中心回転軸3が接続
されており、上述のように、中心回転軸3とそれぞれの
回転軸4とはチェーン10を介して連結されているの
で、中心回転軸3を回転させることにより他の4つの回
転軸4も連動して回転させることができる。 回転装置
5はインバーターを使用することにより回転速度を任意
に変えることが可能であり、被熱処理材7の形状、材
質、所望する特性等により最適な回転速度を選択するこ
とができる。
【0022】吊設治具6には、従来から使われている吊
設治具を使用しても構わないが、本発明の吊設治具6
は、例えば、図4に示すように、回転軸3または4に接
続される接続部6Aと、被熱処理材7を係合する係合部
6Bとからなる。接続部6Aは、円柱形状をしており、
側部に軸方向に対して直交する方向に貫通孔6aが設け
られている。
【0023】係合部6Bは、接続部6Aの下端に一体的
に形成されていて、円柱形状の鋼材の側部を切り欠き、
内部をくり抜いた形状をしており、底面部に爪部6b,
6bと、U字状部6cと、爪部6b,6bの外縁に設け
られた堤状部6d,6dとを有している。係合部6B
は、図5の斜線で示したように、円柱形状の鋼材の側部
の一部を、長さL1 、径方向に深さHで切り欠き、次い
で、残余の鋼材の内部を所定の肉厚で外径に沿ってくり
抜き、また、図4、図6で示したように残余の底面部6
eの径方向にU字形に切り込みを入れて爪部6b,6b
とU字状部6cとを形成する。
【0024】尚、前記鋼材内部をくり抜く際、底面部6
eの爪部6bの外縁が所定高さだけ残るように加工して
堤状部6dを形成する。また、図4、図6に示すように
端面6fは外側に向かって広げられた形状に加工する。
上記した吊設治具6に吊設される被熱処理材7は、図4
に示すように、上端部に吊り下げ部7aが形成されてお
り、この吊り下げ部7aが吊設治具6に係脱自在に係合
される。
【0025】上記した吊り下げ部7aは、旋盤により被
熱処理材7の上端部を所望の幅で、所望の深さだけ溝状
に加工することにより形成される。熱処理材7の吊り下
げ部7aの直径は、前記係合部6BのU字状部6cの直
径、つまり爪部6b,6b間の幅Wの寸法より僅かに小
さく、被熱処理材7の吊り下げ部7aの溝幅の寸法は、
前記係合部6Bの堤状部6dの高さL2 の寸法より僅か
に大きくなるように、当該吊り下げ部7aが形成され
る。
【0026】吊設治具6は、爪部6b,6bにより被熱
処理材7の吊り下げ部7aを梳くようにして引っ掛け、
U字状部6cに合致させることにより被熱処理材7を係
合する。このとき、堤状部6d,6dは、係合された被
熱処理材7の位置ずれを抑制する。また、端面6fが外
側に向かって広げられた形状になっているので被熱処理
材を係合させやすくなっている。
【0027】吊設治具6と各回転軸3,4との接続は、
例えば、炉蓋2に挿通されている回転軸3または4の下
端に吊設治具6の接続部6Aを近づけ、図7に示すよう
に、貫通孔11a,11bを有する一対の吊設板11,
11で回転軸3または4と吊設治具6とを挟むようにし
て保持する。ここで、回転軸の下端に設けられた貫通孔
(図示せず)と各吊設板11の上方側の各貫通孔11a
とを位置決めし、通し棒12aを掛け渡すように挿通す
ると共に、吊設治具6の接続部6Aの貫通孔6aと各吊
設板11の下方側の各貫通孔11bとを位置決めし、通
し棒12bを掛け渡すように挿通する。更に、通し棒1
2a,12bの延出部分に設けられた各貫通孔12hに
それぞれストッパー13を挿通して、通し棒12a,1
2bを固定する。
【0028】尚、吊設治具6の形状はかかる目的を達成
できるものであれば円柱形状に限られるものではなく、
被熱処理材7の吊り下げ部7aを確実に係合できる形状
の爪部6bとU字状部6cと堤状部6dとを有する係合
部を備えており、被熱処理材7の軸と各回転軸3,4の
軸とが合致しているものであれば、例えば、角柱形状や
その他の形状でも構わない。
【0029】本実施例においては、回転軸を5本設置し
たが、回転軸の本数は熱処理する材料の寸法や、炉体の
大きさを勘案して、任意の本数だけ設置してもよい。ま
た、本発明の回転熱処理炉の加熱炉としては電気炉を用
いたが、かかる目的を達成できるものであれば電気炉に
限定されるものではなく、例えば燃焼炉を用いてもよ
い。 実施例2 実施例2は、実施例1において炉蓋2を回転自在にし、
被熱処理材7の自転に加えて公転も可能にした回転熱処
理炉であり、炉蓋2の回転に関する構造以外は実施例1
と同様である。以下実施例2について詳細に説明する。
【0030】実施例2の回転熱処理炉の炉蓋2は、図8
および9に示すように、炉蓋2の外縁に斜めにギヤ2g
が周設されており、炉体1の上端開口部に、回転機構と
して、例えば、スラストベアリング14を介して配設さ
れている。更に、炉蓋2を回転させるための第2の回転
装置15が炉蓋2の横に配置されている。回転装置15
にはヘリカルギヤ15aが接続してあり、炉蓋2の外縁
に周設されたギヤ2gとヘリカルギヤ15aがかみ合う
ことにより炉蓋2が回転させられる。
【0031】実施例2の回転熱処理炉では、加熱の際、
被熱処理材6を自転させると共に、公転もさせることが
できる。更に、冷却の際にも炉蓋2を公転させるために
は、加熱炉と同様に冷却槽の上端にもスラストベアリン
グ14と、炉蓋2を回転させる回転装置15とを配設さ
れることが好ましい。本発明の回転熱処理炉による熱処
理は次のようにして行われる。
【0032】先ず、被熱処理材7を吊設治具6に吊設す
る。次に、炉体1の発熱体1cに通電すると共に、回転
装置5を所定回転速度で動作させ、各回転軸3,4に吊
設されたそれぞれの被熱処理材7を回転させながら、所
定温度に所定時間保持する。加熱保持終了後、昇降移動
装置により炉蓋2ごと被熱処理材7を吊り上げ、冷却槽
の位置まで移動し、被熱処理材7を回転させたまま冷却
槽の中の冷却材へ浸漬し、焼入れを行う。
【0033】更に、焼入れした被熱処理材7を加熱炉に
移し、再び所定温度に所定時間保持し、その後空冷槽に
おいて空冷することにより焼戻しの作業を行う。以上の
ような操作により熱処理を施し、被熱処理材7に所定の
特性を具備させる。次いで、被熱処理材7を吊設治具6
より取り外し、吊り下げ部7aを切断すると共に、軸長
方向の寸法を規格通りにするための仕上げ加工を行うこ
とにより、被熱処理材7の回転熱処理作業が終了する。
【0034】実施例1の回転熱処理炉を使用して、曲が
り規格が1mm以下である直径130mm、長さ230
0mmで下端から160mmの部分に外径320mm、
長さ40mmの膨出部を有するエンジン用シャフトに対
して回転熱処理を行った。試験条件は、前記エンジン用
シャフトを4本炉内に吊設し、各シャフトを回転速度4.
3rpmで自転させながら、930℃に5時間保持後、
油槽に浸漬して油焼入れを行い、次いで、600℃に6
時間保持後、空冷し、焼戻しを行うという回転熱処理を
行った。
【0035】また、比較例として無回転の場合について
も同様に熱処理を行った。上述のような熱処理後のエン
ジン用シャフトに対して曲がりの測定をしたところ、図
10のような結果が得られた。図10の結果から明らか
なように、回転熱処理を施したエンジン用シャフトは1
mm以上曲がっているものはなく(1mm以上の曲がり
の発生率:0%)、曲がりが1mm以下という規格をす
べて満足していた。それに対して無回転で熱処理したエ
ンジン用シャフトは1mm以上曲がっているものがあ
り、曲がり不良を発生していた。
【0036】このことから、本発明の回転熱処理炉は、
被熱処理材の曲がりの発生を抑えて熱処理することがで
きるので、曲がりに対する規格が厳しい高速回転軸の熱
処理に適した熱処理炉である。尚、本発明の回転熱処理
炉では、被熱処理材の自転、公転の組合せや、それぞれ
の回転速度、処理する被熱処理材の本数は、それぞれ選
択が可能であるので、最適な条件で熱処理作業を行うこ
とが好ましい。
【0037】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
回転熱処理炉は、特に、長尺で段付の鋼材を垂直に吊設
保持したまま、回転装置により自転、更に必要に応じて
は公転させながら熱処理することが可能であるため、鋼
材に曲げの力が加わらないと共に、均一加熱、均一冷却
が行えるので、曲がりや歪みが少ない高品質の回転軸が
得られる。
【0038】また、本発明の回転熱処理炉で熱処理され
る被熱処理材を吊設する吊設治具は、被熱処理材の一端
に外径よりも小径の吊り下げ部を形成し、前記吊り下げ
部に係脱自在に係合する係合部を備えたことで、被熱処
理材を吊設する際の通し棒の位置決めなどの作業を省く
ことができ簡便に吊設できると共に、取り外しも簡単
で、引き続く他の被熱処理材の熱処理作業を円滑に行う
ことができる。更に、被熱処理材を一回の旋盤加工で吊
り下げ部まで加工できるので吊り下げ時の垂直精度が高
いと共に、加工の手間も省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の回転熱処理炉の構成図である。
【図2】炉蓋を上から見たときの平面図である
【図3】炉蓋に回転軸が挿通された状態を上から見たと
きの平面図である。
【図4】吊設治具および被熱処理材の吊り下げ部の外観
を示す斜視図である。
【図5】吊設治具6を横方向から見たときの平面図であ
る。
【図6】吊設治具6を下から見たときの平面図である。
【図7】回転軸と吊設治具との接続部分の外観を示す斜
視図である。
【図8】実施例2の回転熱処理炉の構成図である。
【図9】実施例2における炉蓋の外観を示す斜視図であ
る。
【図10】回転熱処理を施したエンジン用シャフトと、
無回転で熱処理したエンジン用シャフトとの曲がりの実
績を示すグラフである。
【符号の説明】
1 炉体 1a 炉殻 1b 耐火断熱煉瓦(断熱材) 1c ニッケルクロム線(発熱体) 2 炉蓋 2a 中心貫通孔 2b 貫通孔(周辺の) 2c 軸受け 2d 係止部 2e 鋼板 2f 耐火断熱ファイバー 2g ギヤ 3 中心回転軸 4 回転軸(周辺の) 5 回転装置(被熱処理材回転用) 5a モータ 5b 減速機 5c 架台 6 吊設治具 6A 接続部 6B 係合部 6a 貫通孔(接続部の) 6b 爪部 6c U字状部 6d 堤状部 6e 底面部 6f 端面 7 被熱処理材 7a 吊り下げ部 8 ワイヤー 8a フック 9 スプロケッド 10 チェーン 11 吊設板 11a,11b 貫通孔(吊設板の) 12a,12b 通し棒 12h 貫通孔(通し棒の) 13 ストッパ 14 スラストベアリング(回転機構) 15 回転装置(炉蓋公転用) 15a ヘリカルギヤ L1 切り欠き部の長さ L2 堤状部の高さ H 切り欠き部の深さ W 爪部間の幅
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27D 1/18 A 3/12 Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺の被熱処理材を吊設する熱処理炉で
    あって、前記被熱処理材を回転させることを特徴とする
    回転熱処理炉。
  2. 【請求項2】 上端が開口し、炉壁に発熱体を有する炉
    体と、 前記炉体の上端の開口部に着脱自在に配設され、少なく
    とも1個の貫通孔を有する炉蓋と、 前記炉蓋の貫通孔に挿通された回転軸と、 前記炉蓋の上部に配設され、下端に前記回転軸が接続さ
    れている回転装置と、 前記回転軸の下端に配設され、前記被熱処理材が吊設保
    持される吊設治具とを備えたことを特徴とする回転熱処
    理炉。
  3. 【請求項3】 1個の貫通孔が前記炉蓋の中心位置に形
    成され、かつ、前記貫通孔の周辺に複数個の貫通孔が形
    成され、前記複数個の貫通孔に挿通されると共に、前記
    回転軸に動力伝達機構を介して連結され、下端にそれぞ
    れ前記吊設治具が配設された複数本の回転軸を備えてい
    る請求項2の回転熱処理炉。
  4. 【請求項4】 前記炉蓋が回転機構を介して炉体の上端
    開口部に回転自在に配設されている請求項2または3の
    回転熱処理炉。
  5. 【請求項5】 前記回転熱処理炉で熱処理される被熱処
    理材の一端に形成された外径よりも小径の吊り下げ部に
    係脱自在に係合する係合部を備えたことを特徴とする吊
    設治具。
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