JP3368341B2 - 鋼の焼入れ方法及びその装置 - Google Patents
鋼の焼入れ方法及びその装置Info
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Description
の装置に関し、処理層にばらつきが生ぜず、さらに被処
理品の変形、歪みを防止したことを特徴とする。
く、危険区域をゆっくり冷やすことが原則である。従
来、特に変形、歪みを嫌う部品等の焼入れ方法として、
マルクエンチ、あるいは時間焼入れが採用され、冷却剤
として、ソルトあるいは高温焼入れ油が使用されてい
る。
マルテンサイト変態点以上の温度に保持したソルト浴
槽、あるいは高温焼入れ油槽に焼入れ温度に保持した被
処理品を投入し、マルテンサイト変態点直上で一度保持
し、被処理品が所定の温度になった後、引き上げて放冷
して変態を生じさせるか、あるいは時間焼入れを同時に
採用している場合は、変態点より低い温度に保持した第
二次槽に投入して変態を生ぜしめる方法が採用されてい
る。
いては、被処理品のマルクエンチになる対象部分は、約
0.8%Cに浸炭された部分であり、全浸炭中の最表面
だけに重点を置いたものであった。
定の均一温度に冷却するために行われている攪拌翼によ
る焼入れ油の攪拌は、その回転シャフト部から焼入れ油
に渦状に空気が吸い込まれ、さらに攪拌翼による焼入れ
油の循環過程で空気が混合して焼入れ油中に泡が発生
し、該泡が攪拌翼により焼入れ油中に拡散されて被処理
品の表面に付着して冷却にムラが生じ、その結果処理層
にばらつきが生じる場合があった。該現象は急冷のため
攪拌翼を高速回転させた場合にとくに著しいものであっ
た。
に攪拌するための攪拌翼、その循環路の構成のため、必
要以上に大きく構成されており、その結果冷却剤の流れ
にムラが生じ易く、被処理品の段取り状態、形状等によ
って焼入れ油の澱みが発生して冷却にムラが生じ、その
結果処理層にばらつき、さらに処理品の変形、歪み等が
生じる場合があった。
理品を取りまく環境、すなわち、気温、湿度、風の有無
等も処理層のばらつき、処理品の変形、歪み等が生じる
要因となっていた。
槽に投入する時間差、すなわち、ロットで投入される
際、シリンダ、あるいはクレ−ンによる長時間を必要と
する投入により、上下方向による投入時間のズレでロッ
ト間に冷却時間、冷却速度のばらつきが発生する原因と
もなっていた。
の、0.8%Cより低い炭素濃度を持つ部位の変態によ
る変形、歪み等のばらつきの発生は経験による段取り方
法や治具の改良に頼っているのが現状であった。
で、泡の発生による処理層のばらつき、冷却層の大型化
から生じる冷却ムラ、さらに処理品の変形、歪み等を防
止した焼入れ方法及びその装置を提供することを目的と
する。
め、本発明の方法の発明は、焼入れ槽より上方に設けた
貯油槽から前記焼入れ槽の底部に自然流入により焼入れ
油を供給してオーバーフローさせつつ被処理品を急冷
し、その後前記焼入れ槽の底部からの焼入れ油の供給を
停止あるいは制御して徐冷を行うものであり、さらに前
記徐冷に際して焼入れ槽内の焼入れ油を循環ポンプで上
下循環させるものである。
底部に開閉弁を介して前記焼入れ槽より上方に設けた貯
油槽からの焼入れ油の供給管路が連結され、別に前記焼
入れ槽からオーバーフローした焼入れ油の受け槽が設け
られ、さらに前記焼入れ槽の外側に循環ポンプを介して
焼入れ槽の上下を連結する循環路が構成されてなる構成
としたものである。さらに前記焼入れ油の供給管路の供
給源側を焼入れ槽より上方に設けた貯油槽の底部に連結
したものである。
ベステイブル1内のエレベータ4上に供給され、焼入れ
槽2内の焼入れ油5に浸漬して焼入れが行われる。そし
て本発明では、該浸漬に先立ち、あるいは浸漬と同時に
開閉弁7が開かれて焼入れ槽2より上方に設けられた貯
油槽6内の焼入れ油5が前記焼入れ槽2の底部から連続
的に供給され、被処理品18の急冷が行われ、急冷作用
を終えた焼入れ油5はオーバーフローして受け槽9に流
入する。
翼等で焼入れ油5を攪拌せず、焼入れ槽2の上方に設け
た貯油槽6からの焼入れ油5が連続的に供給させられて
被処理品18を急冷するため、従来のごとく、焼入れ油
5中に泡が発生することがない。
された焼入れ油が焼入れ槽内で循環させられることがな
く、常に一定温度(約摂氏150度)の焼入れ油が入れ
替わり状態で被処理品の周囲に制御供給されるため冷却
時間の短縮が図られる。
ば、摂氏230〜240度(Ms点近辺)になったこと
を確認して前記開閉弁7が閉じられ、焼入れ油5の供給
が停止される。その結果、焼入れ油5が被処理品8の保
有する熱により所定の温度、例えば摂氏250度に上昇
させられ、逆に被処理品8が所定温度まで冷却され、さ
らに徐冷が行われる。
させて焼入れ槽2内において焼入れ油5を循環させ、被
処理品18の内外と焼入れ油5の温度の均一化を図って
所定の温度まで冷却した後、該所定の温度となった被処
理品18を焼入れ槽2内で徐冷してもよい。
給が停止された結果、被処理品18の温度が必要以上に
上昇した場合には再び開閉弁7を開き、貯油槽6から焼
入れ油5を制御供給し、被処理品18を所定の温度まで
冷却する。
プ14を作動させると、冷却時、あるいは徐冷時に焼入
れ槽2内の上下温度差が生ずることがなく好ましいもの
である。その際焼入れ槽の底部にシャッター17を設け
た場合には該シャッター17を閉じた状態とするとよ
い。
細に説明する。図中1は焼入れベステイブルであり、下
方に焼入れ槽2が構成され、さらに内部に浸炭処理等を
終えた処理品の移送装置3を有するエレベ−タ4が設け
られている。図中5は焼入れ油である。
降の邪魔にならない大きさで、できる限り小さく構成す
ることが望ましい。その結果後に述べる焼入れ油5の流
速が早くなり冷却効果が高められる。
均等に焼入れ油5が供給されるように、後述する焼入れ
油5の供給管路8を複数の供給パイプ8a、8b、8c
・・に分岐し、焼入れ槽2の底部に所定間隔をあけて連
結している。そしてそれらを集約して開閉弁7を設け、
その先に前記焼入れ油5の供給管路8が連結され、該供
給管路8の供給源側を前記焼入れ槽2より上方に設けた
貯油槽6の底部に連結している。
c・・に変えて該供給パイプ8a、8b、8c・・部を
焼入れ槽2の底部と略同一の大きさに拡開した構成とし
てもよい。
入れ槽2の上方に設けた貯油槽6からの焼入れ油5が自
然に焼入れ槽2に流入する。さらに前記貯油槽内にはヒ
ータ16が設けられ、焼入れ油5が例えば摂氏150度
程度に加熱保持される。
槽2からオ−バ−フロ−した焼入れ油5を受け入れる受
け槽9が設けられる。該受け槽9は前記焼入れ槽2に近
接させて設けられ、さらにオ−バ−フロ−した焼入れ油
5を前記貯油槽6に返還供給することができるように適
宜構成される。図面実施例では受け槽9から設けた管路
10に開閉弁11及び循環ポンプ12を設け、該循環ポ
ンプ12の吐出口側の管路13を前記貯油槽6に連結し
てなる。
ンプ14を介して焼入れ槽2の上下を連結する循環管路
15が構成される。なお、前記循環ポンプ14は正逆自
在に焼入れ油5を供給できる構成のものが望ましい。図
中17は必要に応じて焼入れ槽2の底部に設けられるシ
ャッタ−であり、詳細を示していないが外部から開閉自
在に構成される。
ベ−タ4上に供給された被処理品18の下降に先立ち、
あるいは下降と同時に開閉弁7が開かれて貯油槽6から
連続的に焼入れ油5が供給される。そして、被処理品1
8が急冷され、被処理品18の冷却を終えた焼入れ油5
はオ−バ−フロ−して受け槽9に流入させられる。
ことを確認して、前記開閉弁7が閉じられ、焼入れ油5
の供給が停止させられる。その結果焼入れ槽2内の焼入
れ油5は被処理品18の保有する熱により所定の温度ま
で上昇させられ、逆に被処理品18が所定の温度まで冷
却される。
させられて焼入れ槽2内において焼入れ油5が循環させ
られ、被処理品18の内外と焼入れ油5の温度の均一化
が図られる。
品18の温度が上昇した場合には再び開閉弁7が開かれ
て貯油槽6から焼入れ油5が制御供給され、所定の温度
まで冷却される。その後所定の温度となった被処理品1
8は焼入れ槽2内でゆっくり冷却される。その際、焼入
れ槽2内の上下に温度差が生じないように循環ポンプ1
4を作動させてもよい。
験品)、すなわち、同一浸炭処理後のキ−溝付きスリ−
ブ(長さ100mm、直径60mm)の各種焼入れ処理
前後の変化量の平均値測定結果が示されている。なお、
図3はその測定位置を示し、また、表1中における
「上」、「下」は図2におけるキ−溝付きスリ−ブの上
下を意味する。
変化量の幅も従来方法に比べて小さく、被処理品の変
形、歪みの防止効果が優れていることが確認されたもの
であり、したがって、同時に処理層のばらつきも防止さ
れ、本発明の装置によれば前記方法を有効に実施できる
ものである。
等が不要であるため、焼入れ油中に泡が発生することが
なく、さらに理想的な焼入れ方式であるところの臨界区
域を早く、危険区域をゆっくり冷やすことができ、した
がって、被処理品に変形、歪み、さらには処理層のばら
つきが生じない等の効果を得ることができる。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 焼入れ槽より上方に設けた貯油槽から前
記焼入れ槽の底部に自然流入により焼入れ油を供給して
オーバーフローさせつつ被処理品を急冷し、その後前記
焼入れ槽の底部からの焼入れ油の供給を停止あるいは制
御して徐冷を行うことを特徴とする鋼の焼入れ方法。 - 【請求項2】 徐冷時に焼入れ槽内の焼入れ油を循環ポ
ンプで上下循環させることを特徴とする請求項1に記載
の鋼の焼入れ方法。 - 【請求項3】 焼入れ槽の底部に開閉弁を介して前記焼
入れ槽より上方に設けた貯油槽からの焼入れ油の供給管
路が連結され、別に前記焼入れ槽からオーバーフローし
た焼入れ油の受け槽が設けられ、さらに前記焼入れ槽の
外側に循環ポンプを介して焼入れ槽の上下を連結する循
環路が構成されてなることを特徴とする鋼の焼入れ装
置。 - 【請求項4】 焼入れ油の供給管路の供給源側を焼入れ
槽より上方に設けた貯油槽の底部に連結してなることを
特徴とする請求項3に記載の鋼の焼入れ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21458392A JP3368341B2 (ja) | 1992-07-20 | 1992-07-20 | 鋼の焼入れ方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21458392A JP3368341B2 (ja) | 1992-07-20 | 1992-07-20 | 鋼の焼入れ方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0633135A JPH0633135A (ja) | 1994-02-08 |
JP3368341B2 true JP3368341B2 (ja) | 2003-01-20 |
Family
ID=16658123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP21458392A Expired - Lifetime JP3368341B2 (ja) | 1992-07-20 | 1992-07-20 | 鋼の焼入れ方法及びその装置 |
Country Status (1)
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-
1992
- 1992-07-20 JP JP21458392A patent/JP3368341B2/ja not_active Expired - Lifetime
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