JP4752789B2 - 高周波焼入装置及び高周波焼入方法 - Google Patents
高周波焼入装置及び高周波焼入方法 Download PDFInfo
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Description
図5は、特許文献1に係る立体状ワークの無酸化高周波焼入装置の平面図である。
図5に示す無酸化高周波焼入装置100は、歯車(ワーク)Wを載置する複数のワーク受け101と、ワーク受け101が挿通されるターンテーブル102と、ターンテーブル102をステップ状に回転させる回転手段(図示せず)と、ワーク受け101を昇降させる昇降手段(図示せず)とを備えている。また、無酸化高周波焼入装置100は、歯車Wの経路に配設されたトンネル状の熱処理室104と、熱処理室104の入口全面を塞ぐ自動開閉扉105とを備えている。熱処理室104は、予備ゾーン106と、予熱ゾーン107と、本加熱焼入ゾーン108とを有している。そして、予熱ゾーン107には、並行に配置された一対の予熱コイル109が設けられている。また、本加熱焼入ゾーン108には、各ワーク受け101上に載置された歯車Wを取り囲むことが可能な環状の加熱コイル110が設けられている。さらに、熱処理室104の下方には、冷却液が収容された冷却液タンク(図示せず)が配設されている。
図6は、特許文献2に係る高周波焼入装置の側面図である。
図6に示す高周波焼入装置200は、歯車(ワーク)Wを載置する複数のワーク受け201と、ワーク受け201が備えられるターンテーブル202と、ターンテーブル202を回転させるワーク公転手段203と、ワーク受け201を昇降させるワーク昇降手段204と、ワーク受け201を回転させるワーク自転手段205とを備えている。また、高周波焼入装置200は、歯車Wの経路に配設された、予熱手段206と、本加熱手段207と、冷却手段208とを備えている。
ターンテーブル202の周縁部には、等間隔に複数の垂直ロッド210が挿通されている。そして、各ワーク受け201は、各垂直ロッド210の上端部に配設されている。各ワーク受け201は、ワーク自転手段205により垂直ロッド210を介して回転される。また、各ワーク受け201は、ワーク昇降手段204により垂直ロッド210を介して昇降される。
本加熱手段207は、ワーク受け201上に載置された歯車Wを取り囲むように水平に配設される環状の高周波加熱コイル213と、高周波加熱コイル213に高周波電力を供給するトランス214と、加熱コイル昇降装置215とを備えている。
また、本発明の別の目的は、一度に複数の軸状ワークに対して同時に焼入れを行うにあたって、全ての軸状ワークに対して均一に焼入れを行うことが可能な高周波焼入装置及び高周波焼入方法を提供することにある。
前記ワーク保持板を回転させる第一の回転手段とを備えてなり、
前記各ワーク保持手段が、軸状ワークを軸の延びる方向を鉛直方向として保持する高周波焼入装置であって、
前記ワーク保持板の外方であって、前記主軸を中心とする同心円上に円環状に配設された高周波加熱コイルと、
前記高周波加熱コイルの下方に配設された冷却手段と、
前記ワーク保持板を鉛直方向に移動させる移動手段と、
前記各ワーク保持手段に保持された前記軸状ワークを、前記軸を中心として回転させる第二の回転手段とを備えてなることを特徴とする。
前記加熱工程が終了した前記ワーク保持板に保持された前記各軸状ワークを冷却手段により冷却する工程とを有する高周波焼入方法であって、
前記高周波加熱コイルによる前記ワーク保持板に保持された前記各軸状ワークの加熱が、前記ワーク保持板を前記主軸を中心に回転させるとともに、前記各軸状ワークを前記軸を中心として回転させて、前記ワーク保持板に保持された全ての前記軸状ワークに対して同時に行われることを特徴とする。
また、本願請求項1記載の高周波焼入装置又は請求項2若しくは3記載の高周波焼入方法によれば、軸状ワークに対する焼入れを行う際に、軸状ワークを公転及び自転させつつ加熱及び冷却を行う構成により、一度に複数の軸状ワークに対して同時に焼入れを行うにあたって、全ての軸状ワークに対して均一に焼入れを行うことが可能となる。
なお、本発明に係る高周波焼入装置は、鋼製ボルト、鋼製歯車等の軸状ワークの焼入れを行うためのものである。本実施形態では、本発明に係る高周波焼入れ装置を鋼製ボルトの焼入れを行う高周波焼入装置として構成した場合を例にして説明する。
図1及び図2に示す高周波焼入装置1は、ワーク移動部2と、ワーク移動部2の外方に配設された高周波加熱コイル3と、高周波加熱コイル3の鉛直方向(図1及び図2における上下方向)下方に配設された冷却手段4とを備えてなる。
ワーク保持板10は、図1に示すように、円盤状に形成され、中心部に鉛直方向上方に延びる主軸11が配設されている。また、ワーク保持板10は、絶縁体により形成されている。ワーク保持板10の主軸11を中心とする同心円α上には、複数(本実施形態では8つ)のワーク保持手段12が等間隔で設けられている。
第一の回転手段20は、主軸11を介してワーク保持板10を周方向(図1における矢印A方向)に回転させることが可能なように構成されている。
移動手段21は、主軸11を介してワーク保持板10を鉛直方向に移動させることが可能なように構成されている。
冷却手段4は、図2に示すように、高周波加熱コイル3の鉛直方向下方に配設されている。冷却手段4は、本実施形態では、冷却水を噴射することが可能な冷却ノズルとして構成されている。そして、冷却手段4は、主軸11を中心とする同心円上に円環状に配設され、ワーク保持板10の各ワーク保持手段12に保持されたボルトBに対して冷却水Lを噴射することが可能となっている。
高周波焼入装置1の初期状態では、ワーク保持板10が、移動手段21により上昇され、高周波加熱コイル3の鉛直方向上方に配置された状態となっている。また、第二の回転手段30の両挟持軸31は、互いに開いた状態となっている。
高周波焼入装置1によりボルトBの焼入れを行う際には、まず、ボルトBが、初期状態の高周波焼入装置1のワーク保持板10のワーク各保持手段12に挿入される。
次に、第一の回転手段20によるワーク保持板10の回転が開始されるとともに、第二の回転手段30による各ワーク保持手段12に保持されたボルトBの回転が開始される。この場合、各ボルトBは、ワーク保持板10が回転されることにより主軸11を中心とする同心円α上を移動(以下、公転という)するとともに、各ボルトB自身も軸を中心として回転(以下、自転という)することとなる。
そして、第一の回転手段20によるワーク保持板10の回転が停止されるとともに、第二の回転手段30による各ワーク保持手段12に保持されたボルトBの回転が停止される。
さらに、第二の回転手段30によるワーク保持板10の各ワーク保持手段12に保持されたボルトBの挟持が解除され、ボルトBが、各保持手段12から取り出される。
以上により、高周波焼入装置1によるボルトBの焼入れが完了する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態においては、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、冷却手段4は、本実施形態では冷却ノズルとして構成されているが、冷却水を充填した冷却槽として構成しても構わない。
図4は、本発明例に係る高周波焼入装置により焼入れが行われたボルトの硬さと、比較例に係る高周波焼入装置により焼入れが行われたボルトの硬さとを比較する図である。
また、1回で8本のボルトの焼入れを行い、焼入れ最高温度は900℃を狙った。なお、焼入れされる各ボルトは、M10のサイズのものとした。
図4に示すように、比較例に係る高周波焼入装置により焼入れが行われたボルトは、硬さのばらつきが大きいのに対して、本発明例に係る高周波焼入装置1により焼入れが行われたボルトは、硬さがほぼ均一となっている。
2 ワーク移動部
3 高周波加熱コイル
4 冷却手段
B ボルト(軸状ワーク)
10 ワーク保持板
11 主軸
12 ワーク保持手段
20 第一の回転手段
21 移動手段
30 第二の回転手段
31 挟持軸
32 回転部
Claims (3)
- 鉛直方向に延びる主軸を中心に回転することが可能に配設され、前記主軸を中心とする同心円上に複数のワーク保持手段が設けられたワーク保持板と、
前記ワーク保持板を回転させる第一の回転手段とを備えてなり、
前記各ワーク保持手段が、軸状ワークを軸の延びる方向を鉛直方向として保持する高周波焼入装置であって、
前記ワーク保持板の外方であって、前記主軸を中心とする同心円上に円環状に配設された高周波加熱コイルと、
前記高周波加熱コイルの下方に配設された冷却手段と、
前記ワーク保持板を鉛直方向に移動させる移動手段と、
前記各ワーク保持手段に保持された前記軸状ワークを、前記軸を中心として回転させる第二の回転手段とを備えてなることを特徴とする高周波焼入装置。 - 鉛直方向に延びる主軸を中心に回転することが可能に配設されたワーク保持板の前記主軸を中心とする同心円上に、軸の延びる方向を鉛直方向として保持された複数の軸状ワークを高周波加熱コイルにより加熱する工程と、
前記加熱工程が終了した前記ワーク保持板に保持された前記各軸状ワークを冷却手段により冷却する工程とを有する高周波焼入方法であって、
前記高周波加熱コイルによる前記ワーク保持板に保持された前記各軸状ワークの加熱が、前記ワーク保持板を前記主軸を中心に回転させるとともに、前記各軸状ワークを前記軸を中心として回転させて、前記ワーク保持板に保持された全ての前記軸状ワークに対して同時に行われることを特徴とする高周波焼入方法。 - 前記冷却手段による前記ワーク保持板に保持された前記各軸状ワークの冷却が、前記ワーク保持板を前記主軸を中心に回転させるとともに、前記各軸状ワークを前記軸を中心として回転させて、前記ワーク保持板に保持された全ての前記軸状ワークに対して同時に行われることを特徴とする請求項2記載の高周波焼入方法。
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