JP4137435B2 - 熱処理装置及び熱処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円板状歯車を熱処理する熱処理装置及び熱処理方法に関し、例えば肉厚の薄い円板状歯車に好適な熱処理装置及び熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば自動車のドライブプレートとして、外周部に歯部が形成された円板状歯車が使用されている。歯部は、歯車の歯を構成する凹凸(山)が連続して形成されたものである。周知のように、歯部には焼入れなどの熱処理が施される。この熱処理の際には、一般に、円板状歯車に歪みが生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、円板状歯車の歪みを抑制する熱処理技術が種々提案されている(例えば、特開平9−302419号、特開2000−17328号、特開2001−20017号参照)。しかし、いずれの熱処理技術であっても、歪みを十分に抑制できるとは言い難い。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、円板状歯車を熱処理する際に歪みを十分に抑制できる熱処理装置及び熱処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の熱処理装置は、円板状歯車の外周部に形成された歯部を加熱する誘導加熱コイルを備え、該誘導加熱コイルで前記歯部を加熱して熱処理する熱処理装置において、
(1)前記円板状歯車のうち前記歯部よりも内側の部分の両面を押える押え機能と、前記誘導加熱コイルによって生成された交番磁束を遮蔽する遮蔽機能と、前記歯部の熱が前記内側の部分に伝導することを抑止する冷却機能とを有する押え治具を備えたことを特徴とするものである。
【0006】
ここで、
(2)前記押え治具は、磁性材で形成されたものであってもよい。
【0007】
さらに、
(3)前記押え治具は、前記歯部よりも内側の部分のうち前記歯部の歯元よりも0.5mm以上2.0mm以下離れた範囲内の部分を押えるものであってもよい。
【0008】
さらにまた、上記の熱処理装置は、
(4)前記歯部に冷却液を噴射する多数の冷却液噴射口が形成された冷却液流入管と、
(5)該冷却液流入管に冷却液を供給するために該冷却液流入管に接続された複数の冷却液供給部と、
(6)これら複数の冷却液供給部それぞれに接続されて各冷却液供給部からの距離が等しくなる位置に配置された複数の電磁バルブとを有する冷却器を備えてもよい。
【0009】
また、上記目的を達成するための本発明の熱処理方法は、円板状歯車の外周部に形成された歯部を誘導加熱コイルで加熱しながら、前記円板状歯車のうち前記歯部よりも内側の部分の両面を押え治具で押える熱処理方法において、
(7)前記円板状歯車から前記押え治具を取り外した後に該押え治具を冷却することを特徴とするものである。
【0010】
ここで、
(8)前記押え治具によって前記両面を押える際に、該押え治具によって、前記誘導加熱コイルによって生成された交番磁束を遮蔽すると同時に、前記歯部の熱が前記内側の部分に伝導することを抑止してもよい。
【0011】
さらに、
(9)前記円板状歯車を前記誘導加熱コイルで加熱する際に、前記円板状歯車と前記誘導加熱コイルを相対的に所定の回転速度で回転させながら加熱し、
(10)前記円板状歯車を加熱した後、前記所定の回転速度よりも遅い回転速度で前記円板状歯車と前記誘導加熱コイルを相対的に回転させながら前記円板状歯車の前記歯部を冷却してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0013】
図1を参照して、熱処理される円板状歯車を説明する。
【0014】
図1(a)は、円板状歯車を示す斜視図であり、(b)は、(a)のA―A断面図である。
【0015】
円板状歯車10は薄い円板状のものであり、その外周部の側面12には歯部14が形成されている。歯部14は、歯車の歯を構成する凹凸(山16)が連続して形成されたものである。歯部14のうち側面12に接触している部分は歯元18である。
【0016】
歯元18よりも内側の部分20(平坦部20)は平らである。この平坦部20よりもさらに内側には傾斜面22が形成されている。なお、円板状歯車10の中央部には中央孔24が形成されている。また、円板状歯車10の厚さは約5mmである
【0017】
上記した円板状歯車10を熱処理する熱処理装置及び熱処理方法を、図2から図5までを参照して説明する。
【0018】
図2は、熱処理装置を模式的に示す側面図である。図3(a)は、円板状歯車のうち押え治具が押えている部分を拡大して示す側面図であり、(b)は、押え治具が押える領域を模式的に示す平面図である。図4は、円板状歯車を取り囲んだ誘導加熱コイル(冷却器)を模式的に示す斜視図である。図5は、図4の誘導加熱コイルを模式的に示す平面図である。
【0019】
熱処理装置30は、ほぼ水平に配置された円板状歯車10を上から押える上押え治具40と、下から押える下押え治具50とを有する押え治具を備えている。また、熱処理装置30は、冷却器を兼ねた誘導加熱コイル(冷却器)60も備えている。
【0020】
上押え治具40は、図2に示すように、円板状歯車10の中央孔24に半分程度の深さだけ上方から差し込まれる上円柱42と、円板状歯車10のうち歯部16よりも内側部分(ここでは平坦部20)の上面を押える上押え部材44とを有する。上円柱42は円柱状のものであり、上押え部材44は環状のものである。上押え治具40は上下動するように構成されており、円板状歯車10を押えるときは円板状歯車10の上方から下降し、この逆に、円板状歯車10から離れるとき(円板状歯車を取り外すとき)は上昇する。
【0021】
下押え治具50は、図2に示すように、円板状歯車10の中央孔24に半分程度の深さだけ下方から差し込まれる下円柱52と、円板状歯車10のうち歯部16よりも内側部分(ここでは平坦部20)の下面を押える下押え部材54とを有する。下円柱52は円柱状のものであり、下押え部材54は環状のものである。
【0022】
上押え治具40と下押え治具50から構成される押え治具は、上述したように、円板状歯車10の歯部16よりも内側の両面を押える機能(押え機能)を有する。押え治具が押える位置は、図3に示すように、歯元18よりも0.5mm以上2.0mm以下の距離(Lで示す距離)だけ内側に離れた範囲(Wで示す範囲)内の部分である。このため、円板状歯車10のうち押え治具で押えられた部分やその近傍部分では、熱処理後の歪みが抑えられる。
【0023】
また、上押え治具40と下押え治具50は、例えばマルテンサイト系ステンレスのような磁性体から形成されている。従って、後述する誘導加熱コイル(冷却器)60によって生成された交番磁束を遮蔽する機能(遮蔽機能)も有する。このため、円板状歯車10のうち歯部16よりも内側の部分は誘導加熱されにくいので、熱処理中の加熱に起因する歪みが抑えられる。なお、磁性体の押え治具は歯元18よりも0.5mm以上2.0mm以下の距離だけ内側に離れているので歯底部は誘導加熱され、歯部16の歯底には適切な深さの硬化層が形成される。
【0024】
また、上押え治具40と下押え治具50は、誘導加熱コイル(冷却器)60によって加熱されている歯部16の熱が内側に伝導することを抑止する機能、いわゆる冷し金のような機能(冷却機能)を有する。このため、円板状歯車10のうち歯部16よりも内側の部分に歯部16からの熱が伝導しにくいので、歯部16から伝導された熱に起因する歪みが抑えられる。
【0025】
熱処理装置30は、上述したように、冷却器を兼ねた誘導加熱コイル(冷却器)60を備えている。誘導加熱コイル(冷却器)60は、図4に示すように、内部に冷却液が通る空間(冷却液路)62aが形成された環状の冷却液流入管62を有する。冷却液流入管62の内周壁には、歯部16に冷却液を噴射するための多数の冷却液噴射口62bが形成されている。この冷却液流入管62は、板状歯車10の歯部16を取り囲むように配置される。
【0026】
冷却液流入管62の外周壁には、図5に示すように、冷却液流入管62に冷却液を供給するための4つの冷却液供給部71,72,73,74がほぼ等間隔で接続されている。4つの冷却液供給部71,72,73,74にはそれぞれ電磁バルブ81,82,83,84が接続されている。各冷却液供給部71,72,73,74から、それぞれに接続された電磁バルブ81,82,83,84までの距離は等しい。即ち、冷却液供給部71から電磁バルブ81までの距離、冷却液供給部72から電磁バルブ82までの距離、冷却液供給部73から電磁バルブ83までの距離、冷却液供給部74から電磁バルブ84までの距離は、全て等しい。
【0027】
各電磁バルブ81,82,83,84はソレノイド(SOL)によって開閉される。また、4つの電磁バルブ81,82,83,84は1つの電磁バルブ80に接続されており、この電磁バルブ80を開くことにより、冷却液が液路90を通って4つの電磁バルブ81,82,83,84に到達して冷却液流入管62に供給される。
【0028】
上述したように、各冷却液供給部71,72,73,74から各電磁バルブ81,82,83,84までの距離が等しいので、冷却液を冷却液流入管62に供給するタイミングが各冷却液供給部71,72,73,74において等しくなる。このため、多数の冷却液噴射口62bから冷却液が噴射されるタイミングもほぼ等しくなる。従って、歯部16のどの部分も均一に冷却されることとなり、冷却の不均一に起因する歪みを抑制できる。
【0029】
上記した熱処理装置30を用いて円板状歯車10の歯部16を焼入れる熱処理方法を説明する。ここでは、材質がS50C(JIS)の円板状歯車10に輪郭焼入れを施した。
【0030】
先ず、円板状歯車10の中央孔24に半分程度の深さだけ下押え治具50の下円柱52を差し込むと共に、図3に示す範囲Wを下押え治具50で支えるように、円板状歯車10を配置(セット)する。続いて、上押え治具40を下降させて円板状歯車10の中央孔24に半分程度の深さだけ上押え治具40の上円柱42を差し込むと共に、図3に示す範囲Wを上押え治具40で押える。これにより、円板状歯車10のうち歯部16よりも内側の部分の両面が押え治具で押えられる。押え治具は、上述したように、押え機能、遮蔽機能、及び冷却機能を有するので、歯部16を焼入れした後の円板状歯車10は歪みが非常に少ない。この点については後述する。
【0031】
上記のように円板状歯車10を押えた状態で押え治具を回転させて円板状歯車10を約1000rpmで回転させながら、誘導加熱コイル(冷却器)60で歯部16を100℃〜700℃の範囲内の温度に0.5秒間で予熱する。なお、誘導加熱コイル(冷却器)60は回転させずに固定したままである。この予熱の後、誘導加熱コイル(冷却器)60に交流電力を供給せずに1.5秒間だけ放冷する。この放冷後、円板状歯車10を約1000rpmで回転させながら誘導加熱コイル(冷却器)60で歯部16を約0.31秒間ほど本加熱して焼入温度(約950℃)にする。ここでは円板状歯車10を約1000rpmで回転させたが、400rpm以上2000rpm以下の範囲内の回転数ならば良い。なお、本加熱が終了する少し前に、電磁バルブ80を開けて冷却液を4つの電磁バルブ81,82,83,84まで到達させておく。
【0032】
本加熱の終了後、直ちに、円板状歯車10の回転数を100rpm以下(例えば60rpm)に下げる。円板状歯車10が例えば60rpmになったときに4つの電磁バルブ81,82,83,84を同時に開ける。各電磁バルブ81,82,83,84はそれぞれ、上述したように、各冷却液供給部71,72,73,74までの距離が等しい。従って、4つの電磁バルブ81,82,83,84を同時に開けることにより、4つの冷却液供給部71,72,73,74に同時に冷却液が供給される。この結果、多数の冷却液噴射口62bから冷却液が噴射されるタイミングもほぼ等しくなる。従って、歯部16のどの部分も均一に冷却され始めることとなり、冷却の不均一に起因する歪みを抑制できる。
【0033】
上記のようにして歯部16を冷却した後、上押え治具40を上昇させて円板状歯車10を押え治具から取り出す。その後、押え治具を冷却する。これにより、次の円板状歯車を熱処理するときには、冷却されて低温になった押え治具が使用されることとなる。従って、円板状歯車10が押え治具によって加熱されることがなく、このような加熱に起因する円板状歯車の歪みを防止できる。
【0034】
ここで、図6を参照して、上記のように冷却された押え治具の温度について説明する。
【0035】
図6は、押え治具の温度を示すグラフであり、縦軸は、上押え治具と下押え治具の温度(℃)を表し、横軸は、板状歯車10を焼入れした回数を表す。温度を測定した位置は、上押え部材44の外周面と下押え部材54の外周面である。
【0036】
焼入れ回数が8回程度までは、図6に示すように、焼入れ回数が増えるにしたがって、上押え治具40と下押え治具50の温度は高くなっている。しかし、焼入れ回数が9回目を超えるあたりからは、上押え治具40と下押え治具50の温度は、約25℃〜28℃の範囲内である。従って、円板状歯車10が上押え治具と下押え治具によって加熱されることは無い。
【0037】
表1を参照して、焼入れ後の円板状歯車10の歪みについて説明する。
【0038】
表1は、上述した輪郭焼入れを施した後の円板状歯車10の歪みと、ガス軟窒化を施した後の円板状歯車10の歪みとを比較して表したものである。ここでは、輪郭焼入れとガス軟窒化をそれぞれ5回施した。歪みの測定に際しては、円板状歯車10の中央孔24にコレット(円柱状のもの)を差し込んで定盤上に固定しておき、歯元18(図1参照)の両面における歪みをダイヤルインジケータで測定し、面振れを求めた。表1においてF側とは、歯元18の一面側をいい、R側とは、歯元18の他面側をいう。
【表1】
【0039】
表1に示されたように、輪郭焼入れでは、熱処理前と熱処理後において変化が生じなかった。即ち、変化量はゼロであった。これに対し、ガス軟窒化では、熱処理後に+0.01mmから+0.02mmの面振れが生じた。従って、上記した輪郭焼入れによれば、歪みを生じさせずに円板状歯車10の歯部16を焼入れできる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の熱処理装置では、押え治具が押え機能を発揮するので、円板状歯車のうち押え治具で押えられた部分やその近傍部分では歪みが抑えられる。また、押え治具が遮蔽機能を発揮することにより、円板状歯車のうち歯部よりも内側の押え治具で押えられた部分は誘導加熱されにくいので、加熱に起因する歪みが抑えられる。この場合、押え治具で歯元を押えても、交番磁束が遮蔽されないので、歯底も加熱される。従って、歯底も焼入れできる。さらに、押え治具が冷却機能を発揮することにより、円板状歯車のうち歯部よりも内側の部分に歯部からの熱が伝導しにくいので、歯部からの熱に起因する歪みが抑えられる。これらの結果、歯部を熱処理した後の円板状歯車では歪みが非常に少ない。
【0041】
ここで、前記押え治具は、磁性材で形成されたものである場合は、押え治具が交番磁束を確実に遮蔽するので、歯部の歯元に適切な深さの硬化層が形成される。
【0042】
さらに、前記押え治具は、前記歯部よりも内側の部分のうち前記歯部の歯元よりも0.5mm以上2.0mm以下離れた範囲内の部分を押えるものである場合は、歯元に近い部分を押えられるので、円板状歯車の変形をいっそう抑えられる。
【0043】
さらにまた、前記歯部に冷却液を噴射する多数の冷却液噴射口が形成された冷却液流入管と、該冷却液流入管に冷却液を供給するために該冷却液流入管に接続された複数の冷却液供給部と、これら複数の冷却液供給部それぞれに接続されて各冷却液供給部からの距離が等しくなる位置に配置された複数の電磁バルブとを有する冷却器を備えた場合は、各電磁バルブから各冷却液供給部までの距離が等しいので、冷却液を冷却液流入管に供給するタイミングが各冷却液供給部において等しくなる。このため、多数の冷却液噴射口から冷却液が噴射されるタイミングもほぼ等しくなる。従って、歯部のどの部分も均一に冷却されることとなる。
【0044】
また、本発明の熱処理方法によれば、円板状歯車から取り外された押え治具を冷却するので、押え治具を次の熱処理で使用するときは、冷却された押え治具を使用することとなる。従って、円板状歯車が押え治具からの熱伝導によって加熱されることがなく、このような加熱に起因する円板状歯車の歪みを防止できる。
【0045】
ここで、前記押え治具によって前記両面を押える際に、該押え治具によって、前記誘導加熱コイルによって生成された交番磁束を遮蔽すると同時に前記歯部の熱が前記内側の部分に伝導することを抑止する場合は、押え治具によって交番磁束を遮蔽するので、円板状歯車のうち歯部よりも内側の部分は誘導加熱されにくくなる。この結果、加熱に起因する歪みが抑えられる。このとき、押え治具で歯元を押えても、交番磁束が遮蔽されないので、歯底も加熱される。従って、歯底も焼入れできる。さらに、押え治具が熱の伝導を抑止するので、円板状歯車のうち歯部よりも内側の部分に歯部からの熱が伝導しにくくなり、この結果、歯部からの熱に起因する歪みが抑えられる。これらの結果、歯部を熱処理した後の円板状歯車では歪みが非常に少ない。
【0046】
さらに、前記円板状歯車を前記誘導加熱コイルで加熱する際に、前記円板状歯車と前記誘導加熱コイルを相対的に所定の回転速度で回転させながら加熱し、前記円板状歯車を加熱した後、前記所定の回転速度よりも遅い回転速度で前記円板状歯車と前記誘導加熱コイルを相対的に回転させながら前記円板状歯車の前記歯部を冷却する場合は、冷却時に円板状歯車が低速で回転するので、円板状歯車が均一に冷却される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、円板状歯車を示す斜視図であり、(b)は、(a)のA―A断面図である。
【図2】熱処理装置を模式的に示す側面図である。
【図3】(a)は、円板状歯車のうち押え治具が押えている部分を拡大して示す側面図であり、(b)は、押え治具が押える領域を模式的に示す平面図である。
【図4】円板状歯車を取り囲んだ誘導加熱コイル(冷却器)を模式的に示す斜視図である。
【図5】図4の誘導加熱コイル(冷却器)を模式的に示す平面図である。
【図6】押え治具の温度を示すグラフである。
【符号の説明】
10 円板状歯車
16 歯部
30 熱処理装置
40 上押え治具
44 上押え部材
50 下押え治具
54 下押え部材
60 誘導加熱コイル(冷却器)
62 冷却液流入管
71,72,73,74 冷却液供給部
81,82,83,84 電磁バルブ
Claims (2)
- 円板状歯車の外周部に形成された歯部を加熱する誘導加熱コイルを備え、該誘導加熱コイルで前記歯部を加熱して熱処理する熱処理装置において、
前記円板状歯車の前記歯部よりも内側の部分のうち、前記歯部の歯元よりも0.5mm以上2.0mm以下離れた範囲内の部分の両面を押える押え機能と、前記誘導加熱コイルによって生成された交番磁束を遮蔽する遮蔽機能と、前記歯部の熱が前記内側の部分に伝導することを抑止する冷却機能とを有し、前記円板状歯車の中央孔に上から差し込まれる上円柱と、該中央孔に下から差し込まれる下円柱とを備えた、磁性材で形成された押え治具、及び、
前記歯部に冷却液を噴射する多数の冷却液噴射口が形成された冷却液流入管と、該冷却液流入管に冷却液を供給するために該冷却液流入管に接続された複数の冷却液供給部と、これら複数の冷却液供給部それぞれに接続されて各冷却液供給部からの距離が等しくなる位置に配置された複数の電磁バルブとを有する冷却器を備えたことを特徴とする熱処理装置。 - 円板状歯車の外周部に形成された歯部を誘導加熱コイルで加熱しながら、前記円板状歯車の前記歯部よりも内側の部分の両面を押え治具で押える熱処理方法において、
前記歯部よりも内側の部分のうち前記歯部の歯元よりも0.5mm以上2.0mm以下離れた範囲内の部分の両面を、磁性材で形成された前記押え治具で押える際に、前記円板状歯車の中央孔に上円柱を上から差し込むと共に、該中央孔に下円柱を下から差し込んで、
前記押え治具によって、前記誘導加熱コイルによって生成された交番磁束を遮蔽すると同時に、前記歯部の熱が前記内側の部分に伝導することを抑止した状態で、前記歯部を焼入温度に加熱し、
該焼入温度に加熱された前記歯部を冷却する際に、
前記歯部に冷却液を噴射する多数の冷却液噴射口が形成された冷却液流入管と、該冷却液流入管に冷却液を供給するために該冷却液流入管に接続された複数の冷却液供給部と、これら複数の冷却液供給部それぞれに接続されて各冷却液供給部からの距離が等しくなる位置に配置された複数の電磁バルブとを有する冷却器を用いて前記歯部を均一に冷却することを特徴とする熱処理方法。
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