JPH07278237A - 熱可塑性樹脂用滑剤及びそれを含む熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂用滑剤及びそれを含む熱可塑性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH07278237A
JPH07278237A JP9792694A JP9792694A JPH07278237A JP H07278237 A JPH07278237 A JP H07278237A JP 9792694 A JP9792694 A JP 9792694A JP 9792694 A JP9792694 A JP 9792694A JP H07278237 A JPH07278237 A JP H07278237A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
thermoplastic resin
weight
lubricant
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9792694A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiji Matsumoto
好二 松本
Akira Nakada
章 中田
Shigeo Wakabayashi
茂夫 若林
Masahiro Kaneda
正弘 兼田
Hiroshi Ito
宏 伊藤
Kenji Okano
賢治 岡野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP9792694A priority Critical patent/JPH07278237A/ja
Publication of JPH07278237A publication Critical patent/JPH07278237A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性樹脂の成型時に樹脂圧力を低下させ
ることができ、流動性及び滑性の初期滑性とその持続性
が大きく、離型性に優れる熱可塑性樹脂用の滑剤の提
供。 【構成】 (A)少くとも1種のアクリル酸エステル単
量体からなる重合体90〜50重量部の存在下に、
(B)メタクリル酸メチル100〜60重量%とメタク
リ酸メチルと共重合可能な他のビニル系単量体40〜0
重量%のからなる単量体又は単量体混合物50〜10重
量部を共重合した重合体であって、該重合体は、乳化重
合法を適用し、その合成段階で、アルカリ金属の炭酸塩
及び水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いて、p
H6−9の範囲で得られた重合体であることを特徴とす
る熱可塑性樹脂用滑剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂用滑剤及び
これを含有する熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、特に塩化ビニル樹脂は、
各種の物理的性質及び化学的性質が優れているために種
々の分野で広く用いられている。しかしながら、塩化ビ
ニル樹脂は種々の意味で加工性が劣るという問題点を有
し、この解決方法として可塑剤、メチルメタクリレート
を主成分とする共重合体等の加工助剤、滑剤等を配合す
ることが行われているが、一般的な解決方法とはなり得
なかった。
【0003】このような問題点を解決するため特公昭5
2−781号公報には、メチルメタクリレート重合体成
分/スチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体成
分/メチルメタクリレート重合体成分からなる3段重合
体が、特公昭52−3668号公報には、メチルメタク
リレート重合体成分/スチレン・(メタ)アクリル酸エ
ステル・多官能性単量体の重合体成分からなる2段重合
体が、また、特公昭50−37699号公報には、アク
リル酸エステル重合体成分/(メタ)アクリル酸エステ
ル、スチレンまたは置換スチレン重合体成分からなる2
段重合体を、それぞれ塩化ビニル樹脂その他の熱可塑性
樹脂に加工助剤ないし可塑剤として配合されることが開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の加工助剤ないし
滑剤は、塩化ビニル樹脂が有する透明性の保持、ドロー
ダウン等の加工性、成形時の流動性、高温時の伸度、カ
レンダーリングの際のロール面よりの離型性等の滑性の
長期持続性の改良を目的とし、一応の成果は上げてい
る。しかしながら、生産性の向上、品質の向上、省エネ
ルギーの見地から、塩化ビニル樹脂の成形加工時の流動
性が良好で、成形に所要な樹脂圧力が低く、滑性の初期
滑性と持続性が大きく、かつ成形物が良好な光沢と透明
性を有し、熱着色が小さいという特色を持つ滑剤が求め
られており、前記の加工助剤ないし滑剤はこれに十分応
答するものではなかった。また、成形加工条件によって
は金型等への付着物の増加(プレートアウト)が見られ
ることもあり、市場の要求を十分に満足しているとはい
えない。
【0005】本発明の目的は、上記の問題点の解消にあ
り、すなわち、成形時に樹脂圧力を低下させることがで
き、流動性及び滑性の初期滑性とその持続性が大きく、
離型性が優れると共に、成形物が良好な光沢と透明性を
有し、熱着色が小さいという特色をもつ熱可塑性樹脂組
成物を与える滑剤及びそれを用いた熱可塑性樹脂組成物
を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)少くと
も1種のアクリル酸エステル単量体からなる重合体90
〜50重量部の存在下に、(B)メタクリル酸メチル1
00〜60重量%と、該メタクリル酸メチルと共重合可
能な他のビニル系単量体40〜0重量%の単量体又は単
量体混合物50〜10重量部を共重合した重合体であっ
て、該重合体は、乳化重合法を適用し、その合成段階
で、アルカリ金属の炭酸塩及び水酸化ナトリウム又は水
酸化カリウムを用いて、pH6−9の範囲で得られた重
合体であることを特徴とする熱可塑性樹脂用滑剤にあ
る。更に、本発明は、熱可塑性樹脂100重量部と上記
の熱可塑性樹脂用滑剤0.05〜10重量部とからなる
熱可塑性樹脂組成物にある。
【0007】本発明の熱可塑性樹脂用滑剤を配合する熱
可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル
樹脂、フッ化ビニル樹脂、アクリロニトリル・スチレン
共重合体系樹脂、メタクリル酸系樹脂、ABS樹脂等を
挙げることができる。
【0008】本発明の熱可塑性樹脂用滑剤は、前記
(A)の単量体成分及び(B)の単量体成分を順次重合
して得られる2段構造共重合体である。この2段構造共
重合体は、乳化重合法を適用し、乳化剤及び重合開始
剤、必要に応じて他の触媒の存在下に、アルカリ金属の
炭酸塩及び水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを加え
て、乳化重合することによって得ることができる。
【0009】本発明で用いる(A)成分のアクリル酸エ
ステルとしては、特に限定はなく、ガラス転移点の低い
重合体を与える単量体であることが望ましく、最終目的
に応じて適当な単量体を使用する。具体的には、アルキ
ル基の炭素数2〜10のものが好ましく、例えば、アク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、
アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル等とアクリル酸ベンジルを挙げるこ
とができる。
【0010】本発明において(A)成分は上記アクリル
酸エステルから重合されるが、共重合する場合は、これ
らのアクリル酸エステルを1種又は2種以上の混合系で
使用する。
【0011】(B)成分で用いるメタクリル酸メチルと
共重合可能な他のビニル系単量体としては、例えば、ア
クリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエス
テル、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物か
ら選ばれる単量体の少くとも1種を用いることができ
る。該ビニル系単量体の中、アクリル酸アルキルエステ
ルとしては、アルキル基に炭素数が2〜10のものが好
ましく、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル等とアクリル酸ベンジルを挙げること
ができる。又、メタクリル酸アルキルエステルとして
は、炭素数2〜4のものが好ましく、例えばメタクリル
酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプ
ロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸ターシャリブチル等とメタクリル酸
ベンジルを挙げることができる。
【0012】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−置換スチレン、核置換スチレン及びその誘導体、例
えばα−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルトル
エン等を挙げることができる。さらに、シアン化ビニル
化合物としては、例えばアクリロニトリル及びメタクリ
ロニトリル等を挙げることができる。これらビニル系単
量体は、熱可塑性樹脂用滑剤の使用目的に応じて適宜選
択して用いる。
【0013】(B)成分のメタクリル酸メチルと、これ
と共重合可能な他のビニル系単量体との配合は、重合反
応を行い、得られた共重合体において、メタクリル酸メ
チルに基づく単位が100〜60重量%であり、他のビ
ニル系単量体に基づく単位が40〜0重量%になるよう
に行う。共重合体中メタクリル酸メチルに基づく単位が
60重量%未満であれば、塩化ビニル系樹脂との分散性
が悪化し、目的とする滑性付与効果が得られず、成形品
が相分離し好ましくない。
【0014】本発明で用いられる乳化剤は、公知のもの
が使用でき、また、重合開始剤としては、水溶性、油溶
性及びレドックス系のものが使用できるが、初期滑性及
び持続滑性、熱着色性の改良効果を最大限に発揮さすた
めには水溶性の開始剤が好ましい。
【0015】本発明において、熱着色の改良に用いられ
るアルカリ金属の炭酸塩及び水酸化ナトリウム又は水酸
化カリウムは、添加量を調整することにより重合速度、
重合転化率を高め、重合時のpHの低下から凝集物の発
生を押え、重合時の粘度を押える効果も見られ、また、
重合後のラテックスの機械的安定性も優れている。
【0016】これら添加剤の使用量は、単量体成分の合
計100重量部に対してアルカリ金属の炭酸塩0.05
〜1.5重量部、好ましくは0.05〜1.0重量部で
ある。使用量が0.05重量部未満の場合は、重合時に
増粘し、発熱が大きくなり、重合後のラテックスの機械
的安定性が低下するため好ましくない。また1.5重量
部を超える場合は、重合反応の安定性が低下し、重合転
化率を低下させ、また凝集物が多量に発生し好ましくな
い。使用されるアルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム等が用いられる。
【0017】本発明で用いられる水酸化ナトリウム又は
水酸化カリウムは、pH調整剤として、また、アルカリ
金属炭酸塩の減量剤として必要最小限に押える必要があ
る。得られる共重合体の好ましいpH範囲は、6〜9で
ある。水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの使用量が
多くpH9.0を超えた場合、単量体の加水分解が発生
し好ましくない。
【0018】重合法は、使用する重合開始剤の分解温度
以上に加熱しながら、通常の乳化重合と同様にして行う
ことができる。重合反応において、得られる共重合体の
分子量や分子量分布は滑剤としての特性に大きな影響を
及ぼすことから、重合条件を適宜設定したり、連鎖移動
剤を用いたりして分子量等を調節することが好ましい。
すなわち、得られる共重合体の還元粘度ηsp/C(1
00mlのクロロホルム中に、0.1gの共重合体を溶
解した溶液について、オストワルド粘度計を用いて25
℃で測定した値)が、4.0〜0.5であり、好ましく
は3.0〜0.5になるように重合反応を行うことが望
ましい。
【0019】共重合体の回収は、重合反応終了後、生成
した共重合体ラテックスを塩析もしくは酸析凝固させ、
共重合体を沈澱せしめたのち、これを分離し、洗浄して
粉末状で回収するか、又は噴霧乾燥もしくは凍結乾燥を
行うことにより、粉末状で回収する。
【0020】このようにして得られた本発明の滑剤は、
塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ABS樹脂、スチレン系樹脂、メタクリル樹
脂、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂に適用できる。
これらの樹脂の中、特に塩化ビニル系樹脂の滑剤として
好適である。塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル以外にも、塩化ビニルに基づく単位を70重量%以上
含有する共重合体を用いることができる。塩化ビニル系
樹脂として該共重合体を用いる場合に、塩化ビニルと共
重合可能なモノマーとしては、エチレン、プロピレン、
臭化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル等を用いることができ
る。
【0021】本発明の滑剤を樹脂に配合する場合は、好
ましくは粉末状態で、例えばリボンブレンダー又はヘン
シェルミキサー等を用いて混合する。また、成形加工す
る場合は、例えばミキシングロール又はバンバリーミキ
サー等を用いて混練したのち、押出機又は射出成形機等
によって行う。
【0022】滑剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100
重量部に対して0.05〜10重量部の範囲であり、好
ましくは0.05〜5重量部である。配合量が0.05
重量部未満の場合は、樹脂の滑性の改良が不充分であ
り、また10重量部を超える場合は、樹脂が本来有して
いる機械的性質が損なわれてしまい好ましくない。
【0023】なお、熱可塑性樹脂に本発明の滑剤を配合
する場合には、必要に応じて、公知の安定剤、可塑剤、
加工助剤、着色剤、耐衝撃性改質剤等を合わせて配合す
ることもできる。
【0024】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明をさら
に説明する。説明中「部」、「%」はそれぞれ「重量
部」、「重量%」を表す。実施例、比較例で得られた共
重合体ラテックスの評価は次によった。
【0025】重合転化率:ガスクロマトグラフを用い
て、各モノマーの重合転化率を計算した。 凝集物:得られたラテックスを200メッシュの金網で
ろ過し、ろ過できなかった凝集物を乾燥し計算した。 機械的安定性:得られたラテックスを50℃一定にし、
ホモミキサーを用いてラテックスを回転させ、凝集する
までの時間を表わした。 pH:得られたラテックスを20℃一定にし、pHメー
ターで測定した。
【0026】樹脂組成物による諸物性の評価は、先ず次
のように塩化ビニル系樹脂組成物を調整して行った。平
均重合部700の塩化ビニル樹脂100部に、ジブチル
錫マレート1.8部、ステアリン酸ブチル1部の共通配
合組成に、下記実施例1〜10及び比較例1〜6で得ら
れた滑剤を各々0.5部ずつ配合したのち、ヘンシェル
ミキサーを用いて、120℃になるまで混合し、塩化ビ
ニル系樹脂組成物を得た。
【0027】次に、得られた樹脂組成物を用いて、下記
の試験法により諸物性を測定した。評価結果を表1に示
す。 熱安定性:6インチロールを用い、混練温度185℃、
回転数が前ロール14rpm、後ロール16rpm、試
料100gを混練し、5分おきにサンプリングして合計
30分間混練しその着色性を目視判定した。 ◎…非常に良好 〇…良好 △…やや不良 ×…不良 ゲル化特性:温度170℃、回転数30rpm、試料充
填量50g、予熱5分の条件で、プラベンダープラスチ
コーダーを用いて測定したときの最大トルクMmax
(kg−m)及びMmaxに到るまでの時間Tmax
(分)を示した。 押出特性:25φmml軸押出機を用いて、下記条件下
に10分間の押出量を計算した。押出量が多い程、流動
性が良好で、圧力が小さい程滑性が大きい。温度C1
160℃ C2 =170℃ C3 =180℃ ダイス=
180 回転数40rpm
【0028】[実施例1]反応容器に溶存酸素を窒素で
置換したイオン交換水200部、乳化剤としてジアルキ
ルスルホコハク酸ナトリウム1.5部、炭酸ナトリウム
1.0部、水酸化カリウム0.05部を仕込み、この中
に(A)成分としてアクリル酸エチル60部、n−オク
チルメルカプタン0.2部、並びに過硫酸カリウム0.
2部を一括仕込みした。次いで、容器内を窒素で置換し
たのち、65℃に昇温、同温度で2時間加熱・撹拌して
第1段の重合を行った。その後、反応容器内にB成分と
して、メタクリル酸メチル40部を、容器内を65℃に
保持し、かつ撹拌しながら1時間に亘って滴下した。滴
下終了後、さらに同温度で2時間保持し、重合を終了
し、共重合体ラテックスを得た。得られた共重合体ラテ
ックスのpHは7.0であった。
【0029】得られた共重合体ラテックスを冷却後、塩
化アルミニウムを用いて塩析し、ロ過、洗浄、乾燥処理
して、粉末状の滑剤を得た(実施例2〜4、比較例1〜
6も同様に処理)。
【0030】[実施例2]炭酸ナトリウム1.4部、水
酸化カリウム0.04部にしたほかは実施例1と同様に
して共重合体ラテックスを得た。重合転化率は99.2
%であり、該ラテックスのpHは8.8であった。
【0031】[実施例3]実施例1において乳化剤をザ
ルコシン酸ナトリウム1.5部とし、炭酸ナトリウム
0.1部、水酸化カリウム0.04部にしたほかは実施
例1と同様にして共重合体ラテックスを得た。重合転化
率は99.6%であり、該ラテックスのpHは8.2で
あった。
【0032】[実施例4]炭酸ナトリウムを炭酸カリウ
ムにしたほかは実施例1と同様にして共重合体ラテック
スを得た。重合転化率は99.6%であり、該ラテック
スのpHは8.7であった。
【0033】[実施例5、6]実施例1で得られた共重
合体ラテックスを凍結乾燥(実施例5)及び噴霧乾燥
(実施例6)して、それぞれ粉末状の滑剤を得た。
【0034】[実施例7]実施例1において、(A)成
分をアクリル酸エチル55部、アクリル酸ブチル5部に
し、(B)成分をメタクリル酸メチル40部にしたほか
は同様にして、共重合体ラテックスを得た。該ラテック
スのpHは7.2であった。得られた共重合体ラテック
スを実施例1と同様に処理して、粉末状の滑剤を得た。
【0035】[実施例8]実施例1において、(A)成
分をアクリル酸エチル75部にし、(B)成分をメタク
リル酸メチル25部にしたほかは同様にして、共重合体
ラテックスを得た。該ラテックスのpHは7.4であっ
た。得られた共重合体ラテックスを実施例1と同様に処
理し、粉末状の滑剤を得た。
【0036】[実施例9]実施例1において、n−オク
チルメルカプタンを0.1部にしたほかは同様にして、
共重合体ラテックスを得た。該ラテックスのpHは7.
0であった。得られた共重合体ラテックスを実施例1と
同様に処理して粉末状の滑剤を得た。
【0037】[実施例10]実施例1において、(A)
成分をアクリル酸2−エチルヘキシル50部にし、
(B)成分をメタクリル酸メチルを40部及びアクリル
酸エチルを10部にしたほかは同様にして共重合体ラテ
ックスを得た。該ラテックスのpHは7.0であった。
得られた共重合体ラテックスを実施例1と同様に処理し
粉末状の滑剤を得た。以上各実施例、比較例で得た滑剤
を前述の項目による評価を行った、その結果を併せて表
1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】[比較例1]実施例1で用いた炭酸ナトリ
ウム1.0部、水酸化カリウム0.05部をのぞいて、
共重合体ラテックスを得た。重合転化率は99.3%で
あり、該ラテックスのpHは4.0であった。
【0040】[比較例2]実施例1において、炭酸ナト
リウムを1.7部としたほかは同様にして、共重合体ラ
テックスを得た。重合転化率は93.%であり、該ラテ
ックスのpHは9.5であった。
【0041】[比較例3]実施例1において、水酸化カ
リウムを0.1部としたほかは同様にして、共重合体ラ
テックスを得た。重合転化率は99.0%であり、該ラ
テックスのpHは11であった。
【0042】[比較例4]実施例1において、n−オク
チルメルカプタンを0にしたほかは同様にして共重合体
ラテックスを得た。該ラテックスのpHは7.4であっ
た。
【0043】[比較例5]実施例1において、n−オク
チルメルカプタンを3.0部にしたほかは同様にして共
重合体ラテックスを得た。該ラテックスのpHは7.0
であった。
【0044】[比較例6]実施例1において、(A)成
分をアクリル酸エチル30部、スチレン30部としたほ
かは同様にして共重合体ラテックスを得た。該ラテック
スのpHは7.8であった。
【0045】[比較例7]実施例及び比較例で得られた
試料を用いず熱安定性・ゲル化特性・押出量を測定し
た。
【0046】[比較例8]現在市販されている代表的な
滑剤PE−wax(220MP)(三井石油化学製)を
所定量用いて測定した。
【0047】[実施例11〜16][比較例9〜14] 下記の各熱可塑性樹脂100部に、実施例1で得た共重
合物を1.0部配合したもの(実施例11〜16)と、
配合しないもの(比較例9〜14)を、それぞれヘンシ
ェル・ミキサーで混合した。得られた樹脂組成物を、1
軸押出機(25φmm)を用いて、各樹脂組成物ごとに
下記の異なる温度で押出量を計算(g/10min)
し、流動性の試験を行った。また、押出時の圧力(kg
・m)を測定した。押出量大で圧力が小さい程滑性が大
きいことを示す。又、押出されたペレットをアルミ皿に
5g計量し、200℃で2時間加熱し、その熱安定性を
目視で評価した。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】(1)ABS樹脂(ダイヤペット(登録商
標)ABS#3001、三菱レイヨン(株)製)成形温
度:C1 =180℃、C2 =200℃、ヘッド=200
℃、ダイス=200℃ (2)スチレン樹脂(スチロールNF−20:商品名、
出光石油化学(株)製)成形温度:C1 =160℃、C
2 =180℃、C3 =200℃、ヘッド=200℃、ダ
イス=210℃ (3)ポリカーボネート樹脂(ノバレックス7022:
商品名、三菱化成工業(株)製)成形温度:C1 =23
0℃、C2 =260℃、C3 =270℃、ヘッド=27
0℃、ダイス=280℃ (4)ポリエチレン樹脂(ハイゼックス7000F:商
品名、三井石油化学工業(株)製)成形温度:C1 =1
50℃、C2 =165℃、C3 =175℃、ヘッド=1
75℃、ダイス=175℃ (5)ポリエステル樹脂(ダイヤナイト(登録商標)P
A−200、三菱レイヨン(株)製)成形温度:C1
280℃、C2 =280℃、C3 =280℃、ヘッド=
260℃、ダイス=260℃ (6)塩化ビニル樹脂〔菱日PVC(P=700)〕成
形温度:C1 =160℃、C2 =170℃、C3 =18
0℃、ヘッド=175℃、ダイス=180℃
【0050】
【発明の効果】本発明の滑剤は、各種熱可塑性樹脂に配
合することにより、従来のものに比べ、成形時に滑性が
優れると共に、押出時の圧力が低下し流動性が増し生産
性が向上すると共に、得られた樹脂成形物は、熱安定性
に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 兼田 正弘 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 (72)発明者 伊藤 宏 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 (72)発明者 岡野 賢治 東京都中央区京橋二丁目3番19号 三菱レ イヨン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)少くとも1種のアクリル酸エステ
    ル単量体からなる重合体90〜50重量部の存在下に、
    (B)メタクリル酸メチル100〜60重量%と該メタ
    クリル酸メチルと共重合可能な他のビニル系単量体40
    〜0重量%の単量体又は単量体混合物50〜10重量部
    を共重合した重合体であって、該重合体は、乳化重合法
    を適用し、その合成段階で、アルカリ金属の炭酸塩及び
    水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いて、pH6
    −9の範囲で得られた重合体であることを特徴とする熱
    可塑性樹脂用滑剤。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂100重量部と、請求項1
    記載の熱可塑性樹脂用滑剤0.05〜10重量部とから
    なる熱可塑性樹脂組成物。
JP9792694A 1994-04-13 1994-04-13 熱可塑性樹脂用滑剤及びそれを含む熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH07278237A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9792694A JPH07278237A (ja) 1994-04-13 1994-04-13 熱可塑性樹脂用滑剤及びそれを含む熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9792694A JPH07278237A (ja) 1994-04-13 1994-04-13 熱可塑性樹脂用滑剤及びそれを含む熱可塑性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07278237A true JPH07278237A (ja) 1995-10-24

Family

ID=14205293

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9792694A Pending JPH07278237A (ja) 1994-04-13 1994-04-13 熱可塑性樹脂用滑剤及びそれを含む熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07278237A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0779336A2 (en) 1995-12-13 1997-06-18 Mitsubishi Rayon Co., Ltd A lubricant for a thermoplastic resin
KR20150014072A (ko) * 2013-07-29 2015-02-06 주식회사 엘지화학 고분자 활제 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0779336A2 (en) 1995-12-13 1997-06-18 Mitsubishi Rayon Co., Ltd A lubricant for a thermoplastic resin
KR20150014072A (ko) * 2013-07-29 2015-02-06 주식회사 엘지화학 고분자 활제 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0335365B1 (en) Processing aid for thermoplastic resin, and thermoplastic resin composition comprising same
JP2705812B2 (ja) 熱可塑性樹脂用滑剤およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物
JPH11166091A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH05132602A (ja) 塩素化pvcブレンド
JP4901468B2 (ja) アクリル共重合体組成物、アクリル共重合体の調製方法、及びアクリル共重合体を含む塩化ビニル樹脂組成物
JP3631360B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH0788415B2 (ja) ポリ塩化ビニル用透明性、衝撃性改善剤
JP2515014B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH0576500B2 (ja)
JP4922022B2 (ja) (メタ)アクリル系共重合体粉体、及びこれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物
JPH07278237A (ja) 熱可塑性樹脂用滑剤及びそれを含む熱可塑性樹脂組成物
EP0184379A2 (en) Vinyl chloride polymer resin composition
JP2800980B2 (ja) 射出成形用難燃性樹脂組成物
JPH0687997A (ja) 塩化ビニル系樹脂用加工助剤
JP2000204220A (ja) メタクリル系樹脂用改質剤
JPH06240086A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法
JP2617809B2 (ja) 難燃樹脂組成物
US5208288A (en) Modified nonflammable resin composition
JP3190227B2 (ja) 異形押出成形品
JPH0692517B2 (ja) 難燃樹脂組成物
JPH0250137B2 (ja)
JPH0774306B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH05140394A (ja) 改良されたポリ塩化ビニルブレンド
JPH0745609B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3443753B2 (ja) 熱可塑性樹脂、その製造方法およびこれを含む樹脂組成物