JPH07275924A - TiPd系合金の伸線方法 - Google Patents

TiPd系合金の伸線方法

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JPH07275924A
JPH07275924A JP8791694A JP8791694A JPH07275924A JP H07275924 A JPH07275924 A JP H07275924A JP 8791694 A JP8791694 A JP 8791694A JP 8791694 A JP8791694 A JP 8791694A JP H07275924 A JPH07275924 A JP H07275924A
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JP
Japan
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wire
tipd
alloy
pipe
rod
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JP8791694A
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English (en)
Inventor
Tadashi Seto
正 瀬戸
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難加工材であるTiPd系合金細線を効率よ
く製造する方法を供する。 【構成】 TiPd系合金からなる棒状線材1を加工の
容易な金属パイプ2に挿入してダイス引き伸線を行な
い、得られた線材を酸洗あるいは機械加工を行って表面
層を除去して細線を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温作動機能を有する
TiPd系形状記憶合金の伸線加工法に関する。
【0002】
【従来の技術】等原子比組成近傍のTiPd合金は、5
30℃付近で熱弾性型マルテンサイト変態の逆変態に付
随して、顕著な形状記憶効果を示すことが知られてい
る。又、TiPd合金のPdの一部をV,Cr,Mn,
Ni,Fe,Co,WおよびTaの1種または2種以上
の元素により置換すると、その形状回復温度が低下する
ことが知られている。このことは、TiPd系合金の形
状回復温度を用途に応じて50〜530℃の範囲で自由
に設定できることを示している。このように、TiPd
系合金は、低温から高温まで幅広い温度範囲に適応でき
る形状記憶材料として非常に有望である。
【0003】しかし、このように高温作動形状記憶材料
として有望視されているにも拘わらず、実用化され製品
化されたものは、これまでのところ見あたらない。これ
は、TiPd系合金が極めて加工性に乏しく、通常行わ
れているバルク材からの伸線加工によって細線を得よう
とすると、伸線加工中に線材の破断が起こり、このため
細線を得ることが困難であったからである。一般に、T
iPd系合金の伸線加工としては、通常ダイス引き伸線
が行われているが、本合金は加工硬化が著しく、伸びも
小さいため、細線を得るためには、中間焼鈍の多数回の
繰り返しが必要である。
【0004】従って、従来の伸線加工は、ダイス引き伸
線と中間焼鈍処理を多数回繰り返すものである。しか
し、本合金線材に中間焼鈍処理を施す毎に、線材の表面
が酸化して損傷を受けるため、伸線途中で破断すること
がしばしば見られた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、TiPd合金線材の伸線加工工程中、特に、中間焼
鈍工程中に生ずる表面酸化による損傷を防止して、優れ
た高温作動機能を有するTiPd系形状記憶合金の細線
を効率よく製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明は、Pd45〜51at%を含有し、残部
が実質的にTiよりなるTiPd合金からなる棒状線材
を金属パイプに挿入し、金属パイプごとダイス引き伸線
するという手段を採用した。この手段によれば、金属パ
イプに装填されたTiPd合金の棒状線材は、直接大気
に触れることがないので、中間焼鈍工程で線材表面の酸
化による損傷を受けにくい。その結果、ダイス引き伸線
の途中で破断することなく細線が得られる。しかも、従
来のTiPd合金の中間焼鈍では、酸化を防止するた
め、N2,Ar等の不活性ガス雰囲気中で行なう必要が
あったが、本手段によれば、雰囲気にあまり気をつかう
必要がなくなる。しかも、これまで酸化が激しいため、
温間加工、熱間加工ができなかったが、酸化を防ぐこと
ができるため、温間、更には熱間加工も可能となる。し
かも、冷間加工に比べて1回あたりの伸線加工率を大き
くすることができるので、伸線効率が向上する。
【0007】TiPd系合金は、酸に対する耐食性が高
いため、伸線終了後、線材表面のパイプとして使用した
金属の層を酸洗により除去することができる。更に、機
械的に仕上げ研磨することにより、表面の異種金属を除
去することができ、その結果、TiPd系合金細線が比
較的簡単に得られる。なお、TiPd系合金は、貴金属
であるPdを原料にしているため非常に高価である。そ
のため、表面金属パイプを除去するのに要する費用のT
iPd線材に占める割合は低く、費用増の影響は少な
い。
【0008】又、TiPd合金のPdの一部を、形状回
復温度を低下せしめる効果を有する元素によって置換し
た、TiPd系合金についても本発明は適用できる。
【0009】
【作用】加工性に極めて乏しいTiPd系合金の細線を
得る手段として、TiPd系合金の棒状線材を加工性の
良好な金属のパイプに挿入して伸線加工を行なう。Ti
Pd系合金線材の表面が保護された形となるので、雰囲
気に鈍感となり、中間焼鈍の繰り返しにも安定で、酸化
損傷による断線なしに伸線加工が行われる。又、TiP
d系合金自体は酸に対する耐食性が強いので、伸線終了
後に、酸洗により金属パイプの部分のみを溶かし去るこ
とができる。その後、更に機械的研磨で表面仕上げを行
なってもよい。又、伸線加工後、機械的研磨によって表
面の金属のパイプの部分を除去することもできる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例に従い説明する。
【0011】(実施例1)図1は、本発明の一実施例で
ある。TiPd合金棒状線材1を金属パイプ2に挿入し
た状態を示す外観斜視図である。Ti50at%及びP
d50at%の組成になるように金属Ti及び金属Pd
を秤量し、アルゴン雰囲気アーク溶解炉にて溶解し、イ
ンゴットを得た。このインゴットから切削加工により、
外径6.9mm、長さ100mmのTiPd系合金棒状
線材1を得、この棒状線材1を内径7.0mm、外径8.
0mmのCuパイプに挿入した。次に、Cuパイプと棒
状線材の密着性を上げるためスェージング加工を行っ
た。ついで、700℃に保持された炉中で中間焼鈍した
後、ダイスで冷間伸線を行ない、これを外径1.0mm
になるまで中間焼鈍、冷間伸線を繰り返して伸線加工を
行った。伸線後、線材を硝酸(HNO3)と水が1対1
の酸に浸漬し、表面のCuを溶解した。得られたTiP
d細線は、途中で破断しておらず連続線であった。又、
TiPd細線の外径は平均0.72mmで、ばらつきは
±0.04mmであった。このように、途中破断するこ
となく、TiPd合金細線が安定して得られた。
【0012】(実施例2)組成比が、Ti50at%,
Pd30at%及びNi20at%である形状記憶合金
の外径6.9mmの棒状線材を実施例1と同様にして得
た。この素線をAlパイプに挿入し、実施例1のように
伸線加工し、外径1mmの線材を得た。NaOH水溶液
に浸漬し、表面のAlを溶解除去してTiPdNi合金
細線を得た。TiPdNi合金細線は、途中で破断する
ことなく連続線であり、かつ細線の外径は0.61mm
±0.01mmの線径のそろったものが得られた。得ら
れた細線を直線状に形状記憶処理し、形状記憶特性を調
査した。その結果、153℃で形状回復することが確認
された。
【0013】(実施例3)組成が、Ti50at%,P
d42at%及びFe8at%である形状記憶合金の外
径6.9mmの棒状線材を実施例と同様にして得た。こ
の棒状線材を内径7.0mm、外径8.0mmの軟鋼パイ
プに挿入し、実施例1と同様に伸線加工し、外径2.0
mmの線材を得た。この線材をセンタレス研磨機により
機械的に表面を研磨した。TiPdFe合金細線は破断
することなく連続しており、TiPdFe合金細線の外
径は、1.57mmであった。得られた細線を直線状に
形状記憶処理し、形状記憶特性を調査した。その結果、
形状回復温度が70℃であることが確認された。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
優れた高温作動機能を有するTiPd系合金細線を効率
よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す外観斜視図。
【符号の説明】
1 (TiPd系合金)棒状線材 2 金属パイプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pdを45.0〜51.0at%含有し、
    残部が実質的にTiであるTiPd合金からなる棒状線
    材を金属パイプに封入し、該金属パイプごと伸線するこ
    とを特徴とするTiPd合金の伸線方法。
  2. 【請求項2】 Pdと30at%以下のV,Cr,M
    n,Ni,Fe,Co,Cu,W,Taのうちの1種ま
    たは2種以上の元素とを合計で45.0〜51.0at%
    含有し、残部が実質的にTiであるTiPd系合金から
    なる棒状線材を金属パイプに封入し、該金属パイプごと
    伸線することを特徴とするTiPd系合金の伸線方法。
  3. 【請求項3】 前記金属パイプがFe系、Cu系、また
    はAl系金属パイプであることを特徴とする請求項1、
    または2記載のTiPd系合金の伸線方法。
  4. 【請求項4】 前記金属パイプを伸線後、酸洗または、
    機械的研磨のいずれかの方法により除去することを特徴
    とする請求項1、2または3記載のTiPd系合金の伸
    線方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010016609A1 (ja) * 2008-08-08 2010-02-11 日本発條株式会社 旋盤加工用部材
CN105886983A (zh) * 2016-06-01 2016-08-24 洛阳双瑞精铸钛业有限公司 一种钛钯合金的卷式生产方法

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