JPH07274317A - 火災受信機 - Google Patents

火災受信機

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JPH07274317A
JPH07274317A JP6061503A JP6150394A JPH07274317A JP H07274317 A JPH07274317 A JP H07274317A JP 6061503 A JP6061503 A JP 6061503A JP 6150394 A JP6150394 A JP 6150394A JP H07274317 A JPH07274317 A JP H07274317A
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Atsushi Ishikawa
淳 石川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、従来装置に比べて構造が簡素化さ
れて部品数が大幅に減り、しかも組立工数も低減できて
ローコストで、しかも意匠性に優れる等の種々の特徴の
ある火災受信機を実現することを目的とする。 【構成】 この発明は、前面扉に装着孔を設けた函体
と、函体の前面扉の装着孔に装着されフランジを形成し
た樹脂成型のユニット盤を有する表示操作ユニットとを
備えた火災受信機において、ユニット盤の周辺部を装着
孔よりやや小さい相似形に形成して表示操作ユニットを
前面扉の前面から装着孔に着脱可能に装着する火災受信
機を構成した。また、ケースの周辺部を装着孔よりやや
小さい相似形に形成して印字ユニットを前面扉の前面か
ら装着孔に着脱可能に装着する火災受信機火災受信機を
構成した。さらに、ユニット盤及びケースの周辺部を各
装着孔よりやや小さい相似形に形成して表示操作ユニッ
ト及び印字ユニットを前面扉の前面から装着孔に着脱可
能に装着する火災受信機を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は函体の前面扉に表示部と
操作部等を設けた火災受信機に係り、火災監視機能やガ
ス洩れ監視機能或いは防排煙連動制御機能等を備えた火
災受信機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の火災受信機の扉を開いた
状態を示す斜視図、図11は図10の扉の1部の構造を
示す分解斜視図、図12は扉に操作板等を装着した状態
を示す断面図、図13はプリント基板の一部の構成説明
図で、大部分が特開平5−62080号公報に記載され
ている。
【0003】図10〜13において、1は火災受信機の
筐体、2は扉である。22は扉2の窓穴、23は多数の
係合片、24と25はスタッドナットとスタッドボルト
である。3と4及び5はいずれも合成樹脂製の操作板と
表示板及び増設用表示板で、31,41,51はそれぞ
れベゼルである。操作板3と表示板4及び増設用表示板
5は、いずれも扉2の窓穴22に整合する幅に作られて
いる。また、操作板3等の上下と左右には、相互間や窓
穴22の縁に係合するための溝や突片が形成されてい
る。
【0004】操作板3の両側面の突片32の長さと間隔
の大きさは、係合片23を形成した窓穴22に挿入でき
るような寸法にできている。また、37は操作板3に設
けられた電源保持部で、ほぼL字状の切り起した保持片
で構成されている。44と56は表示板4と増設用表示
板5に多段多列に設けられた複数の表示窓よりなる表示
部、46は表示板4に設けられた係合部、5a,5bは
増設用表示板5と同じ構造の増設用表示板である。
【0005】6と7は金属板の押え金具と補強板で、6
1は押え金具6の二股に分かれた脚部、70と72は補
強板7における横長の本体と補強部である。8a,8b
はプリント基板である。プリント基板8aには設定デー
タ例えば連動マトリックス表などが格納された書き換え
可能なROM例えばEEPROMが実装されると共に、
裏面に書換用コネクタ8cが取付けられている(図1
3)。8dはプリント基板8aのコネクタ8cの位置に
設けられた切欠き部、8eはROM書換装置、8fはR
OM書換装置8e側のコネクタである。9は絶縁紙、1
0は送受話器である。
【0006】11は鋼板のような金属の背板で、背面に
配線を通す隙間を開けて筐体1に取付けられている。1
2は配線ダクト、13はプリント基板、14は端子台、
15は保護板、16はトランスである。配線ダクト1
2,プリント基板13,トランス16は、背板11に取
付けられている。18aは背板11に設けた電源用配線
の挿通穴、18bは同じく信号用配線の挿通穴、20は
筐体1を壁面等に取付けるときの取付穴である。
【0007】上記のように構成した火災受信機は、操作
板3を前面より窓穴22に挿入してから側面の溝に沿っ
て押下げて扉2に装着する。同じ動作で、増設用表示板
5と表示板4を窓穴22内に入れて扉2に装着する。窓
穴22に装着された操作板3と表示板4及び増設用表示
板5は、溝や突片の係合で上下関係が連結される。引き
続いて係合部46に脚部61を嵌入し、押え金具6をビ
スでスタッドナット24に固定する。
【0008】次に、表示板4と操作板3の背面にプリン
ト基板8b,8aを係止させ、挿通穴に挿通したビスを
スタッドナット47に螺入して固定する。固定したプリ
ント基板8a,8b の背面に、ピン等により絶縁紙9を
取付ける。その後、スタッドボルト25に螺合するナッ
トを利用して、扉2の背面側で補強板7をプリント基板
8b上を橋絡して固定する。
【0009】筐体1内の背板には、トランス16や端子
台14と保護板15などを付けたプリント基板13等も
組み付けられる。組み付けが終わると、装置が設置場所
の壁前に運ばれる。信号用等の配線が壁面から一旦背板
11の裏側の壁面と筐体間の隙間に引出されてから、挿
通穴18a と18b に挿通されて筐体1の内部に導かれ
る。そして、取付穴20に通したボルトにより筐体1が
壁面に固定されて、火災受信機が監視センター等に設置
される。
【0010】火災が発生すると、マイコンにより火災受
信機が監視センター内で警報を発し、表示板上の当該地
区の表示灯を点灯させると共に端末装置が連動的に制御
される。その後、ユーザ側からオプションの設定や火災
感知器の増設又はレイアウト変更等の要請があった場合
には、図13の矢印で示されたようにROM書換装置8
eのコネクタ8fが切欠き部8dからプリント基板8a
のコネクタ8cに差込まれる。そして、プリント基板8
aのROMを取り外すことなく設定データを書換えてシ
ステム変更に対応する制御が行えるようになっている。
【0011】一方、上述した火災受信機のように表示窓
を多段多列に配置した表示装置に代って、CRTや液晶
を用いたディスプレイ上に火災情報等を切換えて表示す
る表示装置が採用されている。CRTや液晶のディスプ
レイに表示情報を切換え表示する装置を構成すれば、表
示が見易いばかりか限られた表示面積で表示情報量の増
大化に対処できる特徴がある。この種の液晶表示装置
(LCDという)には照明用のバックライトが設けら
れ、常時点灯するバックライトの投射光が液晶表示素子
に照射されている。
【0012】また、図14の火災報知用受信機(実公昭
63−39826号)において、1は本体、2は蓋体、
3はプリント基板、6は金属板の放熱体、8は遮蔽板、
10は底部裏面、Tは電源トランス、Wは壁である。本
体1と蓋体2は合成樹脂により成形され、放熱体6の下
方は開口部12を介してトランスTに固着されて壁Wと
隙間を開けて底部裏面に設けられている。そして、電源
トランスTで発生した熱を遮蔽板8で遮蔽させながら裏
面10の放熱体6を介してBのように外部へ放出して、
本体1の内部が高温度にならないように構成されてい
る。
【0013】さらに、図15の従来の開閉部の軸支構造
(実開平3−86973号)において、1は多角形状の
軸本体、3は溝、4は回転軸、5はEリング、6はカバ
ー、7は取付部、8は多角孔、9は溝、10はストッパ
ー、11はベース、12は軸孔である。カバー6の隅部
の両側の多角孔8に軸本体1を挿入して、Eリング5を
溝3と9に装着してストッパー部10で抜け止めした軸
支構造を構成したものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の図10〜13と
図14及び図15に掲げた従来の火災受信機等は、次の
P−1〜8に挙げるような解決すべき課題(Problem) が
あった。 P−1 製品出荷後のオプションの追加や火災感知器の増設等が
実施されると、基板8a上のコネクタ8cに別に設けら
れたROM書換装置8eのコネクタ8fを接続して新し
い設定データの書き換えが行なわれるようになってい
る。このため、ROMの書き換えが行われるときはその
都度大きいROM書換装置8eを携行してROMの書き
換えを行う必要があり、ROMの書き換え操作が極めて
面倒である。
【0015】P−2 一方、この従来の火災報知装置は、扉2に取付けられる
操作板3や表示板4についての防塵対策の配慮が成され
ているが、必ずしも十分ではなかった。しかも、この火
災報知装置の場合は窓穴22に操作板3等を次々に嵌め
ながら押し下げて装着するように構成されているので、
最上部に隙間が生じることになる。このため、取付時は
勿論のこと平常時においても、室内空間に浮遊するゴミ
や埃が窓穴22の隙間に溜まったり隙間から筐体1の内
部に侵入したりして表示板4とプリント基板8b の間の
上部からゴミ類が侵入する。
【0016】P−3 筐体1の内部にゴミや埃が侵入すると、埃やゴミを取り
除くことが必要で保守管理に手間が掛ることになる。ま
た、操作部や表示部にゴミ類が侵入すると、誤操作や表
示機能の低下の原因になる。更に、表面に堆積したゴミ
により電子部品が発熱して、故障することが発生する。
【0017】P−4 扉2の窓穴22の加工が複雑で、操作板3等の取付け操
作が面倒である。また、表示板4には押え金具6の脚部
が挿入される係合部46が設けられ、金属板を折曲した
二股の脚部61を持つ押え金具6が必要になる。しか
も、固定用のビスと、このビスを螺合させるスタッドナ
ット24とスタッドボルト25を溶接等で扉2の内面に
突出して固定しなければならない。このため、扉2の機
械加工や組立てが複雑で部品数が多くなるばかりか、垂
直なスタッドナット24を溶接する面倒な作業も加わる
ので製作工数が増えて一層製作費が高くなる。なお、図
示してないが実開昭54−107033号公報に記載の
防災盤の場合も、複数の地区表示窓のある表示部ユニッ
ト等からなる集中制御装置ユニットのラック窓へのマウ
ントがねじ止めにより着脱自在に構成されていて、この
従来の装置と同様に部品点数が増えてコスト高になる。
【0018】P−5 従来の火災受信機等に用いられる液晶表示装置では、バ
ックライトの点灯に伴う光の漏洩については特別な配慮
がなされていないような実情であった。このため、液晶
表示装置のバックライトの光が装置外に漏洩して、美観
を損なうような欠点があった。特に、夜間や暗い室内等
に設置された火災受信機の場合では、表示窓以外の装置
の隙間からバックライトの光が洩れることがある。装置
の隙間から光が洩れると電気系統の異常の発生を誤認す
るような恐れがあるばかりか、筐体等に隙間が大きく設
計上の欠陥のある装置と見なされて顧客に不評を買う原
因を誘発する心配もあった。
【0019】P−6 金属の背板11には、プリント基板13と発熱し易い電
源トランス16が取り付けられている。したがって、プ
リント基板13には整流回路、定電圧回路等の半導体等
の種々の電子部品が組み込まれており、熱伝導率の高い
金属の背板11を介して電源トランス16の発熱した熱
の影響を受ける恐れが多い。熱に弱い電子部品が熱的な
変化を受けると、入出力の関係が変化して誤動作を生じ
る原因になる。
【0020】P−7 一方、図14の火災報知用受信機では内部が高温度にな
らないように、合成樹脂の本体1の底部裏面10にでき
る限り広面積の放熱体6を設けたり、電源トランス16
の回りを囲む遮蔽板8も設けられている。このため、図
14の装置においても、部品点数が増えてコスト高にな
る。
【0021】P−8 また、図15に示され軸支構造の場合は、ボルトの外形
に似た形の軸本体1が挿入される複雑な多角孔8が設け
られている。また、抜止め用にEリング5を使用してい
るばかりか、このEリング5を逃がす溝9も形成されて
いる。このため、この軸支構造においても、上述した報
知装置と同様に、構造が複雑で部品点数も多くコスト高
になる。
【0022】本発明は、上記の各従来装置の課題を解消
するためになされたもので、部品点数が少なく製作コス
トが安価で、内部空間を有効に利用した放熱構造を構成
すると共に、組立が容易になる等の外に、更に種々の特
徴を有する火災受信機を実現することを目的とするもの
である。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、前面扉に装着
孔を設けた函体と、前面が操作パネルを構成して背面に
制御基板を含むユニット部品が取り付けられて前面扉の
装着孔に装着されフランジを形成した樹脂成型のユニッ
ト盤を有する表示操作ユニットとを備えた火災受信機に
おいて、ユニット盤に表示操作ユニットを前面扉の装着
孔に前面から着脱可能に装着する係止機構を設けると共
に、制御基板に実装された書き換え可能なメモリに記憶
される設定データ等が記憶されたICカードの挿入部を
設けた火災受信機を構成したものである。
【0024】また、係止機構を、フランジに対向してユ
ニット盤に成型されて装着孔の開口端に形成した折曲片
を係止する係止片から構成した火災受信機を構成したも
のである。また、ユニット盤の上部にユニット部品を覆
って防塵機能を有する廂部を設けた火災受信機を構成し
たものである。また、ユニット盤の上部に取付けられユ
ニット部品を覆う樹脂成型のシートを設けた火災受信機
を構成したものである。また、函体の背面側の配線室に
突出した基板収納部を設けた火災受信機を構成したもの
である。
【0025】また、ヒンジ機構を介して本体に開閉可能
に保持された前面扉に装着孔を設けた函体と、前面が操
作パネルを構成して背面に制御基板及びLCD基板を含
むユニット部品が取り付けられて前面扉の装着孔に装着
されてフランジを形成した樹脂成型のユニット盤を有す
る表示操作ユニットと、制御基板のソケットに差込まれ
て制御基板に実装された書き換え可能なメモリに記憶さ
れる設定データ等が記憶されたICカードと、前面に開
閉蓋を設けて内部に印字機構を収容して前面扉の装着孔
に装着されてフランジを形成した樹脂成型のケースを有
する印字ユニットとが設けられ、ユニット盤に表示操作
ユニットを前面扉の装着孔に前面から着脱可能に装着す
るユニット盤の係止機構を設け、ケースに印字ユニット
を前面扉の装着孔に前面から着脱可能に装着するケース
の係止機構を設けると共に、制御基板に実装された書き
換え可能なメモリに記憶される設定データ等が記憶され
たICカードの挿入部をユニット盤に設けた火災受信機
を構成したものである。
【0026】また、ユニット盤の係止機構を、フランジ
に対向してユニット盤に成型されて装着孔の開口端に形
成した折曲片を係止する係止片とから構成した火災受信
機を構成したものである。また、ユニット盤の上部にユ
ニット部品を覆って防塵及び又は遮光機能を有する廂部
を設けた火災受信機を構成したものである。また、ユニ
ット盤の上部に取付けられユニット部品を覆う樹脂成型
のシートを設けた火災受信機を構成したものである。ま
た、本体の背面側の配線室に突出した基板収納部を設け
た火災受信機を構成したものである。また、ケースの係
止機構を、フランジに対向してケースに成型されて装着
孔の開口端を挟持するロック爪から構成した火災受信機
を構成したものである。また、ユニット盤に係止片と固
定柱とからなる係止機構を設けてこの係止機構によりユ
ニット部品におけるLCD基板をユニット盤に着脱可能
に装着する火災受信機を構成したものである。また、ユ
ニット盤に形成された取付部にフイルタとリングを介し
てユニット部品におけるスピーカを取付けた火災受信機
を構成したものである。また、装着孔の開口端に折曲し
て形成した遮光片によりLCD基板のバックライトの函
体からの漏洩光を遮蔽する火災受信機を構成したもので
ある。また、ユニット盤の背面側に形成されたLCD基
板の窓板が嵌め込まれる方形の窓孔の縁取り枠のエッジ
部に逃げ孔を設けた火災受信機を構成したものである。
また、ヒンジ機構における内ヒンジのコ字形アームに囲
繞された前面扉側の折曲片の切込部の切込深さにより前
面扉の開閉角を変化させる火災受信機を構成したもので
ある。また、ヒンジ機構におけるヒンジ軸に抜止めネジ
を設けた火災受信機を構成したものである。さらに、前
面扉の内壁面に配線束を保持する保持環を設けた火災受
信機を構成したものである。
【0027】
【作用】火災受信機の函体には金属板が用いられて、板
金加工により本体と前面扉とよりなる奥行きの浅い角箱
状に成形されている。本体は更に前面と後面に折曲片を
形成した方形の枠体と、本体内の背面側に奥行きの浅い
配線室を作っている背面板とからなっている。また、前
面扉側はほぼ長方形板の各辺を直角に2段に折曲成型さ
れていて、開閉支点側で折返した折曲片の上下2か所に
切込部が形成されている。
【0028】ヒンジ機構は内ヒンジと外ヒンジおよびヒ
ンジ軸からなり、各外ヒンジが前面扉の上下の切込部と
対応する位置に固着されている。一方、コ字形アームを
形成した内ヒンジは、本体側の内側壁の上下に溶接され
ている。内ヒンジの円筒軸受と外ヒンジの板状軸受とを
結合させてから、両軸受にヒンジ軸を挿入して先端に抜
止め用の小ネジが螺合されて前面扉が本体に連結され
る。そして、内ヒンジのコ字形アームが枠体側の折曲片
と前面扉側の折曲片とを囲繞し、前面扉がほぼ切込部の
切込深さの大きさに対応する角範囲でヒンジ軸を支点に
回転して開閉されるようになっている。
【0029】樹脂成型されたユニット盤の前面側には、
光が透過する表示窓とタッチスイッチを表示したメンブ
レンシートが接着剤により接着される。メンブレンシー
トの下部の前面には、開閉されるカバーが組み込まれ
る。背面側には係止片と突出片を有効に利用して、固定
柱に制御基板が載せられて位置決めされながら最小限の
ネジで取付けられる。
【0030】また、四隅に逃げ孔を設けた大形窓の縁取
り枠には窓板が嵌められ、その上にはLCD基板が同様
に可及的少ないネジで固定される。ユニット盤に固定さ
れたLCD基板の上方と左,右はゴミの落下や光を遮る
廂部と遮光片に囲まれている。さらに、片隅に設けられ
た取付部の通音溝の内側には、フィルタとリングを介し
て警報用のスピーカも取り付けられる。ユニット盤への
スピーカ等のユニット部品の取付けが終わると、大形の
係止片等によりユニット盤が前面扉に取外し自在に装着
される。
【0031】前面扉に装着された表示操作ユニットの背
面には絶縁シートが取り付けられて、制御基板とLCD
基板上の電子部品が覆われてシールされる。また、前面
扉下部の装着孔に印字ユニットが前面から奥まで差込ま
れると、ロック爪が復元して印字ユニットが自動的にロ
ックされて取付けられる。前面扉上の表示操作ユニット
は本体内の電子部品類とコネクタで接続され、配線は樹
脂製のファスナやバンドで束ねられて数箇所に設けられ
た保持環により前面扉の内壁面に沿って懸張して保持さ
れる。
【0032】一方、函体本体の背面板の表側には配線ダ
クトや電源トランス等と共に、電源基板も取付けられ
る。電源基板の背面に突出して2層構造に形成されたス
イッチング回路を構成する増設基板は、配線室のデッド
スペースを利用して突出した多数の通気孔を設けた基板
収納部の内部空間に介装されている。部品の組み付けの
終わった火災受信機は、監視センタ等の設置場所に運び
込まれて壁の前面に函体が据え付けられる。据え付けが
終了すると、前面扉を開けて外部配線が背面から函体内
に引き込まれて端子台等に接続され、火災受信機が火災
感知器やガス洩れ検知器等の端末機器に接続される。
【0033】ここで、監視地区の火災感知器の検出信号
で火災が発報されると、表示操作ユニットの制御基板に
実装されたCPUがROMに予め格納された設定データ
に基づいて制御信号を出力する。火災状況の表示や警報
機の鳴動等を実行し、同時に防排煙機器等の端末機器が
所定のプログラムで連動的に制御される。このときの火
災状況の表示はバックライトからLCD基板上の表示素
子に照明光が照射されて、時刻等の表示情報が操作パネ
ルの表示窓内に鮮明に表示される。操作パネルのカバー
を開けてプリンタ用のタッチスイッチを押せば、印字ユ
ニットが駆動されてこのときの表示情報がプリントアウ
トされる。バックライトから出た光は遮光片や廂部等で
その進路が遮えぎられて、暗がりや夜間に常時点灯させ
ていても函体と前面扉との隙間等から外部へ向かう漏洩
光は遮断される。
【0034】後日、建屋内のレイアウトの変更や火災感
知器の増設等が行われると、変更に対応する設定データ
がICカードに記憶される。錠前を解いて前面扉が開け
られると、変更された設定データをメモリしたICカー
ドがユニット盤に設けられたICカードの挿入部に挿入
されて制御基板のコネクタに接続される。ここで、例え
ば電源が立ち上げられると火災受信機のCPUはICカ
ードの設定データを読み込み、書き換え可能なメモリに
記憶されていた古い設定データが新しい設定データに書
換えて更新される。また、修理等で前面扉を外す必要が
あるときは、ヒンジ機構の小ネジを緩めて取り外せばヒ
ンジ軸が抜けて前面扉が本体から分離される。
【0035】
【実施例】図1は本発明実施例の火災受信機の主要部の
構成を示す分解斜視図、図2はその前面図、図3はその
背面図、図4は操作パネルの拡大正面図である。図1乃
至図4において、1は火災受信機、2は函体である。函
体2には鋼板のような金属板が用いられ、奥行きの浅い
角箱状に成形されている。
【0036】函体2の部品類の組付け前の分解構造が、
図5に示されている。3は函体2の本体、4は前面扉で
ある。5は本体3の周辺を方形に囲む枠体、6は背面
板、7a と7b は断面がL字形の上下の取付杆である。
8と9は背面板6に貫設された配線用の開口と複数の取
付孔、10は四角孔、11は基板収納部(図3)であ
る。枠体5の上,下、左,右の幅方向の両側辺は内部側
に直角に折曲げられ、形成された折曲片5a の直角成分
により一定の強度が与えられている。
【0037】背面板6は取付杆7a ,7b により本体3
の奥行き方向の途中で垂直方向に配置されて、本体3の
内部空間の背面側に奥行きの浅い配線室R1 を形成す
る。配線室R1 には取付け壁面から一旦電源や信号用の
配線が引き出されてから、内部の収容室R2 に導かれ
る。基板収納部11は火災受信機1を壁面等に設置する
際に壁面に当たらない程度に配線室R1 に突出し、突出
面に多数の通気孔11a が設けられている。
【0038】一方、前面扉4は図5に図示されているよ
うに、長方形の金属板の各辺を直角に2段に折り曲げて
成型されて奥行き方向に厚みが設けられている。2段階
の折り曲げ加工により、ユニット部品を装着して開閉す
る前面扉4に一層の耐荷重機能が与えられるようになっ
ている。特に、前面扉4の開閉支点側(図1,4の左辺
側)で折返した折曲片4b は、他の3辺に比較して幅が
広く作られてより一層の強度が付与されている。
【0039】12と13は前面扉4の前面板4a に設け
られた大小2つの装着孔で、大きい方の装着孔12の下
辺と左,右辺の開口端は内側に折曲げ加工されている。
14は左右の折曲部で構成する遮光壁で、上部がやや広
幅でフラグ状に形成されている。下辺の折曲部と左右の
遮光壁14における下部の狭い部分の幅は、後で説明す
るユニット盤21の係止片46が係止できる大きさの幅
になっている。15は前面扉4の折返した折曲片4b の
上下にやや深く切り込まれた切込部、dは切込部15の
切込み深さである。16は前面扉4のヒンジ機構、17
は複数の保持環、18は錠前である。
【0040】ヒンジ機構16は、それぞれ板材を折曲げ
た内ヒンジ16a と外ヒンジ16bおよびヒンジ軸16c
と止めネジ16d からなっている。内ヒンジ16a は
図6にも示されたように外ヒンジ16b よりやや厚い板
材を折り曲げ加工して作られ、先端に円筒軸受16e を
設けたコ字形アーム16f が形成されている。コ字形ア
ーム16f は枠体5(本体3)の折曲片5a と前面扉4
の折曲片4b とを囲繞して(図9も参照)、内ヒンジ1
6a が本体3側の内側壁の上下に固着されている。ま
た、外ヒンジ16b は円筒軸受16e を介在させる平行
な2枚の板状軸受16g を備えて、前面扉4の上下の切
込部15の位置に固定されている。
【0041】円筒軸受16e と板状軸受16g の孔を同
一軸上にしてヒンジ軸16c が一方から挿入されて、露
出端にネジ16d が螺合されて抜止めされている。他
方、本体3から前面扉4に導かれた配線は樹脂製のファ
スナ等で束ねられ、この配線束が数箇所に設けられた保
持環17に余裕を持たされて保持されている(図示して
いない)。よって、前面扉4がほぼ前記折曲片4b の切
込深さdの大きさに対応する角範囲で、配線束に支障を
与えることなくヒンジ軸16c を支点に回転して開閉さ
れるようになっている。
【0042】錠前18は詳しくは図示されていないが、
前面扉4に突出した円錘筒18a 内にマイナス溝を形成
した錠前軸が遊嵌されている。そして、円筒内のマイナ
ス溝にドライバー等の器具の先を係合させて回転する
と、錠前軸に連結された内部の押え板18b が90度ク
リック回転して前面扉4が開かれるようになっている。
このような構造の採用により、火災受信機という公益上
の保安的な装置としての安全性が保たれている。
【0043】20は表示操作ユニットである。表示操作
ユニット20は、前面扉4に組込まれる。21は樹脂成
型されたユニット盤、22と23はカバーとメンブレン
シートである。メンブレンシート23には、透明または
半透明の表示窓と表示文字やアッブ・ダウンスクロール
等のタッチスイッチが表示されている。ユニット盤21
は表示操作ユニット20の骨格的な機能を司り、前面に
はカバー22とメンブレンシート23が設けられて操作
パネルPa を構成し、裏面側には次に説明する制御基板
やLCD基板等が取り付けられている。また、カバー2
2の裏側には送受話器のソケットや印字部のタッチスイ
ッチ等が設けられて、頻度の少ない操作や試験用等の特
殊の操作が行われる。
【0044】24はユニット盤21の裏面側に取付けら
れた制御基板、25はICカード、26はLCD(Liqui
d Crystal Display)基板、27は主音響をなすスピー
カ、28は合成樹脂の絶縁シートである。制御基板24
にはメンブレンシート23の表示に対応する多数の電子
部品と共に、RAM、書き換え可能なメモリとしてのE
EPROM及びCPUからなるマイコンが実装されてお
り、電源立ち上げ時に、コネクタ24a に接続されたI
Cカード25に記憶された設定データ等を読み込み実装
された書き換え可能なメモリにその設定データを書き込
むための電気回路が設けられている。
【0045】ICカード25に搭載されたICは、例え
ば情報の書込みや読出しを制御するためのCPUと、こ
のCPU駆動用のメモリと端末機器を連動させる設定デ
ータの記憶用のメモリからなっている。非発光性のLC
D基板26の表示素子にはバックライトの照明光が投射
され、夜間や暗がりでも文字・記号等が鮮明に表示され
る。また、樹脂製の絶縁シート28は表示操作ユニット
20の背面形状に合わせて成型されて、制御基板24等
に実装された電子部品類を覆って電気的及び機械的にシ
ールする。この絶縁シート28は、光の透過を抑制する
濃色で要すれば黒色材が望ましい。
【0046】ユニット盤21の背面構造が、図7に示さ
れている。31はユニット盤21のフランジで、ユニッ
ト盤21の方形の各周辺の前面側に突出して連設されて
いる。そして、ユニット盤21の方形の周辺は装着孔1
2よりやや小さい相似形に形成され、装着状態でフラン
ジ31が装着孔12との僅かな嵌合間隙を前面から覆う
ようになっている。32は背面側に張出した廂部、33
は廂部32に連続して設けられたICカード25の挿入
部、34は廂部32と挿入部33の外側にフランジ31
に沿って突出して形成された表示操作ユニット20の係
止機構としての3個の突状片(図1を参照)である。
【0047】廂部32は背面側に取付けられる制御基板
24やLCD基板26を覆えるだけの幅及び奥行きを有
し、ユニット盤21の上縁に設けられて、制御基板24
とLCD基板26等のゴミの堆積や侵入を防止すると共
に、バックライトの遮光壁としても利用される。また、
挿入部33の両側にはL形枠33a が設けられ、ICカ
ード25を囲んで内部に保持しICカード25に外力が
加わっても破損しないようにしてある。また、挿入部3
3には入口側を広くした傾斜面35が形成されていて、
ICカード25が傾斜面35に沿って円滑に差込まれ
る。なお、ユニット盤21に制御基板24を取付けた際
に、制御基板24のコネクタ24a がICカード挿入部
33に対向するような位置に挿入部33はユニット盤2
1に一体成型される。
【0048】36はスピーカ27の取付部で、ユニット
盤21の左下隅に設けられている。取付部36には平行
な複数の通音溝37が貫設され、通音溝37を囲む環状
部内にフィルタ38とリング39を介装してスピーカ2
7が取付られる。リング39の材質には弾性材が適し、
振動に伴う固定の緩みや発生音の“音響割れ”が防止さ
れる。リング39は通音溝37の回りの環状部とほぼ同
径に作られ、無接着でフィルタ38が着脱可能に取付部
36に圧接して装着される。
【0049】41は縁取り枠を有する大形の窓孔、42
は2つの中形の窓孔、43は角筒状に突出して離散状や
列状に並べられた多数の小形の窓孔である。大形の窓孔
41には窓板45を介してLCD基板26が介装され
て、メニュー等の文字表示用に用いられる。また、2つ
の中形の窓孔42は制御基板24に実装されたLEDに
対向して、メンブレンシート23の表示枠内に3桁のセ
ブンセグメント数値で地区番号等を表示する。更に、多
数の小形の窓孔43は単一のLEDに臨んで、赤や緑に
よる動作状態の色表示用に利用される。
【0050】特に、大形の窓孔41の縁取枠の四隅に
は、図では同じ深さで直角の角を円形にカットした逃げ
孔44が形成されている。そして、逃げ孔44により、
大形の窓孔41の内側に透明または半透明の窓板45が
隙間なくキッチリ嵌め込まれるようになっている。46
はフランジ31の下部寄りの側辺に突設された表示操作
ユニット20の係止機構としての4個の大形の嘴状の係
止片、47は側辺や内部に設けられた小形の係止片、4
8と49は椅子形と板形の突出片、50はブロック台、
51は円形の突出筒、52は固定柱、53は耳片を付設
させた固定柱である。固定柱52,53にはナットがイ
ンサートされて、固定用のネジが螺合される。そして、
係止片47と固定柱52,53で、制御基板24とLC
D基板26の係止機構を構成する。
【0051】大形の係止片46と前記突状片34は、表
示操作ユニット20を前面扉4の装着孔12に取外し自
在に装着させる。また、突出片48と49は制御基板2
4及びLCD基板26の側面又は底面に接触して取付時
の横又は縦方向の位置決め機能を果し、就中椅子形の突
出片48は、その段部の両面に制御基板24が載置され
て両方向の位置決めを行い、固定柱53は耳片の位置決
めとネジ固定とを兼備する。小形の係止片47は、両基
板24及び26を係止する。而して、係止片47等によ
り、制御基板24等の固定用のネジを絶無又は必要最小
限に省略させる。突出筒51内には円板状の可動片がフ
リー状態に収容されて、メンブレンシート23のタッチ
変位を制御基板24とLCD基板26上のスイッチ素子
に伝達する。54は絶縁シート28の固定用等の取付
片、55は送受話器のプラグの差込用ソケットの取付台
である。
【0052】60は印字ユニットで、前面扉4の下部に
設けられている。61は合成樹脂製のケース、62はユ
ニット盤21と同様なフランジでケース61の装着時の
装着孔13との僅かな嵌合間隙が覆われる(以下、図
8)。63は開閉蓋、64は開閉軸である。65はカッ
タを備えたチャートの繰出し口、66はフィーダボタン
である(図2)。開閉蓋63はプッシュ形で上端をプッ
シュすると、図8に示されたように開閉軸64を支点に
開放される。ケース61の内部には例えば感熱式の印字
機構が内蔵され、LCD基板26による表示データ等が
ロール形の感熱紙に印字記録される。
【0053】67はケース61の両側面に形成された2
つのコ字溝、68はコ字溝67に囲まれた印字ユニット
60の係止機構としてのロック爪、69はコ字溝67内
で弾性的に変位する可動端、71は連結部である。ロッ
ク爪68の断面は連結部71側が緩い傾斜面を持つ三角
状に形成され、平常状態で図示のようにケース61の側
面から幾分張り出している。このロック爪68の可動端
69とフランジ62の隙間は、前面扉4の板厚に対応す
るようになっている。そして、印字ユニット60の開閉
蓋63側を手に持って前面扉4の前面から装着孔13に
挿入すると、ロック爪68は一旦は内側に押し込められ
る。そして、ケース61が奥まで挿入すると弾性力によ
りロック爪68が平常状態に復元して、周辺の前面扉4
が隙間内で挟持されて印字ユニット60が自動的にロッ
クして装着される。
【0054】図1の73はホルダにより背面板6に懸け
られた送受話器、74は左右の両面が観音開きに開放す
るトライアングル形の配線ダクト、75は電源基板であ
る。電源基板75には、階段状にネジ端子を配置した端
子台やヒューズ等が取り付けられている。また、この電
源基板75の反対面には図3に示されたように、実装面
の狭いプリント板の増設基板75a が二層構造に取付け
られている。増設基板75a には発熱し易い回路、例え
ば定電圧回路が組み込まれ、前述の背面板6上に設けら
れた基板収納部11に対向して臨んでいる。76は電源
トランス、77は前記開口8を塞ぎ2つの丸形の挿通孔
を形成した2分割形の絶縁板である。図9のθは、前面
扉4の回転角である。
【0055】上述のような構成の本発明実施例火災受信
機の函体の組立てと部品類の組み付けの一例を示せば、
次の通りである。例えば、プレス加工により大形の鋼板
から装着孔12,13等の孔と輪郭形状を打ち抜いて、
前面扉4を平面展開した原板を製作する。このとき、開
閉動作の支点側の折曲片4b を他辺より広幅にし、切込
み深さdを所定幅に選定する。打抜いた原板の4辺を2
段階に直角に折り曲げ、装着孔12の左右辺と下辺はL
字形に折り曲げ加工する。同様にして、枠体5と背面板
6及び上下の取付杆7a ,7b を打抜いてから、折り曲
げ加工する。ただし、枠体5は、枠成型のための溶接加
工が施される。
【0056】次に、予め板材を使って図6のように加工
した内ヒンジ16a と外ヒンジ16b を、枠体5と前面
扉4の内側面に溶接する。また、取付杆7a ,7b を枠
体5の上下の内面に溶接し、背面板6の四角孔10には
基板収納部11を配線室R1側に突出させて固着成型す
る。その後、錠前18を取付用の孔に組み込んでから、
二対の内ヒンジ16a と外ヒンジ16b を結合してヒン
ジ軸16c を挿入して前面扉4が開閉可能に本体3に連
結される。
【0057】ヒンジ軸16c の先端には止めネジ16d
を螺合して、抜け止めする。小ネジで抜止めさせている
ので、前面扉4の取外しが容易でEリングと異なり反復
使用が可能である。本体3の取付杆7a ,7b には背面
板6がネジで固定され、固定された背面板6の裏側に奥
行きが浅く区画された配線室R1 が作られ函体2が組立
てられる。出来上った函体2の背面板6には送受話器7
3用のホルダ,配線ダクト74,電源トランス76,絶
縁板77等と共に、電源基板75が取付けられる。電源
基板75の背面に突出した増設基板75aは、多数の通
気孔11a を設けた基板収納部11の内部空間に介装さ
れている。配線室R1 は信号線+電源線の配線を行うた
めに、ある程度の奥行きを必要とするが、これらの配線
は配線室R1 全体を占める訳ではないため、デッドスペ
ースが生じる。よって、本実施例では配線室R1 のデッ
ドスペースを利用して、受信機内の基板等の一部分を収
納でき、受信機内をすっきりさせることが可能になり、
函体の薄型化が促進できる。また、増設基板75a より
生じる熱が、通気孔11a から効果的に拡散される。し
かも、基板収納部に発熱部品を他の部品と分離して収納
でき、他の回路部品への発熱の影響を防止できる。
【0058】一方、樹脂で成型されたユニット盤21に
は、前述のように前面に窓孔41などが設けられ背面に
係止片47や取付部36等が一体成型されている。一体
成型されたユニット盤21の前面側にはメンブレンシー
ト23が添着される。メンブレンシート23の下方の一
郭には、開閉されるカバー22が組み込まれて目隠しさ
れる。一方、背面側には弾性的に変位する係止片47と
突出片49等を有効に利用して、固定柱52により制御
基板24が位置決めされながら可及的に少ない固定用の
ネジを締め付けて取付けられる。
【0059】同様に、四隅に逃げ孔44を設けた大形の
窓孔41の縁取り枠には窓板45が嵌められて、その上
にはLCD基板26が左側に設けられた2つの係止片4
7により保持され耳片を付設した固定柱53に螺合する
2本だけのネジで固定される。さらに、背面側の下隅の
取付部36の環状孔の内面に接着剤なしで挿入されたフ
ィルタ38が、上から取り付けられた警報用のスピーカ
27によりリング39を介して圧接して装着される。ユ
ニット盤21へのスピーカ27等のユニット部品の取付
けが終わると、大形の係止片46と突状片34によりユ
ニット盤21が前面から火災受信機1の前面扉4に取外
し自在に装着される。この装着操作を詳しく説明すれ
ば、次の通りである。
【0060】表示操作ユニット20を把持して前面扉4
の前から上部を僅かに前に傾けながら装着孔12に挿入
してから押上げて、ユニット盤21の上縁のフランジ3
1と3個の突状片34の間に装着孔12の開口端を嵌め
合わせる。上部を嵌め合わせたままの状態で、表示操作
ユニット20の下方の部分を前面扉4に押し付ける。こ
のとき、4個の係止片46が共に装着孔12の開口端に
押し付けられて、ユニット盤21の内部の方向に弾性的
に変位する。そして、下部のフランジ31が前面扉4の
表面まで嵌め込まれると、各係止片46がフリーになっ
て直立し嘴状の先端が“パチン”と開口端の折り曲げ加
工された部分に係止する。このようにして、表示操作ユ
ニット20が、ねじなしで装着孔12に装着される。
【0061】装着状態で各係止片46を押し付けながら
上記とほぼ逆の操作をすれば、前面扉4に装着された表
示操作ユニット20を簡単に取り外すことができる。一
方、前面扉4の下部の装着孔13に印字ユニット60が
前面から挿入されて奥まで差込まれると、ロック爪68
が復元して印字ユニット60が自動的にロックされてね
じなしで取付けられる。ロック爪68を押さえて前方に
引っ張れば、印字ユニット60を装着孔13から外すこ
ともできる。
【0062】その後、全ての部品類を組込んだ火災受信
機1が建屋内に運び込まれて、取付工事と配線作業が実
施されることになる。ダクトを通して上層階等に設置さ
れた火災感知器や端末機器からの配線が設置室内に導入
される。また、設置場所のコンクリート壁面には、固定
用のボルトが埋め込まれる。一方、設置室内にダクトを
通して導入された多数の配線は火災受信機1の背面の絶
縁板77から函体2内に引き込まれ、内部結線作業で端
子台等の内部接続が行われる。
【0063】工事の際、仮令表示操作ユニット20を前
面扉4に装着したままでも、取付け工事に伴って発生し
た粉塵等のゴミ類は上部に設けられた廂部32や背面の
絶縁シート28により表示操作ユニット20への付着や
侵入が制限される。また、装着孔12とユニット盤21
との間には隙間がないので、普段でも室内空間を浮遊す
る埃類の電子部品への付着が少なくなる。
【0064】内部結線作業により前面扉4に装着された
表示操作ユニット20と印字ユニット60が本体3内の
電子部品とコネクタ接続されてから、取付片54に絶縁
シート28がピン等により取付けられてユニット部品類
の背面側がシールされる。前面扉4内に導かれた配線は
樹脂ファスナで緊縛されて、前記のように前面扉4の内
面の数箇所に設けられた保持環17に保持されて前面扉
4の開閉動作に支障を与えない。このようにして、火災
受信機1が防災センター等の壁面に沿って設置されて、
火災感知器や中継器或いはガス洩れ検知器等の端末機器
に回線で接続され防災システムが構成される。
【0065】ここで、監視地区の火災感知器の検出信号
で火災が発報されると、表示操作ユニット20の制御基
板24に実装されたCPUが書き替え可能なROMに予
め格納された設定データに基づいて制御信号を出力す
る。同時に、表示操作ユニット20の操作パネルPa へ
の火災状況の表示やスピーカ27による警報装置の鳴動
等を実行し、防排煙機器等の端末機器が所定のプログラ
ムで連動的に制御されて火災やガス洩れ対策が実施され
るようになっている。
【0066】一方、LCD基板26上のバックライトに
は常時或いは必要時に照明用の電流が供給されて、表示
素子に照明光を照射して時刻等の表示情報が操作パネル
Paの表示窓内に表示されている。このとき、表示素子
に照射された反射光やバックライトの散乱光等によっ
て、電子部品を実装したLCD基板26の付近が弱い漏
洩光によって照射されることになる。
【0067】しかしながら、装着孔12に装着された表
示操作ユニット20の左右には、前面扉4の1部を折曲
げて形成した遮光壁14が設けられている。また、LC
D基板26の上方には、ユニット盤21の上部で水平方
向に伸びた廂部32が背面側に張出している。さらに、
表示操作ユニット20の背面は、濃色の絶縁シート28
に覆われている。このため、上記した点灯するバックラ
イトによる漏れた光の光路が遮えぎられて、本体3と前
面扉4との隙間等から外部へ向かう漏洩光が遮断される
ようになっている。
【0068】保守・点検に伴い火災受信機1の中を点検
する際には、錠前18のマイナス溝にドライバ等を差込
んで前面扉4が開かれることになる。施錠が解かれて前
面扉4の自由端を前面に引き寄せると、前面扉4が図9
の(a) 〜(d) に示されたような経過を経てヒンジ軸16
c を支点に回転して開放される。前面扉4の切込部15
を深くした実施例構成に因れば、折曲片4b の幅を広く
して一定の強度を保ちながら前面扉4の回転角θを拡大
させて点検作業が行い易くなっている。試験や緊急時に
は収容室R2 内のホルダに掛けられた送受話器73を取
外してから、操作パネルのカバー22を開けて差込みソ
ケット55にプラグを差し込めば端末装置との会話によ
る情報交換を行うこともできる。なお、折曲片4b を切
込む際、その末端まで切込んでしまうと、函体2の横か
らその切込みが見えてしまうので、切込みが見えない程
度に切込部15の切込深さdを設定することが美観上好
ましい。
【0069】後日、建屋内のレイアウトの変更や火災報
知設備のオプションの追加等がユーザから要請される
と、ICカード25に更新されるべき設定データが記憶
される。変更された設定データをメモリしたICカード
25が、表示操作ユニット20のユニット盤21に設け
られたICカード25の挿入部33に挿入されて制御基
板24のコネクタ24a に接続される。ここで、電源が
立ち上げられるとCPUはICカード25の変更された
設定データを読み込み、書き換え可能なROMに記憶さ
れていた古い設定データを新しい設定データに書換えて
更新する。
【0070】なお、上述の実施例ではICカードを前面
扉を開けてユニット盤の挿入部に挿入する場合を例示し
たが、函体の外から直接セットするように構成すること
もできる(実施例2)。この場合は、函体に開口部を設
けてその内側にICカードの挿入部が設けられることに
なる。また、火災監視システムの変更とオプションの追
加に伴う設定データを更新する場合で説明したが、火災
感知器の蓄積時間の変更等の場合でもよい。また、IC
カードの更新データの読み込みと書換えには、ICカー
ド自体に搭載されたCPU等を利用するようにしてもよ
い。
【0071】また、ユニット盤の上部に廂部を形成した
場合で説明したが、前面扉の装着孔を上方に折り曲げて
廂部を形成してもよいが材質や製作の容易性からは樹脂
製のユニット盤で一体成型することが望ましい。また、
廂部をユニット盤の上部に設けたが、両側面に延長して
コ字形の防塵部材を構成するようにしてもよい。コ字形
の防塵部材に絶縁シートを組み合わせれば、表示操作ユ
ニットのユニット部品がほぼ完全に包囲されるので防塵
機能を一層高めることができる。
【0072】また、ユニット盤に形成された4個の大形
の係止片とフランジに平行な3つの突状片によって表示
操作ユニットを前面扉の装着孔に取外し自在に装着させ
た場合で説明したが、突状片を省略して全てを係止片に
代えてもよく、これらの個数も適宜増減することができ
る。また、印字ユニットのロック爪を左右の側面に2個
づつ設けたが、ロック爪の位置や個数に就いても必ずし
も実施例に限定する必要はない。また、スピーカの取付
部に輪郭が円形で9本の通音溝を形成した場合で説明し
たが、多数の小孔や長円孔等でも差し支えがなく、要す
るに音を通過させる通音孔であればよい。
【0073】また、遮光壁と廂部及び絶縁シートによっ
て函体から上方と両側面及び背面に向かう漏洩光を防止
した場合で説明したが、3者の遮光部材の1つまたは2
つでもよく、函体や設置条件により一部は省略してもよ
い。また、照明光を利用する表示器であれば、必ずしも
実施例のような液晶表示装置に限定する必要もない。
【0074】また、前面扉の折曲片の切込部を深くして
開閉角を大きくした場合で説明したが、切込部とコ字形
アームとの接触を前面扉のストッパーに利用するように
してもよい。また、基板収納部に定電圧回路用のプリン
ト基板の増設基板を介装した構成を例示したが、熱の影
響を受け易い電子部品であればプリント基板の回路基板
に拘るものではない。さらに、ほぼ凸形の保持環で前面
扉の配線束を保持させたが、保持用の孔等があればよ
く、必ずしも実施例の場所や形状に限定するものではな
い。また、ユニット盤印字ユニットは共にそれぞれの係
止機構により前面扉の前方から挿入される装着孔に係止
される。このため前面扉の裏側からしか係止機構を解除
することができないので、勝手にユニット盤等を引き抜
かれることはない。
【0075】
【発明の効果】本発明は、前面扉に装着孔を設けた函体
と、前面が操作パネルを構成して背面に制御基板を含む
ユニット部品が取り付けられて前面扉の装着孔に装着さ
れフランジを形成した樹脂成型のユニット盤を有する表
示操作ユニットとを備えた火災受信機において、ユニッ
ト盤に表示操作ユニットを前面扉の装着孔に前面から着
脱可能に装着する係止機構を設けると共に、制御基板に
実装された書き換え可能なメモリに記憶される設定デー
タ等が記憶されたICカードの挿入部を設けた火災受信
機を構成した。
【0076】また、係止機構を、フランジに対向してユ
ニット盤に成型されて装着孔の開口端に形成した折曲片
を係止する係止片から構成した火災受信機を構成した。
また、ユニット盤の上部にユニット部品を覆って防塵機
能を有する廂部を設けた火災受信機を構成した。また、
ユニット盤の上部に取付けられユニット部品を覆う樹脂
成型のシートを設けた火災受信機を構成した。また、函
体の背面側の配線室に突出した基板収納部を設けた火災
受信機を構成した。
【0077】また、ヒンジ機構を介して本体に開閉可能
に保持された前面扉に装着孔を設けた函体と、前面が操
作パネルを構成して背面に制御基板及びLCD基板を含
むユニット部品が取り付けられて前面扉の装着孔に装着
されてフランジを形成した樹脂成型のユニット盤を有す
る表示操作ユニットと、制御基板のソケットに差込まれ
て制御基板に実装された書き換え可能なメモリに記憶さ
れる設定データ等が記憶されたICカードと、前面に開
閉蓋を設けて内部に印字機構を収容して前面扉の装着孔
に装着されてフランジを形成した樹脂成型のケースを有
する印字ユニットとが設けられ、ユニット盤に表示操作
ユニットを前面扉の装着孔に前面から着脱可能に装着す
るユニット盤の係止機構を設け、ケースに印字ユニット
を前面扉の装着孔に前面から着脱可能に装着するケース
の係止機構を設けると共に、制御基板に実装されたメモ
リに記憶される設定データ等が記憶されたICカードの
挿入部をユニット盤に設けた火災受信機を構成した。
【0078】また、ユニット盤の係止機構を、フランジ
に対向してユニット盤に成型されて装着孔の開口端に形
成した折曲片を係止する係止片から構成した火災受信機
を構成した。また、ユニット盤の上部にユニット部品を
覆って防塵及び又は遮光機能を有する廂部を設けた火災
受信機を構成した。また、ユニット盤の上部に取付けら
れユニット部品を覆う樹脂成型のシートを設けた火災受
信機を構成した。また、本体の背面側の配線室に突出し
た基板収納部を設けた火災受信機を構成した。また、ケ
ースの係止機構を、フランジに対向してケースに成型さ
れて装着孔の開口端を挟持するロック爪から構成した火
災受信機を構成した。また、ユニット盤に係止片と固定
柱とからなる係止機構を設けてこの係止機構によりユニ
ット部品におけるLCD基板をユニット盤に着脱可能に
装着する火災受信機を構成した。また、ユニット盤に形
成された取付部にフイルタとリングを介してユニット部
品におけるスピーカを取付けた火災受信機を構成した。
また、装着孔の開口端に折曲して形成した遮光片により
LCD基板のバックライトの函体からの漏洩光を遮蔽す
る火災受信機を構成した。また、ユニット盤の背面側に
形成されたLCD基板の窓板が嵌め込まれる方形の窓孔
の縁取り枠のエッジ部に逃げ孔を設けた火災受信機を構
成した。また、ヒンジ機構における内ヒンジのコ字形ア
ームに囲繞された前面扉側の折曲片の切込部の切込深さ
により前面扉の開閉角を変化させる火災受信機を構成し
た。また、ヒンジ機構におけるヒンジ軸に抜止めネジを
設けた火災受信機を構成した。さらに、前面扉の内壁面
に配線束を保持する保持環を設けた火災受信機を構成し
た。
【0079】この結果、本発明によれば、次のM−1〜
5に掲げるような前述した各構成に伴う重畳的なメリッ
トが期待される。 M−1 従来の火災受信機のように製品出荷後のオプションの追
加や火災感知器の増設等が実施されるときに、別に設け
られたROM書換装置のコネクタを接続して新しい設定
データの書き換えを行なうような必要がない。このた
め、ROMの書き換えが行われるときはその都度小さい
ICカードを携行するだけで、ROMの書き換えを行う
ことができる。
【0080】したがって、ROMの書き換え操作が極め
て容易で、特別な技術を持たない保守要員にも設定デー
タを更新でき従来からの問題点を一挙に改善することが
できる。また、実施例1のようにICカードの挿入部を
ユニット盤に設けたので、プリント基板の切欠き部に差
込む従来に比較して構造が一段と強化され外力にも耐え
破損の心配が少ない。しかも、樹脂製のユニット盤に挿
入部を一体成型できるので、部品数を増加させることな
くコンパクトに構成することもできる。特に、挿入部に
入口側が拡がった傾斜面を形成すれば、ICカードがス
ムースかつ確実にコネクタに接続できる利点もある。
【0081】M−2 ユニット盤とユニット盤を装着する扉の窓穴との間に隙
間ができないので、従来の火災報知装置のように取付時
は勿論のこと平常時においても室内空間に浮遊するゴミ
や埃が窓穴の隙間に溜まったり隙間から表示操作ユニッ
トの内部に侵入したりするようなことが殆ど生じない。
また、樹脂製のユニット盤の上部に廂部を一体に形成し
たので、制御基板等のユニット部品の埃の堆積を防ぐば
かりかユニット盤の上部が廂部によって補強される。特
に、実施例のようにユニット盤と絶縁シートとを組み合
わせた防塵機構を構成すれば、単一の部品が骨格基盤的
な機能と機械的及び電気的なシール機能に防塵機能を付
加した多機能部材が実現することになりそれだけ部品点
数が削減される。
【0082】したがって、内部に侵入した埃やゴミを取
り除くことが不必要で、それだけ保守管理が容易で手間
を省くことができる。また、ゴミ類の堆積や侵入に伴う
操作部や表示部の故障や表示機能の低下がなくなり、発
熱による電子部品の故障を皆無にすることもできる。
【0083】M−3 前面扉の装着孔に挿入された表示操作ユニットと印字ユ
ニットは、一本のネジを使うことなく前面扉に着脱可能
に装着することができる。係止機構の係止片やロック爪
はユニット盤に一体に樹脂成型されているので、部品点
数が少なくなるばかりか、製作工数が掛からず加工時間
も早くなり製品の納期を短縮することもできる。
【0084】また、スピーカが通音溝を囲む環状部内に
フィルタとリングを介して取付られるので、接着剤等を
使わずにフィルタが環状部の周辺で押圧して取付けられ
ることになる。したがって、分解掃除等が自由にでき、
保守管理に都合がよい。さらに、リングの材質には弾性
材を用いれば、振動に伴う固定の緩みが少なくなり音の
“ビビリ”を防止することもできる。
【0085】M−4 表示装置の照明用の光が漏洩して、美観を損なうような
ことがない。また、夜間や暗い室内等に設置された火災
受信機の場合でも、表示窓以外の装置の隙間からバック
ライトの光が洩れることもない。したがって、函体と前
面扉との隙間から光が洩れて、電気系統に故障の発生と
誤認される心配もなくなる。また、ユーザ等が函体の隙
間から洩れた光を見て、函体に隙間や“ガタ”で設計上
のミスがある装置と見做される恐れもなくなり、製品の
不評を買って売上に影響を受けるようなこともない。
【0086】特に、実施例のように前面扉の折曲片やユ
ニット盤の廂部或いは絶縁シート等を利用すれば、各部
材が堅牢になるばかりでなく特別な部材を使用すること
がないので、簡単な構成で安価な漏洩光の防止手段を構
成することができる。さらに、窓孔の隅をカットする逃
げ孔により窓板が正確に嵌め込まれるので、正面からの
表示窓の表示が見難たくなるようなこともない。 M−5
【0087】この結果、火災受信機の据付面に沿った背
面の配線室に突出した基板収納部により発熱部品を放熱
するようにしたので、函体の厚さを従来と同等に保持し
たまま熱による誤動作を防止させることができる。基板
収納部は背面板の一部を加工する程度であって、部品点
数が増えてコスト高になることも少ない。
【0088】また、ヒンジ機構は実開平3−86973
号公報記載の軸支構造のような複雑な多角孔が無く、し
かも抜止め用にEリングを使用していないので、構造が
簡単で抜け止めの小ネジを繰り返して使用でき一層コス
ト高になることを押さえることができる。特に、折曲片
の切込部の切込深さを変えると言う簡単な加工で、前面
扉の回転角を拡大することができる。この場合、函体内
の電気部品間を接続する多数の配線は保持環により内壁
面に接近して保持されているので、前面扉の開閉に負担
を与えることがなく、しかも束ねられて整理されている
ので、接続状態の点検等に都合がよい。さらに、切込部
を、そのまま前面扉のストッパに兼用することも可能で
ある。
【0089】以上、詳しく説明したように、本発明は従
来装置に比べて構造が簡素化されて部品数が大幅に減
り、しかも組立工数も低減できるのでローコストで意匠
性に優れる等の種々の特徴のある火災受信機を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の火災受信機の内部構成を示す分
解斜視図である。
【図2】本発明実施例の火災受信機の前面図である。
【図3】本発明実施例の火災受信機のの背面図である。
【図4】本発明実施例の操作パネルの拡大正面図であ
る。
【図5】本発明実施例の函体の構成を示す分解斜視図で
ある。
【図6】本発明実施例のヒンジ機構の分解斜視図であ
る。
【図7】本発明実施例のユニット盤の裏面側の斜視図で
ある。
【図8】本発明実施例の印字ユニットの背面側の斜視図
である。
【図9】本発明実施例の前面扉の開閉動作を示す説明図
である。
【図10】従来の火災受信機の扉を開いた状態を示す斜
視図である。
【図11】図10の扉の一部の構造を示す分解斜視図で
ある。
【図12】図10の扉に操作板等を装着した状態を示す
断面図である。
【図13】図10のプリント基板の一部の構成説明図で
ある。
【図14】従来の火災報知用受信機の断面図である。
【図15】従来の開閉部の支持構造の要部分解斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 火災受信機 2 函体 3 本体 4 前面扉 4b 折曲片 5 枠体 5a 折曲片 6 背面板 10 四角孔 11 基板収納部 11a 通気孔 12 装着孔 13 装着孔 14 遮光壁 15 切込部 16 ヒンジ機構 16c ヒンジ軸 16d 止めネジ 16f コ字形アーム 17 保持環 18 錠前 20 表示操作ユニット 21 ユニット盤 22 カバー 23 メンブレンシート 24 制御基板 25 ICカード 26 LCD基板 27 スピーカ 28 絶縁シート 31 フランジ 32 廂部 33 挿入部 34 突状片 35 傾斜面 36 取付部 37 通音溝 38 フィルタ 39 リング 41 大形の窓孔 44 逃げ孔 45 窓板 46 大形の係止片 47 小形の係止片 52 固定柱 53 固定柱 54 取付片 60 印字ユニット 61 ケース 62 フランジ 68 ロック爪 74 配線ダクト 75 電源基板 75a 増設基板 R1 配線室 Pa 操作パネル d 切込み深さ θ 回転角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02B 1/28

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面扉に装着孔を設けた函体と、前面が
    操作パネルを構成して背面に制御基板を含むユニット部
    品が取り付けられて前記前面扉の装着孔に装着されフラ
    ンジを形成した樹脂成型のユニット盤を有する表示操作
    ユニットとを備えた火災受信機において、 前記ユニット盤に表示操作ユニットを前面扉の装着孔に
    前面から着脱可能に装着する係止機構を設けると共に、
    前記制御基板に実装された書き換え可能なメモリに記憶
    される設定データ等が記憶されたICカードの挿入部を
    設けたことを特徴とする火災受信機。
  2. 【請求項2】 前記係止機構を、前記フランジに対向し
    てユニット盤に成型されて前記装着孔の開口端に形成し
    た折曲片を係止する係止片から構成したことを特徴とす
    る請求項1記載の火災受信機。
  3. 【請求項3】 前記ユニット盤の上部にユニット部品を
    覆って防塵機能を有する廂部を設けたことを特徴とする
    請求項1記載の火災受信機。
  4. 【請求項4】 前記ユニット盤の上部に取付けられユニ
    ット部品を覆う樹脂成型のシートを設けたことを特徴と
    する請求項1記載の火災受信機。
  5. 【請求項5】 前記函体の背面側の配線室に突出した基
    板収納部を設けたことを特徴とする請求項1記載の火災
    受信機。
  6. 【請求項6】 ヒンジ機構を介して本体に開閉可能に保
    持された前面扉に装着孔を設けた函体と、前面が操作パ
    ネルを構成して背面に制御基板及びLCD基板を含むユ
    ニット部品が取り付けられて前記前面扉の装着孔に装着
    されてフランジを形成した樹脂成型のユニット盤を有す
    る表示操作ユニットと、前記制御基板のソケットに差込
    まれて該制御基板に実装された書き換え可能なメモリに
    記憶される設定データ等が記憶されたICカードと、前
    面に開閉蓋を設けて内部に印字機構を収容して前記前面
    扉の装着孔に装着されてフランジを形成した樹脂成型の
    ケースを有する印字ユニットとが設けられ、 前記ユニット盤に表示操作ユニットを前面扉の装着孔に
    前面から着脱可能に装着するユニット盤の係止機構を設
    け、前記ケースに印字ユニットを前面扉の装着孔に前面
    から着脱可能に装着するケースの係止機構を設けると共
    に、前記制御基板に実装された書き換え可能なメモリに
    記憶される設定データ等が記憶されたICカードの挿入
    部を前記ユニット盤に設けたことを特徴とする火災受信
    機。
  7. 【請求項7】 前記ユニット盤の係止機構を、前記フラ
    ンジに対向してユニット盤に成型されて前記装着孔の開
    口端に形成した折曲片を係止する係止片から構成したこ
    とを特徴とする請求項6記載の火災受信機。
  8. 【請求項8】 前記ユニット盤の上部にユニット部品を
    覆って防塵及び又は遮光機能を有する廂部を設けたこと
    を特徴とする請求項6記載の火災受信機。
  9. 【請求項9】 前記ユニット盤の上部に取付けられユニ
    ット部品を覆う樹脂成型のシートを設けたことを特徴と
    する請求項6記載の火災受信機。
  10. 【請求項10】 前記本体の背面側の配線室に突出した
    基板収納部を設けたことを特徴とする請求項6記載の火
    災受信機。
  11. 【請求項11】 前記ケースの係止機構を、前記フラン
    ジに対向してケースに成型されて前記装着孔の開口端を
    挟持するロック爪から構成したことを特徴とする請求項
    6記載の火災受信機。
  12. 【請求項12】 前記ユニット盤に係止片と固定柱とか
    らなる係止機構を設けて該係止機構により前記ユニット
    部品におけるLCD基板をユニット盤に着脱可能に装着
    することを特徴とする請求項6記載の火災受信機。
  13. 【請求項13】 前記ユニット盤に形成された取付部に
    フイルタとリングを介して前記ユニット部品におけるス
    ピーカを取付けたことを特徴とする請求項6記載の火災
    受信機。
  14. 【請求項14】 前記装着孔の開口端に折曲して形成し
    た遮光片により前記LCD基板のバックライトの前記函
    体からの漏洩光を遮蔽することを特徴とする請求項6記
    載の火災受信機。
  15. 【請求項15】 前記ユニット盤の背面側に形成された
    LCD基板の窓板が嵌め込まれる方形の窓孔の縁取り枠
    のエッジ部に逃げ孔を設けたことを特徴とする請求項6
    記載の火災受信機。
  16. 【請求項16】 前記ヒンジ機構における内ヒンジのコ
    字形アームに囲繞された前面扉側の折曲片の切込部の切
    込深さにより前面扉の開閉角を変化させることを特徴と
    する請求項6記載の火災受信機。
  17. 【請求項17】 前記ヒンジ機構におけるヒンジ軸に抜
    止めネジを設けたことを特徴とする請求項6記載の火災
    受信機。
  18. 【請求項18】 前記前面扉の内壁面に配線束を保持す
    る保持環を設けたことを特徴とする請求項6記載の火災
    受信機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004318813A (ja) * 2003-04-03 2004-11-11 Nohmi Bosai Ltd 火災報知設備用機器
JP2009301810A (ja) * 2008-06-11 2009-12-24 Toshiba Lighting & Technology Corp 照明装置
JP2016222009A (ja) * 2015-05-27 2016-12-28 日本車輌製造株式会社 車両用制御盤
JP2019079898A (ja) * 2017-10-24 2019-05-23 能美防災株式会社 防災機器の構造

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