JP3663530B2 - 火災受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災報知設備における火災受信機に係り、さらに詳しくは、複数の火災警戒地区を各火災警戒地区ごとに火災表示するようにした火災受信機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の火災受信機は、一般に、本体フレーム、本体フレーム内に設置されたプリント基板及び操作パネル、この操作パネルの一部が露出する表示窓を有し本体フレームに開閉自在に装着された扉等からなっている。
そして、操作パネル上には、例えば特開平9−102093号公報に記載されているように、火災灯、警戒地区を各地区ごとに火災表示する複数の地区窓からなる火災表示部、及び各種のスイッチ群からなり地区窓の下方に設けられた操作部等を備えており、操作部は、音響停止スイッチのように常にパネル上に露出しているスイッチ群と、メンテナンス用スイッチ等の如く常時は使用しないため保護カバーで覆われているスイッチ群とからなっている。
【0003】
上記のような火災受信機においては、複数の地区窓は横方向に並べられており、警戒地区が多くなるとこれを縦方向に複数段設けている。そして、各地区窓には地区表示用の台紙が個々に取付けられ、その上を、両側に地区窓に設けた係止穴に係止する突起部を有する透明な合成樹脂板からなるカバーでそれぞれ覆っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の火災受信機は、地区窓が警戒地区の高さ方向の位置と関係なく横方向に並べられており、さらに、必要に応じてこれを縦方向に複数段設けるようにしてるので、見難いばかりでなく、地区窓の位置と警戒地区の位置とがイメージ的に一致しない。
このため、最近のように建造物の高層化が進んで例えば20階の建造物の各階をそれぞれ警戒地区とした場合、火災に際してどの警戒地区(何階)で発生したかを素速く確認することが困難である。
【0005】
また、多数の地区窓には、個々に地区表示用の台紙及びカバーを取付けなければならないので、その着脱がきわめて面倒である。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、火災の発生地区を容易かつ確実に確認することができ、警戒地区表示用の台紙及びカバーの着脱もきわめて簡単な火災受信機を得ることを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る火災受信機は、本体フレームと、表示窓が開口され前記本体フレームに開閉自在に装着される扉と、前記本体フレーム内に設置されるプリント基板と、該プリント基板上に設置され前記扉の表示窓から露出する操作パネルと、該操作パネルに設けられ、警戒地区を表示する台紙及び透光窓を有し前記台紙を覆うカバーによって構成された火災表示部とを備え、前記扉を閉じたときに該扉が前記カバーを押圧するようにしたものである。
【0008】
(2)上記(1)のカバーの側縁に突設された突片を設け、前記扉を閉じたときに、該扉が前記カバーの突片を押圧するようにした。
【0009】
(3)上記(2)の操作パネルの側壁に切除部を設け、前記カバーの突片を該切除部に嵌入するようにした。
【0010】
(4)上記(3)の切除部にねじ穴を設けると共に、前記突片にねじ挿通穴を設け、前記突片を切除部にねじ止めするようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態の正面図、上面図及び側面図、図2は図1の扉を開いた状態を示す平面図、図3は一部を省略して示した本体フレームの平面図である。
図において、1は底板2と周壁3に囲まれた箱状の本体フレームで、底板2には後述のプリント基板21を設置するリブ4、複数の支持スタッド5、段部6aを有しねじ穴が設けられた段付きねじスタッド6及びねじ穴を有するねじスタッド7a,7bが設けられており、これら支持スタッド5、段付きねじスタッド6の段部6a、及びねじスタッド7a,7bの高さは等しく、かつ周壁3より低く形成されている。8aはプリント基板21を係止するL字状の複数の係止片で、ねじスタッド7aとの間にはすき間が形成されている。8bは係止爪を有する複数の係止片である。9はプリント基板21の位置決めリブ、10は外部配線の取込口、11は電源ケーブルの取込口、12は本体フレーム1を壁面等に取付けるためのねじ挿通穴である。
【0014】
15はヒンジ17により本体フレーム1に開閉可能に取付けられた扉で、浅い箱状に形成されており、前面板には後述の操作パネル31の一部が露出する表示窓16が開口されている。
【0015】
図4は導電パターン及び搭載された電気部品の一部を省略して示したプリント基板21の平面図である。22は音響停止スイッチ、23は複数のメンテナンス用スイッチで、以下これらをスイッチ群Sという。24は各メンテナンス用スイッチ23に対応して実装され、当該スイッチの操作状態を表示するLEDの如き発光素子である。25a,25bはプリント基板21の一方の側の上下方向に並設されて外部配線が接続される端子台、25cは電源ケーブルが接続される電源端子、26は端子台25aに沿って上下方向(縦方向)に所定の間隔で搭載され、警戒地区の火災を表示するLEDの如き複数の発光素子である。
【0016】
27はスイッチ群Sの側方に設けられた複数のヒューズ、28a,28bはスイッチ群Sのほぼ中央部に設けられ、後述の操作パネル31に設けた係止爪が係止する一対の係止穴、29は本体フレーム1の段付きねじスタッド6に嵌合し、段部6aに当接する嵌合穴、30aは端子台25a,25bの反対側に設けられたねじ挿通穴、30bは端子台25a,25b側の隅部に設けられたねじ挿通穴である。
【0017】
31は操作パネルで、図5に示すように、前面板32と周壁33とからなり、前面板32には操作部34が設けられた上下方向(縦方向)に長い第1の凹部35と、第1の凹部35に並設され、この凹部35より浅く形成されて火災表示部36が設けられる縦長の第2の凹部37とが設けられている。なお、操作パネルの前面板32において、火災表示部36は上端から下端にわたって、片側(左側)に縦長に設けられる。そして、第1の凹部35には、各種の表示部38、プリント基板21の音響停止スイッチ22を操作する操作部39(以下音響停止用プッシュボタンという)、回線選択スイッチ等を操作する操作部40(以下回線選択用プッシュボタンという)、及びプリント基板21のメンテナンス用スイッチ23をそれぞれ操作する操作部41(以下メンテナンス用プッシュボタンという)などが設けられている。なお、上記の各プッシュボタン40,41を合せてプッシュボタン群PBという。
【0018】
42(図6参照)はプリント基板21に設けた各発光素子24に対応して第1の凹部35の背面にそれぞれ突設された導光スタッドで、軸方向には導光穴43が貫設されている。44a,44bはプッシュボタン群PBのほぼ中央部において、第1の凹部35の背面に突設された係止爪を有する一対の係止片で、プリント基板21の係止穴28a,28bに係止する。
45は下部両側にヒンジピン46を有する保護カバーで、操作部34の下方において前面板32から突出して設けた軸受47にヒンジピン46を嵌入して開閉可能に保持され、常時は閉じられてプッシュボタン群PBを覆っている。なお、メンテナンス用のプッシュボタン等を覆う保護カバー45は火災表示部36の下部の横方向に隣接して設けられる。
【0019】
48(図7参照)はプリント基板21に設けた火災表示用の各発光素子26に対応して、第2の凹部37の背面にそれぞれ突設された導光スタッドで、軸方向には導光穴49が貫設されている。そして、この導光穴49の断面積は、先端部から基部に向って徐々に拡大され、発光素子26からの小さい光を大きく表示するようになっている。上述の導光スタッド42,48は、導光穴43,49の下端部が発光素子24,26に嵌合しうる大きさに形成されており、また、操作パネル31をプリント基板21上にセットしたときに、プリント基板21の表面を抑える高さに設定されている。なお、導光穴43,49内に光ガイド部材を設けるようにしてもよく、この光ガイド部材は、透明なアクリル樹脂等で構成し、後述の火災表示部36のカバー56と一体に成形してもよい。また、導光穴43,49の下端部と、発光素子24,26とは嵌合させなくてもよい。
【0020】
50a,50bは第2の凹部37の一方の側壁に設けた係合穴、51a(51b)は第2の凹部37の上下の側壁に設けた嵌入穴である(51bは図示してない)。53a,53b,53cは第2の凹部37の他方の側壁に設けた切除部で、上下の切除部53a,53bにはねじ穴54が設けられている。55は本体フレーム1の段付きねじスタッド6に対応して第2の凹部37の背面に突設したスタッド(図示せず)の軸方向に貫設したねじ挿通穴で、その先端部は、操作パネル31をプリント基板21上にセットしたときに段付ねじスタッド6に嵌合し、段部6aに当接するようになっている。
【0021】
56は火災表示部36のカバーで、各導光穴49に対応してそれぞれ透光窓57が設けられており、各透光窓57の側方には透明な地区窓58が形成されている。59a,59bはカバー56の一方の側縁に突設され、第2の凹部37の側壁に設けた係合穴50a,50bに係合する係合突起、60a,60bはカバー56の他方の側縁に突設された突片で、ねじ挿通穴61が設けられている。62は突片60a,60bのほぼ中間部に設けられた指掛け片である。なお、図示してないが、本発明においては、上下に第2の凹部37に設けた嵌入穴51a,51bに嵌入する突出部を有し、カバー56の地区窓58に対応して警戒地区名などが記載されて第2の凹部37内にセットされる台紙を備えている。
カバー56は1枚の板からなり、そこに複数の地区窓58が設けられたため、従来のものに比べてカバー56の取付時間(工数)を削減できる。なお、警戒地区の数が少ない場合は、カバー56の下部をその数に合せて例えば黒色に塗ればよい。
【0022】
63は周壁33の一部を切除して、操作パネル31をプリント基板21上にセットしたときに、ヒューズ27を露出させるための切除部、64a,64b,64cは側面が開口された凹部で、底部にはプリント基板21のねじ挿通穴30aに対応してねじ挿通穴(図示せず)が設けられている。
【0023】
次に、上記のように構成した本発明に係る火災受信機の組立順序の一例について説明する。なお、本体フレーム1にはヒンジ17により扉15が取付けられており、プリント基板21には電気部品が実装され、操作パネル31には保護カバー45が取付けられているものとする。
【0024】
先ず、扉15を開いて、図3に示すように、プリント基板21(1点鎖線で示す)の一方の側(図4の右側)を、本体フレーム1に設けたねじスタッド7aとL字状の係止片8aとの間に挿入し、位置決めリブ9に沿ってプリント基板21をリブ4及び支持スタッド5上に載置し、係止片8bの係止爪をプリント基板21の上面に係止させる。
このとき、プリント基板21に設けた嵌合穴29は本体フレーム1の段付きねじスタッド6に嵌合してその段部6a上に位置し、また、各ねじ挿通穴30a,30bはねじスタッド7a,7b上に位置して、プリント基板21は水平に保持される。
【0025】
ついで、プリント基板21上に操作パネル31を載置し、その係止片44a,44bの係止爪をプリント基板21の係止穴28a,28bに係止させる。このときのプリント基板21と操作パネル31との関係は次の通りである。
(1)操作パネル31の導光スタッド42,48の導光穴43,49は、プリント基板21に設けた発光素子24,26にそれぞれ嵌合し、その先端部はプリント基板21の表面に当接している。
(2)操作パネル31の第2の凹部37に設けたスタッドのねじ挿通穴55が本体フレーム1の段付きねじスタッド6に嵌合し、その先端部が段部6aに当接している。
【0026】
(3)操作パネル31の凹部64a〜64cに設けたねじ挿通穴は、プリント基板21のねじ挿通穴30a及び本体フレーム1のねじスタッド7aと整合している。
(4)操作パネル31の各プッシュボタン40,41は、プリント基板21に設けた各スイッチ22,23にそれぞれ当接している。
(5)プリント基板21に設けた端子台25a,25b及び電源端子25cは、操作パネル31の側方に位置し、ヒューズ27は操作パネル31の切除部63から露出している。
【0027】
この状態で、操作パネル31の第2の凹部37に設けたねじ挿通穴55から挿通したねじを本体フレーム1の段付きねじスタッド6に螺入すると共に、凹部64a〜64cのねじ挿通穴から挿通したねじを、プリント基板21のねじ挿通穴30aを介して本体フレーム1のねじスタッド7aに螺入して共締めし、プリント基板21と操作パネル31を本体フレーム1に固定する。また、プリント基板21に設けたねじ挿通穴30bに挿通したねじを、本体ケース1のねじスタッド7bに螺入して固定する。
【0028】
次に、操作パネル31の第2の凹部37に地区名などが記載された台紙を挿入してその突出部を嵌入穴51a,51bに嵌入し、セットする。ついで、カバー56の係合突起59a,59bを第2の凹部37の側壁に設けた係合穴50a,50bに挿入して台紙及び火災表示用の導光穴49を覆い、その突片60a,60bを切除部53a,53bに嵌入してねじ挿通穴61に挿通したねじをねじ穴61に螺入し、ねじ止めする。このとき、指掛け片62は切除部53c内に位置する。このときの状態を図2に示す(但し、図2においては、保護カバー45は省略してある)。
【0029】
図1は図2の状態から扉15を閉じた状態を示すもので、操作パネル31の操作部34及び火災表示部36は扉15の表示窓16から露出しており、常時はプッシュボタン群PBの前面は保護カバー45により閉鎖されている。なお、このとき、扉15の表示窓16の縁部が火災表示部36のカバー56の透光窓57側の縁部を押圧してカバー56を保持しているので、カバー56の突片60a,60bを操作パネル31の切除部53a,53bにねじ止めしなくてもよい。この場合、扉15の表示窓16の縁部により、カバー56に設けた突片60a,60bを押圧するようにしてもよい。また、火災報知設備のメンテナンスを行う場合は、扉15を閉じたままの状態で保護カバー45を下方に回動させて開放し、プッシュボタン群PBを操作する。
【0035】
【発明の効果】
本発明に係る火災受信機は、本体フレームと、表示窓が開口され前記本体フレームに開閉自在に装着される扉と、本体フレーム内に設置されるプリント基板と、プリント基板に設置され、扉の表示窓から露出する操作パネルと、この操作パネルに設けられ、警戒地区を表示する台紙及び透光窓を有し台紙を覆うカバーによって構成された火災表示部とを備え、扉を閉じたときに、扉がカバーを押圧するようにしたので、ねじによりカバーを操作パネルに固定する作業を省略することができ、カバー及び台紙の着脱がさらに容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る火災受信機の一実施形態の正面図、上面図及び側面図である。
【図2】図1の扉を開いた状態を示す平面図である。
【図3】一部を省略して示した図1の本体フレームの平面図である。
【図4】一部を省略して示した図1のプリント基板の平面図である。
【図5】図1の操作パネルの分解斜視図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】図5のB−B断面図である。
【符号の説明】
1 本体フレーム
15 扉
21 プリント基板
24,26 発光素子
28a,28b 係止穴
31 操作パネル
34 操作部
36 火災表示部
42,48 導光スタッド
43,49 導光穴
44a,44b 係止片
45 保護カバー
56 カバー
57 透光窓
58 地区窓
S スイッチ群
PB プッシュボタン群
Claims (4)
- 本体フレームと、表示窓が開口され前記本体フレームに開閉自在に装着される扉と、前記本体フレーム内に設置されるプリント基板と、該プリント基板上に設置され前記扉の表示窓から露出する操作パネルと、
該操作パネルに設けられ、警戒地区を表示する台紙及び透光窓を有し前記台紙を覆うカバーによって構成された火災表示部とを備え、
前記扉を閉じたときに、該扉が前記カバーを押圧するようにしたことを特徴とする火災受信機。 - 前記カバーの側縁に突設された突片を設け、前記扉を閉じたときに、該扉が前記カバーの突片を押圧することを特徴とする請求項1記載の火災受信機。
- 前記操作パネルの側壁に切除部を設け、前記カバーの突片を該切除部に嵌入することを特徴とする請求項2記載の火災受信機。
- 前記切除部にねじ穴を設けると共に、前記突片にねじ挿通穴を設け、前記突片を切除部にねじ止めすることを特徴とする請求項3記載の火災受信機。
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