JPH07273106A - 絶縁膜の成膜方法 - Google Patents

絶縁膜の成膜方法

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JPH07273106A
JPH07273106A JP6107994A JP6107994A JPH07273106A JP H07273106 A JPH07273106 A JP H07273106A JP 6107994 A JP6107994 A JP 6107994A JP 6107994 A JP6107994 A JP 6107994A JP H07273106 A JPH07273106 A JP H07273106A
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film
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 原料ガスの有機Si化合物として、Si−S
i結合を有し、該Si−Si結合を構成する少なくとも
いずれかのSi原子に、−NR2 基および/または−N
3 基が結合するものを用いる。さらに、上記Si−Si
結合を構成するSi原子には、カバレージを改善できる
アルキル基および/またはアルコキシル基を結合させた
構造としてもよい。そして、このような原料ガスを導入
し、プラズマCVDによってSiN系絶縁膜4またはS
iON系絶縁膜5を成膜する。 【効果】 速い成膜速度でも、ボイドやクラックがなく
良好なカバレージを有する絶縁膜を形成できるため、パ
ッシベーション膜や層間絶縁膜として適用して信頼性の
高い半導体装置が作製できる。また、絶縁膜の成膜工程
のスループットを向上させることができ、半導体プロセ
スの生産性向上、コスト低減を図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体装置にお
いてウェハの最終保護膜あるいは層間絶縁膜として用い
られる絶縁膜の成膜方法に関し、特に有機Si化合物を
用いてSiN系絶縁膜、SiON系絶縁膜を成膜する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ウェハの最終保護膜、いわゆ
るパッシベーション膜には、SiN系絶縁膜が広く用い
られている。このSiN系絶縁膜を成膜するに際して
は、既に形成されたAl系配線等の低融点材料層にダメ
ージを与えないように、プラズマCVD法によって低温
での成膜が行われている。原料ガスとしては、従来、S
iH4 /NH3 混合ガス、SiH4 /N2 混合ガス等が
用いられてきた。
【0003】しかし、このようにして成膜されるSiN
系絶縁膜のカバレージは、半導体装置の微細化あるいは
多層配線化に伴う基板の表面段差の増大に追従できなく
なっている。図3に、Si基板1上にSiO系層間絶縁
膜2およびAl系配線3が形成され、この上にSiN系
絶縁膜14を成膜したウェハを示すが、SiN系絶縁膜
14のステップカバレージ(断差被覆性)が悪いため
に、ボイド15が形成されてしまっている。また、この
ようなSiN系絶縁膜14にはクラックも発生しやすく
なる。
【0004】上記ステップカバレージを改善する方法と
しては、2周波法によってプラズマ状態を制御すること
が提案されている。これは、プラズマCVD装置の平行
平板電極において、ウェハを載置する側の電極には数百
kHzの低周波RF電圧を印加し、他の電極にはMHz
オーダーの高周波RF電圧を印加するものであり、低エ
ネルギーのイオンボンバードメントを増加させて、カバ
レージを向上させようとするものである。しかし、この
方法によっても、パターンの微細化や表面断差の増大に
十分に対応できるわけではなく、コンフォーマル成膜を
達成するには至っていない。
【0005】そこで、さらにカバレージに優れたSiN
系絶縁膜を成膜する方法として、原料ガスに有機Si化
合物を用いてCVDを行うことが提案された。ここで、
有機Si化合物とは、[(CH3 2 N]4 Si、
[(CH3 2 N]3 SiH、[(CH3 2 N]2
iH2 といった、Si原子,N原子,C原子,H原子を
主な構成要素とし、Si−N結合を有する化合物であ
る。これを原料ガスとして成膜を行うと、Si−N結合
の存在により、効率のよいSiN系絶縁膜の成膜が可能
となる。また、炭素成分の存在により、成膜時に生成さ
れる中間生成物が高分子化されやすく、流動性が高くな
るために、カバレージに優れたSiN系絶縁膜が成膜で
きると考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体装置
を製造するためには非常に多くの工程を経るため、各工
程におけるスループットを向上させることは、生産性を
向上させ、コストを低減させる意味で重要な課題となっ
ている。このため、当然、層間絶縁膜として、またはパ
ッシベーション膜としてSiN系絶縁膜を成膜する工程
においても、成膜速度を高めることが必要である。
【0007】成膜速度を高める手法として、成膜時に供
給する原料ガスの流量を増加したり、プラズマCVD装
置の電極に印加する電力を増大することが考えられる
が、このような操作により、不純物の取り込みが増大し
たり、カバレージが劣化したりといった問題が生じるこ
とがある。このため、一定水準以上の膜質やカバレージ
を確保するためには成膜速度に限界があった。
【0008】そこで、本発明はかかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、原料ガスとして用いる有機S
i化合物の化学構造を規定することにより、膜質を劣化
させることなく、成膜速度を高めることが可能な絶縁膜
の成膜方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の目的
を達成せんものと鋭意検討を重ねた結果、有機Si化合
物として、Si−Si結合を有するものを用いることに
より成膜速度を高めることが可能となることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明に係る絶縁膜の成膜方法は、
CVD装置の反応室内に原料ガスを導入して基板上に所
望の絶縁膜を形成するに際し、前記原料ガスとして、S
i−Si結合を有し、該Si−Si結合を構成する少な
くともいずれかのSi原子にN原子が少なくとも1つ結
合されてなる有機Si化合物を用いるものである。これ
によって、非常に速い成膜速度にて効率的にN原子を含
有する絶縁膜を成膜することが可能となる。
【0011】上記有機Si化合物において、Si−Si
結合は1つであっても、2つ以上であってもよい。Si
−Si結合が1つである場合、即ち、ジシラン系の化合
物である場合、6つの結合手に後述するような置換基を
結合させた構造とすればよい。Si−Si結合が2つ以
上である場合にも、即ち、Sin (nは3以上の整数)
を基本骨格とする場合も同様に、(2n+2)個の結合
手に後述の置換基を結合させた構造とすればよい。
【0012】上記Si−Si結合を構成するSi原子に
結合するN原子は、成膜時にSi−N結合を存続させて
効率のよい成膜を可能にするものであり、−NR2
(但し、Rは炭素数1以上の炭化水素基を示す)を構成
するN原子であっても、アジド基(以下、−N3 基とす
る。)を構成するN原子であってもよい。即ち、Si原
子に結合する置換基として、−NR2 基および/または
−N3 基が結合されるとよい。但し、−NR2 基は、S
i−N結合を存続させる効果が高いのみならず、カバレ
ージ改善効果も示すため、Si原子に結合するN原子の
うち少なくとも1つは−NR2 基の構成原子とすると、
特に好ましい結果が得られる。
【0013】また、上記Si−Si結合を構成するSi
原子に結合する他の置換基として、炭素数1以上のアル
キル基(以下、−R' 基とする。)もしくは炭素数1以
上のアルコキシル基(以下、−OR''基とする。)のう
ち少なくとも一方が結合されてもよい。特に、Si原子
に−NR2 基が結合しない場合には、−R' 基および/
または−OR''基を結合させて、カバレージを改善する
とよい。また、Si原子に−NR2 基が結合する場合に
も、−R' 基および/または−OR''基を結合させるこ
とにより、一層カバレージを向上させてもよい。
【0014】なお、上記Si−Si結合を構成するSi
原子に直接結合するH原子は、上述した−NR2 基,−
3 基,−R' 基,−OR''基のように、成膜時にSi
−N結合を存続させる効果やカバレージを改善する効果
が認められないので、Si原子に1つも結合させない
か、結合させても少数とした方がよい。
【0015】したがって、本発明にて使用される有機S
i化合物のうち、最も望ましい構造を有するものは、下
記の一般式(1)にて示すことができる。
【0016】 Sin (NR2w (N3 x (R' )y (OR'')z ・・・(1) (但し、w,x,y,zは、w+x+y+z=2n+
2、0≦w≦2n+2、0≦x≦2n+2、1≦w+x
≦2n+2、0≦y≦2n+1、0≦z≦2n+1を満
たす整数であり、nは、2以上の整数である。また、
R' およびR''は炭素数1以上の脂肪族飽和炭化水素基
を示し、Rは炭素数1以上の炭化水素基を示す。)
【0017】なお、上記Rで示される炭化水素基の炭素
骨格は特に限定されず、飽和炭化水素であっても不飽和
炭化水素であってもよい。そして、それぞれの場合につ
いて、直鎖状,分枝状,環状の炭素骨格が考えられる
が、これらのいずれであってもよい。また、R' および
R''で示される脂肪族飽和炭化水素基も直鎖状,分岐
状,環状のうちいずれとされてもよい。
【0018】上記一般式(1)において、z=0のと
き、即ち、−OR''基が結合されていない有機Si化合
物であるとき、これを原料ガスとし、これに酸素系ガス
を混合しなければ、SiN系絶縁膜が成膜されることと
なる。一方、x≧1のとき、即ち−OR''基が結合され
ている有機Si化合物であるとき、これを原料ガスとし
て用いると、成膜中に微量のO原子が取り込まれるの
で、結果的にSiON系絶縁膜が成膜されることとな
る。
【0019】なお、上述のような有機Si化合物には、
さらにNH3 やN2 を混合してもよい。NH3 やN2
炭素成分の還元剤として働くため、堆積したSiN系絶
縁膜あるいはSiON系絶縁膜中の炭素成分を引き抜
き、これら絶縁膜中の炭素成分の含有量を低減させるこ
とができる。
【0020】ところで、上記絶縁膜の成膜に際しては、
Al系配線等にダメージを与えないように低温での処理
が行えることが必要であり、このため、反応室内にプラ
ズマを発生させながら成膜を行って好適である。また、
このときのプラズマCVD条件は、中間生成物の重合反
応を進行させるように適正化することが必要である。
【0021】プラズマCVDによる成膜時には、所望の
絶縁膜成分以外に中間生成物、副生成物、原料ガスの未
解離成分等も基板表面の近傍に存在しているため、特に
成膜速度が速い場合には、上記副生成物や原料ガスの未
解離成分等、不純物成分が取り込まれやすい。そこで、
前記プラズマを間欠的に発生させ、一定量の成膜を行っ
たらその度に基板表面近傍から上記不純物成分を排除す
ることが、膜質向上の観点から好適である。
【0022】なお、プラズマを間欠的に発生させるに
は、RF電極への電流供給のオン/オフによってプラズ
マの発生と消滅を繰り返せばよい。さらに、原料ガスの
導入も間欠的に行えば、原料ガスを節約できると共に、
原料ガスの未解離成分が絶縁膜中に一層取り込まれにく
くなる。また、この方法により、原子層レベルの成膜制
御も可能となる。
【0023】
【作用】本発明を適用し、Si−Si結合を有する有機
Si化合物を用いることによって、成膜速度を大幅に速
くできる理由は以下のように説明できる。2原子間の結
合エネルギーを比較すると、Si−Si結合の結合エネ
ルギーは、Si−N結合,Si−C結合、Si−O結合
に比して最も小さい。このため、分子内にこれらの結合
を同時に含む有機Si化合物をプラズマ中で解離させる
と、Si−Si結合が優先的に切断される。例えばSi
−Si結合を1つ有する、即ちジシラン系の化合物を用
いると、同じ放電解離条件下でも、モノシラン系の化合
物を用いた場合に比して、1分子当りのSi活性種の供
給量が単純計算で2倍となる。これにより、プラズマC
VD装置の電極へ必要以上に大きな電力を印加したり、
ガス流量を増大させたりすることなく、成膜速度を高め
ることが可能となる。
【0024】また、上記Si−Si結合を構成するSi
原子に、−NR2 基や−N3 基を結合させると、有機S
i化合物にSi−N結合を持たせることができるため、
成膜時に、Si−N結合が保存された化学種が生成され
やすい。このため、膜中にN成分が取り込まれやすく、
効率的にN原子を含有する絶縁膜が形成できる。
【0025】特に、上記Si原子に−NR2 基を結合さ
せた場合には、Si−N結合に比してN−C結合の結合
エネルギーが小さいことから、成膜時、−R基がN原子
から優先的に切断され、Si−N結合が保存された化学
種が生成されやすく、効率的な成膜が行える。また、−
R基がN原子から切断されることにより、Si−N結合
が保存された化学種同士が結合しやすくなるため、成膜
時に形成される中間生成物が高分子化して、基板上にて
高い流動性を示し、結果的に成膜された絶縁膜のカバレ
ージを向上させることもできる。
【0026】さらに、上記Si−Si結合を構成するS
i原子に、−R' 基、−OR''基を結合させても、成膜
された絶縁膜のカバレージを向上させることができる
が、この理由も原子間の結合エネルギーによって説明で
きる。Si−N結合の結合エネルギーは、Si−C結合
やSi−O結合より大きいことから、成膜時、−NR2
基や−N3 基に比して、−R' 基や−OR''基の方がS
i原子から切断されやすい。そして、−R' 基や−O
R''基が切断されたSi−N結合が保存された化学種同
士が結合しやすくなるため、成膜時に形成される中間生
成物が高分子化する。これにより、上記中間生成物が基
板上にて高い流動性を示すようになり、結果的に成膜さ
れた絶縁膜のカバレージが向上すると考えられる。
【0027】なお、上記Si原子に−NR2 基が結合
し、これにより十分なカバレージが得られる場合には、
必ずしも上記−R' 基や−OR''基をSi原子に結合さ
せる必要はない。逆に、−NR2 基を持たず、カバレー
ジの改善効果が小さい場合、あるいは、Si原子に−N
2 基が結合していても、さらにカバレージを向上させ
たい場合、上記−R' 基や−OR''基を結合させればよ
く、本発明に使用できる有機Si化合物の材料選択の自
由度は大きい。
【0028】ところで、SiN系絶縁膜あるいはSiO
N系絶縁膜を成膜するに際しては、プラズマCVD法を
適用すると、低温による成膜が可能となるため、既に形
成されたAl系配線等の低融点材料層にダメージを与え
ることがない。また、RF電力等のプラズマの放電条件
を適正化することによって、有機Si化合物において上
述したように所望の結合を優先的に切断し、所望の結合
を存続させることが可能となる。
【0029】また、上記プラズマCVD法を用いた成膜
においては、プラズマを間欠的に発生させることによ
り、所望の絶縁膜中への不純物の混入を抑制し、膜質を
向上させることができる。これは、プラズマ発生時に基
板表面近傍に存在していた不純物成分を、プラズマ消滅
時に基板表面近傍から排除することができるからであ
る。
【0030】
【実施例】以下、本発明に係る絶縁膜の成膜方法を具体
的な実施例を用いて説明する。ここでは、Al系配線上
のパッシベーション膜としてSiN系絶縁膜あるいはS
iON系絶縁膜を成膜した例について説明する。
【0031】なお、以下の各実施例ではCVD装置とし
て、平行平板型プラズマCVD装置を用いた。このプラ
ズマCVD装置においては、下部電極にウェハを載置
し、上部電極にRF電力を印加するようになされてい
る。また、下部電極にはヒータが設けられることによ
り、ウェハ温度が調整可能とされている。一方、上部電
極は原料ガスを基板上に均一に供給するためのシャワー
電極となされている。
【0032】実施例1 本実施例では、原料ガスである有機Si化合物として、
トリジメチルアミノトリエチルジシラン[(CH3 2
N]3 Si2 (C2 5 3 を用いてSiN系絶縁膜を
形成した。
【0033】具体的には、図1に示されるような、Si
基板1上にSiO系層間絶縁膜2およびAl系配線3が
形成されたウェハに対して、以下の条件のプラズマCV
DによりSiN系絶縁膜を1μmなる膜厚に成膜した。
【0034】 プラズマCVD条件 原料ガス : [(CH3 2 N]3 Si2 (C2 5 3 100sccm RF電力 : 350W(13.56MHz) 圧力 : 1200Pa ウェハ温度 : 400℃ 電極間距離 : 10mm
【0035】上述の条件による成膜は、例えば、ビスジ
メチルアミノジエチルシラン[(CH3 2 N]2 Si
(C2 5 2 なるモノシラン系化合物を用いた場合に
比して、約2倍の成膜速度にて行われた。また、成膜さ
れたSiN系絶縁膜4は、図2に示されるように、ボイ
ドやクラックを有さない、ステップカバレージに優れた
ものであった。
【0036】なお、成膜速度が向上したのは、用いた有
機Si化合物がジシラン系化合物であったため、モノシ
ラン系化合物に比して、1分子当り、約2倍量のSi活
性種が供給できたためであると考えられる。また、良好
なステップカバレージを達成できたのは、有機Si化合
物において、エチル基がSi原子から切断されやすく、
また、ジメチルアミノ基からもメチル基が遊離されやす
いため、中間生成物が高分子重合体を形成し、優れた流
動性を示したからであると考えられる。
【0037】続いて、下記の条件のアニール処理を行っ
た。 アニール条件 導入ガス : 上記原料ガスを3%H2 含有N2 ガスにて希釈したもの 8000sccm アニール時間 : 60分 圧力 : 大気圧 アニール温度 : 400℃
【0038】そして、上述のSiN系絶縁膜4が形成さ
れたウェハに対して腐蝕試験を行った。この腐蝕試験の
条件を下記に示す。
【0039】腐蝕試験条件 塩酸濃度 : 5% 試験時間 : 5分 溶液温度 : 25℃
【0040】この腐蝕試験の結果、Al系配線3には腐
蝕が見られず、成膜されたSiN系絶縁膜4は良好な耐
水性,耐腐蝕性を示すものであることがわかった。これ
は、成膜されたSiN系絶縁膜4がカバレージに優れ、
ボイドやクラックを有さないことを示している。
【0041】以上のように、本実施例によって成膜され
たSiN系絶縁膜4は、高速成膜されても良好なカバレ
ージを示すものであったため、パッシベーション膜とし
て用いられて好適である。
【0042】実施例2 本実施例では、原料ガスとして、トリジメチルアミノト
リエトキシジシラン[(CH3 2 N]3 Si2 (OC
2 5 3 とNH3 との混合ガスを用いてSiON系絶
縁膜を形成した。
【0043】具体的には、実施例1と同様にしてSiO
系層間絶縁膜2およびAl系配線3が形成されたウェハ
に対して、以下の条件のプラズマCVDによりSiON
系絶縁膜5を1μmなる膜厚に成膜した。
【0044】 プラズマCVD条件 原料ガス : [(CH3 2 N]3 Si2 (OC253 100sccm NH3 50sccm RF電力 : 350W(13.56MHz) 圧力 : 1200Pa ウェハ温度 : 200℃ 電極間距離 : 10mm
【0045】上述の条件による成膜はビスジメチルアモ
ノジエトキシシラン[(CH3 2N]2 Si(OC2
52 なるモノシラン系ガスを用いた場合より2倍程度
成膜速度が速かった。また、成膜されたSiON系絶縁
膜5はボイドやクラックを有さない、ステップカバレー
ジに優れたものであった。
【0046】なお、成膜速度が向上したのは、実施例1
同様、ジシラン系化合物を原料ガスとして用いたためで
あり、良好なステップカバレージを達成できたのは、エ
トキシ基がSi原子から切断されやすく、また、ジメチ
ルアミノ基からもメチル基が遊離されやすいため、中間
生成物が優れた流動性を示したからであると考えられ
る。また、原料ガスにはNH3 が含有されていたため、
N原子による炭素成分の引き抜き効果が働き、SiON
系絶縁膜5中の炭素成分の含有を低減させることができ
た。
【0047】続いて、実施例1と同様、原料ガスを希釈
した導入ガスを用いてアニール処理を行い、腐蝕試験を
行ったところ、Al系配線3には腐蝕が見られず、成膜
されたSiON系絶縁膜5は良好な耐水性,耐腐蝕性を
示すものであることがわかった。
【0048】以上のように、本実施例によって成膜され
たSiON系絶縁膜5は、高速成膜されても良好なカバ
レージを示すものであったため、パッシベーション膜と
して用いられて好適である。
【0049】実施例3 本実施例では、原料ガスとして、オクタジメチルアミノ
トリシラン[(CH32 N]8 Si3 とNH3 との混
合ガスを用いてSiN系絶縁膜を形成した。
【0050】具体的には、実施例1と同様にしてSiO
系層間絶縁膜2およびAl系配線3が形成されたウェハ
に対して、以下の条件のプラズマCVDによりSiN系
絶縁膜4を1μmなる膜厚に成膜した。
【0051】 プラズマCVD条件 原料ガス : [(CH3 2 N]8 Si3 100sccm NH3 50sccm RF電力 : 350W(13.56MHz) 圧力 : 1200Pa ウェハ温度 : 200℃ 電極間距離 : 10mm
【0052】上述の条件による成膜は、テトラジメチル
アミノシラン[(CH3 2 N]4Siなるモノシラン
系化合物より成膜速度が速いのはもちろん、ヘキサジメ
チルアミノジシラン[(CH3 2 N]6 Si2 なるジ
シラン系化合物を用いた場合に比しても、さらに成膜速
度が速かった。また、成膜されたSiN系絶縁膜4はボ
イドやクラックを有さない、ステップカバレージに優れ
たものであった。
【0053】なお、成膜速度が向上したのは、用いた有
機Si化合物がトリシラン系化合物であったため、1分
子が供給するSi活性種がジシラン系化合物よりさらに
多いためであると考えられる。また、良好なステップカ
バレージを達成できたのは、有機Si化合物におけるジ
メチルアミノ基からメチル基が遊離されやすく、中間生
成物が優れた流動性を示したからであると考えられる。
また、原料ガスにはNH3 が含有されていたため、Si
N系絶縁膜4中の炭素成分の含有も低減させることがで
きた。
【0054】続いて、実施例1と同様、原料ガスを希釈
した導入ガスを用いてアニール処理を行い、腐蝕試験を
行ったところ、Al系配線3には腐蝕が見られず、成膜
されたSiN系絶縁膜4は良好な耐水性,耐腐蝕性を示
すものであることがわかった。
【0055】以上のように、本実施例によって成膜され
たSiN系絶縁膜4は、高速成膜されても良好なカバレ
ージを示すものであったため、パッシベーション膜とし
て用いられて好適である。
【0056】実施例4 本実施例では、原料ガスとして、トリジエチルアミノジ
エトキシジシリルアジド[(C252 N]3 Si
2 (N3 )(OC252 を用い、プラズマを間欠的に
発生させてSiON系絶縁膜の成膜を行った。
【0057】具体的には、実施例1と同様にしてSiO
系層間絶縁膜2およびAl系配線3が形成されたウェハ
に対して、以下の条件のプラズマCVDによりSiON
系絶縁膜5を1μmなる膜厚に成膜した。
【0058】 プラズマCVD条件 原料ガス : [(C252 N]3 Si2 (N3 )(OC252 100sccm NH3 50sccm RF電力 : 350W(13.56MHz) 圧力 : 1200Pa ウェハ温度 : 200℃ 電極間距離 : 10mm 成膜時間/回: 2秒 成膜回数 : 10回
【0059】上述の条件にて、原料ガスの導入とRF電
力の印加とを交互に繰り返すことにより、一定量の成膜
がなされる毎に不純物をウェハ近傍から排除しながら、
SiON系絶縁膜5を成膜した。なお、この条件による
成膜は、例えばビスジエチルアミノエトキシシリルアジ
ド[(C252 N]2 Si(N3 )(OC25)を原
料ガスとして用いた場合より約2倍も成膜速度が速かっ
た。また、成膜されたSiON系絶縁膜5はボイドやク
ラックを有さない、ステップカバレージに優れたもので
あり、且つ、不純物の取り込みが少なく膜質に優れたも
のであった。
【0060】なお、成膜速度が向上したのは、用いた有
機Si化合物がジシラン系化合物であったため、多くの
Si活性種を供給できるためであり、良好なステップカ
バレージを達成できたのは、エトキシ基がSi原子から
切断されやすく、またジエチルアミノ基からもエタン基
が遊離されやすいため、中間生成物が優れた流動性を示
したからであると考えられる。また、原料ガスにはNH
3 が含有されていたため、SiON系絶縁膜5中の炭素
成分の含有量が低減された。
【0061】続いて、実施例1と同様、原料ガスを希釈
した導入ガスを用いてアニール処理を行い、その後、腐
蝕試験を行ったところ、Al系配線3には腐蝕が見られ
ず、成膜されたSiON系絶縁膜5は良好な耐水性,耐
腐蝕性を示すものであることがわかった。
【0062】以上のように、本実施例によって成膜され
たSiON系絶縁膜5は、高速成膜されても良好なカバ
レージを示すものであったため、パッシベーション膜と
して用いられて好適である。
【0063】以上、本発明に係る絶縁膜の成膜方法を適
用した例について説明したが、本発明は上述の実施例に
限定されるものではない。例えば、本発明により成膜さ
れるSiN系絶縁膜やSiON系絶縁膜はパッシベーシ
ョン膜以外に層間絶縁膜として適用することもできる。
また、SiON系薄膜については、エキシマ・レーザ・
リソグラフィにおける反射防止膜として利用することも
できる。
【0064】また、絶縁膜を成膜するためのCVD装置
の構成も実施例に示された平行平板型プラズマCVD装
置に限られず、例えばECR−CVD装置であってもよ
い。さらに、CVD条件、アニール条件、絶縁膜を形成
するウェハの構成においても特に限定されない。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
を適用すると、速い成膜速度により成膜しても、ステッ
プカバレージに優れたSiN系絶縁膜あるいはSiON
系絶縁膜が得られる。
【0066】これら絶縁膜は絶縁性が確保され、耐水
性、耐腐蝕性にも優れたものであるので、これをパッシ
ベーション膜あるいは層間絶縁膜として用いると、デバ
イス特性の劣化が防止された信頼性の高い半導体装置を
製造することができる。
【0067】また、本発明を適用することにより、成膜
速度が大幅に高められるので、パッシベーション膜ある
いは層間絶縁膜といった絶縁膜の成膜工程のスループッ
トを大幅に向上させることができ、半導体装置の製造プ
ロセスにおける生産性の向上およびコストの低減に貢献
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において、Si基板上にSi
O系層間絶縁膜とAl系配線が形成されたウェハの断面
を示す模式図である。
【図2】図1のウェハに対してSiN系絶縁膜あるいは
SiON系絶縁膜を成膜した状態を示す模式図である。
【図3】従来法によりSiN系絶縁膜が成膜されたウェ
ハの断面を示す模式図である。
【符号の説明】
1 Si基板 2 SiO系層間絶縁膜 3 Al系配線 4 SiN系絶縁膜 5 SiON系絶縁膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CVD装置の反応室内に原料ガスを導入
    して基板上に所望の絶縁膜を成膜するに際し、 前記原料ガスとして、少なくとも1つのSi−Si結合
    を有し、該Si−Si結合を構成する少なくともいずれ
    かのSi原子にN原子が少なくとも1つ結合されてなる
    有機Si化合物を用いることを特徴とする絶縁膜の成膜
    方法。
  2. 【請求項2】 前記Si原子に結合されたN原子の少な
    くとも1つは、−NR 2 基(但し、Rは炭素数1以上の
    炭化水素基を示す)の一部を構成することを特徴とする
    請求項1記載の絶縁膜の成膜方法。
  3. 【請求項3】 前記Si原子に結合されたN原子の少な
    くとも1つは、アジド基の一部を構成することを特徴と
    する請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の絶
    縁膜の成膜方法。
  4. 【請求項4】 前記Si原子には炭素数1以上のアルキ
    ル基もしくは炭素数1以上のアルコキシル基のうち少な
    くとも一方が少なくとも1つ結合されることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の絶縁
    膜の成膜方法。
  5. 【請求項5】 前記所望の絶縁膜がSiN系絶縁膜であ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか
    1項に記載の絶縁膜の成膜方法。
  6. 【請求項6】 前記所望の絶縁膜がSiON系絶縁膜で
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれ
    か1項に記載の絶縁膜の成膜方法。
  7. 【請求項7】 前記成膜はプラズマCVD法により行う
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1
    項に記載の絶縁膜の成膜方法。
  8. 【請求項8】 前記成膜はプラズマを間欠的に生成させ
    ながら行うことを特徴とする請求項7記載の絶縁膜の成
    膜方法。
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