JPH07273100A - 半導体装置の熱処理方法及び熱処理装置 - Google Patents

半導体装置の熱処理方法及び熱処理装置

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JPH07273100A
JPH07273100A JP8374594A JP8374594A JPH07273100A JP H07273100 A JPH07273100 A JP H07273100A JP 8374594 A JP8374594 A JP 8374594A JP 8374594 A JP8374594 A JP 8374594A JP H07273100 A JPH07273100 A JP H07273100A
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JP
Japan
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semiconductor substrate
temperature
heat
heat treatment
substrate
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JP8374594A
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Inventor
Akito Yamamoto
明人 山本
Yuichi Mikata
裕一 見方
Kikuo Yamabe
紀久夫 山部
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理を行うための目的温度までの昇温速度を
低下させることなく昇温し、かつ、速い冷却速度で冷却
する半導体基板の熱処理方法及びこの熱処理を実施する
ための熱処理装置を提供する。 【構成】 加熱体11を一定温度に加熱維持する手段
と、半導体基板14の表面が所定の温度に達するまで半
導体基板を一定温度に加熱維持された加熱体に近づける
手段と、半導体基板の表面が前記所定の温度に達した
後、半導体基板の移動を止めてその熱処理を行う手段
と、この熱処理が終了してから、半導体基板を加熱体か
ら遠ざけることにより冷却する手段と、半導体基板が前
記所定の温度に達する直前に少なくとも1度単位面積当
り単位時間に半導体基板に照射される熱量を減ずる手段
とを備えている。この照射される熱量を減ずる手段とし
て、半導体基板を加熱体から遠ざける手段を用いるか、
半導体基板と加熱体との間に熱遮蔽体21を挿入する手
段を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の熱処理を伴
う製造方法及びその製造方法に用いる熱処理装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】IC、LSIなどの半導体装置の高集積
化、微細化に伴って、半導体基板の各層の薄膜化が進ん
でいる。また、半導体ウェーハは、6インチから8イン
チ、12インチへとサイズの大口径化が進んでおり、大
面積の薄膜形成技術の開発が重要な課題となっている。
このような状況において、半導体装置に形成されるキャ
パシタ誘電体膜の形成やゲート酸化膜の形成、イオン注
入された不純物の拡散等は、膜質、膜厚や拡散深さが熱
処理によって大きく影響を受ける。この様な微細化され
た半導体装置内の浅い接合や低抵抗層等を形成する技術
が要求されているが、これらを実現するためには、高速
で温度を昇降温し(以下、高速昇降温という)、高温で
短時間の熱処理を行うことが有効である。さて、半導体
基板の大口径化がすすむにつれて枚葉式熱処理装置によ
る熱処理が多く用いられるようになった。被処理体であ
るシリコンなどの半導体基板を抵抗加熱体に接近させた
り遠ざけることによって高速昇降温を行う方法は、半導
体基板面内に発生する温度差を小さくすることができる
ので大口径の半導体基板の熱処理に有利である(特開平
3−116828号公報参照)。このような熱処理装置
を抵抗加熱式枚葉熱処理装置という。
【0003】抵抗加熱式枚葉熱処理では、熱源である抵
抗加熱体に半導体基板を高速で接近させることことによ
って高速昇温を達成している。この接近させる速度を速
くしていくと昇温速度も大きくなっていくが、高温にな
るに連れて、次第に半導体基板の昇温速度が熱輻射の吸
収率で律速されるようになり、昇温速度が半導体基板の
移動速度に依存しなくなる。抵抗加熱式枚葉熱処理で最
大の昇温速度を得るには、前記の吸収率律速となるよう
な接近速度を用いれば良い。このような方法によって目
的とする所定の熱処理温度よりも比較的低い温度域での
昇温速度を大きくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、半導体基板の
高速昇降温を行う抵抗加熱式枚葉熱処理装置において、
この様な速度域で半導体基板を熱源である加熱体に近づ
けた場合、半導体基板が熱源に最も近づいた時点でも、
半導体基板の温度(基板温度)は目的とする所定の熱処
理温度(定常状態に達した時の目的温度)に比べてかな
り低い。そして、それ以降はほぼ一定の熱量を受けて昇
温することになる。図1は、従来の抵抗加熱式枚葉熱処
理装置の断面図であり、本発明の装置の製造方法にも適
用される装置である。図11は、この装置を用いて行う
熱処理の時間変化を示す特性図である。横軸は加熱時間
(t)、左側縦軸は半導体基板/加熱体間の距離
(D)、右側縦軸は半導体基板の基板温度(T)をそれ
ぞれ示している。この距離Dは、原点D1 の位置で半導
体基板と加熱体との間が最大である。この距離Dが小さ
くなるに従って半導体基板の温度Tは、加熱前の最低の
温度T1 から上昇していく。直線Aは距離Dの時間的変
化を示し、曲線Bは、基板温度Tの時間的変化を示して
いる。距離Dは、最大の距離D1 から一定速度で小さく
なり、加熱時間t1 で半導体基板が加熱体に最も近づい
た距離D2 に達する。
【0005】この時間t1 では、基板温度T2 は、目的
温度が1000℃前後の場合に400〜500℃にしか
ならない。熱処理期間中は、この半導体基板が加熱体に
最も近づいた距離D2 が維持される。加熱時間t2 にな
って基板温度Tは、目的温度T3 に達する。そして、一
定速度で距離Dが大きくなり、それにしたがって半導体
基板が冷却されていく。図に示すように、基板温度が上
がると共に半導体基板の自己放射が大きくなるために、
半導体基板の昇温速度が小さくなっていき、とくに、目
的温度の近傍では昇温速度の低下が顕著となる。図12
に、加熱体の温度が一定の場合の半導体基板の温度の時
間変化の従来の例を示す。図は、半導体基板の基板温度
の熱処理工程における時間変化を示す特性図であり、縦
軸に基板温度(℃)を示し、横軸に加熱時間(sec)を示
す。目的温度よりも低い温度域でほぼ一定の昇温速度を
示しているが、目的温度の近傍では明らかな昇温速度の
低下がみられる。目的温度より200℃低い温度のとき
からこの目的温度に達する間での時間は、約10秒かか
っている。この現象は半導体基板が受ける熱輻射量が一
定の場合には避けられない現象である。
【0006】目的温度以外の温度での熱履歴は余分な熱
履歴となり、拡散層深さや酸化膜厚の制御などを行う上
で好ましくない。また、半導体基板を熱源から遠ざける
ことにより冷却する場合には、熱源からの輻射は基板を
遠ざけているときにも半導体基板に達するため冷却速度
を低下させる要因となっている。従って、距離Dが最大
の距離D1 になっても基板温度T4 は、加熱前の最低の
温度T1 より高い状態にある。本発明は、このような事
情によりなされたものであり、熱処理を行うための目的
温度までの昇温速度を低下させることなく昇温し、か
つ、速い冷却速度で冷却する半導体基板の熱処理方法を
提供することを目的にしている。また、この熱処理方法
を実施するための熱処理装置を提供することを目的にし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の熱
処理方法は加熱体を一定温度に加熱維持する手段と、半
導体基板の表面が所定の温度に達するまで前記半導体基
板を一定温度に加熱維持された前記加熱体に近づける手
段と、前記半導体基板の表面が前記所定の温度に達した
後、前記半導体基板の移動を止めてその熱処理を行う手
段と、この熱処理が終了してから、前記半導体基板を前
記加熱体から遠ざけることにより冷却する手段と、前記
半導体基板が前記所定の温度に達する直前に少なくとも
1度単位面積当り単位時間に前記半導体基板に照射され
る熱量を減ずる手段とを備えていることを特徴としてい
る。前記照射される熱量を減ずる手段として、前記半導
体基板を前記加熱体から遠ざける手段を用いても良い。
また、前記照射される熱量を減ずる手段として、前記半
導体基板と前記加熱体との間に熱遮蔽体を挿入する手段
を用いても良い。
【0008】本発明の熱処理装置は、一定温度に加熱維
持された加熱体と、前記加熱体に半導体基板を接近させ
或いは前記加熱体から遠ざけることができかつ、この半
導体基板を保持する移動手段と、前記加熱体と前記移動
手段との間に移動可能に配置された熱遮蔽体とを備え、
前記熱遮蔽体を前記加熱手段と前記半導体基板との間に
挿入することによって単位面積当り単位時間前記半導体
基板に照射される熱量を減ずることを特徴としている。
【0009】
【作用】半導体装置を加熱する場合には熱源からのエネ
ルギーの伝達の仕方として、輻射、熱伝導および対流が
考えられる。高速昇温による場合には輻射による加熱が
支配的である。そして、輻射による加熱の場合には、昇
温速度は輻射速度と被加熱体の輻射の吸収効率で決ま
り、昇温速度は(1)式で示される方法に従う。 C×ρ×dT/dt=κ×△T−σ×εSi×T+F×σ×εhe×The(1) ここで、各定数の定義はつぎに示す通りである。 C:比熱、ρ:密度、κ:熱伝導率、T:基板温度、
σ:シュテファン−ボルツマン定数、εSi:基板の熱放
射率、εhe:加熱体の熱放射率、The:加熱体の温度、
F:形状因子 半導体基板の温度が均一な場合は(1)式における拡散
項は無視できるので加熱体の温度及び基板温度の4乗の
差で昇温速度が決まるようになる。従来の方法では、目
的温度よりも低い温度域でほぼ一定の昇温速度を示して
いるが、目的温度の近傍では明らかな昇温速度の低下が
みられる。この現象は基板がうける熱輻射量が一定の場
合には避けられない現象である。そこで、基板温度が目
的温度に達する前に基板に到達する熱輻射量を減少させ
ることで昇温速度の低下を防ぐことができる。この熱輻
射量を減少される手段として、基板温度が所定の熱処理
温度に達する前に少なくとも1度半導体基板を熱源であ
る加熱体から遠ざける手段や半導体基板と加熱体の間に
熱遮蔽体を挿入する手段等を用いる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。まず、図1乃至図7及び図13を参照して第1の
実施例を説明する。図1に従来例にも適用される本発明
の第1の実施例に用いる抵抗加熱式枚葉熱処理装置の断
面図、図2は、図1の装置を用いて行う熱処理の時間変
化を示す特性図、図3、図4、図5及び図13は、この
実施例及び従来の半導体基板/加熱体間の距離(D)の
時間的変化を示す高昇温速度維持シーケンス図である。
図1に示す抵抗加熱式枚葉熱処理装置は、加熱体11が
装置上部に配置されており、一定温度に保たれている。
加熱体はモリブデンシリサイド(MoSi2 )やFe−
Al−Cr合金などからなる抵抗発熱体を用いる。被処
理体であるシリコンウェーハなどの半導体基板を収容す
るプロセスチャンバー13は、例えば、炭化けい素(S
iC)などからなる均熱体12を介して加熱される。均
熱体12は、均熱体支持具22によって、プロセスチャ
ンバー13と加熱体11との間に配置されている。この
均熱体支持具22は、プロセスチャンバー13の側面に
配置された加熱領域支持ベース板23に支持固定されて
いる。
【0011】シリコンなどの半導体基板14は、プロセ
スチャンバー13内において基板維持ボート17により
支えられている。また、基板維持ボート17は、上下移
動ができるようにポールネジ19を介してモータ20と
つながっている。半導体基板14のプロセスチャンバー
13への出し入れは炉口シャッター18を開き、基板維
持ボート17を上下させることにより行う。上下動の速
度を速くすることで高速昇降温が達成される。プロセス
チャンバー13にはガス導入口15及びガス排出口16
が設けられており所望のガス雰囲気での熱処理が可能と
なる。例えば、酸化膜を半導体基板上に形成するために
2 ガス/HClガスをガス導入口15からプロセスチ
ャンバー13に封入する。また、ガス排出16の先にポ
ンプを設けて減圧CVDを行うことも可能である。この
熱処理装置の熱処理部分は、例えば、冷却手段(図示せ
ず)などを備えた断熱体27で囲まれている。断熱体2
7には、加熱体11、均熱体12、半導体基板14を収
納するプロセスチャンバー13などが収納されている。
【0012】図2は、熱処理の時間的プロセスを示し、
横軸は、加熱時間(t)、左側縦軸は半導体基板/加熱
体間の距離(D)、右側縦軸は半導体基板の基板温度
(T)をそれぞれ示している。この距離Dは、原点D1
の位置で半導体基板14と加熱体11との間が最大の場
合である。この距離Dが小さくなるに従って半導体基板
の温度Tは、加熱前の最低の温度T1 から上昇してい
く。最大の温度T3 は熱処理温度に相当する。直線Aは
距離Dの時間的変化を示し、曲線Bは、基板温度Tの時
間的変化を示している。距離Dは、最大の距離D1 から
一定速度で小さくなり、加熱時間t1 で半導体基板14
が加熱体11に最も近づいた距離D2 に達する。この時
間t1 では、基板温度T2 は、目的温度が1000℃前
後の場合に400〜500℃にしかならない。この実施
例の特徴は、加熱時間t1以降、暫くは、距離D2 を維
持し、その間基板温度Tが一定の速度で上昇をつづけ、
熱処理温度T3 に達した時点t3 で、半導体基板を加熱
体から少し遠ざけ、その時の距離D3 を熱処理が終了す
る時間t3 まで維持する。熱処理期間(t2 〜t3 )中
は、この半導体基板が加熱体に最も近づいた距離D3 が
維持される。加熱時間t2 になって基板温度Tは、目的
温度T3 に達する。その時間t2 の直前であっても基板
温度Tは、ほぼ一定の速度で上昇していく。
【0013】そして、熱処理期間に入っても暫く温度上
昇はつづくが熱処理に格別の悪影響は与えない。その
後、熱処理期間が終了した時間t3 から一定速度で半導
体基板/加熱体間の距離Dが大きくなり、それにしたが
って半導体基板が冷却されていく。また、熱処理終了時
間t3 から半導体基板14を熱源である加熱体11から
遠ざけることにより冷却する場合には、熱源からの輻射
は半導体基板を遠ざけているときにも半導体基板に達す
るため冷却速度を低下させる要因となっている。従っ
て、距離Dが最大の距離D1 になっても基板温度T4
は、加熱前の最低の温度T1 より高い状態にある。次
に、既存の抵抗加熱式枚葉熱処理装置を使用して高速昇
温を行う第1の実施例の方法についてさらに詳細に説明
する。図3、図4、図5及び図13に半導体基板と加熱
体との距離Dの時間変化を示す。図13は、従来例の熱
処理シーケンスである。半導体基板を急速に加熱体に近
付けた後、所定の熱処理時間その位置で保持しておき、
その後、加熱体から急速に遠ざける。このシーケンズで
の問題点は半導体基板が熱処理速度に近付いたときに昇
温速度が低下してくることである。そこで、図3(a)
に示すように、一度加熱体と半導体基板の距離が最近接
した後に距離Dを広げる操作を行う。
【0014】これにより、半導体基板の受ける輻射強度
を減らすことになる。図に示すようにこの操作は、殆ど
0秒近い瞬時に行う。次に、図3(b)に示した熱処理
シーケンスの変形例を示す。この例は、半導体基板/加
熱体間の距離Dを広げる前記操作を10秒以内程度の時
間で行うことに特徴がある。図3(a)の処理と合わせ
て、この熱処理シーケンスは、0〜10秒程度で行うの
が好ましい。また、図4(a)に示す例では、前記距離
Dを広げる操作を多段階に別けて行う。この場合も10
秒程度以内で行うのが好ましい。さらに、図4(b)に
示す例では、前記距離Dを広げる操作を図3(a)と同
じように瞬時に行ってから数秒以内にパルス状に距離D
を小さくする、即ち、半導体基板の位置を加熱体に近づ
ける。いずれの操作を行っても、半導体基板の受ける輻
射強度を減らすことになり、熱処理温度に近づいたとき
に発生する昇温速度の低下を無くすことができる。更
に、図5に示す例は、半導体基板を加熱体に近づけ、所
定の距離D1で停止した後に熱処理のための距離D3よ
りも大きい距離D2まで一旦遠ざける。そして、その後
再び半導体基板を熱処理のための距離D3まで近づけ
る。つまり、熱処理温度に近づいた後で減らす熱量が大
きい方が収束性が高まる。しかし、この距離D2のまま
では到達温度が下がり過ぎるために再び半導体基板を熱
処理のための距離D3まで近づける。
【0015】次に、図6及び図7、図12を参照し、従
来例を比較しながら第1の実施例の効果について説明す
る。図はいずれも基板温度の時間変化を示したものであ
り、縦軸に基板温度(℃)、横軸に加熱時間(sec)を示
している。図12は、従来の抵抗加熱式枚葉熱処理装置
を用い、加熱体に急速に近付けた場合の半導体基板の温
度変化を示している。加熱体の温度は1000℃であ
る。700℃程度までの温度は約100℃/secの昇温速
度であるが、それ以上の温度が上がると、昇温速度が低
下してくる。到達温度よりも低い温度(700℃)から
到達温度に達するまでに約10秒を要している。平均昇
温速度にして約20℃/secである。明らかに低温部での
昇温速度に比べ、高温部の昇温速度は小さい。この様に
従来例では、ゆっくり温度が上昇するので、被熱処理体
はこの熱の影響を受けやすい。
【0016】図6に本発明による降昇温シーケンスを用
いた場合の温度変化を示す。この場合半導体基板の温度
が750℃に達した時点で半導体基板を加熱体から約5
0mm引き離した。その結果、到達温度までの200℃
を昇温する時間は、6秒であり、図12に示した従来例
に比較して昇温時間が短縮していることがわかる。昇温
速度は、33℃/secであり従来に比較して約1.7倍で
ある。図7には、半導体基板が830℃に到達したのち
に、半導体基板を加熱体から引き離した場合の温度変化
を示している。この場合、半導体基板を引き離すタイミ
ングが遅いため、温度のオーバーシュートが起こってい
る。このように半導体基板を加熱体から引き離すタイミ
ングは温度変化に大きな影響を及ぼす。いずれの場合も
目的とする熱処理温度に到達する直前の昇温速度は、従
来より早くなっているので、熱の影響は著しく少なくな
っている。到達温度までの200℃を昇温する時間は8
秒である。
【0017】次に、図8乃至図10を参照して第2の実
施例を説明する。図8は、抵抗加熱式枚葉熱処理装置の
断面図、図9は、この処理装置のプロセスチャンバー内
部を示す平面図、図10は、この処理装置の熱遮蔽板の
開閉シーケンス図を示す。図8の抵抗加熱式枚葉熱処理
装置は、この実施例の用いられるものであり、一定温度
に保たれた抵抗発熱体からなる加熱体11が装置上部に
配置されている。また、プロセスチャンバー13は、S
iCなどの均熱体12を介して加熱されるようになって
いる。均熱体12は、均熱体支持具22によって、プロ
セスチャンバー13と加熱体11との間に配置されてい
る。この均熱体支持具22は、プロセスチャンバー13
の側面に配置された加熱領域支持ベース板23に支持固
定されている。シリコンなどの半導体基板14は、プロ
セスチャンバー13内において基板維持ボート17によ
り支えられている。また、基板維持ボート17は、上下
移動ができるようにポールネジ19を介してモータ20
とつながっている。半導体基板14のプロセスチャンバ
ー13への出し入れは炉口シャッター18を開き、基板
維持ボート17を上下させることにより行う。
【0018】上下動の速度を速くすることで高速昇降温
が達成される。プロセスチャンバー13にはガス導入口
15及びガス排出口16が設けられており、所望のガス
雰囲気での熱処理が可能となる。また、ガス排出16の
先にポンプを設けて減圧CVDを行うことも可能であ
る。この実施例の処理装置は、さらに、熱遮蔽板を備え
ていることに特徴がある。図9は、この処理装置の半導
体基板が配置され、収納されているプロセスチャンバー
13の平面図である。熱遮蔽板21は、例えば、炭化け
い素(SiC)からなり、加熱体11と均熱体12の間
に配置されている。熱遮蔽板21は、熱遮蔽板支持ポー
ト24に支持されており、水平方向に移動可能になって
いる。すなわち、遮蔽板支持ポート24は、モータ26
によって駆動される遮蔽板回転軸25に取付けられて半
導体基板14を被覆したり露出させたりして水平移動す
る。熱遮蔽板21を使用しない場合、熱遮蔽板21はプ
ロセスチャンバー13と加熱体11との間には入らず、
この状態を開状態とする。また、熱遮蔽板21を使用す
る場合、熱遮蔽板21をスイングさせてプロセスチャン
バー13と加熱体11の間に挿入する。そして、この状
態を閉状態とする。
【0019】この熱処理装置の熱処理部分は断熱体27
で囲まれている。断熱体27には、加熱体11、金熱体
12、半導体基板14を収納するプロセスチャンバー1
3、熱遮蔽板21などが収納されている。断熱体27に
開閉自在に移動する熱遮蔽板21を収容するため、一端
に熱遮蔽板21が取付けられた熱遮蔽板支持ポート24
の熱遮蔽板回転軸25に接続されている他端は、この断
熱体27の側面に設けられている細長い貫通孔28から
外部へ突出している。この貫通孔28を介して熱遮蔽板
21は自在に制御される。熱処理期間中に熱遮蔽板21
を閉状態にすると加熱体11からの熱輻射の一部が熱遮
蔽板21に吸収されるため、半導体基板に到達する熱輻
射量を減じることができる。図10に熱遮蔽板の開閉シ
ーケンスの例を示す。半導体基板14が最近接位置に到
達した後に、半導体基板14の基板温度が熱処理温度に
達する前に熱遮蔽板21を閉状態にする。これにより半
導体基板14に到達する熱輻射強度の時間変化は、図3
に示した第1の実施例と同様になる。また、半導体基板
14を加熱体11から遠ざけるのと同時に熱遮蔽板21
を閉状態にすれば半導体基板14の降温速度を上げるこ
とが可能である。熱遮蔽板21の材質は透明石英、不透
明石英または炭化硅素などを用いる。輻射透過率と熱容
量を考慮して開閉タイミングを設定すれば所望の昇降温
速度が得られる。
【0020】このように高温部での昇温レートを上げる
のは秒単位での熱処理を実現するためである。例えば、
熱処理時間を10秒とした場合、図12に示す通常の熱
処理方法で到達温度付近で10秒間余計な熱処理を行わ
なければならなくなる。この10秒という余計な熱処理
時間は、高集積化された半導体装置では不純物拡散長の
点から許されない熱履歴になることが予想される。次に
降温の場合を考える。強制対流を使わない場合、最も速
い降温速度を得るのは絶対温度0度の空間に放置するこ
とである。このとき、降温速度は半導体基板の自己輻射
により冷却で冷えていくため基板温度が高い程降温速度
は大きい。放置する空間を絶対0度にすることは現実に
は不可能であるが、半導体基板の温度が1000℃程度
であれば放置空間の温度が室温でもほとんど差はない。
しかし、加熱体から半導体基板を引き離すときは必ず加
熱体からの輻射を受けてしまうので降温速度を大きくす
る上で不利である。そこで、第2の実施例の熱遮蔽板を
用いることで降温速度を増すことができる。この熱遮蔽
板は熱輻射を完全に遮ることが望ましい。
【0021】
【発明の効果】本発明は、以上のような構成により、半
導体基板を熱処理するに際し、基板温度が目的とする熱
処理温度に達する前に半導体基板に到達する熱輻射量を
減少させることで昇温速度の低下を防ぐことができ、そ
の結果、半導体基板の拡散領域や薄膜の特性劣化を減少
させる。この熱輻射量を減少させる手段として、基板温
度が所定の熱処理温度に達する前に少なくとも1度半導
体基板を熱源である加熱体から遠ざける手段や半導体基
板と加熱体の間に熱遮蔽板を挿入する手段等を用いるこ
とにより熱処理を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例及び従来の抵抗加熱式枚
葉熱処理装置の断面図。
【図2】第1の実施例の半導体基板/加熱体間の距離及
び半導体基板の基板温度の時間変化を示す熱処理シーケ
ンス図。
【図3】第1の実施例の半導体基板/加熱体間の距離の
時間変化を示す熱処理シーケンス図。
【図4】第1の実施例の半導体基板/加熱体間の距離の
時間変化を示す熱処理シーケンス図。
【図5】第1の実施例の半導体基板/加熱体間の距離の
時間変化を示す熱処理シーケンス図。
【図6】第1の実施例の半導体基板の基板温度の時間変
化を示す熱処理シーケンス図。
【図7】第1の実施例の半導体基板の基板温度の時間変
化を示す熱処理シーケンス図。
【図8】第2の実施例の抵抗加熱式枚葉熱処理装置。
【図9】図7の熱処理装置の部分平面図。
【図10】図7の熱処理装置の熱遮蔽板の開閉シーケン
ス図。
【図11】従来の半導体基板/加熱体間の距離及び半導
体基板の基板温度の時間変化を示す熱処理シーケンス
図。
【図12】従来の半導体基板の基板温度の時間変化を示
す熱処理シーケンス図。
【図13】従来の半導体基板/加熱体間の距離の時間変
化を示す熱処理シーケンス図。
【符号の説明】
11 加熱体 12 均熱体 13 プロセスチャンバー 14 半導体基板 15 ガス導入口 16 ガス排出口 17 半導体基板支持ポート 18 シャッタ 19 ボールネジ 20 モータ(半導体基板上下動操作用) 21 熱遮蔽板 22 均熱体支持具 23 加熱領域支持ベース板 24 熱遮蔽板支持ポート 25 熱遮蔽板回転軸 26 熱遮蔽板回転用モータ 27 断熱体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱体を一定温度に加熱維持する手段
    と、 半導体基板の表面が所定の温度に達するまで前記半導体
    基板を一定温度に加熱維持された前記加熱体に近づける
    手段と、 前記半導体基板の表面が前記所定の温度に達した後、前
    記半導体基板の移動を止めてその熱処理を行う手段と、 この熱処理が終了してから、前記半導体基板を前記加熱
    体から遠ざけることにより冷却する手段と、 前記半導体基板が前記所定の温度に達する直前に少なく
    とも1度単位面積当り単位時間に前記半導体基板に照射
    される熱量を減ずる手段とを備えていることを特徴とす
    る半導体装置の熱処理方法。
  2. 【請求項2】 前記照射される熱量を減ずる手段とし
    て、前記半導体基板を前記加熱体から遠ざけることを特
    徴とする請求項1に記載の半導体装置の熱処理方法。
  3. 【請求項3】 前記照射される熱量を減ずる手段とし
    て、前記半導体基板と前記加熱体との間に熱遮蔽体を挿
    入することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の
    熱処理方法。
  4. 【請求項4】 一定温度に加熱維持された加熱体と、 前記加熱体に半導体基板を接近させあるいは前記加熱体
    から遠ざけることができ、かつ、この半導体基板を保持
    する移動手段と、 前記加熱体と前記移動手段との間に移動可能に配置され
    た熱遮蔽体とを備え、 前記熱遮蔽体を前記加熱手段と前記半導体基板との間に
    挿入することによって単位面積当り単位時間前記半導体
    基板に照射される熱量を減ずることを特徴とする半導体
    装置用熱処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004510338A (ja) * 2000-09-27 2004-04-02 アクセリス テクノロジーズ インコーポレーテッド 熱処理システム中の加工物の移動を制御するためのシステムおよび方法
US6939813B2 (en) 1998-02-26 2005-09-06 Micron Technology, Inc. Apparatus for improved low pressure inductively coupled high density plasma reactor
JP2016525275A (ja) * 2013-07-04 2016-08-22 エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー 基材表面の処理方法および装置

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