JP3332955B2 - 熱処理炉の強制空冷装置 - Google Patents

熱処理炉の強制空冷装置

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JP3332955B2
JP3332955B2 JP18033792A JP18033792A JP3332955B2 JP 3332955 B2 JP3332955 B2 JP 3332955B2 JP 18033792 A JP18033792 A JP 18033792A JP 18033792 A JP18033792 A JP 18033792A JP 3332955 B2 JP3332955 B2 JP 3332955B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導体素子の製造工程
等において使用される熱処理炉強制空冷装置及び半導
体素子の熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の導体素子の製造工程において使
用される熱処理装置例に採って説明する。
【0003】かかる熱処理装置では、所定の処理ガス下
で半導体ウエハを加熱することにより、例えば、半導体
ウエハへの酸化膜の形成や、熱CVD法による薄膜形
成、或いは、熱拡散法による高不純物濃度領域の形成な
どが行われる。
【0004】また、かかる装置では、通常、このような
処理を行った後、一旦プロセスチューブ内の温度を所定
の温度まで冷却した後に、半導体ウエハの搬出を行って
いる。これは、高温の半導体ウエハをそのまま装置外に
搬出すると、半導体ウエハの表面に自然酸化膜が形成さ
れてしまい、この半導体ウエハから半導体素子を製造す
る際の歩留まり低下や、製造された半導体素子の特性悪
化の原因となるからである。
【0005】また、近年、集積回路は高速化、高集積化
の度合いが高まり、拡散深さを浅くする傾向にあるた
め、拡散の精度を向上させ、再現性よく拡散深さを制御
することが求められている。このように、浅い拡散深さ
を制御するためには、被処理体である半導体ウエハを、
短時間で所定温度まで上昇させるとともに、所定の温度
保持時間および温度降下時間を同じプログラムで再現す
ることが必要である。
【0006】プロセスチューブ内の冷却を急速且つ均一
に行うための技術としては、例えば実開昭63−121
429号公報に開示されたものや、実公昭63−812
8号公報に開示されたものがある。
【0007】実開昭63−121429号公報に開示さ
れた装置は、プロセスチューブに沿って形成した螺旋状
の気流によって、このプロセスチューブの冷却を行うも
のである。
【0008】また、実公昭63−8128号公報に開示
された装置は、加熱コイルとプロセスチューブとの間に
冷却用圧縮空気を供給するための空気噴出用パイプを1
または複数設けるとともに、反対の炉口から空気を排出
するための排気管を複数設けるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の技術によっても、冷却速度、均一性共に十分ではなか
った。
【0010】実開昭63−121429号公報に開示さ
れた装置では、現実には、プロセスチューブに沿って螺
旋状の気流を形成することは困難である。また、仮に、
導入した空気を螺旋状に流すためのガイド手段を設ける
こと等により螺旋状の気流を形成することができたとし
ても、気流の流れ抵抗が大きくなるので十分な冷却速度
は期待できず、また、装置が複雑となってしまう。
【0011】一方、実公昭63−8128号公報に開示
された装置は、冷却用空気の供給、排出ともにパイプを
用いていることより、気流のむらが生じ易く、冷却の均
一性の向上に限界がある。また、この装置では、冷却用
空気の供給を強制的に行い、排気は強制的には行ってい
ないが、この点でも、均一な気流を発生させることは困
難である。さらに、同様の問題点を持つものとして特開
平2−94626号公報及び特開昭3−224217号
公報に開示されたものがある。
【0012】本発明は、このような従来技術の課題に鑑
みて試されたものであり、加熱効率及び加熱の均一性を
向上させると共に、熱処理炉冷却を急速且つ均一に行う
ことができる熱処理炉の強制空冷装置及び半導体素子の
熱処理方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱処理路の
強制空冷装置は、一端が開口したプロセスチューブとこ
のプロセスチューブを覆うヒータ部とを有する熱処理炉
の冷却を、前記プロセスチューブと前記ヒータ部との間
の空隙に空気を流通させることにより行う強制空冷装置
において、記空隙内に前記プロセスチューブの開口端
側から空気を流入させるための、前記ヒータ部の開口端
部の炉口部に円周状に設けられた吸気ダクトに円周方向
に等間隔に形成された複数の吸気口と、前記ヒータ部に
設けられた、前記空隙内の空気を前記プロセスチューブ
の閉端中央部付近から前記ヒータ部外に流出させるため
の排気口と、この排気口に接続された排気手段と、前記
吸気口を塞ぐシャッタ手段と、前記排気口を塞ぐシャッ
タ手段とを具備し、前記吸気口と前記排気口とをそれぞ
れ前記シャッタ手段により塞いだ状態で前記プロセスチ
ューブ内を前記ヒータ部により加熱して熱処理を行い、
熱処理後前記シャッタ手段により前記吸気口及び前記排
気口を開放して、前記排気手段により強制空冷を行うこ
とを特徴とする。本発明に係る半導体素子の熱処理方法
は、一端が開口したロセスチューブとこのプロセスチ
ューブを覆うヒータ部との間の空隙内に前記プロセスチ
ューブの開口端側から空気を流入させるための、前記ヒ
ータ部の開口端部の炉口部に円周状に設けられた吸気ダ
クトに円周方向に等間隔に形成された複数の吸気口と、
前記ヒータ部に設けられ、前記空隙内の空気を前記プロ
セスチューブの閉端中央部付近から前記ヒータ部外に流
出させるための排気口とを、それぞれシャッタ手段によ
り塞ぐ工程と、前記プロセスチューブ内に半導体素子を
挿入し、前記ヒータ部により前記プロセスチューブ内を
加熱して半導体素子に熱処理を行う工程と、前記熱処理
後、前記シャッタ手段を開き、前記吸気口及び前記排気
口を開放して、前記排気口に接続された排気手段を駆動
し、強制空冷を行う工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】ヒータ部の開口端部に円周方向で等間隔に複数
の吸気口を設けるとともに上面に排気口を設け、この排
気口に接続された排気手段でプロセスチューブとヒータ
部との間の空隙の空気を排気することによってこの空隙
に空気を流通させ、これにより熱処理炉の冷却を行う。
【0018】かかる構成によれば、プロセスチューブと
ヒータ部との間の空隙を流れる空気の流れ抵抗を低減す
ることができるので、空気の流量を増大させることがで
き、したがって、冷却速度を速くすることができる。
【0019】また、プロセスチューブとヒータ部との間
の空隙を流れる空気の偏りを低減させることができるの
で、熱処理炉全体を均一に冷却することができる。
【0020】さらに、吸気口を塞ぐシャッタ手段および
排気口を塞ぐシャッタ手段を設けることにより、加熱処
理時の空隙と外部との間の空気の流入および流出を防止
することができるので、加熱効率および加熱の均一性を
向上させることができる。
【0021】
【0022】
【実施例】以下、本発明に係熱処理炉の強制空冷装置
の第1実施例について、縦型熱処理装置の場合を例に採
って説明する。
【0023】図1において、本発明の第1実施例の熱処
理炉10は、基台1に取付けたプロセスチューブ12と
ヒータ部14とを有している。また、このプロセスチュ
ーブ12とヒータ部14との間には、空隙16が設けら
れている。
【0024】プロセスチューブ12は、例えば石英等に
よって構成されている。このプロセスチューブ12に
は、下方の開口12aから、下部に保温筒21を持つウ
エハボート18が挿入される。なお、このウエハボート
18は、半導体ウエハW(図示せず)を板厚方向に多数
枚(例えば25〜150枚)収納できるように構成され
ている。
【0025】また、このプロセスチューブ12の下方の
開口12aは、ウエハボート18を挿入した際に、保温
筒21の下方に設けた蓋体20によって封止密閉され
る。これにより、このプロセスチューブ12をその下部
に設けた排気管24を用いて真空引きし、さらに排気管
24からの排気を行いつつガス導入管22から所定の処
理ガスをプロセスチューブ12内に導入を行なうことが
可能となる。
【0026】プロセスチューブ12を覆うヒータ部14
は、加熱機構(例えば加熱コイル)26と、この加熱機
構26をこれを密着して覆う断熱体28とを有してい
る。加熱機構26としては、例えば、二ケイ化モリブデ
ン(MoSi2 )を用いて形成した抵抗発熱体(コイ
ル)を使用することができる。かかる発熱抵抗体は50
〜100℃/分の急激な温度上昇が可能であり、プロセ
スチューブ12内の加熱速度を飛躍的に向上させること
が可能である。
【0027】かかる熱処理炉10の上部には、強制空冷
装置30が設けられている。この強制空冷装置30は、
ヒータ部14の開口端部の炉口部に円周状に設けられた
吸気ダクト33に形成された複数の吸気口32および熱
処理炉10の上部に設けられた排気口34と、この排気
口34に接続された熱交換器44と、排気手段としての
排気用ファン36とを具備している。
【0028】吸気口32は、プロセスチューブ12とヒ
ータ部14との間に設けられた空隙16の下端部(開口
端部)から装置外の空気を流入させるために設けられた
ものである。かかる吸気口32は、外気と連通し、円周
方向に等間隔で複数設けられた吸気開口32aと、ヒー
タ部14の下端部に前記空隙16に臨んで設けられた連
通口32bと空気導入口32cとから構成されている。
このように、吸気口32は、ヒータ部14の開口端部
に、等間隔に配置することが望ましい。
【0029】本第1実施例では、かかる吸気口32を吸
気ダクト33内に複数個設けることとしたので、後述す
る排気口34とともに作用して、空隙16の全域に均一
に空気を流通させることができ、したがって、熱処理炉
10の冷却の均一性を向上させることができる。さら
に、吸気口32を複数個設けることとした場合、空気の
流れ抵抗を小さくすることができるので、冷却速度を向
上させることもできる。
【0030】本第1実施例では、この吸気開口32aの
数を、16個とした。これにより、熱処理炉10の冷却
の、充分な均一性および速度を得ることができた。
【0031】なお、この吸気口32は、例えば吸気開口
32aのみを複数設け、連通口32bや空気導入口32
cを吸気ダクト33の内部で互いに連通させる構成とし
てもよい。
【0032】また、排気口34は、空隙16内の空気を
自然吸入して装置外に流出させるために設けられたもの
である。この排気口34は、ヒータ部14の上面14a
の中央部(炉頂部10b)に設けることが望ましい。こ
れにより、プロセスチューブ12の頂面12b付近およ
びヒータ部14の内側上面14a付近との温度差を少な
くして冷却の均一性を十分に保証することが可能とな
る。すなわち、複数の吸気口32からそれぞれ導入さ
れ、空隙16内をプロセスチューブ12の外周面に沿っ
て下方から上方に流れた空気は、排気口34によって1
ケ所に集められて排気されるので、プロセスチューブ1
2の外周面を流れるときに気流のむらが生じにくく、プ
ロセスチューブ12ひいては熱処理炉10の均一な冷却
が可能となる。
【0033】なお、排気口から流出された空気は、工場
内の温度の上昇を防止するために、熱交換器44で冷却
された後、排気ダクト48から排気ファン50により工
場外へ排気される。
【0034】この排気口34の下流に接続された排気用
ファン36は、熱処理炉10の空隙16内の空気を装置
外へ排気するために使用される。また、このようにして
空隙16内の空気を排気することとすれば、この排気用
ファン36による負圧の作用により、装置外の空気を吸
気口32より空隙16に流入させることもできる。すな
わち、本第1実施例の強制空冷装置では、排気用ファン
36を用いて、装置外の空気を吸気口32より空隙16
内に流入させ、さらに、この空隙16内の空気を排気口
34から装置外へ流出させることにより、空隙16内で
空気を流通させ、これによって熱処理炉10の冷却を行
う。
【0035】なお、排気口34からの排気のみを排気用
ファン36を用いて強制的に行なうこととし、吸気口3
2には強制的に吸気を行うための手段(以下、「吸気手
段」と称す)を設けないこととしたのは、以下の理由に
よるものである。
【0036】排気口34に排気用ファン36を接続し、
さらに、吸気口32にも強制的に吸気手段を設けること
とすると、排気用ファン36が故障する等して吸気する
空気量よりも排気する空気量の方が少なくなったとき
に、吸気手段を用いて空隙16内に強制的に導入された
空気により空隙内の気圧が上昇する。そして、最後に
は、空隙16内の空気は、装置の隙間から装置外へ排出
されることとなる。ここで、この空気漏れは、ダスト発
生の原因になるので、半導体素子の歩留まりを低下させ
てしまうのである。
【0037】これに対して、排気口34からの排気のみ
を強制的に行なうこととした場合には、仮にこの排気用
ファン36が故障しても、空隙16内で空気を流通させ
ることができないだけなので、熱処理炉10の冷却が行
われないだけであり、上述のようなダストの発生はな
い。
【0038】さらに、本第1実施例では、圧縮空気を供
給してこの空気の正圧の作用によって排気を行うのでは
なく、上述のように、排気用ファン36によって強制的
に排気を行ってこの排気による負圧の作用で吸気口32
からの吸気を行うこととした。これにより、空隙16内
の気流のむらをさらに減少させることが可能となる。
【0039】また、本施例においては、吸気口32を
塞ぐシャッタ手段38および排気口34を塞ぐシャッタ
手段40を具備している。なお、ここで、吸気口32の
シャッタ手段38は例えばステンレススチールおよびテ
フロンによって構成され、また、排気口34のシャッタ
手段40は、例えば石英等によって構成される。
【0040】本第1実施例では、熱処理炉10の空冷を
行っていないとき、特に、加熱機構26を用いてプロセ
スチューブ12内を加熱しているときに、これらのシャ
ッタ手段38,40を用いて吸気口32および排気口3
4を塞ぐこととする。
【0041】この吸気口シャッタ手段38は、図2
(a)に示すように、リング状の回転円盤に、上述の吸
気開口32aと同数の開口38aを等間隔で設けること
によって構成されている。かかる構成によれば、このシ
ャッタ手段38を一方の方向(ここでは、図2にAで示
した方向とする)に一定の角度だけエアシリンダ39と
リンク機構39aにより回転させることにより、シャッ
タ手段38は吸気ダクト33に形成した円環状溝に沿っ
て回動し各吸気開口32aを同時に開くことができる。
また、シャッタ手段38を逆方向(ここではBで示した
方向)にエアシリンダ39により回転させることによ
り、各吸気開口32aを一時に閉じることができる。
【0042】また、排気口34のシャッタ手段40は、
図2(b)に示すように、ケーシング41に軸止した支
点軸42によって支持されている。この支点軸42を回
転中心としてエアシリンダ43とシリンダロット43a
とにより矢印方向に回転させることにより排気口34の
開閉を行えるように構成されている。
【0043】なお、このシャッタ手段40は、図2
(c)に示すように、エアシリンダ43とシリンダロッ
ト43aにより前後に扇動することにより開閉を行う構
造にしてもよい。
【0044】シャッタ手段38を用いて吸気口32を塞
ぐことにより、プロセスチューブ12内を加熱している
ときにこの吸気口32から空隙16内の高温の空気が流
出したり外部の低温の空気が空隙16内に流入したりす
ることを防止でき、これによって、加熱効率の低下や温
度の均一性の乱れが生じることを防止することができ
る。
【0045】また図1に示すように、排気口34から流
出した空気は、通常、上述の熱交換器44で冷却された
後、工場内の排気システム46の排気ダクト48に送ら
れ、排気ファン50によって、他の装置の排気とともに
工場外へ排出される。本発明者の検討によれば、このよ
うな排気システム46に排気口34が接続されている場
合には、たとえ排気用ファン36を停止させていても、
排気口34から少量の空気が流出してしまうことが解っ
た。このような空気の流出は、吸気口32の場合と同
様、加熱効率の低下や温度の均一性の乱れの原因とな
る。したがって、排気口34にもシャッタ手段40を設
け、かかる空気の流出を防止することにより、加熱中の
放熱を防止することとしたのである。
【0046】次に、図1に示した縦型熱処理装置を用い
た熱処理方法について説明する。
【0047】シャッタ手段38,40を閉じ、吸気口
32および排気口34を塞ぐ。
【0048】次に、半導体ウエハWを収納したウエハ
ボート18を、図示していない搬入手段によって上昇さ
せ、プロセスチューブ12内に挿入する。
【0049】その後、ガス導入管22により処理ガス
を導入しながら、ガス排気管24を用いてプロセスチュ
ーブ12内のガスを排出する。
【0050】加熱機構26を用いてプロセスチューブ
12内を例えば600℃から1000℃に加熱すること
により、半導体ウエハWに所望の処理を行なう。このと
き、吸気口32および排気口34はシャッタ手段38,
40によって塞がれているので、上述したように、熱処
理炉10の加熱効率は優れており、温度の均一性の乱れ
が生じるもない。また、例えば二ケイ化モリブデン(M
oSi2 )を用いて形成した抵抗発熱体を使用すること
により、急速な加熱を行うことが可能である。
【0051】処理が終了すると、加熱機構26のスイ
ッチをOFFにしてN2 ガス等のパージガスをプロセス
チューブ12内に導入してパージを行う。この間N2 ガ
スは流し放し(例えば20〜30リットル〜分)にして
おく。ついで、シャッタ手段38,40を開き、吸気口
32と、排気口34とを開放し、次に、排気用ファン3
6を駆動させる。これにより、装置外の空気を吸気口3
2より空隙16内に流入させ、さらに、この空隙16内
の空気を排気口34から装置外へ流出させることによ
り、空隙16内で空気を流通させることができ、熱処理
炉10の冷却を急速かつ均一に行なうことができる。
【0052】プロセスチューブ12内の温度が所定の
温度まで低下すると、ウエハボート18を下降させ、処
理後の半導体ウエハWをプロセスチューブ12内から取
り出す。
【0053】以上説明したような本第1実施例よれ
ば、プロセスチューブ12とヒータ部14との間の空隙
16を流れる空気の流れ抵抗を低減することができるの
で、空気の流量を増大させることができ、したがって、
熱処理炉10の冷却速度を速くすることができる。本発
明者の検討によれば、例えば半導体ウエハ上で測定して
1000℃〜600℃の温度降下範囲で、さらに、全処
理ウエハ間の温度差20℃以内で50℃/分の高速冷却
が可能となった。
【0054】また、プロセスチューブ12とヒータ部1
4との間の空隙を流れる空気の偏りを低減させることが
できるので、プロセスチューブ12全体を均一に冷却す
ることができる。
【0055】さらに、シャッタ手段38,40を吸気口
32と排気口34に設けたことにより、加熱機構26に
よってプロセスチューブ12内を加熱する際の、加熱効
率の低下や温度の均一性の乱れを防止することができ
る。
【0056】なお、以上説明した第1実施例では、本発
明の熱処理装置について、縦型熱処理装置を例に採って
説明したが、横型の熱処理装置においても同様の効果を
得ることができるのはもちろんである。
【0057】次に本発明の2実施例について、図3を
参照しつつ縦型熱処理装置を用いた場合を例にとって説
明する。
【0058】図1に示した本発明の第1実施例では、排
気ファンによる自然吸入方式のたためプロセスチューブ
の縦方向でその冷却速度が不均一となり、特に炉口付近
のプロセスチューブが冷え過ぎる傾向がある。
【0059】そこで、本発明の2実施例では、基本的
な構成は第1実施例の場合と同一であるが、図3に示す
ように、第1実施例の空気導入口32cにノズル51を
挿入するとともに、シャッタ手段38をダクト33に固
定するとともに吸気口32にブロワー52を接続して強
制的に空気を炉内に押し込んで熱処理炉10の強制空冷
を促進するようにした。
【0060】すなわち、この第2実施例のものでは、図
3に示すように、ダクト33に形成した空気導入口32
cにノズル51を8本等間隔で挿入して空隙16内にま
んべんなく空気を噴出させプロセスチューブ12に沿っ
て上昇するようにする。このノズル51は石英等からな
り、例えば25mm×12mmの楕円形断面を有し、そ
の長さは縦方向に均一性を得るために、変えられる構造
で、例えば200mm程度とする。
【0061】また、ノズル51は円形断面であっても良
いのは当然である。
【0062】さらに、ダクト33の上面に固定した円環
状をしたシャッタ手段38には1ヵ所開口が設けられこ
れに送入管53を介してブロワー52が接続されてい
る。この構成によりブロワー52の回転により強制的に
空気が吸気口32に押し込まれ、ノズル51からプロセ
スチューブ12と加熱機構26戸の間に形成された空隙
16内に噴出され、プロセスチューブ12に沿って均一
な強制空冷が促進される。 そこで、本発明の強制空冷
装置の第2実施例の動作について説明する。強制空冷に
際しては、まず、加熱機構26のスイッチをOFFと
し、ついで排気口34のシャッタ手段40を開く。そし
て、排気ファン36を駆動させてから、数秒後にブロワ
ー52を駆動させて、吸気口32に空気を押し込みノズ
ル51から空気を所定時間噴出させてプロセスチューブ
12の強制空冷を行う。その後、ウエハボート18を下
降させて、処理済みの半導体ウエハWをプロセスチュー
ブ12から取出す。
【0063】この本発明の第2実施例の空冷装置による
と、縦方向の全処理ウエハ間の冷却の均一性が第1実施
例に比べて約30%改善することができた。
【0064】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の熱
処理炉の強制空冷装置及び半導体素子の熱処理方法によ
れば、熱処理炉冷却を急速且つ均一に行うことができる
熱処理炉の強制空冷装置を提供することができる。
【0065】また、シャッタ手段を設けたことにより、
加熱機構によってプロセスチューブ内を加熱する際の加
熱効率の低下や温度の均一性の乱れを防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る縦型熱処理装置の
構成を概略的に示す断面図である。
【図2】図2(a)は吸気口に設けたシャッタ手段の構
成を示す上面図、図2(b)および(c)は排気口に設
けたシャッタ手段の構成を示す上面図である。
【図3】図3は本発明の第2実施例に係る縦型熱処理装
置の構成を概略的に示す縦断断面図である。
【符号の説明】
10 熱処理炉 12 プロセスチューブ 14 ヒータ部 16 空隙 18 ウエハボート 26 加熱機構 28 断熱体 30 強制空冷装置 32 吸気口 34 排気口 36 排気用ファン 38,40 シャッタ手段 44 熱交換器 46 排気システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27D 1/12,9/00 F27B 17/00 H01L 21/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が開口したプロセスチューブとこの
    プロセスチューブを覆うヒータ部とを有する熱処理炉の
    冷却を、前記プロセスチューブと前記ヒータ部との間の
    空隙に空気を流通させることにより行う強制空冷装置に
    おいて、 記空隙内に前記プロセスチューブの開口端側から空気
    を流入させるための、前記ヒータ部の開口端部の炉口部
    に円周状に設けられた吸気ダクトに円周方向に等間隔に
    形成された複数の吸気口と、 前記ヒータ部に設けられた、前記空隙内の空気を前記プ
    ロセスチューブの閉端中央部付近から前記ヒータ部外に
    流出させるための排気口と、 この排気口に接続された排気手段と、 前記吸気口を塞ぐシャッタ手段と、 前記排気口を塞ぐシャッタ手段とを具備し、 前記吸気口と前記排気口とをそれぞれ前記シャッタ手段
    により塞いだ状態で前記プロセスチューブ内を前記ヒー
    タ部により加熱して熱処理を行い、熱処理後前記シャッ
    タ手段により前記吸気口及び前記排気口を開放して、前
    記排気手段により強制空冷を行うことを特徴とする熱処
    理炉の強制空冷装置。
  2. 【請求項2】 一端が開口したロセスチューブとこの
    プロセスチューブを覆うヒータ部との間の空隙内に前記
    プロセスチューブの開口端側から空気を流入させるため
    、前記ヒータ部の開口端部の炉口部に円周状に設けら
    れた吸気ダクトに円周方向に等間隔に形成された複数の
    吸気口と、前記ヒータ部に設けられ、前記空隙内の空気
    を前記プロセスチューブの閉端中央部付近から前記ヒー
    タ部外に流出させるための排気口とを、それぞれシャッ
    タ手段により塞ぐ工程と、 前記プロセスチューブ内に半導体素子を挿入し、前記ヒ
    ータ部により前記プロセスチューブ内を加熱して半導体
    素子に熱処理を行う工程と、 前記熱処理後、前記シャッタ手段を開き、前記吸気口及
    び前記排気口を開放して、前記排気口に接続された排気
    手段を駆動し、強制空冷を行う工程と、 を含むことを特徴とする半導体素子の熱処理方法。
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