JPH07272280A - 光ディスクシステム - Google Patents

光ディスクシステム

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Publication number
JPH07272280A
JPH07272280A JP6277294A JP6277294A JPH07272280A JP H07272280 A JPH07272280 A JP H07272280A JP 6277294 A JP6277294 A JP 6277294A JP 6277294 A JP6277294 A JP 6277294A JP H07272280 A JPH07272280 A JP H07272280A
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magneto
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warp
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JP6277294A
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English (en)
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Masaji Suwabe
正次 諏訪部
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光ディスクの反りによる読み取り誤差を簡単か
つ低コストで低減する光ディスクシステムを提供する。 【構成】再生時、エラーレートを検出し、このエラーレ
ートの値により再生時のレーザ光の出力を制御すること
によりエラーレートを低下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクシステムに
関し、特に、光ディスクの環境の温度や湿度の変化に起
因する反りによる再生時の読み取り誤差の増加を、光デ
ィスクそのものの材質や構造に触れることなく防止する
ことができるようにした光ディスクシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】レーザディスク、コンパクトディスク
(CD)、光磁気ディスク(MOディスク)等のように
円盤(ディスク)状に形成された記録媒体においては、
周囲の温度や湿度の変化に起因する半径方向の反り(ラ
ディアルスキューまたはラディアルチルト、以下反りと
いう)が起こることは大なり小なり避けられない。
【0003】このような反りが起こると、回転する光デ
ィスクにレーザ光を照射してデータを読み取る際、コマ
収差によりレーザ光の当たる位置に誤差が発生し、それ
がデータの読み取り誤差につながることになる。このよ
うなデータの読み取り誤差は、データの記録密度が大き
い程大きくなる。
【0004】このような反りによるデータの読み取り誤
差を防止するためには、ディスクそのものの曲げ剛性を
高めるための対策が必要であると同時に、反りにより発
生した読み取り誤差を相殺するための対策が必要であ
る。
【0005】従来、ディスクの曲げ剛性を高める方法と
しては、曲げ剛性の大きい基板を使用すると共に、基板
を積層化する方法がとられている。
【0006】また、反りによる再生データの誤差を相殺
する方法として、大径(例えば直径30cm)のレーザ
ディスク等においては、ピックアップ機構においてレー
ザディスクの反りを検出し、この検出出力によってピッ
クアップを移動させるスキューサーボが実用化されてい
る。
【0007】しかしながら、コンパクトディスクや光磁
気ディスクでは、温度や湿度の変化に起因する反りがデ
ータ再生時の読み取り誤差に及ぼす影響は問題にならな
かった。これは、コンパクトディスクは比較的小径(1
2cm)であり、また、光磁気ディスクは張り合わせ型
基板を使用したり、小径の基板を使用しているため曲げ
剛性が高く環境条件による反りが殆ど無視しうる程度で
あったためである。
【0008】例えば、ISO規格の5.25”光磁気デ
ィスクは、張り合わせタイプであるため曲げ剛性が大き
く反りにくい。また、ISO規格の3.5”光磁気ディ
スクは直径86mmと比較的小径であるから反りにく
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、従来の光磁気ディスクにおいては、環境の温度
や湿度の変化による反りは問題にならなかったが、最
近、光磁気ディスクを大容量化するためにその基板の大
径化、単板化、使用レーザの短波長化の趨勢にあり、そ
のため、大径(例えば直径130mm以上)でかつ基板
の厚さが例えば0.8mmの薄い光磁気ディスクを用い
た磁界変調記録システムの要求が高まりつつある。
【0010】このような大径で薄い光磁気ディスクで高
密度記録媒体を実現するためには、当然環境の温度や湿
度の変化による反りに起因するコマ収差が無視できなく
なる。
【0011】しかも、このような薄い基板に高い曲げ剛
性を持たせるような基板材料の開発は難しくかつ高価に
つく。また、ピックアップにおけるスキューサーボのよ
うな機構はシステムの大型化、高価格化を招くので、本
来小型、低価格化を目指している開発方針と逆行するこ
とになる。
【0012】従って、本発明は、大径で薄型の光ディス
クの反りによる再生データの誤差の増加を、ディスクそ
のものの材料等に対する厳しい規制によらず、また、ピ
ックアップのスキューサーボ等の機械的な制御機構を用
いずに、簡単で低コストなソフト的構成によって防止す
ることに解決しなければならない課題を有している。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る光ディスクシステムは、光ディスク
と、該光ディスクに照射するレーザ光とからなり、前記
光ディスクにレーザ光を照射した時の反射光からデータ
を再生する光ディスクシステムであり、前記データを再
生する際に生じたエラーレートを検出する手段と、該エ
ラーレートに基づき前記レーザ光の強さを自動的に制御
する手段とを備え、再生中にエラーレートが上昇した
時、前記レーザ光の強さを一時的に上げて対応するよう
にしたことである。
【0014】又、上記エラーレートを検出する手段は、
光ディスクに記録されている特定のデータを読み取るこ
とによりエラーレートを測定するようにしたこと;上記
エラーレートに基づきレーザ光の強さを自動的に制御す
る手段は、前記レーザ光の通常時の出力値を前記光ディ
スクに要求される再生可能回数に基づき設定し、前記エ
ラーレートが許容値を越えた時、レーザ光の強さをC/
N比が最大になるように設定すること;上記光ディスク
の媒体は、単板で形成されていること;上記光ディスク
は、前記データが光磁気記録方式で記録された光磁気デ
ィスクであること;上記単板は、プラスチック基板であ
る光ディスクシステムである。
【0015】
【作用】上記構成による光ディスクシステムは、下記の
ような作用を奏する。 (1)光ディスクシステムに、データを再生する際のエ
ラーレートを検出する手段と、このエラーレートに基づ
きレーザ光の強さを自動的に制御する手段とを備え、再
生中にエラーレートが上昇した時、レーザ光の強さを上
げるようにしたことにより、光ディスクの反りが生じて
も簡単構成で、且つソフト的な処置により、エラーレー
トを減少させることができるようになる。
【0016】(2)エラーレートを検出する手段は、光
ディスクに記録されている特定のデータを読み取ること
によりエラーレートを測定するようにしたことにより、
エラーレートを正確に測定することができるようにな
る。
【0017】(3)エラーレートに基づきレーザ光の強
さを自動的に制御する手段は、レーザ光の通常時の出力
値を、光ディスクに要求される再生可能回数に基づき選
定し、エラーレートが許容値を越えた時、レーザ光の強
さをC/N比が最大になるように選定するようにしたこ
とにより、光ディスク特有の性質に合わせたレーザ光を
照射することができるようになる。
【0018】(4)光ディスク、及び光磁気ディスクの
媒体は、単板で形成されていること、その単板はプラス
チック基板で形成したことにより、低コストなディスク
を生産することができるようになる。
【0019】(5)光ディスクは、データが光磁気記録
方式で記録された光磁気ディスクであることにより、高
密度な磁気媒体であっても、その媒体を低コストに生産
することができるようになる。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係る光磁気ディスクシステム
の実施例について説明する。本実施例における光磁気デ
ィスクは、ポリカーボネートなどの樹脂からなる単板構
造で直径130mmの基板の表面に、希土類金属(G
a、Tb、Dr、Hoなど)と3d遷移金属(Fe、C
o、Ni)とのアモルファス合金からなる薄膜を形成し
て信号記録面としたものである。
【0021】データの記録は光磁気記録方式によって行
われる。光磁気記録の原理は、光磁気ディスクの記録面
に垂直に外部磁界を形成し、レーザ光を照射することに
よってディスクと垂直方向に磁化するものである。印加
される磁界の方向によって磁化の方向が変わることによ
って2値ディジタルデータを記録することができる。
【0022】光磁気ディスクのデータ記録の方式は2つ
に大別される。その一つは、図1に示すように、光磁気
ディスク1の裏面側に配置された永久磁石2によって一
定のバイアス磁界を与える。
【0023】一方、記録信号は変調回路3に入力され、
この変調回路3の出力はレーザ駆動回路4に供給され
る。そしてレーザ駆動回路4の出力によってレーザダイ
オード5が駆動されレーザ光6を出力する。
【0024】レーザ光6は、コリメータレンズ7、グレ
ーティング(回折格子)8、ミラー(反射鏡)9、ビー
ムスプリッタ10、対物レンズ11を通って光磁気ディ
スク1の表面に照射する。
【0025】その結果、光磁気ディスク1の記録面のレ
ーザ光が当たった部分はキューリ温度より上がり、磁石
2による外部磁界によって垂直方向に磁化される。
【0026】もう一つの記録方式は、図2に示すよう
に、レーザ駆動回路4によってレーザダイオード5を駆
動して一定の強さのレーザ光をコリメータレンズ7、グ
レーティング(回折格子)8、ミラー(反射鏡)9、ビ
ームスプリッタ10、対物レンズ11からなる光学系を
介して光磁気ディスク1の表面に照射する。
【0027】一方、記録信号は変調回路3に入力し、こ
の変調回路3の出力信号は磁界ヘッド駆動回路12を介
して光磁気ディスク1の裏面側に配置された磁気ヘッド
13のコイルに供給される。その結果、レーザ光が当た
った部分は磁気ヘッド13による磁界によって垂直磁化
される。
【0028】光磁気ディスクシステムの再生は下記のよ
うに行われる。図3に示すように、レーザダイオード5
から出力したレーザ光6をコリメータレンズ7、グレー
ティング8、ミラー9、ビームスプリッタ10、対物レ
ンズ11からなる第1の光学系を通して光磁気ディスク
1の表面に照射する。
【0029】光磁気ディスクの記録面から反射したレー
ザ光は、記録データの値(”1”か”0”か)によって
偏光方向が異なる。反射光は、対物レンズ11、ビーム
スプリッタ10、1/2波長板15、集光レンズ16を
通って偏光ビームスプリッタ17に入射する。
【0030】対物レンズ11は、2軸アクチュエータ1
4によって、光磁気ディスク1の表面と直角な方向と光
磁気ディスクのトラック方向との2方向に自由度を持つ
ように支持されている。2軸アクチュエータ14は、ピ
ックアップ制御系24からのトラッキング誤差信号およ
びフォーカシング誤差信号によって動作し、トラッキン
グ誤差およびフォーカシング誤差をゼロにするように対
物レンズ11を動かすようになっている。
【0031】さて、偏光ビームスプリッタ17に入射し
たレーザ光は、その偏光方向によって偏光ビームスプリ
ッタ17内を直進するものと直角に反射するものとに分
かれる。偏光ビームスプリッタ17内を直進したレーザ
光はホトデテクタ18によって受光され電気信号に変換
される。そして、ホトデテクタ18の出力信号は差動増
幅器19のマイナス端子に供給される。
【0032】一方、偏光ビームスプリッタ17で直角方
向に反射したレーザ光はホトデテクタ20によって受光
され電気信号に変換される。ホトデテクタ20の出力信
号は差動増幅器19のプラス端子に供給される。
【0033】差動増幅器19は2つの入力の差を増幅す
る。この差信号は記録信号を表す光磁気信号である。こ
の差信号は復調回路21へ出力され、復調されて再生信
号となる。
【0034】また、ビームスプリッタ10においてレー
ザ光の一部が直角に反射され、パーシャルビームスプリ
ッタ22を介してホトデテクタ23に入射する。ホトデ
テクタ23は、APC(自動レーザ光制御)用のホトデ
テクタであって、これの出力はレーザ駆動回路4のAP
C回路へ供給される。
【0035】また、ホトデテクタ20の出力信号はピッ
クアップ制御系へサーボ信号として送られる。
【0036】差動増幅器19の出力信号は、また、エラ
ーレート検出回路25に供給される。エラーレート検出
回路25は、再生データのエラーレートを検出する機能
を有する。エラーレート検出回路25のエラーレートを
表す信号はレーザパワーコントロール回路26へ出力さ
れる。
【0037】レーザパワーコントロール回路26は、C
PUを内蔵しており、レーザ駆動回路4を制御し、後述
するように、レーザダイオード5の出力を上記エラーレ
ートの値に対応する値に設定する。
【0038】以下、本発明の構成要件であるエラーレー
ト検出回路25とレーザパワーコントロール回路26に
ついて詳細に説明する。
【0039】光磁気ディスク1は、直径130mmの比
較的大径でかつ単板構造であるから、環境の温度および
湿度の変化によって反りを起こす。
【0040】本発明者が、種々の環境下で、光磁気ディ
スクの反りによる再生データの読み取りエラーについて
行った実験結果および考察は下記の通りである。なお、
実験に使用された光磁気ディスクは、ポリカーボネイト
基板からなる直径130mm、厚さ1.2mmのもので
ある。
【0041】図4は、周囲湿度を40%RHに維持しな
がら温度を変化して、光磁気ディスクの中心から60m
mの点における反りを測定した結果に基づき、反りの変
化分(ミリラディアン)と周囲温度(℃)との関係を示
す。
【0042】また、図5は、周囲温度を20℃に維持し
ながら湿度を変化して、光磁気ディスクの中心から60
mmの点における反りを測定した結果に基づき、反りの
変化の最大値(ミリラディアン)と相対湿度(RH%)
との関係を示す。なお、湿度の変化による光磁気ディス
クの反りは、温度によるものと異なり時間が経過するる
とゼロに戻るものである。
【0043】また、図6は、温度が20℃、湿度が50
%RHの環境条件からステップ関数的に温度が30℃、
湿度が30%RHの環境条件へ変化した場合について光
磁気ディスクの反りの変化の時間的推移を測定した結果
を示す。
【0044】図6から分かるように、時間の経過に従っ
て、湿度の影響はなくなり、温度上昇による反りの変化
のみとなる。
【0045】図7は、光磁気ディスクの反りとこの光磁
気ディスクに記録された信号のC/N比との関係につい
て、CLV(線速度)が5.65m/s、キャリア周波
数が4.93MHz、150Oe(エルステッド)の磁
界変調による書き込みという条件で測定した結果を示
す。
【0046】このように光磁気ディスクの反りが大きく
なるとコマ収差が大きくなり、その結果、C/N比が劣
化する。データのC/N比が低下すればするほど、デー
タの読み取りが困難になってしまう。
【0047】光磁気ディスクの一般的な使用環境は、温
度は0〜50℃、湿度は5〜95%RHである。そこ
で、この環境下では、光磁気ディスクの反りが最大にな
るのは、温度0℃、湿度5%の環境条件から温度50
℃、湿度95%の環境条件へ変化した時である。
【0048】しかしながら、光磁気ディスクの実際の製
造現場においては温度20℃、湿度45%の標準環境に
制御されているから、使用環境がこの標準環境からどの
程度変位しているかを考えれば充分である。従って、実
使用環境下で起こる最大の反りは、環境条件が温度20
℃、湿度45%から温度50℃、湿度95%に変化した
場合であるとしてよい。
【0049】この場合の光磁気ディスクの反りを、図4
および図5から推定すると、約+10ミリラディアンで
ある。光磁気ディスクの初期状態での反りやピックアッ
プの傾きによる反りが約±10ミリラディアン程度ある
から、これに温度、湿度の変化による分を加えると反り
は全部で約20ミリラディアンに達することになる。
【0050】この+20ミリラディアンの反りによるC
/N比の劣化は、図7から、約1.5dBであることが
分かる。このようにC/N比が悪くなると、光磁気ディ
スクに記録されているデータを読み出す時の読み誤りが
大きくなる。
【0051】図8は、光磁気ディスクのデータ読み出し
時の正確さを表すバイトエラーレートが、磁界変調によ
る書き込み(オーバーライト)時のレーザダイオードの
出力を変えることによってどのように変わるかを、光磁
気ディスクの反りがゼロの場合について測定した結果で
ある。
【0052】測定条件は、レーザダイオードの出力を
7.0mWにして4.93MHzの3T信号を書き込
み、2−7信号をレーザダイオードの出力を種々の値で
オーバーライトしたもので、読み出しは、線速度が5.
65m/s、レーザダイオードの出力が1.2mWで行
った。
【0053】図8において、レベルLはシステムが許容
することのできるエラーレートの最大値を示す。また、
WPWは書き込みに使用することのできるレーザ光出力
の範囲(書き込みパワーウインドウ)を表す。
【0054】図9は、光磁気ディスクの反りが20ミリ
ラディアンの場合について、図8に示す測定と同一の書
き込み、読み出し条件で行った測定の結果を、反りがゼ
ロの場合の結果と共に示す。
【0055】図9から、反りが増加したらバイトエラー
レートも増加していることが分かる。例えば、レーザダ
イオードの出力が5.5mWになった場合にはバイトエ
ラーレートは許容値を越え、データを正確に読み出すこ
とができなくなる。このようなことは、レーザダイオー
ドの汚れなどにより、その出力が見掛け上小さくなった
時などに容易に起こると考えられる。
【0056】上記のように光磁気ディスクの反りによる
C/N比の低下によってバイトエラーレートが増加する
事態を回避するため、本発明に係る光ディスクシステム
では、再生時のレーザダイオードの出力を高くすること
を考えた。その根拠は下記の通りである。
【0057】再生時のレーザダイオードの出力とC/N
比との関係を調べてみると、図10に示すように、レー
ザダイオードの出力が2mWより小さい範囲では、再生
時のレーザダイオードの出力を上げるとC/N比は直線
的に上昇することが分かる。そして、レーザダイオード
の出力が約2mWとなるとC/N比は最大となる。
【0058】従って、光磁気ディスクの反りが増加した
ら再生時のレーザダイオードの出力を増加すれば、再生
データのバイトエラーレートを同じレベルに維持するこ
とができると考えられる。
【0059】再生時のレーザダイオードの出力を1.2
mWから2.0mWに上げると、C/N比が約1dB上
昇することから、光磁気ディスクの反りがゼロで再生時
のレーザダイオードの出力が1.2mWの場合と、反り
が20ミリラディアンでレーザダイオードの出力が2.
0mWの場合との各バイトエラーレートを測定して比較
してみると図11のようになる。
【0060】ただし、この場合の測定条件は、4.93
MHzの3T信号をレーザダイオードの出力を7.0m
Wで書き込み、2−7信号をレーザダイオードの出力を
種々に変えて磁界変調記録したもので、読み出しは、線
速度が5.65m/sで行った。
【0061】図11から分かるように両者の場合のバイ
トエラーレートはほぼ等しい。つまり、再生時のレーザ
ダイオードの出力を1.2mWから2.0mWにするこ
とによって、光磁気ディスクの20ミリラディアンの反
りによって低下したC/N比の劣化分が相殺されること
になる。
【0062】ここで考慮しなければならないことは、光
磁気ディスクの実際の使用状態において、再生時のレー
ザダイオードの出力をどのような値に選定したらよいか
ということである。
【0063】つまり、バイトエラーレートの観点からだ
けみれば、再生時のレーザダイオードの出力を定常的に
2.0mWに設定すれば、光磁気ディスクの反りの影響
は除去されるが、それによって光磁気ディスクのその他
の性能に影響を与えないかということである。
【0064】再生時のレーザダイオードの出力を大きく
することによって一番影響を受けるのは、光磁気ディス
クの繰り返し再生耐久性である。すなわち、図12に示
すように、ある一定の環境条件の下で、再生時のレーザ
ダイオードの出力を上げていくと、光磁気ディスクの再
生可能回数は急激に低下する。
【0065】図12から、環境温度60℃においては、
光磁気ディスクの反りの有無に関わらず最低109 回の
再生可能回数を確保するためには、再生時のレーザダイ
オードの出力は1.5mW以下でなければならないこと
がわかる。
【0066】本実施例においては、光磁気ディスクの再
生耐久性に余裕を持たせ、定常時における再生時のレー
ザダイオードの出力を1.2mWとし、環境の変化に起
因する光磁気ディスクの反りによってエラーレートが許
容値より増加する事態に陥った時のみ、レーザダイオー
ドの出力をC/N比を最大にする値(本実施例では2.
0mW)とするようにした。
【0067】図3における、エラーレート検出回路25
とレーザパワー制御回路26とは上記の理論に基づき構
成され機能するものである。エラーレート検出回路25
は、差動増幅器19の出力に基づき再生データのエラー
レートを検出する。これには、光磁気ディスクの最外周
に特定のデータを記録しておき、この特定のデータを読
み取ることによってエラーレートを測定する。
【0068】なお、この特定のデータは、エラーレート
を測定することができればフォーマットに限定はない。
【0069】また、別な方法としては、使用者の使用す
る光磁気ディスクにディスクドライブが上記特定のデー
タを記録し、かつ再生するように構成してもよい。この
場合は、光磁気ディスクの特定データを記録する領域は
使用者が見ることができないようにしておく。
【0070】図13は、レーザパワー制御回路26の制
御手順を示す。すなわち、エラーレート検出回路25で
検出されたエラーレートが5×10-5以下の場合は、再
生時のレーザダイオード5の出力は1.2mWのままと
し(ST1、ST2)、エラーレートが5×10-5より
大きくなった時、レーザダイオード5の出力を2.0m
Wに上げるように制御する(ST3)。そして再生停止
でなければこのことを繰り返し行う(ST4)。
【0071】こうすることにより、環境の温度や湿度の
変化に起因する光磁気ディスクの反りによるエラーレー
トの増加を防止し、データが全く読み取れないという不
測の事態の発生を防ぐことができるのである。
【0072】上記実施例においては、レーザダイオード
の出力を2段階に変化させるように構成したが、検出さ
れたエラーレートによってもっと多段階に変化するよう
にすることも容易に可能である。
【0073】このようにして、光の強さを制御する手段
は、エラーレート検出手段によって測定されたエラーレ
ートに基づきレーザ光の強さを制御することによって、
反りが大きくなった時のエラーレートを低下させるよう
に制御すればよいことになる。
【0074】そしてこの制御は、具体的には、光磁気デ
ィスクの場合、エラーレートと、再生時のレーザ光の強
さと、再生可能回数(再生信号のC/N比が3dB減少
するまでの読み取り繰り返し回数)とのトレードオフに
よって決められた下記の基準で行えばよい。
【0075】即ち、上記示した種々の実験結果によっ
て、再生時のエラーレートは光磁気ディスクの反りが大
きくなると大きくなること、また、レーザ光の強さを上
げるとエラーレートは下がること、更に、レーザ光の強
さを大きくすると再生可能回数が下がることが証明され
た。
【0076】従って、制御手段は、通常時、即ち、エラ
ーレートがある許容値(例えば5×10-5)以下である
時は、レーザ光の強さを所定の再生可能回数(例えば1
9回)によって定まる値(例えば1.2mW)とす
る。
【0077】そして、エラーレートが上記許容値より大
きくなった時に、レーザ光の強さをC/N比が最大にな
るような値(例えば2.0mW)に上げる。
【0078】上記のことは、光磁気ディスクの環境の温
度や湿度と反りの大きさとの関係、レーザダイオードの
出力とC/N比との関係、レーザダイオードの出力と再
生可能回数との関係等について多数の実験を行った結
果、反りが最大(20mrad(ミリラディアン))で
ある場合でも、レーザダイオードの出力をC/N比が最
大になるような値(2.0mW)にすれば、再生データ
のエラーレートは、光磁気ディスクの反りがほぼゼロの
場合にレーザダイオードの出力を通常値(1.2mW)
にした時とほぼ等しくなるという事実から得た結論であ
る。
【0079】ここで、C/N比が最大になるようなレー
ザダイオードの出力(2.0mW)を常時適用すること
ができない理由は、前述した通りである。又、光磁気デ
ィスクの再生可能回数によること。これは、上記示した
実験の結果、一定環境下において、レーザダイオード出
力を大きくすると再生可能回数は直線的に急激に減少す
ることによる。
【0080】つまり、レーザダイオードの通常時の出力
は、再生可能回数をどのような値に設定するかによって
決定される。例えば、再生可能回数の最低値を例えば1
9に設定すれば、レーザダイオードの出力は1.5m
W以下の余裕のある値、例えば1.2mWにしなければ
ならないことになる。
【0081】そこで、光磁気ディスクが実際に使用され
る環境と、反りによるエラーレートが許容できなくなる
ような環境の発生頻度等を勘案して、通常時のレーザ光
の強さは所定の再生可能回数が達成されるような値(例
えば1.2mW)に設定しておき、環境の変化による光
磁気ディスクの反りの発生によりエラーレートが許容値
より増大するおそれがある非常時におけるレーザダイオ
ードの出力値を、C/N比が最大となるような値に設定
することによりエラーレートを低下させるようにすれば
よいのである。
【0082】尚、上記実施例のみならず種々のタイプの
光磁気ディスク、ならびに、光でディスクに記録、再生
を行う全てのシステムに適用可能であることは勿論であ
る。この場合、レーザダイオードの出力の制御値は光デ
ィスクシステムの種類、使用条件等によって任意に設定
すればよい。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による光デ
ィスクシステムは、下記に示すような効果を奏する。
【0084】(1)光ディスクシステムに、データを再
生する際のエラーレートを検出する手段と、このエラー
レートに基づきレーザ光の強さを自動的に制御する手段
とを備え、再生中にエラーレートが上昇した時、レーザ
光の強さを上げるようにしたことにより、光によって記
録再生を行う光ディスクの環境条件の変化による反りが
再生データのエラーレートに及ぼす影響を、光ディスク
そのものの材料の曲げ剛性に触れることなく、再生時の
レーザ光の強さをソフト的に制御することによって低減
することができると云う極めて優れた効果を奏する。
【0085】又、光ディスクそのものの反りに関する設
計値を狭い範囲に限定しなくてもよいのでシステム設計
の融通性が向上し、ディスクの反りに対する規制が緩和
されるので製造時の歩留りが向上すると云う極めて優れ
た効果を奏する。
【0086】(2)エラーレートを検出する手段は、光
ディスクに記録されている特定のデータを読み取ること
によりエラーレートを測定するようにしたことにより、
正確なエラーレートに基づいて、再生時のレーザ光の強
さをソフト的に制御することができると云う極めて優れ
た効果を奏する。
【0087】(3)エラーレートに基づきレーザ光の強
さを自動的に制御する手段は、レーザ光の通常時の出力
値を、光ディスクに要求される再生可能回数に基づき選
定し、エラーレートが許容値を越えた時、レーザ光の強
さをC/N比が最大になるように選定するようにしたこ
とにより、光ディスク特有の曲げ剛性の性質に合わせた
レーザ光を照射することができると云う極めて優れた効
果を奏する。
【0088】(4)光ディスク、及び光磁気ディスクの
媒体は、単板で形成されていること、その単板はプラス
チック基板で形成した構造であっても、ソフト的に制御
したレーザ光を照射して再生できるため歩留りを向上さ
せ、低コスト化を図ることができると云う極めて優れた
効果を奏する。
【0089】(5)光ディスクは、データが光磁気記録
方式で記録された光磁気ディスクであることにより、高
密度な磁気媒体であっても、その媒体の歩留りを向上さ
せ、低コスト化を図ることができると云う極めて優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスクシステムに係る光磁気
ディスクの第1の記録方式を示す説明図である。
【図2】同光磁気ディスクの第2の記録方式を示す説明
図である。
【図3】同光ディスクシステムの全体構成を示す略示的
ブロック図である。
【図4】同実施例における環境温度と光磁気ディスクの
反りとの関係を示す説明図である。
【図5】同実施例における環境湿度と光磁気ディスクの
反りとの関係を示す説明図である。
【図6】同実施例における光磁気ディスクの反りの時間
的変化を示す説明図である。
【図7】同実施例における光磁気ディスクの反りとC/
N比との関係を示す説明図である。
【図8】同実施例において、光磁気ディスクの反りがゼ
ロの場合のエラーレートを示す説明図である。
【図9】同実施例において、光磁気ディスクの反りがゼ
ロおよび20ミリラディアンのそれぞれ場合におけるエ
ラーレートを比較した説明図である。
【図10】同実施例において、再生時のレーザダイオー
ドの出力とC/N比との関係を示す説明図である。
【図11】同実施例において、光磁気ディスクの反りと
再生時のレーザダイオードの出力との組み合わせの変化
によるエラーレートの変化を示す説明図である。
【図12】同実施例において、再生時のレーザダイオー
ドの出力と再生可能回数との関係を示す説明図である。
【図13】同実施例におけるレーザパワー制御回路の制
御動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク 2 磁石 3 変調回路 4 レーザ駆動回路 5 レーザダイオード 6 レーザ光 7 コリメータレンズ 8 グレーティング 9 ミラー 10 ビームスプリッタ 11 対物レンズ 12 磁界ヘッド駆動回路 13 磁気ヘッド 14 2軸アクチュエータ 15 1/2波長板 16 集光レンズ 17 偏光ビームスプリッタ 18、20、23 ホトデテクタ 19 差動増幅器 21 復調回路 22 パーシャルビームスプリッタ 24 ピックアップ制御系 25 エラーレート検出回路 26 レーザパワーコントロール回路 L バイトエラーレートの許容上限 WPW 書き込みパワーウインドウ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスクと、該光ディスクに照射する
    レーザ光とからなり、前記光ディスクにレーザ光を照射
    した時の反射光からデータを再生する光ディスクシステ
    ムであり、 前記データを再生する際に生じたエラーレートを検出す
    る手段と、該エラーレートに基づき前記レーザ光の強さ
    を自動的に制御する手段とを備え、再生中にエラーレー
    トが上昇した時、前記レーザ光の強さを一時的に上げて
    対応するようにしたことを特徴とする光ディスクシステ
    ム。
  2. 【請求項2】 上記エラーレートを検出する手段は、光
    ディスクに記録されている特定のデータを読み取ること
    によりエラーレートを測定するようにしたことを特徴と
    する請求項1に記載の光ディスクシステム。
  3. 【請求項3】 上記エラーレートに基づきレーザ光の強
    さを自動的に制御する手段は、前記レーザ光の通常時の
    出力値を前記光ディスクに要求される再生可能回数に基
    づき設定し、前記エラーレートが許容値を越えた時、レ
    ーザ光の強さをC/N比が最大になるように設定するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスクシス
    テム。
  4. 【請求項4】 上記光ディスクの媒体は、単板で形成さ
    れていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の
    光ディスクシステム。
  5. 【請求項5】 上記光ディスクは、前記データが光磁気
    記録方式で記録された光磁気ディスクであることを特徴
    とする請求項1、2、3又は4に記載の光ディスクシス
    テム。
  6. 【請求項6】 上記単板は、プラスチック基板であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の光ディスクシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007317313A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Tdk Corp 光ディスク、光ディスクの再生方法及びシステム
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