JPWO2007148387A1 - 光記録再生方法およびシステム、ならびにプログラム - Google Patents

光記録再生方法およびシステム、ならびにプログラム Download PDF

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Abstract

光源から出射され記録媒体に対して照射された光に基づいて、該記録媒体に記録されたデータから反射されてきた反射光を受光し、受光した反射光に基づいて前記記録媒体に記録されたデータを再生する光記録再生システム。このシステムは、前記光源から出射された光の前記記録媒体への光量を、外部からの制御により調整できる光量調整部と、前記光源から出射された光のパワーを検出し、検出したパワーに基づいて該光源からの出射光のパワーを略一定に維持するパワー維持ユニットと、前記記録媒体に照射される光のパワーを検出し、検出したパワーに基づいて前記光量調整部の光量調整度合を制御する光量制御ユニットと、を備えている。

Description

本発明は、例えばCD、DVD、Blu‐ray DISC、HD (High Definition) DVD等の記録媒体に光記録されたデータを再生するための光記録再生方法およびシステム、ならびにプログラムに関する。
CD、DVD、次世代DVD(Blu‐ray DISC、HD DVD)等の記録媒体に対して対物レンズを介してレーザ光を照射し、この照射レーザ光に起因する熱に基づく媒体記録層の状態変化により、データを記録信号として書き込むとともに、その記録信号からの反射光に基づいて対応するデータを再生する光記録再生装置は、従来の磁気テープを記録媒体とするビデオテープレコーダに代わるデータ記録再生装置として、急速に普及している。
このように構成された光データ記録再生装置においては、比較的動作電流が小さいシングルモードレーザ(縦モードが単一であるレーザ)を光源として用いている。このシングルモードレーザから出射されるレーザ光は、可干渉性が非常に高いため、データを再生する際に、光源(シングルモードレーザ)から出射されるレーザ光のレーザ光パワー変動をもたらすノイズに対する比率(すなわち、CNR:Carrier to Noise Ratio)を高く維持する必要が生じている。このレーザ光パワー変動をもたらすノイズには、記録媒体や光学部品等からの戻り光との干渉に起因するノイズ(戻り光ノイズ)と、温度変動等に起因したレーザノイズとが含まれる。
一方、上述したように、記録媒体に対するデータの書き込み(記録)は、照射光に起因する熱に基づく媒体記録層の状態変化により行われるため、記録層劣化防止の観点から、再生時に対物レンズを介して記録媒体に照射されるレーザ光のパワー(以下、対物出射パワーとも記載する)には、限界がある。
この点、特許文献1には、印加電圧によりその光量調整度合である例えば透過率が変化する光量調整部が光源と記録媒体との間に配置された光データ記録再生装置の一例が開示されている。この光データ記録再生装置によれば、光源から出射され光量調整部および対物レンズを介して記録媒体上に集光されるレーザ光の光量調整部における透過光量(透過率)を、上記印加電圧を調整して制御することにより、記録媒体上における集光レーザ光のパワー(対物レンズを介して出射されるパワー:以下、対物出射パワーとも記載する)を所定の値に調整しながら、光源から出射されるレーザ光のパワー(以下、LD出射パワーとも記載する)を制御することにより、レーザ光パワー変動をもたらすノイズを減少させながら、記録層劣化を防止可能になっている。
特開平08−017065号公報
図1は、上述した光量調整部を有する光データ記録再生装置におけるLD出射パワーに対するノイズ特性の一例を示す図である。なお、横軸は、LD出射パワー(単位:mW)を表し、縦軸は、ノイズ
Figure 2007148387
を表している。
また、図2は、光量調整部における印加電圧と透過率との間の関係の温度依存性を示す図である。
すなわち、図1に示すように、対物出射パワーが一定になるように印加電圧を変化させて光量調整部の透過光量(透過率)を制御することにより、光源からのLD出射パワーを、図1に示すノイズ特性における再生に必要なノイズレベル(以下、閾値レベルとも記載する)以下のノイズレベルに対応する出射パワーに調整することが可能になる。
しかしながら、一般に、光量調整部の透過率は、図2に示すように、温度変化に依存して変化する特性を有している。同様に、光量調整部の透過率は、波長依存性、すなわち、入射される光の波長に依存して変化する特性を有している。
したがって、光量調整部の透過率を、光源からのLD出射パワーが閾値レベル以下のノイズレベルに対応する出射パワーになる値に設定した場合、図2に示すように、その透過率が例えば温度変動(高温⇔低温)や入射光の波長変化等に起因して変化した結果、図1に示すように、LD出射パワーが変化してしまい、対応するノイズレベルが再生に必要な閾値レベルを超えて変化する恐れがあるという問題点が一例として存在する。
特に、対物出射パワー一定制御状態において、光量調整部の透過率が例えば温度変動(高温⇔低温)や入射光の波長変化に起因して大きく増加した場合、この透過率減少に起因してLD出射パワーが大きく上昇することになり、この結果、記録媒体の記録層を劣化させる恐れがあるという問題点も一例として存在する。
なお、光量調整度部としては、例えば印加電圧によりその光量調整度合である例えば分光率が変化する分光率調整部を用いることも可能である。
この分光率調整部を用いた場合でも、図3に示すように、分光率調整部における分光率は、温度変化に依存して変化する特性を有している。同様に、光量調整部の分光率は、波長依存性、すなわち、入射される光の波長に依存して変化する特性を有している。
したがって、上述した透過率可変タイプの光量調整部を用いた場合と同様の問題点(温度変動に起因した分光率変動に基づくLD出射パワー変化)が存在する。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、光量調整部の光量調整度合の変化にかかわらず、記録媒体上に照射される出射光のパワーを略一定に維持しながら、光源からの出射光のパワーを任意の値に調整可能にすることをその目的とする。
本発明の第1の態様は、光源から出射され記録媒体に対して照射された光に基づいて、該記録媒体に記録されたデータから反射されてきた反射光を受光し、受光した反射光に基づいて前記記録媒体に記録されたデータを再生する光記録再生システムである。この光記録再生システムは、前記光源から出射された光の前記記録媒体への光量を、外部からの制御により調整できる光量調整部と、前記光源から出射された光のパワーを検出し、検出したパワーに基づいて該光源からの出射光のパワーを略一定に維持するパワー維持ユニットと、前記記録媒体に照射される光のパワーを検出し、検出したパワーに基づいて前記光量調整部の光量調整度合を制御する光量制御ユニットと、を備えている。
本発明の第2の態様は、光源から出射され記録媒体に対して照射された光に基づいて、該記録媒体に記録されたデータから反射されてきた反射光を受光し、受光した反射光に基づいて前記記録媒体に記録されたデータを再生するユニットと、前記光源からの出射光の光量を、外部からの制御により調整できる調整する第1の光量調整ユニットと、前記光源から出射された出射光の前記記録媒体への光量を、外部からの制御により調整できる第2の光量調整ユニットとを含むシステムに備えられたコンピュータが読み取り可能なプログラムである。このプログラムは、前記コンピュータに、前記光源から出射された光のパワーに基づいて前記第1の光量調整部の光量調整度合を制御して該光源からの出射光のパワーを略一定に維持する処理と、前記記録媒体に照射される光のパワーに基づいて前記光量調整部の光量調整度合を制御する処理と、をそれぞれ実行させる。
本発明の第3の態様は、光源から出射され記録媒体に対して照射された光に基づいて、該記録媒体に記録されたデータから反射されてきた反射光を受光し、受光した反射光に基づいて前記記録媒体に記録されたデータを再生する光記録再生方法である。この光記録再生方法は、前記光源から出射された光のパワーを検出し、検出したパワーに基づいて該光源からの出射光のパワーを略一定に維持し、前記記録媒体に照射される光のパワーを検出し、検出したパワーに基づいて、前記光源から出射された出射光の前記記録媒体への光量を制御する。
光量調整部を有する光データ記録再生装置におけるLD出射パワーに対するノイズ特性の一例を示す図。 光量調整部における印加電圧と透過率との間の関係の温度依存性を示す図。 分光率調整部における印加電圧と透過率との間の関係の温度依存性を示す図。 本発明の第1の実施の形態に係わるデータ記録再生システムの概略構成を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態に係るデータ記録再生システムのコンピュータにより実行される処理の一例を概略的に示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係るデータ記録再生システムのコンピュータにより実行される処理の一例を概略的に示すフローチャート。 本発明の第3の実施形態に係るデータ記録再生システムのコンピュータにより実行される処理の一例を概略的に示すフローチャート。 図7に示すステップS22の処理により得られたLD出射パワー変化に対するジッタ変化特性の一例を表す図。 再生特性としてエラーレートを採用した場合における図9のステップS22の処理により得られたLD出射パワー変化に対するエラーレート変化特性の一例を表す図。 本発明の第4の実施の形態に係わるデータ記録再生システムの概略構成を示すブロック図。 本発明の第4の実施形態に係るデータ記録再生システムのコンピュータにより実行される処理の一例を概略的に示すフローチャート。 本発明の第4の実施形態に係るデータ記録再生システムのコンピュータにより実行される処理の一例を概略的に示すフローチャート。 本発明の第4の実施形態に係るデータ記録再生システムの変形例の概略構成を示すブロック図。 本発明の第5の実施の形態に係わるデータ記録再生システムの概略構成を示すブロック図。 図14に示す分光素子の一例を示す図。 本発明の第5の実施形態に係るデータ記録再生システムのコンピュータにより実行される処理の一例を概略的に示すフローチャート。 本発明の第6の実施形態に係るデータ記録再生システムのコンピュータにより実行される処理の一例を概略的に示すフローチャート。 本発明の第7の実施形態に係るデータ記録再生システムのコンピュータにより実行される処理の一例を概略的に示すフローチャート。 本発明の第8の実施の形態に係わるデータ記録再生システムの概略構成を示すブロック図。 本発明の第8の実施形態に係るデータ記録再生システムのコンピュータにより実行される処理の一例を概略的に示すフローチャート。 本発明の第8の実施形態に係るデータ記録再生システムのコンピュータにより実行される処理の一例を概略的に示すフローチャート。 本発明の第8の実施形態に係るデータ記録再生システムの変形例の概略構成を示すブロック図。
符号の説明
1、1A、1B、1C、1D、1E データ記録再生システム
3 記録媒体
5 コンピュータ
7、7A LDユニット
9 LDドライバ
13、13A 光量調整素子
14 ビームスプリッタ
15、63 立ち上げミラー
23、65 対物レンズ
25、67 アクチュエータ
27 サーボ回路
29、69 受光部
31 第1のフロントモニタ
33 第1の差分器
35 第1のイコライザ回路
41 第2のフロントモニタ
43 第2の差分器
45 第2のイコライザ回路
47 LCドライバ
51 変復調部
53 バッファ
55 インタフェース
81 バックモニタ
82 フロントモニタ
90 分光素子
90A 偏光素子
90B 偏光ビームスプリッタ
91 分光ドライバ
92 加算器
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1の概略構成を示すブロック図である。
図4において、符号3は、例えば円盤状の保護層と、スパイラル状または同心円状に形成された記録トラックを含み、保護層に積層された円盤状の記録層とを有する記録媒体である。例えば、この記録媒体3としては、CD、DVD、Blu‐ray Disc、HD DVD等を用いることができる。
第1の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1は、所望速度で回転する記録媒体3の記録トラックに対して情報を記録する機能、および記録媒体3の記録トラック上に記録された情報を再生する機能をそれぞれ有する装置である。
例えば、本実施形態においては、記録トラックは、その一構成例として、径方向に沿って交互に配置されたランドおよびグルーブの内の少なくとも一方を有しており、そのランドおよびグルーブの内の少なくとも一方は、所定周波数で蛇行されており、その一部が例えば位相変調されることにより、記録トラックのアドレス情報等の情報がその変調部分に含まれている。
データ記録再生システム1は、上記情報記録/再生機能を含むシステム全体の制御を実行するコンピュータ5を備えている。
また、データ記録再生システム1は、回転する記録媒体3の記録トラックに対して光をスポット照射することにより情報を記録および/または再生するための光ピックアップ部(光ヘッド部)として、レーザダイオード(LD)ユニット7、LDドライバ9、光量調整素子(Light Control Element)13、ビームスプリッタ14、立ち上げミラー15、スピンドルモータ21、対物レンズ23、アクチュエータ25、サーボ回路27、および受光部29を備えている。
LDユニット7は、情報記録および/または再生用の光としてレーザ光を出射する光源としての機能を有している。
LDドライバ9は、LDユニット7を駆動制御することにより、LDユニット7から出力されるレーザ光の出力波形を制御する機能を有している。
光量調整素子13は、LDユニット7から出力されたレーザ光の光量を調整するための素子である。例えば、光量調整素子13は、後述するLCドライバからの印加電圧変化により光透過率が変化する液晶素子から構成されている。
ビームスプリッタ14は、LDユニット7から出力され光量調整素子13を介して進行するレーザ光の光路上に配置されており、そのレーザ光を透過させ、かつ立ち上げミラー15を介して送られてくる光を反射させる機能を有している。
また、例えば本実施形態では、LDユニット7、光量調整素子13、およびビームスプリッタ14は、それらの要素を介して案内されるレーザ光の光軸が記録媒体3の保護層表面に略平行となるように配置されている。
なお、本実施形態では、光量調整素子13は、初期状態(非電圧印加状態)において約100%の光透過率(減衰率が約0%)を有している。
立ち上げミラー15は、ビームスプリッタ14を介して送られてきたレーザ光の光路上に配置されており、そのレーザ光を、その光軸に対して直交し、かつ記録媒体3に向かう方向に反射させる機能を有している。
スピンドルモータ21は、システム1内にローディングされた記録媒体3を、立ち上げミラー15に対向し、かつその立ち上げミラー15により反射されたレーザ光の光軸がカバー層表面に直交するように支持するとともに、その記録媒体3を回転駆動させる機能を有している。
対物レンズ23は、この対物レンズ23を介して記録媒体3に照射されるレーザ光に必要な開口数(NA)を有しており、立ち上げミラー15および記録媒体3の保護層表面間に介在されている。この対物レンズ23は、立ち上げミラー15により反射されたレーザ光を、記録媒体3の記録トラックに対して上記NAに基づいて集束させてスポット光として照射する機能を有している。
アクチュエータ25は、対物レンズ23を、少なくとも記録媒体3の径方向および記録媒体3に対して離近する方向に沿って移動可能に構成されている。
サーボ回路27は、記録媒体3の回転速度制御、記録媒体3の記録トラック上に照射されるスポット光のフォーカス位置制御、および記録トラックに対するスポット光の追跡制御(トラッキング制御)をそれぞれ実行する機能を有している。
すなわち、アクチュエータ25は、サーボ回路27からの制御に基づいて対物レンズ23を移動させることにより、光スポットのフォーカス位置およびトラッキング位置の調整をそれぞれ行うように構成されている。
また、対物レンズ23は、再生時においては、記録媒体3の記録トラックに記録された記録信号から反射されてきた光(反射光)を受光し、所定のビーム径の平行光として出力する機能を有しており、立ち上げミラー15は、対物レンズ23を介して送られてきた反射光を反射させてビームスプリッタ14に送る機能を有している。
ビームスプリッタ14に入射した反射光は、このビームスプリッタ14により、例えばその入射光軸に対して直交する方向に反射されるようになっている。
受光部29は、ビームスプリッタ14により反射された反射光の光路上に配置されており、この反射光を受光して電気信号(以下、RF信号と記載する)に変換する機能を有している。
また、データ再生記録システム1は、LDユニット7から出射されるレーザ光のパワーを調整するための第1のパワー調整部として、第1のフロントモニタ31、第1の差分器33、および第1のイコライザ回路35を備えている。
第1のフロントモニタ31は、LDユニット7から出射され光量調整素子13に入射するレーザ光の一部を常時モニタし、このモニタ結果をモニタ信号(モニタ用電気信号、例えばデジタルデータ)として出力する機能を有している。
第1の差分器33は、第1のフロントモニタ31およびコンピュータ5にそれぞれ電気的に接続されており、第1のフロントモニタ33から出力されたモニタ信号の値(例えば、モニタパワーに対応する電流を表すデジタルデータ)とコンピュータ5から送られたLD出射目標値(例えば、出射目標パワーに対応する電流を表すデジタルデータ)との差分値を求める機能を有している。
第1のイコライザ回路35は、上記第1のパワー調整部の系を安定させるために設けられており、差分値のレベルを増大させ、かつノイズ成分を除去する機能を有している。
LDドライバ9は、第1のイコライザ回路35およびコンピュータ5にそれぞれ電気的に接続されており、コンピュータ5の制御の下で、第1のイコライザ回路35から送られた差分データに基づいてLDユニット7に与える駆動電流を制御することにより、LDユニット7から出力されるレーザ光の出力波形(出力パワーレベルを含む)を制御(フィードバック制御)する機能を有している。
さらに、データ再生記録システム1は、記録媒体3に照射されるレーザ光の記録媒体3上におけるパワーを調整するための第2のパワー調整部として、第2のフロントモニタ41、第2の差分器43、第2のイコライザ回路45、および光量調整素子ドライバ(LCドライバ)47を備えている。
第2のフロントモニタ41は、光量調整素子13を介して進行して立ち上げミラー15に入射したレーザ光の一部を常時モニタし、このモニタ結果をモニタ信号(例えば、モニタパワー対応する電流を表すデジタルデータ)として出力する機能を有している。
第2の差分器43は、第2のフロントモニタ41およびコンピュータ5にそれぞれ電気的に接続されており、第2のフロントモニタ43から出力されたモニタ信号の値とコンピュータ5から送られた対物出射目標値(例えば、対物出射目標パワーに対応する電流を表すデジタルデータ)との差分値を求める機能を有している。
第2のイコライザ回路45は、上記第2のパワー調整部の系を安定させるために設けられており、差分値のレベルを増大させ、かつノイズ成分を除去する機能を有している。
LCドライバ47は、第2のイコライザ回路45およびコンピュータ5にそれぞれ電気的に接続されており、コンピュータ5の制御の下で、第2のイコライザ回路45から送られた差分データに基づいて光量調整素子13に印加する電圧を制御することにより、光量調整素子13の透過率を制御する機能を有している。
一方、データ再生記録システム1は、記録媒体3に対する情報記録再生用のデータ処理部として、変復調部51、バッファ53、およびインタフェース(IF)55を備えている。これらの構成要素51、53、および55は、それぞれコンピュータ5に電気的に接続されており、それぞれの動作は、例えばコンピュータ5により制御されるように構成されている。
インタフェース55は、記録時においては、接続機器から入力された記録対象としての記録データ(ビット列データ)を受け取る機能を有している。
バッファ53は、インタフェース51により受け取られた記録データを保持する機能を有している。
変復調部51は、記録時においては、コンピュータ5の制御に基づいて、バッファ53に保持された記録データに対して所定単位毎{本実施形態では、ECC(Error Correction Code)ブロック単位毎とする}}にエラー訂正符号{例えば、PI(Parity Inner)訂正符号および/またはPO(Parity Outer)訂正符号等}}を付加する機能を有している。
なお、ECCブロックは、記録媒体3に対して記録されるデータの単位を表している。
例えば、本実施形態の記録媒体3がDVDの場合、ECCブロックは、182バイト(172バイトのデータ+10バイトのPI訂正符号)×208行(192行+16行のPO訂正符号)で構成されている。すなわち、172バイト×12行が1データフレームとなり、これが16個集められて1つのECCブロックが構成されている。
例えば、本実施形態においては、エラー訂正符号が付加された後の各ECCブロックの各フレームの記録データは、コンピュータ5による蛇行記録トラック走査により得られたウォブル信号から抽出された記録トラックの蛇行周波数を有するクロック(ウォブルクロック)に基づいて、そのビットの値が“1”の場合に信号レベルをハイレベルからローレベル、あるいはローレベルからハイレベルに変化させる信号に変換され、この変換後のデータ{NRZI (Non Return to Zero Inverted)データ}が記録媒体3の記録トラックに書き込まれる記録信号(記録マーク、ピット)に対応するデータとなっている。
なお、本実施形態では、このNRZIデータのエッジが変化するまでのビット長(ランレングス;記録信号長)は、変調方式等により異なるが、例えばNT(Nは、記録媒体3の種類によって異なり、例えば記録媒体3がDVDの場合、3以上の整数、記録媒体3がBlu−ray DISCの場合、2以上の整数、Tはウォブルクロックの周期)となるように構成されている。
すなわち、本実施形態によれば、記録媒体3の記録トラックには、その媒体3上におけるパワーレベルが記録パワーレベルに自動的にフィードバック制御され、かつ出力波形が変形(例えばマルチパルス化)されたレーザ光が照射され、NRZIデータそれぞれのランレングスに対応する記録信号が記録媒体3の記録トラック上に書き込まれるようになっている。
また、変復調部51は、再生時においては、受光部29により得られたRF信号を増幅し、増幅したRF信号から、ウォブル変調信号、トラッキング制御の誤差(エラー)を表すトラッキングエラー信号、およびフォーカス制御の誤差を表すフォーカスエラー信号をそれぞれ生成する機能、およびRF信号から抽出されたRFクロックに基づいて該RF信号から再生データ(ビット列データ)を復調(復号化)する機能をそれぞれ有している。復調された再生データは、コンピュータ5に送られ、このコンピュータ5によりエラー検出処理、検出されたエラーが訂正可能であるか否かを判断する判断処理、訂正可能である場合にエラー訂正を行う訂正処理等が行われる。この訂正処理後の再生データは、コンピュータ5の処理によりバッファ53に保持される。
インタフェース55は、再生時においては、このインタフェース55に接続された情報出力機器の制御に従って、バッファ53に保持された再生データを情報出力機器に対して出力する機能を有している。
コンピュータ5には、記録媒体3の線速度(記録および/または再生時に媒体3上を進むレーザ光の速度;例えば、1倍速、2倍速、・・・、32倍速等)の設定情報、再生実行命令、および記録実行命令等の各種情報や命令をユーザの操作によりコンピュータ5に入力するための入力部57が接続されている。
コンピュータ5は、処理結果を表すデータ等を記憶するための例えばHDD(Hard Disk Drive)、FLASH MEMORY等の第1のメモリ5aと、コンピュータ5のメインメモリであり、例えば第1のメモリ5aからロードされてきた複数のプログラムPを保持する第2のメモリ5bとを有している。この複数のプログラムPは、コンピュータ55に対して、上述した情報記録/再生機能を含むシステム全体の制御動作を実行させるプログラムである。
サーボ回路27は、コンピュータ5からの線速指令に従ってスピンドルモータ21を駆動制御して、記録媒体3を、入力部57により設定入力された線速度を一定に保持しながら回転させる機能(CLV:Constant Linear Velocity)、あるいは設定線速度をベースにして角速度を一定に保持しながら(CAV:Constant Angular Velocity)回転させる機能を有している。
また、サーボ回路27は、変復調部51により得られたトラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号に基づいてアクチュエータ25を制御することにより、記録媒体3の記録トラック上に照射されるスポット光のフォーカス位置制御およびトラッキング制御をそれぞれ行う機能を有している。
本実施形態においては、光量調整素子13として、LCドライバ47からの印加電圧変化により光透過率が変化する液晶素子を用いたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
例えば、本発明に係る光量調整部として、コンピュータ5からドライバを介して印加される電圧の変化により光減衰量(言い換えれば透過光量)が変化する可変光減衰器{可変ND(Neutral Density)フィルタ等}、偏光素子(偏光素子:波長板、液晶素子等)およびビームスプリッタから構成された素子を用いることも可能である。
例えば、偏光素子を、図4における光量調整素子13の代わりに配置し、ビームスプリッタ14を組み合わせることにより、本発明に係る光量調整部を構成することも可能である。
この構成によれば、コンピュータ5からドライバを介して印加される制御情報により偏光素子の光学軸方向(偏光方向)を入射レーザ光の偏光方向から所定角度変化させて、この偏光素子通過後のレーザ光における所定割合の光量分と残りの割合の光量分とをビームスプリッタ14により分けることにより、入射レーザ光における、偏光素子およびビームスプリッタ14を通過した後の光透過率を変化させることができる。
一方、上述したように、本実施形態に係わるコンピュータ5は、光ピックアップ部の制御処理、第1のパワー調整部の制御処理、第2のパワー調整部の制御処理、サーボ回路27の制御処理、および記録再生データ処理部におけるエラー検出および/または訂正に関する処理を、第2のメモリ5bにロードされた対応するプログラムPに従って実行するように構成されている。
次に、第1の実施形態に関するデータ記録再生システム1の具体的動作として、記録媒体3の記録トラックに記録された記録データを再生する場合におけるコンピュータ5の第1および第2のパワー調整部に対する制御処理を中心に説明する。
本実施形態に関するデータ記録再生システム1においては、記録媒体3の記録トラックにおける所定アドレス(再生開始アドレス)に記録された記録データから再生を開始する際に、コンピュータ5は、第2のメモリ5bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図5に示す処理を実行する。
最初に、ステップS1として、コンピュータ5は、入力部57から動作指令が送られてきたか否か判断する(ステップS1;図5)。
このステップS1の判断の結果、何ら動作指令が送られてこない場合(ステップS1→NO)、コンピュータ5は、周期的にステップS1の判断処理を繰り返す。
一方、ステップS1の判断の結果、動作指令として、上記再生開始アドレス等に関する情報を含む再生指令が送られてきた場合(ステップS1→YES)、コンピュータ5は、再生制御処理を実行する(ステップS2)。
すなわち、ステップS2において、コンピュータ5は、サーボ回路27を介してスピンドルモータ25を制御することにより、入力部57により設定入力された線速度で記録媒体3を回転させ、LDドライバ9を介してLDユニット7に駆動電流を与えることにより、LDユニット7を駆動(オン)させる。この結果、LDユニット7の駆動により該LDユニット7から出力されたレーザ光は、光量調整素子13、ビームスプリッタ14、立ち上げミラー15、および対物レンズ23を介して記録媒体3の記録トラックにおける任意のエリアに照射される。
このとき、出力レーザ光の一部が第1のフロントモニタ31によりモニタされ、この結果、第1のフロントモニタ31から第1の差分器33に対して、モニタされたパワーレベルに対応するモニタ信号値が送信される。
LDユニット7オンに続いて、コンピュータ5は、LDユニット7から出射されるレーザ光のパワーレベルの目標値(LD出射目標値)を、例えば予め決定された所定値(所定レベル)に設定し、この設定したLD出射目標値を第1の差分器33に送信する。この結果、第1の差分器33では、モニタ信号値とLD出射目標値との間の差分を表す差分データが求められる。
本実施形態においては、LD出射目標値として、例えば図1に示すノイズ特性において、閾値レベルよりも低いノイズレベルに対応する値に設定されている。なお、この図1に示すノイズ特性に基づく閾値レベルよりも低いノイズレベル範囲に対応するLD出射パワー範囲は、上記ノイズ特性を測定しておくことにより、予めコンピュータ5の第1のメモリ5aに記憶させておくことができる。
次いで、ステップS3において、コンピュータ5は、第1の差分器33により求められた、モニタ信号値とLD出射目標値との間の差分データに基づいて、LDドライバ9を介してLDユニット7に与えられる駆動電流を制御することにより、第1のフロントモニタ31により得られるモニタ信号値とLD出射目標値とが一致(差分データがゼロ)、言い換えれば、LDユニット7から出射されるレーザ光の出射パワー(LD出射パワー)が出射目標パワーに一致するように、そのLD出射パワーを制御する。
このステップS3の制御は、第1のフロントモニタ31によるモニタ信号値とLD出射目標値との間の差分データに基づいて自動的に実行されるため、LDユニット7から出射されるレーザ光の出射パワー(LD出射パワー)は、常に出射目標パワーに一致するようにフィードバック制御される。
一方、ステップS2およびS3の処理と例えば並列的に、コンピュータ5は、ステップS4として、LCドライバ47を介して光量調整素子13を駆動(オン)させるとともに、記録媒体3上の照射レーザ光のパワーレベルの目標値(対物出射目標値)を、例えば予め決定された再生用の所定値(所定レベル)に設定し、この設定した対物出射目標値を第2の差分器43に送信する。
このとき、光量調整素子13およびビームスプリッタ14を介して進行し立ち上げミラー15に反射されるレーザ光の内、立ち上げミラー15を透過したレーザ光の一部は、第2のフロントモニタ41によりモニタされ、この結果、第2のフロントモニタ41から第2の差分器43に対して、モニタパワーレベルに対応するモニタ信号値が送信されている。
この結果、第2の差分器43では、モニタ信号値と対物出射目標値との間の差分を表す差2の差分データが求められる。
ステップS5において、コンピュータ5は、第2の差分器43により求められた、モニタ信号値と対物出射目標値との間の差分データに基づいて、LCドライバ47を介して光量調整素子13に対する印加電圧を制御することにより、第2のフロントモニタ41により得られるモニタ信号値と対物出射目標値とが一致(差分データがゼロ)、言い換えれば、対物レンズ23を介して記録媒体3の記録トラックに照射されるレーザ光のパワー(対物出射パワー)が対物出射目標パワーに一致するように、光量調整素子13を介して透過する光量を調整する。
例えば、差分データが「対物出射目標値>モニタ信号値」を表していれば、コンピュータ5は、LCドライバ47を介して光量調整素子13に対する印加電圧を制御して、その透過率を増大させる。一方、差分データが「対物出射目標値<モニタ信号値」を表していれば、コンピュータ5は、LCドライバ47を介して光量調整素子13に対する印加電圧を制御して、その透過率を低下させる。
このステップS5の制御は、第2のフロントモニタ41によるモニタ信号値と対物出射目標値との間の差分データに基づいて自動的に実行されるため、記録媒体3上に照射されるレーザ光のパワー(対物出射パワー)は、常に対物出射目標パワーに一致するようにフィードバック制御される。
このようにして、LDユニット5から出射されたレーザ光の出射パワーおよび記録媒体3に対する対物出射パワーがそれぞれ対応する目標値(目標パワー)に制御されている状態において、コンピュータ5は、その記録トラック走査により得られたウォブル信号から認識されたアドレス情報に基づいて、サーボ回路27を介したアクチュエータ25の制御により対物レンズ23を移動させることにより、記録媒体3の記録トラック上のレーザ光走査位置を再生開始アドレスに一致させて再生処理を実行する(ステップS6)。
この結果、出射パワーおよび対物出射パワーがそれぞれ制御されたレーザ光が記録トラックにおける再生開始アドレスに対応する記録信号に照射される。そして、この照射されたレーザ光に応じて記録信号から反射された反射光は、対物レンズ23、立ち上げミラー15、およびビームスプリッタ14等を介して受光部29にRF信号として検出される。検出されたRF信号は、変復調部51を介してECCブロック毎の再生データ(ビット列データ)として復号化され、コンピュータ5によりエラー訂正処理が施された後、バッファ53およびインタフェース55を介して情報出力機器等により再生される。
以上述べたように、本実施形態によれば、第2のパワー調整部およびコンピュータ5を用いて光量調整素子13の透過率を制御することにより対物出射パワーを所望の目標値(対物出射目標パワー)に一致させる制御とは別個に、LDユニット7から出射されるレーザ光の出射パワー(LD出射パワー)を、第1のパワー調整部およびコンピュータ5により、所望の目標値(LD出射目標パワー)に一致させる制御を実行している。
すなわち、本実施形態では、たとえ光量調整素子13の透過率が温度変動、入射レーザ光の波長変化、および/または電源電圧変動等に起因して変化したとしても、この透過率変動に影響してLD出射パワーが変動する危険性を回避することができ、LD出射パワーを、例えばノイズレベルが閾値レベル以下の所定の目標パワーに一致させることができる。
この結果、温度変動や入射レーザ光の波長変化等に起因した光量調整素子13の透過率変動にかかわらず、LD出射パワーを閾値レベル以下、すなわち、再生に必要なレベル以下に維持することができ、その再生性能を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、光量調整素子13の透過率変化に基づく対物出射パワー制御とは別個に、LD出射パワーを、第1のパワー調整部およびコンピュータ5によりLD出射目標パワーに一致させているため、光量調整素子13の透過率をどのように変化させても、LD出射パワーを、LDユニット7の定格パワー以上に上げてしまう危険性を回避することができる。この結果、LDユニット7を含むシステム全体の信頼性を高く維持することができる。
さらに、本実施形態によれば、対物出射パワーに対する第2のパワー調整部とは別個に設けられた第1のパワー調整部を介してLD出射パワーを調整しているため、そのLD出射パワーを、出射可能範囲内において所望のパワーレベル、例えば対応するノイズレベルが上記出射可能範囲に対応するノイズレベル範囲内において最低のレベルになるように調整することも可能である。この結果、LDユニット7から出射されるレーザ光のCNRを高く維持することが可能になる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施形態に係わるデータ記録再生システムについて図面を用いて説明する。なお、第2の実施の形態に係わるデータ記録再生システムのハードウェア構成要素は、第1の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1のハードウェア構成と略同様であるため、同一の符号を付してその説明は省略または簡略化する。
本実施形態に関するデータ記録再生システム1は、ステップS6の処理である記録データ再生処理を実行している間に、第2のメモリ13bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図6に示す処理を実行する。
すなわち、コンピュータ5は、この再生処理において変復調部51から送信されてきたECCブロックの再生データに基づいて、再生特性としてのエラーレートを求め、求めたエラーレートが、対応するECCブロックが再生困難であるか否かを判断する基準となる所定の閾値以上か否か判断する(ステップS10)。
なお、本実施形態における再生特性とは、記録再生データ処理部およびコンピュータ5により得られた再生データを評価する指標となるものである。例えば、本実施形態では、各ECCブロックにおける全ての行に対するエラーバイト数を表すPIエラーの割合(各ECCブロックにおけるエラーバイト数/正常バイト数)を示すエラーレートを再生特性として利用している。
このステップS10の判断の結果NOの場合、すなわち、エラーレートが所定閾値未満の場合には、コンピュータ5は、対応するECCブロックは再生可能な状態であると判断し、次のECCブロックの再生データに対してステップS10の処理を実行する。
一方、ステップS10の判断の結果YES、すなわち、エラーレートが所定の閾値以上である場合には、コンピュータ5は、何らかの原因でエラーレートが所定の閾値以上になり、対応するECCブロックは再生困難になったものと判断してステップS11に進む。
ステップS11において、コンピュータ5は、図5に示すステップS3に基づくLD出射パワー一定制御およびステップS5に基づく対物出射パワー一定制御をそれぞれ実行しながら、LD出射目標値を所定値上昇させる。
この結果、ステップS3に基づくLD出射パワー一定制御により、LD出射パワーは、常に上昇したLD出射目標値に対応する出射目標パワーに一致するようにフィードバック制御される。また、このとき、ステップS5に基づく対物出射パワー一定制御が実行されているため、LD出射目標値の上昇に伴うLD出射パワーの上昇にかかわらず、対物出射パワーは対物出射目標パワーとなるように一定制御される。
次いで、コンピュータ5は、第1のフロントモニタ31から第1の差分器33を介して得られたモニタ信号値に基づいて、LDユニット7から出力されるレーザ光の出射パワー(LD出射パワー)を求め、求めたLD出射パワーがLDユニット7の定格パワーより所定パーセント(例えば10%)のマージンを有する閾値パワーに到達したか否か判断する(ステップS12)。
このステップS12の判断の結果NO、すなわち、LD出射パワーがLDユニット7の閾値パワー未満である場合には、コンピュータ5は、ステップS10に戻り、上昇したLD出射目標値に対応する出射目標パワーに一致するようにフィードバック制御されたLD出射パワーを有するレーザ光を用いた上記再生処理により変復調部51から送信されてきたECCブロックの再生データに基づいて、再度、再生特性としてのエラーレートを求め、求めたエラーレートが所定の閾値以上か否かを再判断する(ステップS10参照)。
このステップS10の判断の結果NOの場合、すなわち、エラーレートが所定閾値未満の場合には、コンピュータ5は、上記LD出射パワーの上昇によりエラーレートが改善して対応するECCブロックは再生可能な状態になったと判断し、次のECCブロックの再生データに対してステップS10の処理を実行する。
一方、S10の判断の結果YESの場合、すなわち、エラーレートが依然として所定閾値以上である場合、コンピュータ5は、ステップS11を介してLD出射目標値を再度所定値上昇させ、ステップS12およびステップS10の処理を繰り返し実行する。
このようにして、ステップS12の判断の結果YES、すなわち、LD出射パワーがLDユニット7の閾値パワーに到達した場合には、これ以上、LD出射目標値を上げてLD出射パワーを上昇させることが困難であると判断し、コンピュータ5は、LD出射目標値を固定してこのLD出射目標値に対応する出射目標パワーを超えたLD出射パワーの上昇を防止しながら、図5に示すステップS3に基づくLD出射パワー一定制御およびステップS5に基づく対物出射パワー一定制御をそれぞれ実行し、再生処理を継続する(ステップS13)。
以上述べたように、本実施形態によれば、何らかの原因により、対象となるECCブロックの再生データに基づくエラーレートが再生困難を表す所定閾値以上になった場合でも、LD出射パワー一定制御および対物出射パワー一定制御をそれぞれ実行しながら、LD出射目標値を所定値ずつ上昇させることにより、LD出射パワーを、そのLD出射目標値の上昇分に対応するパワーずつ上昇させることができる。この結果、例えば対象ECCブロックのエラーレートが所定閾値以上になった原因がLDノイズ増大であった場合、上記LD出射パワーの上昇によりエラーレートを閾値未満に低下させることが可能になり、再生性能を高く維持することができる。また、この場合、対物出射パワー一定制御を実行しているため、LD出射パワーの上昇に伴う対物出射パワー上昇を防止することができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施形態に係わるデータ記録再生システムについて図面を用いて説明する。なお、第3の実施の形態に係わるデータ記録再生システムのハードウェア構成要素は、第1の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1のハードウェア構成と略同様であるため、同一の符号を付してその説明は省略または簡略化する。
本実施形態に関するデータ記録再生システム1は、記録媒体3の記録トラックにおける所定アドレス(再生開始アドレス)に記録された記録データから再生を開始する際に、まず、第2のメモリ13bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図7に示すように、記録トラックにおける任意のエリアに記録された記録データに基づく最適LD出射パワーおよび対物出射パワー設定処理を実行する。
すなわち、コンピュータ5は、第1実施形態と同様に、入力部57から上記再生開始アドレス等に関する情報を含む再生指令が送られてきた場合(ステップS1→YES)、コンピュータ5は、ステップS20の処理として、サーボ回路27を介してスピンドルモータ25を制御することにより、入力部57により設定入力された線速度で記録媒体3を回転させるとともに、LDドライバ9を介してLDユニット7に駆動電流を与えることにより、LDユニット7を駆動(オン)させる。この結果、LDユニット7の駆動により該LDユニット7から出力されたレーザ光は、光量調整素子13、ビームスプリッタ14、立ち上げミラー15、および対物レンズ23を介して記録媒体3の記録トラックに照射される。
このとき、出力レーザ光の一部が第1のフロントモニタ31によりモニタされ、この結果、第1のフロントモニタ31からコンピュータ5に対して、モニタされたパワーレベルに対応するモニタ信号値が送信される
次いで、コンピュータ5は、ステップS20の処理として、その記録トラック走査により得られたウォブル信号から認識されたアドレス情報に基づいて、サーボ回路27を介したアクチュエータ25の制御により対物レンズ23を移動させて、記録媒体3の記録トラック上のレーザ光走査位置を上記任意のエリアに設定する。
このレーザ光走査位置設定処理により、レーザ光が、記録トラックにおける任意のエリアに記録された記録データに照射される。そして、この照射されたレーザ光に応じて記録データから反射された反射光は、対物レンズ23、立ち上げミラー15等を介して受光部29にRF信号として検出される。検出されたRF信号は、変復調部51を介してECCブロック毎の再生データ(ビット列データ)として復号化された後、コンピュータ5に送信される。
ステップS20の処理と例えば並列的に、コンピュータ3は、ステップS21として、LCドライバ47を介して光量調整素子13を駆動(オン)させるとともに、記録媒体3上の照射レーザ光のパワーレベルの対物出射目標値を、例えば予め決定された再生用の所定値に設定し、この設定した対物出射目標値を第2の差分器43に送信する。
このとき、光量調整素子13およびビームスプリッタ14を介して進行し立ち上げミラー15に反射されるレーザ光の内、立ち上げミラー15を透過したレーザ光の一部は、第2のフロントモニタ41によりモニタされ、この結果、第2のフロントモニタ41から第2の差分器43に対して、モニタパワーレベルに対応するモニタ信号値が送信されている。
この結果、第2の差分器43では、モニタ信号値と対物出射目標値との間の差分を表す差2の差分データが求められる。
さらに、ステップS21において、コンピュータ5は、図5のステップS4およびS5の処理と同様に、第2の差分器43により求められた、モニタ信号値と対物出射目標値との間の差分データに基づいて、LCドライバ47を介して光量調整素子13に対する印加電圧を制御することにより、第2のフロントモニタ41により得られるモニタ信号値と対物出射目標値とが一致、言い換えれば、対物出射パワーが対物出射目標パワーに一致するように、光量調整素子13を介して透過する光量を調整する。
この結果、対物出射パワーは、常に対物出射目標パワーに一致するようにフィードバック制御される。
続いて、コンピュータ5は、ステップS21による対物出射パワー一定制御を実行しながら、第1のフロントモニタ31から送られるモニタ信号値に応じて、LDドライバ9を介してLDユニット7に与えられる駆動電流を制御することにより、LD出射パワーを所定範囲内(その上限値は上述した閾値パワー)で例えば複数ステップで変化(例えば上昇)させ、そのLD出射パワー変化(上昇)毎に変復調部51から送信されてくるECCブロックの再生データに基づいて、再生特性としてのエラーレート(第2実施形態参照)を求める。
このとき、上述したように、たとえLD出射パワーが上昇しても、ステップS21により対物出射パワー一定制御が実行されているため、対物出射パワーは、対物出射目標値に対応する対物出射目標パワーに一定制御されており、対物出射パワーの上昇を防止することができる。
そして、コンピュータ5は、所定範囲内における複数ステップのLD出射パワー毎に求められたそれぞれのエラーレート間を結んで近似することにより、所定範囲内のLD出射パワー変化に対するエラーレート変化特性を表すグラフデータを求め、求めたエラーレート変化特性(グラフデータ)を例えば第1のメモリ5aに記憶する(ステップS22)。
図8は、ステップS22の処理により得られたLD出射パワー変化に対するエラーレート変化特性の一例を表す図である。図8に示すように、本実施形態に係るエラーレートは、LD出射パワーが例えば0.3(mW)から1.0(mW)に上昇する間、急激に低下し、LD出射パワーが1.0(mW)に到達した際に、エラーレートにおける閾値である例えば5.0E−04に到達する。なお、5.0E−04(5.0×10−4)とは、各ECCブロックの再生時において、10個の再生バイト数に対してPIエラーバイトが5個含まれることを表している。
つまり、エラーレートが5.0E−04以上である場合、対応するECCブロックは再生困難になったものと判断される。
本実施形態の変形例に係るエラーレートは、LD出射パワーが1.0(mW)から2.5(mW)に上昇する間に極小値をとり、低下から上昇に反転する、言い換えれば、グラフの形状に最初に谷が現れる。そして、このLD出射パワーが2.5(mW)に到達した際に、閾値5.0E−04に再度到達する。
さらに、本実施形態に係るエラーレートは、LD出射パワーが2.5(mW)から3.0(mW)に上昇する間に極大値をとり、上昇から低下に反転する、言い換えれば、グラフの形状に最初に山が現れる。そして、このLD出射パワーが3.0(mW)に到達した際に、閾値5.0E−04に再度到達する。
本実施形態の変形例に係るエラーレートは、LD出射パワーが3.0(mW)から上昇する際に、緩やかに低下していく。
このように、例えば図8に示すような、所定範囲内においてLD出射パワーを最小パワーから最大パワーまで変化(上昇)させながら、そのLD出射パワー変化に対するエラーレート変化特性を求めながら、コンピュータ5は、求めているエラーレート変化特性(グラフデータ)において、極小値(ボトム)が閾値未満となる最初の谷が現れたか否か判断する(ステップS23)。
今、本実施形態では、図8に示すように、LD出射パワーが1.0(mW)から2.5(mW)に変化する間に、エラーレート変化に、そのボトムが閾値未満となる最初の谷が現れるため、ステップS23の判断はYESとなる。
このとき、コンピュータ5は、ステップS24において、そのエラーレート極小値に対応するLD出射パワー値(レベル)Prを求め、求めたLD出射パワー値Prを、LDユニット7から出射されるレーザ光のパワーレベルの目標値(LD出射目標値)として設定し、設定したLD出射目標値を第1の差分器33に送信する。この結果、第1の差分器33では、モニタ信号値とLD出射目標値との間の差分を表す差分データが求められる。
そして、コンピュータ5は、ステップS24において、第1実施形態で述べたように、第1の差分器33により求められた、モニタ信号値とLD出射目標値との間の差分データに基づいて、LDドライバ9を介してLDユニット7に与えられる駆動電流を制御することにより、第1のフロントモニタ31により得られるモニタ信号値とLD出射目標値とが一致、すなわち、LD出射パワーが出射目標パワーに一致するように、そのLD出射パワーを制御する。
一方、例えば、本実施形態において、図7に示すように、LD出射パワーが所定範囲Pr1(mW)〜Pr2(mW)内において変化したと仮定すると、エラーレート変化には谷が現れないため、ステップS23の判断はNOとなる。
このとき、コンピュータ5は、ステップS25の処理に移行し、求めたエラーレート変化に対応するLD出射パワー変化範囲(Pr1〜Pr2)内において、最も値の小さいエラーレートに対応するLD出射パワー値(レベル)であるPr1を求め、求めたLD出射パワー値Pr1を、LD出射目標値として設定し、設定したLD出射目標値を第1の差分器33に送信する。この結果、第1の差分器33では、モニタ信号値とLD出射目標値との間の差分を表す差分データが求められる。
そして、コンピュータ5は、ステップS25において、ステップS24と同様に、第1の差分器33により求められた、モニタ信号値とLD出射目標値との間の差分データに基づいて、LDドライバ9を介してLDユニット7に与えられる駆動電流を制御することにより、第1のフロントモニタ31により得られるモニタ信号値とLD出射目標値とが一致、すなわち、LD出射パワーが出射目標パワーに一致するように、そのLD出射パワーを制御する。
ステップS24およびS25のLD出射パワー一定制御は、第1のフロントモニタ31によるモニタ信号値とLD出射目標値との間の差分データに基づいて自動的に実行されるため、LD出射パワーは、常に出射目標パワーに一致するようにフィードバック制御される。
このようにして、LDユニット5から出射されたレーザ光の出射パワーおよび記録媒体3に対する対物出射パワーがそれぞれ対応する目標値(目標パワー)に制御されている状態(ステップS21およびステップS24/S25参照)において、コンピュータ5は、その記録トラック走査により得られたウォブル信号から認識されたアドレス情報に基づいて、サーボ回路27を介したアクチュエータ25の制御により対物レンズ23を移動させることにより、記録媒体3の記録トラック上のレーザ光走査位置を再生開始アドレスに一致させて再生処理を実行する(ステップS6)。
この結果、出射パワーおよび対物出射パワーがそれぞれ制御されたレーザ光が記録トラックにおける再生開始アドレスに対応する記録信号に照射される。そして、この照射されたレーザ光に応じて記録信号から反射された反射光は、対物レンズ23、立ち上げミラー15等を介して受光部29にRF信号として検出される。検出されたRF信号は、変復調部51を介してECCブロック毎の再生データ(ビット列データ)として復号化された後、コンピュータ5によりエラー訂正処理が施された後、バッファ53およびインタフェース55を介して情報出力機器等により再生される。
以上述べたように、本実施形態によれば、記録媒体3の記録トラックにおける所定アドレス(再生開始アドレス)に記録された記録データから再生を開始する前に、LD出射パワーを変化(上昇)させることにより再生特性としてのエラーレート変化を求め、このエラーレート変化グラフから、上記LD出射パワー変化範囲の中で、閾値未満であり、かつ最も値の小さいエラーレートに対応するLD出射パワーを選択して、LD出射目標値に設定することができる。
この結果、記録データ再生開始前に、LD出射パワーを、予め対応するエラーレートが閾値未満であり、かつ設定LD出射パワー変化範囲の中で最も小さい値となるLD出射目標値に対応するLD出射目標パワーに一致させることが可能になり、この後実行される再生処理における再生性能を高く維持することができる。
特に、本実施形態においては、所定範囲内においてLD出射パワーを最小パワーから最大パワーまで変化(上昇)させてそのLD出射パワー変化に対応するエラーレート変化特性を求める際に、最初に現れた、極小値が閾値未満となる谷におけるその極小値に対応するLD出射パワー値(レベル)PrをLDユニット7から出射されるレーザ光のパワーレベルの目標値(LD出射目標値)として設定している。
すなわち、所定範囲内におけるLD出射パワーの最小パワーから最大パワーまでの上昇に対応するエラーレート変化特性において最初に現れる谷に対応するLD出射パワー値Prは、LD出射パワー変化範囲に比して値が小さく、かつ対応するエラーレートも閾値未満である。このため、エラーレートが閾値未満となるようにLDノイズを抑えながら、LD出射パワーを低く維持することができる。
したがって、記録媒体3における記録層劣化を防止しながら、その再生特性を高く維持することが可能になる。また、LD出射パワーを低く維持できることから、LDユニット7に与える駆動電流も小さくすることができ、省電力化および温度上昇抑制にも寄与することができる。
さらに、上記エラーレート変化を求める際、対物出射パワー一定制御を実行しているため、LD出射パワーの変化(上昇)に伴う対物出射パワー上昇を防止することができる。
なお、本実施形態においては、再生特性としてエラーレートを用いたが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、再生特性として、再生データとこの再生データから抽出されたクロックとの間の変化の割合を表すジッタを用いることもできる。
図9は、再生特性としてジッタを採用した場合におけるステップS22の処理により得られたLD出射パワー変化に対するジッタ変化特性の一例を表す図である。図9に示すジッタ変化は、図8に示すエラーレート変化特性と非常に類似した特性を有している。
すなわち、図9に示すように、本実施形態の変形例に係るジッタは、LD出射パワーが例えば0.3(mW)から1.0(mW)に上昇する間、急激に低下し、LD出射パワーが1.0(mW)に到達した際に、ジッタにおける閾値である例えば9.5(%)に到達する。つまり、ジッタが9.5(%)以上である場合、対応するECCブロックは再生困難になったものと判断される。
本実施形態に係るジッタは、LD出射パワーが1.0(mW)から2.5(mW)に上昇する間に極小値をとり、低下から上昇に反転する、言い換えれば、グラフの形状に最初に谷が現れる。そして、このLD出射パワーが2.5(mW)に到達した際に、閾値9.5(%)に再度到達する。
さらに、本実施形態に係るジッタは、LD出射パワーが2.5(mW)から3.0(mW)に上昇する間に極大値をとり、上昇から低下に反転する、言い換えれば、グラフの形状に最初に山が現れる。そして、このLD出射パワーが3.0(mW)に到達した際に、閾値9.5(%)に再度到達する。
本実施形態に係るジッタは、LD出射パワーが3.0(mW)から上昇する際に、緩やかに低下していく。
したがって、本変形例においても、LD出射パワーを変化(上昇)させることにより、エラーレート変化の代わりにジッタ変化を求め、このジッタ変化グラフから、その再生困難性を表す閾値レベル未満の谷部分のジッタ極小値(谷部分が無い場合、LD出射パワー変化範囲の中で最も小さい値)に対応するLD出射パワーを選択して、LD出射目標値に設定することができる。この結果、第3の実施形態と略同様の効果を得ることができる。
特に、本変形例においても、所定範囲内においてLD出射パワーを最小パワーから最大パワーまで変化(上昇)させてそのLD出射パワー変化に対応するジッタ変化特性を求める際に、最初に現れた、極小値が閾値未満となる谷におけるその極小値に対応するLD出射パワー値(レベル)PrをLDユニット7から出射されるレーザ光のパワーレベルの目標値(LD出射目標値)として設定している。
すなわち、所定範囲内におけるLD出射パワーの最小パワーから最大パワーまでの上昇に対応するジッタ変化特性において最初に現れる谷に対応するLD出射パワー値Prは、LD出射パワー変化範囲に比して値が小さく、かつ対応するジッタも閾値未満である。このため、ジッタが閾値未満となるようにLDノイズを抑えながら、LD出射パワーを低く維持することができる。
したがって、記録媒体3における記録層劣化を防止しながら、その再生特性を高く維持することが可能になる。
(第4の実施の形態)
図10は、本発明の第4の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1Aの概略構成を示すブロック図である。なお、第4の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1Aのハードウェア構成要素において、第1の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1のハードウェア構成と略同等であるものについては、同一の符号を付してその説明は省略または簡略化する。
本実施形態に係るデータ記録再生システム1AのLDユニット7Aは、多種類の記録媒体に対応する多波長レーザ光源として構成されている。
例えば、本実施形態においては、LDユニット7Aは、DVD、Blu−ray DISC、HD DVD等の異なる種類の記録媒体3に対応する複数の波長(例えば、DVDでは650nm、Blu−ray DISC、HD DVDでは、405nm)のレーザ光の内、所定波長のレーザ光を選択して出射可能に構成されている。
本実施形態に係るデータ記録再生システム1Aは、ビームスプリッタ62を有している。
このビームスプリッタ62は、LDユニット7Aから出力され光量調整素子13を介して送られてきたレーザ光の内、所定の割合のレーザ光を第1のレーザ光としてビームスプリッタ14に送り、残りの割合のレーザ光を第2のレーザ光として分岐させる機能を有している。
さらに、データ記録再生システム1Aにおける対物レンズ23は、この対物レンズ23を介して第1の記録媒体3Aに照射されるレーザ光に必要な開口数(NA)を有している。
例えば、記録媒体3には、第1の記録媒体3Aとして、必要なNAが0.7以上の記録媒体、例えばBlu−ray DISCが含まれる。
すなわち、第1の記録媒体3AがBlu−ray DISCの場合、必要なNAは0.85であり、このNA=0.85に対応する対物レンズ23が用いられる。また、更なるディスク上の極小ビームスポット径を実現できる例えばNA≧1.0の対物レンズも使用可能である。
データ記録再生システム1Aにおけるビームスプリッタ62、ビームスプリッタ14、立ち上げミラー15、対物レンズ23、アクチュエータ25、および受光部29は、第1のレーザ光に対する第1のピックアップ機能として、その第1のレーザ光を第1の記録媒体3Aに対して照射し、この記録媒体3から反射されてきた反射光を受光して、記録媒体3に対応する第1のRF信号として変復調部51へ送る機能を有している。
また、第2のフロントモニタ41は、ビームスプリッタ14を介して進行して立ち上げミラー15により反射されて対物レンズ23に入射される第1のレーザ光の一部を常時モニタし、このモニタ結果をレーザ光に対応する第1のモニタ信号として出力する機能を有している。
本実施形態における光量調整素子13は、LDユニット7Aとビームスプリッタ62との間に配置されており、LCドライバ47からの印加電圧変化により透過率を変化させることにより、LDユニット7Aから出力されたレーザ光の光量を調整する機能を有している。
そして、本実施形態に係るデータ記録再生システム1Aは、ビームスプリッタ62により分岐された第2のレーザ光をピックアップするための構成要素として、ビームスプリッタ63、立ち上げミラー64、対物レンズ65、アクチュエータ67、および受光部69を有している。
ビームスプリッタ63は、ビームスプリッタ62により分岐された第2のレーザ光の光路上に配置されており、この第2のレーザ光を透過させ、かつ立ち上げミラー64を介して送られてくる光を反射させる機能を有している。
立ち上げミラー64は、ビームスプリッタ63を透過してきた第2のレーザ光の光路上に配置されており、この第2のレーザ光を記録媒体3に向かう方向に反射させる機能を有している。
対物レンズ65は、この対物レンズ65を介して第2の記録媒体3Bに照射されるレーザ光に必要な開口数(NA)を有している。
例えば、記録媒体3は、第2の記録媒体3Bとして、必要なNAが0.7を下回る記録媒体、例えばCD、DVD、HD DVDを含んでいる。
すなわち、第2の記録媒体3BがCDの場合、必要なNAは0.45であり、このNA=0.45に対応する対物レンズ23が用いられる。同様に、第1の記録媒体3AがDVDの場合、必要なNAは0.6であり、このNA=0.6に対応する対物レンズ23が用いられる。同様に、第2の記録媒体3BがHD DVDの場合、必要なNAは0.65であり、このNA=0.65に対応する対物レンズ23が用いられる。
この対物レンズ65は、立ち上げミラー64および第2の記録媒体3Bの保護層表面間に介在されている。この対物レンズ65は、立ち上げミラー64により反射されたレーザ光を、第2の記録媒体3Bの記録トラックに対して上記NAに基づいて集束させてスポット光として照射する機能を有している。
すなわち、本実施形態によれば、NAが0.7以上の第1の記録媒体3Aに対するレーザ光の光路(LDユニット7A→光量調整素子13→ビームスプリッタ62→ビームスプリッタ14→立ち上げミラー15→対物レンズ23)と、NAが0.7未満の第2の記録媒体3Bに対するレーザ光の光路(LDユニット7A→光量調整素子13→ビームスプリッタ62→ビームスプリッタ63→立ち上げミラー64→対物レンズ65)とは、互いに異なるように構成されている。
アクチュエータ67は、対物レンズ65を、少なくとも記録媒体3の径方向および記録媒体3に対して離近する方向に沿って移動可能に構成されている。
また、アクチュエータ67は、サーボ回路27からの制御に基づいて対物レンズ65を移動させることにより、光スポットのフォーカス位置およびトラッキング位置の調整をそれぞれ行うように構成されている。
また、対物レンズ65は、再生時においては、第2の記録媒体3Bの記録トラックに記録された記録信号から反射されてきた反射光を受光し、所定のビーム径の平行光として出力する機能を有しており、立ち上げミラー64は、対物レンズ65を介して送られてきた反射光を透過させる機能を有している。
受光部69は、立ち上げミラー64により反射され、さらにビームスプリッタ63により反射された反射光の光路上に配置されており、この反射光を受光して、第2の記録媒体3Bに対応する第2のRF信号に変換する機能を有している。
さらに、本実施形態に係るデータ再生記録システム1Aは、第3のフロントモニタ71およびスイッチ部73を有している。
第3のフロントモニタ71は、ビームスプリッタ62により分岐され、ビームスプリッタ63および立ち上げミラー64に入射される第2のレーザ光の内、その立ち上げミラー63を透過する第2のレーザ光の一部を常時モニタし、このモニタ結果を第2のレーザ光に対応する第2のモニタ信号として出力する機能を有している。
スイッチ部73は、コンピュータ5、第2のフロントモニタ41の出力端、第3のフロントモニタ71の出力端、および第2の差分器43の入力端に電気的に接続されている。このスイッチ部73は、コンピュータ5から送られる切替指令(スイッチ指令)に基づいて、第2のフロントモニタ41の出力端および第3のフロントモニタ71の出力端の内の何れか一方を切り替え可能に第2の差分器43の入力端に接続する機能を有している。
そして、データ記録再生システム1Aは、バックモニタ81を有している。
このバックモニタ81は、第1の差分器33に電気的に接続されており、LDユニット7Aにおけるレーザ光出力端の反対側の面から出射されるレーザ光(バック側レーザ光:通常の出力端から出射されるレーザ光とパワーが同一のレーザ光)の光路上に配置されている。バックモニタ81は、バック側レーザ光のパワー(強度)を常時モニタし、このモニタ結果をモニタ信号(例えば、モニタパワー対応する電流を表すデジタルデータ)として第1の差分器33に出力する機能を有している。
次に、第4の実施形態に関するデータ記録再生システム1Aの具体的動作として、最初に、第1の記録媒体3Aを再生対象として選択した場合におけるコンピュータ5の制御処理について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態において、第1の記録媒体3Aの記録トラックにおける再生開始アドレスに記録された記録データから再生を開始する場合、第1の記録媒体3Aは再生対象の媒体としてシステム1A内に予めローディングされている。このとき、コンピュータ5は、第2のメモリ5bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図11に示す処理を実行する。
最初に、図5のステップS1に示したように、コンピュータ5は、入力部57から動作指令が送られてきたか否か判断する。
このステップS1の判断の結果、何ら動作指令が送られてこない場合(ステップS1→NO)、コンピュータ5は、周期的にステップS1の判断処理を繰り返す。
一方、ステップS1の判断の結果、動作指令として、上記第1の記録媒体3Aを再生対象として選択したことを表す情報(第1の記録媒体識別情報)およびその再生開始アドレス等に関する情報を含む第1の記録媒体再生指令が送られてきた場合(ステップS1→YES)、コンピュータ5は、スイッチ部73に対し、第2のフロントモニタ41を選択するスイッチ指令を送信する(ステップS30)。
このとき、スイッチ部73は、送信されてきたスイッチ指令に応じて、第2のフロントモニタ41の出力端を第2の差分器43の入力端に接続させる。
この結果、第2の差分器43には、第2のフロントモニタ41から出力される第1のレーザ光に対応する第1のモニタ信号が選択されて入力可能になる。
以下、コンピュータ5により、図5に示すステップS2〜S6が実行される。すなわち、バックモニタ81から出力されたデジタルデータとコンピュータ5から送られたLD出射目標値との差分値を求めることにより、第1実施形態と同様に、LDユニット7Aから第1の記録媒体3A用として出射されるレーザ光の出射パワー(LD出射パワー)を所望のLD出射目標パワーに一致させることができる。
すなわち、本実施形態においては、図5に示すステップS2〜S6の説明のうち、レーザ光を“第1のレーザ光”、および記録媒体3を“第1の記録媒体3A”等と読み替えることにより、第1実施形態と同様に、対物出射パワーを対物出射目標パワーに一致させながら、LDユニット7から出射される第1のレーザ光の出射パワー(LD出射パワー)を、所望の目標値(LD出射目標パワー)に一致させることができる。
また、コンピュータ5は、上記図5に示すステップS2〜S6の代わりに、第3実施形態で説明したように、S1、S20〜S25、およびS6の処理(図7参照)を実行することも可能である。この結果、第3実施形態と同様に、記録データ再生開始前に、LDユニット7Aから出射されるレーザ光に基づくLD出射パワーを、予め対応するエラーレートが閾値未満であり、かつ設定LD出射パワー変化範囲の中で最も小さい値となるLD出射目標値に対応するLD出射目標パワーに一致させることが可能になり、この後実行される再生処理における再生性能を高く維持することができる
さらに、第2実施形態で説明したように、本実施形態においても、ステップS6の処理である記録データ再生処理を実行している間に、第2のメモリ13bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図6に示す処理を実行することが可能である。この結果、何らかの原因により、対象となるECCブロックの再生データに基づくエラーレートが再生困難を表す所定閾値以上になった場合でも、LD出射パワー一定制御および対物出射パワー一定制御をそれぞれ実行しながら、LD出射目標値を所定値ずつ上昇させることにより、LDユニット7Aから出射されるレーザ光に基づくLD出射パワーを、そのLD出射目標値の上昇分に対応するパワーずつ上昇させることができる。
一方、第2の記録媒体3Bの記録トラックにおける再生開始アドレスに記録された記録データから再生を開始する場合、第2の記録媒体3Bは再生対象の媒体としてシステム1A内に予めローディングされている。このとき、コンピュータ5は、第2のメモリ5bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図12に示す処理を実行する。
最初に、図5のステップS1に示したように、コンピュータ5は、入力部57から動作指令が送られてきたか否か判断する。
このステップS1の判断の結果、何ら動作指令が送られてこない場合(ステップS1→NO)、コンピュータ5は、周期的にステップS1の判断処理を繰り返す。
一方、ステップS1の判断の結果、動作指令として、上記第2の記録媒体3Bを再生対象として選択したことを表す情報(第2の記録媒体識別情報)およびその再生開始アドレス等に関する情報を含む第2の記録媒体再生指令が送られてきた場合(ステップS1→YES)、コンピュータ5は、スイッチ部73に対し、第3のフロントモニタ71を選択するスイッチ指令を送信する(ステップS40)。
このとき、スイッチ部73は、送信されてきたスイッチ指令に応じて、第3のフロントモニタ71の出力端を第2の差分器43の入力端に接続させる。
この結果、第2の差分器43には、第3のフロントモニタ71から出力される第2のレーザ光に対応する第2のモニタ信号が選択されて入力可能になる。
以下、コンピュータ5により、図5に示すステップS2〜S6が実行される。すなわち、バックモニタ81から出力されたデジタルデータとコンピュータ5から送られたLD出射目標値との差分値を求めることにより、第1実施形態と同様に、LDユニット7Aから第2の記録媒体3B用として出射されるレーザ光の出射パワー(LD出射パワー)を所望のLD出射目標パワーに一致させることができる。
すなわち、本実施形態においては、図5に示すステップS2〜S6の説明のうち、レーザ光を“第2のレーザ光”、記録媒体3を“第2の記録媒体3B”、対物レンズ23を“対物レンズ65”、立ち上げミラー14を“立ち上げミラー64”、および受光部29を“受光部69”等と読み替えることにより、第1実施形態と同様に、対物出射パワーを対物出射目標パワーに一致させながら、LDユニット7から出射されるレーザ光の出射パワー(LD出射パワー)を、所望の目標値(LD出射目標パワー)に一致させることができる。
また、コンピュータ5は、上記図5に示すステップS2〜S6の代わりに、第3実施形態で説明したように、S1、S20〜S25、およびS6(図7参照)の処理を実行することも可能である。この結果、第3実施形態と同様に、記録データ再生開始前に、LDユニット7Aから出射されるレーザ光に基づくLD出射パワーを、予め対応するエラーレートが閾値未満であり、かつ設定LD出射パワー変化範囲の中で最も小さい値となるLD出射目標値に対応するLD出射目標パワーに一致させることが可能になり、この後実行される再生処理における再生性能を高く維持することができる
さらに、第2実施形態で説明したように、本実施形態においても、ステップS6の処理である記録データ再生処理を実行している間に、第2のメモリ13bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図6に示す処理を実行することが可能である。この結果、何らかの原因により、対象となるECCブロックの再生データに基づくエラーレートが再生困難を表す所定閾値以上になった場合でも、LD出射パワー一定制御および対物出射パワー一定制御をそれぞれ実行しながら、LD出射目標値を所定値ずつ上昇させることにより、LDユニット7Aから出射されるレーザ光に基づくLD出射パワーを、そのLD出射目標値の上昇分に対応するパワーずつ上昇させることができる。
なお、第4の実施形態では、LDユニット7Aから出力されるレーザ光のパワー(LD出射パワー)をモニタする素子としてバックモニタ81を用いたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、図13に示すデータ記録再生システム1Bは、バックモニタ81の代わりにフロントモニタ82を有している。
このフロントモニタ82は、第1の差分器33に電気的に接続されており、LDユニット7Aから出射されるレーザ光のパワー(強度)を常時モニタし、このモニタ結果をモニタ信号(例えば、モニタパワー対応する電流を表すデジタルデータ)として第1の差分器33に出力する機能を有している。
このように構成しても、LDユニット7AからのLD出射パワーをモニタすることがででき、そのモニタ結果に基づいて、LDユニット7から出射されるLD出射パワーを所望のLD出射目標パワーに一致させることができる。
(第5の実施の形態)
図14は、本発明の第5の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1Cの概略構成を示すブロック図である。なお、第5の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1Cのハードウェア構成要素において、第1の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1のハードウェア構成と略同等であるものについては、同一の符号を付してその説明は省略または簡略化する。
本実施形態に係るデータ記録再生システム1Cは、第1実施形態で示した光量調整素子13およびLCドライバ47の代わりに、分光素子90および分光ドライバ91を備えている。
分光素子90は、LDユニット7から出力されたレーザ光の光量を調整するための素子であり、そのレーザ光の内、所定の割合の光量分を、分光させることなくビームスプリッタ14に入射させ、残りの割合の光量分を、ビームスプリッタ14に入射させない方向(例えば、2点鎖線の矢印参照)へ分光する機能を有している。そして、分光素子90は、分光ドライバ91からの印加電圧変化により、上記ビームスプリッタ14に入射させない割合(%)、すなわち、分光率を変化させる機能を有している。
例えば、図15に示すように、偏光素子90Aと、偏光ビームスプリッタ90Bとを有している。
図15に示すように、コンピュータ5から分光ドライバ91を介して印加される電圧により偏光素子90Aの光学軸方向(偏光方向)を入射レーザ光の偏光方向から所定角度変化させることにより、入射レーザ光における所定割合の光量分と残りの割合の光量分とを偏光ビームスプリッタ90Bにより分けることができる。
すなわち、本実施形態では、コンピュータ5の制御の下で、第2のイコライザ回路45から送られた差分データに基づいて、分光ドライバ91を介して分光素子90に印加する電圧を制御することにより、分光素子90の分光率を制御するように構成されている。
次に、第5の実施形態に関するデータ記録再生システム1Cの具体的動作として、記録媒体3の記録トラックに記録された記録データを再生する場合におけるコンピュータ5の第1および第2のパワー調整部に対する制御処理を中心に説明する。
本実施形態に関するデータ記録再生システム1Cにおいては、記録媒体3の記録トラックにおける再生開始アドレスに記録された記録データから再生を開始する際に、コンピュータ5は、第2のメモリ5bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図16に示す処理を実行する。
なお、図16に示す処理において、ステップS1〜S3については、図5に示す処理と略同等であるため、その説明は省略する。
ステップS2およびS3の処理と例えば並列的に、コンピュータ5は、ステップS50として、分光ドライバ91を介して分光ドライバ90をオンさせるとともに、記録媒体3上の照射レーザ光の対物出射目標値を、例えば所定レベルに設定し、この設定した対物出射目標値を第2の差分器43に送信する。
このとき、分光素子90およびビームスプリッタ14を介して進行し、立ち上げミラー15により反射されるレーザ光の内、立ち上げミラー15を透過したレーザ光の一部は、第2のフロントモニタ41によりモニタされ、この結果、第2のフロントモニタ41から第2の差分器43に対して、モニタパワーレベルに対応するモニタ信号値が送信されている。
この結果、第2の差分器43では、モニタ信号値と対物出射目標値との間の差分を表す差2の差分データが求められる。
ステップS51において、コンピュータ5は、第2の差分器43により求められた、モニタ信号値と対物出射目標値との間の差分データに基づいて、分光ドライバ91を介して分光ドライバ90に対する印加電圧を制御することにより、第2のフロントモニタ41により得られるモニタ信号値と対物出射目標値とが一致、言い換えれば、対物レンズ23を介して記録媒体3の記録トラックに照射されるレーザ光の対物出射パワーが対物出射目標パワーに一致するように、分光素子90を介してビームスプリッタ14に入射する光量を調整する。
例えば、差分データが「対物出射目標値>モニタ信号値」を表していれば、コンピュータ5は、分光ドライバ91を介して分光素子90に対する印加電圧を制御して、その分光率を低下させる。一方、差分データが「対物出射目標値<モニタ信号値」を表していれば、コンピュータ5は、分光ドライバ91を介して分光素子90に対する印加電圧を制御して、その分光率を増大させる。
このステップS5の制御は、第2のフロントモニタ41によるモニタ信号値と対物出射目標値との間の差分データに基づいて自動的に実行されるため、記録媒体3上に照射されるレーザ光のパワー(対物出射パワー)は、常に対物出射目標パワーに一致するようにフィードバック制御される。
以下、図5に示すステップS6の処理がコンピュータ5により実行され、この結果、出射パワーおよび対物出射パワーがそれぞれ制御されたレーザ光が記録トラックにおける再生開始アドレスに対応する記録信号に照射され、この照射されたレーザ光に応じて記録信号から反射された反射光は、対物レンズ23、立ち上げミラー15、およびビームスプリッタ14を介して受光部29にRF信号として検出される。検出されたRF信号は、変復調部51を介してECCブロック毎の再生データとして復号化された後、コンピュータ5によりエラー訂正処理が施された後、バッファ53およびインタフェース55を介して情報出力機器等により再生される。
以上述べたように、本実施形態によれば、第2のパワー調整部およびコンピュータを用いて分光素子90の分光率を制御することにより対物出射パワーを所望の対物出射目標パワーに一致させる制御とは別個に、LDユニット7から出射されるレーザ光のLD出射パワーを、第1のパワー調整部(第1のフロントモニタ31、第1の差分器33、および第1のイコライザ回路35)およびコンピュータ5により、所望のLD出射目標パワーに一致させる制御を実行している。
すなわち、本実施形態では、たとえ分光率90の分光率が温度変動、入射レーザ光の波長変化、および/または電源電圧変動等に起因して変化したとしても、この分光率変動に影響してLD出射パワーが変動する危険性を回避することができ、LD出射パワーを、例えばノイズレベルが閾値レベル以下の所定の目標パワーに一致させることができる。
この結果、温度変動や入射レーザ光の波長変化等に起因した分光素子90の分光率変動にかかわらず、LD出射パワーを閾値レベル以下、すなわち、再生に必要なレベル以下に維持することができ、その再生性能を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、分光素子90の分光率変化に基づく対物出射パワー制御とは別個に、LD出射パワーを、第1のパワー調整部およびコンピュータ5によりLD出射目標パワーに一致させているため、分光素子90の分光率をどのように変化させても、LD出射パワーを、LDユニット7の定格パワー以上に上げてしまう危険性を回避することができる。この結果、LDユニット7を含むシステム全体の信頼性を高く維持することができる。
さらに、本実施形態によれば、対物出射パワーに対する第2のパワー調整部とは別個に設けられた第1のパワー調整部を介してLD出射パワーを調整しているため、そのLD出射パワーを、出射可能範囲内において所望のパワーレベル、例えば対応するノイズレベルが上記出射可能範囲に対応するノイズレベル範囲内において最低のレベルになるように調整することも可能である。この結果、LDユニット7から出射されるレーザ光のCNRを高く維持することが可能になる。
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施形態に係わるデータ記録再生システムについて図面を用いて説明する。なお、第6の実施の形態に係わるデータ記録再生システムのハードウェア構成要素は、第5の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1Cのハードウェア構成と略同様であるため、同一の符号を付してその説明は省略または簡略化する。
本実施形態に関するデータ記録再生システム1Cは、ステップS6の処理である記録データ再生処理を実行している間に、第2のメモリ13bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図17に示す処理を実行する。
すなわち、コンピュータ5は、この再生処理において変復調部51から送信されてきたECCブロックの再生データに基づいて、再生特性としてのエラーレートを求め、求めたエラーレート(例えば、ECCブロックにおける全ての行に対するバイトエラー数を表すPIエラーの割合)が、対応するECCブロックが再生困難であるか否かを判断する基準となる所定の閾値以上か否か判断する(図17;ステップS10)。
このステップS10の判断の結果NOの場合、すなわち、エラーレートが所定閾値未満の場合には、コンピュータ5は、対応するECCブロックは再生可能な状態であると判断し、次のECCブロックの再生データに対してステップS10の処理を実行する。
一方、ステップS10の判断の結果YES、すなわち、エラーレートが所定の閾値以上である場合には、コンピュータ5は、何らかの原因でエラーレートが所定の閾値以上になり、対応するECCブロックは再生困難になったものと判断してステップS60に進む。
ステップS60において、コンピュータ5は、図16に示すステップS3に基づくLD出射パワー一定制御およびステップS51に基づく対物出射パワー一定制御をそれぞれ実行しながら、LD出射目標値を所定値上昇させる。
この結果、ステップS3に基づくLD出射パワー一定制御により、LD出射パワーは、常に上昇したLD出射目標値に対応する出射目標パワーに一致するようにフィードバック制御される。また、このとき、ステップS51に基づく対物出射パワー一定制御が実行されているため、LD出射目標値の上昇に伴うLD出射パワーの上昇にかかわらず、対物出射パワーは対物出射目標パワーとなるように一定制御される。
次いで、コンピュータ5は、第1のフロントモニタ31から第1の差分器33を介して得られたモニタ信号値に基づいて、LDユニット7から出力されるレーザ光のLD出射パワーを求め、求めたLD出射パワーがLDユニット7の定格パワーより所定パーセント(例えば10%)のマージンを有する閾値パワーに到達したか否か判断する(ステップS12)。
このステップS12の判断の結果NO、すなわち、LD出射パワーがLDユニット7の閾値パワー未満である場合には、コンピュータ5は、ステップS10に戻り、上昇したLD出射目標値に対応する出射目標パワーに一致するようにフィードバック制御されたLD出射パワーを有するレーザ光を用いた上記再生処理により変復調部51から送信されてきたECCブロックの再生データに基づいて、再度、再生特性としてのエラーレートを求め、求めたエラーレートが所定の閾値以上か否かを再判断する(ステップS10参照)。
このステップS10の判断の結果NOの場合、すなわち、エラーレートが所定閾値未満の場合には、コンピュータ5は、上記LD出射パワーの上昇によりエラーレートが改善して対応するECCブロックは再生可能な状態になったと判断し、次のECCブロックの再生データに対してステップS10の処理を実行する。
一方、S10の判断の結果YESの場合、すなわち、エラーレートが依然として所定閾値以上である場合、コンピュータ5は、ステップS60を介してLD出射目標値を再度所定値上昇させ、ステップS12およびステップS10の処理を繰り返し実行する。
このようにして、ステップS12の判断の結果YES、すなわち、LD出射パワーがLDユニット7の閾値パワーに到達した場合には、これ以上、LD出射目標値を上げてLD出射パワーを上昇させることが困難であると判断し、コンピュータ5は、LD出射目標値を固定してこのLD出射目標値に対応する出射目標パワーを超えたLD出射パワーの上昇を防止しながら、図16に示すステップS3に基づくLD出射パワー一定制御およびステップS51に基づく対物出射パワー一定制御をそれぞれ実行し、再生処理を継続する(ステップS61)。
以上述べたように、本実施形態によれば、何らかの原因により、対象となるECCブロックの再生データに基づくエラーレートが再生困難を表す所定閾値以上になった場合でも、LD出射パワー一定制御および対物出射パワー一定制御をそれぞれ実行しながら、LD出射目標値を所定値ずつ上昇させることにより、LD出射パワーを、そのLD出射目標値の上昇分に対応するパワーずつ上昇させることができる。この結果、例えば対象ECCブロックのエラーレートが所定閾値以上になった原因がLDノイズ増大であった場合、上記LD出射パワーの上昇によりエラーレートを閾値未満に低下させることが可能になり、再生性能を高く維持することができる。また、この場合、対物出射パワー一定制御を実行しているため、LD出射パワーの上昇に伴う対物出射パワー上昇を防止することができる。
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施形態に係わるデータ記録再生システムについて図面を用いて説明する。なお、第7の実施の形態に係わるデータ記録再生システムのハードウェア構成要素は、第5の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1Aのハードウェア構成と略同様であるため、同一の符号を付してその説明は省略または簡略化する。
本実施形態に関するデータ記録再生システム1は、記録媒体3の記録トラックにおける再生開始アドレスに記録された記録データから再生を開始する際に、まず、第2のメモリ13bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図18に示すように、記録トラックにおける任意のエリアに記録された記録データに基づく最適LD出射パワーおよび対物出射パワー設定処理を実行する。
なお、図18に示す処理において、ステップS1およびステップS20については、図7に示す処理と略同等であるため、その説明は省略する。
ステップS20の処理と例えば並列的に、コンピュータ3は、ステップS70として、分光ドライバ91を介して分光素子90をオンさせるとともに、記録媒体3上の照射レーザ光のパワーレベルの対物出射目標値を、例えば予め決定された再生用の所定値に設定し、この設定した対物出射目標値を第2の差分器43に送信する。
このとき、分光素子90を介して進行し、ビームスプリッタ14を透過して立ち上げミラー15に反射されるレーザ光の内、立ち上げミラー15を透過したレーザ光の一部は、第2のフロントモニタ41によりモニタされ、この結果、第2のフロントモニタ41から第2の差分器43に対して、モニタパワーレベルに対応するモニタ信号値が送信されている。
この結果、第2の差分器43では、モニタ信号値と対物出射目標値との間の差分を表す差2の差分データが求められる。
さらに、ステップS70において、コンピュータ5は、図16のステップS50およびS51の処理と同様に、第2の差分器43により求められた、モニタ信号値と対物出射目標値との間の差分データに基づいて、分光ドライバ91を介して分光素子90に対する印加電圧を制御することにより、第2のフロントモニタ41により得られるモニタ信号値と対物出射目標値とが一致、言い換えれば、対物出射パワーが対物出射目標パワーに一致するように、分光素子90を介してビームスプリッタ14に入射する光量を調整する。
この結果、対物出射パワーは、常に対物出射目標パワーに一致するようにフィードバック制御される。
続いて、コンピュータ5は、ステップS70による対物出射パワー一定制御を実行しながら、第1のフロントモニタ31から送られるモニタ信号値に応じて、LDドライバ9を介してLDユニット7に与えられる駆動電流を制御することにより、LD出射パワーを所定範囲内(その上限値は上述した閾値パワー)で例えば複数ステップで変化(例えば上昇)させ、そのLD出射パワー変化(上昇)毎に変復調部51から送信されてくるECCブロックの再生データに基づいて再生特性としてのジッタを求める。
このとき、上述したように、たとえLD出射パワーが上昇しても、ステップS70により対物出射パワー一定制御が実行されているため、対物出射パワーは、対物出射目標値に対応する対物出射目標パワーに一定制御されており、対物出射パワーの上昇を防止することができる。
以下、ステップS22〜S26およびステップS6の処理については、第3実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態においても、例えば図8と略同等のLD出射パワー変化に対するエラーレート変化特性を求めることが可能であり、このエラーレート変化特性を表すグラフから、LD出射パワー変化範囲の中で、閾値未満であり、かつ最も値の小さいエラーレートに対応するLD出射パワーを選択して、LD出射目標値に設定することができる。
この結果、記録データ再生開始前に、LD出射パワーを、予め対応するエラーレートが閾値未満であり、かつ設定LD出射パワー変化範囲の中で最も小さい値となるLD出射目標値に対応するLD出射目標パワーに一致させることが可能になり、この後実行される再生処理における再生性能を高く維持することができる。また、上記エラーレート変化を求める際、対物出射パワー一定制御を実行しているため、LD出射パワーの変化(上昇)に伴う対物出射パワー上昇を防止することができる。
なお、本実施形態においては、再生特性としてエラーレートを用いたが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、第3実施形態と同様に、再生特性としてジッタを用いることもできる(図9参照)。
すなわち、本変形例においても、LD出射パワーを変化(上昇)させることにより、エラーレート変化の代わりにジッタ変化を求め、このエラーレート変化グラフ(図9参照)から、その再生困難性を表す閾値レベル未満の谷部分のジッタ極小(谷部分が無い場合、LD出射パワー変化範囲の中で最も小さい値)に対応するLD出射パワーを選択して、LD出射目標値に設定することができる。この結果、第7の実施形態と略同様の効果を得ることができる。
(第8の実施の形態)
図19は、本発明の第8の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1Dの概略構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るデータ記録再生システム1Dは、第4の実施形態に係るデータ記録再生システム1A(図10参照)において、光量調整素子13を分光素子90に、LCドライバ47を分光ドライバ91にそれぞれ置換した構成を有している。
特に、本実施形態に係るデータ記録再生システム1Dにおいて、分光素子90の偏光ビームスプリッタ90B(図15参照)により分光されたレーザ光は、第2のレーザ光として、ビームスプリッタ63、立ち上げミラー64、および対物レンズ65等を介して第2の記録媒体3Bに照射されるようになっている。
そして、本実施形態に係るデータ記録再生システム1Dは、バックモニタ81の代わりに、第2のフロントモニタ41から出力された第1のモニタ信号および第3のフロントモニタ71から出力された第2のモニタ信号を加算する加算器92を備えており、この加算器92は第1の差分器33に電気的に接続されている。
なお、第8の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1Dのハードウェア構成要素において、第4の実施の形態に係わるデータ記録再生システム1Aおよび第5の実施形態に係るデータ記録再生システム1Cのハードウェア構成と略同等であるものについては、同一の符号を付してその説明は省略または簡略化する。
次に、第8の実施形態に関するデータ記録再生システム1Dの具体的動作として、最初に、第1の記録媒体3Aを再生対象として選択した場合におけるコンピュータ5の制御処理について、第1および第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態において、第1の記録媒体3Aの記録トラックにおける再生開始アドレスに記録された記録データから再生を開始する場合、第1の記録媒体3Aは再生対象の媒体としてシステム1A内に予めローディングされている。このとき、コンピュータ5は、第2のメモリ5bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図20に示す処理を実行する。
最初に、図16のステップS1に示したように、コンピュータ5は、入力部57から動作指令が送られてきたか否か判断する。
このステップS1の判断の結果、何ら動作指令が送られてこない場合(ステップS1→NO)、コンピュータ5は、周期的にステップS1の判断処理を繰り返す。
一方、ステップS1の判断の結果、動作指令として、第1の記録媒体識別情報およびその再生開始アドレス等に関する情報を含む第1の記録媒体再生指令が送られてきた場合(ステップS1→YES)、コンピュータ5は、スイッチ部73に対し、第2のフロントモニタ41を選択するスイッチ指令を送信する(ステップS30)。
このとき、スイッチ部73は、送信されてきたスイッチ指令に応じて、第2のフロントモニタ41の出力端を第2の差分器43の入力端に接続させる。
この結果、第2の差分器43には、第2のフロントモニタ41から出力される第1のレーザ光が選択されて入力可能になる。
スイッチ部73により第2のフロントモニタ41が選択された場合において、加算器92から出力される加算信号は、常にLDユニット7Aから出射されたレーザ光の総パワーに対応する電流を表すデジタルデータである。
以下、コンピュータ5により、図16に示すステップS2、S3、S50、S51、およびS6が実行される。この結果、加算器92から出力されたデジタルデータとコンピュータ5から送られたLD出射目標値との差分値を求めることにより、第1実施形態と同様に、LDユニット7Aから出射されるLD出射パワーを所望のLD出射目標パワーに一致させることができる。
すなわち、本実施形態においては、図16に示すステップS2、S3、S50、S51、およびS6の説明のうち、立ち上げミラー15を透過したレーザ光を“第1のレーザ光”、記録媒体3を“第1の記録媒体3A”、光量調整素子13Aを“分光素子90”、第1のフロントモニタ41をバックモニタ81、LCドライバ47を“分光ドライバ91”等と読み替えることにより、第5実施形態と同様に、対物出射パワーを対物出射目標パワーに一致させながら、LDユニット7から出射されるレーザ光の出射パワー(LD出射パワー)を、所望の目標値(LD出射目標パワー)に一致させることができる。
また、コンピュータ5は、上記図16に示すステップS2、S3、S50、S51、およびS6の代わりに、第7実施形態で説明したように、S1、S20、S70、S22〜S25、およびS6の処理(図18参照)を実行することも可能である。この結果、第7実施形態と同様に、記録データ再生開始前に、LDユニット7Aから出射されるレーザ光に基づくLD出射パワーを、予め対応するエラーレートが閾値未満であり、かつ設定LD出射パワー変化範囲の中で最も小さい値となるLD出射目標値に対応するLD出射目標パワーに一致させることが可能になり、この後実行される再生処理における再生性能を高く維持することができる
さらに、第6実施形態で説明したように、本実施形態においても、ステップS6の処理である記録データ再生処理を実行している間に、第2のメモリ13bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図17に示す処理を実行することが可能である。この結果、何らかの原因により、対象となるECCブロックの再生データに基づくエラーレートが再生困難を表す所定閾値以上になった場合でも、LD出射パワー一定制御および対物出射パワー一定制御をそれぞれ実行しながら、LD出射目標値を所定値ずつ上昇させることにより、LDユニット7Aから出射されるレーザ光に基づくLD出射パワーを、そのLD出射目標値の上昇分に対応するパワーずつ上昇させることができる。
一方、第2の記録媒体3Bの記録トラックにおける再生開始アドレスに記録された記録データから再生を開始する場合、第2の記録媒体3Bは再生対象の媒体としてシステム1A内に予めローディングされている。このとき、コンピュータ5は、第2のメモリ5bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図21に示す処理を実行する。
最初に、図16のステップS1に示したように、コンピュータ5は、入力部57から動作指令が送られてきたか否か判断する。
このステップS1の判断の結果、何ら動作指令が送られてこない場合(ステップS1→NO)、コンピュータ5は、周期的にステップS1の判断処理を繰り返す。
一方、ステップS1の判断の結果、動作指令として、第2の記録媒体識別情報およびその再生開始アドレス等に関する情報を含む第2の記録媒体再生指令が送られてきた場合(ステップS1→YES)、コンピュータ5は、スイッチ部73に対し、第3のフロントモニタ71を選択するスイッチ指令を送信する(ステップS40)。
このとき、スイッチ部73は、送信されてきたスイッチ指令に応じて、第3のフロントモニタ71の出力端を第2の差分器43の入力端に接続させる。
この結果、第2の差分器43には、第3のフロントモニタ71から出力される第2のレーザ光が選択されて入力可能になる。
スイッチ部73により第3のフロントモニタ71が選択された場合においても、加算器81から出力される加算信号は、常にLDユニット7Aから出射されたレーザ光の総パワーに対応する電流を表すデジタルデータである。
以下、コンピュータ5により、図16に示すステップS2、S3、S50、S51、およびS6が実行される。この結果、加算器81から出力されたデジタルデータとコンピュータ5から送られたLD出射目標値との差分値を求めることにより、第1実施形態と同様に、LDユニット7から出射されるLD出射パワーを所望のLD出射目標パワーに一致させることができる。
すなわち、本実施形態においては、図16に示すステップS2、S3、S50、S51、およびS6の説明のうち、立ち上げミラー64を透過するレーザ光を“第2のレーザ光”、記録媒体3を“第2の記録媒体3B”、対物レンズ23を“対物レンズ65”、立ち上げミラー15を“立ち上げミラー64”、受光部29を“受光部69”、光量調整素子13Aを“分光素子90”、LCドライバ47を“分光ドライバ91”等と読み替えることにより、第5実施形態と同様に、対物出射パワーを対物出射目標パワーに一致させながら、LDユニット7Aから出射されるレーザ光の出射パワー(LD出射パワー)を、所望の目標値(LD出射目標パワー)に一致させることができる。
また、コンピュータ5は、上記図16に示すS2、S3、S50、S51、およびS6の代わりに、第7実施形態で説明したように、S1、S20、S70、S22〜S25、およびS6の処理(図18参照)を実行することも可能である。この結果、第7実施形態と同様に、記録データ再生開始前に、LDユニット7Aから出射されるレーザ光に基づくLD出射パワーを、予め対応するエラーレートが閾値未満であり、かつ設定LD出射パワー変化範囲の中で最も小さい値となるLD出射目標値に対応するLD出射目標パワーに一致させることが可能になり、この後実行される再生処理における再生性能を高く維持することができる
さらに、第6実施形態で説明したように、本実施形態においても、ステップS6の処理である記録データ再生処理を実行している間に、第2のメモリ13bにロードされている少なくとも1つのプログラムPに従って、図17に示す処理を実行することが可能である。この結果、何らかの原因により、対象となるECCブロックの再生データに基づくエラーレートが再生困難を表す所定閾値以上になった場合でも、LD出射パワー一定制御および対物出射パワー一定制御をそれぞれ実行しながら、LD出射目標値を所定値ずつ上昇させることにより、LDユニット7Aから出射されるレーザ光に基づくLD出射パワーを、そのLD出射目標値の上昇分に対応するパワーずつ上昇させることができる。
第8の実施形態では、LDユニット7Aから出力されるレーザ光のパワー(LD出射パワー)をモニタする素子として、第2および第2のフロントモニタ41および71の出力の加算をとる加算器81を用いたが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、バックモニタを用いることも可能である。
例えば、図22に示すデータ記録再生システム1Eに示すように、バックモニタ100を有している。
このバックモニタ100は、第1の差分器33に電気的に接続されており、LDユニット7Aにおけるレーザ光出力端の反対側の面から出射されるレーザ光の光路上に配置されている。バックモニタ100は、バック側レーザ光のパワー(強度)を常時モニタし、このモニタ結果をモニタ信号(例えば、モニタパワー対応する電流を表すデジタルデータ)として第1の差分器33に出力する機能を有している。
このように構成しても、LDユニット7AからのLD出射パワーをモニタすることがででき、そのモニタ結果に基づいて、LDユニット7から出射されるLD出射パワーを所望のLD出射目標パワーに一致させることができる。
第1〜第8の実施形態に係わるデータ記録再生システムは、所望速度で回転する記録媒体3の記録トラックに対して情報を記録する機能、および記録媒体3の記録トラック上に記録された情報を再生する機能をそれぞれ有する装置として説明したが、再生専用機能を有する装置であってもよい。
なお、上述した第1〜第8の実施形態においては、記録再生データ処理部11およびコンピュータ5により得られた再生データを評価する指標となる再生特性として、各ECCブロックにおけるエラーレートあるいはジッタの何れも用いることが可能であり、また、上記再生データ評価指標となるものであれば、各種のデータを用いることができる。
また、上述した第1〜第8の実施の形態においては、光ピックアップ部における光量調整素子19の制御処理、第1および第2のパワー調整部の制御処理、サーボ回路27の制御処理、および記録再生データ処理部におけるエラー検出および/または訂正に関する処理を、それぞれ対応するプログラムPに従ってコンピュータ5に実行させるように構成したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、例えば2台以上のコンピュータにより分散して行うことも可能である。
そして、第1〜第3の実施形態および第5〜第8の実施形態では、光量調整素子13/分光素子90と対物レンズ27との間の光路から分岐された光路上等に配置し、対応する光路上のレーザ光をモニタするように構成したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、モニタダイオードを、LDユニットのパッケージ内におけるLDユニット出力端の反対側の面から出射されるバック側レーザ光の光路上に配置し、そのバック側レーザ光をモニタするよう構成してもよい。
本発明は、上述した実施の形態および変形例に限定されるものではなく、本発明に属する範囲内において、上記実施の形態および変形例を様々に変形して実施することが可能である。

Claims (17)

  1. 光源から出射され記録媒体に対して照射された光に基づいて、該記録媒体に記録されたデータから反射されてきた反射光を受光し、受光した反射光に基づいて前記記録媒体に記録されたデータを再生する光記録再生システムであって、
    前記光源から出射された光の前記記録媒体への光量を、外部からの制御により調整できる光量調整部と、
    前記光源から出射された光のパワーを検出し、検出したパワーに基づいて該光源からの出射光のパワーを略一定に維持するパワー維持ユニットと、
    前記記録媒体に照射される光のパワーを検出し、検出したパワーに基づいて前記光量調整部の光量調整度合を制御する光量制御ユニットと、
    を備えたことを特徴とする光記録再生システム。
  2. 前記光量調整部は、前記光源からの出射光の内、前記光量調整度合としての所定の割合の光量分を透過させ、残りの割合の光量分を分光させる分光部を有する特徴とする請求項1記載の光記録再生システム。
  3. 前記光源からの出射光は所定の偏光方向を有しており、
    前記光量調整部は、前記外部からの制御に基づいて所定角度偏光方向を変化可能な偏光素子と、前記偏光素子通過後の前記出射光の偏光方向によって該出射光を前記光量調整度合に対応する所定の割合の光量分と残りの割合の光量分とに分けるビームスプリッタとを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の光記録再生システム。
  4. 前記光源から出射された出射光を前記記録媒体に照射させる少なくとも第1および第2の対物レンズを備えたことを特徴とする請求項1乃至3の内の何れか1項記載の光記録再生システム。
  5. 前記パワー維持ユニットは、前記光源と前記第1および第2の対物レンズとの間にそれぞれ配置され、かつ該光源から出射された第1および第2の複数の光のパワーをそれぞれ検出する第1および第2の検出部とを備えたことを特徴とする請求項4記載の光記録再生システム。
  6. 前記パワー維持ユニットは、前記第1および第2の検出部から出力されるパワー情報を加算する加算部をさらに備え、該加算部からの加算結果を表す情報を前記光源からの出射光のパワーとして該光源からの出射光のパワーを略一定に維持する処理を行うことを特徴とする請求項5記載の光記録再生システム。
  7. 前記第1および第2の対物レンズと前記光源から前記第1および第2の対物レンズまでの第1および第2の光路との内の少なくとも一方は、当該第1および第2の対物レンズを介して前記記録媒体に照射される前記出射光に必要な開口数により区別されることを特徴とする請求項4乃至6の内の何れか1項記載の光記録再生システム。
  8. 前記第1および第2の対物レンズと前記光源から前記第1および第2の対物レンズまでの第1および第2の光路との内の少なくとも一方は、当該第1および第2の対物レンズを介して前記記録媒体に照射される前記出射光に必要な開口数が0.7を超えるか否かに応じて区別されることを特徴とする請求項7記載の光記録再生システム。
  9. 前記パワー維持ユニットは、前記検出したパワーと予め決定された目標パワーとの差分を表すデータを求め、求めた差分データがゼロとなるように前記該光源からの出射光のパワーを調整するパワー調整部を備えたことを特徴とする請求項1乃至8の内の何れか1項記載の光記録再生システム。
  10. 前記目標パワーは、予め測定された前記光源からの出射光パワーレベルと該出射光に含まれるノイズレベルとの関係を表すデータから、予め定められている再生に必要なノイズレベルよりも低いノイズレベルに対応するパワーレベルを有することを特徴とする請求項9記載の光記録情報再生システム。
  11. 前記記録データに基づいて再生されたデータからその再生特性を表すデータを求め、求めた再生特性を表すデータの値が再生困難性に係わる閾値以上であるか否か判断する判断ユニットを備え、
    前記パワー調整部は、前記判断ユニットにより前記再生特性を表すデータの値が再生困難性に係わる閾値以上であると判断された場合に、前記目標パワーを、当該再生特性を表すデータ値が閾値を下回る方向に変化させる目標パワー変化部を有することを特徴とする請求項9または10記載の光記録再生システム。
  12. 前記パワー維持ユニットは、前記光源からの出射光のパワーを所定範囲内において変化させながら前記記録データから反射されてきた反射光に基づいて再生された情報から、前記出射光パワー変化と対応する再生特性の変化との関係を求める導出部と、
    求められた前記出射光のパワー変化範囲内における再生特性変化において、予め定められている再生困難性に係わる閾値未満であり、該出射光パワー変化範囲内において相対的に極小となる再生特性値に対応する出射光パワーを求め、求めた出射光パワーを前記目標パワーに設定する目標パワー設定部と、
    を備えたことを特徴とする請求項9乃至11の内の何れか1項記載の光記録再生システム。
  13. 前記目標パワー設定部は、求められた前記出射光のパワー変化範囲内における再生特性変化において、予め定められている再生困難性に係わる閾値未満であり、かつ谷となる再生特性値に対応する出射光パワーを前記目標パワーに設定することを特徴とする請求項12記載の光記録再生システム。
  14. 前記目標パワー設定部は、前記出射光のパワーを前記所定範囲内において最小値から上昇させた際に得られる再生特性変化において、予め定められている再生困難性に係わる閾値未満であり、かつ最初に谷となる再生特性値に対応する出射光パワーを前記目標パワーに設定することを特徴とする請求項13記載の光記録再生システム。
  15. 前記記録データに基づいて再生された再生データの再生特性を表すデータは、当該再生データ内のエラー割合を示すエラーレート、および前記再生データから抽出されたクロックに対する該再生データの変化割合を表すジッタの内の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項12乃至14の内の何れか1項記載の光記録再生システム。
  16. 光源から出射され記録媒体に対して照射された光に基づいて、該記録媒体に記録されたデータから反射されてきた反射光を受光し、受光した反射光に基づいて前記記録媒体に記録されたデータを再生するユニットと、前記光源からの出射光の光量を、外部からの制御により調整できる調整する第1の光量調整ユニットと、前記光源から出射された出射光の前記記録媒体への光量を、外部からの制御により調整できる第2の光量調整ユニットとを含むシステムに備えられたコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記光源から出射された光のパワーに基づいて前記第1の光量調整部の光量調整度合を制御して該光源からの出射光のパワーを略一定に維持する処理と、
    前記記録媒体に照射される光のパワーに基づいて前記光量調整部の光量調整度合を制御する処理と、
    をそれぞれ実行させることを特徴とするプログラム。
  17. 光源から出射され記録媒体に対して照射された光に基づいて、該記録媒体に記録されたデータから反射されてきた反射光を受光し、受光した反射光に基づいて前記記録媒体に記録されたデータを再生する光記録再生方法であって、
    前記光源から出射された光のパワーを検出し、検出したパワーに基づいて該光源からの出射光のパワーを略一定に維持し、
    前記記録媒体に照射される光のパワーを検出し、検出したパワーに基づいて、前記光源から出射された出射光の前記記録媒体への光量を制御することを特徴とする光記録再生方法。
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