JPH07270070A - 含水ゲル状重合体の搬送方法及び乾燥方法並びにコンベア式乾燥装置 - Google Patents
含水ゲル状重合体の搬送方法及び乾燥方法並びにコンベア式乾燥装置Info
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Abstract
等の後工程を効率よく行うことのできる搬送方法及び乾
燥方法並びにコンベア式乾燥装置を提供する。 【構成】コンベア2上に含水ゲル状重合体を載せて搬送
する間に、含水ゲル状重合体を乾燥する方法において、
周面に複数のピン32が突出し回転軸31がコンベア2
の搬送方向と直交するロール3をコンベア2の搬送開始
点上に配備し、コンベア2を稼働させ、ロール3を回転
させた状態で、含水ゲル状重合体をロール3の手前に載
せ、搬送初期にロールとコンベアとの間を通過させた後
に乾燥することを特徴とする。
Description
送方法及び乾燥方法並びにコンベア式乾燥装置に関す
る。この含水ゲル状重合体の搬送方法及び乾燥方法並び
にコンベア式乾燥装置は、吸水性樹脂の前駆体である含
水ゲル状重合体を搬送又は乾燥する場合に好適に利用さ
れ得る。
(紙おむつ、生理用ナプキン、衛生綿、包帯、失禁用パ
ッド、紙タオルなど)、鮮度保持剤、食品からの漏水吸
収剤等、多分野で汎用されている。
アクリル酸やアクリル酸ナトリウム等の単量体を架橋剤
とともに水溶液重合させて含水ゲル状重合体とし、乾燥
させ、適当な粒度に粉砕する方法が知られている。この
種の製造方法は、作業者に対して有毒で防災上危険な有
機溶媒を取り扱うことがない点で、一般的に望ましい。
そして、含水ゲル状重合体を乾燥する方法としては、図
3に示すように平行な2軸のドラムドライヤー上にゲル
をのせ、回転するドラム間でゲルを圧縮しながら加熱
し、延伸する薄膜乾燥法(特開平1−103615号公
報)、乾燥室内の棚にゲルを積層し、熱風を循環させ
て、バッチごとに乾燥させる循風乾燥法もしくは棚段式
乾燥法、傾斜した円筒状の回転乾燥機の上方からゲルを
送り、下方から熱風を吹き付け、ゲルが螺旋状の内壁を
伝って裁断されながら下りる間に乾燥させる回転乾燥
法、トンネル内で循環するコンベアの孔あきトレイ上に
ゲルを載せ、トレイの孔を通してゲルに熱風を吹き付
け、搬送中に乾燥させるコンベア式乾燥法が知られてい
る。
薄膜状とするため含水ゲル状重合物を短時間で乾燥する
ことが可能であり、乾燥時の品質劣化も少ないが、高弾
性のゲルや高強度のゲルの場合、均一な延伸が困難であ
るため、ゲルの内部と表面とで乾燥ムラが生じることが
ある。
の棚にゲルを載せて熱風を循環させるだけであるので、
ゲルの上層部あるいは下層部のいずれか一方からしか風
が通らない。従って、ゲル内部まで完全に乾燥させるの
に長時間を要する。乾燥時間が長くなると、量産に際し
て1バッチの投入量を極力多くする必要上、乾燥機が大
きくなり非効率的であるばかりでなく、ポリマーの切
断、熱架橋、酸化等のポリマーの劣化が起こる。このよ
うなポリマーの劣化は、吸水性樹脂としての商品価値を
低下させる。例えば、熱による過剰な架橋により水の吸
収性能が低下したり、ポリマー切断により水可溶性成分
量が増加し、吸水時にべとついたりするからである。
且つ靱性を有するため、簡単には裁断されない。従っ
て、回転乾燥法の場合、回転時にゲルが一体化して比表
面積が低下し、結局、乾燥に長時間を要することとな
り、上記と同様にポリマーの劣化を伴う。
と異なり、ゲルの弾性や強度に依存しないし、循環乾燥
法と異なり、連続してゲルを投入できるし、回転乾燥法
と異なり、ゲルが一体化することもない。また、コンベ
ア式乾燥法のみ、乾燥操作の前後で薬剤を噴霧する等の
他工程を搬送中に連続して実施することができる。従っ
て、含水ゲル状重合体の乾燥法として優れている。
はコンベア上にゲルを均一に敷くことが短時間で効率よ
く乾燥する必要条件となる。また、乾燥するか否かにか
かわらず、例えば搬送中に薬剤を噴霧するにしても、ゲ
ルが均一に敷き詰められていなければ、ゲル中の薬剤濃
度が不均一となり、製品性能にばらつきが発生する。こ
のため、従来、振り子式に揺れるベルトコンベアを上記
コンベアの出発点上に配備し、この振り子式ベルトコン
ベアでゲルを上記コンベア上に振り落としていた。
粘着性物質を均一に敷くことは容易であるが、粘着性の
強いゲル状重合体の場合、ゲルの供給時や落下時にゲル
が団子状もしくは山状となり、均一に振り分け難かっ
た。従って、乾燥操作にあっては、ゲルとトレイとの隙
間やゲル厚みの薄い部分を主に熱風が通ってしまい、乾
燥時間が長くなったり、乾燥むらが起こったりしてい
た。また、薬剤噴霧操作にあっては、ゲルが敷き詰めら
れていない部分にも薬剤が噴霧されて薬剤を浪費した
り、団子状もしくは山状となった部分ではゲル内部にま
で薬剤が十分浸透しなかったりした。
ゲル状重合体を搬送又は乾燥する方法における上記の課
題を解決し、搬送初期にゲルをコンベアに均一に敷き、
乾燥等の後工程を効率よく行うことのできる搬送方法及
び乾燥方法並びにコンベア式乾燥装置を提供することに
ある。
に、本発明の含水ゲル状重合体の搬送方法は、コンベア
上に含水ゲル状重合体を載せて搬送する方法において、
周面に複数のピンが突出し回転軸がコンベアの搬送方向
と直交するロールをコンベアの搬送開始点上に配備し、
コンベアを稼働させ、ロールを回転させた状態で、含水
ゲル状重合体をロールの手前に載せ、搬送初期にロール
とコンベアとの間を通過させることを特徴とする。
速度をV、コンベアに最も接近したときのピン先端の周
速をvとするとき、V−vが正値となるようにコンベア
及びロールを稼働及び回転させることである。
法は、コンベア上に含水ゲル状重合体を載せて搬送する
間に、含水ゲル状重合体を乾燥する方法において、周面
に複数のピンが突出し回転軸がコンベアの搬送方向と直
交するロールをコンベアの搬送開始点上に配備し、コン
ベアを稼働させ、ロールを回転させた状態で、含水ゲル
状重合体をロールの手前に載せ、搬送初期にロールとコ
ンベアとの間を通過させた後に乾燥することを特徴とす
る。
は、被乾燥物を搬送するコンベアと、搬送中に被乾燥物
を加熱する熱源とを備えた乾燥装置において、周面に複
数のピンが突出し、回転軸がコンベアの搬送方向と直交
するロールが、コンベアの搬送開始点上に配備されてい
ることを特徴とする。
ェーン駆動、ベルト駆動、コロ駆動いずれでもよい。熱
源をもって含水ゲル状重合体を加熱する手段としては、
従来のコンベア式乾燥装置のように熱源から熱風を透過
させてもよいが、これに限らず、赤外線ヒーターからの
輻射熱を用いても良い。ロール本体及びピンは、ゲルの
付着防止のため、それ自体が非粘着性樹脂(例えばフッ
素樹脂)であるか又は非粘着性樹脂でコーティングされ
ているのが望ましい。
で、含水ゲル状重合体をロールの手前に載せると、搬送
開始後すぐにゲルがロールの下を通過する。そして、通
過の際、ロールに設けられたピンがゲルを切断すると同
時に、ロールの周面がコンベアのトレイと相まってゲル
を押さえ、平たく均す。従って、ロールの下を通過した
ゲルの厚さは均一となる。そのため、その後の搬送過程
で乾燥操作を行う場合、熱風にしろ輻射にしろ、ゲルに
対して熱が均等に加わる。また、薬剤を噴霧する場合、
ゲルに対して均一に薬剤が降り懸かる。
れの方向に回転させても良いが、コンベアの搬送速度と
ロールのピン先端の周速との差については上記の条件が
望ましい。すなわち、循環するコンベアの送り時を速度
ベクトルの正方向、戻り時を負方向とするとき、速度V
−vが正値となるようにコンベア及びロールを稼働及び
回転させれば、ロールを通過したゲルが、溜まることな
く搬送されるからである。例えばコンベアを時計回りに
循環させ、ロールも時計回りに回転させる場合は、Vの
正値に対してvが負値のためV−vは常に正値となる。
逆にロールのみを反時計回りに回転させる場合は、ピン
先端の周速よりもコンベアの搬送速度を速くすることに
より、V−vが正値となる。なお、ロール通過後のゲル
の厚さは、コンベアの搬送速度とピン先端の周速、ロー
ルとトレイとの間隔及びピンの高さによって調節でき
る。
実施例を図面とともに説明する。図1は、この実施例の
乾燥方法に用いられるコンベア式乾燥装置の要部を示す
斜視図、図2は、図1のXY線に沿って切断したしたと
ころを示す断面図である。なお、図2ではゲルを示した
が、図1では省略した。
1を搬送方向に多数連ねたコンベア2と、コンベアの搬
送開始点上に回転軸31がコンベア2の搬送方向と直交
するように配備されたロール3と、周囲の気体を加熱す
る熱源としてのヒーター(図示省略)と、送風機(図示
省略)とを図示しないトンネル内に備え、ヒーターによ
って熱せられた空気(熱風)が送風機によってトレイ2
1に送られるようになっている。
するシール材が帯状に設けられており、トレイ21とト
ンネル壁との隔たりを気密に保持し、熱風がこの隔たり
を通り抜けずにトレイ21の孔22(図示の便宜上、孔
22は、1トレイ中5個1列となっているが、もっと小
径のものが縦横に多数配列しているほうが望ましい。)
を優先的に通過するようになっている。ロール3には、
その周面に回転軸31を中心として断面十字形状に突出
したピン32が回転軸方向に配列している。そして、ロ
ール3の周面及びピン32の表面は、フッ素樹脂でコー
ティングされている。なお、ピン32は必ずしもロール
3の同一周面上に配置されていなくてもよいし、その本
数ももっと多くてもよい。次に本例のコンベア式乾燥装
置を用いてゲルを乾燥する状況を説明する。
ア2を駆動させ、トレイ21を循環させるとともに、ヒ
ーターの電源を入れ、送風機を回転させておく。ロール
3も反時計回りに回転させておく。そして、ロール3の
直前の位置で、乾燥したゲルの搬送を終えて戻ってきた
空のトレイ21上に含水ゲルGを積載する。するとトレ
イ21に載せられたゲルGがロール3の下を通過する。
そして、通過の際、ロール3に設けられたピン32がゲ
ルGを切断すると同時に、ロール3の周面がコンベア2
のトレイ21と相まってゲルGを押さえ、平たく均す。
従って、ロール3の下を通過したゲルGの厚さdは均一
となる。
送る。熱風がゲルGを透過する際にゲルGを加熱し、ゲ
ルG中の水分を蒸発させ、孔22を通過してゲルGを乾
燥させる。上記のようにゲルGの厚さが均一なので、ゲ
ル各部の乾燥速度も均等になる。従って、熱風の温度及
び風速を適当に設定しておけば、ゲル内に未乾燥部分が
残ることも、過熱によりポリマーの劣化部分が生じるこ
ともない。
ゲル状重合体を以下の要領で搬送し乾燥した。先ず、半
径15cmの周面に長さ20cmのピン32が突出した
ロール3を、その軸心の位置がトレイ21表面から37
cmの高さになるように固定し、ピン32先端の周速が
1300m/時間となるように図2の矢印方向(反時計
回り)に回転させた。そして、澱粉にアクリル酸をグラ
フト重合させ、次いで水酸化ナトリウム水溶液で中和し
て得られた含水率70%のゲル状重合体を、移動速度6
0m/時間(図2の右から左に向かう場合を速度ベクト
ルの正値とする)で駆動しているコンベア2に1トレイ
面積1m2当たり30kgの割合で載せて搬送を開始し
た。
ル厚さdを任意の3箇所で測定したところ、9.8c
m、10.1cm、10.5cmであった。続いて、温
度150℃、風速2m/secの熱風をトレイ21の上
からゲルGに送り、ゲルG中及び孔22を透過させてゲ
ルGを乾燥した。そして、搬送終了後のゲルGの含水率
を任意の3箇所で測定したところ、4.6%、4.8
%、4.9%であった。なお、搬送時間は、約30分で
あった。このように本例の方法によれば、コンベアに均
一にゲルを敷き詰めることができる。しかもその後に連
続して短時間でむらなく均一に乾燥することができる。
子式のベルトコンベアを配備し、その他の条件は、本例
と同一にしてゲルを搬送した。ベルトコンベアは、1分
間に10往復とした。そして、ベルトコンベアによる振
り分け直後のゲルの厚さdを任意の3箇所で測定したと
ころ、8.4cm、10.2cm、13.1cmであっ
た。また、搬送終了後のゲルGの含水率を任意の3箇所
で測定したところ、2.7%、5.6%、8.8%であ
り、かなりばらつきがあった。
法並びにコンベア式乾燥装置によれば、含水ゲル状重合
体をコンベアに均一に敷き詰めることができ、しかも乾
燥操作を行った場合、短時間で効率良く且つ均一に乾燥
することができる。
ンベア式乾燥装置の要部を示す斜視図である。
面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 コンベア上に含水ゲル状重合体を載せて
搬送する方法において、周面に複数のピンが突出し回転
軸がコンベアの搬送方向と直交するロールをコンベアの
搬送開始点上に配備し、コンベアを稼働させ、ロールを
回転させた状態で、含水ゲル状重合体をロールの手前に
載せ、搬送初期にロールとコンベアとの間を通過させる
ことを特徴とする含水ゲル状重合体の搬送方法。 - 【請求項2】 コンベアの搬送速度をV、コンベアに最
も接近したときのピン先端の周速をvとするとき、V−
vが正値となるようにコンベア及びロールを稼働及び回
転させる請求項1に記載の含水ゲル状重合体の搬送方
法。 - 【請求項3】 コンベア上に含水ゲル状重合体を載せて
搬送する間に、含水ゲル状重合体を乾燥する方法におい
て、周面に複数のピンが突出し回転軸がコンベアの搬送
方向と直交するロールをコンベアの搬送開始点上に配備
し、コンベアを稼働させ、ロールを回転させた状態で、
含水ゲル状重合体をロールの手前に載せ、搬送初期にロ
ールとコンベアとの間を通過させた後に乾燥することを
特徴とする含水ゲル状重合体の乾燥方法。 - 【請求項4】 被乾燥物を搬送するコンベアと、搬送中
に被乾燥物を加熱する熱源とを備えた乾燥装置におい
て、周面に複数のピンが突出し、回転軸がコンベアの搬
送方向と直交するロールが、コンベアの搬送開始点上に
配備されていることを特徴とするコンベア式乾燥装置。
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