JPH07269710A - シールワシャ - Google Patents

シールワシャ

Info

Publication number
JPH07269710A
JPH07269710A JP6112694A JP6112694A JPH07269710A JP H07269710 A JPH07269710 A JP H07269710A JP 6112694 A JP6112694 A JP 6112694A JP 6112694 A JP6112694 A JP 6112694A JP H07269710 A JPH07269710 A JP H07269710A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
packing
bolt
metal case
seal washer
diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6112694A
Other languages
English (en)
Inventor
Shozo Nihei
尚三 二瓶
Ikuo Miwa
郁夫 三輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP6112694A priority Critical patent/JPH07269710A/ja
Publication of JPH07269710A publication Critical patent/JPH07269710A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bolts, Nuts, And Washers (AREA)
  • Gasket Seals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要最小限の小型・簡略な構成で、高いシー
ル性能を発揮可能であり、組立が容易で、しかも、機械
強度と耐蝕性、耐破壊性に優れた、信頼性の高いシール
ワシャを提供する。 【構成】 金属ケース10の台座部12の座面内径を
D、ボルト40の呼び径をd、ボルト40のネジ部42
の有効径をG、ネジ部42のピッチをP、金属ケース1
0のパッキン収納部13の高さをH、パッキン20の外
径をI、パッキン20の内径をJとする。金属ケース1
0のパッキン収納部13と、ネジ部42の表面、および
締付部材30の間に形成されるパッキン収納空間の断面
積をK、パッキン20の元の断面積をLとする。1P≦
H≦3P、 1K≦L≦1.3K、 D+0.1≦I≦
D+1、 d+0.1≦J≦d+2、という4つの条件
を全て満たすように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボルトまたはナットに
より締付部材上に締め付け固定されてシール構造を提供
するシールワシャに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このようなシールワシャとして
は、例えば、図7に示すように、金属ケース10とパッ
キン20からなるシールワシャが知られている。すなわ
ち、図7に示すように、まず、金属ケース10は、ボル
ト挿入用の開口部を有する円環状の天板部11と円環状
の台座部12から構成されている。また、この金属ケー
ス10の天板部11の下面と台座部12の内面によって
形成されるパッキン収納部13に、ボルト挿入用の開口
部を有する短円筒状のパッキン21が配置されている。
さらに、これらの金属ケース10およびパッキン21
が、ボルト孔31を有する締付部材30上に配置され、
金属ケース10の天板部11の上方から、ボルト40
が、この金属ケース10およびパッキン21を貫通し
て、締付部材30のボルト孔31内にまで挿入されてい
る。図中41は、ボルト40の頭部であり、42はネジ
部である。そして、このボルト40の締付力により、金
属ケース10を介してパッキン21を圧縮し、図8に示
すように、このパッキン21の内周端部をボルト40の
ネジ部42の谷底まで入り込ませてシールするものであ
る。
【0003】また、図9は、別のシールワシャの一例を
示す図であり、このシールワシャにおいては、断面三角
形状の内周リップ22を有する短円筒形のリップ付パッ
キン23を使用している点で図7のシールワシャと異な
るが、金属ケース10の形状は、図7のシールワシャと
同様である。このシールワシャは、ボルト40の締付力
により、金属ケース10を介してリップ付パッキン23
を圧縮し、図10に示すように、このリップ付パッキン
23の内周リップ22をボルト40のネジ部42の谷底
まで入り込ませてシールするものである。なお、このよ
うな内周リップ22を有するリップ付パッキン23に対
して、図7に示すような内周リップ22を持たないパッ
キン21は、リップなしパッキンとも呼ばれる。
【0004】以上のような構成を有する図7および図9
のシールワシャは、金属ケース10とパッキン21また
は23を使用した小型・簡略な構成でボルト締付部分の
シール構造を提供できるため、特に、その配置スペース
が限定されているような各種の構造物のボルト締付部分
に容易に配置可能であり、実用性に優れている。なお、
言うまでもないが、以上のような図7および図9のシー
ルワシャは、ボルトとナットを使用した締付部分におい
ても同様に適用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上説
明したような従来の(図7および図9に示した)シール
ワシャには、次のような問題点がある。
【0006】(1)金属ケース10がボルト40の締付
力に対して十分な強度を持たない場合には、延性破壊を
生じることがある。
【0007】(2)金属ケース10を高硬度にしすぎる
と、水素の介在により、ある一定使用応力で水素脆性破
壊を生じることがある。
【0008】(3)ボルト締付時に、ボルト40の頭部
41の座面エッジ部(特に角部43)によって、金属ケ
ース10の天板部11表面に引っ掻き傷が付いてしまう
ことがある。このような天板部11の表面の引っ掻き傷
は、前記の破壊(1)、(2)の起点と成り得るととも
に、金属ケース10の防錆処理、例えば、溶融亜鉛メッ
キなどの表面処理を剥がしてしまうことになり、金属ケ
ース1に錆が生じる。
【0009】(4)図7の従来例において、パッキン2
1の占績率を100%未満とした場合には、図8に示す
ように、パッキン21がボルト40のネジ部42の谷底
まで完全には入り込み難くなり、パッキン21とネジ部
42の谷底との間に微小な隙間51ができ易くなり、シ
ール性が低下してしまう。この隙間51の発生を防止す
るために、パッキン21の占積率を例えば150%とし
た場合には、パッキン21が金属ケース10の外へはみ
出してしまう。このようにパッキン21が金属ケース1
0の外へはみ出すことは、外観上好ましくない上に、金
属ケース10の座面の安定性を低下させ、また、パッキ
ン21の劣化を早める原因にもなる。
【0010】(5)図9の従来例において、パッキン2
3の断面三角形状の内周リップ22はボルト40のネジ
部42の谷底に入り込み易い。しかしながら、内周リッ
プ22が円環状であるのに対し、ボルト40のネジ部4
2の谷底は螺旋状であることから、図11に示すよう
に、内周リップ22が必ず一箇所でネジ部42の山を越
える形になるため、この乗り越え部分に微小な隙間52
ができ易くなり、シール性が低下してしまう。また、こ
のように円環状と螺旋状の組合せであることから、パッ
キン23のネジ部42の谷底への入り込みが十分でない
場合には、図7の従来例と同様、図10に示すように、
パッキン23とネジ部42の谷底との間に微小な隙間5
1ができ易くなり、やはり、シール性が低下してしま
う。
【0011】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解消するために提案されたものであり、その目的は、
必要最小限の小型・簡略な構成で、高いシール性能を発
揮可能であり、組立が容易で、しかも、機械強度と耐蝕
性、耐破壊性に優れた、信頼性の高いシールワシャを提
供することである。
【0012】より具体的に、請求項1の発明の目的は、
金属ケースとパッキンの寸法を限定条件を満たすように
設定することにより、必要最小限の小型・簡略化を図り
ながら、かつ、パッキンの内周面とボルトのネジ部との
間のシール性を向上し、しかも、組立の容易化、および
機械強度と耐蝕性、耐破壊性の向上を図ることである。
【0013】請求項2の発明の目的は、パッキンの内周
面にグリースを塗布することにより、パッキンの内周面
とボルトのネジ部との間のシール性をより向上すること
である。
【0014】請求項3の発明の目的は、パッキンの内周
面に低温特性に優れたシリコン系グリースを塗布するこ
とにより、低温時のパッキンの伸縮性能低下によるその
内周面とボルトのネジ部との間の密着性低下を補償し
て、低温時においてもこの部分における高いシール性を
確保することである。
【0015】請求項4の発明の目的は、パッキンの内周
面に、装着後硬化するシーリング材を装着して、このシ
ーリング材をパッキンの内周面とボルトのネジ部との間
で硬化させることにより、この部分のシール性をより向
上することである。
【0016】請求項5の発明の目的は、金属ケースの天
板部の平面部の寸法を、その上に締め付けるボルトの頭
部またはナットの座面の対角寸法以下とすることによ
り、ボルトまたはナットの座面エッジ部の特に角部によ
って、金属ケースの天板部表面に引っ掻き傷が付くこと
を防止して、この引っ掻き傷に起因する延性破壊、脆性
破壊や錆の発生による腐食などを防止することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によるシールワシ
ャは、ボルト挿入用の開口部を有する円環状の天板部と
円環状の台座部を備えた金属ケースと、ボルト挿入用の
開口部を有し、前記金属ケースの天板部の下面と台座部
の内面によって形成されるパッキン収納部に配置される
円環状のパッキンとを備え、前記金属ケースおよび前記
パッキンの前記開口部に挿入されるボルトまたはこのボ
ルトに装着されるナットにより締付部材上に締め付け固
定されるシールワシャにおいて、金属ケースとパッキン
が、次のような特徴を有するものである。
【0018】請求項1記載のシールワシャは、金属ケー
スとパッキンの寸法が限定条件を満たすように設定され
ることを特徴とするものである。すなわち、まず、前記
金属ケースの前記台座部の座面内径をD、前記ボルトの
呼び径をd、このボルトのネジ部有効径をG、このボル
トのネジ部ピッチをP、前記金属ケースの前記パッキン
収納部の高さをH、前記パッキンの外径をI、このパッ
キンの内径をJとする。次に、前記金属ケースの前記パ
ッキン収納部と、前記ボルトのネジ部表面、および前記
締付部材の締付面の間に形成され、前記金属ケースの座
面内径Dと、この金属ケースのパッキン収納部の高さ
H、および前記ボルトのネジ部有効径Gによって決まる
パッキン収納空間の断面積をK、前記パッキンの元の断
面積をLとする。そして、この場合に、 1P≦H≦3P 1K≦L≦1.3K D+0.1≦I≦D+1 d+0.1≦J≦d+2 という4つの条件を全て満たすことを特徴としている。
【0019】請求項2記載のシールワシャは、請求項1
記載の構成に加えて、前記パッキンの内周面に、グリー
スを塗布したことを特徴としている。請求項3記載のシ
ールワシャは、請求項2記載の構成において、前記グリ
ースが、シリコン系グリースであることを特徴としてい
る。請求項4記載のシールワシャは、請求項1記載の構
成に加えて、前記パッキンの内周面に、装着後硬化する
シーリング材を装着したことを特徴としている。請求項
5記載のシールワシャは、前記金属ケースの前記天板部
の表面における平面部直径寸法をA、前記ボルトの頭部
またはナットの座面の対角寸法をBとした場合に、A≦
Bという条件を満たすことを特徴としている。
【0020】
【作用】以上のような構成を有する本発明のシールワシ
ャにおいては、次のような作用が得られる。すなわち、
請求項1の発明によれば、金属ケースとパッキンの寸法
を限定条件を満たすように設定することにより、パッキ
ンの内周面を、ボルトのネジ部の谷底まで十分に入り込
み易くしてこの部分の密着性を高め、微小な隙間の発生
を防止することができる。
【0021】請求項2の発明によれば、パッキンの内周
面にグリースを塗布することにより、このグリースによ
って、パッキンの内周面とボルトのネジ部との間におけ
る密着性を高め、微小な隙間の発生をより確実に防止す
ることができる。
【0022】請求項3の発明によれば、パッキンの内周
面に低温特性に優れたシリコン系グリースを塗布するこ
とにより、低温時にパッキンの伸縮性能が低下して、こ
のパッキンの内周面とボルトのネジ部との間の密着性が
低下した場合でも、シリコン系グリースによって、この
部分における密着性を補償し、微小な隙間の発生を防止
することができる。
【0023】請求項4の発明によれば、パッキンの内周
面に装着後硬化するシーリング材を装着することによ
り、このシーリング材がパッキンの内周面とボルトのネ
ジ部との間で、両者の間を閉塞する形で硬化するため、
この部分における密着性を高め、微小な隙間の発生をよ
り確実に防止することができる。
【0024】請求項5の発明によれば、金属ケースの天
板部の平面部の寸法を、その上に締め付けるボルトの頭
部またはナットの座面の対角寸法以下とすることによ
り、ボルトまたはナットの座面の角部が金属ケースの天
板部の平面部の外側に突出する形になるため、この角部
によって金属ケースの天板部表面に引っ掻き傷が付くこ
とを確実に防止することができる。
【0025】
【実施例】
[1]代表的な実施例 以下には、本発明によるシールワシャの一実施例を、図
1〜図5を参照して具体的に説明する。この場合、図1
は締付状態を示す断面図、図2は締付前の内周リップな
しパッキンを示す断面図、図3は締付前の内周リップ付
パッキンを示す断面図、図4は図1の平面図、図5は締
付状態におけるパッキンとボルトのネジ部を示す断面図
である。なお、図7〜図11に示した従来例と同一部分
には同一符号を付している。
【0026】[1−1]実施例の構成 まず、図1に示すように、本実施例のシールワシャの基
本的な構成は、図7に示した従来例のシールワシャと同
様である。すなわち、図1に示すように、本実施例の金
属ケース10は、ボルト挿入用の開口部を有する円環状
の天板部11と円環状の台座部12から構成されてい
る。また、この金属ケース10の天板部11の下面と台
座部12の内面によって形成されるパッキン収納部13
に、ボルト挿入用の開口部を有する短円筒状のパッキン
20が配置されている。このパッキン20は、具体的に
は、図2に示すようなリップなしパッキン21、また
は、図3に示すような内周リップ22を有するリップ付
パッキン23である。
【0027】さらに、これらの金属ケース10およびパ
ッキン20が、ボルト孔31を有する締付部材30上に
配置され、金属ケース10の天板部11の上方から、ボ
ルト40が、この金属ケース10およびパッキン20を
貫通して、締付部材30のボルト孔31内にまで挿入さ
れるようになっている。そして、このボルト40の締付
力により、金属ケース10を介してパッキン20を圧縮
し、図5に示すように、このパッキン20の内周端部を
ボルト40のネジ部42の谷底まで入り込ませてシール
するように構成されている。
【0028】特に、本実施例においては、図4に示すよ
うに、金属ケース10の天板部11の表面における平面
部直径寸法をA、ボルト40の頭部41の座面の対向す
る角部43間の寸法(対角寸法)をBとした場合に、こ
れらの寸法A,Bが、A≦Bという条件を満たすように
設定されている。
【0029】また、図1に示すように、金属ケース10
の外径をC、金属ケース10の台座部12の座面内径を
D、金属ケース10の座面厚さをE=(C−D)/2、
ボルト40の呼び径をd、ボルト40のネジ部42の有
効径をG、ボルト40のネジ部42のピッチをP、金属
ケース10のパッキン収納部13の高さをH、パッキン
20の外径をI、パッキン20の内径をJとして示して
いる。
【0030】さらに、図1に示すように、金属ケース1
0のパッキン収納部13(天板部11の下面と台座部1
2の内面)と、ボルト40のネジ部42の表面、および
締付部材30の締付面の間に形成されるパッキン収納空
間、すなわち、金属ケース10の座面内径Dと、金属ケ
ース10のパッキン収納部13の高さH、およびボルト
40のネジ部42の有効径Gによって決まるパッキン収
納空間の断面積をKとし、パッキン20の元の断面積を
Lとして示している。
【0031】そして、金属ケース10のパッキン収納部
13の高さH、パッキン20の元の断面積L、パッキン
20の外径I、およびパッキン20の内径Jが、 1P≦H≦3P 1K≦L≦1.3K D+0.1≦I≦D+1 d+0.1≦J≦d+2 という4つの条件を全て満たすように設定されている。
【0032】[1−2]実施例の作用 以上のような構成を有する本実施例の作用は次の通りで
ある。まず、金属ケース10のパッキン収納部13の高
さHが、ボルト40のネジ部42のピッチPに対して、
1P≦H≦3Pという条件を満たすように設定されてい
るため、ボルト40のネジ部42の全周囲をパッキン2
0によって完全にカバーすることができる上に、シール
ワシャを小型化することができる。
【0033】より詳細に説明すれば、本実施例において
は、金属ケース10のパッキン収納部13の高さHが、
1P≦H、すなわち、ボルト40のネジ部42のピッチ
Pの寸法以上に設定されている。そのため、螺旋状のネ
ジ部42の周囲に、360度以上、すなわち、一周以上
に渡ってパッキン20の内周面が接することになる。し
たがって、ボルト40のネジ部42の全周囲を、パッキ
ン20の内周面によって完全にカバーすることができ
る。
【0034】また、金属ケース10のパッキン収納部1
3の高さHが余り高くなり過ぎると、シールワシャ全体
の大型化につながるとともに、金属ケース10の製作、
例えば、鍛造加工などが困難になるという問題を生じ
る。これに対して、本実施例においては、金属ケース1
0のパッキン収納部13の高さHが、H≦3P、すなわ
ち、ボルト40のネジ部42のピッチPの3倍以下に限
定されているため、シールワシャ全体の小型化を図るこ
とができる。
【0035】次に、本実施例においては、パッキン20
の元の断面積Lが、金属ケース10、ボルト40、およ
び締付部材30の間に形成されるパッキン収納空間の断
面積Kに対して、1K≦L≦1.3Kという条件を満た
すように設定されており、この条件から、パッキン20
の占積率が適切に決定される。そのため、このパッキン
20の内周面とボルト40のネジ部42との間の密着性
を高め、微小な隙間の発生を防止することができる上
に、パッキン20が金属ケース10の外へはみ出すこと
がない。
【0036】より詳細に説明すれば、本実施例において
は、パッキン20の元の断面積Lが、1K≦L、すなわ
ち、金属ケース10、ボルト40、および締付部材30
の間に形成されるパッキン収納空間の断面積K以上に設
定されており、占積率が100%以上となっている。し
たがって、パッキン20の内周面がネジ部42の谷底ま
で十分に入り込むことができるため、このパッキン20
の内周面とネジ部42との間の密着性を高め、微小な隙
間の発生を防止することができる。
【0037】また、パッキン20の元の断面積Lが余り
大きくなり過ぎると、パッキン20の一部が金属ケース
10の外にはみ出してしまう。これに対して、本実施例
においては、パッキン20の元の断面積Lが、L≦1.
3K、すなわち、金属ケース10、ボルト40、および
締付部材30の間に形成されるパッキン収納空間の断面
積Kの1.3倍以下に限定されており、占積率が130
%以下となっている。そのため、パッキン20が金属ケ
ース10の外へはみ出すことがない。
【0038】続いて、本実施例においては、パッキン2
0の外径Iが、金属ケース10の内径Dに対して、D+
0.1≦I≦D+1という条件を満たすように設定され
ている。すなわち、パッキン20の外径Iが金属ケース
10の内径Dより若干大きくなっているため、このパッ
キン20を金属ケース10に収納した時に、納まりが良
くなる。したがって、パッキン20を金属ケース10と
容易に一体化させることができる。
【0039】そしてまた、本実施例においては、パッキ
ン20の内径Jが、ボルト40のネジ部42の呼び径d
に対して、d+0.1≦J≦d+2という条件を満たす
ように設定されている。すなわち、パッキン20の内径
Jが、d+0.1≦J、ボルト40のネジ部42の呼び
径dより僅かに大きくなっているため、このパッキン2
0に対するボルト40の挿入を容易に行うことができ
る。また、パッキン20の内径Jが、J≦d+2、すな
わち、ボルト40のネジ部42の呼び径dよりも余り大
きくされていないため、このパッキン20の内周面がボ
ルト40のネジ部42の谷底まで十分に入り込むことが
でき、このパッキン20の内周面とネジ部42との間の
密着性をさらに高め、微小な隙間の発生をより確実に防
止することができる。
【0040】以上のような作用に加えて、さらに、本実
施例においては、金属ケース10の天板部11の表面に
おける平面部直径寸法Aと、ボルト40の頭部41の座
面の対角寸法Bとが、A≦Bという条件を満たすように
設定されているため、ボルト40の頭部41の座面の角
部43が金属ケース10の天板部11の平面部の外側に
突出する形になる。そのため、この角部43によって金
属ケース10の天板部11の表面に引っ掻き傷が付くこ
とを確実に防止することができる。
【0041】[1−3]実施例の効果 以上のように、本実施例においては、まず、1P≦H≦
3Pという条件を満たすことにより、ボルト40のネジ
部42の全周囲をパッキン20によって完全にカバーす
ることができる上に、シールワシャを小型化することが
できる。そのため、パッキン20の内周面とボルト40
のネジ部42との間のシール性を確保するための前提と
してのパッキン20の必要最小限の配置条件を満たすと
ともに、シールワシャ全体の構成を必要最小限に小型化
することができ、また、金属ケース10の製造が容易に
なる。
【0042】次に、1K≦L≦1.3Kという条件を満
たすことにより、パッキン20の内周面とボルト40の
ネジ部42との間の密着性を高め、微小な隙間の発生を
防止することができる上に、パッキン20が金属ケース
10の外へはみ出すことがない。そのため、パッキン2
0の内周面とボルト40のネジ部42との間のシール性
を向上することができる。しかも、外観上好ましい上
に、金属ケース10の座面の安定性が良好に保たれ、ま
た、パッキン20の劣化を早める問題もないため、機械
強度と耐蝕性を向上することができる。
【0043】続いて、D+0.1≦I≦D+1という条
件を満たすことにより、パッキン20の金属ケース10
内での納まりが良くなり、パッキン20を金属ケース1
0と容易に一体化させることができるため、組立作業が
容易になる上、機械強度を向上することができる。
【0044】そしてまた、d+0.1≦J≦d+2とい
う条件を満たすことにより、パッキン20に対するボル
ト40の挿入を容易に行うことができるとともに、この
パッキン20の内周面とネジ部42との間の密着性をさ
らに高め、微小な隙間の発生をより確実に防止すること
ができる。そのため、組立作業がより容易になる上、パ
ッキン20の内周面とボルト40のネジ部42との間の
シール性を一層向上することができる。
【0045】さらに、本実施例においては、A≦Bとい
う条件を満たすことにより、金属ケース10の天板部1
1の表面に引っ掻き傷が付くことを確実に防止すること
ができる。そのため、この引っ掻き傷に起因する延性破
壊、脆性破壊や錆の発生による腐食などを防止すること
ができ、耐蝕性、耐破壊性を向上できる。
【0046】[2]他の実施例 なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、
他にも、本発明の範囲内で各種の変形例を実施すること
が可能である。例えば、図5に示すように、パッキン2
0の内周面にグリース60を塗布する実施例が可能であ
る。このように構成した場合には、パッキン20とボル
ト40のネジ部42の谷底の間に形成される微小な隙間
の他にも、微小な凹凸、傷部などにグリース60が入り
込むため、この部分のシール性をより向上させることが
できる。また、従来例の問題点として示した図10の内
周リップ22のネジ部42の山越えに伴って発生する微
小な隙間52についても、グリース60で埋めることが
できるために、同様にシール性を向上させることができ
る。特に、シリコン系グリースは、低温特性に優れてい
るため、低温時にパッキン20の伸縮性能が低下して、
このパッキン20の内周面とボルト40のネジ部42と
の間の密着性が低下した場合でも、シリコン系グリース
によってこの部分における密着性を補償して、高いシー
ル性を確保することができる。そしてまた、パッキン2
0の内周面に、グリースの代りに装着後硬化するシーリ
ング材、例えばシリコンゴムを使用することも可能であ
り、この場合にもシール性をより向上することができ
る。なお、パッキン20の材料としては、耐侯性、耐油
性、耐荷重性に優れたゴムが適しているが、軟質プラス
チックでも同様の効果を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明においては、
金属ケースとパッキンの寸法を限定条件を満たすように
設定することにより、必要最小限の小型・簡略な構成
で、高いシール性能を発揮可能であり、組立が容易で、
しかも、機械強度と耐蝕性、耐破壊性に優れた、信頼性
の高いシールワシャを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシールワシャの一実施例の締付状
態を示す断面図。
【図2】図1のシールワシャに使用するリップなしパッ
キンを示す断面図。
【図3】図1のシールワシャに使用するリップ付パッキ
ンを示す断面図。
【図4】図1の平面図
【図5】図1のパッキンとボルトのネジ部を示す断面
図。
【図6】本発明によるシールワシャの他の実施例を示す
断面図。
【図7】従来のシールワシャの一例の締付状態を示す断
面図。
【図8】図7のパッキンとボルトのネジ部を示す断面
図。
【図9】従来のシールワシャの他の一例の締付状態を示
す断面図。
【図10】図9のパッキンとボルトのネジ部を示す断面
図。
【図11】図10のX矢視断面図。
【符号の説明】
10…金属ケース 11…天板部 12…台座部 13…パッキン収納部 20…パッキン 21…リップなしパッキン 22…内周リップ 23…リップ付パッキン 30…締付部材 31…ボルト孔 40…ボルト 41…頭部 42…ネジ部 43…角部 51,52…微小な隙間 60…グリース

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボルト挿入用の開口部を有する円環状の
    天板部と円環状の台座部を備えた金属ケースと、ボルト
    挿入用の開口部を有し、前記金属ケースの天板部の下面
    と台座部の内面によって形成されるパッキン収納部に配
    置される円環状のパッキンとを備え、前記金属ケースお
    よび前記パッキンの前記開口部に挿入されるボルトまた
    はこのボルトに装着されるナットにより締付部材上に締
    め付け固定されるシールワシャにおいて、 前記金属ケースの前記台座部の座面内径をD、前記ボル
    トの呼び径をd、このボルトのネジ部有効径をG、この
    ボルトのネジ部ピッチをP、前記金属ケースの前記パッ
    キン収納部の高さをH、前記パッキンの外径をI、この
    パッキンの内径をJとし、 前記金属ケースの前記パッキン収納部と、前記ボルトの
    ネジ部表面、および前記締付部材の締付面の間に形成さ
    れ、前記金属ケースの座面内径Dと、この金属ケースの
    パッキン収納部の高さH、および前記ボルトのネジ部有
    効径Gによって決まるパッキン収納空間の断面積をK、
    前記パッキンの元の断面積をLとした場合に、 1P≦H≦3P 1K≦L≦1.3K D+0.1≦I≦D+1 d+0.1≦J≦d+2 という4つの条件を全て満たすことを特徴とするシール
    ワシャ。
  2. 【請求項2】 前記パッキンの内周面に、グリースを塗
    布したことを特徴とする請求項1記載のシールワシャ。
  3. 【請求項3】 前記グリースが、シリコン系グリースで
    あることを特徴とする請求項2記載のシールワシャ。
  4. 【請求項4】 前記パッキンの内周面に、装着後硬化す
    るシーリング材を装着したことを特徴とする請求項1記
    載のシールワシャ。
  5. 【請求項5】 前記金属ケースの前記天板部の表面にお
    ける平面部直径寸法をA、前記ボルトの頭部またはナッ
    トの座面の対角寸法をBとした場合に、A≦Bという条
    件を満たすことを特徴とする請求項1記載のシールワシ
    ャ。
JP6112694A 1994-03-30 1994-03-30 シールワシャ Pending JPH07269710A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6112694A JPH07269710A (ja) 1994-03-30 1994-03-30 シールワシャ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6112694A JPH07269710A (ja) 1994-03-30 1994-03-30 シールワシャ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07269710A true JPH07269710A (ja) 1995-10-20

Family

ID=13162087

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6112694A Pending JPH07269710A (ja) 1994-03-30 1994-03-30 シールワシャ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07269710A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008133900A (ja) * 2006-11-28 2008-06-12 Fujitsu Access Ltd ネジの締結構造
CN102996607A (zh) * 2011-09-16 2013-03-27 上海通用汽车有限公司 一种汽车用紧固件的垫片总成
JP2015206169A (ja) * 2014-04-17 2015-11-19 Nok株式会社 視線誘導標識柱の脚部取付け構造

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008133900A (ja) * 2006-11-28 2008-06-12 Fujitsu Access Ltd ネジの締結構造
CN102996607A (zh) * 2011-09-16 2013-03-27 上海通用汽车有限公司 一种汽车用紧固件的垫片总成
JP2015206169A (ja) * 2014-04-17 2015-11-19 Nok株式会社 視線誘導標識柱の脚部取付け構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3218906A (en) Captive screw and washer assembly
JPH02503344A (ja) ゴム‐金属軸受要素のねじ結合構造
JP2001059514A (ja) ボルト・ナットの緩み止め構造
JPH0542252Y2 (ja)
JPH07269710A (ja) シールワシャ
JP3299526B2 (ja) Mg合金製ケースにおける通し孔の閉鎖構造
US7004476B2 (en) Combustion gas seal for injector
JP2002202030A (ja) インジェクター用燃焼ガスシール
JP2018151053A (ja) 緩まないロックナット
JP2001140718A (ja) 合成樹脂製燃料タンクのシール部の構造
JP2000009125A (ja) ボルト・ナット用保護キャップ
EP0161916A3 (en) Reusable anchor bolt assembly
US5052758A (en) Washer mechanism for a wheel cover
JPH10131937A (ja) 緩み止めボルト並びにボルトの緩み止め方法
JPH0753013Y2 (ja) 逆止弁のストッパー
JP2541746Y2 (ja) 管継手
JP2963941B2 (ja) ウエハ形のチャッキバルブ
JPS633455Y2 (ja)
JP2591396Y2 (ja) ワッシャーシール
JPH0315852Y2 (ja)
JPH0614530U (ja) 防水装置
JPS6311433B2 (ja)
JPH0653814U (ja) シールボルト・ナット
JPH0227748Y2 (ja)
JPH0312805Y2 (ja)