JPH072681B2 - 酢酸ビニルの分離方法 - Google Patents

酢酸ビニルの分離方法

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JPH072681B2
JPH072681B2 JP60130053A JP13005385A JPH072681B2 JP H072681 B2 JPH072681 B2 JP H072681B2 JP 60130053 A JP60130053 A JP 60130053A JP 13005385 A JP13005385 A JP 13005385A JP H072681 B2 JPH072681 B2 JP H072681B2
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ヘキスト・アクチエンゲゼルシヤフト
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Description

【発明の詳細な説明】 気相中で固定床触媒を用いてエチレンを酢酸および酸素
または酸素含有ガスと反応せしめることにより酢酸ビニ
ルを製造することは、すでに知られている。この反応
は、一般に1ないし25バールの圧力および100ないし250
℃の温度において行なわれる。適当な触媒は、貴金属部
分および活性剤部分を含有する。貴金属部分は、パラジ
ウムおよび/またはその化合物からなり、追加的に更に
金またはその化合物が存在していてもよい。活性剤部分
は、第I主族および/または第II主族の元素および/ま
たはカドミウムの化合物からなる。これらの活性化成分
は、担体上に微細に分布されて適用され、その際担体物
質として一般にケイ酸または酸化アルミニウムが使用さ
れる。
一般に、触媒中のパラジウム含量は、0.5ないし5重量
%である。
金またはその化合物が使用されるならば、それは0.01な
いし4重量%の割合で添加される。
それぞれの個々の活性剤は、同様に一般に0.01ないし4
重量%の割合で添加される。3つのすべての百分率の記
載において、成分の金属部分は、それぞれ担持触媒の全
量に関連する。好ましいものは、下記の触媒である: パラジウム/アルカリ金属/カドミウムならびにパラジ
ウム/金/アルカリ金属、その際パラジウムおよび/ま
たは金は、金属または化合物としてでき上つた触媒中に
存在でき、そしてアルカリ金属元素としてはカリウムが
好ましい(カルボキシレートの形で)。
特に好ましいものは、酢酸パラジウム/酢酸カリウム/
酢酸カドミウム、ならびに酢酸パラジウム/アセト金酸
バリウム/酢酸カリウムの触媒である。
化学量論に基づいて、酢酸ビニル1モル当りすでに1モ
ルの水が生成される: CH2=CH2+1/2O2+CH3COOH→CH2=CHOOC・CH3+H2O しかしながら、反応したエチレンの一部は、CO2および
水へと酸化されるので、 CH2=CH2+3 O2→2 CO2+2 H2O 酢酸ビニル1モル当り水1モル以上が生成する。一般
に、生成した水の量は、製造された酢酸ビニルの量の約
4分の1である。
CO2のほかにより少量の他の副生成物が生成し、そのう
ちで特に酢酸エチルが著しい。酢酸エチルは、生成した
酢酸ビニルに関して1,000〜2,000重量ppmの量で生ず
る。しかし、純酢酸ビニルにおいては、一般にせいぜい
150重量ppmの酢酸エチルしか含まれていないことが必要
である。酢酸ビニルからの酢酸エチルの分離は、従来高
いエネルギー消費を必要としている。さて、本発明の対
象は、酢酸ビニルが比較的少量のエネルギー消費の下に
単離されそして特に酢酸エチルを除去しうる方法であ
る。
反応に使用される混合物は、化学量論的量の何倍ものモ
ル過剰のエチレンを含有する。それ故に、反応の際のエ
チレンの変換率は低くそして未反応のエチレンは、循環
的に反応に戻されなければならない。酢酸ビニル反応器
の後方におけるガス混合物からの生成した酢酸ビニルの
分離は、通常多段階で行なわれる。
従来公知の方法においては、未反応のエチレン、未反応
の酢酸、未反応の酸素、窒素、アルゴン、酢酸ビニル、
反応水、CO2ならびに酢酸エチルから実質的になる酢酸
ビニル反応器から出てくる高温のガス混合物は、更に加
熱されることなく操作される蒸留塔、いわゆる前脱水塔
中に導入される(ドイツ特許出願公開第2,610,624号=
米国特許第4,156,632号参照)。この塔の頂部から出て
くるガス混合物は、−20ないし+50℃に冷却され、その
際一部は凝縮する、凝縮物は、有機相および水性相の2
つの相に分離される。水性相は、取出され有機相は、全
部または一部循環流として前脱水塔の頂部に再循環され
る。この塔の頂部蒸気の非凝縮部分は、なおガス状の酢
酸ビニルを含有する。このものは、吸収液体としての酢
酸を用いて運転される洗滌塔においてガス混合物から洗
い出される。残つた残余のガスは、反応器に戻される。
前脱水塔の底部においては、酢酸ビニル、酢酸および反
応水の約半分ならびに副生成物からなる混合物が得られ
る。反応水の他の半分は、すでにエネルギーの供給なし
に分離され、そして前脱水塔の頂部蒸気の前記の冷却の
際に生ずる凝縮物の水性相を形成する。前脱水塔の底部
生成物および洗滌塔の底部生成物は、一緒に集められて
いわゆる粗酢酸ビニルとなり、そして一緒に公知の処理
法に従つて蒸留されて純粋な酢酸ビニルおよび酢酸(こ
のものは一般に反応器に再循環される)となる。
粗酢酸ビニルの蒸留による処理は、一般に次の2つの方
法のうちの一方に従つて行なわれる: 1つの変法(米国特許第3,838,019号、米国第3,905,875
号参照)においては、1つの第一の塔において酢酸ビニ
ルおよび水が頂部から留去される。底部生成物として
は、多少の水を含有してもよく、そして一般に反応に再
循環される酢酸が取出される。塔底の上方の濃縮帯域か
ら側方流出口を経て、酢酸、水および酢酸ビニルと混合
した酢酸エチルが取出される。この第1の塔の2つの相
に分れた留出物から水性相が取出される。酢酸ビニル相
の一部は、循環流として使用され、そしてその際同時に
塔頂を経て留出する水のための共沸混合物形成剤として
用いられる。(水で飽和された)酢酸ビニル相の残部
は、第2の塔において乾燥され、その間一部はなおその
中に含有している水との共沸混合物として塔頂を経て留
去され、その際低沸点生成物もまた塔頂を経て流出す
る。この第2の塔の水を含まない底部生成物は、第3の
塔において処理されて、塔頂を経て留出する純酢酸およ
び高沸点生成物ならびに底部生成物として取出される重
合体となる。
粗酢酸ビニル−処理の第2の変法(米国特許第3,438,87
0号参照)においては、2つの塔のみを用いて操作され
る。第1の塔においては、酢酸ビニルと共に共沸混合物
形成剤として水が塔頂を経て留去され、2つの相に分離
する留出物から水性相のみが取出され、そして全酢酸ビ
ニル相は、環流として塔に再循環される。(好ましい実
施態様においては、この塔は、中間床を有する。この場
合には、この中間床からの塔の還流が取出され、そして
相分離器に供給される。水性相は、取出され、そして酢
酸ビニル相は、循環流として中間床の下流において塔に
再び戻される。次に、塔の頂部においては、低沸点成分
が直接に取出されうる)。この塔の底部生成物として
は、水を含まない(そして中間床を使用した場合には更
に低沸点成分を含まない)酢酸ビニル/酢酸−混合物も
また取出され、このものは、なお酢酸エチル、高沸点成
分および重合体を含有し、そしてそれは第2の塔におい
て純酢酸ビニル(頂部生成物)および高沸点成分および
重合体を含有する酢酸(底部生成物)に分離される。酢
酸エチルは、取入れ口と底部との間の濃縮帯域から取出
される。
第1の蒸留変法においては、酢酸エチルの分離は、より
有利に行なわれる。この場合、第1の塔における酢酸エ
チルの濃縮は、共沸的な水の排出のためにいずれにして
も必要な高い循環比が実現する。それに対して第2の蒸
留変法においては、第2の塔(純酢酸ビニル塔)におけ
る酢酸エチルの濃縮のためには酢酸からの酢酸ビニルの
分離のためにのみ必要である(これはエネルギー的に不
利である)よりも高い循環比が使用される。他方では、
第2の蒸留変法においては、水の共沸的除去は、エネル
ギー的により有利である。何故ならば、それはこの場合
好ましくは高い圧力下で(共沸混合物中における比較的
高い水の濃度)運転される1個のみの塔において行なわ
れるからである。第2の変法においては、すなわち第1
の変法と異なつて、後乾燥のための、そして低沸点成分
の除去のための第3の塔を必要としない。
本発明者らは、驚くべきことには、前脱水塔に結び付け
て両方の蒸留変法のそれぞれの利点を利用しうることを
見出した。従つて、本発明は、気相中でパラジウムまた
はパラジウム化合物を含有する触媒を用いてエチレンを
酢酸および酸素と反応せしめることによつて生成される
ガス混合物から酢酸ビニルを分離するにあたり、その
際、 (a)反応帯域から出てくるガス混合物を蒸留塔に導入
し、 (b)上記蒸留塔の頂部から出てくるガス混合物を−20
ないし+50℃に冷却し、その際得られる凝縮物は水性相
および有機相を形成しており、 (c)工程(b)において形成された水性相を取出し、 (d)工程(b)において形成された有機相を全部また
は一部循環流として工程(a)において用いられた蒸留
塔の頂部に再循環せしめ、 (e)工程(b)において凝縮しなかつたガスを洗滌塔
において多くとも10%の水を含有する酢酸で洗滌し、そ
してそれによつて酢酸ビニルを含有する酢酸溶液を得る
という酢酸ビニルの分離方法において、 (f)工程(a)の塔底生成物を第2の蒸留塔に供給
し、そしてその底部の上方の濃縮帯域から酢酸エチルを
含有する側流を取出し、 (g)工程(f)の塔底生成物の全部または一部を工程
(e)における洗滌に利用し、 (h)工程(f)の塔頂蒸気を冷却し、その際水性相お
よび有機相が形成され、 (i)工程(h)において形成された水性相を取出し、 (k)工程(h)において形成された有機相の一部を循
環流として工程(f)において使用される蒸留塔の頂部
に再循環せしめ、 (l)工程(h)において形成された有機相の他の一部
を工程(e)において得られた酢酸溶液と一緒に、そし
て場合によつては工程(b)において形成された有機相
の、工程(d)において循環流として使用されなかつた
部分と一緒に、第3の蒸留塔に導入し、 (m)工程(l)の塔頂蒸気を冷却し、その際水性相お
よび有機相が形成され、 (n)工程(m)において形成された水性相を取出し、 (o)工程(m)において形成された有機相を循環流と
して工程(l)において使用される蒸留塔に再循環せし
め、 (p)工程(l)の塔底生成物を第4の蒸留塔に導入
し、そして (q)工程(p)において使用される蒸留塔の頂部から
酢酸ビニルを取出すことを特徴とする前記ガス混合物か
らの酢酸ビニルの分離方法に関する。
しかしながら、上記の方法の変法、すなわち上記の工程
(f)および(g)の代りに次の2つの工程:すなわ
ち、 工程(a)の塔底生成物を第2の蒸留塔に供給するこ
と、 この塔の底部生成物を蒸留により酢酸エチルを除去し、
そして次にその全部または一部を工程(e)において洗
滌のために使用すること、 の2つの工程を(他のすべての工程はそのままで)使用
することもできる。
この変法においては、酢酸エチル含有側流は、塔底より
上方では取出されずに、酢酸エチルは、塔底に存在し、
そしてもう一つの蒸留によつて塔底生成物の他の成分か
ら分離しなければならない。
工程(a)においては、好ましくは、反応帯域から出た
ガス混合物は、まずより低温の循環ガスとの向流的熱交
換において(上記循環ガスはそれによつて加熱されそし
て次いで反応に再循環される)約115〜130℃に冷却され
(その際液化しうる成分の凝縮は未だ起らない)そして
それから初めて蒸留塔に導入される。
工程(b)において形成される有機相の量は、この工程
において選択された冷却温度に依存する。有機相の工程
(d)において循環流として使用されなかつた部分は、
工程(l)において第3の蒸留塔に(工程(h)からの
有機相および工程(e)からの酢酸溶液と一緒に)導入
される。工程(b)における冷却温度および工程(b)
において形成された有機相の、工程(d)において循環
流として使用される部分は、好ましくは、工程(a)の
底部生成物ができる限り酢酸ビニルを少なく、しかし酢
酸エチルのできる限り全部を含有するように選択され
る。これは、酢酸ビニルの約20ないし50重量%が塔底生
成物中に存在することを意味する。酢酸ビニルの他の50
〜80重量%は、次に、1.工程(e)において生成された
酢酸溶液中に、そして2.工程(b)において形成された
有機相の、工程(d)において循環流として使用されな
かつた部分の中に存在する。これらの両方の生成物流
は、工程(l)において一緒に更に処理される。
主として未反応の酢酸からなり、そして多くとも10重量
%の水を含有する工程(f)において形成された底部生
成物は、一般に工程(e)において使用される。上記の
塔底生成物の、工程(e)において必要とされない部分
は、好ましくは、その少量が取出されて高沸点成分およ
び重合体を除去した後に、反応器に再循環される。
工程(k)においては、好ましくは、工程(h)におい
て形成された有機相のうちで第2蒸留塔の頂部蒸気が酢
酸および酢酸エチルを含まないような量のみが循環流と
して再循環される。有機相の上記の目的にとつて必要と
されない部分は、工程(l)に従つて第3の蒸留塔に導
入される。この塔は、好ましくは高められた圧力、例え
ば、1.5ないし10バールにおいて運転される。
好ましい実施態様においては、上記の第3の蒸留塔は、
中間床を有し、そして工程(m),(n)および(o)
は、下記の工程α,βおよびγによつて置換えられてい
る: (α)工程(l)からの頂部蒸気は、冷却されそして生
成した凝縮物の大部分は、工程(l)において使用され
る蒸留塔の頂部への循環流として再循環され、一方少部
分は低沸点成分を除去するために取出される。次に塔の
中間床からの全循環流が取出され、そして水性相および
有機相に分離する。
(β)工程(α)において生成した水性相が取出され
る;そして (γ)工程(α)において生成した有機相は再び第3蒸
留塔の中間床以下に再循環される。
工程(p)および(q)は、変更されずにそれに引続い
て行なわれるが、中間床の好ましい使用の場合には、工
程(p)において取出された塔底生成物は、すでに低沸
点成分を含まない。
工程(q)において取出された酢酸ビニルの一部は、工
程(p)において使用される蒸留塔の頂部に循環流とし
て再循環されるが、好ましくは、酢酸の全部が底部生成
物中に残るような量でよい。
本発明による方法の驚くべき利点は、酢酸ビニル反応に
おいて生成した酢酸エチルのエネルギー節約型除去およ
び前脱水塔(これは工程(a)において使用される)に
おいてすでに行なわれている酢酸ビニルの一部よりの酢
酸エチルの除去にある。事実、実際上全部の酢酸エチル
は、前脱水塔の底部生成物中に残存し、一方、工程
(e)において酢酸溶液の形で得られる工程(b)にお
いて凝縮しなかつた酢酸ビニルの部分は、実際上酢酸エ
チルを含有せず、従つてこの酢酸ビニル部分流からエネ
ルギーを消費する酢酸エチルを除去することを必要とし
ない。第3の蒸留塔(これは工程(l)において使用さ
れる)においては、酢酸エチルの不存在のゆえに約0.6
の還流比に調整されうる。(これに対して、先行技術と
して前記した第2の蒸留変法の第2塔においては3の還
流比が必要であつた)。かくして、公知の第2の蒸留変
法の第2塔に比較して、本発明による第3蒸留塔にとつ
ては、かなり少ないエネルギー(一般に加熱水蒸気)し
か必要としない。更に、本発明の方法においては、実際
上、酢酸エチルの全部は、工程(f)(好ましくは)ま
たは前記のその変法(これらにおいては、同時に行なわ
れる水の除去(工程(h)および(i)参照)のゆえ
に、いずれにしても高い還流比を必要とする)において
除去されるので、前記の従来技術による第1の蒸留法の
第1塔におけるそれと同等の蒸留費を、酢酸エチルのこ
の除去に必要とするにすぎない。しかしながら、上記の
従来技術の方法においては、更に次の酢酸ビニルの乾燥
のための第3の塔を必要とするが、本発明の方法におい
てはそれを必要としない。
工程(a)ないし(l),α,β,γならびに(p)お
よび(q)からなる特定の好ましい具体化例を添付の第
1図によつて説明する。
エチレン、酸素およびCO2からなる再循環ガスは、導管
(1)を経て泡鐘塔として設計された酢酸蒸発器(2)
に供給され、その中でガスの流れに、導管(3)から導
入される酢酸が添加される。酢酸蒸発器(2)を出たガ
ス混合物は、水蒸気で加熱された導管(4)を経て反応
器(5)に導かれる。これは長さ5.60mの反応管からな
り、32mmの内径を有し、そしてジヤケツトで取巻かれて
いる。反応熱の除去は、このジヤケツト内の加圧沸騰水
によつて行なわれる。反応管には触媒物質が充填されて
いる。反応器(5)を出た実質的にエチレン、酢酸、酢
酸ビニル、水、二酸化炭素、酸素および例えば窒素およ
びアルゴンのような不活性物質からなるガス混合物は、
導管(6)を経て前脱水塔(7)に導入される。この塔
(7)は、長さ2.5m、直径50mmである。それは、巻いた
VAワイヤーネツト(いわゆるグツドルー(Goodloe)充
填物)を充填されている。塔(7)の頂部から出たガス
混合物は、導管(8)を経て熱交換器(9)に送られ、
そこで導管(16)から送入されそして導管(10)を経て
塔(7)に再循環される循環流と向流的熱交換にかけら
れる。ガス混合物は、熱交換器(9)から導管(11)を
経て水冷式凝縮器(12)に送られ、その中で約35℃に冷
却される。それによつて液化された内容物は、導管(1
3)を経て容器(14)に導入され、そこで回収される。
回収容器(14)内の一定の液面を超えた液体の部分は、
ポンプ(15)により導管(16)、熱交換器(9)および
導管(10)を経て前脱水塔(7)に再循環される。暫時
の後に、回収容器(14)内で得られた凝縮物は、2つの
相(17)および(18)に分れ、その後水性相(17)は、
導管(19)を介して排出され、そして有機相(18)の全
部または一部のみがポンプにより導管(16)、熱交換器
(9)および導管(10)を経て還流として前脱水器
(7)の頂部に再循環される。安定剤溶液は、貯蔵容器
(20)からポンプ(21)および導管(22)を経て回収容
器(14)に送られる。前脱水塔(7)の底部において得
られ、そして主として酢酸ビニル、酢酸および水からな
り、そして本質的に酢酸エチルの全部を含有する液体
は、導管(23)を経て容器(28)へと取出される。凝縮
器(12)を出たガス混合物は、導管(24)を経て洗滌塔
(26)において、導管(25)を経て装入される酢酸によ
つて酢酸ビニルの非凝縮部分が除去される。塔(26)よ
りの底部生成物は、導管(27)を経て容器(45)に送入
される。導管(29)から洗滌塔(26)を出た残りのガス
(エチレン、未反応酸素、および副生成物として生成し
たCO2)は、再循環ガス圧縮機(30)によつて導管
(1)および酢酸蒸発器(2)を経て反応器(5)に再
循環される。再循環ガスの1部分流は、不活性物質を除
去するために廃ガスとして導管(31)を経て排出され
る。新鮮なエチレンは、導管(32)を経て導入され、そ
して新鮮な酸素は、導管(33)を経て導入される。
容器(28)からの混合物は、導管(34)を経て蒸留塔
(35)に送られる。塔(35)の頂部蒸気は、導管(36)
を経て凝縮器(37)に送られ、そこで液化される。導管
(38)を経て容器(39)に送入された凝縮物は、導管
(41)から取出される水性相(40)および有機相(42)
に分れ、有機相の一部は、導管(43)およびポンプ(4
4)を経て容器(45)に送られ、一方他の部分は、酢酸
および酢酸エチルが頂部生成物中に排出されるのを防ぐ
ために、導管(46)およびポンプ(47)を経て還流とし
て塔(35)に再循環される。容器(28)内で混合物に含
有され、そして導管(34)を経て塔(35)に導入された
酢酸エチルは、導管(48)を経て塔(35)の底部の上方
の濃縮帯域から取出される。塔(35)の底部生成物は、
酢酸、多くとも10重量%の水、および少量の高沸点成分
および重合体および痕跡量のみの酢酸ビニルおよび酢酸
エチルを含有する。
塔(35)の底部排出物からの水性酢酸は、分割される。
工程(d)における酢酸洗滌に必要な部分は、ポンプ
(49)および導管(25)を経て洗滌塔(26)に送入され
る。残部は、ポンプ(50)、導管(51)および(3)を
経て酢酸蒸発器(2)に再循環される。洗滌液体として
必要な酢酸の量は、洗滌塔(26)の設計および洗滌され
るべきガスの温度によつて変動するので、塔(35)の底
部よりの酢酸の流れの分割もまた変動しうる。新鮮な酢
酸は、導管(52)および(3)を経て酢酸蒸発器(2)
に、反応中に消費される酢酸に相当する量で供給され
る。前記の如く、塔(26)の底部流出物は、容器(39)
からの有機相(42)の一部と同様に、導管(27)を経て
容器(45)に送入される。更に、回収容器(14)からの
有機相の残部は、もし有機相(18)の全部が前脱水塔
(7)において還流として使用されるのでなければ、導
管(53)を経て容器(45)に導入される。容器(45)内
の液体は、導管(54)よおびポンプ(55)を経て、加圧
下に操作されている塔(56)に送られる。塔(56)の頂
部蒸気は、導管(57)を経て凝縮器(58)に導入され、
得られたほとんど全部の凝縮物は、導管(59)を経て還
流として塔(56)に再循環される。少量の流れが導管
(60)を経て排出されて低沸点成分が除去される。
塔(56)は、中間床(72)を有する。この中間床から、
この塔内のすべての還流が導管(61)を経て取出され、
そして相分離容器(62)に導入される。得られた水性相
(63)は、導管(64)を経て取出される。有機相(65)
は、導管(66)およびポンプ(67)を経て塔(56)の中
間床(72)の下方に再循環される。
塔(56)の底部において得られた乾燥酢酸ビニル/酢酸
の混合物は、導管(68)を経て塔(69)に導入される。
この塔の頂部蒸気は、導管(70)を経て凝縮器(71)に
送られる。得られた凝縮物は、実際上酢酸エチルを含有
しない純粋な酢酸ビニルである。この酢酸ビニルは、留
出物が酢酸を含まないように保つのみ必要な量で、導管
(73)を経て還流として塔(69)に再循環される。導管
(74)を介して純酢酸ビニルが取出される。酢酸、高沸
点成分および痕跡量の酢酸ビニル/酢酸エチルを含有す
る塔(69)の底部生成物は、導管(75),ポンプ(76)
および導管(3)を経て酢酸蒸発器(2)に導入され、
そしてそこから一部の流れが導管(77)を経て取出され
て重合体が除去される。
例 上記のような、そして第1図に図示された装置を用いて
以下の実験を行なつた。
反応器(5)に、パラジウム2.3重量%、カリウム2重
量%およびカドミウム1.9重量%をそれらの酢酸塩の形
で含有しシリカゲル担体(直径4〜6mmのビーズ状)に
担持された公知の酢酸ビニル用触媒4.4lを充填する。エ
チレン約69容量%、二酸化炭素24容量%および酸素7容
量%を含有する混合物毎時12Nm3を酢酸蒸発器(2)に
送入する。蒸発器において毎時4.83kgの酢酸が蒸発する
ような量の酢酸を導管(3)を経て酢酸蒸発器(2)に
導入する。高沸点成分および重合体を除去するために、
酢酸蒸発器(2)から導管(77)を経て毎時0.5kgの物
質が取出される。反応器導入ガスは、導管(4)内で15
5℃に予熱される。反応器の外部ジヤケツト内の沸騰水
冷却系の圧力によつて、反応器(5)の入口において8
バールの加圧(9バール絶対圧)が維持され、そして反
応器出口温度が160℃に維持される。前脱水塔(7)の
入口における反応器流出ガスの温度は、130℃にすぎな
い(管(6)からの熱の放射による)。前脱水塔(7)
の頂部を出るガス混合物は、凝縮器(12)で35℃に冷却
される。容器(14)において毎時9kgの有機相(18)が
得られ、そしてポンプ(15)および熱変換器(9)を経
て前脱水塔(7)に再循環される。酢酸ビニル3重量
%、酢酸0.1重量%およびアセトアルデヒド0.05重量%
を含有する水性相(17)の毎時350gが容器(14)から取
出される。80℃の頂部温度および90℃の底部温度が確立
されている前脱水塔(7)の底部において次の組成を有
する混合物毎時4kgが得られる:酢酸74重量%、水7.5重
量%、酢酸ビニル17.5重量%、二酢酸エチリデン0.05重
量%、酢酸エチル0.06重量%、アセトアルデヒド0.1重
量%および高沸点成分および重合体0.05重量%。酢酸ビ
ニル中p−ベンゾキノン2.5重量%の溶液毎時15mlが安
定化のためにポンプで貯蔵容器(20)から容器(14)に
導入される。
凝縮器(12)からの残りのガスは、導管(24)を経て洗
滌塔(26)に導入される。水を含有する酢酸毎時3.1kg
が塔(35)の底部から導管(25)を経て洗滌塔(26)の
頂部にポンプで送入される。次の組成を有する混合物毎
時5kgが洗滌塔(26)の底部において得られる:酢酸57.
6重量%、水5.1重量%、酢酸ビニル37重量%、アセトア
ルデヒド0.02重量%および酢酸エチル30ppm。
洗滌塔(26)を出たガスは、導管(29)および再循環ガ
ス圧縮機(30)を経て酢酸蒸発器(2)に再循環され
る。反応中に消費されたエチレンおよび消費された酸素
は、新鮮なエチレン−導管(32)−および新鮮な酸素−
導管(33)−を再循環ガスに通すことによって補給され
る。反応中の副生成物として生成したCO2は、導管(3
1)を経て廃ガスとして再循環ガスから除去される。廃
ガスの量は、再循環ガス中に24容量%のCO2濃度が維持
されるように調整される。
前脱水塔(7)の底部排出物は、導管(23)を経て貯蔵
容器(28)内で施緩され、そしてそこから導管(34)を
経て塔(35)に導入される。塔(35)は、真空ジヤケツ
ト、50mmの内径、6mの長さ、80個のバブル・トレーを有
し、底部に電熱装置を備えたガラスのカラムである。
容器(28)からの混合物毎時4kgが塔(35)の40番目の
トレーにおいて導入される。底部の加熱は、留出物の全
量が3kg/hrとなるように調節される。水性相(40)の毎
時100gが相分離器(39)で得られ、そして取出される。
有機相(42)の量は、塔(35)の25番目のトレーにおけ
る温度が112℃となるように、ポンプで導管(43)を経
て容器(45)に送入される(約0.7kg/hr)。有機相(4
2)の大部分は、還流として導管(46)を経て塔(35)
に再循環される。容器(45)の後方で取出された有機相
(42)は、酢酸ビニルのほかになお次のものを含有す
る:酢酸0.05重量%、アセトアルデヒド0.2重量%、酢
酸エチル0.015重量%および水1.3重量%。
側部取出し口(48)は、塔(35)の20番目のトレーに位
置し、そこから酢酸エチル約5重量%、酢酸ビニル2重
量%、水12重量%および酢酸81重量%を含有する物質毎
時50gが取出される。塔(35)の底部生成物酢酸の水含
量は、6重量%であり、この底部生成物は、導管(25)
を経て洗滌塔(26)に送入される。
容器(45)において、次の組成を有する生成物毎時5.7k
gが得られる:酢酸51.1重量%、酢酸ビニル44.1重量
%、水4.8重量%、アセトアルデヒド0.04重量%および
酢酸エチル45重量ppm。
この混合物は、塔(56)において更に蒸留される。この
塔は、V4A鋼製であり、そして80段のトレーおよび水蒸
気加熱循環式蒸発器によって加熱される底部を有する。
供給口は、45番目のトレーに位置している。中間トレー
(72)は、この塔の60番目のトレー上に位置しており、
そこから塔の全還流が相分離器(62)に送られる。この
塔は、1バール(ゲージ圧)(2バール絶対圧)の頂部
圧力下に操作される。底部加熱は、有機相(65)の毎時
6kgが相分離器(62)において得られるように調節さ
れ、この有機相(65)は、導管(66)を経て中間トレー
(72)の下方において塔(56)に循環される。水性相
(63)の毎時278gもまた相分離器(62)において得ら
れ、水性相(63)は排出される。凝縮物毎時20gが塔(5
6)の頂部から導管(60)を経て取出され、この凝縮物
は、酢酸ビニル約50重量%、アセトアルデヒド(酢酸ビ
ニルの加水分解によって生成されたもの)47重量%およ
び水約2.5重量%を含有する。塔(56)の底部排出物
は、塔(69)において更に精製される。この塔はガラス
製であり、底部に電熱加熱を有する。0.6の還流比にお
いて、酢酸50重量ppm以下、水約100重量ppmおよび酢酸
エチル40重量ppmを含有する酢酸ビニル毎時2.4kgが導管
(74)を介して得られる。なお酢酸エチル54重量ppmお
よび酢酸ビニル60重量ppmを含有する底部生成物たる酢
酸は、導管(75)、ポンプ(76)および導管(3)を経
て反応部内の酢酸蒸発器(2)に再循環される。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明による酢酸ビニルの分離方法の1具体化
例を示す流れ系統図である。図中、主要部分を参照数字
をもって示せば下記のとおりである: 2……酢酸蒸発器、5……反応器 7……前脱水器、9……熱交換器 12……凝縮器、14……回収容器 15……ポンプ、20……貯蔵容器 21……ポンプ、26……洗滌塔 28……容器、30……再循環ガス圧縮機 35……蒸留塔、37……凝縮器 39……容器、44……ポンプ 45……容器、47,49,50……ポンプ 55……ポンプ、56……蒸留塔 58……凝縮器、62……相分離器 67……ポンプ、69……蒸留塔 71……凝縮器、72……中間トレー 76……ポンプ 1,3,4,6,8,10,11,13,16,19,22,23,24,25,27,29,31,32,3
3,34,36,38,41,43,46,48,51,52,53,54,57,59,60,61,64,
66,68,70,73,74,75,77……導管 17,40,63……水性相、18,42,65……有機相
フロントページの続き (72)発明者 ホルスト・ラングネル ドイツ連邦共和国、ハツテルスハイム・ア ム・マイン、シユタウフエンストラーセ、 32 (72)発明者 エルウイン・アンデレヤ ドイツ連邦共和国、ケルクハイム/タウヌ ス、フアーザネンウエーク、25

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気相中でパラジウムまたはパラジウム化合
    物を含有する触媒を用いてエチレンを酢酸および酸素と
    反応せしめる際に生成するガス混合物から酢酸ビニルを
    分離するにあたり、その際、 (a)反応帯域から出てくるガス混合物を蒸留塔に導入
    し、 (b)上記蒸留塔の頂部から出てくるガス混合物を−20
    ないし+50℃に冷却し、その際得られる凝縮物は水性相
    および有機相を形成しており、 (c)工程(b)において形成された水性相を取出し、 (d)工程(b)において形成された有機相を全部また
    は一部循環流として工程(a)において用いられた蒸留
    塔の頂部に再循環せしめ、 (e)工程(b)において凝縮しなかったガスを洗滌塔
    において多くとも10%の水を含有する酢酸で洗滌し、そ
    してそれによって酢酸ビニルを含有する酢酸溶液を得る
    という酢酸ビニルの分離方法において、 (f)工程(a)の塔底生成物を第2の蒸留塔に供給
    し、そしてその底部の上方の濃縮帯域から酢酸エチルを
    含有する側流を取出し、 (g)工程(f)の塔底生成物の全部または一部を工程
    (e)における洗滌に利用し、 (h)工程(f)の塔頂蒸気を冷却し、その際水性相お
    よび有機相が形成され、 (i)工程(h)において形成された水性相を取出し、 (k)工程(h)において形成された有機相の一部を循
    環流として工程(f)において使用される蒸留塔の頂部
    に再循環せしめ、 (l)工程(h)において形成された有機相の他の一部
    を工程(e)において得られた酢酸溶液と一緒に、そし
    て場合によっては、工程(b)において形成された有機
    相の、工程(d)において循環流として使用されなかっ
    た部分と一緒に、第3の蒸留塔に導入し、 (m)工程(l)の塔頂蒸気を冷却し、その際水性相お
    よび有機相が形成され、 (n)工程(m)において形成された水性相を取出し、 (o)工程(m)において形成された有機相を循環流と
    して、工程(l)において使用される蒸留塔に再循環せ
    しめ、 (p)工程(l)の塔底生成物を第4の蒸留塔に導入
    し、そして (q)工程(p)において使用される蒸留塔の頂部から
    酢酸ビニルを取出することを特徴とする前記ガス混合物
    からの酢酸ビニルの分離方法。
  2. 【請求項2】工程(b)における冷却温度および工程
    (b)において形成された有機相の、工程(d)におい
    て循環流として使用される割合を選択することによっ
    て、工程(a)の塔底生成物中に20ないし50重量%の酢
    酸ビニルが含有されているようにする特許請求の範囲第
    1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】気相中でパラジウムまたはパラジウム化合
    物を含有する触媒を用いてエチレンを酢酸および酸素と
    反応せしめる際に生成するガス混合物から酢酸ビニルを
    分離するにあたり、その際、 (a)反応帯域から出てくるガス混合物を蒸留塔に導入
    し、 (b)上記蒸留塔の頂部から出てくるガス混合物を−20
    ないし+50℃に冷却し、その際得られる凝縮物は水性相
    および有機相を形成しており、 (c)工程(b)において形成された水性相を取出し、 (d)工程(b)において形成された有機相を全部また
    は一部循環流として、工程(a)において用いられた蒸
    留塔の頂部に再循環せしめ、 (e)工程(b)において凝縮しなかったガスを洗滌塔
    において多くとも10%の水を含有する酢酸で洗滌し、そ
    してそれによって酢酸ビニルを含有する酢酸溶液を得る
    という酢酸ビニルの分離方法において、 (f)工程(a)の塔底生成物を第2の蒸留塔に供給
    し、 (g)工程(f)の塔底生成物から蒸留により酢酸エチ
    ルを除去し、次いでこの生成物の全部または一部を工程
    (e)における洗滌に利用し、 (h)工程(f)の塔頂蒸気を冷却し、その際水性相お
    よび有機相が形成され、 (i)工程(h)において形成された水性相を取出し、 (k)工程(h)において形成された有機相の一部を循
    環流として、工程(f)において使用される蒸留塔の頂
    部に再循環せしめ、 (l)工程(h)において形成された有機相の他の一部
    を工程(e)において得られた酢酸溶液と一緒に、そし
    て場合によっては、工程(b)において形成された有機
    相の、工程(d)において循環流として使用されなかっ
    た部分と一緒に、第3の蒸留塔に導入し、 (m)工程(l)の塔頂蒸気を冷却し、その際水性相お
    よび有機相が形成され、 (n)工程(m)において形成された水性相を取出し、 (o)工程(m)において形成された有機相を循環流と
    して工程(l)において使用される蒸留塔に再循環せし
    め、 (p)工程(l)の塔底生成物を第4の蒸留塔に導入
    し、そして (q)工程(p)において使用される蒸留塔の頂部から
    酢酸ビニルを取出すことを特徴とする前記ガス混合物か
    らの酢酸ビニルの分離方法。
  4. 【請求項4】工程(b)における冷却温度および工程
    (b)において形成された有機相の、工程(d)におい
    て循環流として使用される割合を選択することによっ
    て、工程(a)の塔底生成物中に20ないし50重量%の酢
    酸ビニルが含有されているようにする特許請求の範囲第
    3項に記載の方法。
  5. 【請求項5】気相中でパラジウムまたはパラジウム化合
    物を含有する触媒を用いてエチレンを酢酸および酸素と
    反応せしめる際に生成するガス混合物から酢酸ビニルを
    分離するにあたり、その際、 (a)反応帯域から出てくるガス混合物を蒸留塔に導入
    し、 (b)上記蒸留塔の頂部から出てくるガス混合物を−20
    ないし+50℃に冷却し、その際得られる凝縮物は水性相
    および有機相を形成しており、 (c)工程(b)において形成された水性相を取出し、 (d)工程(b)において形成された有機相を全部また
    は一部循環流として、工程(a)において用いられた蒸
    留塔の頂部に再循環せしめ、 (e)工程(b)において凝縮しなかったガスを洗滌塔
    において多くとも10%の水を含有する酢酸で洗滌し、そ
    してそれによって酢酸ビニルを含有する酢酸溶液を得る
    という酢酸ビニルの分離方法において、 (f)工程(a)の塔底生成物を第2の蒸留塔に供給
    し、そしてその底部の上方の濃縮帯域から酢酸エチルを
    含有する側流を取出し、 (g)工程(f)の塔底生成物の全部または一部を工程
    (e)における洗滌に利用し、 (h)工程(f)の塔頂蒸気を冷却し、その際水性相お
    よび有機相が形成され、 (i)工程(h)において形成された水性相を取出し、 (k)工程(h)において形成された有機相の一部を循
    環流として工程(f)において使用される蒸留塔の頂部
    に再循環せしめ、 (l)工程(h)において形成された有機相の他の一部
    を工程(e)において得られた酢酸溶液と一緒に、そし
    て場合によっては、工程(b)において形成された有機
    相の、工程(d)において循環流として使用されなかっ
    た部分と一緒に、中間床を有する第3の蒸留塔に導入
    し、 (m)工程(l)の塔頂蒸気を冷却し、そして形成され
    た凝縮物の大部分を循環流として、工程(l)において
    使用される蒸留塔の頂部に再循環せしめ、一方上記凝縮
    物の少量部を低沸点成分の除去のために取出し、そして
    次に上記塔の中間床からその全部の循環流を取出して、
    それを水性相と有機相とに分離せしめ、 (n)工程(m)において形成された水性相を取出し、 (o)工程(m)において形成された有機相を中間床の
    下方において工程(l)において使用される蒸留塔に再
    循環せしめ、 (p)工程(l)の塔底生成物を第4の蒸留塔に導入
    し、そして (q)工程(p)において使用される蒸留塔の頂部から
    酢酸ビニルを取出すことを特徴とする前記ガス混合物か
    らの酢酸ビニルの分離方法。
  6. 【請求項6】工程(b)における冷却温度および工程
    (b)において形成された有機相の、工程(d)におい
    て循環流として使用される割合を選択することによっ
    て、工程(a)の塔底生成物中に20ないし50重量%の酢
    酸ビニルが含有されているようにする特許請求の範囲第
    5項に記載の方法。
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