JPH07267879A - 血管新生阻害剤 - Google Patents

血管新生阻害剤

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JPH07267879A
JPH07267879A JP8565694A JP8565694A JPH07267879A JP H07267879 A JPH07267879 A JP H07267879A JP 8565694 A JP8565694 A JP 8565694A JP 8565694 A JP8565694 A JP 8565694A JP H07267879 A JPH07267879 A JP H07267879A
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starburst dendrimer
starburst
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generation
bound
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Hiroshi Ibuki
洋 伊吹
Noriko Hattori
則子 服部
Hiroshi Nakajima
中島  宏
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記一般式(1)で示され、末端にスルホン
酸基を有するスターバーストデンドリマーと、ヒドロコ
ルチゾンとを含有することを特徴とする血管新生阻害
剤。 〔式中、Iは化学構造核、Zcはこの核に結合した機能
基、Ncは2以上の整数、XはY及び(i−1)世
代のZi−1基へ結合したYの一官能性尾部、Y
i世代のくり返し単位、ZはY及び(i+1)世代
のXi+1基へ結合した機能基、Nは2以上の整数、
はYの一官能性尾部、Yは最終世代のくり返し
単位、ZはYへ結合した末端スルホン酸基、あるい
は末端スルホン酸塩基、Nは0あるいは1個のY
結合した末端基の数、iは1から(t−1)までの連続
した特定の世代数を示し、πは規定された範囲内でのす
べての値の積を表わす。 【効果】 種々の自己免疫疾患の治療と予防を目的とす
る薬物療法等に利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,血管新生阻害剤に関す
るものであり,さらに詳しくは,悪性腫瘍に対する化学
療法剤として,あるいは,血管異常増殖に起因する種々
の疾患に対する予防又は治療薬として有用な血管新生阻
害剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,悪性腫瘍の進行や転移,あるいは
リュウマチ性関節炎,糖尿病性網膜症,未熟児網膜症,
老人性黄斑部変性,血管新生性緑内症,創傷治癒時の過
剰瘢痕形成等の疾患は,血管(特に末梢毛細血管)の異
常増殖に起因することが知られている。このため,これ
らの疾患に対する予防又は治療薬として,血管新生阻害
作用を有する物質を有効成分とする種々の血管新生阻害
剤が開発されている。
【0003】このような血管新生阻害物質としては,こ
れまでにも,例えばヘパリンとコルチゾンの併用〔サイ
エンス(Science)221巻,719頁,198
3〕,プレドニゾロン・アセテート〔アチーブ・オブ・
オプサルモロジー(Arch.Opthalmol.)
103巻,284頁,1985〕,硫酸プロタミン〔エ
クスペリメンタル・パソロジー(Exp.Patho
l.)30巻,143頁,1986〕,メドロキシプロ
ゲステロンアセテート〔インターナショナル・ジャーナ
ル・オブ・カンサー(Int.J.Cancer)44
巻,859頁,1989〕,15−デオキシスパガリン
〔ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(J.An
tibiotics)44巻,1033頁,199
1〕,網膜色素上皮細胞由来ペプチド(特開昭61−2
46,132号公報),ハービマイシンA(特開昭63
−295,509号公報),フェノール誘導体(特開昭
64−85,942号公報),ヒドロキサム酸誘導体
(特開平1−104,033号公報),フマギリン(特
開平1−279,828号公報)等が報告されている。
また,特開昭63−119,500号公報には,硫酸化
多糖体とステロイド剤との混合物が,血管新生阻害作用
を持つことが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,これら
の血管新生阻害物質は,その血管新生阻害効果が不十分
であったり,また毒性等の副作用を有するため,上記疾
患の予防又は治療薬としては必ずしも満足のいくもので
はなかった。本発明は,従来の血管新生阻害剤の欠点を
解消し,安全でしかも優れた効果を有する血管新生阻害
剤を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,このよう
な課題を解決するために鋭意検討の結果,末端にスルホ
ン酸基を有するスターバーストデンドリマーとヒドロコ
ルチゾンとの混合物が,安全でしかも優れた血管新生阻
害効果を有するという事実を見いだし,本発明に到達し
た。
【0006】すなわち,第1の発明は,下記一般式
(1)で示され,末端にスルホン酸基を有するスターバ
ーストデンドリマーと,ヒドロコルチゾンとを有効成分
としてなることを特徴とする血管新生阻害剤を要旨とす
るものである。
【0007】
【化3】
【0008】また,第2の発明は,下記一般式(1)で
示され,末端にスルホン酸基を有するスターバーストデ
ンドリマーのうち,ZC は−R−N<又は直接結合(R
は任意の官能基又は直接結合)であり,NC は3であ
り,Xi は直接結合であり,Y i は−CH2 CH2 CO
NH−(CH2 n −N< (nは整数)であり,Zi
は直接結合であり,Ni は2であり,Xt は直接結合で
ある,ポリアミドアミン型スターバーストデンドリマー
と,ヒドロコルチゾンとを含有することを特徴とする血
管新生阻害剤を要旨とするものである。
【0009】
【化4】
【0010】以下,本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるスターバーストデンドリマーとしては,特表
昭60−500,295号公報,特開昭63−99,2
33号公報,特開平3−263,431号公報,ポリマ
ージャーナル(Polymer Journal)第1
7巻117頁(1985),アンゲバンテヘミー(An
gewandte Chemie)第29巻138頁
(1990),マクロモレキュールズ(Macromo
lecules)第25巻3247頁(1992)等に
記載されている物質があげられる。
【0011】すなわち,複数個の機能基を有する化学構
造核から出発し,各機能基に,化学構造核が有するもの
と同一の機能基を複数個その末端に有する枝(以下くり
返し単位と称する)を結合し,さらに末端の機能基につ
ぎつぎに同一のくり返し単位を導入することにより得ら
れる化合物である。なお,ここで言うところの機能基と
は,化学構造核もしくはくり返し単位が有する官能基の
うち,枝分れの生成に関与するものを意味している。
【0012】具体的なスターバーストデンドリマーの例
をあげれば,例えば,核が窒素原子であり,したがって
c は3であり,Zc が直接結合であり,Xi は直接結
合であり,Yi は−CH2 CH2 CONH−(CH2
2 −N<であり,Zi は直接結合であり,Ni は2であ
り,Xt は直接結合であり,Yt は−CH2 CH2 CO
NH−(CH2 2 −であり,Zt は−NH2 である場
合には,得られるスターバーストデンドリマーは図1〜
図4に示すような,ポリアミドアミン型とよばれるスタ
ーバーストデンドリマーである。なお,ここでいうGと
は,合成の段階(Generation)のことである。また,図
1〜図4のスターバーストデンドリマーの末端基はアミ
ノ基であるが,このアミノ基を用いて化学反応により種
々の官能基を導入することが可能である。これによって
スターバーストデンドリマーの性質を改良することがで
きる。
【0013】このようなスターバーストデンドリマーは
規則的な分岐を有し,各分岐点の間の分子構造が同一で
あり,各分岐の末端には同一の機能基が存在しているよ
うな樹枝状構造を有している。また,同じ程度の分子量
を有する他の直鎖あるいは分岐ポリマーと比較して一分
子あたりの官能基密度が大きく,世代を重ねると内部に
空隙をもつようになる。また,図1〜図4からも明らか
なように,この化合物は,極めて対称性の高い構造を有
している。
【0014】本発明に用いられる硫酸化スターバースト
デンドリマーは,上述の一般式(1)において,Zt
t へ結合した末端スルホン酸基,あるいはスルホン酸
塩基であることが必要である。具体的な硫酸化スターバ
ーストデンドリマーの例を挙げれば,例えば,核が窒素
原子であり,したがってNc は3であり,Zc が直接結
合であり,Xi は直接結合であり,Yi は−CH2 CH
2 CONH−(CH2 2 −N<であり,Ziは直接結
合であり,Ni は2であり,Xt は直接結合であり,Y
t は−CH2 CH2 CONH−C(CH3 2 −CH2
−であり,Zt は−SO3 Naであるようなスターバー
ストデンドリマー等が挙げられる。
【0015】本発明に用いられる硫酸化スターバースト
デンドリマーとしては,その硫酸基が遊離酸の形であっ
ても,又はナトリウム塩,カリウム塩,リチウム塩,マ
グネシウム塩,カルシウム塩,バリウム塩等の薬理的に
許容し得る塩の形であってもよい。
【0016】本発明に用いられるスターバーストデンド
リマーを得るには,例えば,コア〔例えば,アンモニア
やトリス(2−アミノエチル)アミン〕のメタノール溶
液をアクリル酸メチルのメタノール溶液に氷冷下で滴下
し,室温(20〜25℃)に戻して約1週間撹拌する。
この溶液を減圧留去し,これにメタノールを加えて溶解
させる。これをエチレンジアミンのメタノール溶液に氷
冷下で撹拌しながら滴下し,室温(20〜25℃)に戻
して約1週間撹拌する。この溶液を減圧留去した後,共
沸蒸留を数回繰り返して,残留物中のエチレンジアミン
を除去する。このようにしてG=1.0のスターバース
トデンドリマーを合成することができる。さらに,G=
1.0のスターバーストデンドリマーをメタノールに溶
解し,これをアクリル酸メチルのメタノール溶液に氷冷
下で撹拌しながら滴下し,室温(20〜25℃)に戻し
て約1週間撹拌する。この溶液を減圧留去することによ
りG=1.5のスターバーストデンドリマーを合成する
ことができる。この反応を繰り返すことにより,さらに
スターバーストデンドリマーの合成の段階を上げること
ができる。なお,以上の反応は窒素雰囲気下で行う。ま
た,本発明のスターバーストデンドリマーとしては,米
国ポリサイエンス社(Polysciences,In
c.,400Vally Road,Warringto
n,PA 18976,U.S.A.)から市販されて
いるものを用いてもよい。
【0017】このようなスターバーストデンドリマーを
硫酸化するには,以下のようにすればよい。まず,2─
アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸
(AMPS)の水溶液にヒドロキノンを加えた後,氷冷
下で無水炭酸ナトリウム水溶液を滴下して中和し,AM
PSナトリウム塩水溶液を作成する。次に,このAMP
Sナトリウム塩水溶液にスターバーストデンドリマーを
蒸留水に溶解したものを氷冷下で加え,その後35℃で
1週間撹拌することにより硫酸化スターバーストデンド
リマーを得ることができる。
【0018】また,本発明に用いられるヒドロコルチゾ
ンとしては,遊離形であっても,21−酢酸エステル,
21−カプリル酸エステル,21−ヘミコハク酸エステ
ル,17−酪酸エステル等の誘導体の形であってもよ
い。
【0019】本発明の血管新生阻害剤においては,硫酸
化スターバーストデンドリマーとヒドロコルチゾンとが
共存することが必要であり、いずれか単独では血管新生
阻害作用を有しない。また,スターバーストデンドリマ
ーにも血管新生阻害作用はない。
【0020】ヒドロコルチゾンは水に対して難溶性であ
るが(溶解度:約8×10-4M),スターバーストデン
ドリマーが共存することによりその溶解度は約2×10
-3Mに上昇する。これは,ヒドロコルチゾンがスターバ
ーストデンドリマー分子内部へ担持されているからと考
えられる。さらに,ヒドロコルチゾンとスターバースト
デンドリマーの水溶液を調製する際に,超音波処理を行
なったり,凍結融解を繰り返したり,いったんメタノー
ル等の有機溶媒に溶解した後,蒸発や凍結乾燥等により
有機溶媒を除去し,改めて水に溶解させること等により
ヒドロコルチゾンの溶解度を改善することもできる。
【0021】本発明の血管新生阻害剤は,その使用目的
に応じて,単独又は賦形剤あるいは担体と混合して注射
剤,経口剤,又は坐剤として投与することができる。こ
れらの製剤化は公知の方法を用いて行なうことができ
る。このようにして調製した血管新生阻害剤の投与形態
中に配合する有効成分の含有量としては,使用目的,症
状,あるいは剤形等により異なるが,硫酸化スターバー
ストデンドリマーは0.01〜10重量%であることが
好ましく、特に0.1〜3重量%であることが好まし
い。また、ヒドロコルチゾンは、0.001〜1重量%
であることが好ましく、特に0.01〜0.3重量%で
あることが好ましい。また,その一日あたりの投与量と
しては,使用目的,投与回数,剤形,あるいは被投与者
の症状,年齢,体重等により異なるが,通常,有効成分
が体重1kgあたり0.1〜3000mg,好ましくは
1〜1500mgの範囲である。なお,これらの投与量
を1日に2〜4回に分けて投与することもできる。
【0022】
【実施例】次に,本発明を実施例によって具体的に説明
する。 参考例1 〔トリス(2−ビス(2−メトキシカルボニ
ルエチル)アミノエチル)アミンの合成〕 アクリル酸メチル(以下MAと略記する。)60ミリリ
ットル(57.36g,666.3mmol)を45ミ
リリットルのメタノールに溶かし,これにトリス(2−
アミノエチル)アミン(分子量146.24,以下TR
ENと略記する。)13.72g(93.8mmol)
を30ミリリットルのメタノールに溶解した溶液を氷冷
下で1時間かけて滴下した。以上の工程は窒素雰囲気下
で行った。3時間後に室温(20〜25℃)に戻し,7
日間撹拌を行った後,メタノール及び未反応のMAを減
圧留去した。一夜減圧乾燥した後,NMRにより生成物
の構造を確認した。収量は59.2gであった。
【0023】参考例2 〔G=1.0化合物の合成〕 エチレンジアミン(以下EDAと略記する。)820g
(13.64mol)をメタノール800ミリリットル
に氷冷下で溶かし,これに参考例1で合成したトリス
(2−ビス(2−メトキシカルボニルエチル)アミノエ
チル)アミン10.20g(15.4mmol)をメタ
ノール20ミリリットルに溶解した溶液を氷冷下で撹拌
しながら30分かけて滴下した。以上の工程は窒素雰囲
気下で行った。3時間後に室温(20〜25℃)に戻
し,7日間撹拌を行った後,メタノール及び未反応のE
DAを減圧留去した。さらに,残存物中のEDAを除去
するために,残存物にメタノール30ミリリットルを加
えて溶解した後,トルエン400ミリリットルを加えて
激しく撹拌した後,溶液を減圧留去した。この作業を3
回繰り返した。一夜減圧乾燥した後,NMRにより生成
物の構造を確認した。収量は14.72gであった。
【0024】参考例3 〔G=1.5化合物の合成〕 MA28.35g(329.3mmol)をメタノール
40ミリリットルに溶かし,これに参考例2で合成した
G=1.0化合物12.83g(6.88mmol)を
メタノール50ミリリットルに溶解した溶液を氷冷下で
撹拌しながら1時間かけて滴下した。以上の工程は窒素
雰囲気下で行った。3時間後に室温(20〜25℃)に
戻し,7日間撹拌を行った後,メタノール及び未反応の
MAを減圧留去した。一夜減圧乾燥した後,NMRによ
り生成物の構造を確認した。収量は29.6gであっ
た。
【0025】参考例4 〔G=5.0化合物の合成〕 参考例2と同様にして,13.03g(6.99mmo
l)のG=1.5化合物と1917.8g(31.91
mol)のEDAとから15.63gのG=2.0化合
物を合成した。さらに,参考例3と同様にして,14.
29g(6.49mmol)のG=2.0化合物と1
7.76g(206.3mmol)のMAとから26.
5gのG=2.5化合物を合成した。このように,参考
例2及び参考例3の工程を繰り返してG=5.0のスタ
ーバーストデンドリマー〔コア:トリス(2−アミノエ
チル)アミン,分子量=21,378,末端基=−NH
2 ,末端基の数=96個〕を合成した。
【0026】参考例5 〔硫酸化スターバーストデンド
リマーの合成〕 まず,2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパン
スルホン酸(AMPS,分子量=207.25)3.5
3g(17.0mmol)を蒸留水40ミリリットルに
溶解し,ヒドロキノン2.4mgを加えた後,氷冷下で
0.934gの無水炭酸ナトリウムを含む水溶液約20
ミリリットルを滴下して中和し,スルホン酸ナトリウム
塩の形とした。AMPSナトリウム塩水溶液の重量は1
00.82gであった。次に,参考例4で合成したスタ
ーバーストデンドリマー〔G=5.0,コア:トリス
(2−アミノエチル)アミン,分子量=21,378,
末端基=−NH2,末端基の数=96個〕0.85gを
蒸留水25.1gに溶解し,これに上記のAMPSナト
リウム塩水溶液43.8g(うち、AMPS1.53
g)を,氷冷下で混合した。2時間後に溶液の温度を3
5℃とし,その後1週間撹拌した。反応溶液は限外濾過
により精製した。硫酸化スターバーストデンドリマーの
収量は1.16g,反応率(AMPS付加率)は50%
(蛍光X線により測定)であった。
【0027】実施例1〜2,比較例1〜5 参考例5で合成した硫酸化スターバーストデンドリマー
1.11gを蒸留水に溶解し,5.39wt%水溶液と
した。この水溶液2.96ミリリットルを,3規定のH
ClでpH7.0に調整した後,蒸留水を追加して3.
5wt%水溶液とした。この硫酸化スターバーストデン
ドリマー水溶液3.5ミリリットルに,大過剰量のヒド
ロコルチゾン粉末を加えて24時間室温(20〜25
℃)で撹拌した。溶解せずに残っているヒドロコルチゾ
ンを遠心分離により除き,上清水溶液約3ミリリットル
を回収した。この水溶液のpHは7.0であった。この
水溶液の260nmにおける吸光度を測定したところ,
水溶液中のヒドロコルチゾンの濃度は2.05mMであ
った。なお,ヒドロコルチゾンのモル吸光係数は,ヒド
ロコルチゾンの希薄溶液を調製して実測した値(ε=
1.02×104 )を用いた。
【0028】次に,D.H.Ausprunkらの方法
〔アメリカン・ジャーナル・オブ・パソロジー(Am.
J.Pathol.)97巻,597頁,1975〕に
従い,血管新生阻害作用を検討した。すなわち,5日齢
の鶏受精卵の漿尿膜上に一定量の試料溶液を滴付し,2
日後の血管新生の様子を観察した。また,漿尿膜の大き
さを測定することにより,溶液の毒性を調べた。試料と
して,上記で調製した硫酸化スターバーストデンドリマ
ーとヒドロコルチゾンの混合溶液110μg(硫酸化ス
ターバーストデンドリマーの重量換算:実施例1)及び
350μg(硫酸化スターバーストデンドリマーの重量
換算:実施例2)を用いた。また,比較例として,ヒド
ロコルチゾンを含まない硫酸化スターバーストデンドリ
マー水溶液110μg(比較例1)及び350μg(比
較例2),ヒドロコルチゾンの飽和水溶液(比較例
3),硫酸化されていないスターバーストデンドリマー
の水溶液110μg(スターバーストデンドリマーの重
量換算:比較例4)及び350μg(スターバーストデ
ンドリマーの重量換算:比較例5)を用いた。その結果
を表1に示す。なお,表中の値は,それぞれの評価にあ
てはまる鶏受精卵の個数である。また,表中の4,3,
2,1,D,の評価は,サンプルで処理していない無処
理群と比較した血管新生の阻害度であり,各々0%
(4),10〜30%(3),30〜70%(2),7
0〜100%(1),の阻害率を,また,Dは死亡卵を
示している。大きさ(mm)は漿尿膜の長径と短径の平
均値を示している。
【0029】
【表1】
【0030】表1から,硫酸化スターバーストデンドリ
マー単独(比較例1,2),ヒドロコルチゾン単独(比
較例3),スターバーストデンドリマー単独(比較例
4,5)を用いた場合には血管新生阻害効果が充分でな
かったのに対して,硫酸化スターバーストデンドリマー
とヒドロコルチゾンとの混合物(実施例1,2)を用い
た場合は高い血管新生阻害効果が見られた。また、漿尿
膜の大きさが変化していないことから,硫酸化スターバ
ーストデンドリマーとヒドロコルチゾンとの混合物には
毒性がないことがわかる。
【0031】
【発明の効果】本発明の血管新生阻害剤は,優れた有効
性と安全性を有している。このため,悪性腫瘍の進行や
転移の阻止,あるいは種々の自己免疫疾患の治療と予防
を目的とする薬物療法等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるスターバーストデンドリマ
ーのG=0.0の場合の構造式図である。
【図2】本発明に用いられるスターバーストデンドリマ
ーのG=1.0の場合の構造式図である。
【図3】本発明に用いられるスターバーストデンドリマ
ーのG=2.0の場合の構造式図である。
【図4】本発明に用いられるスターバーストデンドリマ
ーのG=3.0の場合の構造式図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示され,末端にスル
    ホン酸基を有するスターバーストデンドリマーと,ヒド
    ロコルチゾンとを有効成分としてなることを特徴とする
    血管新生阻害剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記一般式(1)で示され,末端にスル
    ホン酸基を有するスターバーストデンドリマーのうち,
    C は−R−N<又は直接結合(Rは任意の官能基又は
    直接結合)であり,NC は3であり,Xi は直接結合で
    あり,Yiは−CH2 CH2 CONH−(CH2 n
    N< (nは整数)であり,Zi は直接結合であり,N
    i は2であり,Xt は直接結合である,ポリアミドアミ
    ン型スターバーストデンドリマーと,ヒドロコルチゾン
    とを有効成分としてなることを特徴とする血管新生阻害
    剤。 【化2】
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