JP3018046B2 - デキストラン由来の新規抗腫瘍物質 - Google Patents

デキストラン由来の新規抗腫瘍物質

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、腫瘍細胞の増殖(growth)を抑制する物質
(agent)及び抗腫瘍医薬(antitumor drugs)製造のた
めのそれらの使用に関する。
抗腫瘍活性を有する、各種の起源および組成の幾つか
の物質があるが、一方で現在存在する腫瘍が非常に多岐
に亘っていること、及び他方で健康な細胞(healthy ce
lls)に対するしばしば高い毒性により惹起される該物
質の副作用、並びに当該物質による治療に対する応答に
おける、各腫瘍毎に及び各個人毎に存在する可能性のあ
る相違点により、各症例に適用できる治療を可能にする
広範囲の抗腫瘍産物を入手可能にする必要がある。現在
のところ、抗腫瘍効果を有する幾つかの医薬がある(約
40の物質が現在このために使用されている)が、尚、そ
の有効性が不十分であるか又は予測性のない医薬が多す
ぎる。従って、新しい抗腫瘍剤の開発が、治療上非常に
重要である。
更に、例えばフランス特許第2、461、724号及びフラ
ンス特許第2、555、589号から、デキストランのような
ポリマーを、カルボキシル及びスルホネート基を備えた
側鎖で置換すると抗凝固作用がポリマーに付与されるこ
とが知られている。
本発明者らは、今般、カルボキシル及びスルホネート
基(carboxylic and sulfonate groups)を備えた側鎖
で置換されたある種のデキストランの新たな特性を確認
した。事実、該基でのあるレベルの置換を施すと、該置
換デキストランが腫瘍細胞の優れた増殖抑制剤であり、
しかも、健康な細胞の増殖に対してはほとんど又はまっ
たく影響を及ぼさないことを見出した。
本発明の主題は、カルボキシメチル基及びカルボキシ
メチルベンジルアミドスルホネート基(carboxymethylb
enzylamide sulfonate groups)で置換されたポリサッ
カライド鎖からなるデキストラン誘導体を含む、腫瘍細
胞の増殖を抑制する物質であって、該誘導体は一般式DX
CMYBSZで表され、該式中、 Xは、100サッカライド単位当たりの非置換サッカラ
イド単位の平均数を示し、 Yは、100サッカライド単位当たりのカルボキシメチ
ル基の平均数を示し、 Zは、100サッカライド単位当たりのカルボキシメチ
ルベンジルアミドスルホネート基の平均数を示し、 該剤においてXは50より小さいか又は50に等しく、Y
は10と90との間であり、Zは15と35との間である。
本発明の好ましい実施態様によれば、Xは11に等し
く、Yは60に等しく、Zは29に等しい。
本発明の他の好ましい実施態様によれば、Xは47に等
しく、Yは17に等しく、Zは24に等しい。
本発明の主題は、又、抗腫瘍医薬の製造のための上記
置換デキストランの使用でもある。
本発明は、製造例及び本発明抗腫瘍物質の使用に関す
る以下の追加の記載からより良く理解されるであろう。
しかしながら、これら例は本発明の主題を例示するた
めにのみ記載されるのであって、本発明を限定するもの
では決してないことを明確に理解すべきである。
実施例 I− 本発明の腫瘍細胞増殖抑制物質の製造 カルボキシメチルベンジルアミドスルホネート(DCMB
S)基で官能化(functionalized)されたデキストラン
を、マウザック(MAUZAC)らによる刊行物[バイオマテ
リアルズ(Biomaterials),3,(1982)]に記載の方法
に従って、即ち、次の3段階:デキストランのカルボキ
シメチル化、ベンジルアミンのカルボキシメチル基との
カップリング、及びカルボキシメチルベンジルアミドの
芳香環のスルホン化(sulfonation)で調製する。
カルボキシメチル(DCM)及びカルボキシメチルベン
ジルアミド(DCMB)基で官能化(functionalized)され
たデキストランも、それらの抗腫瘍活性を本発明の誘導
体のそれと比較すべく調製する。
官能化デキストランは、一般式DXCMYBZ′SZで表され
る。該式中、 Xは、100サッカライド単位当たりの非置換サッカラ
イド単位の平均数を示し、 Yは、100サッカライド単位当たりのカルボキシメチ
ル基の平均数を示し、 Z′は、100サッカライド単位当たりのカルボキシメ
チルベンジルアミド基の平均数を示し、 Zは、100サッカライド単位当たりのカルボキシメチ
ルベンジルアミドスルホネート基の平均数を示す。
本発明の官能化デキストランを製造するには、Xは50
より小さいか又は50に等しく、Yは10と90との間であ
り、Z′は5よりも大きくなく、Zは15と35との間であ
る。
これらの値は、デキストラン誘導体を調製するための
方法において各種パラメーターを変化させることにより
得られる;反応の各段階の条件を選択する方法を以下に
記載する。
a)カルボキシメチル化 この操作は、セルロースに関してカルボキシメチルセ
ルロースを得るために行われる反応から導き出されたも
ので、塩基性媒体中、冷時、モノクロロ酢酸ClCH2COOH
をデキストランDx(OH)に作用させることにより行わ
れる。カルボキシメチル化率Rは、反応媒体中に存在す
るデキストラン1単位当りの、該反応媒体中に導入され
たモノクロロ酢酸のモル数である。このカルボキシメチ
ル化率は、カルボキシメチル化反応を決定するが、デキ
ストランの場合、デキストランマクロモレキュラーチェ
インの分解(degrading)の危険性があるため、高いカ
ルボキシメチル化率を使用することはできない。従っ
て、所望の置換百分率(substitution percentage)が
高い場合、所望の置換百分率に到達させるには、低いR
値(3.5以下)でもって順次カルボキシメチル化を行う
ことが必須である。反応時間及び反応媒体の温度も、反
応収率、即ち100単位当たりのカルボキシメチル基を有
するデキストラン単位の数に影響を及ぼす。
60%のオーダーの反応収率が、R側=3.5の場合、50
℃の温度及び40分の反応時間で得られる。
これら反応条件を維持しながら、100%に近い置換百
分率を有するポリマーを製造するには、順次カルボキシ
メチル化を行うことが必須である。こうして、そのヒド
ロキシ官能基の二つの上に置換された単位の100%以上
の値が得られる。しかしながら、第3の合成段階から、
置換百分率の増加は、第3段階と第4段階との間では5
〜10%であるので、低くなる。
b)ベンジルアミンのカルボキシメチル基とのカップリ
ング: この慣用されている反応の原理は、第一級アミン官能
基を有する試薬の一つ(R−NH2)と反応できる不安定
な混合無水物を形成するカルボキシル官能基の能力に基
づく。一般に活性化反応と呼ばれる二つの異なった方法
を、混合無水物の形成に使用した: − クロル蟻酸イソブチル(CIB)の作用 − N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジ
ヒドロキノリン(EEDQ)の作用 CIBカップリング カップリングそのものは、第一級アミン、この場合ベ
ンジルアミンと不安定な混合無水物官能基との反応から
なる。
この反応は、水/ジメチルホルムアミド(DMF)混合
物中で行われる。水/DMFの50/50の容量比が、試薬の溶
解性の問題が最も少なく良好な収率を可能にするので、
選択された。維持されたモル比:CIB/−COOH,B/−COOH及
びNMM/−COOHは2に等しい。
活性比は、デキストランの沈殿を避けるためにpH3.5
で、非常に急速に且つ低温(−15℃で1分)で行うべき
である。なぜなら、非常に不安定な混合無水物は温度の
上昇により分解するからである。カップリング反応は、
−15℃で30分間、ついで、20℃で1時間行われる。反応
後、水を蒸発により反応媒体から除去し、生成物を沈殿
させ、精製する。こうして合成されたカルボキシメチル
ベンジルアミド−デキストラン(CMDB)について、置換
収率を向上するために第2及び/又は第3のカップリン
グを行なう。
EEDQカップリング この場合、ベンジルアミンカップリング段階は、水/
エタノール混合物中で、混合物の溶解性を確保するため
に行なう。水/エタノールの容量比1.2:1が選択され
る。
EEDQの溶液を、カルボキシメチルデキストランの水溶
液に継続的に撹拌しながら添加すべきである;pHを3.5〜
4.5に、HClの1M溶液を用いて維持する;撹拌を室温で約
30分維持する;しかしながら、もし、高い置換収率(30
%まで)を得たい場合には、操作を30〜40℃の温度で行
ない、中間体生成物の活性化を増大させるのが有利であ
る。
次いで、1容量のベンジルアミンを、必要に応じて事
前に約20℃に冷却した混合物に添加する。ベンジルアミ
ン/EEDQモル比は、1に等しい。見掛けのpHを9に近い
値に維持することによって、塩基性の媒体を維持し、こ
うしてカップリングを向上すべく、水酸化ナトリウムの
添加が反応中に必要である。この操作は、ガラス電極を
用いて、見掛けのpHを連続的に調整することにより行な
う。反応は、8〜17時間の間行なわれる。
双方のカップリング方法は、一つの工程で8〜12%に
近い同様な置換百分率を与える。EEDQカップリングの場
合、この収率は、中間体生成物の活性化を30〜40℃の温
度で行なうと、一つの工程で25〜30%もの高いものにな
る。
カルボキシメチル化と同様に、所望のベンジルアミン
置換百分率が高い場合、各種試薬の濃度を増加させるこ
とはできない。従って、反応収率を向上させるには順次
カップリングを行なうことが必要である。最初のカップ
リング後沈殿され、洗浄され、乾燥されたCMDBは、更に
第2及び/又は第3のカップリングに、第1のカップリ
ングの場合と全く同一の条件下で、第1のカップリング
による置換を考慮すること無く、供される。
c)芳香環のスルホン化 これは、無水有機媒体(例えばジクロロメタン)中、
不均一相(CMDBはジクロロメタンに不溶性である)で、
モノクロロスルホン酸をCMDBに作用させることにより得
られる。反応を過剰のモノクロロスルホン酸中で、しか
しながら、一方でポリサッカライド鎖の酸加水分解及び
他方でグルコシル(glucosyl)単位により保有されてい
るヒドロキシ官能基のスルホン化(これによりスルフェ
ート官能基が生じる)の危険性にさらすことなく、行な
う必要がある。ベンジルアミドのモル濃度[ベンジルア
ミド]が、スルホン化反応を受けるポリマーに固定され
たベンジルアミドのモル濃度である場合、R′=[HSO3
Cl]/[ベンジルアミド]のモル比は、3に等しくする
べきである。反応媒体中のクロロスルホン酸濃度は、0.
15Mを越えるべきではない。
これらの条件下、スルホネート官能基を有する単位の
百分率は、ベンジルアミド基により置換された単位の百
分率に依存する。
事実、デキストランがベンジルアミド官能基に富んで
いればいるほど、スルホン化収率は高くなる。従って、
スルホン化反応が行なわれるCMDBが、ベンジルアミド官
能基を有する35%に近いサッカライド単位を有する場合
は、スルホネート官能基を有する単位の百分率が35%の
誘導体を得ることができる。
事実、上記に記載の濃度条件下、スルホネート官能基
は、好ましくはベンジルアミド官能基の芳香核(nucle
i)上に固定され、且つデキストラン環中に存在するヒ
ドロキシル官能基上には固定されない。
第2又は第3を越える連続したスルホン化は、場合に
依存して、置換収率を改善しないが、一方ポリマーの分
解を引き起こす。
II −腫瘍細胞株(ヒト軟骨肉腫由来の“軟骨細胞”)
の増殖に対する本発明の抗腫瘍物質と種々のポリサッカ
ライド誘導体との効果の比較 本発明の抗腫瘍物質の効果を、一方では、硫酸化され
ていないポリサッカライド:天然デキストランT40及び
タイプCMB修飾されたデキストランのそれ、及び他方で
は、硫酸化されたポリサッカライド:ヘプリンのそれ及
び最後にスルホネート基によって置換されているサッカ
ライド単位を15%未満有しているDCMBSタイプの誘導体
のそれと比較して研究した。
A)DNA合成の研究の方法 DNA合成の研究は放射標識された化合物:トリチウム
化チミジンによって行われる。そのために、正常及び腫
瘍の軟骨細胞に適した方法が開発された。
試験は96ウエル培養プレート中で行われる。細胞を、
10%FCS(牛胎児血清)の存在下、20,000細胞/mlの濃度
で接種する。この細胞懸濁液200μlを、ウエルの中に
入れる。7〜10日間後、細胞がコンフルエント(conflu
ent)になると、徐々に血清を欠乏させる(こうして培
地中0.1%の血清濃度に到達させる)。試験物質を、ト
リチウム化チミジン(1μCi/ウエル)と共に、種々の
濃度でウエルに添加する。取り込みは48時間続く。試験
した各量を8〜10ウエルで研究する。取り込み後、細胞
層を、燐酸バッファー溶液(PBS)で洗浄し、5%メタ
ノールの存在下5分間2回固定させ、200μlのPBSで4
回洗浄後、5%トリクロロ酢酸(TCA)の存在下4℃で1
0分間2回沈殿させる。最後の洗浄の後、細胞層を200μ
lの0.3MNaOH溶液に溶解させる。200μlを取りだし、5
mlのシンチレーション液を含むシンチレーションチュー
ブに移す。チューブ内の放射活性をシンチレーションカ
ウンターで測定する。
B)細胞増殖に対する種々のポリサッカライド誘導体の
効果の研究 0.5%及び5%の2種の牛胎児血清濃度での効果を、
平行して研究した。
1)フリーのスルフェート官能基を有しない誘導体: 実施例1(比較例):デキストランT40の効果(第1
図) トリチウム化チミジンの取り込みの10%抑制(p<0.
05)が、低FCS濃度(0.5%)(○)の存在下、高い濃度
(>20μg/ml)で観察される。
実施例2(比較例):置換デキストランD0C84B21S0の効
果(●)(第2図) 取り込みの約10%の刺激(p<0.05)が、D0CM84B21S
0の20及び200ng/mlの濃度において、5%FCSの存在下観
察され、2μg/mlでは25%(p<0.01)の刺激が観察さ
れる。取り込みはより高い濃度では変化しない。
低い血清濃度(0.5%)(○)の存在下では、約10%
の刺激(p<0.05)が、20ng/ml以上のD0CM84B21S0の濃
度で観察される。
2)フリーのスルフェート及びスルファメート官能基を
有する誘導体 実施例3(比較例):ヘパリンの効果 第3図に腫瘍軟骨細胞(タイプII)に対するヘパリン
H108(アンスティテュ チョアイ(INSTITUT CHOAY)提
供)の効果を示す。ヘパリンの存在下、試験した濃度に
関係なく、取り込みについてほとんど変化は観察されな
い。高濃度(100〜400μg/ml)の場合にのみ、5%
(●)FCSの存在下、約10%(p<0.02)取り込みが減
少する。
3)スルホネート官能基を有するデキストラン誘導体 実施例4(比較例):置換デキストランD6CM76B0S14
効果(第4図) 取り込みの15%刺激(p<0.01)が、2μg/mlに等し
い置換デキストラン濃度について、5%(●)のFCSの
存在下で観察される。上記、及び置換デキストラン濃度
100〜200μg/mlについて、60%(p<0.001)抑制が観
察され、最大値は置換デキストラン濃度400μg/mlの存
在下で75%(p<0.001)である。
0.5%FCS(○)の存在下では、まず活性化、次いで15
%(p<0.05)のオーダーの若干の抑制が2μg/mlの供
試誘導体の存在下で観察される。この抑制は、20μg/ml
では30%(p<0.001)であり、100及び200μg/mlでは5
3(p<0.001)である。
実施例5:本発明置換デキストランD11CM60B0S29の効果
(第5図) 5%のFCS(●)の存在下で、取り込みの若干の刺激
(10%)(p<0.10)(N.S.)が、2μg/mlの置換デキ
ストラン濃度について、観察され、次いで抑制が観察さ
れる。抑制は、100μg/mlでは20%(p<0.01)であり;
200μg/mlでは60%(p<0.001)であり;400μg/mlでは
75%(p<0.001)である。
0.5%(○)の血清の存在下では、2μg/mlの濃度ま
では増殖の点で変化は観察されない。これに対して、50
%抑制(p<0.001)が20μg/mlの供試誘導体の存在下
で観察され;この抑制は試験した最高濃度において実質
上不変のままである。
結論 ヘパリン及び天然デキストランT40は、使用した誘導
体の濃度にかかわりなく腫瘍“軟骨細胞”に関してチミ
ジン取り込みの変化をほとんど誘発しない。
2μg/ml濃度のD0CM84B21S0の存在下では、DNA合成の
25%刺激が認められる。
DCMBSタイプの置換誘導体の存在下及び5%FCSの存在
下では、チミジン取り込みの若干の刺激が2μg/mlの濃
度について常に観察される。該刺激は、D6CM76B0S14
ついては15%であり、一方、D11CM60B0S29については有
意限界(significance limit)上にある10%に過ぎな
い。20μg/mlよりも大きいか又は20μg/mlに等しい濃度
では、高度に有意な抑制(p<0.001)が観察され、そ
の最大値はD11CM60B0S29の場合75%である。
0.5%FCSの存在下では、D11CM60B0S29及びD6CM76B0S
14の効果は、非常に異なっている。実際、D6CM76B0S14
の低い濃度では、細胞増殖の活性化が観察される。この
活性化は、D11CM60B0S29の場合、これらと同じ低い濃度
では、まったく観察されない。しかも、濃度20μg/mlに
おいて観察される抑制は、D11CM60B0S29の場合のほうが
大きい。
III−ヒト起源の非腫瘍細胞株(軟骨細胞及び皮膚線維
芽細胞(CHONDROCYTES AND SKIN FIBROBLASTS))に対
する本発明抗腫瘍物質(ANTITUMOR AGENTS)の効果の試
験 実施例6:正常な軟骨細胞に対する本発明の抗腫瘍物質の
効果 D6CM76B0S14誘導体と並行して、本発明のD11CM60B0S2
誘導体を、正常なヒト大腿骨頭(femoral head)由来の
軟骨細胞について試験した。結果は、試験した両誘導体
について同一である。第6図に、D6CM76B0S14の効果を
示す。トリチウム標識チミジンの取込みは、2μg/ml〜
20μg/mlの濃度についてほとんど変化しない。100μg/m
lの濃度については、取り込みの抑制は5%FCS存在下で
36%(p<0.001)であり、200及び400μg/mlの濃度で
は51%(p<0.001)に到達する。0.5%FCS(○)の場
合、抑制レベルは、25%(p<0.01)のオーダーであ
る。
実施例7:皮膚線維芽細胞に対する本発明の抗腫瘍物質の
効果 D11CM60B0S29及びD6CM76B0S14誘導体の効果を皮膚線
維芽細胞に関して試験した。
第7図にD6CM76B0S14の効果を示す。
正常軟骨細胞の場合と同様に、該2つの誘導体の効果
は同一であり;トリチウム標識チミジンの取込みは、2
〜20μg/mlの範囲の誘導体の濃度についてほとんど変化
せず、これは試験した二つの血清濃度、5%(●)及び
0.5%(○)の存在下である。両誘導体の高い濃度(100
〜400μg/ml)では、抑制レベルは、約50%(p<0.00
1)である。
結論 本発明の抗腫瘍物質の作用に対する正常及び腫瘍性ヒ
ト細胞株の感受性は、非常に異なる。正常な軟骨細胞及
び線維芽細胞株についての抑制レベルは50%以下であ
り、これは、本発明の誘導体の非常に高い濃度について
であり、一方、腫瘍軟骨細胞に対する最大抑制は遥かに
低い濃度で75%である。
IV−本発明の誘導体の存在下での腫瘍細胞の増殖の抑制 実施例8:タイプIIヒト軟骨肉腫細胞を、一方で5%FCS
(●)の存在下で(対照)、並行して、5%FCS(□)
及び200μg/mlの濃度のD11CM60B0S29の存在下で、2−c
m24−キュープールプレート(4−cupule plates)中に
接種する。培地を3日毎に交換する。第8図に示すよう
に、細胞はD11CM60B0S29の存在下では休止(quiescen
t)しているが、一方で、D11CM60B0S29が12日後に培地
から除去される場合(○)、細胞増殖が再開し、従っ
て、このことから、D11CM60B0S29の効果は可逆的である
ことが判る。
結論 D11CM60B0S29の濃度が200μg/mlにおいて、チミジン
の取り込みが75%だけ抑制されるのが観察されるが、細
胞増殖は完全に抑制される。D11CM60B0S29によるこの抑
制は、これが完全に可逆的であることより、細胞毒性
(cytotoxic)ではない。
実施例9:置換されたデキストランの抑制作用を証明する
ために、該誘導体を、分化したヒト軟骨肉腫と同様の軟
骨肉腫、即ち、移植可能な実験室ラット(laboratory r
at)の軟骨肉腫の発生について試験した。この実験はイ
ンビボで行った。
この軟骨肉腫は、約3か月齢のラットに移植する(こ
の腫瘍の小さな断片を、滅菌条件下、動物の側面の皮内
に移植する。)。10匹の動物の数シリーズを使用した。
次いで、腫瘍が直径約20mmに達したとき、置換デキス
トランの溶液を、腫瘍の周辺部に注射する。
置換デキストランの注射を受けた腫瘍領域において早
くない発達が観察されるという意味において、コントロ
ールと比較して、腫瘍の全体の増殖が減少される。
我々は、その後、軟骨肉腫の周辺部への注射の前に、
置換デキストランの溶液に、マイクロナイズしたチャコ
ールを添加することによって、その効果を、視覚化する
ようにした。このような条件下、注射を受けた腫瘍区域
は、容易に所在を突き止めることができる。こうして、
成長が減少した腫瘍区域が、置換デキストラン注射を受
けたそれに対応していることを観察することができる。
上述から明らかなように、本発明は,より明確に記載
した実施例、態様及び適用に全く限定されない;それど
ころか、それは、本発明の視野または範囲から外れるこ
と無く、この分野の専門家が考えるであろうすべての変
更を包含する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アルマン マリー―フランソワーズ フランス国 33000 ボルドー リュ ベリュール 26 (72)発明者 スラウィ ファウズィ モロッコ国 メクネス ブルバール モ アメッド サンク 23 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08B 37/02 A61K 31/725

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシメチル基及びカルボキシメチル
    ベンジルアミドスルホネート基で置換されたポリサッカ
    ライド鎖からなるデキストラン誘導体であって、該誘導
    体が一般式DXCMYBSZで表され、該式中、 Xは、100サッカライド単位当たりの非置換サッカライ
    ド単位の平均数を示し、 Yは、100サッカライド単位当たりのカルボキシメチル
    基の平均数を示し、 Zは、100サッカライド単位当たりのカルボキシメチル
    ベンジルアミドスルホネート基の平均数を示し、 Xは50より小さいか又は50に等しく、Yは10と90との間
    であり、Zは15と35との間であるデキストラン誘導体
    の、腫瘍細胞増殖−抑制物質の製造のための使用。
  2. 【請求項2】上述の式DXCMYBSZにおいて、Xは11に等し
    く、Yが60に等しく、Zが29に等しい、腫瘍細胞増殖−
    抑制物質として使用するデキストラン誘導体。
  3. 【請求項3】上述の式DXCMYBSZにおいて、Xが47に等し
    く、Yが17に等しく、Zが24に等しい、腫瘍細胞増殖−
    抑制物質として使用するデキストラン誘導体。
  4. 【請求項4】活性成分として、請求項2又は3のいずれ
    かに記載のデキストラン誘導体を含有する薬剤。
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