JP4256475B2 - 抗増殖活性を有する新規な酪酸エステルおよびこれを含む薬剤組成物 - Google Patents
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Description
本発明は高い抗増殖活性を有する新規な部分的あるいは全体的な多糖類の酪酸エステルに関する。これらのエステルは腫瘍および滑液疾患のような異常細胞増殖により特徴付けられる疾患の治療および予防に治療的効果を有する。
技術説明
多くのクラスの多糖類の生物学的活性は種々の病理の治療のための薬剤としての使用に関して十分に研究された。治療で使用される多糖類の中で、低あるいは高分子量のヘパリンは抗凝血剤として知られている。一方、デキストランは血漿増量剤としての使用が良く知られている。
近年、多糖化合物の新規な生物学的活性が明らかにされ、これらの多糖類の医薬における広範な使用が予測可能になった。現在使用されている薬剤の活性化合物を構成する多糖類の中で、リンパ球の増殖を阻害し得るので、骨関節症および他の病理の治療において使用されるヒアルロン酸(G.F.Peluso氏等、「Current Therapeutic Research」47(3)巻、437〜443頁、3月、1990年)および幾つかの腫瘍の治療において免疫促進剤として使用される(Eric J.Lien,Prog.Drug.Disc.,34:395〜420、1990)スクレログロカン(Sizofiran(登録商標)と称される処方の活性化合物として市販されている)は挙げるに値する。
さらに、自然の多糖の薬剤はある種の腫瘍の治療に使用される例えばペントサンポリ硫酸塩および治療段階および外科後の癒着の予防おいて補助剤として使用されるヒアルロン酸誘導体のような診療の発達を前進させるものも知られている。
最近、多糖類の新たな薬理的使用の研究の成果として特別な関連性が生じた。
多糖類の幾つかのグループが示す多くの薬理的活性の中で、腫瘍細胞の細胞系の発達を阻害できるので、抗増殖活性があるためそれらを抗腫瘍剤として使用する可能性が得られる(A.Misaki等、「Carbohydrate Research」92(1981):115〜192)。
酪酸は自然的起源で無毒性の化合物であり、食物の中におよび複雑な炭水化物の細菌発酵の生成物として腹部の腸管中に普通に存在する。薬理的観点から、この化合物は、細胞成長を阻害することによりおよび多種多様の腫瘍細胞の分化を誘導することにより、抗増殖活性を及ぼす。このことは、異なる細胞系のインビボおよびインビトロで実験試験を行うことにより広く示される。酪酸の分化活性の基礎になる細胞および分子機構はこれまで完全には解明されていない。
特に、酪酸のナトリウム塩は細胞分化のインデューサーとして知られている(A.LederおよびP.Leder,「Cell」5:319,1975)。しかし、良好な抗増殖性を有していても、酪酸のナトリウム塩は非常に短い半減期という欠点を有しているため、これまで使用がインビボに制限されており、治療効果をあげるのに十分な血漿濃度を得ることが困難なため、薬剤としての使用の可能性はなかった。実際問題として、一旦静脈ルートで投与すると、活性化合物は代謝されるまでにほんの5〜6分循環するに過ぎない。
この欠点を克服するために幾つかの試みがなされ、化学的試みはエステル化により分子を安定化させ、低下を遅らせ、生物的活性を延ばすことを試みた。酪酸の簡単なエステルが実際知られており、この中で、酪酸フェニルは、前立腺癌モデル(「Proceedings of the American Association for Cancer Research」37巻、3月、1996年、498頁)および他の腫瘍において抗増殖活性を及ぼし得る。この場合、エステル化は、活性化合物を、標的の器官において加水分解によりゆっくり酪酸を放出するプロドラッグに転化することにより、単に活性化合物の血漿中の半減期をのばすことを目的とした。しかし、これらのエステルの活性は、活性化合物の生物学的利用能が低いため、遊離酸形態の活性より常に低いことがわかり、この方向で良い結果は得られない。
酪酸のエステル化およびその化学構造の改変に代わる興味あるものとしては、活性低下を良好に保護するリポソームのカプセル化およびより高濃度での活性化合物自体の運搬物化(vehicolation)である(G.Storm等、「Biotherapy」3:25、1991)。この場合においても、その結果はリポソーム小胞の捕捉効力が低いために、これまでのところ全体的には満足のいくものではなかった。
概要
出願人は陰性および中性両方の新規な多糖類誘導体を調製した。それは異常な細胞増殖を、相当する未改変の多糖(以降、「元の多糖」という)に比べ遥かに高程度に阻害することが可能である。したがって、本発明が目的とするのは、新規な分類の多糖類の酪酸エステルである。これらの酪酸エステルはグリコシド環の炭素原子上に低級アルキル基、−NH2,−NH−COR,−OSO3H,−OPO3H2,−COOH,−COO−(CH2)n−COOH,−COOR,−COR,−ORおよび−O−(CH2)n−O−COR(ここで、n=1〜4およびR=C1〜C10のアルキル基である)からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基を有することが可能である。これらの多糖類のヒドロキシル基は部分的にあるいは全体的に酪酸残基でエステル化されており、グリコシド残基の付加的な遊離なヒドロキシル基はジカルボン酸残基でエステル化可能である。好ましくは、酪酸残基でエステル化されたヒドロキシル基の、各グリコシド単量体に対する数が0.001より多い。
本発明がさらに目的とするのは、前記酪酸エステルの調製法であって、前記多糖類を酪酸あるいは活性化形態の酪酸で、可能な適当な溶媒および/または適当な触媒の存在下で処理することを含んで構成される方法である。
さらに、本発明は、前記酪酸エステルを抗増殖試薬として使用することに関し、また、少なくとも1つの上記酪酸エステルを活性化合物として治療に効果的な量で、薬剤的に許容される賦形剤および/または溶媒と組み合わせて含む新規な薬剤組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明にかかる実施例3,4および7〜9における化合物の抗増殖活性に関して、試供化合物の濃度の関数として腫瘍細胞増殖の阻害百分率を立証することにより、上記報告の数値をグラフの形態で示す([化合物のmg]/[溶液全体のml]として表示)。
図2は試供化合物の濃度に対する細胞成長の阻害百分率を例示して、上記報告の数値を示す。
これらの数値は、多糖類の酪酸エステル化がそれらの成分の混合物により示される活性に比べて非常に高い抗増殖活性を示すことができることを表している。
図3はMDA−MB231細胞系の成長における実施例3および4の酪酸エステルの抗増殖効果を、6日間処理後のものについて示す。比較用に、同じ濃度および実験条件における酪酸ナトリウムを使用した場合の効果も示す。ダイヤグラムは試供化合物の濃度に対する細胞成長の阻害百分率を示す([mM]モル濃度は試供化合物における酪酸塩の濃度を表す。)。
発明の詳細な説明
本発明にかかる新規な多糖類の酪酸エステル、調製手順、治療的使用、これらの酪酸エステルを含む薬剤組成物についての特徴および利点は以下の詳細な説明により明確になる。
本発明にかかる新規な酪酸エステルは全体的か部分的に酪酸化された多糖類により構成され、この酪酸残基によりエステル化されたヒドロキシル基の数は各グリコシド単量体に対して好ましくは0.001より多い。酪酸残基は全重量の1〜10重量%の範囲をとることができ、置換の程度(DS)は好ましくは0.001〜3、より好ましくは0.01〜1である。「置換の程度(DS)」の用語は、多糖類の各グリコシド単量体に対する変性ヒドロキシル基の数を表す。
前記多糖類のグリコシド残基の可能な付加的な遊離なヒドロキシル基はC2〜C9のジカルボン酸でエステル化でき、そのジカルボン酸は好ましくはコハク酸、酒石酸、リンゴ酸、およびアゼライン酸からなる群から選択される。
前記酪酸エステルは平均分子量が好ましくは2×103ドルトンより高く、より好ましくは1×104〜5×106ドルトンである。
「多糖類」の用語は自然の多糖の化合物を表し、好ましくは天然であり、すなわち、細菌、真菌、地衣、高等植物、藻類、微小藻類、および甲殻類の動物等の天然の起源の原料から単離された多糖類を表す。または、前記自然の多糖類は当業者が知っているような動物(例えば、ロースターコウム(roaster comb)、およびヒト原料(例えば、へその緒)から得ることができる。
前記多糖類は直線状あるいは分岐状のいずれかであり得、主骨格およびその可能な側鎖は好ましくはD−グルコース、D−リボース、D−グロース、D−キシロース、D−アラビノース、D−およびL−マンノース、D−ガラクトース、L−フコース、L−ラムノース、D−ウロン酸、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、およびD−ガラクツロン酸からなる群から選択されるグリコシド残基を含む。
前記多糖の主骨格はβ−(1→3)またはβ−(1→4)−D−グリコシド結合、または、より好ましくはグルコシド結合、または、α−(1→3)またはα−(1→4)またはα−(1→6)グリコシド結合を有する。
側鎖は好ましくはβ−(1→3)、β−(1→4)、β−(1→6)またはα−(1→4)配置で結合された単一D−グリコシド残基からなり、より好ましくはβ(1→6)グルコシル残基からなる。
前記多糖はβ−(1→3)−D−グルカンであり得、「グルカン」の用語はβ−(1→3)−D−グルコピラノース残基を有する直線状の多糖を表す。前記多糖類は(1→6)側鎖を有するβ−(1→3)−D−グルカンであり得、好ましくは主鎖の3つのグルコシド単位毎にβ−(1→6)−D−グルコピラノシド側鎖を有するβ−(1→3)−D−グルコピラノシド直鎖の主骨格を有するスクレログルカン、レンチナン(lentinan)(β−(1→3)−D−グルコシド結合)、パチマラン(pachimaran)(β−(1→3)−D−グルコシド結合)、クルドラン(curdlan)(β−(1→3)−D−グルコシド結合)、プルラン(pullulan)(α−(1→3)およびα−(1→6)−D−グルコシド結合)からなる群から選択される。これらのグルカンの分子量は好ましくは1×104〜1×106の範囲である。
さらに、前記多糖類は糖残基の炭素原子上に、低級アルキル基、−NH2,−NH−COR,−OSO3H,−OPO3H2,−COOH,−COO−(CH2)n−COOH,−COOR,−COR,−ORおよび−O−(CH2)n−O−COR(ここで、n=1〜4およびR=C1〜C10のアルキル基である)からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基を有することができる。この場合、本発明の酪酸エステルはアルカリ金属(好ましくはNaおよびK)、アルカリ土類金属(好ましくはCaおよびMg)および遷移金属(好ましくはCu、Zn、Ag、およびAu)の陽イオンで塩化することができる。この変性多糖類はこの技術分野において知られる方法にしたがって、自然の多糖類の化学的な改変により得ることができる。
カルボキシル化した多糖類の中で、D−N−アセチル−グルコサミンおよびD−グルクロン酸の変性残基からなるヒアルロン酸を有利に使用できる。ヒアルロン酸の分子量は1×104〜2×106の範囲である。
ペクチンは本発明において使用できるカルボキシル化した多糖類の別の例である。ペクチンは主にD−ガラクツロン酸またはD−ガラクトースからなるカルボキシル化した多糖である。ペクチンのカルボキシル基は部分的にメチルエステルの形態で存在し得る。ペクチンの分子量は2×104〜4×105の範囲である。
本発明において使用できるさらに別の多糖類はアルギン酸であり、(1→4)−α−L−グルロン酸およびβ−D−マンヌロン酸からなり、好ましくは1×104より高い分子量を有し、好ましくは105〜106の範囲である。他の例はヘパリン、ヘパリノイド、およびカラゲナンである(藻類の硫酸化した多糖類)。
本発明にかかる酪酸エステルを得るのに特に適した自然の多糖類は海の藻類から単離された硫酸化多糖、すなわち、ムカデノリ ドリホラ(Grateloupia doryphora)(グレイトルピアシー(Grateloupiacee)科に属する)である。また、(1→3)結合を有するD−ガラクトース残基および2、3および/または6位の硫酸化残基を持ったグレイトルピアシー種の他の藻類から得られた他の自然の多糖類を有利に使用できる。前記多糖類の分子量は好ましくは1×104〜5×106の範囲である。
本発明にかかる酪酸エステルの調製の工程では、天然の起源の原料から容易に単離でき、多量に見つけられる原料である多糖類源として自然の多糖類を好ましくは使用する。本発明の化合物は均一系および不均一系の両方の条件下で、可能な触媒の存在下でエステル化反応を用いて調製できる。
エステル化は酪酸または例えば相当するエステル、無水物およびアシルハライドのようなその活性な形態の化合物を使用することにより行うことができる。
上記エステル化反応の結果、適当な温度および反応時間で操作することにより、および試薬間で適当なモル比を使用することにより、種々の置換の程度(DS)の酪酸エステルを得ることができる。
本発明にかかる多糖類の酪酸エステルは高い抗増殖活性を示し、異常な細胞増殖により特徴付けられる疾病の治療に役立つ。
これらの疾病の例は腫瘍により代表され、したがって、本発明の化合物は腫瘍の治療と予防に役立つ。腫瘍の予防的な治療は炎症性の腸疾患、憩室症、クローン病、炎症性の大腸炎、潰瘍性の大腸炎のような腫瘍性の変性に感受性の治療条件に拡大され、これらの疾患の腫瘍性の変性の可能性は先行技術において知られている(参照:J.Cell.Biochem.Suppl.,1992,16G:47-50;Dis.Colon Rectum,1991,34(2),174-180)。
別の適用の例は、滑液細胞増殖の治療により代表される。この条件はリウマチ様の関節炎、若年の関節炎、乾せん性関節炎のような多数の関節の疾患にある。滑液細胞の増殖の結果、関節の軟骨、骨、健の変性に至る(J.Immunol.1993,151(9),4908-4917)。本発明の化合物は滑液細胞の増殖を効果的に元に戻すことができ、こうして、上記異常の発現を抑えることができる。
例えば、乾せん、角化症、前立腺の増殖症のような異常な細胞増殖により特徴付けられる別の条件は本発明の化合物を使用することにより治療および予防できる。
上記酪酸エステルについて、経口か非経口、局在か経皮性のいずれかの全身性の投与が好ましい。前記エステルは好ましくは口、静脈内、腹腔内、関節内、筋肉内、直腸内、膣内を投与経路として投与される。
治療的に効果的な投与量は病状の重大さのみならず投与経路にしたがって変わる。さらに、患者の年齢、体重、全体的な健康状態に関しても変わる。
治療的に効果的な投与量は好ましくは1〜15日間、0.2〜500mg/kg/日の範囲で変わる。
静脈注射の場合、前記酪酸エステルは好ましくは8〜12日間、0.2〜50mg/kg/日の範囲の投与量である。腹腔内に注射される場合は、前記酪酸エステルは好ましくは溶液あるいは水懸濁液の形態で投与され、より好ましくは生理的な緩衝液中で、1〜100mg/kg/日の投与量でさらに好ましくは10〜50mg/kg/日の投与量で8〜12日間である。最終的に、経口投与では、前記酪酸エステルは好ましくは300〜500mg/kg/日の量で、8〜12日間投与される。
本発明の新規な酪酸エステルは、多糖類の糖残基の遊離なヒドロキシル基を酪酸で部分的にあるいは全体的にエステル化することにより得られ、抗増殖活性の技術分野で知られている元の多糖類および酪酸の抗増殖活性を著しく増加させることが明らかになった。本発明の新規な酪酸エステルにより現される抗増殖活性は両成分の効果の理論的合計より遥かに高く、互いにエステル結合で結びつく酪酸と多糖類の活性の共同作用が予期できない程優れていることが証明された。したがって、この新規な誘導体は、この技術分野で知られている酪酸の半減期を延ばすプロドラッグとして単に使用される酪酸の単純なエステルとは違っている。
以下に示す例において、本発明の新規な酪酸エステルの生物学的活性および抗増殖活性を幾つかの腫瘍系において試験した。
最終的に、本発明は、少なくとも1つの本発明の酪酸エステルを治療的に効果的な量で含む新規な薬剤組成物を含む。これらの薬剤組成物は好ましくは全身性、静脈内、腹腔内、関節内、皮下、または筋肉内投与用に注射可能な溶液または懸濁液の形態である。この場合、処方は適当な希釈剤中の親液物質の形態で本発明のエステルの溶解または懸濁により、使用の直前に調製可能である。
経口の投与に対しては、ゲル等の半固体形態のみならず顆粒、錠剤、丸薬、およびカプセル等の固体製剤が好ましい。さらに、上記の処方は、多剤化学療法のプロトコールにおいて使用できる例えば5−フルオロウラシル、シスプラチン、およびシクロホスファミド等の普通の診療で使用する他の抗腫瘍薬剤と組み合わせて前記酪酸エステルを含ませることができる。
本発明にかかる前記酪酸エステルの調製および活性の例を以下に例示するが、本発明を限定するものではない。
実施例1
ムカデノリドリホラから硫酸化多糖の単離
北アドリア海で採集した5gのムカデノリドリホラ(乾燥粉砕形態)を500mlのMilli−Q(登録商標)水で16時間、25℃で懸濁した。この抽出混合物を1.2μmのガラス繊維膜を通して真空中で濾過した。得られた溶液を液体窒素で凍結し、その後、乾燥し、2gの最終品を得た。ムカデノリドリホラから得られた硫酸化多糖の物理化学的特徴は以下のとおりである。
分子量の決定:得られた多糖の分子量を以下の方法で決定した。20mgの多糖を秤量して10mlフラスコ中に入れた。このフラスコを0.15MのNaClで全体積の2/3まで満たし、この溶液を室温で磁石で攪拌し、完全に溶解し、その後、0.15MのNaClを10mlの全体積まで最終的に添加した。その後、得られた溶液を0.45μmのフィルタ(MILLEXD濾過装置、Millipore,cod.SLHA025NB,1996)で濾過した。これを直接サイズ排除クロマトグラフカラムの装置に注入した(TSK−G600PWX1、TSK−G500PWX1およびTSK−G3000PWX1、それぞれTosohaas,cod.08024、08023および08021、1995)。その後、カラムから溶出した分画の分子量をR1410(Waters)屈折率により求めた。
分子量および分子量分布の決定のために、「ブロードスタンダード」検量線(標準多糖に基づく)を使用した。補足・計算装置(Chromstar,Rev.3.13,Bruker Spectro)を両立式のPC486IBMで実行した。多糖の平均分子量は251.000、屈折率および多分散率は4.2あった。
1H−NMR:上記のようにして得られた多糖の構造をNMRにより検定した。以下の繰り返し二量体構造を同定した。
3→[O−β−D−ガラクトピラノシル−4−スルフェート−(1→4)−O−α−D−ガラクトピラノシル−3,6−アンヒドロ]→1;
3→[O−β−D−ガラクトピラノシル−4−スルフェート−(1→4)−O−α−D−ガラクトピラノシル−3,6−アンヒドロ−2−スルフェート]→1;
3→[O−β−D−ガラクトピラノシル−4−(1→4)−O−α−D−ガラクトピラノシル−3,6−アンヒドロ]→1;
3→[O−β−D−ガラクトピラノシル−4−(1→4)−O−α−L−ガラクトピラノシル−3,6−アンヒドロ]→1。
硫酸化度の決定:上記のように得られた多糖の硫酸化度を以下の比色法にしたがって決定した。
Milli−Q(登録商標)水を使用した。
10mlの水中2M酢酸、2mlの水中0..01MBaCl2・2H2Oおよび8mlの水中0.02MNaHCO3を混合し、最後に無水EtOHを100mlまで加えて、A試薬(BaCl2の緩衝液)を得た。
5mgのロジゾン酸ナトリウム(Fluka,cod.71940,1995)を20mlの水に溶解し、100mgのアスコルビン酸を添加し、無水EtOHを100mlまで加えて、B試薬(ロジゾン酸ナトリウムの溶液)を調製した。試薬溶液AおよびBを使用前に30分間暗中に置いた。化合物中に存在する硫酸塩の量を決定するために、H2SO4において96%までのSO4 2-の適当な標準溶液および水で調製したブランク溶液を使用した。2mlの無水EtOH、1mlの試薬Aおよび1.5mlの試薬Bを、SO4 2-の標準溶液およびブランク溶液と混合することにより、検量線を得た。攪拌後、得られた溶液を室温で10分間暗中に置いた。その後、ブランクをゼロと見なして、UV−VIS CARY 3Eスペクトロメーター(Varian)により、520nmにおいて吸収を記録した。
多糖中の硫酸基の定量分析を行う前に、多糖について加水分解を行った。1mlのHCl中3.00mgの多糖を入れたパイレックスガラスのベークライトシールドの試験管を4時間、120℃でオーブン中に置き、完全に硫酸基を加水分解した。
幾つかの測定について種々の時間加水分解を行い、3〜4時間加熱を延ばすことにより硫酸基を完全に加水分解できることが明らかになった。
このような時間の後、試料をロータリーエバポレターに移した。HClを除去するために浴温度を約50℃に維持した。その後、得られた溶液に水を添加して、最終濃度2mg/mlの加水分解試料を得た。
加水分解試料を試薬AおよびBで処理した後、検量線で使用した硫酸化試料に対して記載したように、520nmにおける吸収を読み、硫酸の量を検量線の角度係数を使用して決定した。
上記分析により、硫酸基の量は31%w/wであった。
実施例2
置換の程度、DS:0.08のヒアルロン酸の酪酸エステルの調製
0.2gのヒアルロン酸(4×104MW)を秤量して、攪拌装置を備えた250mlの丸底フラスコに入れ、25mlの脱イオン水に溶かした。この溶液を0.23mlのHClで酸性化し、5分後、0.132mlのコリジンを添加した。5分後、この溶液を真空下で約15mlの体積にまで濃縮した。その後、60mlの無水DMFを添加し、この系を初期体積の約40%にまで濃縮した。この最後の2段階をさらにもう1回繰り返した。この混合物を40mlのDMFで希釈し、0.2mlのピリジンおよび0.163mlの酪酸無水物を添加した。この反応を室温で行い、18時間で停止した。この溶液を真空下で濃縮し、その後、50mlの脱イオン水を添加した。その後、溶液のpHを約6.5〜7にNaHCO3水溶液で調整し、脱イオン水に対して透析した(4×2l)。生成物を凍結乾燥により回収し、0.135gの酪酸エステル誘導体を得た。
上記のようにして得た酪酸化したヒアルロン酸の物理化学的特徴は以下のとおりである。
1H−NMR:ヒアルロン酸の典型的な信号に加えて、0.90ppm、1.62ppm、および2.39ppmの信号を検出できる。これらは、それぞれ酪酸エステルのメチル基とメチレン基のプロトンに相当する。
エステル化の程度は、NMRスペクトルに基づいて評価される。酪酸エステル化の百分率は、ヒアルロン酸のN−アセチル基の信号について、メチル基に関する信号の積分により求められた。その後、16%のヒアルロン酸の二糖繰り返し単位を酪酸残基で置換し、これは、DS0.08に相当する。
実施例3
置換の程度、DS:0.2のヒアルロン酸の酪酸エステルの調製
1.5gのヒアルロン酸(4×104MW)を秤量して、攪拌装置を備えた11の丸底フラスコに入れ、50mlの脱イオン水に溶かした。この溶液を1.71mlの2NHClで酸性化し、5分後、0.993mlのコリジンを添加した。5分後、この溶液を真空下で約半分の体積にまで濃縮した。その後、190mlの無水DMFを添加し、この系を約50〜60mlにまで濃縮した。さらに、100mlの無水DMFを添加した。この溶液を再び濃縮した。その後、この混合物をさらに100mlのDMFで希釈し、2.85mlのピリジンおよび1.76mlの酪酸無水物を添加した。この反応を室温で行い、20時間後停止した。この溶液を真空下で濃縮し、その後、この残りを150mlの脱イオン水に懸濁した。その後、溶液のpHを約6.5にNaHCO3水溶液で調整し、脱イオン水に対して透析した(5×2l)。生成物を凍結乾燥により回収し、1.04gの酪酸エステル誘導体を得た。
上記のようにして得た酪酸化したヒアルロン酸の物理化学的特徴は以下のとおりである。
1H−NMR:ヒアルロン酸の典型的な信号に加えて、0.90ppm、1.62ppm、および2.39ppmの信号を検出できる。これらは、それぞれ酪酸エステルのメチル基とメチレン基のプロトンに相当する。
実施例2で使用した方法を適用し、40%のヒアルロン酸の二糖繰り返し単位を酪酸残基で置換し、これは、DS0.2に相当する。
実施例4
DS:0.075のヒアルロン酸の酪酸エステルの調製
2.0gのヒアルロン酸(4×104MW)を秤量して、11の丸底フラスコに入れ、60mlの脱イオン水に溶かした。この溶液を2.30mlの2NHClで酸性化し、5分後、1.32mlのコリジンを添加した。この溶液を約半分の体積にまで濃縮した。その後、さらに300mlの無水DMFを添加し、多糖を十分に溶解した。この溶液を約80mlにまで濃縮した。さらに、200mlのDMFを添加した。その後、この溶液を新たに濃縮した。その後、この手順をさらに1回繰り返した。こうして得られた混合物にさらに60mlのDMFを添加し、3.8mlのピリジンおよび1.634mlの酪酸無水物を添加した。この反応を室温で行い、16時間で停止した。この溶液を真空下で乾燥し、得られたこの残渣を120mlの脱イオン水で回収し、濃いシロップを得た。これをその後、50mlの脱イオン水に懸濁した。その後、この溶液のpHを約6.5〜7にNaHCO3水溶液で調整し、脱イオン水に対して透析した(5×1l)。凍結乾燥後生成物を回収し、1gの生成物を得た。
上記のようにして得た酪酸化したヒアルロン酸の物理化学的特徴は以下のとおりである。
1H−NMRスペクトル:ヒアルロン酸の典型的な信号に加えて、0.90ppm、1.62ppm、および2.39ppmの信号を検出できる。これらは、それぞれ酪酸エステルのメチル基とメチレン基のプロトンに相当する。
実施例2で使用した手順にしたがい、15%のヒアルロン酸の二糖繰り返し単位を酪酸残基で置換し、これは、DS:0.075に相当する。
実施例5
DS:0.06のヒアルロン酸の酪酸エステルの調製
1.5gのヒアルロン酸(4×104MW)を60mlの脱イオン水に含んだ溶液を、攪拌装置を備えた丸底フラスコに入れ、5分間攪拌し、その後、1.71mlの2NHClを添加した。5分後、0.99mlのコリジンを添加した。得られた混合物を半分の体積にまで濃縮した。250mlの無水DMFを添加した後、この溶液を約80mlにまで濃縮し、さらに200mlのDMFを添加した。その後、この手順を繰り返して、この溶液を新たに濃縮し、最後に150mlを添加した。この溶液に2.85mlのピリジンおよび1.22mlの酪酸無水物を添加した。この反応を室温で行い、18時間で停止した。この混合物を真空下で濃縮し、その後、150mlの脱イオン水を添加した。溶液のpHを約6.5にNaHCO3で調整し、脱イオン水に対して透析した(5×1l)。凍結乾燥して、1.32gの生成物を得た。
上記のようにして得たヒアルロン酸の酪酸エステルの物理化学的特徴は以下のとおりである。
1H−NMRスペクトル:ヒアルロン酸の典型的な信号に加えて、0.90ppm、1.62ppm、および2.39ppmの信号を検出できる。これらは、それぞれ酪酸エステルのメチル基とメチレン基のプロトンに相当する。
実施例2の方法を使用して、12%のヒアルロン酸の二糖繰り返し単位を酪酸残基で置換し、これは、DS:0.06に相当する。
実施例6
DS:0.25のヒアルロン酸の酪酸エステルの調製
0.75gのヒアルロン酸(4×104MW)を秤量して、攪拌装置を備えた丸底フラスコに入れ、40mlの脱イオン水に溶かした。この溶液を0.465mlの4NHClで酸性化し、10分後、0.31mlのコリジンおよび70mlのDMFを添加した。得られた混合物を約90%の体積にまで濃縮した。さらに70mlの無水DMFを添加した後、この溶液を50%の体積にまで濃縮した。この手順を2回繰り返した。毎回、70mlの試薬を添加した。40mlのDMF、3mlのピリジンそして最後に1.22mlの酪酸無水物を混合物に連続して添加した。この反応を室温で行い、17時間後停止した。3mlのピリジンおよび0.56のコハク酸無水物を添加した後、この混合物を室温で6時間維持し、その後、70℃で16時間加熱した。その後、この溶液を真空下で濃縮し、その後、この残渣を水に溶解した。この溶液のpHを約6〜6.5にNaHCO3水溶液で調整し、この溶液を脱イオン水に対して透析した(5×2l)。凍結乾燥後生成物を回収し、0.8gの誘導体を得た。
上記のようにして得た酪酸とコハク酸無水物でエステル化したヒアルロン酸誘導体の物理化学的特徴は以下のとおりである。
1H−NMRスペクトル:ヒアルロン酸の典型的な信号に加えて、0.90ppm、1.62ppm、および2.39ppmの信号を検出できる。これらは、それぞれ酪酸基のプロトンに相当する。
実施例2で使用した方法を適用し、50%のヒアルロン酸の二糖繰り返し単位を酪酸残基で置換し、これは、DS:0.25に相当し、また、70%の二糖繰り返し単位をコハク酸化し、これは、DS:0.35に相当する。
実施例7
均一相法によるDS:0.3のヒアルロン酸の酪酸エステルの調製
4×104MWのヒアルロン酸0.10gを10mlのDMSOに懸濁した。そして、37%のHClを数滴添加し、pHを4〜5に調整した。その後、この混合物を室温で磁石で攪拌し、完全に溶解した。その後、0.40gのジメチルアミノピリジンおよび1.14mlの酪酸無水物をこの溶液に添加し、この混合物を室温で18時間一定に攪拌し続けた。その後、この溶液のpHを約5〜6にNaHCO3水溶液で上げ、この溶液を脱イオン水に対して透析した(5×1l)。その後、この溶液を最終的に凍結乾燥し、0.04gの酪酸エステル誘導体を親液の形態で得た。
上記のようにして得た酪酸化したヒアルロン酸の物理化学的特徴は以下のとおりである。
1H−NMR:ヒアルロン酸の典型的な信号に加えて、0.90ppm、1.62ppm、および2.39ppmの信号を検出できる。これらは、それぞれ酪酸エステルのメチル基およびメチレン基のプロトンに相当する。
エステル化の程度は、NMRスペクトルに基づいて評価される。酪酸エステルの百分率は、ヒアルロン酸のN−アセチル基の信号について、メチル基に関する信号の積分により求められた。このスペクトルに基づいて、DSは0.3である。
実施例8
DS:0.1のムカデノリドリホラから単離した多糖の酪酸エステルの調製
実施例1に記載したようにしてムカデノリドリホラから単離した2gの硫酸化多糖を10mlの脱イオン水に攪拌装置を備えた丸底フラスコ中で溶解し、0.117mlの4NHClを5℃に冷却したこの溶液に添加した。この溶液を5分間攪拌し、さらに0.99mlのコリジンを添加した。15分後、さらち30mlの無水DMFを添加し、得られた溶液を初期体積の約30%に濃縮した。さらに30mlのDMFを添加した後、この溶液を5℃で1時間攪拌し、2mlのピリジンおよび0.175mlの酪酸無水物を添加した。この反応を室温で行い、42時間後に停止した。その後、これを濃縮し、濃い混合物を得た。その後、このシロップを75mlの脱イオン水に45分間溶解した。pHを6にNaHCO3で調整した後、この溶液を脱イオン水に対して透析した(2×2l、1×1l)。最後に凍結乾燥し、0.19gの生成品を回収した。
上記のようにして得たムカデノリドリホラから得た硫酸化多糖の酪酸エステルの物理化学的特徴は以下のとおりである。
1H−NMRスペクトル:置換の程度はα配置の糖残基のアノマーのプロトンに相当する5.5〜5.0ppmの領域の信号および酪酸エステルのメチル基のプロトンに相当する約1.0ppmの信号を積分することにより求めた。積分値間の比から、酪酸の残基はα配置の糖繰り返し単位について20%を維持できる(DS:0.1)。
比色分析:この分析値は、実施例1で調製した元の多糖におけるように、31%w/wの硫酸化した基の量を表す。
実施際9
スクレログルカンの酪酸エステルの調製
0.5gのスクレログルカン(MW7×105)を75mlの無水DMFに攪拌装置を備えた丸底フラスコ中で溶解した。得られた混合物を1時間50℃に加熱し、その後、70℃で3時間攪拌した。この溶液を55℃に冷却し、その後、0.25mlのピリジンおよび0.15gのコハク酸無水物を添加した。得られた混合物を55℃で64時間攪拌した。その後、この混合物を濃縮して、濃いシロップを得た。その後、75mlの脱イオン水に再懸濁した。pHを6にNaHCO3で調整した後、この混合物を脱イオン水に対して透析した(4×2l)。その後、このようにして得た溶液を濾過し、凍結乾燥した。この新液物質を20mlの水に60分間攪拌装置を備えた丸底フラスコ中で溶解した。0.65mlの2NHClを添加した後、この溶液は白色、不透明になり、5分間攪拌した。その後、1mlのピリジンを添加し、この溶液をpH4〜5で10分間攪拌した。75mlの無水DMFを添加した。この混合物を72mlの体積に濃縮した。この手順をさらに1回繰り返し、70mlの溶液を除去した。30mlのDMFおよび2mlのピリジンを添加した後、この混合物を室温に15分間置いた。0.38mlの酪酸無水物を添加し、反応を室温で18時間行った。濃縮後、残渣を水中に再懸濁し、そのpHを6.9にNaHCO3水溶液で調整した。このようにして得た混合物を凍結乾燥し、その後0.196gの凍結品を得た。
実施例10
DS:1.7のペクチンの酪酸エステルの調製
エステル化度65%の0.93gのペクチンを室温で磁気攪拌下で50mlのDMSOに懸濁した。2時間後、0.85gのジメチルアミノピリジンを添加した。この混合物を室温で1晩一定に攪拌し続けた。その後、3.26mlの酪酸無水物を添加し、この混合物を室温で30分間一定に攪拌し続けた。その後、この懸濁液を80〜100℃で20時間加熱した。最終的に、この溶液のpHを約6.7にNaHCO3水溶液で上げ、脱イオン水に対して透析した(6×2l)。この懸濁液を1時間10000rpmで遠心分離した。その後、ペレットを集め、最後に凍結乾燥し、0.9gの酪酸エステル誘導体を新液物質の形態で得た。
上記のようにして得た酪酸化したペクチンの物理化学的特徴は以下のようである。
1H−NMR:ペクチンの信号に加えて、0.90ppm、1.62ppm、および2.39ppmの信号を検出できる。これらは、それぞれ酪酸エステルのメチル基およびメチレン基のプロトンに相当する。
エステル化の程度は、NMRスペクトルに基づいて評価される。酪酸エステルの百分率は、ペクチンのメチルエステル基の信号(3.63ppm)について、メチル基に関する信号の積分により求められた。このスペクトルに基づいて、DSは1.7である。
生物学的活性試験
実施例11
インビトロ抗増殖活性の試験
材料と方法
本発明の酪酸エステルの抗増殖活性を幾つかの腫瘍細胞系について試験した。詳細は以下のとおりである。
−MCF7:ホルモン依存性乳房癌腫細胞
−MDA−MB231:ホルモン依存性乳房癌腫細胞
−IGROV1:卵巣癌腫細胞
−HeLa:頸部癌腫細胞
−CaLu:肺癌腫細胞
−HT29:結腸癌腫細胞
上記細胞系を、5%のCO2を含む湿気のある雰囲気下で、37℃に維持したT−75cm2のプラスチックビン(Corning Industries,Corning,NY)中で、2%のv/vFCS(胎児ウシ血清)で補ったDMEM/F12Dulbecco−改変イーグル培地(Sigma Chemical Co.,St.Louis)で単層として培養した。これらを1週間で新しい培地に移す。実験試験の初期以前に、指数関数的に成長した相の細胞をフラスコから0.05%のトリシンおよび0.02%のEDTAの溶液で除去した。その後、細胞を2%のFCSで補ったDMEM/F12培地上で12ウェルの皿に植えた(50.000細胞/ウェル)。その後、接着を促進するために、細胞を24時間培養し、その後、培地を除去し、実験培地で置き換えた。その後、細胞を2%のFCSで補ったDMEM/F12培地上に6日あるいは9日間置き、本発明にかかる実施例2および4の幾つかの濃度の化合物を添加した。比較試験を同じ濃度のMW4×104のヒアルロン酸を添加して行った。
他の細胞系に対して上記のようにして、HeLa細胞およびCaLu細胞を、2%のFCSで補ったDMEM/F12培地の代わりに、HeLaの場合は10%のFCSおよび1%のグルタミンで補ったDMEM/F12培地を使用し、CaLuの場合は10%のFCSおよび1%のグルタミンで補ったRPMI1640培地を使用して処理した。
抗増殖活性をDNA内容変化(content variation)(バートン(Burton)法)の比色分析により検定した。これは、細胞の数に比例し、ジフェニルアミンと温度変性DNAのインドール基間の比色反応に基づく。
結果
表1は未処理細胞(コントロール)に対する、6日間処理後の、本発明にかかる多糖類の酪酸エステルの存在下におけるMCF7乳房癌腫の細胞系の成長百分率を示す。各値は要因図(factorial drawing)4×4にしたがって、4つの試験の後、これらを平均して求めた。
本発明の酪酸エステルのモル濃度をエステルそれ自体に存する酪酸エステルの濃度とする。ヒアルロン酸に関する限り、モル濃度は実施例2の化合物のモル濃度と同じである。ここでは同じ量のヒアルロン酸が存在する。
上記の数値から、本発明にかかる酪酸エステルはコントロールおよび非エステル化ヒアルロン酸に比べて高い抗増殖活性を及ぼし得ることが明らかである。
表2は未処理細胞(コントロール)に対する、実施例1に記載したムカデノリドリホラから抽出した酪酸化しない自然の多糖に対して、および実施例9に記載した合成の元の生成品として使用したエステル化しないスクレログルカンに対して、6日間処理後の、本発明にかかる酪酸エステルの存在下におけるMCF7乳房癌腫の細胞系の成長百分率を示す。
この場合にも、各値は要因図4×4にしたがって、皿上に置いた4つの試験の後、平均して求めた。試験した化合物の濃度は、(化合物)mg/(全溶液)mlとして表す。
数値から、実施例1の多糖およびスクレログルカンについての上記の酪酸エステルはブランクに対して高い抗増殖活性を及ぼし得ることができることが分かる。
図1は、試験した化合物の濃度の関数として腫瘍細胞の増殖の阻害百分率を示すことにより、グラフの形において、本発明にかかる実施例3、4、および7〜9における化合物の抗増殖活性に関する上記のような数値を示す((化合物)mg/(全溶液)mlとして表す)。
さらに、表3は、異なる腫瘍細胞系を6日間処理した後の、本発明にかかる酪酸エステルのIC50の値(細胞成長を50%阻害するのに必要な濃度)を示す。本発明のエステルの濃度はエステルそれ自体に存する酪酸エステルのモル濃度(mM)および(化合物)mg/(全溶液)mlとして表される。
実施例12
単一成分(ヒアルロン酸および酪酸)およびこれらの物理的混合物に対する実施例2に記載したヒアルロン酸の酪酸エステルのインビトロでの抗増殖活性
材料と方法
実施例11に記載したように処理および培養したホルモン依存性乳房癌腫のMCF7の細胞を、本発明にかかる実施例2の酪酸エステルの異なる濃度の存在下で、6日間2%のFCSで補ったDMEM/F12培地上に置いた。その成分は酪酸と結合したヒアルロン酸(MW:4×104)およびヒアルロン酸と酪酸の物理的混合物である。
抗増殖活性はバートン法にしたがって、実施例11に記載したようにして決定される。
結果
表4は同じ濃度と条件で使用したヒアルロン酸、酪酸ナトリウム、および両成分の物理的混合物の効果に比較して、6日間処理後の、MCF7細胞系の成長における実施例2に記載したようなヒアルロン酸の酪酸エステルの抗増殖活性を示す。
上記に報告した数値は、未処理細胞(コントロール)に対する、細胞成長の阻害百分率を示す。モル濃度(mM)は試験した化合物のモル濃度である。ヒアルロン酸について、モル濃度は、モル濃度値が酪酸エステル濃度である実施例2に記載したのと同じ量の酪酸エステル中のヒアルロン酸を示す。
図2は、細胞成長の阻害百分率対試験した化合物の濃度を示す例示において上記に報告した数値を示す。
これらの数値は多糖類の酪酸エステルが成分の混合物が表す活性より非常に高い抗増殖活性を示し得ることを表している。
実施例13
酪酸ナトリウムに対する実施例3と4の酪酸エステルのインビトロの抗増殖活性
材料と方法
実施例11で記載したように処理および培養したホルモン依存性MDA−MB231の細胞系の乳房癌腫の細胞を、本発明にかかる実施例3および4における異なる濃度の酪酸エステルの存在下および酪酸ナトリウムの存在下で、2%のFCSで補ったDMEM/F12培地上で6日間維持した。
抗増殖活性を、実施例11で記載したように、バートン法にしたがって決定した。
結果
図3は、同じ濃度および条件下で使用した酪酸ナトリウムの効果に比較して、6日間処理した後の、MDA−MB231細胞系の成長について、実施例3および4の酪酸エステルの抗増殖効果を示す。ダイヤグラムは、細胞成長の阻害百分率対試験した化合物の濃度を示す(モル濃度(mM)は実験した化合物中の酪酸エステルの濃度を表す)。
Claims (24)
- 多糖の酪酸エステルであって、前記多糖のヒドロキシル基が部分的にあるいは全体的に酪酸残基でエステル化されており、前記多糖が、ヒアルロン酸、β−(1→3)−D−グルカン、ムカデノリドリホラ(Grateloupia doryphora)由来の多糖類から選択されることを特徴とする酪酸エステル。
- 前記多糖はグリコシド環の炭素原子上に低級アルキル基、−NH2,−NH−COR,−OSO3H,−OPO3H2,−COOH,−COO−(CH2)n−COOH,−COOR,−COR,−ORおよび−O−(CH2)n−O−COR(ここで、n=1〜4およびR=C1〜C10のアルキル基である)からなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有することを特徴とする請求項1記載の酪酸エステル。
- 前記多糖のグリコシド残基の遊離なヒドロキシル基が1又は複数のジカルボン酸残基でエステル化されていること特徴とする請求項1又は2記載の酪酸エステル。
- 前記ジカルボン酸残基がC2〜C9 の残基であることを特徴とする請求項3記載の酪酸エステル。
- 前記ジカルボン酸がコハク酸、酒石酸、リンゴ酸、およびアゼライン酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項4記載の酪酸エステル。
- 酪酸残基でエステル化されたヒドロキシル基の、各グリコシド単量体に対する数が0.001より多いことを特徴とする請求項1記載の酪酸エステル。
- 酪酸残基でエステル化されたヒドロキシル基の前記数が0.001〜3の範囲であることを特徴とする請求項6記載の酪酸エステル。
- 酪酸残基でエステル化されたヒドロキシル基の前記数が0.01〜1の範囲であることを特徴とする請求項7記載の酪酸エステル。
- 前記多糖の酪酸エステルの平均分子量が2×103より大きいことを特徴とする請求項1記載の酪酸エステル。
- 前記ムカデノリドリホラ(Grateloupia doryphora)由来の多糖の平均分子量が1×104〜5×106の範囲であることを特徴とする請求項9記載の酪酸エステル。
- 前記β−(1→3)−D−グルカンの平均分子量が1×10 4 〜1×10 6 の範囲であることを特徴とする請求項9記載の酪酸エステル。
- 前記ヒアルロン酸の平均分子量が1×10 4 〜2×10 6 の範囲であることを特徴とする請求項9記載の酪酸エステル。
- 前記β−(1→3)−D−グルカンが、さらにβ−(1→6)グルコシド残基を含むことを特徴とする請求項1記載の酪酸エステル。
- 前記グルカンがスクレログルカンであることを特徴とする請求項13記載の酪酸エステル。
- 請求項1〜14のうちいずれか1項に記載の多糖の酪酸エステルの調製法であって、前記多糖を酪酸あるいはその活性化形態の1種で、均一あるいは不均一な系において、可能な適当な溶媒および/または適当な触媒の存在下で処理することを含んで構成される方法。
- 異常に細胞が増殖する疾患を治療または予防するための抗増殖薬剤を製造するために、請求項1〜14のうちいずれか1項に記載の多糖の酪酸エステルを使用する方法。
- 前記増殖が腫瘍細胞、滑液細胞、または胃腸管の細胞を含むことを特徴とする請求項16記載の使用法。
- 前記酪酸エステルが口、静脈内、腹腔内、筋肉内、関節内、直腸内、膣内、皮下、または局所を投与経路として投与されることを特致とする請求項16記載の使用法。
- 前記酪酸エステルが0.2〜500mg/kg/日の範囲の投与量で、1〜15日の期間、投与されることを特徴とする請求項16記載の使用法。
- 薬剤組成物であって、活性化合物として、治療的に効果的な量で、請求項1〜14のうちいずれか1項に記載の少なくとも1つの多糖の酪酸エステルを、薬剤的に許容される賦形剤および/または希釈剤と組み合わせて含む薬剤組成物。
- 前記薬剤組成物が顆粒、錠剤、丸薬、またはゲルの形態で経口的に投与可能であることを特徴とする請求項20記載の薬剤組成物。
- 前記薬剤組成物が全身性、静脈内、腹腔内、関節内、皮下、または筋肉内を投与経路として、水溶液または懸濁液の形態で、投与できることを特徴とする請求項20記載の薬剤組成物。
- 前記薬剤組成物がさらに1またはそれ以上の抗腫瘍薬を含むことを特徴とする請求項20記載の薬剤組成物。
- 前記抗腫瘍薬が5−フルオロウラシル、シスプラチン(cisplatin)、およびシクロホスファミドからなる群から選択されることを特徴とする請求項20記載の薬剤組成物。
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