JPH0726374Y2

JPH0726374Y2 - 織機の開口装置

Info

Publication number: JPH0726374Y2
Application number: JP4622989U
Authority: JP
Inventors: 正行鵜城
Original assignee: 日産テクシス株式会社
Priority date: 1989-04-21
Filing date: 1989-04-21
Publication date: 1995-06-14
Anticipated expiration: 2004-04-21
Also published as: JPH02140987U

Description

【考案の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉本考案は、織機のクランク式開口装置に関する。

〈従来の技術〉従来のクランク式開口装置としては、例えば第５図に示
すようなものがある（特開昭60−28542号公報参照）。

織機の左右のフレーム1A,1B間に差し渡されて上下に一
対の開口シャフト2A,2Bが設けられている。

そして、左右のフレーム1A,1Bに各々設けられた駆動シ
ャフト3A,3Bにクランク4A,4Bが取付けられており、それ
らのクランクピンにそれぞれ一端を枢着したコンロッド
5A,5Bの他端が各開口シャフト2A,2Bに取付けられたアー
ム6A,6Bと各々連結され、駆動シャフト3A,3Bの回転に伴
って開口シャフト2A,2Bを往復角運動させるようになっ
ている。

そして、開口シャフト2A,2Bにはそれぞれ開口レバー7A,
7Bが取付けられており、これらの開口レバー7A,7Bの遊
端部の上下動がターンバックル8A,8Bを介して綜絖枠9A,
9Bに伝えられ、これらの綜絖枠9A,9Bの上下動によって
抒口を形成するための開口運動を行わせるようになって
いる。

この開口装置は、複数枚の綜絖枠を２組に分け、各組の
綜絖枠の各々をターンバックルを介して１つの開口レバ
ーに連結している。

従って、クランク4A,4Bが織機主軸の1/2の回転比で回転
すると、コンロッド5A,5B、アーム6A,6B、開口シャフト
2A,2B,開口レバー7A,7Bを介してターンバックル8A,8Bを
上下動させ、以て、綜絖枠9A,9Bを上下動させる。

尚、タイミング（クランク角）調整のため、駆動シャフ
ト3A,3Bに対しクランク4A,4Bを回転方向に取付位置調整
可能としてあり、タイミング調整の際にこの部分に手が
入るようにクランク4A,4Bはフレーム1A,1B内側上部に配
置してある。

〈考案が解決しようとする課題〉しかしながら、このような従来のクランク式開口装置に
あっては、第６図の模式図に示すように、開口シャフト
2A,2Bの位置が異なる（上下に配置されている）ため、
左右のクランク4A,4Bのコンロッド長（5A,5B）が異な
る。このため、左右のクランク波形が異なり、綜絖枠の
開口曲線がずれるので、上下の経糸の張力が異なって、
高品位の織布を得るには好ましくないという問題点があ
った。

また、第７図のようにクランク4A,4B等を配置すること
も考えられるが、これによれば、左右で同一波形となる
ものの、左右のクランク4A,4Bの大きさ及び左右のアー
ム6,6Bの長さをも異ならせる必要があり、左右の部品の
共通化が図れず、コスト増を招くという問題点があっ
た。

本考案は、このような従来の問題点に鑑み、簡単に左右
のクランク波形を一致させて良質の織布を得ることので
き、しかも調整が容易な織機の開口装置を提供すること
を目的とする。

〈課題を解決するための手段〉このため、本考案は、上下一対の開口シャフトを有し、
一対のクランクの各々に一端を枢着したコンロッドの他
端を各開口シャフトに固定したアームに枢着して、各ク
ランクの回転により各開口シャフトを往復角運動させ、
これにより綜絖枠に開口運動を与えるようにした織機の
開口装置において、織機の側方から見て、前記上下一対
の開口シャフトから互いに等距離の一定位置に前記一対
のクランクの駆動シャフトを配置すると共に、前記クラ
ンク，コンロッド及びアームを織機のフレームの外側に
配置する構成とした。

また、前記クランク，コンロッド及びアームは織機の片
側のフレームの外側に集中して配置するのがよい。

〈作用〉上記の構成においては、上下一対の開口シャフトから互
いに等距離の一定位置に一対のクランクの駆動シャフト
を配置して、駆動シャフトと上下一対の開口シャフトと
が駆動シャフトを頂点とする二等辺三角形をなすように
しているので、左右のクランク波形（開口曲線）は同一
となる。

この場合、クランクは従来に比べ下方に位置することに
なるが、フレームの外側に配置するので、駆動シャフト
に対するクランクの回転方向の取付位置調整によるタイ
ミング調整等は容易となる。

また、左右のクランク等を片側のフレームの外側に集中
的に配置しておけば、調整はより容易となる。

〈実施例〉以下に本考案の一実施例を説明する。

第１図及び第２図を参照し、織機のフレーム11A,11B間
に差し渡されて上下に一対の開口シャフト12A,12Bが設
けられ、これらの開口シャフト12A,12Bは織機の片側の
フレーム11A外に突出している。

また、フレーム11Aの外側に軸受13A,13Bにより支持され
て駆動シャフト14が設けられている。この駆動シャフト
14にはプーリ15がビス16により固定され、織機主軸17に
取付けたプーリ18との間にコグベルト19が巻掛けられて
いて、織機主軸17の1/2の回転比で駆動シャフト14が回
転駆動されるようになっている。

駆動シャフト14には偏心カム状のクランク20A,20Bがビ
ス21A,21Bにより固定されており、これらのクランク20
A,20Bにそれぞれコンロッド22A,22Bの一端の嵌合穴を嵌
合させてある。コンロッド22A,22Bの他端は開口シャフ
ト12A,12Bにそれぞれ取付けられたアーム23A,23Bに位置
調整可能に取付けられたピン24A,24Bと各々連結され、
クランク20A,20Bの回転に伴って開口シャフト12A,12Bを
往復角運動させるようになっている。

ここで、織機の側方から見て、前記上下一対の開口シャ
フト12A,12Bから互いに等距離の一定位置に前記左右一
対のクランク20A,20Bの共通の駆動シャフト14を配置し
てある。すなわち、駆動シャフト14と開口シャフト12A,
12Bとが駆動シャフト14を頂点とする二等辺三角形をな
すようにしてある。

そして、開口シャフト12A,12Bにはそれぞれ開口レバー2
5A,25Bが取付けられており、これらの開口レバー25A,25
Bの遊端部の上下動がターンバックル（図示せず）を介
して各組の綜絖枠27A,27Bに伝えられ、これらの綜絖枠2
7A,27Bの上下動によって抒口を形成するための開口運動
を行わせるようになっている。

従って、織機主軸17の回転により駆動シャフト14が回転
すると、これによりクランク20A,20Bが回転し、コンロ
ッド22A,22B、アーム23A,23B、開口シャフト12A,12B,開
口レバー25A,25B,ターンバックル（図示せず）を介し
て、綜絖枠27A,27Bを上下動させる。

ここにおいて、上下一対の開口シャフト12A,12Bから互
いに等距離の一定位置に一対のクランク20A,20Bの駆動
シャフト14を配置して、駆動シャフト14と上下一対の開
口シャフト12A,12Bとが駆動シャフト14を頂点とする二
等辺三角形をなすようにしいるので、第３図の模式図に
示すように、左右のクランク波形は同一となる。

この場合、クランク20A,20Bは従来に比べ下方に位置す
ることになるが、フレーム1Aの外側に配置するので、駆
動シャフト14に対するクランク20A,20Bの回転方向の取
付位置調整によるタイミング調整は容易となる。

尚、タイミング調整は、コグベルト19を緩めてプーリ15
を回転させ、プーリ15に対するコグベルト19の噛合い位
置を変化させて行ってもよく、この場合もこれらがフレ
ーム11Aの外側にあるので容易に調整できる。

また、アーム23A,23Bにおけるピン24A,24Bの取付位置調
整による開口量調整も容易である。

さらに、左右のクランク20A,20B等を片側のフレーム1A
の外側に集中的に配置してあるので調整はより容易とな
る。

尚、クランク20A,20B,コンロッド22A,22B及びアーム23
A,23B等は、ケース28により覆っておくのがよい。

さらにまた、上記実施例では、上下一対の開口シャフト
から互いに等距離の一定位置に一対のクランクの駆動シ
ャフトを配置するものとして、一対のクランクが同一軸
線上に配置された例、すなわち、駆動シャフトと開口シ
ャフトとが駆動シャフトを頂点とする二等辺三角形をな
す場合を示したが、これに限らず、例えば第４図に示す
ように、クランク20C,20Dを別々に配置して、両クラン
クをコグベルト30等で同期を取らせ、それぞれの開口シ
ャフトとクランクの駆動シャフトを等距離に保つように
してもよい。

〈考案の効果〉以上説明したように本考案によれば、簡単に左右のクラ
ンク波形を一致させて良質の織布を得ることのでき、し
かもタイミング等の調整が容易になるという効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す織機の側面図、第２図
は第１図の平面図、第３図は同上実施例のクランク機構
の模式図、第４図は他の実施例を示す織機の側面図、第
５図は開口装置の従来例を示す斜視図、第６図は同上従
来例のクランク機構の模式図、第７図は別の従来例のク
ランク機構の模式図である。 11A,11B…フレーム、12A,12B…開口シャフト、14…駆動
シャフト、17…織機主軸、20A,20B…クランク、22A,22B
…コンロッド、23A,23B…アーム、25A,25B…開口レバ
ー、27A,27B…綜絖枠

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】上下一対の開口シャフト（12A,12B）を有
し、一対のクランク（20A,20B）の各々に一端を枢着し
たコンロッド（22A,22B）の他端を各開口シャフト（12
A,12B）に固定したアーム（23A,23B）に枢着して、各ク
ランク（20A,20B）の回転により各開口シャフト（12A,1
2B）を往復角運動させ、これにより綜絖枠に開口運動を
与えるようにした織機の開口装置において、織機の側方
から見て、前記上下一対の開口シャフト（12A,12B）か
ら互いに等距離の一定位置に前記一対のクランク（20A,
20B）の駆動シャフト（14）を配置すると共に、前記ク
ランク（20A,20B），コンロッド（22A,22B）及びアーム
（23A,23B）を織機のフレーム（1A,1B）の外側に配置し
たことを特徴とする織機の開口装置。
【請求項２】前記クランク（20A,20B），コンロッド（2
2A,22B）及びアーム（23A,23B）を織機の片側のフレー
ム（1A）の外側に集中して配置したことを特徴とする請
求項１記載の織機の開口装置。