JPH0726355U - 容器用合成樹脂製蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓋の開閉がワンタッチで簡単に行え、包装容
器・保存容器用として好適な合成樹脂製蓋を提供する。 【構成】 蓋部１と枠部２とは一体成形され、リング状
枠部２の一辺の中央部に蓋部１と枠部２とを連結する半
円弧状の湾曲した弾性片３を設け、その両側に間隔をお
いて蝶番部５を設けて蓋部１が枠部２に対して回動、開
閉自在とする。蓋部１の周縁部下面11は枠部２段部21に
対して蓋部の閉状態において当接して密閉する。蓋部１
の他辺の中央部に係止片13を設けて蓋部の閉状態を維持
させる。蝶番部５の折り曲げ部６は弾性片３の支点部４
よりも水平方向外側に位置させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、容器用合成樹脂製蓋、詳しくは上面開放型容器本体の上部の周鍔部 に取り付けられる蓋であって、特にみそ用包装容器に好適に用いられる合成樹脂 製蓋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、みそ用の包装容器として、合成樹脂製の上面開放型容器本体の上端周 鍔部に閉塞フイルムをホットメルト接着剤でシールし、さらに周鍔部に嵌合する 上蓋を取り付けたものが知られている。このようなみそ容器は、消費者は購入し た後、上蓋を外し、閉塞フイルムを剥がし取ることにより、内容物のみそを取り 出して使用している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のみそ包装容器にあっては、調理のときみそを取り出す際、両手を使 って上蓋を取り外して一旦どこかに置き、みそを取り出した後はまた嵌め直さな ければならず、大変面倒な作業を強いられていた。また、その都度上蓋を取り外 すため、上蓋が汚れたり損傷したり、誤って紛失したりすることもあり、内容物 の詰め替え・補充を行う等、継続的に使用する保存用容器としては適さず、つい 使い捨てにせざるを得ないという問題点があった。

【０００４】 本考案は、上記課題に鑑みなされたもので、上蓋の開閉が簡単に行える上面開 放型容器用合成樹脂製蓋、特にみそ用の包装容器用としての長期使用に適した合 成樹脂製蓋を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上面開放型容器本体の上部の周鍔部に枠部を嵌めて取り付ける蓋で あって、蓋部と枠部とが一体成形により連結された合成樹脂からなり、枠部はリ ング状をなし、枠部の一側にその中央部に蓋部と枠部とを連結する湾曲した弾性 片を設けると共に、該弾性片の両側には間隔をおいて蝶番部を設け、蓋部が枠部 に対して回動して開閉自在となるよう構成し、蓋部の周縁部下面は枠部の周縁部 上部に形成された段部に対して蓋部の閉状態において当接して密閉するように形 成し、前記枠部の一側と対向する蓋部の他側の中央部には、蓋部の閉状態を維持 するために枠部と係合可能な係止片を設けた容器用合成樹脂製蓋である。

【０００６】 また、上記の蓋において、蝶番部は、蓋部及び枠部から張り出した薄片の折り 曲げ部により構成され、かつ半円弧状に湾曲した弾性片の支点部よりも該折り曲 げ部がほぼ水平方向外側に位置するものである。

【０００７】 さらに、上記の蓋において、蓋部の閉状態において前記係止片の位置に対応す る枠部の両側の位置に隆起部を設けたものである。

【０００８】

【作用】

上面開放型容器本体の上部の周鍔部に枠部を嵌めて取り付けるので、既存の容 器本体をそのまま変更することなく利用でき、蓋部と枠部とが一体成形により連 結された合成樹脂からなるのでその製造も楽であり、枠部はリング状をなしてい るが、枠部の一側にその中央部に蓋部と枠部とを連結する湾曲した弾性片を設け ると共に、該弾性片の両側には間隔をおいて蝶番部を設け蓋部が枠部に対して回 動して開閉自在となるよう構成しているため、蓋部の開閉時に蝶番部及び枠部に かかる力が分散されて枠部の反りなどが生じにくく経時的な使用によっても枠部 と蓋部との整合が保たれ、また蓋の開閉も簡単であり、蓋部の周縁部下面は枠部 の周縁部上部に形成された段部に対して蓋部の閉状態において当接して密閉する ように形成し、蓋部の閉状態を維持するために枠部と係合可能な係止片を蓋部に 設けたので、保存用容器として継続的な使用に適し、開閉も確実に行える。

【０００９】 また、蝶番部は、蓋部及び枠部から張り出した薄片の折り曲げ部により構成さ れ、かつ半円弧状に湾曲した弾性片の支点部よりも該折り曲げ部がほぼ水平方向 外側に位置させることにより、湾曲した弾性片の弾性力が適度に発揮され、蓋部 の開きがよりスムースにかつ充分な開き具合となるよう一気にワンタッチで行わ れる。

【００１０】 さらに、蓋部の閉状態において前記係止片の位置に対応する枠部の両側の位置 に隆起部を設けたものとすることにより、蓋部を開く際、該隆起部が親指や人指 し指等の手指をかけるための支持部となるので、片手で簡単に開けることができ る。

【００１１】

【実施例】

図１は本考案に係る容器用合成樹脂製蓋の一実施例の斜視図、図２は同実施例 の中央断面図、図３は同実施例の蓋部を容器本体に取り付けて閉じた状態の側面 図である。

【００１２】 蓋部１と枠部２とはその全体がポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性合 成樹脂で一体成形により構成されている。枠部２は全体が最大径約１３０ｍｍの ほぼ矩形のリング状をなしており、その一辺の中央部に蓋部１と枠部２とを連結 する半円弧状に湾曲した弾性片３が設けられている。蓋部１の開閉の際、弾性片 ３はその支点部４において屈曲し、この支点部４の厚さは肉薄に形成され、回動 を容易にしている。

【００１３】 弾性片３の両側には夫々約１５ｍｍの間隔（空隙）をおいて蝶番部５が設けら れている。蝶番部５は、蓋部１及び枠部２から張り出した薄片５ａ，５ｂとその 折り曲げ部６により構成され、かつ弾性片３の支点部４よりもやや外側寄りのほ ぼ水平方向位置に蝶番部５の折り曲げ部６を位置させてある。したがって、蓋部 １は枠部２に対してこの蝶番部５の折り曲げ部６を支点として回動して開閉自在 となる。そして、湾曲した弾性片３の支点部４が蝶番部５の折り曲げ部６より内 側に位置するため、蓋部を閉める時、弾性片３はその湾曲円弧が小さくなる形で 収縮するので、弾性片３に弾性力が蓄積され、蓋部１を開く時はこの弾性力が適 度に発揮され、スムースにかつ充分な開き具合となるようワンタッチで蓋部が跳 ね上がるように一気に開く。折り曲げ部６の厚さは肉薄に形成され、蓋部１の開 閉による回動を容易にし、また、薄片５ａは５ｂよりも肉薄に形成されており、 このため枠部２に過度の負担がかからず、反りが防止されるようになっている。

【００１４】 枠部２の周縁部上部には段部２１が形成されており、この段部２１に、蓋部１ の周縁部（側面部）下面１１は蓋部の閉状態において当接して密閉する。

【００１５】 蓋部１が閉まった状態では、枠部２の上端の段部２１に蓋部１の周縁部下面１ １が当接すると共に、蓋部１の周縁に沿って間隔をおいて立設された内壁部１２ が、枠部２の段部の内周側の壁２２内に嵌入される。このように蓋部１の周縁部 と内壁部１２との二重壁で枠部に係合するよう構成されているので、蓋部１を閉 めたときの密閉性が高められる。

【００１６】 蝶番部５が設けられた枠部２の一辺と対向する側の他辺の蓋部１の中央部には 、蓋部１の閉状態を維持するための係止片１３が設けられている。この係止片１ ３の内面には凹部１４が形成されており、この凹部１４が枠本体２の他辺の中央 部に形成された凸部２３に係合して蓋部１の閉状態を維持するようになっている 。凸部と凹部の関係を逆にしてもよい。蓋部１を開けるときはこの係止片１３を 摘んで行うが、蓋部の閉状態において係止片１３の位置に対応する枠部２の両側 の位置に隆起部２４が形成されているので、蓋部を開く際、この隆起部２４に親 指や人指し指等の手指をかけることができ、係止片１３を摘みやすく片手で簡単 に開くことができるようになっている。

【００１７】 枠部２は上面開放型容器本体３１の上部の周鍔部３２に嵌合して取り付けられ るが、枠部２の外側壁内側に部分的に形成された凸条２５が容器本体３１の周鍔 部３２に係合して枠部２の容器本体への取り付けを確実なものとし、容器本体の 開口部を補強して剛性を高めるので、保存容器としての耐久性を備えている。

【００１８】 上記の構成の蓋は、適用される容器の大きさ、充填される内容物、上記の構造 に基づく成形性及び得られた蓋の使い勝手の良さ等を総合すると、特にみそ用包 装容器に好適に用いられるものである。なお、みそ包装容器に適用する場合は、 通常、上記枠部２を容器本体３１に取り付ける前、内容物を充填後、閉塞用フイ ルムを容器本体の周鍔部３２にホットメルト接着剤で接着して密閉する。

【００１９】

【考案の効果】

従来のように両手を使って蓋部を取り外しどこかに置きさらに嵌め直すといっ た面倒な作業は不要となり、蓋部が汚れたり損傷したり紛失したりすることがな く、内容物の詰め替えを行う等、保存用容器として継続的な使用に適するもので あり、省資源の見地から好ましいものである。

【００２０】 上面開放型容器本体の上部の周鍔部に枠部を嵌めて取り付けるので、既存の容 器本体をそのまま変更することなく利用できるので便利である。また、本体と枠 部とが一体成形により連結された合成樹脂からなるのでその製造も極めて楽であ る。さらに、枠部の一側にその中央部に蓋部と枠部とを連結する湾曲した弾性片 を設けると共に、該弾性片の両側には間隔をおいて蝶番部を設け蓋部が枠部に対 して回動して開閉自在となるよう構成しているため、蓋部の開閉時に蝶番部及び 枠部にかかる力が分散されて枠部の反りなどが生じにくく経時的な使用によって も枠部と蓋部との整合が保たれ、蓋の開閉も簡単である。そして、蓋部の周縁部 下面は枠部の周縁部上部に形成された段部に対して蓋部の閉状態において当接し て密閉するように形成し、蓋部の閉状態を維持するために枠部と係合可能な係止 片を蓋部に設けたので、保存用容器として継続的な使用に適し、開閉も確実に行 える。

【００２１】 また、蝶番部は、蓋部及び枠部から張り出した薄片の折り曲げ部により構成さ れ、かつ半円弧状の弾性片の支点部よりもほぼ水平方向外側に蝶番部の折り曲げ 部を位置させることにより、湾曲した弾性片の弾性力が適度に発揮され、蓋部の 開きがよりスムースにかつ充分な開き具合となるよう一気に開き、蓋部の開閉を 片手でワンタッチで行うことができる。

【００２２】 さらに、蓋部の閉状態において前記係止片の位置に対応する枠部の両側の位置 に隆起部を設けたものとすることにより、蓋部を開く際、該隆起部が親指や人指 し指等の手指をかけるための支持部となるので、片手でワンタッチで開けるのが 極めて容易・確実となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る蓋の一実施例の斜視図である。

【図２】同実施例の中央断面図である。

【図３】同実施例の蓋部を容器本体に取り付けて閉じた
状態の側面図である。

【符号の説明】

１ 蓋部 ２ 枠部 ３ 弾性片 ４ 支点部 ５ 蝶番部 ６ 折り曲げ部 １１ 周縁部下面 １３ 係止片 ２１ 段部 ２４ 隆起部 ３１ 容器本体 ３２ 周鍔部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面開放型容器本体の上部の周鍔部に枠
   部を嵌めて取り付ける蓋であって、蓋部と枠部とが一体
   成形により連結された合成樹脂からなり、枠部はリング
   状をなし、枠部の一側にその中央部に蓋部と枠部とを連
   結する湾曲した弾性片を設けると共に、該弾性片の両側
   には間隔をおいて蝶番部を設け、蓋部が枠部に対して回
   動して開閉自在となるよう構成し、蓋部の周縁部下面は
   枠部の周縁部上部に形成された段部に対して蓋部の閉状
   態において当接して密閉するように形成し、前記枠部の
   一側と対向する蓋部の他側の中央部には、蓋部の閉状態
   を維持するために枠部と係合可能な係止片を設けた容器
   用合成樹脂製蓋。
2. 【請求項２】 蝶番部は、蓋部及び枠部から張り出した
   薄片の折り曲げ部により構成され、かつ半円弧状に湾曲
   した弾性片の支点部よりも該折り曲げ部がほぼ水平方向
   外側に位置する請求項１記載の容器用合成樹脂製蓋。
3. 【請求項３】 蓋部の閉状態において前記係止片の位置
   に対応する枠部の両側の位置に隆起部を設けた請求項１
   又は２記載の容器用合成樹脂製蓋。