JPH072632B2 - 口腔粘膜付着用錠剤 - Google Patents

口腔粘膜付着用錠剤

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JPH072632B2
JPH072632B2 JP60280977A JP28097785A JPH072632B2 JP H072632 B2 JPH072632 B2 JP H072632B2 JP 60280977 A JP60280977 A JP 60280977A JP 28097785 A JP28097785 A JP 28097785A JP H072632 B2 JPH072632 B2 JP H072632B2
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JP
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film
tablet
drug
oral cavity
polymer compound
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JP60280977A
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宏保 宮坂
俊男 伊藤
孝志 菊地
小太郎 田代
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Nichiban Co Ltd
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Nichiban Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明、口腔内疾患の治療または予防のための口腔粘膜
付着用錠剤に関し、さらに詳しくは、口腔内の適用部位
へ、容易に、かつ強固に長時間付着させることができ、
また可食性を有し、さらに口腔内に長時間保持させた場
合においても、ほとんど異物感がない口腔粘膜付着用錠
剤に関する。
[従来技術および問題点] 口腔内疾患に適用される薬剤、すなわち口腔粘膜からそ
の薬効成分を経皮吸収させる製剤としては、例えば、ト
ローチ剤、バッカル剤、舌下錠、液剤、軟膏剤等が知ら
れている。これらのうち、トローチ剤、バッカル剤およ
び舌下錠は、これらを施用した場合、口腔内における異
物感が大きい。このため、多くの人が、まだかなりの量
の製剤が残っている状態で、これを噛み砕いて、飲み込
んでしまうことが多い。したがって、十分な薬効を発揮
することができない。また、薬剤や軟膏剤を施用した場
合は、唾液によって薬剤が口腔内で分散されたり、飲み
込まれることが多く、口腔内疾患用の薬剤としては無駄
が多く、適当でない。
これらの問題点を解消するために、近年口腔内の粘膜に
付着させて用いる徐放性製剤が提案されている(特公昭
58-7605)。しかしながら、これらの徐放性製剤は、水
溶性高分子物質からなるものであり、このため口腔内の
唾液によって徐放性製剤が短時間で溶解または崩壊を起
こし、粘膜から剥れ易いなどの問題点を有する。したが
って、徐放性製剤の背面(粘着面の反対面)を難溶化し
たり、水不溶性の不織布、プラスチックフィルムまたは
金属箔等を積層したものが提案されている(特開昭57-5
8615、特開昭58-213709)がこれらは口腔内において異
物感が大きく、また、無意識のうちに飲み込んでしまっ
た場合に安全性の点で問題がある。
[解決しようとする問題点] 本発明は、口腔内に施用した場合における異物感および
安全性、さらには製剤の安定性(口腔内における崩れに
くさ)等の問題点を解消せんとするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は上記の問題点を解消するために鋭意研究を行
った結果、口腔内疾患の治療または予防用錠剤の支持体
としてコラーゲンからなるフィルムを使用することによ
り、錠剤注の薬効成分の流出による損失をほとんど無く
し、またその溶解速度を適度に保持することができると
いうこと、さらには、前記フィルムが可食性を有し人体
には無害であり、さらに適度に吸湿し柔軟性を示すので
口腔内において異物感を与えることがないという知見を
得、本発明を完成するに到った。
すなわち本発明の口腔粘膜付着用錠剤は、貼着性水親和
性高分子化合物および薬剤が、厚さ0.005〜1mmのケーシ
ング用コラーゲンフィルムまたはアテロコラーゲンフィ
ルムで積層されていることを特徴とする。
本発明で使用するコラーゲンからなるフィルムは、本発
明の製剤の支持体となるものである。このフィルムを構
成するコラーゲンは、動物の結合組織中の主要な繊維性
蛋白質である。このコラーゲンからなるフィルムは、コ
ラーゲンを少なくとも50重量%以上含有している。この
ようなフィルムとしては、例えば、牛皮を石灰処理後、
酸で膨潤させた酸膨潤生コラーゲン繊維と精製牛皮を酸
性蛋白分解酵素処理したコラーゲンおよびグリセリン等
からなるケーシング用フィルムまたは精製牛皮を蛋白分
解酵素で処理したアテロコラーゲンフィルムである。こ
のフィルムの厚さは、0.005〜1mm、好ましくは0.02〜0.
2mmである。フィルムの厚さが0.005mm未満の場合は、貼
着層中の薬効成分がフィルムを通って流出してしまい、
また貼着層を構成する水親和性高分子化合物の溶解速度
が速くなり、貼着層が崩壊し易くなるために、口腔内の
適用部位に長時間付着させることが困難になる。フィル
ムの厚さが1mmを超える場合は、吸湿によって柔軟性を
示した場合でも、異物感が大きすぎるので好ましくな
い。
上記コラーゲンからなるフィルム上に形成させる貼着層
の構成要素である貼着性水親和性高分子化合物は、薬剤
を保持するための担体となるものである。この高分子化
合物としては、口腔内の粘膜表面の水分によって吸湿
し、接着性を示すものであれば、如何なるものであって
もよく、例えば、水溶性または水膨潤性の高分子化合物
を使用することができる。このような高分子化合物とし
ては、天然、半合成または合成高分子化合物を使用する
ことができる。天然高分子化合物としては、例えば、ア
ラビアガム、トラガントガム、ローカストビーンズガ
ム、グアーガム、寒天、カラゲナン、アルギン酸ナトリ
ウム、デキストリン、デキストラン、アミロース等;半
合成高分子化合物としては、例えば、セルロース系高分
子化合物、例えばメチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシル化アルキルセルロースエーテル、アル
カリ金属カルボキシメチルセルロース等の水溶性セルロ
ースエーテル等;合成高分子化合物としては、例えば、
ポリアクリル酸およびそのアルカリ金属塩、カルボキシ
ビニルポリマー、アクリル酸コポリマーおよびそのアル
カリ金属塩、ポリアクリル酸エステル類、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン等を挙げることがで
き、これらの貼着性水親和性高分子化合物は1種又は2
種以上混合して用いてもよい。
貼着層のもう一方の構成要素である薬剤としては、歯槽
膿漏、歯肉炎、智歯周囲炎、口内炎、口唇炎等の種々の
口腔内疾患の治療または予防薬であって、その薬効成分
を口腔内粘膜から経皮吸収することが可能な全ての薬剤
を挙げることができる。本発明の錠剤中における薬剤の
配合量は、錠剤の寸法、薬剤の種類および効力、放出特
性、使用時間等に応じて適宜決定することができる。
また、貼着層には、その性質を損なわない範囲内で、必
要に応じて他の成分として薬学的に許容される公知の賦
形剤、結合剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、滑剤等を構成
要素として添加することができる。
本発明の錠剤は、まず、粉末状の貼着性水親和性高分子
化合物と薬剤の所定量を均一になるようにボールミル等
で混合する。次いで、前記混合物の所定量を打錠機の打
錠部位に載置し、その上に所定厚のコラーゲンからなる
フィルムを積層する。その後、所定圧を印加し、圧縮成
形することにより、本発明の錠剤を得ることができる。
このようにして得ることができる本発明の錠剤の形状は
特に制限されず、円板状または平板状等の任意の形状に
することができる。
また、錠剤の大きさ(口腔内粘膜と付着する部分の面
積)および厚さは特に制限されないが、使い易さ等の点
から、例えば円板状の錠剤の場合、直径20mm以下、好ま
しくは5〜10mmで、厚さが0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2
mm程度のものがよい。
[発明の実施例] 以下、実施例を掲げ本発明をさらに詳述する。なお、実
施例中「部」は全て「重量部」を表す。
実施例1 貼着性水親和性高分子化合物としてカーボポール941
(商品名、ビー・エフ・グットリッチケミカルカンパニ
ー製)およびポリエチレングリコール(重量平均分子量
20,000)10部ならびに薬剤としてデキサメタゾン0.0312
部をボールミルで均一に混合した。次いでこの混合物80
mgを下層とし、厚さ0.04mmのケーシング用コラーゲンフ
ィルムを上層として打錠機(KT−2型粉末成形プレス
機;日栄精工(株)製)によって約1t/cm2の圧力で圧縮
成形し、直径10mm、厚さ0.8mmの錠剤を得た。
実施例2 貼着性水親和性高分子化合物としてカーボポール934
(商品名、ビー・エフ・グッドリッチケミカルカンパニ
ー製)70部およびポリエチレングリコール(重量平均分
子量20,000)10部、ならびに薬剤としてトリアムシノロ
ンアセトニド0.0312部、さらにブドウ糖20部をボールミ
ルで均一に混合した。次いで、この混合物80mgを下層と
し、厚さ0.1mmのアテロコラーゲンフィルムを上層とし
て、打錠機によって1.5t/cm2の圧力を加え圧縮成形し、
直径10mm、厚さ0.9mmの錠剤を得た。
実施例3 貼着性水親和性高分子化合物として、カーボポール941
70部、ポリエチレングリコール(重量平均分子量20,00
0)10部およびメチルセルロース(15cP)20部、ならび
に薬剤としてプレドニゾロン0.0624部をエタノールに溶
解させた。次いで、この溶解液を、実施例1と同じケー
シング用コラーゲンフィルムを敷設した5×10cmの型枠
に、固形分で0.1g/cm2になるように流し込んだ。その
後、10×10mmの大きさに、打ち抜き、板状の錠剤を得
た。
[発明の効果] 以上に説明したとおり、本発明の口腔粘膜付着用錠剤
は、その支持体として厚さ0.005〜1mmのケーシング用コ
ラーゲンフィルムまたはアテロコラーゲンフィルムを使
用することにより、支持体からの薬効成分の流出による
損失をほとんど無くすことができ、また貼着層を構成す
る水親和性高分子化合物の溶解速度を適度に保持するこ
とができるため、錠剤の崩壊を遅延させることができ
る。したがって、錠剤を口腔内で長時間保持することが
でき、治療または予防効果を高めることができる。さら
に、コラーゲンからなるフィルムは、可食性を有してい
るため、誤まって飲み込んだ場合でも、人体には無害で
ある。また、このフィルムは、口腔内で吸湿することに
より、良好な柔軟性を示すようになるため、異物感がほ
とんどなく、使用時の快適さの点においても優れてい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田代 小太郎 東京都千代田区九段南2丁目2番4号 ニ チバン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−174307(JP,A) 特開 昭61−30516(JP,A) 特開 昭61−30517(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】貼着性水親和性高分子化合物および薬剤
    が、厚さ0.005〜1mmのケーシング用コラーゲンフィルム
    またはアテロコラーゲンフィルムで積層されていること
    を特徴とする口腔粘膜付着用錠剤。
JP60280977A 1985-12-16 1985-12-16 口腔粘膜付着用錠剤 Expired - Lifetime JPH072632B2 (ja)

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JPS62142113A JPS62142113A (ja) 1987-06-25
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