JPH07263204A - 電圧非直線抵抗体およびその製造方法 - Google Patents

電圧非直線抵抗体およびその製造方法

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JPH07263204A
JPH07263204A JP6051848A JP5184894A JPH07263204A JP H07263204 A JPH07263204 A JP H07263204A JP 6051848 A JP6051848 A JP 6051848A JP 5184894 A JP5184894 A JP 5184894A JP H07263204 A JPH07263204 A JP H07263204A
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Kunio Ohira
邦夫 大平
Ritsu Tanaka
立 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】2個以上段積した際の放熱特性を改善でき、放
電耐量を向上できる電圧非直線抵抗体およびその製造方
法を提供する。 【構成】2個以上で段積されて使用される、酸化亜鉛を
主成分とする円板状の素子本体1と、素子本体1の側面
に設けた高抵抗層2と、素子本体1の両端面に設けた電
極3とからなる電圧非直線抵抗体において、少なくとも
一方の電極3に、素子本体1の側面に設けた高抵抗層2
を超えるはみ出し部4を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化亜鉛を主成分とす
る電圧非直線抵抗体およびその製造方法に関し、特に2
個以上を段積して使用する電圧非直線抵抗体およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、酸化亜鉛を主成分とし、二酸
化珪素、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化マンガン
等の小量の添加物を含有した抵抗体は、優れた電圧非直
線性を示すことが広く知られており、その性質を利用し
て避雷器等に使用されている。
【0003】その一例として、放電耐量を向上するため
に、酸化亜鉛を主成分とする素子本体の両端面に電極を
設ける際、図3にその一例を示すように、円板状の素子
本体11の側面に設けた高抵抗層12の領域まで電極1
3を設けた電圧非直線抵抗体が、特開昭60−2820
5号公報において開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、電極
13を素子本体11上のみならず高抵抗層12上にまで
設けた電圧非直線抵抗体では、電位分布が均一化して素
子側面の沿面放電を防止することにより放電耐量が通常
の電圧非直線抵抗体に比べて向上するが、近年要望の強
いさらに高い放電耐量を達成するにはまだ不十分なレベ
ルにあり、特開昭60−28205号公報に開示された
技術だけでは、さらに高い放電耐量を達成できない問題
があった。
【0005】本発明の目的は上述した課題を解消して、
2個以上段積した際の放熱特性を改善でき、放電耐量を
向上できる電圧非直線抵抗体およびその製造方法を提供
しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電圧非直線抵抗
体は、2個以上で段積されて使用される、酸化亜鉛を主
成分とする円板状の素子本体と、素子本体の側面に設け
た高抵抗層と、素子本体の両端面に設けた電極とからな
る電圧非直線抵抗体において、少なくとも一方の電極
が、素子本体の側面に設けた高抵抗層を超えるはみ出し
部を有することを特徴とするものである。
【0007】また、本発明の電圧非直線抵抗体の製造方
法は、上述した構成の電圧非直線抵抗体の製造方法にお
いて、酸化亜鉛を主成分とする円板上の素子本体と、素
子本体の側面に設けた高抵抗層からなる電圧非直線抵抗
体を形成した後、高抵抗層の側面上のはみ出し部を設け
ない位置にマスキングテープを設け、電極材料を溶射す
ることにより、または電極材料を含むペーストを塗布し
た後焼き付けることにより、マスキングテープの厚さで
高抵抗層の表面からのはみ出し幅を制御することを特徴
とするものである。
【0008】
【作用】上述した構成において、電極に素子本体の側面
に設けた高抵抗層を超えるはみ出し部を設けることで、
特に2個以上段積した場合の放熱特性を改善することが
でき、電位分布をさらに均一化して放電耐量をさらに向
上させることができる。なお、はみ出し部のはみ出し幅
が0.03mm以上である場合、はみ出し部の高抵抗層
を覆う覆い幅が素子本体の厚さの10%以下である場
合、電極の厚みが0.03mm以上の場合、はみ出し部
が外周の20%以上に存在する場合は、以下の実施例か
らもわかるように、さらに放電耐量を向上させることが
できるため好ましい。
【0009】また、はみ出し部の密度がそれ以外の部分
の密度よりも小さい、例えば密度差が5%以上の場合
は、はみ出し部で放熱作用を高め、はみ出していない部
分は内部の熱を外へ伝熱する作用を維持できるため好ま
しい、さらに、はみ出し部を形成する方法としては、い
ずれの方法によってもはみ出し部が形成できればどの方
法でも使用できるが、中でも側面にマスキングテープを
使用して溶射あるいはペースト塗布後焼き付けと、簡単
な工程ではみ出し部を制御できるため好ましい。
【0010】
【実施例】酸化亜鉛を主成分とする電圧非直線抵抗体を
得るには、まず所定粒度に調節した酸化亜鉛原料と所定
の粒度に調節したBi2O3 、Co3O4 、MnO2、Sb2O3、Cr2O3
、SiO2、NiO 等よりなる添加物の所定量を、ディスパ
ーミルにより混合後、スプレードライヤにより造粒して
造粒物を得る。造粒後、成形圧力800 〜1000kg/cm2の下
で所定の形状に成形する。そして成形体を昇降温速度30
〜70℃/hrで800 〜1000℃保持時間1 〜5 時間という条
件で仮焼成する。なお、仮焼成の前に成形体を昇降温速
度10〜100 ℃/hrで400 〜600 ℃で保持時間1 〜10時間
で熱処理し結合剤等を飛散除去することが好ましい。
【0011】次に、仮焼成した仮焼成体の側面に側面高
抵抗層を形成する。本発明では、ビスマス化合物、アン
チモン化合物、珪素化合物等の所定量に有機結合剤とし
てエチルセルロース、ブチルカルビトール、酢酸nブチ
ル等を加えた側面高抵抗層用混合物ペーストを、30〜30
0 μm の厚さに仮焼成体の側面に塗布する。次に、これ
を昇降温速度40〜60℃/hr、最高保持温度1000〜1300
℃、3〜7時間という条件で本焼成する。その後、得ら
れた電圧非直線抵抗体の両端面をSiC、Al2O3 、ダイヤ
モンド等の#400 〜2000相当の研磨剤により水好ましく
は油を使用して研磨する。
【0012】本発明で重要なのは、その後研磨した両端
面に電極を素子本体の側面に設けた高抵抗層を超えるは
み出し部を設けて形成することである。すなわち、上述
したようにして得た基本となる電圧非直線抵抗体の高抵
抗層の側面上のはみ出し部を設けない位置をマスキング
テープでマスクした後、溶射装置によりアルミニウム等
の電極材料を溶射する方法、マスク後銀ペースト塗布し
焼き付ける方法、あるいは予め所定の大きさ、形状に加
工した金属板を電極と拡散接合等により接合する方法等
により、はみ出し部を形成する。マスキングテープを使
用する方法においては、テープの厚さを変更すること
で、高抵抗層の表面からのはみ出し幅を制御できる。ま
た、はみ出し部は少なくとも一方に形成してあれば、2
個以上段積した際接合面に少なくとも1個のはみ出し部
を設けることができる。
【0013】図1および図2は本発明の電圧非直線抵抗
体におけるはみ出し部を説明するための図である。図1
において、1は酸化亜鉛を主成分とする円板状の素子本
体、2はこの素子本体1の側面に設けた高抵抗層、3は
素子本体1および高抵抗層2の両端面に設けた電極であ
り、少なくとも一方の電極3に、素子本体1の側面に設
けた高抵抗層2を超えたはみ出し部4を形成している。
【0014】なお、図1に示す例において、aははみ出
し部4の高抵抗層2の表面からのはみ出し幅を、bはは
み出し部4の高抵抗層2上を覆う部分の素子本体1およ
び高抵抗層2の端面からの覆い幅を、cは電極3の素子
本体1および高抵抗層2上の厚みを、さらに図2に示す
例において、dは高抵抗層2の外周のうちはみ出し部4
が存在する部分を、それぞれ示す。
【0015】以下、実際の例について説明する。実施例 上述した製造方法に従って、電極のはみ出し部の各a、
b、c、dの寸法を以下の表1に示すように形成し、ま
た以下の表1に示すようにはみ出し部とそれ以外の部分
の密度差を設定した、本発明試料No.1〜25と、比較例N
o. 1の電圧非直線抵抗体を準備し、それぞれの電圧非
直線抵抗体に対して4/10μs 放電耐量を求めた。ここ
で、4/10μs 放電耐量は、同一試料を3個段積みして試
験を実施し、電流波形と電圧波形を積分してエネルギー
を計算し、破壊しなかったエネルギー値を3等分するこ
とにより求めた。結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1の結果から、はみ出し部を形成した本
発明試料No.1〜25は、はみ出し部を設けなかった比較例
試料No.1と比べて、放電耐量が向上していることがわか
った。また、はみ出し幅aについては、本実施例試料N
o.1〜21とNo.22 との比較から0.03mm以上あれ
ば、覆い幅bについては、本発明例試料No.1〜21とNo.2
3 との比較から素子厚さの10%以下であれば、電極の厚
みcについては、本発明例試料No.1〜21とNo.24 との比
較から0.03mm以上あれば、はみ出し部の存在割合
dについては、本発明例試料No.1〜21とNo.25 との比較
から素子外周の20%以上あれば、それぞれ高い放電耐量
の電圧非直線抵抗体を得ることができ、好ましいことが
わかった。さらに、はみ出し部とそれ以外の部分の密度
差については、本発明例のうち試料No.18 とそれ以外の
試料との比較から5%以上であると好ましいことがわか
った。
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、電極に素子本体の側面に設けた高抵抗層を超
えるはみ出し部を設けているため、特に2個以上段積し
た場合の放熱特性を改善することができ、電位分布をさ
らに均一化して放電耐量をさらに向上させることができ
る。また、はみ出し部のはみ出し幅が0.03mm以上
である場合、はみ出し部の高抵抗層を覆う覆い幅が素子
本体の厚さの10%以下である場合、電極の厚みが0.
03mm以上の場合は、はみ出し部が外周の20%以上
に存在する場合は、さらに放電耐量を向上させることが
できるため好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電圧非直線抵抗体におけるはみ出し部
の各部の寸法を説明するための図である。
【図2】本発明の電圧非直線抵抗体におけるはみ出し部
の存在割合を説明するための図である。
【図3】従来の電圧非直線抵抗体の電極の状態を説明す
るための図である。
【符号の説明】 1 素子本体、2 高抵抗層、3 電極、4 はみ出し
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】また、はみ出し部の密度がそれ以外の部分
の密度よりも小さい、例えば密度差が5%以上の場合
は、はみ出し部で放熱作用を高め、はみ出していない部
分は内部の熱を外へ伝熱する作用を維持できるため好ま
しい、さらに、はみ出し部を形成する方法としては、い
ずれの方法によってもはみ出し部が形成できればどの方
法でも使用できるが、中でも側面にマスキングテープを
使用して溶射あるいはペースト塗布後焼き付けすると、
簡単な工程ではみ出し部を制御できるため好ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【表1】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2個以上で段積されて使用される、酸化亜
    鉛を主成分とする円板状の素子本体と、素子本体の側面
    に設けた高抵抗層と、素子本体の両端面に設けた電極と
    からなる電圧非直線抵抗体において、少なくとも一方の
    電極が、素子本体の側面に設けた高抵抗層を超えるはみ
    出し部を有することを特徴とする電圧非直線抵抗体。
  2. 【請求項2】前記はみ出し部の高抵抗層の表面からのは
    み出し幅が0.03mm以上である請求項1記載の電圧
    非直線抵抗体。
  3. 【請求項3】前記はみ出し部の高抵抗層上を覆う部分の
    素子本体および高抵抗層の端面からの覆い幅が、素子本
    体の厚さの10%以下である請求項1記載の電圧非直線
    抵抗体。
  4. 【請求項4】前記はみ出し部を有する電極の、素子本体
    および高抵抗層上の厚みが、0.03mm以上である請
    求項1記載の電圧非直線抵抗体。
  5. 【請求項5】前記はみ出し部が、高抵抗層の外周のうち
    の20%以上に存在する請求項1記載の電圧非直線抵抗
    体。
  6. 【請求項6】前記はみ出し部の密度が、はみ出し部以外
    の電極の密度よりも小さい請求項1記載の電圧非直線抵
    抗体。
  7. 【請求項7】前記はみ出し部の密度とはみ出し部以外の
    電極の密度との差が5%以上である請求項6記載の電圧
    非直線抵抗体。
  8. 【請求項8】請求項1記載の電圧非直線抵抗体の製造方
    法において、酸化亜鉛を主成分とする円板上の素子本体
    と、素子本体の側面に設けた高抵抗層からなる電圧非直
    線抵抗体を形成した後、高抵抗層の側面上のはみ出し部
    を設けない位置にマスキングテープを設け、電極材料を
    溶射することにより、または電極材料を含むペーストを
    塗布した後焼き付けることにより、マスキングテープの
    厚さで高抵抗層の表面からのはみ出し幅を制御すること
    を特徴とする電圧非直線抵抗体。
JP05184894A 1994-03-23 1994-03-23 電圧非直線抵抗体 Expired - Lifetime JP3270618B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7095310B2 (en) 1999-10-04 2006-08-22 Kabushiki Kaisha Toshiba Nonlinear resistor and method of manufacturing the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7095310B2 (en) 1999-10-04 2006-08-22 Kabushiki Kaisha Toshiba Nonlinear resistor and method of manufacturing the same

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