JP3830354B2 - 電圧非直線抵抗体の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化亜鉛を主成分とする電圧非直線抵抗体の製造法に関するものであり、詳しくは雷サージ耐量特性に優れた電圧非直線抵抗体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電圧安定素子、サージアブソーバ、アレスタ等に広く利用されている電圧非直線抵抗体の製造法としては、例えば、mol%で、Bi2O30.1〜3.0%、Co2O30.1〜3.0%、MnO20.1〜3.0%、Sb2O30.1〜3.0%、Cr2O30.05〜1.5%、NiO0.1〜3.0%、SiO20.1 〜10.0、Al2O30.0005〜0.025%、B2O30.005〜0.3%および残部がZnOよりなる原料混合物を成形して焼成する電圧非直線抵抗体の製造法が広く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の製造法による電圧非直線抵抗体の製造法は各部における均一性が悪いため、雷サージ等の印加により局部的に大電流が流れ、それにより抵抗体が破壊することがあった。その結果、特に碍子の保護において重要な雷サージ耐量特性において、必ずしも満足できる電圧非直線抵抗体を得ることができなかった。
本発明は上述した不具合を解消して雷サージ耐量特性に優れた電圧非直線抵抗体の製造法を提供すること課題とした。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記課題を解決するために、本発明は、酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマスをBi2O3に換算して0.3〜0.5mol%、酸化コバルトをCoOに換算して1.0〜1.5mol%、酸化マンガンをMnO2に換算して0.3〜0.7mol%、酸化アンチモンをSb2O3に換算して1.0〜1.6mol%、酸化クロムをCr2O3に換算して0.3〜0.6mol%、酸化銀をAg2Oに換算して0.05〜0.1mol%、酸化ケイ素をSiO2に換算して0.9〜3.0mol%、酸化ホウ素をB2O3に換算して0.05〜0.1mol%および酸化アルミニウムをAl2O3に換算して0.005〜0.01mol%含有する添加物と、ポリビニルアルコール(PVA)の結合剤と、をボールミルを用いて混合し、
スプレードライヤにより顆粒状にした後に34×10 6 Pa程度の圧力を加えて円盤状またはバルク形に圧縮成形し、
700℃〜1000℃で仮焼成して結合剤を除去し、
1000℃〜1300℃の空気中で焼成して円盤状またはバルク形の焼成体とし、
焼成体の側面に酸化ケイ素を主成分とするペーストを塗布して400℃〜700℃に加熱して前記側面上にガラス化により絶縁被覆層を一体的に設け、
平面部を研磨してアルミニウム電極を設けることを特徴とする。
【0005】
本発明によれば、前述した特定の組成を採用することにより、サージ耐量特性に優れた電圧非直線抵抗体を提供できる。
なお、電圧非直線抵抗体において、各成分の含有量を制限する理由は以下の通りである。
【0006】
Bi2O3は粒界相としてZnO粒子間に微構造を構成するとともにZnO粒子の粒成長を促進する作用がある。添加量が0.3mol%未満だと粒界相が充分に形成されず、この粒界相によって形成される電気的バリヤの高さが低下して漏洩電流が増加し、低電流域での非直線性が悪化するとともに、添加量が0.5mol%を越えると粒界相が厚くなりすぎたりZnO粒子の粒子成長が促進され、制限電圧比が悪化するため、Bi2O3の添加量を0.3〜0.5mol%と限定した。
【0007】
CoOおよびMnO2は、その一部がZnO粒子内に固溶するとともに一部は粒界相に析出して電気的バリヤの高さを高める作用を有する。CoOの添加量が1.0mol%未満であって、MnO2の添加量が0.3mol%未満であると電気的バリヤの高さが低下して低電流域での非直線性が悪化するとともに、CoOの添加量が1.5mol%を越え、MnO2の添加量が0.7mol%を越えると粒界相が厚くなりすぎて制限電圧比が悪化するため、CoOの添加量を1.0〜1.5mol%と限定し、MnO2の添加量を0.3〜0.7mol%と限定した。
【0008】
Sb2O3およびCr2O3は、ZnOと反応してスピネル相を形成することにより、ZnO粒子の異常粒成長を抑制して焼成体の均一性を向上する作用を有する。Sb2O3の添加量が1.0mol%未満であって、Cr2O3の添加量が0.3mol%未満であると、ZnO粒子の異常粒成長が発生して焼成体の電流分布が不均一になるとともに、Sb2O3の添加量が1.6mol%を越え、Cr2O3の添加量が0.6mol%を越えると、絶縁性のスピネル相が多くなりすぎて焼成体の電流分布が不均一になるため、Sb2O3の添加量を1.0〜1.6mol%と限定し、Cr2O3の添加量を0.3〜0.6mol%と限定した。
【0009】
Ag2Oは粒界相に析出して課電によって起こるイオン移動を抑制して粒界相を安定化する作用を有する。添加量が0.05未満であると粒界相を安定する効果が不充分であるとともに、0.1mol%を越えると逆に粒界相が不安定になり制限電圧比が悪化するため、Ag2Oの添加量を0.05〜0.1mol%と限定した。
【0010】
SiO2はBi2O3とともに粒界中に析出してZnO粒子の粒成長を抑制し、バリスタ電圧を上げる作用を有する。添加量が0.9mol%未満であるとZnO粒子の粒成長の抑制効果が不充分であるとともに粒界相中に不均一に析出する。その結果素子の均一性が悪化し、雷サージにより電流集中が起きやすくなる。また側面の絶縁被覆層との密着性も悪いため雷サージ耐量特性が低下するとともに、3.0mol%を越えると粒界相が厚くなりすぎて特性が悪化するため、SiO2の添加量を0.9〜3.0mol%と限定した。
【0011】
B2O3はBi2O3,SiO2とともに粒界相に析出してZnO粒子の粒成長を促進するとともに、粒界相をガラス化して安定にする作用を有する。添加量が0.05mol%未満であると粒界相を安定化させる効果が不充分であるとともに、0.1mol%を越えると粒界相が厚くなりすぎて制限電圧比が悪化するため、B2O3の添加量を0.05〜0.1mol%と限定した。
【0012】
Al2O3はZnOに固溶してZnOからなる素子の抵抗を下げる作用を有している。
添加量が0.005mol%未満では素子の抵抗を充分小さくできないため制限電圧比が悪化するとともに、0.01mol%を越えると電気的バリヤの高さが低下し低電流域での比直線性が悪化するため、Al2O3の添加量を0.005〜0.01mol%と限定した。
【0013】
【発明の実施の形態】
酸化亜鉛を主成分とする電圧非直線抵抗体を得るには、所定の粒度に調整した酸化亜鉛原料に所定の粒度に調整したBi2O3,CoO,MnO2,Sb2O3,Cr2O3,Ag2O,SiO2,B2O3,Al2O3よりなる所定量の添加物と、ポリビニルアルコール(PVA)等の結合剤を所定量加えて、ボールミルを用いて充分に混合する。次いでスプレードライヤで顆粒状にして34×106Pa程度の圧力を加えて円盤状およびバルク形に圧縮成形する。次いで、700〜1000°Cで仮焼成をして結合剤を飛散除去する。次に、1000〜1300°Cの空気中で焼成をした後、焼成体側面にSiO2を主成分とするペーストを塗布し400〜700°Cに加熱して側面をガラス化する。その後、平面部を研磨してアルミニウム電極を設ける。最後に、ZnO素子単体の試験を経て完成する。
表1は、こうして製造した電圧非直線抵抗体の試験結果を示すものである。
【0014】
【表1】
【0015】
表中の配合A,配合Bは本発明の組成からなる電圧非直線抵抗体であり、配合C〜Eは比較のため本発明の組成と異なる組成としたものである。試験は、焼成後の電圧非直線抵抗体の寸法をφ30×3.5mmとしてφ15のアルミニウム電極を設けて実施した。配合A、配合Bは、動作開始電圧、非直線指数、制限電圧比の各特性とも良好な結果が得られた。反面、本発明と異なる組成の配合C〜Eでは、必要な性能が得られなかった。
【0016】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、雷サージ耐量特性に優れた電圧非直線抵抗体を得ることができる。
Claims (1)
- 酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマスをBi2O3に換算して0.3〜0.5mol%、酸化コバルトをCoOに換算して1.0〜1.5mol%、酸化マンガンをMnO2に換算して0.3〜0.7mol%、酸化アンチモンをSb2O3に換算して1.0〜1.6mol%、酸化クロムをCr2O3に換算して0.3〜0.6mol%、酸化銀をAg2Oに換算して0.05〜0.1mol%、酸化ケイ素をSiO2に換算して0.9〜3.0mol%、酸化ホウ素をB2O3に換算して0.05〜0.1mol%および酸化アルミニウムをAl2O3に換算して0.005〜0.01mol%含有する添加物と、ポリビニルアルコール(PVA)の結合剤と、をボールミルを用いて混合し、
スプレードライヤにより顆粒状にした後に34×10 6 Pa程度の圧力を加えて円盤状またはバルク形に圧縮成形し、
700℃〜1000℃で仮焼成して結合剤を除去し、
1000℃〜1300℃の空気中で焼成して円盤状またはバルク形の焼成体とし、
焼成体の側面に酸化ケイ素を主成分とするペーストを塗布して400℃〜700℃に加熱して前記側面上にガラス化により絶縁被覆層を一体的に設け、
平面部を研磨してアルミニウム電極を設けることを特徴とした電圧非直線抵抗体の製造法。
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JP2001092250A JP3830354B2 (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | 電圧非直線抵抗体の製造法 |
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