JPH0726208A - 常温硬化性プラスチック用水系塗料組成物 - Google Patents

常温硬化性プラスチック用水系塗料組成物

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JPH0726208A
JPH0726208A JP19272093A JP19272093A JPH0726208A JP H0726208 A JPH0726208 A JP H0726208A JP 19272093 A JP19272093 A JP 19272093A JP 19272093 A JP19272093 A JP 19272093A JP H0726208 A JPH0726208 A JP H0726208A
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Japan
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core
coating film
emulsion
shell
coating
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JP19272093A
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Kazuhiko Takahashi
和彦 高橋
Yoichi Hirayama
陽一 平山
Makoto Uchida
真 内田
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Fujikura Kasei Co Ltd
Original Assignee
Fujikura Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 特に、極性の大きなプラスチック基材に対し
て良好な付着性を示すと共に、耐水性、強靱牲等の塗膜
特性にも優れた塗膜を形成することのできる常温硬化性
プラスチック用水系塗料組成物を提供しようとするも
の。 【構成】 カルボニル基を含有する不飽和モノマーとス
チレン及び/またはアクリル系モノマーからなる共重合
体をコア成分とし、少なくとも50重量%のアクリロニ
トリルを含有する重合体をシェル成分とするコア−シェ
ル型エマルジョンに、1分子中に少なくとも2個のヒド
ラジド基を含む化合物を配合してなり、かつ前記コア−
シェル型エマルジョンにおけるコア成分/シェル成分の
重量部比が97/3〜70/30の範囲であり、前記ヒ
ドラジド基含有化合物が前記カルボニル基1モルに対し
てヒドラジド基0.25〜2.00モルの範囲となるよ
うに配合されてなることを特徴とする常温硬化性プラス
チック用水系塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温硬化性プラスチッ
ク用水系塗料組成物に関し、より詳しくは、常温硬化性
であり、かつ特に比較的極性の高いプラスチック基材に
対して良好な塗膜付着性を示すと同時に耐水性に優れた
塗膜を形成することのできるエマルジョン系の塗料組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック基材の塗装には、一
般的に有機溶剤型の塗料が用いられている。有機溶剤型
塗料は、該塗料中にプラスチック基材表面をエッチング
する有機溶剤が含有されており、形成される塗膜は該エ
ッチング面に対してアンカー効果によって良好に付着す
るので、プラスチック用塗料として好適とされている
が、その反面、そこに配合されている有機溶剤が塗膜形
成時の乾燥過程で大気中に放出され、大気汚染を招くと
いう重大な欠点がある。
【0003】これに対し、水系のエマルジョン型塗料
は、有機溶剤を全く含まないかあるいは含んでいたとし
ても極少量であるため、有機溶剤型塗料のような大気汚
染を招くという心配がない点で優れており、プラスチッ
ク基材の塗装においてもエマルジョン型塗料への転換が
図られつつある。
【0004】しかしながら、エマルジョン型塗料は、プ
ラスチック基材表面をエッチングする有機溶剤が含まれ
ていない分、アンカー効果による塗膜の付着性の改善が
望めず、従って、エマルジョン塗料はプラスチック基材
には付着し難いという欠点がある他、塗料製造時に用い
られる乳化剤が塗膜中に残留し、形成される塗膜の耐水
性を低下させるという欠点がある。
【0005】プラスチック基材に対する塗膜付着性の改
善方法としては、上記アンカー効果による以外にプラス
チック基材の極性と塗料バインダー樹脂の極性を近似さ
せる方法、例えば、ポリフェニレンオキサイド、ポリス
チレン、ナイロン等のような極性の大きなプラスチック
基材に対しては極性の大きなバインダー樹脂を、ポリオ
レフィン等のような極性の小さなプラスチック基材に対
しては極性の小さなバインダー樹脂をそれぞれ含有する
塗料を用いる方法が知られているが、極性の大きなバイ
ンダー樹脂は、一般に塗膜の耐水性を低下させる傾向が
あるので、極性の大きなプラスチック基材に耐水性に優
れた塗膜を形成するのが難しいという欠点があり、ま
た、エマルジョン塗料のバインダーとして最も汎用的に
用いられているスチレン・アクリル系重合体エマルジョ
ンおよびアクリル系重合体エマルジョンは、極性が比較
的小さく、従って極性の大きなプラスチック基材の塗装
に用いた場合、良好な付着性が得られないという欠点が
ある。
【0006】また、エマルジョン塗料による塗膜の耐水
性を改善する方法としては、該エマルジョン塗料の造膜
過程で塗膜を架橋せしめる方法がいくつか提案されてお
り、例えば、特公昭58−20991号公報、特開昭6
3−179910号公報、特開平5−51559号公報
等に、カルボニル基とヒドラジド基の架橋反応を利用し
た架橋エマルジョン塗料が開示されている。しかし、該
架橋エマルジョン塗料による塗膜形成は、エマルジョン
粒子同士が融着して塗膜形成が開始されると同時に架橋
反応も進行し、不完全な造膜状態で架橋反応が進む結
果、塗膜の内部凝集力が緩和しきらない内に塗膜形成が
終了してしまい、基材に対する塗膜の付着性を著しく低
下させるといった欠点もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、プ
ラスチック基材に対し、良好な付着性を示すエマルジョ
ン塗料が未だに見出されていないという現状にかんがみ
なされたもので、種々のプラスチック基材、特に極性の
大きなプラスチック基材に対して、良好な付着性を示す
と共に耐水性にも優れた塗膜を、常温度領域で容易に形
成することのできるエマルジョン塗料を提供しようとす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によって提供され
る常温硬化性プラスチック用水系塗料組成物は、カルボ
ニル基を含有する不飽和モノマーとスチレン及び/また
はアクリル系モノマーからなる共重合体をコア成分と
し、少なくとも50重量%のアクリロニトリルを含有す
る重合体をシェル成分とするコア−シェル型エマルジョ
ンに、1分子中に少なくとも2個のヒドラジド基を含む
化合物を配合してなり、かつ前記コア−シェル型エマル
ジョンにおけるコア成分/シェル成分の重量比が97/
3〜70/30の範囲であり、前期ヒドラジド基含有化
合物が前記カルボニル基1モルに対してヒドラジド基
0.25〜2.00モルの範囲となるように配合されて
なること(以下、本発明プラスチック用塗料という)こ
とを特徴としている。
【0009】上記構成からなる本発明プラスチック用塗
料は、スチレン及び/またはアクリル系モノマーからな
る重合体をコア成分とし、アクリロニトリルを含有する
重合体をシェル成分としたコア−シェル型エマルジョン
を用いて構成しているので、塗膜形成(造膜)は、シェ
ル部のアクリロニトリルから始まり、造膜がある程度進
んだ段階でコア部のスチレン及び/またはアクリル系重
合体の造膜が開始される。従って、プラスチック基材に
対しては、最初に極性の比較的高いアクリロニトリル重
合体の塗膜が形成されるので、極性の大きなプラスチッ
ク基材に対しても良好な付着性が得られる。しかし、ア
クリロニトリル重合体は、内部凝集力が高く塗膜付着性
を低下させる傾向があるが、次の段階で開始されるコア
部のスチレン及び/またはアクリル系重合体の造膜によ
って、アクリロニトリルの内部凝集力が緩和され、塗膜
付着性の低下という欠点が解消される。このような塗膜
は、スチレン及び/またはアクリル系モノマーとアクリ
ロニトリルをコア−シェル型エマルジョンとしないで、
単に共重合させただけの重合体エマルジョンとした場合
には得られない、本発明における特徴的な作用効果であ
る。
【0010】また、本発明プラスチック用塗料において
は、別の構成要件として、コア−シェル型エマルジョン
のコア部にカルボニル基含有化合物を含有させると同時
に塗料分散相中にヒドラジド基含有化合物を含有させて
いるので、該カルボニル基含有化合物とヒドラジド基含
有化合物による架橋反応は、シェル部のアクリロニトリ
ルの造膜がある程度進み、コア部の造膜へと進んだ段階
より開始されるので、架橋塗膜に付随する内部凝集力の
増大による付着性の低下といった欠点も改善でき、最終
的に極性の高いプラスチック基材に対しも付着性に優れ
ると共に耐水性に優れた塗膜が形成される。
【0011】本発明でいう極性の高いプラスチック基材
とは、厳密に区別することができないが、一応の目安と
しては、フェダーズ(Fadors)の溶解性パラメー
ターの推定法で、10(cal/cm31/2以上の値を
持つものをいい、具体的にはポリスチレン、ポリフェニ
レンオキサイド、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリカー
ボネート、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノー
ル樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等のプラスチック基材
を挙げることができる。
【0012】なお、本発明において、フェダーズ(Fa
dors)の溶解性パラメーターの推定法については、
例えば、「R. F. Fadors 著、Polym. E
ng.Sci.,14(2),147(1947)」等に記載
されている方法によって求めることができる。
【0013】上記コア−シェル型エマルジョンにおい
て、コア成分であるスチレンと共重合可能なアクリル系
モノマーとしては、1〜24個の炭素原子を有するかア
ルキル基のアクリレートもしくはメタクリレート、具体
的にはメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エ
チルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチル
アクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチル
アクリレート、i−ブチルメタクリレート、tert−
ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレー
ト、イシクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレー
ト、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレー
ト、ステアリルメタクリレート、アクリル酸デシル、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のアクリル
酸またはメタクリル酸の炭素原子数が1〜24個のアル
キルまたはシクロアリキルエステル等が挙げられ、これ
らモノマーはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を
混合して用いてもよい。
【0014】また、上記コア成分におけるスチレンとア
クリル系モノマーの共重合比は、スチレン0〜50重量
%、アクリル系モノマー100〜50重量%の範囲であ
るのが好ましく、特にスチレン0〜30重量%でアクリ
ル系モノマー100〜70重量%の範囲であるのが好ま
しい。共重合比においてスチレンが50重量%より多く
なると、塗膜の黄変などの経時劣化が著しくなるという
欠点が生じるようになる。
【0015】本発明のコア−シェル型エマルジョンにお
いて、コアの共重合体を構成するカルボニル基を含有す
る不飽和モノマーとは、1分子中に少なくとも1個のカ
ルボニル基を含有する重合可能な2重結合を含有するモ
ノマー、このましくはアルド基またはケト基に基づくカ
ルボニル基を分子中に少なくとも1個を有する重合可能
な二重結合を有する不飽和モノマーであり、その具体例
としては、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、
ホルミルスチロール、好ましくは4〜7個の炭素原子を
有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケ
トン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトンな
ど)、ジアセトンアクリレート、アセトニルアクリレー
ト、ジアセトンメタクリレート、アセトアセトキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアセチルア
セテート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、
ブタンジオール−1,4−アクリレート−アセチルアセ
テートアクリル(またはメタクリル)オキシアルキルプ
ロパナール等が挙げられ、これらカルボニル基を含有す
る不飽和モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2
種以上を混合して用いてもよい。
【0016】上記コア−シェル型エマルジョンにおける
カルボニル基含有不飽和モノマーの共重合比は、コア成
分中に1〜20重量%の範囲とするのが好ましく、特に
2〜10重量%の範囲とするのが好ましい。共重合比に
おいて、カルボニル基含有不飽和モノマーの共重合比が
1重量%より少ないと、カルボニル−ヒドラジドの硬化
反応による塗膜の架橋による塗膜の耐水性の向上が不十
分になり、20重量%より多くなるとカルボニル−ヒド
ラジドの硬化反応による塗膜内部の歪のために付着性が
著しく低下し、本発明の方法でも塗膜を付着させること
ができなくなる。
【0017】上記コア−シェル型エマルジョンにおい
て、シェルを構成する少なくとも50重量%のアクリロ
ニトリルを含有する重合体は、アクリロニトリルの単独
重合体、ないしは該アクリロニトリルと共重合可能な他
の不飽和単量体(例えば、スチレン、メチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチ
ルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチ
ルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチ
ルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、t
ert−ブチルメタクリレート、イシクロヘキシルアク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレー
ト、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレー
ト、アクリル酸デシル等のアクリル酸またはメタクリル
酸の炭素原子数が1〜24個のアルキルまたはシクロア
リキルエステルなど)との共重合体であり、該共重合体
において、アクリロニトリルの共重合比が50重量%未
満ではコア−シェルエマルジョンの極性の高いプラスチ
ック基材に対する付着性の向上が不十分になるので、特
に70〜100重量%の範囲で用いるのが好ましい。
【0018】上記コア−シェル型エマルジョンにおい
て、コアの重合体/シェルの重合体の構成比は、重量部
比で97/3〜70/30の範囲とするのが好ましく、
特に95/5〜80/20の範囲であるのが好ましい。
構成比において、コア部が97重量部より多くなると極
性の高いプラスチック基材に対する付着性の向上が不十
分になり、コア部が70重量部より少なくなるとシェル
部のアクリロニトリルの内部凝集力の方が大きくなり、
塗膜の付着性が低下するようになる。
【0019】本発明におけるコア−シェルエマルジョン
の製造は、コア部をまず乳化重合法で作った後に、重合
系にシェル部を形成するモノマーを添加してさらに重合
を継続するといった方法によって製造することができる
が、この方法は、一例であって本発明を拘束するもので
はない。
【0020】本発明プラスチック用塗料は、上記のよう
にして得られたコア−シェルエマルジョンに1分子中に
少なくとも2個のヒドラジド基を含有する化合物を配合
して調製されるが、ここにおいて使用可能なヒドラジド
基含有化合物としては、10個、好ましくは4〜6個の
炭素原子を有するジカルボン酸とヒドラジンとの脱水縮
合物であるジカルボン酸ジヒドラジド(例えば、しゅう
酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジ
ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒ
ドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラ
ジド、イタコン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジ
ド、イソフタル酸ジヒドラジドなど);2〜4個の炭素
原子を有する脂肪族水溶性ジヒドラジン(例えば、エチ
レン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジ
ヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジンなど);
ピロメリット酸のジ、トリまたはテトラヒドラジド;1
分子中に少なくとも2個、多くの場合20〜100個の
ヒドラジド基を有するポリアクリル酸のポリヒドラジ
ド;トリヒドラジド(例えば、ニトリロトリ酢酸トリヒ
ドラジドなど)またはテトラヒドラジド(例えば、エチ
レンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジドなど)が好適
であり、さらには、ジ−またはトリヒドラジン−トリア
ジン;チオカルボヒドラジドまたはN,N’−ジアミノ
グアニジン;ヒドラジン−ピリジン誘導体(例えば、2
−ヒドラジノピリジン−5−カルボン酸ヒドラジド、3
−クロル−ヒドラジノピリジン−5−カルボン酸ヒドラ
ジド、6−クロル−2−ヒドラジノピリジン−4−カル
ボン酸ヒドラジド、2,5−ジヒドラジノピリジン−4
−カルボン酸など);ビス−チオセミカルバジド;アル
キレンビスアクリルアミドのビスヒドラジン;ジヒドラ
ジンアルカン;芳香族炭化水素のジヒドラジン(例え
ば、1,4−ジヒドラジノベンゾール、1,3−ジヒド
ラジノベンゾール、2,3−ジヒドラジンナフタリン)
等を挙げることができ、これらヒドラジド基含有化合物
は、それぞれ単独で用いてもよく2種以上を混合して用
いてもよい。
【0021】上記ヒドラジド基含有化合物において、そ
れ自体親水性が強すぎるとエマルジョンの貯蔵安定性が
劣るようになり、他方疎水性が強すぎると水分散化が困
難となり、均一な架橋塗膜が得られないようになること
から、適度な親水性を有する比較的低分子量(300以
下程度)の化合物を使用するのが好ましく、特に、こは
く酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン
酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、イソフタル
酸ジヒドラジド等のごとく、炭素原子数4〜12のジカ
ルボン酸ノジヒドラジド化合物を用いるのが好ましい。
【0022】本発明プラスチック用塗料においてヒドラ
ジド基含有化合物は、該化合物中のヒドラジド基が前記
エマルジョンに含まれるカルボニル基1モルに対して
0.25〜2.00モルに相当する範囲、好ましくは
0.50〜1.50モルの範囲で用いられる。使用量が
0.25モルより少ないと、カルボニル基−ヒドラジド
基の架橋反応が十分に進まないので塗膜の耐水性が悪く
なり、使用量が2.00モルより多くなると未反応のポ
リヒドラジド基が塗膜中に異物となって残り、塗膜特性
を低下させるという欠点が生じるようになる。
【0023】以上のようにして得られた本発明プラスチ
ック用塗料には、必要に応じて顔料、染料等の着色剤、
体質顔料、分散剤、増粘剤、造膜助剤、消泡剤、はじき
防止剤(界面活性剤)、凍結防止剤およびその他等、塗
料業界で慣用されている種々の塗料用添加剤を慣用量で
含ませることができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて本発明をさ
らに詳述する。なお、以下の配合例において、特にこと
わりのない限り部及び%は重量基準を示す。
【0025】実施例1〜7、及び比較例1〜8 1.コア−シェル型エマルジョンの製造:メタクリル酸
メチル(MMA)、スチレン(St)、アクリル酸−n
−ブチル(BA)、アクリル酸−2−エチルヘキシル
(2−EHA)、1,3−ブタンジオールジメタクリレ
ート(BDMA)、アセトアセトキシエチルメタクリレ
ート(AAEM)、ジアセトンアクリルアミド(DAA
M)、反応性乳化剤(旭電化工業社製、SE−10N)
を下記表1の組成で混合してコアモノマー混合物とし
た。次に、2リットルの4口フラスコに脱イオン水55
0部、ペロオキソ二硫酸カリウム1.4部、上記コアモ
ノマー混合物81部を加え、窒素雰囲気下、75℃で重
合を開始し、重合開始30分後から残りのコアモノマー
混合物を2時間かけて滴下し、滴下終了後さらに75℃
に2時間保ってコアを重合した。さらにアクリロニトリ
ル(AN)及びその他のモノマーを表1の組成で混合し
てなるシェルモノマーを30分かけて滴下し、さらに7
5℃で3時間重合してコアシェル型エマルジョンA〜L
を製造した。
【0026】
【表1】
【0027】2.プラスチック用塗料の製造:上記で得
たそれぞれのコア−シェル型エマルジョン70部に、ア
ジピン酸ジヒドラジド(架橋剤X)、イソフタル酸ジヒ
ドラジド(架橋剤Y)をアンモニア水でPH8〜9に調
整後、後記表2の塗料組成にしたがって配合してそれぞ
れの水性エマルジョンを得、このようにして得られた水
性エマルジョンに、さらに脱イオン水20.4部、ジプ
ロピレングリコール−n−ブチルエーテル5部、粘度調
整剤(カネボウ・エヌエスシー社製、ヨドゾールKA−
10)0.6部、界面活性剤(住友スリーエム社製、フ
ロラードFC−170Cの1%イソプロピルアルコール
溶液)4.0部を加え、均一に混合して実施例1〜7及
び比較例1〜8のプラスチック用塗料を得た。なお、こ
こで用いた架橋剤Xは、アジピン酸ジヒドラジドの10
%水溶液、また架橋剤Yは、イソフタル酸ジヒドラジド
の10%ジメチルスルホキシド溶液として用いた。
【0028】3.プラスチック用塗料の評価:上記で得
たそれぞれのプラスチック用塗料を、55×135mm
のABS樹脂押し出し板に、乾燥塗膜厚が30〜50ミ
クロンとなるように塗布し、( )℃で( )時間
乾燥した。このようにして得られた塗装板について下記
評価方法で評価し、評価結果を併せて表2に示した。
【0029】(1) 付着性;塗膜面に、素地に達するよ
うに縦横1mm間隔で各11本の切り込みを入れ100
個の碁盤目を作り、この上にセロハン粘着テープを張り
付けた後、該粘着テープを急激に剥した後の塗膜の状態
を観察し、下記の評価基準で評価する。 ○;全く剥がれを認めない。 ×;碁盤目叉は切り込み周辺に剥がれあり。
【0030】(2) 耐温水性;塗装板を40℃の温水に
72時間浸漬後の塗膜について、塗膜外観及び上記(1)
の付着性を、下記の評価基準で評価する。 ○;艶引け、ふくれ等の塗膜欠陥がなく、付着性も良
好。 ×;艶引け、ふくれ等の塗膜欠陥発生、もしくは塗膜欠
陥はないが剥がれが認められ付着性不良。
【0031】(3) 耐光性;サンシャインウエザオメー
ター1000時間後の塗膜外観を観察し、下記の評価基
準で評価する。 ○;艶引け、ふくれ等の塗膜異常が認められず良好。 ×;艶引け、ふくれ等の塗膜異常が認められる。
【0032】(4) 貯蔵安定性;上記プラスチック用塗
料製造におけるコア−シェル型エマルジョンに架橋剤を
配合した後の水性エマルジョンを、50mlの容器に入
れ、50℃で10日間貯蔵後のエマルジョンの状態変化
を観察する。 ○;増粘等の状態変化がなく良好。 ×;増粘ないしかたまりが認められる。
【0033】比較例9 上記実施例のコアーシェル型エマルジョAの製造処方に
おいて、コアモノマーとシェルモノマーを一緒に混合
し、この混合モノマー81gを重合開始時にフラスコに
加え、重合開始30分後から残りの混合モノマーを2時
間30分かけて滴下する他は、上記実施例と同様の重合
条件で重合し、コアーシェル型エマルジョでない単層エ
マルジョンMを製造し、得られたエマルジョンMを用い
て同様にプラスチック用塗料を製造し、同様に評価し、
その結果を併せて表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明プラスチック用塗料は、スチレン
及び/またはアクリル系モノマーからなる重合体をコア
成分とし、アクリロニトリルを含有する重合体をシェル
成分とするコア−シェル型エマルジョンで構成している
ので、塗膜形成は最初にプラスチック基材に良好に付着
するシェルの重合体、次いでシェルの重合体塗膜の内部
凝集力を緩和するコアの重合体へと段階的に進み、種々
のプラスチック基材、特に極性の大きなプラスチック基
材に対して良好な付着性の塗膜を形成し得るという効果
があり、また、本発明プラスチック用塗料は、コア−シ
ェル型エマルジョンとしているために付着性を低下させ
る架橋剤の配合も可能となり、きわめて耐水性、強靱性
に優れた塗膜をも形成し得るという優れた効果を有して
いる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボニル基を含有する不飽和モノマー
    とスチレン及び/またはアクリル系モノマーからなる共
    重合体をコア成分とし、少なくとも50重量%のアクリ
    ロニトリルを含有する重合体をシェル成分とするコア−
    シェル型エマルジョンに、1分子中に少なくとも2個の
    ヒドラジド基を含む化合物を配合してなり、かつ前記コ
    ア−シェル型エマルジョンにおけるコア成分/シェル成
    分の重量部比が97/3〜70/30の範囲であり、前
    期ヒドラジド基含有化合物が前記カルボニル基1モルに
    対してヒドラジド基0.25〜2.00モルの範囲とな
    るように配合されてなることを特徴とする常温硬化性プ
    ラスチック用水系塗料組成物。
JP19272093A 1993-07-08 1993-07-08 常温硬化性プラスチック用水系塗料組成物 Pending JPH0726208A (ja)

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