JPH072617Y2 - Pbnルツボの均一加熱機構 - Google Patents

Pbnルツボの均一加熱機構

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JPH072617Y2
JPH072617Y2 JP1987091206U JP9120687U JPH072617Y2 JP H072617 Y2 JPH072617 Y2 JP H072617Y2 JP 1987091206 U JP1987091206 U JP 1987091206U JP 9120687 U JP9120687 U JP 9120687U JP H072617 Y2 JPH072617 Y2 JP H072617Y2
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JP
Japan
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crucible
molecular beam
pbn
substrate
temperature
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由明 禅野
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Nissin Electric Co Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Nissin Electric Co Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 (ア)技術分野 この考案は、分子線結晶成長装置に用いられる分子線源
セルのPBNルツボの均一加熱機構に関する。
分子線結晶成長装置は超高真空中に於て、原料を加熱し
て蒸発させ分子線とし、加熱された基板に当て、基板上
で結晶成長を起こさせるものである。
分子線結晶成長室の他に、大気中から基板を装置内へ導
入するための基板導入室や、基板を大気中へとり出すた
めの基板取出し室などがある。
この他に、適当な処理を行なうための真空室を備えるも
のもある。たとえば、基板を清浄にするためガスエツチ
ングするガスエツチング室を備えるものもある。
これらの真空室は互いに導管によつて接続されている。
この導管はゲートバルブによつて開閉される。
基板は基板ホルダに取りつけられた状態で取扱われる。
これら真空室の間で基板ホルダを搬送するための搬送装
置が設けられている。
分子線結晶成長室は、10-10〜10-11Torr程度の超高真空
に引かれる。その他の真空室も10-8〜10-10Torr程度の
高真空に引かれる。各真空室は、それぞれ独立した真空
排気装置を備えている。
基板は、GaAs、InPなどの化合物半導体ウエハ、Si、Ge
などのIII族半導体ウエハなど任意である。
基板はMoなどのホルダにIn金属で固定される事もある。
Inを使わない固定機構もある。1枚の基板だけをホルダ
にとりつける事もあり、複数枚の基板をホルダにとりつ
ける事もある。
(イ)従来技術 第2図によつて、分子線結晶成長室の構造を簡単に説明
する。
分子線結晶成長室4は、壁面に複数の分子線源セル5、
5、…を備える。これらは、エピタキシヤル成長膜を構
成する元素を不純物の分子線を発生するためのセルであ
る。
分子線源セル5は、PBNルツボ1と、ヒータ13、シヤツ
タ14などよりなる。
PBNルツボ1には原料融液2などが入つている。原料固
体が、加熱されて融解するものであれば融液となる。こ
れが蒸発するが、超高真空であるので、自由行程が長
く、直進する流れとなる。シヤツタ14を開くと、この分
子線が直進して基板8に当る。
基板8は基板ホルダ7とともに、マニピユレータ6によ
つて保持される。基板8は背後から、基板加熱ヒータ9
によつて加熱される。また基板8はマニピユレータ6に
よつて軸まわりに回転する。
シヤツタ14の開閉によつて、分子線の流れを自在に制御
する事ができる。
真空排気装置12によつて、分子線結晶成長室4の内部が
超高真空に引かれる。また、壁面近くには、液体窒素を
入れるべきシユラウド10が設けられている。シユラウド
壁が低温になるのでガス分子が吸着される。
ゲートバルブ11は、分子線結晶成長室4と、その前段の
真空室とを仕切るものである。
第3図は従来の分子線源セルの一例を示す縦断面図であ
る。
有底円筒形状のPBNルツボ1がある。この中に原料が入
れられる。
ルツボ1の周囲にはヒータ13が設けられる。コイル状の
ヒータを図示しているが、実際には、長手方向に蛇行す
る電流路を持つ円筒状のタンタルヒータも用いられる。
ヒータ13の外周と、下底には、リフレクタ15、15が何枚
か設けられている。これは、ヒータの熱をルツボの方へ
反射し、外部へ逃げる熱量を少なくするための板であ
る。
リフレクタ15、ルツボ1、ヒータ13などは、ベース板30
によつて支持される。
ベース板30は、金属製の支柱17により、超高真空フラン
ジ19の上に固定されている。
超高真空フランジ19に於て、分子線結晶成長室4の壁面
円筒部に固定される。
ルツボ1の下底に接触するように、熱電対16が設けられ
る。原料の温度をモニタするための熱電対である。
熱電対16の反対側の端子21は、超高真空フランジ19を貫
いて、外部に取出されている。
ヒータ13に電流を供給するための電流導入用リード線18
は、ヒータ13の端から、超高真空フランジ19まで上下方
向に設けられる。さらに超高真空フランジ19を貫いて、
電流導入端子20として外部に取出されている。
第4図は従来のPBNルツボの縦断面図である。有底円筒
形であり、開口のある上方は鍔部を有することもある。
また、上方が拡がつた円錐台形状のものもある。
(ウ)考案が解決すべき問題点 ヒータ13の輻射熱がPBNルツボを加熱する。リフレクタ
から反射された熱もPBNルツボを加熱する。PBNルツボが
昇温する。ルツボ内部の原料が加熱される。
こうなるのがよいのである。
しかし、そうはならない。
PBNは赤外線を透過しやすい材料である。PBNはPyrolyti
c Boron Nitrideの略である。高温減圧下での熱化学蒸
着法(熱CVD法)で製造されるBNの事である。
PBNは、Ga、Al、As、Siなどと殆ど反応せず、試料を汚
染する事がない。優れて安定な材料であるので、ルツボ
の材料として広く利用されている。
PBNは、赤外領域において、770cm-1(13μm)と1383cm
-1(7.2μm)の2つの吸収帯を有する。しかし、この
両側での吸収は弱く、赤外光をよく透過する。波長5μ
m以下で吸収係数が200cm-1以下である。
波長20μm以上で10cm-1以下である。特に、遠赤外領域
での吸収が少ない。遠赤外光をよく透過する。
このようなわけで、PBNルツボは、ヒータの熱を十分に
吸収する事ができない。ヒータの赤外線はルツボ壁を透
過する。透過して、原料(マテリアルともいう)を直接
に加熱する事になる。
そうすると、原料のある部分のみが高温になり、原料の
ない部分は低温になる。つまり、ルツボの上部が低温に
なる。
このように、ルツボ内の上下方向の温度が不均一にな
る。
原料がAlの場合には次の様な問題となる。
「Alは蒸発温度1200℃付近では真空中で新鮮な溶融面を
作るが、その液面は、きわめて活性であり、PBNルツボ
との濡れがよくなる。すなわち、セルの壁面を毛細管現
象ではい上がつていける。このようにして壁面に拡がつ
ていつたAl液膜は、分子線源を室温に冷却すると拡がつ
たその位置で凝縮する。マイクロクラツク内に凝縮した
Alは、次の昇温で膨張し、亀裂をおし拡げるように働
く。このようにして、分子線源の昇降温を繰返す都度に
はい上がりと亀裂を拡大していくのである。はい上がり
は温度の高い方から低い方へ進む性質がある。“分子線
エピタキー技術”高橋清著(工業調査会)より抜粋。」 上記の様な理由により、融液面より上のルツボ壁面が低
温であると、Alがはい上がり、ルツボに亀裂を発生させ
る。
また原料がGaの場合にも次の様な問題となる。ルツボ開
口部が低温であると、蒸発した物質が、開口部で冷却さ
れ付着する。この付着物が、再び融液面に落下すると、
液滴を周辺にまき散らす。飛散した液滴は、基板表面に
も飛来し、表面欠陥の成因となる。
(エ)目的 均一に加熱する事のできるPBNルツボの構造を提供する
事が本考案の目的である。
(オ)構成 本考案のPBNルツボは、外周部に黒体物質をコーテイン
グしたものである。黒体物質というのは、赤外線をよく
吸収する物質という意味である。
第1図は本考案のルツボの縦断面図である。第4図と比
較して、黒体物質3がルツボ外周にコーテイングしてあ
る点が異なつている。
黒体というのは、すべての輻射を吸収することのできる
抽象的に考えられた概念である。
黒体については、ステフアンボルツマンの法則が成立す
る。つまり、黒体輻射は、温度の4乗に比例し、表面の
形状によらない。
また、黒体であれば、プランクの放射式が成立する、つ
まり、ある程度に於て、黒体の輻射スペクトラムは一義
滴に決定される。
さらに、ウイーンの変位則が成立し、絶対温度と、輻射
強度のピークを与える波長との積が一定である。
実際に黒体というものは存在しないが、グラフアイトな
どは黒体に近いものである。
同一の温度に於て、ある物体が放射する光のスペクトル
は、黒体の放射スペクトルに比例する。比例定数を放射
率という。
放射率は0〜1の定数である。
金属などは、一般に放射率が低い。
放射率の1に近いものは、黒体に近いわけである。これ
を黒体物質とここでは呼ぶ。
そうすると、黒体物質をルツボにコーテイングしておく
と、ヒータからの赤外線が、黒体物質によつて効率良く
吸収される。
グラフアイト、炭素などは、放射率0.8程度である。か
なり、黒体に近い物質である。
また、グラフアイトはPBNと同じ六方晶系であり、熱膨
張率も類似しているので、PBN上へコーテイングするの
に適当な材料であると言える。
(カ)作用 ヒータに於て発生した熱は、輻射によってルツボ外周の
黒体物質3に到達し、黒体物質3によつて吸収される。
黒体物質3は昇温する。
黒体物質3が昇温するので、これに接するPBNルツボ1
も昇温する。これは熱伝導による熱の移動である。熱伝
導であるから、PBNが熱を効果的に受取る事ができる。
高温になるので、PBNルツボと黒体物質の表面から熱輻
射が生じる。熱輻射は全体で行われる。これにより、PB
Nルツボは均一に加熱される。
(キ)効果 黒体物質が赤外線を効率よく吸収するので、PBNルツボ
が効率よく均一に加熱される。このため、上方の開口部
近傍だけが低温になるという事がない。これにより、Al
融液のルツボ壁にそつたはい上がりを防止できる。
ルツボ開口部が低温であると、蒸発した物質が、開口部
で冷却され付着する可能性がある、付着物が再び融液面
に落下し、飛散する。すると液滴や粉体が基板へ飛び、
基板上に欠陥を作る原因になる。そのような事が起らな
いので、高品質のエピタキシヤル成長膜を得る事ができ
る。
ヒータによる原料の加熱効率が高揚する。このため、ヒ
ータパワーを節減する事ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案のPBNルツボの縦断面図。 第2図は分子線結晶成長室の概略断面図。 第3図は分子線源セルの概略縦断面図。 第4図は従来例にかかるPBNルツボの縦断面図。 1……PBNルツボ 2……原料融液 3……黒体物質 4……分子線結晶成長室 5……分子線源セル 6……マニピユレータ 7……基本ホルダ 8……基板 9……ヒータ 10……シユラウド 11……ゲートバルブ 12……真空排気装置 13……ヒータ 14……ベース板 15……リフレクタ 16……熱電対 17……支柱 18……電流導入用リード線 19……超高真空フランジ 20……電流導入端子 21……熱電対導入端子

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子線結晶成長装置の分子線源セルを構成
    するPBNルツボの外周に、グラファイトをコーティング
    して黒体物質層を形成した事を特徴とするPBNルツボの
    均一加熱機構。
JP1987091206U 1987-06-12 1987-06-12 Pbnルツボの均一加熱機構 Expired - Lifetime JPH072617Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60112690A (ja) * 1983-11-18 1985-06-19 Hitachi Ltd 分子線結晶成長装置用蒸発源セル

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