JPH0619569Y2 - 分子線セルのpbnるつぼ - Google Patents

分子線セルのpbnるつぼ

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JPH0619569Y2
JPH0619569Y2 JP1989080502U JP8050289U JPH0619569Y2 JP H0619569 Y2 JPH0619569 Y2 JP H0619569Y2 JP 1989080502 U JP1989080502 U JP 1989080502U JP 8050289 U JP8050289 U JP 8050289U JP H0619569 Y2 JPH0619569 Y2 JP H0619569Y2
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JP
Japan
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crucible
pbn
molecular beam
heater
temperature
Prior art date
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Application number
JP1989080502U
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JPH0322067U (ja
Inventor
高稔 山本
由明 禅野
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この考案は、分子線結晶成長装置の分子線セルに用いら
れるPBN製るつぼに関する。特に、るつぼ開口部の温
度が下がらないようにした改良に関する。
【従来の技術】
分子線結晶成長装置は、超高真空中において原料を加熱
して、蒸発、昇華させ分子線とし、加熱された基板に当
て、基板上で結晶成長を起こさせるものである。 分子線結晶成長装置(MBE)は幾つかの高真空室を接
続したものであるが、このうち結晶成長を行うのは、10
-11〜10-10Torrの超高真空に引く結晶成長室である。 結晶成長室の中央には、基板ホルダに取り付けられた基
板を支持するマニピュレータがある。これは、基板を回
転する。ヒータが内蔵され基板が適当な温度に加熱され
る。 基板に立てた法線のまわりに想定した円錐母線に沿う位
置に、複数の分子線セルが設置される。 分子線セルは、PBNるつぼ、ヒータ、リフレクタ(反
射板)、シャッタ、熱電対、るつぼ支持具などよりな
る。 分子線セルには原料となる元素を充填しておく。ヒータ
によって加熱すると蒸発し、或は、昇華する。超高真空
中であるので、蒸発、昇華したものは分子線となり、直
進して基板に照射される。 PBNるつぼは底のある円筒形状の容器である。上方開
口部に鍔部がある。PBNは、パイロリテイックボロン
ナイトライド(Pyrolytic Boron Nitride)の略であ
る。高温減圧下で、熱化学蒸着法(熱CVD法)で製造
される。耐熱性は極めて良い。GaA、As、Siなど
ほとんどの活性な元素と反応しない。試料を汚染する事
がない。熱的、化学的に極めて安定しているので、るつ
ぼ材料として広く利用される。結晶系は六方晶系であ
る。 分子線結晶成長装置においても、PBN製るつぼを用い
る事が多い。 現在のところPBNだけの単一の組成のるつぼが用いら
れている。 分子線結晶成長法で、例えばGaAs基板の上に、GaAs薄
膜、AGaAs薄膜などをエピタキシャル成長させる事が
できる。 分子線結晶成長法で成長させた薄膜には時として、卵形
の欠陥(oval defects)が見られる。 この欠陥の生ずる原因について、幾つかの推論がなされ
ている。 そのひとつは、るつぼに原因するものである。 PBNるつぼは周囲にヒータがあり、全体を加熱するよ
うになっている。しかし、液面が下がってくると、るつ
ぼの上方は下方より低温になる。低温であるため、いっ
たん蒸発して液面を離れたものがるつぼ上方の内面に付
着する。この付着物が条件の変化により再蒸発すること
があり得る。この場合十分な高温でないので分子状にな
らず、より大きい塊状となって飛び上がる。 この再蒸発物が基板に付着し欠陥になる。こういう推論
である。 このようなPBNるつぼの上方の温度が下がる理由には
次のような事が挙げられる。 PBNという材料は、赤外領域、特に遠赤外領域での吸
収が少ない。つまり、PBNるつぼによってヒータの輻
射を吸収するのではなく、むしろ、るつぼの中の原料物
質(マテリアルという)がヒータからの輻射熱を吸収す
る。 るつぼ内の原料が減少し、液面が下降すると、原料の存
在する下方は熱を吸収して高温になるが、上方は原料が
存在しないので、より低い温度になる。 輻射熱の吸収を高めるために、本考案者は、PBNるつ
ぼの全体外面に黒体物質をコーテイングするという考案
をした。(実開昭63-199172号S63.12.21公開)。 第5図にこのるつぼの断面図を示す。黒体物質というの
は例えばグラファイトである。るつぼの全体に黒体物質
をコーテイングしているので、るつぼの温度をより均一
に近づける事ができる。
【考案が解決しようとする課題】 PBNるつぼにおいて、特にるつぼの上方をより高温に
する事が必要である。ヒータの巻き方などを工夫する事
によりある程度の改良がなされるが十分でない。前述の
ように、全体に黒体物質をコーテイングしたものは、る
つぼ全体の熱吸収が向上するが、上方のみをより高温に
するという事はできない。 本考案は、PBNるつぼの上方をより高い温度にする事
のできる改良を与える事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
本考案の分子線セルのPBNるつぼは、 (1)分子線結晶成長装置の分子線セルに用いられるPB
N製るつぼであって、 (2)るつぼの外周上部のみにパイロリテイックグラファ
イト(PG)を被覆するか、或は (3)るつぼ外周の上部にゆくほど被覆率が増えるように
パイロリテイックグラファイトを被覆するようにしてい
る。
【作用】
パイロリテイックグラファイト(PG)は、PBNより
も熱の吸収が高い。第6図にPBNとパイロリテイック
グラファイトの温度による放射率の変化を示す。 放射率というのは、完全黒体からの熱放射を1として、
これに対する熱放射の割合を示す値である。PBN、パ
イロリテイックグラファイト(PG)ともに表面あらさ
が約20ミクロンの平板である。横軸が温度、縦軸が放射
率である。 いずれにしても温度とともに放射率が高まってゆくが、
どの温度でも、PGの方が、PBNより放射率が高い。 放射率と吸収率とは同一であるので、放射率が高いとい
うことは吸収率が高いという事である。 第6図の測定結果によれば、どの温度であっても、PG
の方がPBNより0.03〜0.04程度、熱の吸収率が高いと
いう事である。 PGがるつぼの外周上方のみに被覆されている、或は上
方にゆくほど被覆面積が増えるように被覆されているの
で、PGにより、ヒータの輻射熱をより多く吸収したる
つぼ上方の部分がより高温になる。 るつぼ上方が高温になるので、特にCaは、開口部での付
着を防止でき表面欠陥の低減に大きく寄与する。 パイロリテイックグラファイトを選ぶ理由は、放射率が
PBNより高いという事の他に、 (1)PGはPBNと同じくCVD法で作製できる。 (2)真空に引いた時に表面からのガス放出が少ない。 (3)化学的に安定であって原料物質を汚染しない。 (4)熱伝導度がPBNよりも大きい。 (5)熱膨脹率がPBNとほぼ同じであり、頻繁な温度変
動があっても、PG被覆が剥離しにくい。 (6)PGもPBNも六方晶系であり、他の物性値も近似
している。 などの理由による。
【実施例】
図面により、本考案の実施例に係るPBNるつぼを説明
する。 第1図は本考案の第1の実施例を示す縦断面図である。 PBN製のるつぼ1は、底壁11、円筒側壁12、鍔部
13よりなる。円筒側壁12は直円筒ではなく上方が僅
かに拡開した円筒になっている。これは型の上にPBN
をCVD成長させた後、型を抜かなければならないから
である。拡開度は1°程度あれば十分である。 るつぼ1の円筒側壁12の周囲にヒータ2が設けられ
る。ヒータ2は鉛直軸のまわりに螺旋を描くコイル状ヒ
ータであっても良いし、上下方向に蛇行したリボン状ヒ
ータであっても良い。 ヒータ2、るつぼ1の側面及び底面は、多数枚の反射板
3で囲まれる。これはTa、Mo、Wなど耐熱性金属板で作
る。ヒータ輻射熱をるつぼの方へ反射するものである。 るつぼ1の底壁11には、熱電対4が接触している。例
えばWRe熱電対を用いる。 重要な事は、るつぼ1の上方に、パイロリテイックグラ
ファイト(PG)被覆6がなされているという事であ
る。PG被覆6が、ヒータの輻射を有効に吸収するの
で、るつぼの上方の温度が高くなるのである。 第2図は第2の実施例を示している。これもるつぼ上方
にのみ、パイロリテイックグラファイト被覆6がなされ
ている。それに加えて、ヒータ7がるつぼの上方だけに
設けられている。これにより、上方のみを強く加熱する
事になる。るつぼ上方がより一層高温になる。 第3図は第3の実施例を示す。これはパイロリテイック
グラファイト被覆6の厚みを高さhの函数D(h)として変
え、上方ほど厚く、下方ほど薄くしたものである。つま
りD(h)はhの単調増加函数にするのである。この場合も
ヒータは、第1図のヒータ2のように全体加熱型であっ
ても良いし、第2図のヒータ7のように上部加熱型であ
っても良い。 第4図は第4の実施例を示す。これは、パイロリテイッ
クグラファイト被覆6の厚みDは一様であるが、被覆の
分布を上方に於いてより高密度にしたものである。
【考案の効果】
PBNるつぼの上方のみをPGにより被覆するか、上方
にゆくほど被覆率が増加するようにPGを被覆するの
で、るつぼ上方でヒータの幅射熱をより多く吸収でき
る。このため開口部の温度が上がり、るつぼ開口部に原
料物質が付着して、これが再蒸発するという事はない。
このため、基板上に成長させた薄膜に欠陥が生ずるのを
防ぐ事ができる。良質のエピタキシャル成長膜を得る事
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の第1の実施例に係るPBNるつぼの近
傍を含む縦断面図。 第2図は本考案の第2の実施例に係るPBNるつぼの近
傍を含む縦断面図。 第3図は本考案の第3の実施例に係るPBNるつぼの縦
断面図。 第4図は本考案の第4の実施例に係るPBNるつぼの縦
断面図。 第5図は実開昭63-199172号で提案されたPBNるつぼ
の縦断面図。 第6図はPBNとパイロリテイックグラファイトの温度
による放射率の変化を示す図である。 1……るつぼ 2……ヒータ 2……反射板 4……熱電対 6……パイロリテイックグラファイト被覆 7……ヒータ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子線結晶成長装置の分子線セルに用いら
    れるPBN製るつぼであって、るつぼの外周上部のみに
    パイロリテイックグラファイトを被覆するか、或はるつ
    ぼ外周の上部にゆくほど被覆率が増えるようにパイロリ
    テイックグラファイトを被覆する事を特徴とする分子線
    セルのPBNるつぼ。
JP1989080502U 1989-07-07 1989-07-07 分子線セルのpbnるつぼ Expired - Lifetime JPH0619569Y2 (ja)

Priority Applications (1)

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JP1989080502U JPH0619569Y2 (ja) 1989-07-07 1989-07-07 分子線セルのpbnるつぼ

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JPH0322067U JPH0322067U (ja) 1991-03-06
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JPH072617Y2 (ja) * 1987-06-12 1995-01-25 日新電機株式会社 Pbnルツボの均一加熱機構
JP2771215B2 (ja) * 1989-02-03 1998-07-02 株式会社日立製作所 分子線源用るつぼおよびそれを用いた分子線エピタキシャル成長膜の形成方法

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JPH0322067U (ja) 1991-03-06

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