JPH09272703A - 有機化合物用蒸発源及びこれを用いた蒸着重合装置 - Google Patents
有機化合物用蒸発源及びこれを用いた蒸着重合装置Info
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- JPH09272703A JPH09272703A JP11024896A JP11024896A JPH09272703A JP H09272703 A JPH09272703 A JP H09272703A JP 11024896 A JP11024896 A JP 11024896A JP 11024896 A JP11024896 A JP 11024896A JP H09272703 A JPH09272703 A JP H09272703A
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Abstract
基体上において均一な膜厚の高分子薄膜を形成しうる有
機化合物用蒸発源及びこれを用いた蒸着重合装置を提供
する。 【解決手段】処理室2内で基板3上に高分子膜を形成す
るため、蒸発用容器7、8内に収容した有機化合物モノ
マーA、Bを加熱しこれを蒸発させる有機化合物モノマ
ー用蒸発源において、蒸発用容器7、8の開口部7a、
8aから流出する有機化合物モノマーA、Bの蒸気を周
囲に飛散させることなく基板3に導く蒸発制御槽6Aを
設ける。蒸発制御槽6Aは、円筒部材11と円筒部材1
1の基板3側のの開口部を必要に応じて開閉するシャッ
ター13とから構成する。円筒部材11の壁面に加熱用
のヒーター12を巻き付ける。
Description
ーを蒸発させて重合を行う蒸着重合によってポリイミ
ド、ポリ尿素等の高分子薄膜を形成する際に用いる有機
化合物用蒸発源及びこれを用いた蒸着重合装置に関す
る。
モノマーを蒸発させてこれを基体上で重合させることに
よって高分子薄膜を形成する蒸着重合法が提案されてい
る。図5は、従来の蒸着重合装置の一例を示すものであ
る。図5に示すように、この蒸着重合装置101は、気
密状態を保持可能な処理室102を有し、この処理室1
02は、図示しない外部の真空ポンプその他の真空排気
系に接続されている。そして、処理室102内の上部に
は、高分子薄膜を形成すべき基板103が基板ホルダ1
04によって下向きに保持され、また、基板ホルダ10
4の背面側には、基板103を所望の温度に加熱するた
めのヒーター105が設けられている。
3に対抗するように、各有機化合物モノマーa、bを蒸
発させるための蒸発源が設けられる。すなわち、例えば
ガラスからなる蒸発用容器106、107が設けられる
とともに、各蒸発用容器106、107の近傍に、加熱
用のヒーター108、109と温度センサ110、11
1が設けられ、これらによって有機化合物モノマーa、
bの蒸発レートが常に一定に保たれるように構成され
る。
は、各有機化合物モノマーa、bの蒸気の混合を防止す
るための仕切板112が設けられ、また、加熱用のヒー
ター108、109の上方には、有機化合物モノマー
a、bの蒸気の混入を防止するためのシャッター113
が設けられている。
の種の蒸発源120として、有機化合物のモノマーaを
収容したガラス製容器121と、このガラス製容器12
1を輻射加熱するハロゲンランプ又は金属抵抗体の加熱
装置122と、ガラス製容器121の壁面121bに接
触させた温調用熱電対123と、このガラス製容器12
1内の有機化合物モノマーa中に挿入したモニター用熱
電対124とを備え、精度の高い有機化合物モノマーa
の温度制御を行う蒸発源を提案した(特開平6−811
29号公報参照)。
使用効率を向上させるため、蒸発源から基板に至る間の
真空処理室内の壁面を加熱する装置も提案した(特開平
4−45259号公報参照)。
うな従来の蒸発源においては、次のような問題があっ
た。すなわち、上述した第1の従来例の場合、有機化合
物モノマーaを収容したガラス製容器121と基板10
3との間が離間しているため、有機化合物モノマーa、
bの蒸気のうち基板103に到達しないものがあり、そ
の結果、基板103上に形成される高分子薄膜の厚みを
均一にすることが困難であるという問題があった。
源から蒸発した有機化合物モノマーa、bのほとんどが
基板103に到達するものの、それでも基板103の中
心ほど膜厚が厚くなり、膜厚の均一な高分子薄膜を得る
ことが困難であるという問題があった。
解決するためになされたもので、有機化合物モノマーの
使用効率が高く、しかも基体において均一な膜厚の高分
子薄膜を形成しうる有機化合物用蒸発源及びこれを用い
た蒸着重合装置を提供することを目的とするものであ
る。
め、請求項1記載の発明は、真空処理室内で基体上に高
分子膜を形成するため、蒸発用容器内に収容した有機化
合物モノマーを加熱してこれを蒸発させる有機化合物用
蒸発源において、この蒸発用容器の開口部から流出する
有機化合物モノマーの蒸気を周囲に飛散させることなく
この基体に導く蒸発制御槽を設けたことを特徴とする有
機化合物用蒸発源である。
請求項1記載の発明において、蒸発制御槽を、筒状部材
とこの筒状部材の一方の開口部を必要に応じて開閉する
シャッターとから構成するることも効果的である。
項2記載の発明において、筒状部材の壁面を加熱する加
熱手段を設けることも効果的である。
求項3記載の発明において、筒状部材内に膜厚分布補正
用の発熱体を設けることも効果的である。
に、請求項4記載の発明において、膜厚分布補正用の発
熱体として、周囲からの熱伝導によって加熱される部材
からなるものを用いることも効果的である。
内に請求項1乃至5のいずれか1項記載の有機化合物用
蒸発源を備えたことを特徴とする真空処理装置である。
場合、蒸発用容器の開口部から流出する有機化合物モノ
マーの蒸気が蒸発制御槽内の壁面によって反射され、そ
の結果、有機化合物モノマーの蒸気の混合が促進され
る。そして、その状態で有機化合物モノマーの蒸気を基
体に導びけば、均一な状態で有機化合物モノマーの蒸気
が基体に到達し、基体上に堆積するようになる。
筒状部材とこの筒状部材の一方の開口部を必要に応じて
開閉するシャッターとから蒸発制御槽を構成すれば、有
機化合物モノマーの蒸気を周囲に飛散させることなく収
容しておくための蒸発制御槽が容易に得られる。
部材の壁面を加熱する加熱手段を設ければ、筒状部材内
において有機化合物モノマーの蒸発が促進され、蒸発用
容器から蒸発した有機化合物モノマーの蒸気が効率良く
基体に到達する。
状部材内に膜厚分布補正用の発熱体を設ければ、有機化
合物モノマーの混合が一層促進される。
膜厚分布補正用の発熱体として、周囲からの熱伝導によ
って加熱されるものを用いれば、発熱体を加熱する手段
を特に設ける必要がない。
処理室内に請求項1乃至4のいずれか1項記載の有機化
合物用蒸発源を備えれば、有機化合物モノマーの使用効
率が高く、しかも基体上における高分子薄膜の膜厚分布
が均一にしうる真空処理装置が容易に得られる。
蒸発源及びこれを用いた真空処理装置の実施の形態を図
面を参照して詳細に説明する。
の好ましい一実施の形態を示すものである。図1に示す
ように、この蒸着重合装置1は、気密状態を保持可能な
処理室2を有し、この処理室2は、図示しない外部の真
空ポンプその他の真空排気系に接続されている。そし
て、処理室2内の上部には、高分子薄膜を形成すべき基
体としての基板3が基板ホルダ4によって下向きに保持
され、また、基板ホルダ4の背面側には、基板3を所望
の温度に加熱するためのヒーター5が設けられている。
ここで、基板3としは、シリコンウエハ、ガラス基板、
金属板、プラスチック基板等が用いられる。
モノマーA、Bを蒸発させるための蒸発源6が設けられ
る。本実施の形態においては、例えばガラスからなる蒸
発用容器7、8が設けられるとともに、各蒸発用容器
7、8の内部に、加熱用のヒーター9、10が設けられ
る。なお、各蒸発用容器7、8の内部には、上述の第1
の従来例と同様の熱電対が設けられ、これらによって有
機化合物モノマーA、Bの温度ひいては蒸発レートが常
に一定に保たれるように構成される。
は、各蒸発用容器7、8の上方に蒸発制御槽6Aが設け
られている。この蒸発制御槽6Aは、筒状部材である円
筒部材11と、シャッター13とから構成される。
属からなり、その一方の開口部が各蒸発用容器7、8の
開口部7a、8aを囲むとともに、他方の開口部が基板
3に対抗するように配置される。そして、円筒部材11
の基板3に対抗する側の開口部がシャッター13により
必要に応じて開閉されるように構成される。
7、8の開口部7a、8aが円筒部材11の内部に入り
込むように構成される。また、円筒部材11の周囲に
は、図示しない電源に接続された加熱用のヒーター12
が巻き付けられている。さらに、蒸発用容器7、8の間
には、各有機化合物モノマーA、Bを下方へ逃がさない
ようにするための遮蔽版14が設けられている。
子薄膜を形成する場合には、処理室2内の真空度を調整
し、シャッター13を閉じた状態で各有機化合物モノマ
ーA、Bを所定の温度に保つように加熱する。しかる
後、各蒸発用容器7、8の蒸発口7a、8aから蒸気が
発生し、蒸発制御槽6Aの内部に各有機化合物モノマー
A、Bの蒸気が導入される。一方、円筒部材11に巻か
れたヒーター12によって円筒部材11を加熱し、有機
化合物モノマーA、Bの蒸気を所定の温度に保持する。
定の温度に達して所要の蒸発量が得られた後に、シャッ
ター13を開き、所定の析出速度で基板3上に有機化合
物の薄膜を蒸着し、堆積させた後にシャッター13を閉
じ、基板3上で重合反応を起こさせて高分子薄膜を形成
する。
は、各蒸発用容器7、8の開口部7a、8aから流出す
る各有機化合物モノマーA、Bの蒸気が、蒸発制御槽6
A内に一時的に収容される際に円筒部材11の内壁面に
よって反射され、その結果、有機化合物モノマーA、B
の蒸気の混合が促進される。そして、その状態で有機化
合物モノマーA、Bの蒸気を基板3に導びけば、均一な
状態で有機化合物モノマーA、Bの蒸気が基体に到達す
るため、基板3上において均一な高分子薄膜が形成され
る。
ーター12が設けられていることから、蒸発用容器7、
8から蒸発した各有機化合物モノマーA、Bの蒸気のほ
とんどが基板3に到達し、その結果、各有機化合物モノ
マーA、Bの使用効率を高いレベルに維持することがで
きる。
化合物モノマーA、Bの使用効率が高く、しかも基板3
上における高分子薄膜の膜厚分布を均一にしうる真空処
理装置が容易に得られる。
の他の実施の形態を示すものである。以下、上記実施の
形態と対応する部分について同一の符号を付して説明す
る。図2に示すように、本実施の形態に係る蒸着重合装
置1Aにおいては、蒸発制御槽6Aの内部であってシャ
ッター13の近傍に膜厚分布補正用の発熱体14が設け
られている。この発熱体14は、例えばステンレス等の
金属製の材料からなり、円盤形状を有している。この発
熱体14は、例えば、基板3の中心部に対応する位置
に、基板3と平行となるように水平方向に配置される。
ば、処理室2内の温度上昇に伴って発熱体14の温度も
上昇し、発熱体14の近傍において蒸気の対流が生じる
ので、蒸発制御槽6A内における各有機化合物モノマー
A、Bの混合が一層促進される。その結果、基板3上に
おいてより均一な高分子薄膜を形成することができる。
によって加熱されるので、発熱体14を加熱する手段を
特に設ける必要がなく、簡素な構成の蒸着重合装置1A
を得ることができる。その他の構成及び作用効果につい
ては、上述の実施の形態と同様であるのでその詳細な説
明を省略する。
ることなく、種々の変更を行うことができる。例えば、
筒状部材、発熱体の材料としては種々のものを用いるこ
とができる。ただし、熱伝導率の高いステンレス等の金
属を用いるとより効果的である。
は、基体に有機化合物モノマーの蒸気を導くことができ
る限り、種々のものを用いることができる。ただし、高
分子薄膜を形成すべき基体の形状、大きさに対応するよ
うな例えば円筒形状のものを用いれば、より効果的であ
る。
に限られず、種々のものとすることができるが、円盤状
のものを用いれば、水平方向に対する膜厚の均一化に有
利となるというメリットがある。
蒸着重合装置の実施例を比較例とともに詳細に説明す
る。
合装置を用い、基板3上にポリ尿素膜を形成した。この
場合、基板3としては、一辺が120mmの正方形状の
ガラス板又は直径が5インチ(12.7mm)のSiウ
ェハを用いた。また、円筒部材11としては、外径10
0mm、高さ220mmのステンレス製のものを用い、
その周壁をヒーター12によって100℃に加熱した。
そして、蒸発用容器7に有機化合物モノマーAとして
4、4'−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)
を50cm3 注入して78℃に加熱するとともに、蒸発
用容器8に有機化合物モノマーBとして4、4'−ジアミ
ノジフェニルメタン(MDA)を50cm3 注入して1
09℃に加熱した。
8aの内径は20mmとし、開口部7a、8a同士の間
隔は20mmとした。また、各蒸発用容器7、8の開口
部7a、8aと基板3との間隔を300mmとし、シャ
ッター13と基板3との間隔を80mmとした。この装
置により得られたポリ尿素膜の膜厚分布を図3に示す。
構成の装置、すなわち、円筒部材11を有しない点以
外、実施例1と同様の装置を用い、基板3上にポリ尿素
膜を形成した。この装置により得られたポリ尿素膜の膜
厚分布を図3に示す。
源を用いた蒸着重合装置の場合は、従来の蒸発源を用い
た蒸着重合装置に比べて膜厚分布が向上した。例えば、
基板3の中心部から50mm離れた位置において、比較
例1の場合は中心部の50%以下の膜厚しか得られなか
ったのに対し、実施例1の場合は中心部に比べて73%
程度の膜厚が得られ、均一な膜厚分布となった。また、
ポリ尿素膜の成膜速度についても、比較例1の場合に比
べて約5倍の速度で薄膜を形成することができた。
示す蒸着重合装置1Aを用い、実施例1と同様の方法に
よって基板3上にポリ尿素膜を形成した。この場合、発
熱体14としては、直径30mmのステンレス製の円盤
状の部材を用い、基板3の中央部分に対応する位置に基
板3と平行になるように配置した。この蒸着重合装置1
Aにおいて有機化合物モノマーA、Bを蒸発させたとこ
ろ、発熱体14は、周囲からの熱伝導により92℃まで
上昇した。
リ尿素膜の膜厚分布を示すものである。図4の●を結ん
だプロットで示すように、本実施例の場合は、基板3の
中心部から50mm離れた位置において、中心部との膜
厚の差が±4%程度となり、実施例1の装置よりも一層
均一なポリ尿素膜が得られた。
ションにより実施例2の装置における膜厚分布を算出し
た。すなわち、図2に示す蒸発制御槽6Aと同じ形状の
容器に一定量のモノマーのガスを導入し、COS則(余
弦法則)によって反射し基板に入射するガスのある割合
(例えば50%)がそのまま堆積したとして、基板の所
定の範囲に入射するガスの量(分布)を求めた。この場
合、モノマーのガスの飛散する方向を乱数を用いて決定
した。その結果を図4の○を結んだプロットで示す。
実験値とほぼ一致し、蒸発源の形状が変わっても容易に
最適な膜厚分布に制御可能な蒸発源を得ることがわかっ
た。
合物用蒸発源及び蒸着重合装置によれば、有機化合物モ
ノマーの使用効率を向上させることができ、しかも基体
上において均一な膜厚の高分子薄膜を形成することがで
きる。
態を示す概略構成図
形態を示す概略構成図
ポリ尿素膜の膜厚分布をそれぞれ示すグラフ
厚分布を示すグラフ
ヒーター、6…蒸発源、6A…蒸発制御槽、7、8…蒸
発用容器、7a、8a…開口部、9、10…ヒーター、
11…円筒部材、12…ヒーター、13…シャッター、
14…発熱体
Claims (6)
- 【請求項1】真空処理室内で基体上に高分子膜を形成す
るため、蒸発用容器内に収容した有機化合物モノマーを
加熱してこれを蒸発させる有機化合物用蒸発源におい
て、前記蒸発用容器の開口部から流出する前記有機化合
物モノマーの蒸気を周囲に飛散させることなく前記基体
に導く蒸発制御槽を設けたことを特徴とする有機化合物
用蒸発源。 - 【請求項2】蒸発制御槽が、筒状部材と該筒状部材の一
方の開口部を必要に応じて開閉するシャッターとから構
成されることを特徴とする請求項1記載の有機化合物用
蒸発源。 - 【請求項3】筒状部材の壁面を加熱する加熱手段を設け
たことを特徴とする請求項2記載の有機化合物用蒸発
源。 - 【請求項4】筒状部材内に膜厚分布補正用の発熱体を設
けたことを特徴とする請求項3記載の有機化合物用蒸発
源。 - 【請求項5】膜厚分布補正用の発熱体が、周囲からの熱
伝導によって加熱される部材からなることを特徴とする
請求項4記載の有機化合物用蒸発源。 - 【請求項6】真空処理室内に請求項1乃至5のいずれか
1項記載の有機化合物用蒸発源を備えたことを特徴とす
る真空処理装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP11024896A JP3623848B2 (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | 有機化合物用蒸発源及びこれを用いた蒸着重合装置 |
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