JPH07259807A - ロッドレスシリンダ - Google Patents

ロッドレスシリンダ

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JPH07259807A
JPH07259807A JP7528794A JP7528794A JPH07259807A JP H07259807 A JPH07259807 A JP H07259807A JP 7528794 A JP7528794 A JP 7528794A JP 7528794 A JP7528794 A JP 7528794A JP H07259807 A JPH07259807 A JP H07259807A
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cylinder
slit
piston
rodless cylinder
guide
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Daiki Maki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 横荷重によるシリンダの変形によって生じる
ピストンの運動低下をなくした安定作動を可能とし、ま
た、シリンダ本体の大形化を防止したロッドレスシリン
ダの提供。 【構成】 本発明のロッドレスシリンダは、ピストンロ
ッドをなくしたロッドレスシリンダであり、スリット2
が形成されたシリンダ1上面を覆うように運動伝達手段
10に連設された支持部材11と、支持部材11と係合
し、スリット2を挟んだシリンダ1の両肩部で軸線方向
に設けられた案内手段13と、シリンダ1に形成された
スリット2と案内手段13との間で、シリンダ1上面の
軸線方向に形成された所定深さの上溝21とを有するこ
とを特徴とするロッドレスシリンダ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストンロッドを備え
ることなく、ピストンの運動を外部に伝達するロッドレ
スシリンダに関し、特に、シリンダに形成されたスリッ
トから外部に突出し、シリンダ外部で案内される運動伝
達手段が、横荷重を受けることにより生じる不都合を防
止するための手段に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ピストンロッドを用いずにシ
リンダ内のピストンの運動を外部装置に伝達するロッド
レスシリンダが使用されている。このようなピストンロ
ッドを用いない形式のものでは、従来のピストンの往復
運動に伴って長手方向にピストンロッドが移動するもの
に比べ、大幅にスペースの縮小を図ることができ、ま
た、ピストンロッドに加わる衝撃力により、当該ロッド
が曲がったり折れたりする等の問題がなくなった。そこ
で、用途に応じて各種ロッドレスシリンダが使用されて
いる。その1例として、特公昭62ー16321号公報
に従来から使用されているロッドレスシリンダが開示さ
れているが、これについて以下に説明する。
【0003】図5は、当該公報に示された第1従来例の
ロッドレスシリンダの側部断面を示した図であり、図6
は、当該ロッドレスシリンダのA−A断面を示した図で
ある。本ロッドレスシリンダは、以下に示すように構成
されている。先ず、偏心状態で設けられ、その上面には
長手方向に沿ってスリット53が形成されている。ま
た、このシリンダ51の両端部が、カバー52によって
閉鎖されている。そのシリンダ51内のピストン54
は、拡径して形成されたピストンヘッド55,56間を
小径の連結棒57によって構成されている。このピスト
ン54の連結棒57には、図6に示すように、ピストン
54の運動を外部に伝達するための運動伝達手段58
が、ネジ等によって固定されている。その運動伝達手段
58は、その中心を連結棒57の中間点に合わせて取り
付けられ、スリット53を介してシリンダ51外部に突
出している。この突出部分はリブ59として構成され、
スリット53との間には若干の遊びが設けられている。
【0004】このように、シリンダ51から突出して形
成されたリブ59には、スリット53が形成されたシリ
ンダ51上面を覆うように、そのリブ59上端に両横方
向に広がったヨーク60が構成されている。また、その
シリンダ51上部を覆うヨーク60は、シリンダ51の
側面を一部覆うように垂直に折れて形成されている。そ
して、そのように両端に広がったヨーク60の垂下した
脚部61には、それぞれ帯状の案内部材62が取り付け
られている。一方、シリンダ51側部には、案内部62
が係合する案内溝63によってガイド手段が構成されて
いる。更に、ヨーク60の上面には、ピストン54の運
動を外部装置等に伝達するためのフランジ64が形成さ
れている。
【0005】上記したようにシリンダ51の上面にはス
リット53が形成されているが、これは、2つの要素よ
りなるシールベルトによって閉じられた構成となってい
る。つまり、図7に示すようにスリット53の上方を可
撓性の外側用シールベルト65によって、また、下方を
同じく可撓性の内側用シールベルト66によってシリン
ダ室67がシールされることとなる。ここで、図7は、
スリットをシールベルトがシールする状態を示した部分
的拡大斜視図である。このシールベルト65,66は、
シリンダ51両端のカバー52a,52b部分で固定さ
れ、スリット53に形成された上部シール溝68と下部
シール溝69に沿ってそれぞれ案内され、そのスリット
53で嵌合されている。また、このシールベルト65,
66は、運動伝達手段58でそれぞれが上下に分離する
こととなる。そして、外側用シールベルト65はヨーク
60上面を通り、内側用シールベルト66は運動伝達手
段58のリブ59下側の通孔69aを通る。そのため、
運動伝達手段58の前後には分離したシールベルト6
5,66を噛み合わせるための加圧部材70,71がピ
ストン54のピストンヘッド55,56のシールスリー
ブに対応する位置に設けられている。この加圧部材は、
ローラによって構成されている。
【0006】以上のような構成を有する従来のロッドレ
スシリンダでは、次のように作用する。先ず、例えば、
不図示のポートより圧力室72へエアが供給される。こ
のとき、圧力室72はシリンダ51がピストンヘッド5
5、カバー55bそして、上面スリット53をシールす
るシールベルト65,66によって密閉されている。更
に詳細には、その圧力室72にエアが供給されると、下
部シール溝69に沿って設けられたシールベルト66が
エアに押されて、より気密に下部シール溝69に接合す
る。このように、気密性が保たれた圧力室72へのエア
によりピストン54が図5右方へ押されて移動する。
【0007】ピストン54が移動すると、移動方向のシ
ールベルト65,66はスリット53を介して設けられ
た運動伝達手段58を挟んで分離しているが、ピストン
ヘッド55と加圧手段70とで押圧され噛み合わされる
こととなる。そのためピストン54の移動により圧力室
72の大きさが変化しても、シールベルト65,66に
よりスリット53の影響を受けず密室が維持される。こ
れは反対側の圧力室73についても同様である。一方、
上記したようにピストン54が移動すると、その運動が
運動伝達手段58を介して不図示の外部装置等に伝達さ
れる。このように、フランジ64によって外部にピスト
ン54の運動が伝達されるが、そのピストン54の移動
に際して、リブ59に設けられたヨーク60によって安
定した運動を伝達する。
【0008】即ち、ピストン54の移動に際して回転す
る方向に力が係ることがある。このとき、スリット53
はリブ59に対して若干の遊びが設けられて形成されて
いるため、傾いて移動することとなる。ヨーク60は、
このような傾きを防止するために、移動に際して両側面
の案内部材62が、シリンダ54の側面に形成された案
内溝63を摺接する。従って、ピストン54の回転によ
り運動伝達手段58に加わる横方向の力に対向し、リブ
59がスリット53側面に当接することなく移動するこ
ととなる。
【0009】次に、第2従来例として実公平3ー296
02号公報に開示されたものについて説明する。図8は
第2従来例のロッドレスシリンダの断面を示した図であ
る。本従来例は、上記第1従来例のものとその構成を同
じくする部分が多いため、以下、特徴的な構成について
のみ説明する。本従来例では、第1従来例のものと同じ
くシリンダ81上面に形成されたスリット82から、ピ
ストン83の運動を伝達する運動伝達手段84が外部に
突出するように構成されている。そして、その運動伝達
手段84には、片側に偏って案内板85が支持され、シ
リンダ81の当該片側にはベース86が、その長手方向
に沿って形成されている。また、そのベース86の上部
には、やはり、シリンダ81の長手方向に沿って断面台
形の案内レール87が設けられている。更に、案内板8
5には、案内子88が下方に垂れ下がった状態で設けら
れ、その下端は、上記断面台形の案内レール87の外形
に沿うように形成され、その案内レール87の傾斜面と
の間にはベアリング等の転動部材89が設けられてい
る。
【0010】このような構成による第2従来例のロッド
レスシリンダでは、上記第1従来例のものと同様にして
ピストンの運動が伝達されるが、その際、運動伝達手段
84に設けられた案内手段によって安定した運動を行な
う。即ち、ピストン83の運動と共に連接された案内子
88が案内レール87上を移動する。従って、運動伝達
手段84に横荷重が加わったとしても、共に移動する案
内子88により案内板85を介して支えられることとな
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記したように第1従
来例のロッドレスシリンダにおいては、外部装置等の影
響等によってフランジ64を介して生じる横方向にかか
る荷重は、ヨーク60に形成された案内部材62及びシ
リンダ51の側面に形成された案内溝63により構成さ
れる案内手段により、その影響を防止している。しか
し、外部から大きい荷重が横方向から生じた場合、シリ
ンダ51の側面を変形させることとなる。即ち、横方向
に生じる荷重により運動伝達部材58が当該方向へ押さ
れ、それに伴い案内部材62によって、その案内部材6
2が接するシリンダ側面を押してシリンダ51を変形さ
せる。このとき、上面にスリット53が形成されている
ため、そのスリット幅を狭めることとなる。
【0012】このように、荷重の大きな横荷重が加わる
と変形によってスリット幅が狭められ、そこを移動する
リブ59が当たってしまい、ピストンの動作が不安定と
なり適切な操作が困難となる。しかし、一方歪をなくす
ためにシリンダの剛性を高めるのに厚みを増したりする
と、横荷重により案内溝63との接触圧力が増し、歪は
少なくなる反面運動伝達手段58が移動する際の動作抵
抗が高くなり、それに伴い耐久性も低下する。また、シ
リンダがアルミニウム材等の押し出し工法で作成されて
いるため摩耗性が高く、表面に凹凸が形成されてしまい
安定したピストンの動作が困難となる。この不都合を解
消したものとして上記第2従来例の様な構成のロッドレ
スシリンダが使用されている。即ち、第2従来例のもの
では、運動伝達手段に横荷重が加わったとしても、案内
手段が直接シリンダに設けられていないので、シリンダ
81を変形させるようには作用せず、スリット幅を狭め
るようなことはない。しかし、図8を見て分かるように
案内板85、案内子88、案内レール87、ベース86
から構成される案内手段自体が大きなものとなってしま
う欠点があった。
【0013】そこで、本発明は、上記した従来のロッド
レスシリンダの欠点を防止した、横荷重によるシリンダ
の変形によって生じるピストンの運動低下をなくした安
定動作を可能とし、なお、シリンダ本体の大形化を防止
したロッドレスシリンダを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のロッドレスシリ
ンダは、長尺な管状であって、その長手方向に形成され
たスリットを有するシリンダと、そのシリンダ内にスラ
イド可能に嵌挿された長尺のピストンと、そのピストン
に連続して形成されると共に、シリンダに形成されたス
リットからシリンダ外部に突出して設けられた運動伝達
手段とを有するロッドレスシリンダにおいて、スリット
が形成された前記シリンダ上面を覆うように運動伝達手
段に連設された支持部材と、前記支持部材と係合し、ス
リットを挟んだシリンダの両肩部で軸線方向に設けられ
た案内手段と、前記シリンダに形成されたスリットと前
記案内手段との間で、シリンダ上面の軸線方向に形成さ
れた所定深さの上溝とを有するものである。
【0015】また、望ましくは、本発明のロッドレスシ
リンダは、前記上溝が、前記スリット深さの1/2以上
の深さで形成されるものである。また、望ましくは、本
発明のロッドレスシリンダは、前記シリンダの軸線方向
に沿って所定深さで形成された横溝を有するものであ
る。更に、望ましくは、本発明のロッドレスシリンダ
は、前記シリンダの両肩部に張り出して形成された張出
部と、その張出部の端部にシリンダの長手方向に沿って
設けられたガイドロッドと、前記支持部材端部に設けら
れ、そのガイドロッドに従って転がるローラとを有する
ものである。
【0016】
【作用】上記構成を有する本発明のロッドレスシリンダ
は、シリンダ内にエアが供給されるとシリンダ内のピス
トンが押されて所定方向に移動し、ピストンに連結され
た運動伝達手段がシリンダに形成されたスリットを介し
て外部の装置等へ運動を伝達する。このとき、スリット
は長尺な管状のシリンダの長手方向に形成された隙間を
なしているが、そのスリットの全長に渡ってシール手段
が設けられているため、シリンダ内にエアが供給される
とそのエアがシール手段に作用してスリットを密閉す
る。従って、隙間を有したシリンダであってもエアによ
ってピストンが動作する。このようにしてピストンの運
動が外部装置等に伝達される際、運動伝達手段に加わる
外部からの横方向の荷重によって、その運動伝達手段に
係設された支持部材がシリンダ側面を押すこととなる。
その際、シリンダ上面の軸線方向に所定深さの上溝が形
成されているため、横荷重によって押されたシリンダに
生じる歪は、シリンダの一部にのみ生じ、スリットにま
で伝えられない。そのため、スリット間隔に影響を与え
ることなく運動伝達手段が安定した運動を伝達できるよ
うになった。
【0017】また、本発明のロッドレスシリンダは、運
動伝達手段に加わる横方向の荷重によってシリンダ側面
を歪ませるが、シリンダ上面及び側面に所定深さの溝が
形成されているため、横荷重によって押されたシリンダ
に生じる歪は、シリンダの一部にのみ生じ、スリットに
まで伝えられない。そのため、スリット間隔に影響を与
えることなく運動伝達手段が安定した運動を伝達できる
ようになった。更に、本発明のロッドレスシリンダは、
前記シリンダの外周部の長手方向にせり出すように形成
されたせり出し部に沿って設けられたガイドロッド上を
支持部材端部に設けられたローラが転がって、ピストン
に係設された運動伝達手段を支持する。そのため、スム
ーズな移動により運動伝達手段が安定した運動を伝達で
きるようになった。
【0018】
【実施例】以下、本発明のロッドレスシリンダの第1実
施例について図面を用いて説明する。図1は、本実施例
のロッドレスシリンダの側部断面図である。そして、図
2は、当該ロッドレスシリンダのX−X断面を示した図
である。本ロッドレスシリンダは、以下に示すように構
成されている。先ず、シリンダ1が偏心状態で設けら
れ、その上面には長手方向に沿ってスリット2が形成さ
れている。そして、このシリンダ1の両端部は、シリン
ダ1内にエアを供給するためのポート4a,4bが形成
されたカバー3a,3bによって閉鎖されている。そし
て、カバー3a,3b内部では、ポート4a,4bから
連通して軸線方向に突出してクッションリング5a,5
bが設けられている。
【0019】そのシリンダ1内のピストン6は、両方向
にピストンヘッド7a,7bを持ち、連結部8によって
一体に形成されている。そして、図に示すように左側に
移動した場合、突出して形成されたクッションリング5
aが挿入するようにピストンヘッド7aの軸線Xを中心
に挿入孔9aが形成されている。これは、反対側のピス
トンヘッド7bの挿入孔8bにおいても同じである。ま
た、ピストンヘッド7a,7bは、ピストン6の運動を
外部に伝達するための運動伝達手段10が連設されてい
る。
【0020】その運動伝達手段10は、スリット2を介
してシリンダ1外部に突出して設けられている。具体的
には、シリンダ1内部の台部10aと、この台部10a
からスリット2との間に若干の遊びが設けられるように
して板状のリブ10bが連続して形成され、更にシリン
ダ1外部では、リブ10bに連続して支持台10cが形
成されている。そして、この支持台10c上には、ピス
トン1の横幅よりもさらに広いテーブル11が固設され
ている。また、テーブル11にはガイド部材12が、シ
リンダ1の幅に合わせるように端部に垂直に形成されて
いる。このガイド部材12は、テーブル11の両端に前
後して、合計4つが設けられている。ガイド部材12に
は、後述するガイドレール13に案内されるよう突起部
12aが形成されている。
【0021】次に、上記したようにシリンダ1の上面に
はスリット2が形成されているが、これは、2つの要素
よりなるシールベルトによって閉じられた構成となって
いる。つまり、図1に示すようにスリット2の上方を可
撓性の外側用シールベルト14によって、また、下方を
同じく可撓性の内側用シールベルト15によって、シー
ルされ圧力室16が構成されている。ここで、図3は、
スリットをシールベルトがシールする状態を示した断面
図であり、図1のY−Y断面を示した図である。このシ
ールベルト14,15は、シリンダ1両端のカバー3
a,3b部分で固定され、スリット2の中間部分に形成
された凸部2aに沿ってそれぞれ案内される。また、シ
ールベルト15にはその両側面に溝15aが形成され、
一方、スリット2の凸部2aの下部には、溝15aに嵌
合する押出材17が設けられ、スリット2下部をシール
する際には、押出材17とシートベルト15の溝15a
が嵌合する。
【0022】また、このシールベルと14,15は、運
動伝達手段10では図2に示すようにそれぞれが上下に
分離することとなるが、外側用シールベルト14は支持
台10cとテーブル11との間に形成された溝を通り、
内側用シールベルト15は台部10a下部の溝を通って
いる。そのため、運動伝達手段10の前後には分離した
シールベルト14を押下するための加圧部材18a,1
8bが、ピストンヘッド7a,7bの押圧部19a,1
9bに対応する位置に設けられている。一方、シリンダ
1の前後端にはピストン6の移動を制限するため、テー
ブル11が当たるようにシリンダ1の上面に、ショック
アブソーバ23が取り付けられている。ショックアブソ
ーバ23は、シリンダ1にネジ26によって固定された
ブロック24によって支えられている。
【0023】更に、シリンダ1には上部両肩には、それ
ぞれ横方向に張り出した張出部20が形成されている。
その張出部20は、シリンダ1上面を同じ高さに揃えて
その上面及び側面から所定距離張り出している。また、
この張出部20は、シリンダ1のほぼ全長に渡って形成
されている。そして、張出部20の上部にはガイド部材
12の凸部12aを案内するための案内レール13が形
成されている。更に、シリンダ1の上面にはスリット2
と張出部20との間に所定深さの上溝21が長手方向に
形成され、また、そのシリンダ1の両側面にも所定深さ
の横溝22が形成されている。この上溝21及び横溝2
2は、共に表面部分よりも内側部分の溝幅が広くなるよ
うに段差を設けて形成されている。また、この各溝の深
さは、シリンダ1に横荷重がかかった場合、張出部20
のみが独立して歪み、荷重がスリット2に対してほとん
ど影響を与えない程度である。上溝21に関してはスリ
ット深さの1/2以上であることが望ましい。ここで、
スリット深さとは、スリットが形成された箇所のシリン
ダ上面からシリンダ1の内周面まで切り欠かれたシリン
ダ1の肉厚である。
【0024】以上、本実施例のロッドレスシリンダの構
成について説明したが、次にその作用について説明す
る。例えば、ポート4bよりピストンヘッド7bとカバ
ー3bより構成される圧力室16へエアが供給される。
このとき、圧力室16はシリンダ1がピストンヘッド
7、カバー3bそして、上面スリット2をシールベルト
14、15によって密閉されている。具体的には、ポー
ト4bより供給されたエアは、ポート4bから連通して
軸線方向に突出して設けられたクッションリング5bか
らピストンヘッド7bの挿入孔9bに供給される。そう
すると、供給されたエアによってピストン6が左側へ移
動する。そしてピストン6が移動する際には、ピストン
ヘッド7bの押圧部19bが内側用シールベルト15を
上側に押えながら移動し、運動伝達手段10に取り付け
られた加圧部材18bがシールベルト14を押えながら
移動する。シールベルト14,15は、スリット2の中
間部分に形成された凸部2aに沿ってそれぞれ上側また
は下側で案内される。特に、シールベルト15は、スリ
ット2の凸部2aの下部に設けられた押出材17に、そ
のシールベルト15の両側面に形成された溝15aが、
ピストンヘッド7bの押圧部19bに押されて嵌合され
る。そのため、スリット2の隙間はシールベルト14,
15によって気密になり、圧力室16は密閉状態とな
る。
【0025】このように、気密性が保たれた圧力室16
へのエアによりピストン54が図1左方へ押されて移動
する。ピストン6が移動すると、移動方向のシールベル
ト14,15はスリット2を介して設けられた運動伝達
手段58を挟んで分離しているが、ピストンヘッド7b
の押圧部19bと加圧部材18bとで押圧され接合する
こととなる。そのためピストン54の移動により圧力室
16の大きさが変化しても、シールベルト14,15に
よりスリット2の影響を受けず密閉状態が維持される。
これは他方の圧力室についても同様である。ところで、
ピストン1が移動すると、その運動が運動伝達手段10
を介して不図示の外部装置等に伝達され、外部装置を駆
動させる等する。
【0026】以上のように、圧力室内に供給されたエア
によりピストンが移動する際に、外力により運動伝達手
段10が横荷重を受けることがあるが、そのときガイド
レール13にガイド部材12を介して横荷重が加わる
と、ガイドレール13が設けられた張出部20に荷重が
伝達される。そして、この張出部20とスリット2との
間には、上溝21が形成されているため、シリンダ1の
側面全体が歪むことはない。即ち、シリンダ1上部を上
溝21によって張出部20とスリット2側とを区別した
ため、張出部20に作用した横荷重によって生じる歪
は、張出部20の弾性作用により吸収され、スリット2
へ直接伝わらない。また、本実施例では、シリンダ1の
側面にも横溝22を設けているので、張出部20が歪む
際、シリンダ1の側面下を引っ張ることがなく、側面全
体が歪むことを防止し、更にスリット2への影響が少な
くなる。
【0027】以上、本発明のロッドレスシリンダの第1
実施例について説明したが、本実施例のものによれば、
シリンダ1に上面及び側面に溝を設けたことにより、横
荷重をうける張出部20が弾性作用により歪み、スリッ
ト幅を狭めることがなくなった。そのことにより、スリ
ット2とリブ10bが接することはなく、また、ピスト
ン6がシリンダ1の変形により圧接されることもなく安
定したピストンの運動を行なうことができる。このとき
の上溝21の深さは、スリット深さの1/2以上であれ
ば横荷重がかかったときにスリット2に対してほとんど
影響がないことが実験により分かっている。
【0028】ところで、上記実施例のロッドレスシリン
ダでは、使用されるガイドレールに熱処理及び研磨が施
されたものが用いられているが、性能が良い反面非常に
高価なもので、製品自体コストを高めることとなる。そ
こで、次に、その点を考慮した本発明のロッドレスシリ
ンダの第2実施例について説明する。図4は、本実施例
のロッドレスシリンダの断面を示した図である。本実施
例のロッドレスシリンダでは、上記第1実施例のものを
一部変更したものであるため、同一部分については同一
符号を付し、その説明は省略する。本実施例では、第1
実施例と同様ピストン6に従って移動するテーブル11
が設けられており、そのテーブル11の四隅には垂直に
ピン31が下方に突き出るようにして設けられ、そのピ
ン31にはローラ32がテーブル11下面に取り付けら
れている。一方、シリンダ1にはその両肩部に張出部2
0が形成され、張出部20の側面部には、シリンダ1の
長手方向に沿って硬質クロムメッキ等の処理が施された
円柱形のガイドロード33がはめ込まれている。また、
ローラ32はガイドロード33の曲面と同じ曲率の曲面
によって転がり面が形成されており、組み立てられたと
き、両肩のガイドロード33にローラ32が係設され
る。
【0029】このような構成により、第1実施例と同様
にポートからエアが供給されてピストン6が移動する。
そのピストン6の移動に伴ってテーブル11も移動する
が、このとき、テーブル11に取り付けられたローラ3
2がガイドロード33上を転がることとなる。従って、
本実施例ではこのような構成を有することにより、テー
ブル11は両側のローラ32に支えられるので、移動に
際しては水平状態を保つことができる。また、ガイド機
構にローラ32を使用したので、移動するときの抵抗が
小さくなり更に安定したピストンの運動が可能となっ
た。また、ローラ32及びガイドロード33からなる構
成により、コストの低下が可能となった。
【0030】以上、本発明のロッドレスシリンダの実施
例について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に
限定されるものではなくその趣旨を逸脱しない範囲で様
々な変更が可能である。例えば、シリンダ1の表面に形
成される溝は上面のみでもよく必ず側面に設けるように
しなくてもよい。また、例えば、案内手段は張出部の内
側に設けるようにしてもよい。また、例えば、シリンダ
上面に設けられた上溝及び横溝の形状は、横荷重による
シリンダ変形を防止するものであれば、どのような形状
であってもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明した本発明のロッドレスシリン
ダによれば、ピストンロッドをなくしたロッドレスシリ
ンダであり、スリットを挟んだシリンダの両肩部で軸線
方向に設けられた案内手段とシリンダに形成されたスリ
ットと案内手段との間で、シリンダ上面の軸線方向に形
成された所定深さの上溝とを有するもので、横荷重によ
るシリンダの変形によって生じるピストンの運動低下を
なくした安定作動を可能とし、また、シリンダ本体の大
形化を防止したロッドレスシリンダを提供することが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のロッドレスシリンダの側部断面を
示した図である。
【図2】第1実施例のロッドレスシリンダのX−X断面
を示した図である。
【図3】第1実施例のロッドレスシリンダのY−Y断面
を示した図である。
【図4】第2実施例のロッドレスシリンダの断面を示し
た図である。
【図5】第1従来例のロッドレスシリンダの側部断面を
示した図である。
【図6】第1従来例のロッドシリンダのA−A断面を示
した図である。
【図7】第3従来例のロッドシリンダのスリットをシー
ルベルトがシールする状態を示した部分的拡大斜視図で
ある。
【図8】第2従来例のロッドレスシリンダの断面を示し
た図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 スリット 6 ピストン 10 運動伝達手段 11 テーブル 12 ガイド部材 13 ガイドレール 20 張出部 21 上溝 22 横溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺な管状であって、その長手方向に形
    成されたスリットを有するシリンダと、 そのシリンダ内にスライド可能に嵌挿された長尺のピス
    トンと、 そのピストンに連続して形成されると共に、シリンダに
    形成されたスリットからシリンダ外部に突出して設けら
    れた運動伝達手段とを有するロッドレスシリンダにおい
    て、 スリットが形成された前記シリンダ上面を覆うように運
    動伝達手段に連設された支持部材と、 前記支持部材と係合し、スリットを挟んだシリンダの両
    肩部で軸線方向に設けられた案内手段と前記シリンダに
    形成されたスリットと前記案内手段との間で、シリンダ
    上面の軸線方向に形成された所定深さの上溝とを有する
    ことを特徴とするロッドレスシリンダ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のロッドレスシリンダに
    おいて、 前記上溝が、前記スリット深さの1/2以上の深さで形
    成されることを特徴とするロッドレスシリンダ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のロッドレ
    スシリンダにおいて、 前記シリンダの軸線方向に沿って所定深さで形成された
    横溝を有することを特徴とするロッドレスシリンダ。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載のロッドレ
    スシリンダにおいて、 前記シリンダの両肩部に張り出して形成された張出部
    と、 その張出部の端部にシリンダの長手方向に沿って設けら
    れたガイドロッドと、 前記支持部材端部に設けられ、そのガイドロッドに従っ
    て転がるローラとを有することを特徴とするロッドレス
    シリンダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6253660B1 (en) 1999-02-22 2001-07-03 Howa Machinery, Ltd. Rodless cylinder
JP2013518785A (ja) * 2010-02-05 2013-05-23 ベルビジョン オサケ ユキチュア 昇降用装置

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JPH05209603A (ja) * 1991-12-06 1993-08-20 Smc Corp ロッドレスシリンダ

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