JPH07257584A - 優れたバリヤー性を有する内部無菌包装体の製造方法 - Google Patents

優れたバリヤー性を有する内部無菌包装体の製造方法

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JPH07257584A JP7016755A JP1675595A JPH07257584A JP H07257584 A JPH07257584 A JP H07257584A JP 7016755 A JP7016755 A JP 7016755A JP 1675595 A JP1675595 A JP 1675595A JP H07257584 A JPH07257584 A JP H07257584A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術に固有の問題及び欠点を解消した液
体及び気体に関し、優れたバリヤー性及び内部無菌性を
有する包装体の製造法。 【構成】 ガス状のブロー成形媒体を用いてブロー成形
することによりプラスチックから包装体を形成し、然る
後、該ブロー成形された包装体の内壁上にバリヤーとし
て働く珪素化合物からなる被覆を真空蒸着によって形成
する、優れたバリヤー性を有する内部無菌包装体の製造
方法において、前記包装体をブロー成形するのに用いる
ガス状媒体を、前記包装体の内壁上に被覆を形成するた
めの真空蒸着工程の工程ガスとしても用いることを特徴
とする包装体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた気体及び香気バ
リヤー性を有する内部無菌プラスチック包装体を製造す
る方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】今日、食物は殆ど一般に使い捨て型の最
終的段階或は消費者用包装体、即ち１回だけ使用してそ
の後は壊すか又は他の用途向に処理される包装体に詰
め、輸送されている。そのような所謂使い捨て（single
-use disposable)包装体の例は、プラスチック被覆紙か
らなる標準的ミルク又はジュースのパックであり、それ
らは目的とする使用の後、焼却するか又は材料のリサイ
クル又は廃棄物処理プラントでエネルギーを回収するよ
うに処理されている。そのような段階又は消費者用包装
体の他のよく知られた例は、回収可能な反復使用型（mu
lti-use returnable）のプラスチック又はガラスの通常
のボトルであり、例えば、最終的に破壊される前に同じ
目的で何回も使用するように考えられた包装体である。
【０００３】包装体が一方又は他方の型、即ち、使い捨
て又は反復使用（multi-use ）型のどちらの包装体であ
るかには無関係に、それに対する要求は、製造し易く、
取扱い易くなければならず、包装され、その中に入れた
まま輸送される品物に最大に可能な保護を与えるように
設計され、構成されなければならないと言うことであ
る。品物に対する良好な保護とは、就中、包装体が通常
の取扱いで受ける外部からの力に対し変形又は破壊を起
こすことなく耐えるのに充分な機械的強度及び形状安定
性を持たなければならず、更に包装体の壁を通って液体
及び（又は）気体が移行するのを防ぐのに充分な物理的
及び化学的気密性を包装体が持たなければならないと言
うことを意味する。多くの場合、殺菌された品物を、同
様な殺菌された包装体中に殺菌状態で包装し、充填後、
その包装された品物が消費前の保存中に有害な微生物に
再び感染することが無いようなやり方で密封する、品物
の無菌包装を可能にするように包装体は設計されていな
ければならないことも要求されている。
【０００４】一般に、良好な品物の保護は、包装用材料
の適当な選択によって達成され、その材料自身は機械的
に強く、形状が安定で、堅く、物理的及び化学的気密性
をもち、問題の品物に対する所望の気密性を持って形状
安定な包装体を製造することができるようなものでなけ
ればならない。従って、上述の従来の使い捨て包装体の
材料は、殆ど通常包装体に所望の性質を一緒に与える数
多くの材料層からなっている。例えば、既知の包装用材
料は、包装体の機械的強度及び形状安定性を与える紙又
はボール紙の基礎又は芯層及びその包装体を液体に対し
気密にするポリエチレンの外側層からなる。気体及び他
の物質に対する包装体の気密性を補うため、包装用材料
にさらに、所望の気密性を持つ材料、例えばアルミニウ
ム又はバリヤー性重合体の少なくとも一つの層が形成さ
れている。
【０００５】直ちに分かるような理由から、上記の積層
型の包装用材料はその製造及び組成が複雑であり、従っ
て、包装される品物の最適の保護を達成するために、最
終包装体に対する要求が一層大きく一層面倒になるに従
って、一層複雑になってきている。
【０００６】反復使用型の包装体の材料、例えば、ガラ
ス又はプラスチックのボトルの材料は、上記積層型の包
装用材料よりも簡単であり、即ち、それらは一般に唯一
つか又はせいぜい二つの材料層からなることは認める
が、一方同時に、選択された材料が、包装された品物に
最適の保護を与えるために包装体に求められる全ての機
械的、物理的、及び化学的要求を満足することが要求さ
れている。ガラス自体は気体に対し良好な気密性を有
し、更に形状安定性と同時に優れた香気バリヤー性を有
する材料であるが、ガラス包装体の問題点は、それらが
衝撃及び急激な動揺に極めて敏感であり、従って取扱い
中に損傷を受けないように特別な注意を払わなければな
らないことである。更に、ガラス包装体は、一般に重
く、それを一層取扱いにくいものにしている。
【０００７】反復使用型の包装体で屡々用いられている
他の材料はプラスチックであり、それはガラスより軽
く、衝撃及び急激な動揺の影響を受けにくく、その結果
一層容易に取扱うことができる包装体の製造が可能にな
っている。しかし、既知の反復使用プラスチック包装体
の固有の問題は、それらが最終包装体に所望のバリヤー
性を与えるために特別な種類及び品質のプラスチックを
必要とし、更に選択されたプラスチックが食品と接触す
るのに充分適しているような性質を持たなければならな
いことである。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の一つ
の目的は、上で述べた従来技術に固有の問題及び欠点を
解消することである。
【０００９】本発明の更に別な目的は、従来の包装体が
受けている種類の問題及び不都合な問題を伴わない、序
文で述べた種類の包装体を発明することである。
【００１０】本発明の更に別の目的は、液体及び気体の
両方に対して優れた気密性を有し、優れた香気バリヤー
性を有し、従来技術の場合のような特定の種類又は品質
のプラスチックを必要としないプラスチック包装体を発
明することである。
【００１１】本発明の更に別な目的は、品物の無菌包装
に極めてよく適している、製造し易く取扱い易いプラス
チック包装体を発明することである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】これら及び他の目的は、
本発明により特許請求の範囲第１項に規定し、特徴付け
た方法により達成される。
【００１３】本発明による方法の適切で好ましい態様に
は、特許請求の範囲の従属項に記載したような特徴が与
えられている。
【００１４】
【好ましい態様についての説明】本発明により、ブロー
成形の如きそれ自体既知の方法により、包装体に所望の
バリヤー性を与える薄くて連続的な珪素酸化物被覆を形
成するために、簡単なやり方で且つ同様に既知の真空蒸
着法により、包装体の内壁に良好な接着強度で結合する
珪素酸化物化合物の内側被覆を有するプラスチック包装
体を製造することができることが判明した。包装体のバ
リヤー性は、実際上、選択されたプラスチック（従来技
術の場合のように）によってではなく、このように適用
された珪素酸化物被覆によって完全に与えられるので、
本発明による包装体のためのプラスチックの選択は比較
的自由に選択され特に規定する必要はなく、バリヤー性
重合体の如く、以前程特定の種類の及び品質のプラスチ
ックに限定する必要はない。従って、本発明により、上
述のバリヤー性重合体よりも安い品質及び性質のプラス
チックを、包装体を取扱いやすくするのに充分な機械的
強度及び形状安定性をその選択されたプラスチックが有
することを条件として、選択することができる。
【００１５】用語「真空蒸着」とは、プラズマ蒸着、化
学プラズマ蒸着（ＣＰＶＤと略する）、スパッタリング
等の如き慣用的被覆方法を指すのにここでは用いられて
おり、それらは全てそのような被覆方法のよく知られた
例である。
【００１６】本発明の方法の一つの好ましい態様に従
い、珪素酸化物被覆を化学プラズマ蒸着（ＣＰＶＤ）を
用いて適用し、それによって一般化学式ＳｉＯx （式
中、x は１．８〜２．２の範囲にある）の珪素酸化物化
合物の極めて薄いが、それにも拘わらず非常に気密な被
覆で、優れた気体及び香気バリヤー性の他に、包装され
るある種の品物で起きることがある香り及び芳香性物質
を吸収せず又は取込まない好ましい性質を有する被覆を
達成することができる。そのような所謂非スキャルピン
グ(non-scalping)性は、特に香り及び芳香性物質が豊富
に存在する柑橘類フルーツジュース型の品物に関連して
特に価値がある。
【００１７】包装体の内壁上に適用した珪素酸化物被覆
の厚さは非常に薄くなければならず、包装される品物に
より、２０００Å未満である。もし品物が気体の影響を
受けにくいものであるならば、１００Å以下の被覆厚さ
で全く充分であるが、気体に一層敏感な品物は一層大き
な被覆厚さを必要とし、それは品物の気体に対する敏感
性と同じ割合で増大し、本発明による包装体についての
上限である２０００Åに近づく。
【００１８】被覆の厚さは、含まれる工程パラメーター
を調節することにより比較的容易に制御することができ
るので、本発明による方法は一つの被覆厚さから他の厚
さに、多かれ少なかれ「特製(tailor made）」性を有す
る包装体の製造を可能にするようなやり方で、容易に切
り替えることができる。
【００１９】前に述べように、本発明によるプラスチッ
ク包装体は、ガス状の成形用媒体を用いてブロー成形に
よりプリフォームを形成することにより製造することが
できる。次にブロー成形したプリフォーム（未だ必ずし
もボトルの形をしていなくてもよい）を、化学プラズマ
蒸着（ＣＰＶＤ）のために構成した真空室中に入れ、そ
の室へ必要な反応ガス（酸素ガス及び気化した有機珪素
化合物）を互いに制御された混合割合で不活性ガスと共
に供給し、同時に定められた強さ及び周波数のマイクロ
波電場をその真空室中に確立し、プラズマを形成する。
臨界圧力よりも低く圧力を低下させることにより、プラ
ズマが着火し、その時にプラズマ中に含まれる化学反応
物が互いに反応し、プリフォームの内壁上に付着し、一
般化学式ＳｉＯx （式中、x は用いられる反応ガスの混
合比により１．８〜２．２の範囲にある）の珪素酸化物
化合物の次第に成長する被覆を形成する。所望の被覆厚
さが得られた時、その工程を止める。
【００２０】本発明の方法の特に好ましい一つの態様に
従い、ブロー成形段階を後の化学蒸着段階と一緒にし、
被覆のために用いられる工程ガス（即ち、酸素ガス、気
化した有機珪素化合物及び不活性ガス）が、前のブロー
成形段階でもブロー成形プレホームを形成するためのガ
ス状媒体として用いられるようにし、その場合、そのよ
うにしてブロー成形したプリフォームを、用いた工程ガ
スがそのプレホーム中に閉じ込められた状態で適当に密
封し、そのガスを真空室での後の化学プラズマ蒸着で用
いる。
【００２１】本発明は、単に例示の目的だけのために引
用した一つの態様に関連して、如何にして本発明の好ま
しい態様に従う方法が気体に対する優れたバリヤー性、
特に優れた酸素ガスバリヤー性を有する包装体を製造す
るのに実施されるかについて下に一層詳細に記述し、説
明する。従って、その選択された態様は本発明の範囲を
限定するものと解釈又は認めるべきではなく、一般的記
述及び特許請求の範囲の本質及び範囲は、当業者に明ら
かになった修正及び変更を、例えそれらが下に記載する
態様の中に明確に述べられていなかったとしても、包含
するものである。
【００２２】第一段階として、プラスチック（例えば、
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリアミド、又はポリエチレンナフテネー
ト）の包装体を、ガス状の媒体を用いる慣用的ブロー成
形法によって、例えばボトルの形に製造する。そのガス
状の媒体は加圧下で移動可能な二つの半型の間のボトル
型空腔の輪郭に沿ってプラスチックブランク(plastic b
lank) を形成する。ガス状媒体として、後の被覆段階で
用いるのと同じ種類の工程ガスを使用するのが好まし
く、それによって以下に一層詳細に記述するように、慣
用的化学プラズマ蒸着（ＣＰＶＤ）法に従い薄い被覆で
ブロー成形プラスチックボトルの内壁を被覆する。この
好ましい態様では、選択された工程ガスは、酸素ガス、
気化した有機珪素化合物（例えば、テトラメチルジシロ
キサン）及び不活性ガス（例えば、ヘリウム）を、互い
に予め定められた相互混合比で混合したものからなり、
選択された工程条件で後の被覆段階でボトルの内壁上に
所望の被覆が形成されるようにする。然る後、ブロー成
形したボトルを、ガス状のブロー媒体として用いた上記
工程ガスが未だ中に入っている間に、後の工程段階のた
めに密封する。
【００２３】工程ガスを閉じ込めたブロー成形密封プラ
スチックボトルを、次にできれば中間保存時間(interme
diate storage time) の後、上記被覆段階へ移し、そこ
でボトルを先ず適当な貫通材によって制御された仕方で
開封又は孔をあけ、ボトル封鎖部を通過する通路又は孔
を形成し、同時にそのボトルを取り巻く周囲の雰囲気
を、真空ポンプにより減少し、そのポンプによってボト
ル中に閉じ込められた工程ガスの圧力をプラズマ放電の
ための特定の水準に設定する。然る後、ボトルを化学プ
ラズマ蒸着用に構成した処理室中へ入れ、そこでプラズ
マを予め定められた強さ及び周波数のマイクロ波電場に
よって着火させる。プラズマの目的は二つある。第一
は、プラズマ中に存在するエネルギーによって工程ガス
分子を励起し、ボトルの内壁上に蓄積する所望の珪素酸
化物化合物の被覆を生成させることにあり、第二に、プ
ラズマは酸化性を持つので、ボトルの内壁が同時に殺菌
状態に清浄化され、このようにして形成された珪素酸化
物被覆によりボトルの壁を通過する気体及び香気の移動
に対するバリヤー性を得ると同時に、ボトル内部が殺菌
された状態になる結果が得られる。
【００２４】前に述べたように、このようにして形成さ
れた珪素酸化物被覆の組成は、その厚さと同様、処理室
中の化学プラズマ蒸着被覆工程の時間及び工程ガスの組
成の調節により、夫々制御することができる。この態様
では、含まれる化学的反応ガス（酸素ガス及び気化した
有機珪素化合物）に関して用いられた工程ガスの組成
を、生成する被覆が一般化学式ＳｉＯx （式中、x は、
被覆のための最適組成範囲であることが判明している、
１．８〜２．２の範囲にある）の珪素酸化物化合物から
なるように調節する。更に、被覆の厚さは変えることが
でき、その場合最終ボトルに所望のバリヤー性を与える
２０００Å未満の厚さに被覆が達した時にその工程を止
める。
【００２５】内部被覆したボトルが依然として内部が殺
菌状態にある間に後の殺菌室中にボトルを導入し、部分
的に先に貫通したボトル閉鎖部に後の無菌密封のために
適したデザインを付与し、然る後、ボトルを殺菌空気で
内部をフラッシュ又は濯ぐ。最後にボトルに適当な品物
を充填し、その品物を消費する場所又は小売販売経路へ
更に輸送するために無菌密封する。
【００２６】上で述べたことから明らかなように、気体
及び芳香物質に対し優れたバリヤー性を有する包装体、
例えばボトルを、それ自体既知の方法の有利な組合せを
用いて製造する簡単で効果的な方法を本発明は実現して
いる。今まで指摘してきたように、本発明による方法で
与えられる特に価値のある利点は、このようにして製造
された包装体に、優れたバリヤー性に加えて、品物の無
菌包装で有利に用いることができる内部殺菌が与えられ
ていることである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ガス状のブロー成形媒体を用いてブロー
    成形することによりプラスチックから包装体を形成し、
    然る後、該ブロー成形された包装体の内壁上に、バリヤ
    ーとして働く珪素化合物からなる被覆を真空蒸着によっ
    て形成する、優れたバリヤー性を有する内部無菌包装体
    の製造方法において、前記包装体をブロー成形するのに
    用いるガス状媒体を、前記包装体の内壁上に被覆を形成
    するための真空蒸着工程の工程ガスとしても用いること
    を特徴とする包装体の製造方法。
  2. 【請求項２】 真空蒸着を慣用的化学プラズマ蒸着（Ｃ
    ＰＶＤ）によって行い、それに含まれる工程パラメータ
    ーを、それによって形成される被覆が一般化学式ＳｉＯ
    x （式中、x は１．８〜２．２の範囲にある）を有する
    珪素酸化物からなるように制御する、請求項１に記載の
    方法。
  3. 【請求項３】 ガス状のブロー成形媒体及び工程ガスと
    して、夫々、酸素ガス及び気化した珪素化合物を含有す
    るガス混合物を使用する、請求項１〜２のいずれか１項
    に記載の方法。
  4. 【請求項４】 ブロー成形した包装体に、真空蒸着後、
    無菌状態で品物を充填する、請求項１〜３のいずれか１
    項に記載の方法。
  5. 【請求項５】 ブロー成形した包装体を、それが未だガ
    ス状のブロー成形媒体を含んでいる間に密封し、化学プ
    ラズマ蒸着のために構成した真空室中に入れ、前記包装
    体を取り巻く周囲の圧力を、形成されたプラズマが前記
    室中に確立された予め定められた強度及び周波数のマイ
    クロ波電場によって着火する予め定められた臨界圧より
    も低くさせながら、前記包装体の密封部又は囲みを貫通
    させる、請求項１〜４のいずれか１項に記載の方法。
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