JPH0725721B2 - 新規な含ハロゲンエステル化合物、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子、並びにこの化合物の中間体及びその製造方法 - Google Patents

新規な含ハロゲンエステル化合物、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子、並びにこの化合物の中間体及びその製造方法

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JPH0725721B2
JPH0725721B2 JP5712989A JP5712989A JPH0725721B2 JP H0725721 B2 JPH0725721 B2 JP H0725721B2 JP 5712989 A JP5712989 A JP 5712989A JP 5712989 A JP5712989 A JP 5712989A JP H0725721 B2 JPH0725721 B2 JP H0725721B2
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篤 ▲吉▼沢
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、安定なサーモトロピックな液晶状態をとり
得、例えば、液晶テレビ等のディスプレイ用、光プリン
ターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等、液
晶やエレクトロケミクロミズムを利用するオプトエレク
トロニクス関連素子の素材として有用な新規な含ハロゲ
ンエステル化合物、この化合物を含む液晶組成物、この
化合物を構成要素とする光スイッチング素子、更にはこ
の化合物の新規な製造中間体及びその製造方法に関する
ものである。
(従来の技術) 分子内に不斉炭素を有する液晶化合物は、結晶構造上カ
イラルスメクチック相をとり得、応答時間が速い強誘電
性液晶としての性質を呈する場合があり、最近、光速応
答性を要求される表示装置等の液晶材料として期待され
ている。このような液晶化合物として、光学活性ハロカ
ルボン酸誘導体(特開昭61−165350号公報)、光学活性
基と含ハロゲンフェニルビフェニルエステル基とのエー
テル化合物(特開昭61−210056号公報)、光学活性基と
フェニルビフェニルエステル基とのエステル化合物(特
開昭60−32748号公報)等の各種液晶化合物が提案され
ている。
(発明が解決しようとする課題) 強誘電性液晶材料に要求される物性としては、室温を含
む広い温度範囲でカイラルスメクチックC相を示すこ
と、自発分極が大きいこと、化学的に安定であること等
がある。これら全ての物性を一種類の化合物のみで満足
させることは、非常に困難であり、通常は、いくつかの
化合物を混合し、液晶組成物として性能の向上を図って
いる。
また、光スイッチング素子は、電場、磁場等の外力によ
り光のスイッチを行う素子であるが、現在、この光スイ
ッチング素子としては、主に表示素子の分野で、ネマチ
ック液晶を材料としたTwisted Nematic(TN)型方式が
専ら用いられている。このネマチック液晶を用いるスイ
ッチング素子は、応答が遅いという欠点を有しており、
これに代わる応答性の速い光スイッチング素子として、
強誘電性液晶を用いた素子が提案されている。
ところで上記ハロカルボン酸誘導体は、自発分極は比較
的大きいが、一般的には炭素−ハロゲン結合を含むため
光に対する安定性に欠け、また強誘電性を示す温度範囲
が狭いという欠点を有している。また、上記光学活性基
とのエーテル化合物も同様に、ハロゲンを含むため光に
対する安定性に欠け、自発分極は比較的大きいが強誘電
性を示す温度範囲が狭く、一方、光学活性基とのエステ
ル化合物は、強誘電性を示す温度範囲は比較的広いが、
自発分極が小さいという問題があった。
すなわち、高速応答性を要求される表示装置等の液晶材
料には、大きな自発分極を有すること、低粘性を有する
こと、あるいは室温近傍を含む広い温度範囲でカイラル
スメクチックC相を示すこと等の物性が要求されるが、
現在までのところこれらの物性を充分に満足する材料は
未だないのが実状である。
一方、液晶の核の部分にハロゲンを導入することにより
カイラルスメクチックC相を安定化させたり、あるいは
カイラルスメクチック相の低温側に、より高次のスメク
チック相の発現をなくす試みも行われているが(斉藤他
第13回液晶討論会1Z06、東海林他 第13回液晶討論会
1Z13)、これらの液晶材料を用いても尚十分に満足の得
られる高速応答表示素子をつくることはできない。
これに対し、本発明者らは、既に、α位に不斉炭素を有
し、ベンゼン環に直結したケトン基を分子内に有する化
合物が、光等に対し安定であり、エナンチオトロピック
で液晶状態を取る温度範囲が広く、特に不斉炭素に光学
活性が付与されると、その液晶はカイラルスメクチック
C相を呈し、自発分極が大きく応答速度の速い強誘電性
液晶となることを見出している(国際出願番号JP88/003
34)。
本発明者らは前記の化合物の液晶物性をより向上させる
ために鋭意検討を進めた結果、前記化合物のうちいつく
かは、核の部分にハロゲンを導入することにより、前記
強誘電性液晶の特徴である大きな自発分極を損なうこと
なく、あるいはより一層大きな自発分極を発現させてカ
イラルスメクチックC相の低温側のより高次のスメクチ
ック相を消失させたり、カイラルスメクチックC相の温
度域をより室温に近づけたりすることができること等を
見出した。
本発明は、このような知見に基いてなされたもので、本
発明の目的は、液晶組成物として有用な新規な含ハロゲ
ンエステル化合物、これを含む液晶組成物並びにこの化
合物の中間体及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明はその様な新規な化合物あるいはそれを含
む液晶組成物を用いて高速応答性を有する液晶表示素子
を提供しようというものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は下記の一般式(I)、 (式中、Rは炭素数が4〜12、より好ましくは6〜9の
アルキル基、Aは単結合、−O−、−COO−又は−CO−
のいずれか、XとYはいずれか一方がハロゲン原子(好
ましくは塩素又はフッ素)で他方は水素原子、mとnは
いずれも0又は1であるが、m+n=0又は1、kは1
または2、より好ましくは1、lは5〜9の整数、より
好ましくは6又は7である)で表される新規な含ハロゲ
ンエステル化合物、これを含む液晶組成物及び光スイッ
チング素子、並びにこの製造中間体となり得る次の一般
式(II)、 (式中、kは1または2、より好ましくは1、lは5〜
9の整数、より好ましくは6又は7である)で表される
新規フルオロフェノール化合物及びその製造方法から成
るものである。
上記式(I)中のRで示されるアルキル基やlの整数
は、原材料の入手のし易さなどの実用的な製造上の見地
から、また、自発分極が大きく、応答速度の速い液晶を
得るためには、Rとして炭素数が4〜12、特には6〜9
の、またlとしては5〜9の整数、特には6又は7のも
のが好ましい。
尚、特には、上記式中CKH2K+1が結合している炭素が不
斉炭素で、この炭素を不斉中心として化合物に光学活性
が付与されると液晶はカイラルスメクチックC相を呈
し、自発分極が非常に大きく応答速度が速くて強誘電性
液晶として好ましいものとなる。
一方、上記式(I)の合成中間体となり得る上記一般式
(II)で表される新規フルオロフェノール化合物の−Cl
H2l+1で示されるアルキル基も前記と同様の理由からl
が5〜9の整数、特には6又は7のものが好ましい。ま
た、特に、かかる中間体のうち、−ClH2l+1が結合して
いる炭素が不斉炭素で、この化合物として光学活性を持
たせたものは、前記と同様に自発分極が非常に大きくて
応答速度が速い強誘電性液晶化合物を合成することがで
きるものとなる。
ところで、フルオロフェノール化合物は反応性に富む水
酸基を有しているので医薬、農薬、及び各種機能性有機
材料の中間原料として従来より有用であるとされてきた
が、特に、近年含フッ素アルコキシフェノールや含フッ
素アルコキシカルボニルフェノール類のうち、光学活性
を有する化合物が注目を集めており、活性な水酸基を用
いて強誘電性スメクチック液晶化合物の中間体として使
用されている。しかし、従来使用されてきたフルオロア
ルコキシフェノールやフルオロアルコキシカルボニルフ
ェノールは、それらを中間体として用いた強誘電性液晶
の使用可能温度が適切でなかったり、自発分極が小さい
ため高速応答が劣っていたり、ユニホーム性が悪いなど
実用的なものでなかった。本発明の上記一般式(II)で
表される中間体は、かかる従来のフルオロフェノール化
合物の問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、見出さ
れたものである。
上記式(II)の新規フルオロフェノール化合物の代表例
とのそ理化学的性質を示すと次の通りである。
2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェノ
ール 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):7.77(1H,t)、
7.61(1H,s)、6.96(1H,t)、3.38(1H,m)、1.8〜1.1
(13H)、0.85(3H,t) IR(KBr,cm-1):3250、1650、1600 Mass:252(M+) ▲〔α〕25 D▼:+27.9 3−フルオロ−4(2−メチルオクタノイル)フェノー
1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):7.77(1H,t)、
7.43(1H,s)、6.58(2H,m)、3.33(1H,m)、1.9〜1.0
(13H)、0.86(3H,t) IR(KBr,cm-1):3250、1650、1600 Mass:252(M+) (+)−3−フルオロ−4(2−メチルオクタノイル)
フェノール 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):7.8(1H,t)、
7.4(1H,s)、6.6(2H,m)、3.3(1H,m)、2.0〜1.0(1
5H)、0.9(3H,t) IR(KBr,cm-1):3250、1650、1600 Mass:266(M+) 尚、上記一般式(II)で示した化合物中の−ClH2l+1
アルキル鎖の長さは、この化合物を用いて合成を進め最
終的に液晶化合物とした場合に、その化合物において液
晶状態をとりうる温度領域等に影響を持つものであり、
最終的にどのような液晶化合物を合成するかによって適
宜選定され得るものである。
次に、上記式(I)の代表的化合物の例とその理化学的
性質を示すと次の通りである。
2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸
エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.25(2H,d)、
7.80(2H,d)、7.70(2H,d)、7.58(2H,d)、7.40(1
H,t)、7.00(2H,d)、4.0(2H,t)、3.4(1H,m)、1.8
5(2H,m)、1.4(20H,bs)、1.2(3H,d)、0.9(6H,t) IR(KBr,cm-1):2920、2850、1740、1675、1600、1
505、1425、1360、1195、1120、1060、825、780 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−クロロ
−4−オクチルオキシ安息香酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、δppm):8.20、7.26、
6.95(7H)、4.13(t,2H)、3.42(m,1H)、0.89〜2.0
(m,31H) IR(KBr,cm-1):2800、2700、1735、1680、1590、 Mass:500(M+) 4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−3−ク
ロロ−4−オクチルオキシ安息香酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、δppm):8.28(d,1
H)、8.07(m,3H)、7.70(d,4H)、7.35(d,2H)、7.0
0(d,1H)、4.16(t,2H)、3.50(m,1H)、1.7〜2.0
(m,4H)、1.3〜1.6(m,18H)、1.24(d,3H)、0.80〜
0.95(m,6H) IR(KBr,cm-1):2910、2840、1720、1680、1600、1
285、760 2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4−ノナノイル安息香酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.34〜7.30(7
H)、3.36(1H,m)、3.01(2H,t)、1.8〜1.1(25H)、
0.88(6H,t) IR(KBr,cm-1):2920、2850、1755、1680、1260、1
060 2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4−デカノイルオキシ安息香酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.28〜7.20(7
H)、3.37(1H,m)、2.59(2H,t)、1.8〜1.1(27H)、
0.88(6H,t) IR(KBr,cm-1):2920、2850、1755、1675、1600、1
510、1420、1255、1160、1140、1120、1060 2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4−オクチルオキシ息香酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.16(2H,d)、
7.8(2H,d)、7.4(1H,t)、7.0(2H,d)、4.05(2H,
t)、3.47(1H,m)、2.0〜1.0(25H)、0.90(6H,t) IR(KBr,cm-1):2920、2850、1740、1680、1600、1
510、1420、1250、1160、1050、840、760 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−オクチルオキシ安息香酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.09〜6.94(7
H,m)、4.13(2H,t)、3.42(1H,m)、2.0〜1.1(25
H)、1.1〜0.8(6H) )、2.0〜1.0(25H)、0.90(6H,t) IR(KBr,cm-1):2920、1735、1680、1280、1210、7
50、 Mass:484(M+) 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−オクチルオキシ安息香酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.08(4H,m)、
7.33(2H,d)、7.03(1H,t)、4.13(2H,d)、3.42(1
H,m)、2.0〜1.1(19H)、1.1〜0.8(6H) IR(KBr,cm-1):2920、1725、1675、1615、1300、1
210、745 Mass:442(M+) 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−ドデシルオキシ安息香酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.19〜7.81(4
H,m)、7.35(2H,d)、7.03(1H,t)、4.13(2H,t)、
3.47(1H,m)、2.0〜1.1(33H)、0.88(6H) IR(KBr,cm-1):2920、1725、1680、1615、1300、1
235、750 Mass:540(M+) 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−4−フルオ
ロ−4−ノニルオキシ安息香酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.04(d,2H)、
8.0〜7.85(m,2H)、7.3(d,2H)、7.05(t,1H)、4.15
(t,2H)、3.47(m,1H)、2.0〜1.0(27H)、0.9(t,6
H) IR(KBr,cm-1):2910、1730、1675、1615、1295、1
215、750 Mass:498(M+) 4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−3−フ
ルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.20〜6.95
((m,11H)、4.14(t,2H)、3.47(m,1H)、1.95〜1.2
0(m,25H)、1.00〜0.80(m,6H) IR(KBr,cm-1):2950、2900、2850、1720、1680、1
600、1500 3−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.25(d,2H)、
7.9(t,1H)、7.7(d,2H)、7.58(d,2H)、7.33(d,2
H)、7.15(t,2H)、3.35(m,1H)、2.67t,2H)、2.0〜
1.0(27H)、0.9(t,6H) IR(KBr,cm-1):2920、1735、1680、1605、1270、1
230 Mass:558(M+) 3−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4−ヘプチルオキシ安息香酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.1(2H,d)、
7.9(1H,t)、7.3〜6.9(4H)、4.1(2H,t)、3.3(1H,
m)、2.0〜1.1(23H)、0.9(6H) IR(KBr,cm-1):2910、2850、1730、1675、1600、1
250、750 Mass:470(M+) 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−ノナノイルオキシ安息香酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.15〜7.85(m,
4H)、7.45〜7.15(m,3H)、3.5(m,1H)、2.6(t,2
H)、2.0〜1.0(25H)、0.9(6H) IR(KBr,cm-1):2910、2850、1780、1680、1300、7
50 Mass:512(M+) 4−(2−メチルノナノイル)フェニル−3′−フルオ
ロ−4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸
エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.3(d,2H)、
8.1(d,2H)、7.7(d,2H)、7.5〜7.35(4H)、7.1(t,
1H)、4.5(t,2H)、3.5(m,1H)、2.0〜1.1(27H)、
1.0〜0.8(6H) IR(KBr,cm-1):2910、1740、1670、1605、1280、7
60 Mass:574(M+) 3−フルオロ−4−(2−メチルノナノイル)フェニル
−4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.25(d,2H)、
7.9(t,1H)、7.75(d,2H)、7.6(d,2H)、7.35(d,2
H)、7.15(t,2H)、3.4(m,1H)、2.7(t,2H)、1.9〜
1.2(31H)、0.9(6H) IR(KBr,cm-1):2910、1730、1680、1605、1270、7
60 Mass:572(M+) 3−フルオロ−4−(2−メチルノナノイル)フェニル
−4′−ヘキシルビフェニル4−カルボン酸エステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.25(d,2H)、
7.9(t,1H)、7.7(d,2H)、7.6(d,2H)、7.4〜7.0(4
H)、3.35(m,1H)、2.7(t,2H)、2.0〜1.1(23H)、
1.0〜0.8(6H) IR(KBr,cm-1):2920、1730、1680、1605、1230、7
60 Mass:530(M+) 3−フルオロ−4−(2−メチルノナノイル)フェニル
−4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸エ
ステル 1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.25(d,2H)、
7.9(t,1H)、7.75(d,2H)、7.65(d,2H)、7.1〜7.2
(2H)、7.05(d,2H)、4.05(t,2H)、3.35(m,1H)、
2.0〜1.2(27H)、1.0〜0.8(6H) IR(KBr,cm-1):2910、1730、1680、1605、1280、7
60 Mass:574(M+) 尚、上記一般式(I)で示した化合物中のRのアルキル
の炭素鎖の長さは上記中間体のアルキル鎖の場合と同様
に、当該化合物が液晶状態を取り得る温度域に影響を持
つものであり、目的によって適宜選定され得るものであ
る。この化合物は、単独で用いることは勿論、他の液晶
材料と混合して用いることができることはいうまでもな
い。
上記一般式(I)の化合物及び上記一般式(II)の中間
体は次のような経路で合成できる。
先ず、2−アルキル−1−アルカノール(1)を出発原
料とし、これを酸化剤で酸化する。光学活性を有する化
合物を得るためには、光学活性を有する2−アルキル−
1−アルカノールを出発原料として用いれば良い。この
場合には、ラセミ化を起こさずに酸化できる酸化剤を選
定する。このような酸化においては、特に、酸性下、過
マンガン酸カリウムを用いて行なうことが最も簡便であ
る。
次に、得られた2−アルキル−1−アルキルカルボン酸
(2)を無機ハロゲン化物、例えば、塩化チオニル、五
酸化リン、三酸化リン又は塩化ホスホリル等と反応させ
て酸ハロゲン化物(3)とする。
この酸ハロゲン化物を、無水塩化アルミニウム又は三フ
ッ化ホウ素等の触媒の存在下に上記式(III)の化合物
と反応させると、フリーデルクラフツ反応によって反応
するケト化合物(4)が得られる。
次いで、この化合物(4)を無水臭化アルミニウム等と
反応させ脱アルキル化反応により、対応するフェノール
化合物(5)を得る。
しかる後、この化合物(5)と上記式(IV)の化合物と
をエステル化反応させることにより、光学活性を有する
化合物の場合でもラセミ化することなく化合物(6)を
得ることができる。
上記式(5)の化合物が特に次の一般式(II)、 (式中、k,lは前記のものと同じものを示す)で表され
る上述のフルオロ−4−(2−アルキルアルカノイル)
フェノールの場合には、その製造方法は具体的には次の
通りである。
まず、2−アルキル−1−アルキルアルコールを酸化剤
で酸化する。酸化剤としては、光学活性化合物の合成に
おいてはラセミ化が起こらずに酸化できるものが選定さ
れるが、過マンガン酸カリウムが最も簡便で好ましい。
この過マンガン酸カリウムを用いる酸化反応は、酸性下
で行なうことが好ましく、酸としては、硫酸を用いると
良い。また、アルキル鎖の短いもの、例えば、2−メチ
ルブタノールの酸化では、アルカリ性下でもラセミ化が
起こらずに反応が進行する。この場合は、アルカリ剤と
して、水酸化ナトリウムが安価でかつ簡便であり好まし
い。反応操作は、2〜50%の硫酸水溶液に2−アルキル
−1−アルカノールを加え、このアルコールに対し1〜
3倍モルの過マンガン酸カリウムを20〜30℃の温度に保
ちながらゆっくり加えて反応させる。以上のようにして
得られた反応混合物を亜硫酸水素ナトリウムの水溶液に
加えると未反応の過マンガン酸カリウム及び二酸化マン
ガンが水に溶け、エーテル等の有機溶媒で抽出すること
ができる。この抽出を繰返し、蒸留、カラムクロマトグ
ラフィー等の公知の手段で分離し、2−アルキル−1−
アルキルカルボン酸を単離、精製することができる。
得られた2−アルキル−1−アルキルカルボン酸を、無
機ハロゲン化物、例えば、塩化チオニル、五塩化リン、
三塩化リン、塩化ホスホリル等と反応させて酸ハロゲン
化物とする。
この反応操作は、上記2−アルキル−1−アルキルカル
ボン酸を20〜60℃の温度に保持し、攪拌しながら、上記
無機ハロゲン化物を滴下し、50〜90℃の温度で1〜3時
間反応させることが好ましい。
このようにして得られたハロゲン化物を無水塩化アルミ
ニウムの存在下にo−又はm−フルオロアニソールと反
応させると、光学活性を有する場合でもラセミ化するこ
となく、フルオロ−4−(2−アルキルアルカノイル)
アニソールが生成する。このアシル化操作では、上記酸
ハロゲン化物を塩化メチレン等の有機溶媒に溶解させて
−5〜+5℃に保ちつつ、無水塩化アルミニウムを加え
錯体を形成させ、次いでこれを−10〜+10℃に保ちつ
つ、塩化メチレン等の有機溶媒に溶解させた上記アニソ
ールに滴下し、1〜10時間反応させることにより、フル
オロ−4−(2−アルキルアルカノイル)アニソールを
得ることができる。
上記フルオロ−4−(2−アルキルアルカノイル)アニ
ソールをトルエン等の有機溶媒中、室温で無水臭化アル
ミニウム、三フッ化ホウ素、三臭化リン等と1〜10時間
反応させることにより、上記式(II)のフルオロ−4−
(2−アルキルアルカノイル)フェノールを得ることが
できる。
次に、上記式(III)の化合物は以下の方法によって得
ることができる。式中のYが水素原子の場合には、市販
のフェノールあるいはp−フェニルフェノールとアルキ
ルハライドとを反応させることにより得られる。あるい
はまた、市販のアニソールまたは4−メトキシビフェニ
ルを用いてもよい。
一方、式中のYがハロゲン原子の場合には、nが1の場
合はp−ヨードアニソールとクロロあるいはフルオロヨ
ードベンゼンとをカップリングすることにより得るのが
簡便である。またnが0の場合は、クロロあるいはフル
オロフェノールとアルキルハライドとを反応させること
により得られる。あるいはまた、市販のクロロアニソー
ル、フルオロアニソールを用いてもよい。
次に、上記式(IV)の化合物は以下の方法によって得る
ことができる。
式中のXが水素原子のときは以下の反応経路により得ら
れる。
一方、式中のXがハロゲン原子のときは以下の反応経路
により得られる。
(実施例) 次に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸
エステル (+)−2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイ
ル)フェノールの合成 水330mlに濃硫酸46.4g及び(−)−2−メチルオクタノ
ール21.2g(147m mol)を加えた後、反応温度を21〜28
℃に保ちながら、少量づつ7.3時間かけて過マンガン酸
カリウム63.4g(401m mol)を加えた。得られた反応混
合物を氷水270mlに移し、亜硫酸水素ナトリウム52gを加
えた後、塩酸を用いてpH1以下にした後、エーテルで抽
出し、次いで、10%の水酸化ナトリウム溶液で抽出し
た。この抽出物に塩酸を加え、pH1以下にし、クロロホ
ルムで再度抽出した。これを水洗し、乾燥、濃縮後、減
圧蒸留(0.28mmHg,91〜94℃)により、(+)−2−メ
チルオクタン酸15.3g(収率64%)を得た。
次に、フラスコに入れたチオニルクロリド8.98g(75.5m
mol)に、室温で攪拌しながら、上記で得られた(+)
−2−メチルオクタン酸8.93g(56.4m mol)を加えた。
次に、室温で10分間、30℃で20分間、40℃で30分間、70
℃で2時間、それぞれ攪拌、反応させた。過剰の塩化チ
オニルを留去して、淡褐色の(+)−2−メチルオクタ
ン酸クロリド9.80g(55.5m mol、収率98%)を得た。
次に、20mlの2口フラスコに上記に得られた(+)−2
−メチルオクタノイルクロリド2.20g(11.4m mol)と乾
燥塩化メチレン1mlを加え氷水冷却下、無水塩化アルニ
ミウム1.70g(12.8m mol)を少しずつ粉砕して、8分間
かけて加えた。ひきつづき氷水浴下で攪拌したところ、
淡黄色溶液になった。
一方、塩化カルシウム乾燥管付デイムロスコンデンサ
ー、マグネチックスターラー、活栓を備えた50mlを3つ
口フラスコにo−フルオロアニソール1.38g(10.9m mo
l)と乾燥塩化メチレン2mlをとり、氷水浴下冷却、攪拌
した。この中に先に準備した酸クロリドと無水塩化アル
ミニウムの錯体を乾燥塩化メチレン0.5mlを2回用いて
4分間かけて滴下したところ、淡赤褐色溶液になった。
その後、40分間氷水浴冷却下で攪拌後、室温で2時間攪
拌した。次に、氷水100mlに塩化メチレン40mlを用いて
移し、二層分離後、水槽から塩化メチレン30mlで2回抽
出し、有機層を合せて水50mlで洗浄後、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。硫酸マグネシウムは濾別し、濾液を濃
縮、減圧乾燥して淡褐色オイル2.9gを得た。
上記オイルをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/
トルエン)で分離精製し、目的化合物のみ含むフラクシ
ョを濃縮後、トルエンと共沸させて残留している2−フ
ルオロアニソールを留去し、減圧乾燥して無色透明液体
(+)−2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイ
ル)アニソール2.10g(7.88m mol収率72%)を得た。
次に、塩化カルシウム乾燥管、マグネチックスタラーを
備えた50mlナス型フラスコに上記で得られた(+)−2
−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)アニソー
ル2.00g(7.51m mol)と乾燥トルエン35mlを加え氷水浴
で冷却しつつ、攪拌した。無水臭化アルミニウム4.1g
(15.4m mol)を少しがつ2分間かけて加えたところ、
淡赤色透明溶液になった。ひきつづき氷水浴で冷却下攪
拌した。約15分後に白色結晶が析出しはじめ、2時間後
には全体が白濁し、攪拌不能になった。約2.3時間氷水
浴下で反応後昇温して、約15時間室温に保った。この反
応混合液を氷水150mlにトルエン30mlを用いて移した。
二層分離後、水層からトルエン30mlで2回抽出し、有機
層を合せて水50mlで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。硫酸マグネシウムは濾別し、濾液を濃縮、減圧乾燥
して前述した理化学的性質を有す淡赤色オイルの(+)
−2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェ
ノール1.9g(7.5m mol、収率〜100%)を得た。
4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸の合
成 水−エタノールの混合溶媒240mlに水酸化ナトリウム50g
を溶解させた溶液に、市販の4′−オクチルオキシ−4
−シアノビフェニル10g(32m mol)を加え、加熱、還流
下3時間反応させた。反応混合物を塩酸で酸性にした
後、濾別し、エタノール−酢酸溶媒で再結晶し、固体物
を得た。この生成物について、KBr法による赤外スペク
トル分析を行った結果、3400cm-1,3200cm-1,2950〜2850
cm-1,1650cm-1,1600cm-1にそれぞれ吸収が認められ、
4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸であ
ることが確認できた。
2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸
エステルの合成 塩化カルシウム乾燥管付デイムロスコンデンサー、マグ
ネックスタラーを備えた50mlナス型フラスコに上記で得
られた(+)−2−フルオロ−4−(2−メチルオクタ
ノイル)フェノール294mg(1.16m mol)と上記で得られ
た4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸38
5mg(1.18m mol)と乾燥塩化メチレン20mlをとり、攪拌
して懸濁させた。これにN,N−ジメチルアミノピリジン1
6.8mg(0.14m mol)とジシクロヘキシルカルボジイミド
(DDC)258mg(1.25m mol)を加え、5.5時間加熱還流し
た。室温に放冷後析出した白色結晶を濾過し、濾液を濃
縮、減圧乾燥して赤褐色結晶0.69gを得た。
上記結晶をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ト
ルエン)で分離精製して前述した理化学的性質をと有す
る白色結晶の2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノ
イル)フェニル−4′−オクチルオキシビフェニル−4
−カルボン酸エステル0.13g(0.23m mol、収率20%)を
得た。
液晶性の評価 上記化合物をホットステージを備えた偏光顕微鏡を用い
て組織の変化を観察した結果、昇温過程において、87℃
でスメクチックA相の液晶状態となり、121℃で等方性
液体となった。また、降温過程では、121℃でスメクチ
ックA相の液晶状態となり、73℃でカイラルスメクチッ
クC相の液晶状態に変り、57℃で固体結晶となった。
また、ポリイミドを塗布し、ラビング処理を施したITO
ガラスからなる厚さ3μmのセルに上記化合物を注入
し、三角波法により自発分極を測定した結果、60℃で10
9nC/cm2と大きな自発分極を示した。
実施例2 2−フルオロ−4−(2−メチルオチクノイル)フェニ
ル−4−オクチルオキシ安息香酸エステル 4−オクチルオキシ安息香酸の合成 500mlのフラスコに水酸化ナトリウム15.6g、水80ml、エ
タノール160mlを入れ、これに4−ヒドロキシ安息香酸2
4.8g(0.18m mol)を加えて溶解させた。次に、この混
合物にブロモオクタン37.1g(0.18m mol)を加え、攪拌
しながら4時間加熱、還流した。その後、反応混合物を
冷却し、塩酸を添加してpH2以下として固体を析出さ
せ、濾別し、エチルアルコールで再結晶して、白色固形
物41.9gを得た。この生成物について、KBr法による赤外
スペクトル分析を行った結果、1675cm-1,1600cm-1にそ
れぞれ吸収が認められ、4−オクチルオキシ安息香酸で
あることが確認できた。
2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4−オクチルオキシ安息香酸エステルの合成 塩化カルシウム乾燥管付デイムロスコンデンサー、マグ
ネチックスタラーを備えた50mlナス型フラスコに、実施
例1と同様の方法で得た(+)−2−フルオロ−4−
(2−メチルオクタノイル)フェノール293mg(1.11m m
ol)と上記で得られた4−オチクルオキシ安息香酸303m
g(1.21m mol)と乾燥塩化メチレン4mlを加え、少し加
熱して均一溶液にした。次いでN,N−ジメチルアミノピ
リジン16.5mg(0.14m mol)とDCC252mg(1.22m mol)を
加えたところ、均一な溶液からすぐに白色結晶が析出し
はじめた。室温で約1.3時間の攪拌後、約15分間加熱還
流し、放冷した。
次に、塩化メチレンを用いて白色結晶を濾過し、濾液を
2規定の塩酸水溶液20ml、1規定の水酸化ナトリウム水
溶液20ml、水20mlにより順次洗浄後、硫酸マグネシウム
で乾燥した。次いで、硫酸マグネシウムを濾過し、濾液
を濃縮、乾燥して結晶+オイル0.57gを得た。
上記結晶+オイルをカラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル/トルエン)で分離精製して、前述した理化学的性
質を有する微褐色結晶の2−フルオロ−4−(2−メチ
ルオクタノイル)フェニル−4−オクチルオキシ安息香
酸エステル0.41g(0.85m mol、収率75%)を得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1と同様な方法で観察した結果、昇
温度過程において33℃で結晶から等方性液体になった。
また、昇温過程において、−3℃でスメクチックA相の
液晶状態になり、−8℃で結晶化した。
また、厚さ3μmの、ポリイミドを塗布し、ラビング処
理を施したセルに上記化合物を注入し、電圧を印加した
ところ、スメクチックA相において、エレクトロクリニ
ック効果が観測された。
実施例3 2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4−デカノイルオキシ安息香酸エステル 4−デカノイルオキシ安息香酸の合成 p−ヒドロキシ安息香酸5.0g(40m mol)をピリジン40m
lに溶解し、この溶液にデカン酸クロリド7.0g(40m mo
l)を10分間で滴下した。この混合溶液を室温で5時間
攪拌して反応させ、この反応液を氷冷し、6規定の塩酸
水溶液を用いて、pH2以下とした。
析出した固体を濾取し、エチルアルコールで再結晶し
て、赤外吸収スペクトルが1706cm-1に認められた白色固
体の4−デカノイルオキシ安息香酸8.6g(収率94%)を
得た。
2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4−デカノイルオキシ安息香酸エステル 塩化カルシウム乾燥管とマグネチックスターラーを備え
た50mlナス型フラスコに、実施例1と同様の方法で得た
(+)−2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイ
ル)フェノール292mg(1.16m mol)、乾燥塩化メチレン
5ml、上記の方法で得た4−デカノイルオキシ安息香酸3
45mg(1.18m mol)、N,N−ジメチルアミノピリジン16.5
mg(0.14m mol)を加え室温で攪拌し均一溶液にした。
これに、DCC252mg(1.22m mol)を加えると、すぐに白
色結晶が析出した。2.5時間室温で攪拌後、析出した白
色結晶を濾別し、濾液を濃縮、乾燥して淡赤褐色結晶を
得た。
上記結晶をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ト
ルエン)で分離精製して、前述した理化学的性質を有す
る白色結晶の2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノ
イル)フェニル−4−デカノイルオキシ安息香酸エステ
ル0.34g(収率56%)を得た。
実施例4 2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4−ノナノイル安息香酸エステル 4−ノナノイル安息香酸の合成 1,2−ジクロロエタン566mlに無水塩化アルモニウム188.
7g(1.413mol)を加え、3〜5℃の温度に保持しなが
ら、フッ化ベンゼン161.5g(1.682mol)を滴下した。こ
れに、ノナノイルクロリド254.5g(1.442mol)を2時間
かけて加え、8℃で1時間、8〜30℃で5時間反応させ
た。この反応液を、氷200gを入れた濃塩酸600ml中に注
ぎ、クロロホルム1.5lを用いて抽出した。抽出液を水及
び5%炭酸ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。この液から、溶媒を留去後、減圧蒸溜
(145〜150℃/5mmHg)し、4−ノナノイル−フッ化ベン
ゼン292.2g(収率86%)を得た。
次に、ジメチルスルホキシド1350mlに、上記で得られた
4−ノナノイル−フッ化ベンゼン292.2g(1.238mol)、
シアン化ナトリウム67.4g(1.374mol)を加え、110〜12
5℃で12時間反応させた。室温まで冷却後、反応液を水
2.7l中に注ぎ、クロロホルム2lを用いて抽出した。抽出
液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。この液から溶媒を留去し、褐色油状物で、2220cm
-1、1680cm-1に赤外吸収スペクトルを有する4−ノナノ
イルベンゾニトリル317.9g(収率100%)を得た。
次に、エチルアルコール314mlに、上記4−ノナノイル
ベンゾニトリル314.1gを加え、80〜82℃に加温し、30%
の水酸化ナトリウム1500mlを滴下後、5時間還流下、反
応させた。この反応液を水1.5lを加え、析出固体を濾取
し、メチルアルコールで洗浄、風乾し、淡褐色結晶283.
1gを得た。これを水1.5lに濃塩酸200mlを加えた液に入
れ、65〜82℃で1時間加熱攪拌後、濾取した。さらに、
この固体を酢酸1100mlに濃塩酸200mlを加えた液に入
れ、加温、溶解し、30℃に冷却した後、濾過し、酢酸、
水、メチルアルコールで順次洗浄し、風乾して、次に示
す物性を有する4−ノナノイル安息香酸170g(収率50
%)を得た。
1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、δppm):11.4(s,1
H)、8.2〜8.0(ABq,4H)、3.1(t,2H)、2.1〜11(m,1
2H)、0.9(t,3H) IR(KBr,cm-1):1680 2−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4−ノナノイル安息香酸エステルの合成 塩化カルシウム乾燥管付デイムロスコンデンサー、マグ
ネチックスタラーを備えた50mlナス型フラスコに、上記
で得られた4−ノナノイ安息香酸321mg(1.22m mol)、
実施例1と同様の方法で得られた(+)−2−フルオロ
−4−(2−メチルオクタノイル)フェノール293mg
(1.16m mol)、N,N−ジメチルアミノピリジン17.0mg
(0.14m mol)および乾燥塩化メチレン20mlを加え、加
熱攪拌して均一な溶液にした。これに、DCC226mg(1.10
m mol)を加え、ひきつづき約1時間加熱攪拌した。放
冷後析出した結果を濾別し、濾液を濃縮、減圧乾燥して
白色結晶を得た。
上記結晶をカラムクロマトグラフィー(シカリゲル/ト
ルエン)で精製して、前述した理化学的性質を有する白
色結晶の2−フルオロ−4−(2−メチルオタクノイ
ル)フェニル−4−ノナノイル安息香酸エステル0.50g
(1.0m mol、収率90%)を得た。
実施例5 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−クロロ
−4−オクチルオキシ安息香酸エステル 3−クロロ−4−オクチルオキシ安息香酸の合成 マグネチックスターラー、ディムロスコンデンサーを備
えた50mlナス型フラスコに水酸化ナトリウム2.4g(59m
mol)を入れ、これを6mlの水に溶解させた。この溶液に
3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸5.0g(28m mol)
を溶解させ、均一になった後、オクチルブロミド5.3g
(28m mol)を10分間で滴下した。その後、還流条件下
で10時間攪拌した。反応終了後、エタノールを留去し、
残渣を氷冷下、6規定の塩酸水溶液を用いてpH<2と
し、析出した固体約2.0gを濾取した。しかる後、エタノ
ールから再結晶させて、次に示す物性を有する白色針状
結晶の3−クロロ−4−オクチルオキシ安息香酸1.5g
(収率18%)を得た。
IR(KBr,cm-1):2800,2700,1680,1590 (+)−4−(2−メチルオクタノイル)フェノールの
合成 10mlの2口フラスコに実施例1に記載の方法で得られた
2−メチルオクタン酸クロリド2.03g(11.5m mol)と乾
燥塩化メチレン3.0mlを導入し、室温で攪拌しながら無
水塩化アルミニウム1.75gを加えた後、更に攪拌を続け
てこれを溶解させた。次いで、この内容物を乾燥アニソ
ール1.23g(11.3m mol)と乾燥塩化メチレン3.0mlの混
合物中に、攪拌しながら氷冷下、6℃以下の反応温度に
保ちつつ、滴下し、30分間攪拌した。その後、室温で一
晩攪拌し続けた。
次に、この反応混合物を氷水100mlに移し、塩化メチレ
ン25mlで2回抽出した後、有機層を水40mlで洗い、次い
で硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、濾過、濃縮
後、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーで分
離し、黄褐色のオイル状生成物(+)−4−(2−メチ
ルオクタノイル)アニソール1.84g(7.4m mol、収率65
%)を得た。
50mlナス型フラスコに、上記4−(2−メチルオクタノ
イル)アニソール1.84g(7.4m mol)と乾燥トルエン35m
lとを加え、氷冷下、攪拌しながら無水臭化アルミニウ
ム8.68gを加え、更に室温で一晩攪拌し続けた。その
後、40℃で4時間攪拌した後、放冷し、この反応混合物
を氷水100mlに移した。次に、トルエン40mlで2回抽出
後、有機層を水80mlで洗浄し、次いで硫酸マグネシウム
で乾燥した。その後、濾過、濃縮後、減圧乾燥して次に
示す物性を有する赤褐色のオイル状(+)−4−(2−
メチルオクタノイル)フェノール1.70g(7.3m mol、収
率98%)を得た。
1H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.2〜7.9(broa
d,1H)、8.0(ABq,2H)、7.0(ABq,2H)、3.4(m,1
H)、1.9〜1.2(m,17H)、0.9(t,3H) IR(KBr,cm-1):3250,1650,1580 Mass:262(M+) ▲〔α〕25 D▼:+22.70℃ 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−クロロ
−4−オクチルオキシ安息香酸エステルの合成 マグネチックスターラー、ディムロスコンデンサー、滴
下ロートを備えた50mlナス型フラスコに、上記で得られ
た3−クロロ−4−オクチルオキシ安息香酸500mg(1.8
m mol)、上記で得られた4−(2−メチルオクタノイ
ル)フェノール420mg(1.8m mol)、DCC390mg(1.9m mo
l)およびジメチルアミノピリジン9mgを加え、これに10
mlの無水塩化メチレンを加えて、還流下で8時間攪拌し
た。反応終了後、析出した固体を濾別し、濾液を1規定
の塩酸水溶液20ml、水20mlで洗浄した後、溶媒を留去
し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラム精製(トルエ
ン:ヘキサン=2:1(v/v)した後、少量のエタノールを
溶解し、再結晶した。さらに、析出した固体を濾取し、
再度再結晶した。これをさらに2回繰り返して、前述し
た理化学的性質を有する白色固体75mg(収率8%)を得
た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1と同様な方法で観察した結果、昇
温過程において33.5℃の結晶から等方性液体になった。
また、昇温過程において、11.7℃でスメクチックA相の
液晶状態となり、−27.3℃で結晶化した。
また、厚さ3μmのポリイミドを塗布し、ラビング処理
を施したセルに上記化合物を注入し、電圧を印加したと
ころ、スメクチックA相において、エレクトロクリニッ
ク効果が観測された。
実施例6 4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−3−ク
ロロ−4−オクチルオキシ安息香酸エステル 4−ヒドロキシ−4′−(2−メチルオクタノイル)ビ
フェニルの合成 マグネチックスターラー、温度計、塩化カルシウム管、
滴下ロートを備えた50ml3つ口フラスコに市販の4−メ
トキシビフェニル1.0g(5.4m mol)加え、窒素雰囲気下
でこれをニトロベンゼン3mlに溶解させた。この溶液
に、実施例1に記載の方法で得られた(+)−2−メチ
ルオクタノイルクロリド1.5g(8.1m mol)に臭化アルミ
ニウム2.2g(8.1m mol)を加え、氷冷下で攪拌しておい
たものを室温5分で滴下した。滴下終了後、40℃に反応
器内の温度を上昇させて約9時間、次いで室温で1夜攪
拌した。反応終了後、pH1の氷水50mlにこの反応液をク
ロロホルム25mlを用いて移した。二相分離後、有機相の
みを取り、水相からさらにクロロホルム40mlで3回抽出
した。しかる後、全有機相を合せ、水50mlで4回洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウ
ムを濾別し、濃縮後、シリカゲルカラム精製(ヘキサン
→ヘキサン:トルエン=1:1(v/v))し、エタノールか
ら再結晶して、次に示す物性を有する白色固体の4−メ
トキシ−4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル
430mg(収率25%)を得た。
IR(KBr,cm-1):2920,2700,1670,1600 NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):8.05(d,2H)、7.64
(d,2H)、7.58(d,2H)、6.92(d,2H)、3.82(s,3
H)、3.50(m,1H)、1.90〜0.80(m,16H) 次に塩化カルシウム管、マグネチックスターラーを備え
た50mlのナス型フラスコに上記で得た4−メトキシ−
4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル400ml
(1.2m mol)を加えて、これを6mlの乾燥トルエンに溶
解させた。この溶液に氷冷下、臭化アルミニウム1.3g
(5.0m mol)を5分間で加えた後、氷冷下で6時間、室
温で約60時間、さらに40℃で11時間攪拌した。反応終了
後、氷水100mlにトルエン40mlを用いて移した。二相分
離後、有機相を取り、水相からトルエン40mlで2回し抽
出した。しかる後、有機相と合せ、水40mlで1回洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで硫酸マグ
ネシウムを濾別、濃縮後、シリカゲルカラム精製(トル
エン→トルエン:ジエチルエーテル=5:1(v/v))し、
次に示す物性を有する赤褐色油状物の4−ヒドロキシ−
4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル200mg
(収率54%)を得た。
IR(KBr,cm-1):3600,2700,1756,1590 NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):7.98(d,2H)、7.60
(d,2H)、7.50(d,2H)、6.92(d,2H)、3.48(m,1
H)、2.00〜0.75(m,16H) ▲〔α〕25 D▼=+6.0(C 4.26) 4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−3−ク
ロロ−4−オクチルオキシ安息香酸エステルの合成 塩化カルシウム管付デイムロスコンデンサー、マグネチ
ックスターラーを備えた50mlのナス形フラスコに、実施
例5に記載の方法で得られた3−クロロ−4−オクチル
オキシ安息香酸80.1mg(0.28m mol)、上記で得た4−
ヒドロキシ−4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェ
ニル83.4mg(0.27m mol)、DCC61.1mg(0.30m mol)、
4−ジメチルアミノピリジン3.5mg(0.03m mol)、乾燥
塩化しメチレン5mlをとり攪拌を開始し、5時間加熱還
流した。冷却後、生じた固体を濾過で除き、10mlの塩化
メチレンで2回洗浄した。有機層は合せ、0.1規定の塩
酸で1回、水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、溶媒を留去しして得られた粗結晶をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製後、エタノールから再
結晶することにより、前述した理化学的性質を有する白
色結晶の4′−(2−メチルオクタノイル−ビフェニル
−3−クロロ−4−オクチルオキシ安息香酸エステル8
2.3mg(収率53%)を得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1と同様な方法で観察した結果、降
温過程において107.2℃で等方性液体からスメクチック
A相の液晶状態になり、86.0℃でカイラルスメクチック
C相に変り、43.2℃で結晶化した。昇温過程において
は、70.6℃で結晶からカイラルスメクチックC相液晶状
態にかわり、エナンチオトロピックに安定なカイラルス
メクチックC相を示すことが分かった。
また、ポリイミドを塗布し、ラビング処理を施したITO
ガラスからなる厚さ3μmのセルに上記化合物を注入
し、三角波法により自発分極を測定した結果、46℃で28
6nC/cm2と大きな自発分極を示した。
実施例7 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−オクチルオキシ安息香酸エステル 3−フルオロ−4−メトキシアセトフェノンの合成 乾燥塩化メチレン700mlと塩化アセチル157gの溶液を攪
拌しつつ、昇温を15〜25℃に保ちながら無水塩化アルミ
ニウム267gを30分間かけて少しづつ加えた後、室温で約
2時間攪拌した。一方、氷水浴でo−フルオロアニソー
ル206gと乾燥塩化メチレン170mlの溶液を冷却してお
き、これに先に作った塩化アセチルと塩化アルミニウム
の塩化メチレン溶液を約2時間半かけて滴下した。ひき
つづき氷水浴で1時間、次いで室温で1時間攪拌した。
反応混合物は氷水1.4lにあけた後、二層分離し、水層か
ら塩化メチレン400mlで2回抽出後、有機層を合せ、水
で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグ
ネシウムを濾過し、濾液を濃縮、乾燥し、淡褐色結晶を
得た。この結晶をエタノールから再結晶し、融点89.5〜
90.0℃の白色の結晶242g(収率88%)を得た。
3−フルオロ−4−ヒドロキシアセトフェノンの合成 乾燥トルエン400mlに3−フルオロ−4−メトキシアセ
トフェノン20.4gを加え、室温で攪拌し、均一にした
後、無水臭化アルミニウム66.1gを約20分間かけて加え
た。室温で4時間の攪拌後、600mlの氷水に反応混合物
を移した。二層分離後、水層からエーテルで2回抽出
し、有機層を合せ、水で1回洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過し、濾液を濃縮、
減圧乾燥して褐色結晶17.45gを得た。トルエンから再結
晶して融点127.0〜128.2℃の白色結晶16.53g(収率88
%)を得た。
3−フルオロ−4−オクチルオキシアセトフェノンの合
成 水13mlに水酸化ナトリウム1.70gを溶解させた後、これ
に、エタノール26ml、次に3−フルオロ−4−ヒドロキ
シアセトフェノン5.10gを加え、加熱攪拌し、均一溶液
にした後、加熱攪拌しつつオクチルブロミド7.41gを加
えた。1時間の還流加熱後、アセトン15mlをひきつづき
13時間還流加熱した。アセトンとエーテルを留去後、反
応混合物を水80mlにあけた。しかる後、エーテルで3回
抽出後、有機層を合せ、水で1回洗浄後、硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過し、濾液を濃
縮、減圧乾燥して微褐色結晶7.45gを得た。メタノール
−水の混合溶媒から再結晶して融点39.6〜40.1℃の白色
結晶5.07g(収率58%)を得た。
3−フルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸の合成 水26mlに水酸化ナトリウム3.10gを加え、攪拌、溶解
後、氷水浴で冷却し、温度を4〜8℃に保ちつつ臭素4.
84gを加えた。次に、3−フルオロ−4−オクチルオキ
シアセトフェノン2.50gを加えた後、氷水浴を除去し自
然に室温にもどした。温度が20℃になった後、1,4−ジ
オキサン14mlを加えたところ、発熱し、45℃まで温度が
上昇した。一夜間の放置の後2規定の塩酸水溶液30mlを
加えた。次いで、析出した結晶を濾過し、この結晶をエ
タノールから再結晶し、白色結晶2.09g(収率83%)を
得た。この化合物は次に示す理化学的性質を有し、116
℃でネマチック相の液晶状態となり、121℃で等方性液
体となった。1 H-NMR(CDCl3中、TMS基準、ppm):7.8(2H,m)、6.9
8(1H,t)、4.07(2H,t)、1.82(2H,m)、1.6〜1.2(1
0H)、0.9(3H,t) IR(KBr,cm-1):2820,2600,1680,1610,1280,760 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−オクチルオキシ安息香酸エステルの合成 実施例5に記載の方法で得た(+)−4−(2−メチル
オクタノイル)フエノール0.31g(1.3m mol)、上記方
法で得た3−フルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸0.
36g(1.3m mol)およひN,N−ジメチルアミノピリジン1
8.7mgを乾燥塩化メチレン8mlに溶解させ、室温で攪拌し
つつ、更にDCC0.28g(1.4m mol)を加えた。2時間半攪
拌後、析出した結晶を濾過し、濾液を濃縮、減圧乾燥
し、褐色結晶を得た。この結晶をカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル−トルエン)で精製後、エタノールか
ら再結晶して前述した理化学的性質を有する結晶の4−
(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオロ−
4−オクチルオキシ安息香酸エステル0.12g(収率19
%)を得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1に記載の方法で観察したところ、
降温過程では26.5℃で等方性液体からスメクチックA相
の液晶状態となり、17.4℃でカイラルスメクチックC相
の液晶状態となり、8℃で結晶化が始まった。昇温過程
では、45℃で結晶から等方性液体へ変化した。
実施例1に記載の方法でこの化合物の自発分極を測定し
たところ、9.1℃で187nC/cm2と大きかった。
実施例8 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−ペンチルオキシ安息香酸エステル 3−フルオロ−4−メトキシ安息香酸の合成 水2.5lに水酸化ナトリウム346gを加え、攪拌、溶解後、
氷水浴で冷却した。液温を6〜9℃に保ちつつ、臭素49
7gを約1時間かけて滴下した。次に実施例7に記載の方
法で得られた3−フルオロ−4−メトキシアセトフエノ
ン179gを加えた後、氷水浴を除去し、室温へ上昇させ
た。22℃を超えると発熱し始め、45℃まで温度が上昇
し、約1時間、この温度で反応させた。一夜間放置後、
氷水冷却し、亜硫酸水素ナトリウム50gを加えて過剰の
臭素を還元後、濃塩酸を加えpH<1とし、析出した結晶
を濾過した。この結晶をエタノール−水の混合溶媒から
再結晶し、淡褐色結晶149g(収率82%)を得た。
3−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸の合成 3−フルオロ−4−メトキシ安息香酸98.8gと濃臭化水
素水215mlと酢酸215mlとを混合し、攪拌、還元加熱を34
時間行なった。しかる後、水冷し、析出した結晶を濾過
し、黒褐色結晶を得た。この結晶を水から再結晶し、黒
色結晶77.73g(収率86%)を得た。尚、このものは更に
精製すれば白色結晶であるが、このまま使用しても次の
ステップで問題を生じない。
3−フルオロ−4−ペンチルオキシ安息香酸の合成 水10mlに水酸化カリウム2.26gを加え、攪拌し、溶解
後、これにエタノール80mlと3−フルオロ−4−ヒドロ
キシ安息香酸3.13gと1−ヨードペンタン5.94gとを加
え、8時間還流加熱した。次に、10%の水酸化カリウム
20mlを加え、2時間の還流加熱後、エタノールを留去し
た。水100mlにフラスコ中のものを移した後、濃塩酸を
加え、pH<1とした。析出した結晶を濾過し、この結晶
をエタノールから1回、トルエンから2回再結晶して、
次の物性を有する白色結晶2.88g(収率64%)を得た。
融点:138.1〜138.9℃ IR(KBr,cm-1):2920,2550,1680,1610,1280,760 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−ペンチルオキシ安息香酸の合成 実施例7の3−フルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸
の代わりに、上記で得た3−フルオロ−4−ペンチルオ
キシ安息香酸を用いた以外は実施例7と同様の操作を行
い前述した理化学的性質を有する目的化合物を得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1に記載の方法で観察したところ、
降温過程では34.6℃で等方性液体から結晶になり、昇温
過程では58.2℃で結晶から等方性液体になった。
実施例9 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−ドデシルオキシ安息香酸エステル 3−フルオロ−4−ドデシルオキシ安息香酸の合成 実施例8の1−ヨードペンタンの代わりに1−ヨードド
デカンを用いた以外は同様の操作を行ない目的化合物を
得た。得られた化合物は次の物性を有する。
IR(cm-1):2810,2600,1680,1610,1280,760 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−ドデシルオキシ安息香酸エステルの合成 実施例7の3−フルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸
の代わりに、上記で得た3−フルオロ−4−ドデシルオ
キシ安息香酸を用いした以外は実施例7と同様の操作を
行い前述した理化学的性質を有する目的化合物を得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1に記載の方法で観察したところ、
降温過程では35.4℃で等方性液体から結晶になり、昇温
過程では42.7℃で結晶から等方性液体になった。
実施例10 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−ノニルオキシ安息香酸エステル 3−フルオロ−4−ノニオキシ安息香酸の合成 実施例8の1−ヨードペンタンの代わりに1−ヨードノ
ナンを用いた以外は、実施例8と同様の操作を行い、目
的の化合物を得た。得られた化合物は次の物性を有す
る。
IR(KBr,cm-1):2810,2600,1680,1610,1280,760 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−ノニルオキシ安息香酸エステルの合成 実施例7の3−フルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸
の代わりに上記で得た3−フルオロ−4−ノニルオキシ
安息香酸を用いた以外は、実施例7と同様の操作を行
い、前述した理化学的性質を有する目的の化合物を得
た。
液晶の評価 上記化合物を実施例1に記載の方法で観察したところ、
降温過程では、26.3℃で、等方性液体からスメクチック
A相の液晶状態となり、20℃でカイラルスメクチックC
相に変化し、19℃で結晶化が始まった。昇温過程では、
37℃で結晶から等方性液体となった。
実施例11 4−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−3−フル
オロ−4−オクチルオキシ安息香酸エステルの合成 実施例7に記載の方法で得られた3−フルオロ−4−オ
クチルオキシ安息香酸402mg(1.5m mol)及び実施例6
に記載の方法で得られた4−ヒドロキシ−4′−(2−
メチルオクタノイル)ビフェニル465mg(1.5m mol)を
塩化メチレン20mlに室温で加えた後、4−ジメチルアミ
ノピリジン20mgを加え、更にDCC309mg(1.5mmol)を加
えた。その後、室温で一晩放置後、生じた固体を濾別
し、濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて単離
して前述した理化学的性質を有する白色固体の4′−
(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−3−フルオロ
−4−オクチルオキシ安息香酸エステル500mg(0.89m m
ol,収率60%)を得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1に記載の方法で観察したところ、
降温過程では125.1℃で等方性液体からスメクチックA
相に、また101.4℃でカイラルスメクチックC相とな
り、46.3℃で結晶化した。昇温過程では72.8℃で結晶か
らカイラルスメクチックC相に変化した。
また、実施例1に記載の方法で上記化合物の自発分極を
測定したところ、46.4℃で220nC/cm2と大きかった。
実施例12 3−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸エステル 3−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェノ
ールの合成 実施例1に記載した方法で製造した(+)−2−メチル
オクタン酸クロリド1.64g(9.28m mol)に無水塩化メチ
レン1mlを加え、これに氷水冷却下で、無水塩化アルミ
ニウム1.41g(10.6m mol)を加えて、攪拌し、溶解させ
た。一方、m−フルオロアニソール1.14g(9.04m mol)
と無水塩化メチレン2mlをフラスコにとり、氷水で冷却
しつつ、上記で作製した酸クロリドと無水塩化アルミニ
ウムの塩化メチレン溶液を約15分間かけて、滴下した。
その後、氷水で冷却しつつ2時間、室温で16.5時間、40
℃で4時間攪拌した。この反応混合物を氷水60mlに入れ
塩化メチレンで抽出、水洗後、硫酸マグネシウムで乾
燥、濾別し、しかる後シリカゲルによるカラムクロマト
グラフィーで分離し、無色透明液体の(+)−3−フル
オロ−4−(2−メチルオクタノイル)アニソール0.59
g(2.21m mol,収率25%)を得た。
次に、フラスコに上記で得られた(+)−3−フルオロ
−4−(2−メチルオクタノイル)アニソール0.57g
(2.14m mol)と乾燥トルエン6mlを入れて、氷水冷却し
つつ、無水臭化アルミニウム1.78g(6.67m mol)を加え
た。ひきつづき氷水冷却しつつ、30分間、室温で6.5時
間攪拌した。この反応混合物を氷水30mlに移し、トルエ
ンで抽出し、この有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネ
シウムで乾燥、濾別、濃縮して前述した理化学的性質を
有する褐色オイルの3−フルオロ−4−(2−メチルオ
クタノイル)フェノール0.55g(2.18m mol,収率100%)
を得た。
3−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸エステル
の合成 乾燥塩化メチレン100mlに、市販の4′−ノニル−4−
シアノビフェニルを加水分解して得た4′−ノニルビフ
ェニル−4−カルボン酸1.63g、3−フルオロ−4−
(2−メチルオクタノイル)フェノール0.57g及びN,N−
ジメチルアミノピリジン40mgを加え、攪拌し、少し加熱
し均一にした。次いで、これにDCC0.84gを加え、40℃で
1時間、室温で8時間攪拌後、放置した。その後、析出
した白色結晶を濾過し濾液を濃縮、減圧乾燥して黄色結
晶を得た。しかる後、カラムクロマトグラフィーで精製
後、エタノールから再結晶し、前述した理化学的性質を
有する白色結晶0.68g(収率44%)を得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1に記載の方法で観察したところ、
降温過程では112.0℃で液体からスメクチックA相に、
また98.5℃でカイラルスメクチックC相となり、37.3℃
で結晶になった。また、昇温過程では45℃で結晶からカ
イラルスメクチックC相になった。
さらに、上記化合物の自発分極を実施例1に記載の方法
で測定したところ、38.5℃で96nC/cm2と大きかった。
さらにまた、上記化合物を、実施例1に記載のセルで、
厚さが5.0μmという厚いセルに注入して、クロスニコ
ルの偏光顕微鏡で観察すると、カイラルスメクチックC
相においてユニフォーム状態を示していることがわかっ
た。
実施例13 3−フルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル−4−ヘプチルオキシ安息香酸エステルの合成 乾燥塩化メチレン30mlに市販の4−ヘプチルオキシ安息
香酸1.36g、実施例12で合成した3−フルオロ−4−
(2−メチルオクタノイル)フェノール1.21g及びN,N−
ジメチルアミノピリジン69.8mgを加え、攪拌して、均一
にした後、DCC1.18gを加え、室温で2時間攪拌、反応さ
せた。析出し白色結晶を濾過し、この濾液を2規定の塩
酸、5%炭酸水素ナトリウム水溶液及び水の順で洗浄し
て、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮、減圧乾燥後、褐
色結晶とオイルの混合物を得た。これをカラムクロマト
グラフィーで精製し、エタノールから再結晶して、白色
結晶で、前述の理化学的性質を有する3−フルオロ−4
−(2−メチルオクタノイル)フェニル−4−ヘプチル
オキシ安息香酸エステルを1.06g(収率45%)得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1に記載した方法で観察した結果、
降温過程では、32.0℃で液体からスメクチックA相に、
また20.8℃でカイラルスメクチックC相になり、0℃で
結晶となった。また、昇温過程では、30.3℃でスメクチ
ックA相となった。
さらに、上記化合物の自発分極を実施例1に記載の方法
で測定したところ、15.8℃で、81nC/cm2と大きかった。
実施例14 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−ノナイルオキシ安息香酸エステル 3−フルオロ−4−イナノイルオキシ安息香酸の合成 実施例3においてp−ヒドロキシ安息香酸の代わりに実
施例8で合成した3−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香
酸を、デカン酸クロリドの代わりにノナン酸クロリドを
用いた以外は実施例3と同様の操作を行い、目的化合物
を得た。得られた化合物は次の物性を有する。
IR(KBr,cm-1):2910,1770,1680,1590,1510,1460,1300,
1100,760 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル3−フルオロ
−4−イナノイルオキシ安息香酸エステルの合成 実施例7の3−フルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸
の代わりに、上記で得た3−フルオロ−4−ノナノイル
オキシ安息香酸を用いた以外は同様の操作を行い、前述
した理化学的性質を有する目的化合物を得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1に記載の方法で観察したところ、
降温過程では19.4℃で等方性液体から結晶になり、昇温
過程では39.4℃で結晶から等方性液体になった。
実施例15 4−(2−メチルノナノイル)フェニル−3′−フルオ
ロ−4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸
エステルの合成 3−フルオロ−4−メトキシプロモベンゼンの合成 5lフラスコに2−フルオロアニソール384g(3.04mol)
とクロロホム2.5lをとり、氷水浴で冷却し、温度を10℃
に保ちつつ臭素504g(3.16mol)を約3時間かけて滴下
した。ひきつづき室温で一夜間攪拌後、加熱し、8時間
還流した。その後放冷し、水1と亜硫酸水素ナトリウ
ム50gを加えた後、十分に振とうし、分液した。有機層
を5%炭酸水素ナトリウム水溶液500ml、水1の順に
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。しかる後、硫酸
マグネシウムは濾過し、濾液を濃縮後、減圧蒸留(4mmH
g、bp93〜96℃)により、3−フルオロ−4−メトキシ
ブロモベンゼン585g(収率94%)を得た。
3−フルオロ−4−メトキシビフェニルの合成 滴下ロート、塩化カルシウム乾燥管付デイムロスコンデ
ンサー、温度計を備えた3l三口フラスコの系内を窒素ガ
スで置換後、切削片状マグネシウム46g(1.9mol)をと
り、滴下ロートに上記方法で合成した3−フルオロ−4
−メトキシブロモベンゼン370g(1.80mol)と乾燥テト
ラヒドロフラン900mlをとった。ヨード1粒を加えた
後、滴下ロートから3−フルオロ−4−メトキシブロモ
ベンゼンのテトラフラン溶液を約2時間かけて、反応温
度を約55℃に保ちつつ滴下した。しかる後、約2時間加
熱還流し、3−フルオロ−4−メトキシフェニルマグネ
シウムブロミドを合成した。一方、ヨードベンゼン367g
(1.80mol)と塩化パラジウム3.18g(0.018mol)と乾燥
テトラヒドロフラン930mlを5lフラスコに入れておき、
系内を窒素ガスで置換後、室温で攪拌しつつ、先に合成
した3−フルオロ−4−メトキシフエニルマグネシウム
ブロミドのテトラヒドロフラン溶液を約6時間かけて加
えた。2時間の加熱還流後放冷し、10%塩酸500mlと水5
00mlとヘキサン1を加え、二層分離させた。水層から
ヘキサンで抽出後、有機層を合わせ、10%食塩水で洗浄
後硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、硫酸マグネシ
ウムを濾別し、濾液を濃縮後減圧蒸留してbp105〜118℃
/0.4mmHgの留分を集め、これをエタノールから再結晶
し、融点84〜86℃の白色結晶の3−フルオロ−4−メト
キシビフェニル238g(収率66%)を得た。
4−アセチル−3′−フルオロ−4′−メトキシビフェ
ニルの合成 次に、2l三口フラスコに上記方法で合成した3−フルオ
ロ−4−メトキシビフェニル150g(0.74mol)、二硫化
炭素1、塩化アセチル58g(0.74mol)をとり、攪拌し
つつ氷冷し、無水塩化アルミニウム120g(0.90mol)を
約2時間半かけて加えた。ひきつづき2時間の攪拌後、
3時間還流した。放冷後、1規定の塩酸3lに移した。析
出した固体を濾取し、2−プロパノールから2回、メタ
ノールから1回再結晶して、4−アセチル−3′−フル
オロ−4′−メトキシビフェニル53g(収率29%)を得
た。
3′−フルオロ−4′−メトキシビフェニル−4−カル
ボン酸の合成 次に、上記方法で得られた4−アセチル−3′−フルオ
ロ−4′−メトキシビフェニル50g(0.20mol)を2lのジ
オキサンに溶解後、10℃以下に冷却しつつ、次亜臭素酸
ナトリウム水溶液1000ml(水酸化ナトリウム338gと臭素
486gから調製)を約4時間かけて加えた後、約3時間25
〜30℃で攪拌した。その後、亜硫酸水素ナトリウムの飽
和水溶液を加え、過剰の次亜臭素酸ナトリウムを分解
後、濃塩酸を加えpHをほぼ1とした。二昼夜放置した
後、析出した結晶を濾過し、エタノールで1回、酢酸で
1回再結晶して3′−フルオロ−4′−メトキシビフェ
ニル−4−カルボン酸43g(収率85%)を得た。
3′−フルオロ−4′−ヒドキロシビフェニル−4−カ
ルボン酸の合成 次に、上記方法で得た3′−フルオロ−4′−メトキシ
ビフェニル−4−カルボン酸42g(0.17mol)に1.7lの酢
酸と48%臭化水素水300mlを加え、20時間の還流後、3.5
lの水中に投入し放冷した。析出した結晶を濾取して、
3′−フルオロ−4′−ヒドロキシビフェニル−4−カ
ルボン酸36.4g(収率92%)を得た。
3′−フルオロ−4′−オクチルオキシビフェニル−4
−カルボン酸の合成 次に、13%の水酸化カリウム水溶液75mlにエタノール12
0mlと上記方法で得た3′−フルオロ−4′−ヒドロキ
シキシビフェニル−4−カルボン酸10g(43.1m mol)を
加え、30分間の還流後1−ブロモオクタン25.0g(129m
mol)を加え、15時間還流した。その後放冷し、析出し
た結晶を濾取し、5%の塩酸を含む酢酸で1回、酢酸で
1回再結晶し、3′−フルオロ−4′−オクチルオキシ
ビフェニル−4−カルボン酸12.8g(収率86.4%)を得
た。得られた化合物は次の物性を有する。
IR(KBr,cm-1):2920,2520,1670,1605,1280,770 (+)−2−メチルノナン酸クロリドの合成 実施例1において、(−)−2−メチル−1−オクタノ
ールの代わりに(−)−2−メチルノナノールを用いた
以外しは同様の操作を行い、(+)−2−メチルノナン
酸クロリドを得た。
(+)−4−(2−メチルノナノイル)フェノールの合
成 実施例5において、(+)−2−メチルオクタン酸クロ
リドの代わりに上記で得た (+)−2−メチルノナ酸
クロリドを用いた以外は同様の操作を行い、(+)−4
−(2−メチルノナノイル)フェノールを得た。
得られた化合物は次の物性を有する。
IR(KBr,cm-1):3250,1650,1580 ▲〔α〕25 D▼:+19.1° 4−(2−メチルノナノイル)フェニル3′−フルオロ
−4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸エ
ステル 実施例12の−4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸
の代わりに上記方法で得た3′−フルオロ−4′−オク
チルオキシビフェニル−4−カルボン酸を、また3−フ
ルオロ−4−(2−メチルオクタノイル)フェノールの
代わりに上記方法で得た(+)−4−(2−メチルノナ
ノイル)フェノールを用いた以外は実施例12と同様の操
作を行い、前述した理化学的性質を有する目的の化合物
を得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1に記載の方法で観察したところ、
降温過程では、129.8℃で等方性液体からスメクチック
A相と、また119.0℃でカイラルスメクチックC相とな
り、50℃で結晶化した。昇温過程では80℃でカイラルス
メクチックC相になった。
さらに、上記化合物の自発分極を実施例1に記載の方法
で測定したところ、59.0℃で296nC/cm2と大きかった。
実施例16 3−フルオロ−4−(2−メチルノナノイル)フェニル
−4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸エステル (+)−3−フルオロ−4−(2−メチルノナノイル)
フェノール 実施例12において、(+)−2−メチルオクタン酸クロ
リドの代わりに実施例15に記載した方法で製造した
(+)−2−メチルノナン酸クロリドを用いた以外は同
様の操作を行い、前述した理化学的性質を有する目的化
合物を得た。
3−フルオロ−4−(2−メチルノナノイル)フェニル
−4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸エステル 実施例12において3−フルオロ−4−(2−メチルオク
タノイル)フェノールの代わりに上記方法で製造した
(+)−3−フルオロ−4−(2−メチルノナノイル)
フェノールを用いた以外は同様の操作を行い、前述した
理化学的性質を有する目的化合物を得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1に記載の方法で観察したところ、
降温過程では、113.2℃で液体からスメクチックA相
に、また97.8℃でカイラルスメクチックC相となり、3
8.4℃で結晶になった。また、昇温過程では39.1℃で結
晶になった。また、昇温過程では39.1℃で結晶からカイ
ラルスメクチックC相になった。
さらに上記化合物の自発分極を実施例1に記載の方法で
測定したところ、42.3℃で81nC/cm2と大きかった。
実施例17 3−フルオロ−4−(2−メチルノナノイル)フェニル
−4′−ヘキシルビフェニル−4−カルボン酸エステル 実施例12において、4′−ノニルビフェニル−4−カル
ボン酸の代わりに市販の4−ヘキシル−4′−シアノビ
フェニルを加水分解して得た4′−ヘキシルビフェニル
−4−カルボン酸を、また3−フルオロ−4−(2−メ
チルオクタノイル)フェノールの代わりに実施例16に記
載の方法で得た(+)−3−フルオロ−4−(2−メチ
ルノナノイル)フェノールを用いた以外は同様の操作を
行い、前述した理化学的性質を有する目的化合物を得
た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1に記載の方法で観察したところ、
降温過程では116.0℃で液体からスメクチックA相に、
また88℃でカイラルスメクチックC相となり、40℃で結
晶となった。また昇温過程では42℃で結晶からカイラル
スメクチックC相になった。
さらに上記化合物の自発分極を実施例1に記載の方法で
測定したところ、43.0℃で78nC/cm2と大きかった。
実施例18 3−フルオロ−4−(2−メチルノナノイル)フェニル
−4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸エ
ステル 実施例12において、4′−ノニルビフェニル−4−カル
ボン酸の代わりに実施例1で得た4′−オクチルオキシ
ビフェニル−4−カルボン酸を、また3−フルオロ−4
−(2−メチルオクタノイル)フェノールの代わりに実
施例16に記載の方法で得た(+)−3−フルオロ−4−
(2−メチルノナノイル)フェノールを用いた以外は同
様の操作を行い、前述した理化学的性質を有する目的化
合物を得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1に記載の方法で観察したところ、
降温過程では147.8℃で液体からスメクチックA相に、
また134.0℃でカイラルスメクチックC相となり、46℃
で結晶となった。また昇温過程では59℃で結晶からカイ
ラルスメクチックC相になった。
さらに上記化合物の自発分極を実施例1に記載の方法で
測定したところ、54℃で110nC/cm2であった。
実施例19 液晶組成物の作成 実施例8で得られた4−(2−メチルオクタノイル)フ
ェニル−3−フルオロ−4−ペンチルオキシ安息香酸エ
ステルと実施例9で得られた4−(2−メチルオクタイ
ル)フェニル−3−フルオロ−4−ドデシルオキシ安息
香酸エステルとを比を変えて混合し、相図を作成した。
これを第1図に示す。
なお、図中、○印は降温時の相転移温度を示し、●印は
昇温時、結晶が融解する温度を示す。スメクチックC相
の下限温度が破線で示してあるのは、結晶化温度を特定
することができないためである。
4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオ
ロ−4−ペンチルオキシ安息香酸エステルと4−(2−
メチルオクタノイル)フェニル−3−フルオロ−4−ド
デシルオキシ安息香酸化エステルとは、化学構造がほと
んど同じであるアルキル鎖の炭素数が異なる、いわゆる
同族体と呼ばれるもの同志であるが、この図から明らか
な様に、両者共に単独ではいかなる液晶状態もとらない
が、両者を混合することにより液晶状態をとり、またか
なり低温でカイラルスメクチックC相を示すことが分か
る。
また、4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−
フルオロ−4−ペンチルオキシ安息香酸エステル43モル
%、4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−3−フ
ルオロ−4−ドデシルオキシ安息香酸エステル57モル%
を混合した液晶組成物について実施例1に記載の方法で
自発分極を測定した結果、10℃で98nC/cm2と大きかっ
た。
実施例20 液晶組成物の作成 実施例6で得られた4′−(2−メチルオクタノイル)
フェニル−3−クロロ−4−オクチルオキシ安息香酸エ
ステルと市販の2−(4−(6−メチルオクチルオキ
シ)フェニル)−5−オクチルピリミジン(以下HS−98
Pと表記する)とを比を変えて混合し相図を作成した。
これを第2図に示す。
なお、図中、○印と●印の意味は第1図と同じである。
また、カイラルスメクチックC相から結晶への転移点が
示してない点があるが、これは降温時明確な結晶化が観
測されなかったからである。
また、これらの液晶について、スメクチックA相からカ
イラルスメクチックC相へ転移する温度(TAC)から5
℃低い温度における自発分極を測定し、比較したとこ
ろ、HS−98P単独ではおよそ0.1nC/cm2と非常に小さな値
であったが、4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェ
ニル−3−クロロ−4−オクチルオキシ安息香酸エステ
ルを加えることにより自発分極は大きくなり、10モル%
加えることにより自発分極の値は10nC/cm2となり、60モ
ル%加えることにより自発分極の値は63nC/cm2に達し
た。
この結果と第2図の結果とから、4′−(2−メチルオ
クタノイル)ビフェニル−3−クロロ−4−オクチルオ
キシ安息香酸エステルを60モル%以下の混合比で混合す
ることにより、スメクチックC相の範囲を狭くしたりま
た高温化することなく自発分極を大きくすることができ
ることが分かる。
このような効果は驚くべきものであり、例えば、4−
(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−3−クロロ−
4−オクチルオキシ安息香酸エスルテの塩素を水素で置
換した4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−
4−オクチルオキシ安息香酸エステルをHS−98Pに10モ
ル%を加えても自発分極が大きくなることはほとんどな
い。
実施例21 液晶組成物の作成 実施例2で得られた2−フルオロ−4−(2−メチルオ
クタノイル)フェニル−4−オクチルオキシ安息香酸エ
ステルと、公知の化合物であり、強誘電性ではないスメ
クチックC相を示すことが分かっている4−オクチルオ
キシフェニル−4−オクチルオキシ安息香酸エステルと
をモル比21:79で混合した。
上記液晶組成物を実施例1に記載の方法で観察したとこ
ろ、降温過程において、70.5℃で等方性液体からコレス
テリック相に、63℃でスメクチックA相に、また40.6℃
でカイラルスメクチックC相になり、31℃で結晶化し
た。このスメクチックC相は強誘電性を示しており、実
施例1に記載の方法で自発分極を測定したところ36.5℃
で9nC/cm2であった。
実施例22 光スイッチング素子の作成 実施例7で得られた4−(2−メチルオクタノイル)フ
ェニル−3−フルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸エ
ステルを、ポリイミドを塗布した後ラビング処理を施し
た透明電極付ガラス板からなる厚さ4μmのセルに注入
し、等方性液体の状態から緩やかに降温し、スメクチッ
クA相を配向させた。さらに温度を下げ、カイラルスメ
クチックC相の状態にし、そのセルをクロスニコルの偏
光顕微鏡で観察しながら、セルに電界を印加すると、明
瞭なスイッチング動作が観測された。
上記セルに、17℃で32Vppの矩形波を印加し、透過光量
をフォトダイオードで測定し光スイッチング動作を検出
したところ、その応答速度は43μsecと高速であった。
実施例23 光スイッチング素子の作成 実施例12に記載の3−フルオロ−4−(2−メチルオク
タノイル)フェニル−4′−ノニルビフェニル−4−カ
ルボン酸エステルをラビング処理を施した透明電極付き
ガラスからなる厚さ4.8μmのセルに注入し、パルス幅1
00sec、パルス電圧±40Vのパルスを印加し、クロスニコ
ルの偏光顕微鏡下で観察したところ、明瞭なスイッチン
グ動作が観測された。このスイッチング動作は2つのユ
ニフォーム状態間のスイッチングであった。そのときの
透過光量の変化をフォトダイオードで検出した。40℃に
おける透過光量の変化を第4図に示す。
図から明らかなように非常にすぐれた双安定性を示して
いた。
実施例24 実施例16に記載の3−フルオロ−4−(2−メチルノナ
ノイル)フェニル−4′−ノニルビフェニル−4−カル
ボン酸エステルを実施例23と同様の厚さ5.6μmのセル
に注入しパルス幅2msec、パルス電圧±40Vのパルスを印
加し、クロスニコルの偏光顕微鏡下で観察したところ、
明瞭なスイッチング動作が観察された。このスイッチン
グ動作は2つのユニフォーム状態間のスイッチングであ
った。52℃における透過光量の変化を第5図に示す。
図から明らかなように、非常にすぐれた双安定性を示し
ていた。また配向もすぐれていて、明状態と暗状態の出
力の比が25:1と、コントラストが非常によかった。
比較例 ハロゲンを有さない類似化合物との液晶性の比較 ハロゲン含有の効果をさらに明らかにするために、その
ハロゲンを水素で置換した化合物と液晶性を比較した。
まず、降温時の相転移温度を下記の第1表にまとめた。
この表より、ハロゲンの導入によりカイラルスメクチッ
クC相の低温化がおこることが分かる(と及びと
の比較)。これは、室温動作の液晶組成物を作成する
上で好ましい。
また、カイラルスメクチックC相より高次のスメクチッ
クX相がハロゲンの導入により消失することが分かる
(と、及び,との比較)。混合によりカイラ
ルスメクチックC相の温度域(特にその下限)を広げよ
うとする場合、より高次のスメクチックX相があるとカ
イラルスメクチックC相の温度域は広がらず、スメクチ
ックX相の温度域が広がるのが一般的である。従って、
ハロゲンの導入によりスメクチックX相が消失するとい
うことは、混合によりスメクチックC相の温度域を広げ
ようとする場合に好ましい。
との化合物について、その自発分極の値を第3図に
示す。この図より、塩素の導入により著しく自発分極が
大きくなっていることが分かる。高速応答のために、大
きな自発分極をもつことは好ましいことである。
(発明の効果) 本発明の化合物は、安定なサーモトロピックの液晶状態
を取り得、自発分極が大きくて応答速度が速い強誘電性
液晶となる等、オプトエレクトロニクス関連素子の素材
として極めて優れた効果を奏するものである。
従って本発明は、例えば、液晶テレビ等のディスプレイ
用、光プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライト
バルブ等、液晶やエレクトロケミクロミズムを利用する
オプトエレクトロニクス関連素子の素材として有用な液
晶材料といえる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例8で得られた4−(2−メチルオクタ
ノイル)フェニル−3−フルオロ−4−ペンチルオキシ
安息香酸エステルと実施例9で得られた4−(2−メチ
ルオクタノイル)フェニル−3−フルオロ−4−ドデシ
ル安息香酸エステルとを比をかえて混合したときの相
図、 第2図は、実施例6で得られた4′−(2−メチルオク
タノイル)ビフェニル−3−クロロ−4−オクチルオキ
シ安息香酸エステルと市販のHS−98Pとを比を変えて混
合したときの相図、 第3図は、実施例6で得られた4′−(2−メチルオク
タノイル)ビフェニル−3−クロロ−4−オクチルオキ
シ安息香酸エステル(第1表の化合物)と、その塩素
を水素で置換した比較化合物4′−(2−メチルオクタ
ノイル)ビフェニル−4−オクチルオキシ安息香酸エス
テル(第1表の化合物)との、スメクチックA相から
カイラルスメクチックC相への転移点(TAC)からの温
度に対する自発分極の関係を比較して示すグラフ、 第4図は、実施例23における光スイッチング素子の時間
と透過量との関係を示すグラフ、 第5図は、実施例24における光スイッチング素子の時間
と透過量との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/92 69/94 C09K 19/20 9279−4H G02F 1/13 500 (72)発明者 福政 充睦 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 日本 鉱業株式会社内 (72)発明者 白鳥 伸之 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 日本 鉱業株式会社内 (72)発明者 横山 明久 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 日本 鉱業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−228(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(I)、 (式中、Rは炭素数が4〜12のアルキル基、Aは単結
    合、−O−、−COO−又は−CO−のいずれか、XとYは
    いずれか一方がハロゲン原子で他方は水素原子、mとn
    はいずれも0又は1であるが、m+n=0又は1、kは
    1または2、lは5〜9の整数である)で表される新規
    な含ハロゲンエステル化合物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の一般式(I)において、R
    は炭素数が6〜9のアルキル基、Aは単結合、−O−、
    −COO−又は−CO−のいずれか、XとYはいずれか一方
    が塩素又はフッ素で他方は水素原子、mとnは何れも0
    又は1であるが、m+n=0又は1、kは1、lは6又
    は7であることを特徴とする、新規な含ハロゲンエステ
    ル化合物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の一般式(I)で表される
    新規な含ハロゲンエステル化合物を含有することを特徴
    とする液晶組成物。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の一般式(I)で表される
    新規な含ハロゲンエステル化合物の少なくとも1種を構
    成要素とすることを特徴とする光スイッチング素子。
  5. 【請求項5】次の一般式(II)、 (式中、kは1又は2、lは5〜9の整数である)で表
    される新規フルオロフェノール化合物。
  6. 【請求項6】2−アルキル−1−アルキルアルコールを
    酸化して2−アルキル−1−アルキルカルボン酸を得、
    これを酸ハロゲン化物とし、この酸ハロゲン化物でフル
    オロアニソールをアシル化した後、脱メチル化させるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の一般式(II)で表され
    る新規フルオロフェノール化合物の製造方法。
JP5712989A 1988-05-11 1989-03-09 新規な含ハロゲンエステル化合物、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子、並びにこの化合物の中間体及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH0725721B2 (ja)

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