JPH0667878B2 - 液晶化合物、その組成物および光スイツチング素子 - Google Patents

液晶化合物、その組成物および光スイツチング素子

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JPH0667878B2
JPH0667878B2 JP3277786A JP3277786A JPH0667878B2 JP H0667878 B2 JPH0667878 B2 JP H0667878B2 JP 3277786 A JP3277786 A JP 3277786A JP 3277786 A JP3277786 A JP 3277786A JP H0667878 B2 JPH0667878 B2 JP H0667878B2
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洋 小川
宣 藤沢
政志 大沢
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Kawamura Institute of Chemical Research
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は液晶性化合物及び液晶組成物に関するもので、
特に強誘電性を有する液晶材料を提供するものであり、
従来の液晶材料と比較して、特に応答性、メモリー性に
すぐれた液晶表示素子への利用可能性を有する液晶材料
を提供するものである。
<従来技術> 液晶表示素子は、その低電圧作動性、低消費電力性、薄
型表示が可能なこと、受光型であるため明るい場所でも
使用でき、目が疲れないことなどの多くのすぐれた特徴
を有しているため、現在では各種の表示素子として、広
く用いられている。
現在のところ、表示方式としてはTwisted Nematic(T
N)型と呼ばれるものが最も一般的である。このTN型表
示方式はネマチック液晶を用いるものであるが、これに
おいては、前記のすぐれた特徴をすべて有する反面、CR
Tをはじめとする他の発光型表示方式と比較すると、そ
の応答が非常に遅いという欠点があった。また印加した
電場を切ったときには、もとの状態にもどるため表示の
記憶(メモリー効果)が得られなかった。これらのため
に、高速応答や、時分割作動が必要な光シャッター、プ
リンターヘッド、テレビ等への動画面への応用には種々
の制約を受け適したものであるとは言えなかった。
液晶表示素子としてはTN型以外にもゲスト−ホスト(G
H)型、複屈折制御(ECB)型、相転移(PC)型、熱効果
型等が研究開発されており、それぞれ特徴を有している
が、その応答性においては、いずれもTN型と比べて特に
改善がなされたものとは言えなかった。これらに対し、
高速応答が得られる液晶表示方式として二周波駆動型、
およびスーパーTN型と呼ばれるものが開発されており、
その応答性においては、かなりの改善がなされたが、そ
れでも充分満足できるものとは言えず、また二周波駆動
型においてはその作動回路が複雑になりすぎる、また、
スーパーTN型においては画面が黄色に着色するためカラ
ー表示に向かない、などの欠点を有していた。このた
め、さらに応答性にすぐれた新しい液晶表示方式の開発
が試みられてきた。
この目的に沿ったものとして最近、強誘電性液晶が発表
された。(R.Mayer et al;J.Physique36 L69(197
5))この強誘電性液晶を利用した表示素子は、従来の
液晶表示と比較して100〜1000倍という高速応答と、双
安定性によりもたらされるメモリー効果を有することが
指摘され(N.A.Clark,S.T.Lagerwall:Appl Phys. Let
t;36 899(1980))、テレビ等の動画面や高速光シェ
ッタープリンターヘッド、コンピューター端末など多方
面の表示素子への応用が期待できるものである。
強誘電性液晶は、液晶相としてはチルト系のカイラルス
メクチック相に属するものであるが、その中でも、実用
的に望ましいものは、最も粘度の低いカイラルスメクチ
ックC(以下SCと略称する)相と呼ばれるものであ
る。
SCを有する液晶化合物はこれまでにも検討されてきて
おり、既に数多く知られている。
代表的なものとしては初めて合成された強誘電性液晶と
して知られている(S)−2−メチルブチルp−デシル
オキシベンジリデンアミノシンナメート(DOBAMBCと略
称されている)及びその同族体のシッフ塩基系液晶をあ
げることができる。DOBAMBCは現在においても、強誘電
性液晶の物性や配向などの検討用として最もよく用いら
れている液晶化合物の1つであって自発分極やらせんピ
ッチなど強誘電性液晶における重要な諸物性値の1つの
基準ともなっている。しかし、DOBAMBCとその系列化合
物には光に対する安定性に欠ける水分に対する安定
性に欠ける液晶化合物自体有色である。SC相を示
す温度範囲が、エナンチオトロピックで20゜以内と狭
く、かつ、室温域から離れている。等の欠点があって、
実用的な面からみると満足できるものではなかった。
(1)P.Keller et al;J.de Physique37 C3(197
6) 2)idem;Acad.SC.Paria282C639(1976) 3)B.
I.Ostrouskii et al.Ferroeledrics 24 309(198
0) 4)K.Yoshino et al Japanese J.of Appl
Physics 23 L175(1984) 5)磯貝ら、特開昭59−9
8051など) アゾキシ性液晶においても、いくつか知られているが、
その強い着色性のためにやはり実用には不適である。
(P.Keller et al.Ann.Phys・139(1978)) こうした欠点を改良すべく、化学的に安定なエステル系
の液晶化合物が、最近検討されており既に報告例も多
い。
これらを多数紹介している総説としては1)J.W.Goodby
et al Liquid Crystal and Ordered Fluids V
ol 4 P1〜 2)J.W.Goodby T.M Leslie Mol Cr
yst Liq Cryet.110 175,(1984)などをあげること
ができ、また、同様に多数の化合物を含む文献として、
M.Isogai et al EP−0110299 をあげることができ
る。
しかし、これらに紹介されているエステル系化合物にお
いては、そのうち液晶分子内にベンゼン環等を2個有し
ている2環性化合物においては、SC相は比較的室温に
近い低温域にあるものが多いが、その多くはSC相は降
温時のみにあらわれるいわゆるモノトロピックであり、
昇温時にもあらわれるエナンチオトロピックなものでも
その安定な温度域は非常に狭いものであった。一方、分
子内にベンゼン環等を3個含んでいる3環性化合物にお
いてはSC相が安定に存在する温度域は広くなるもの
の、その融点は室温よりはるかに高いものばかりであっ
て、そのため、これらの化合物においては多くの種類を
まぜあわせ、融点を下げその温度域を調整する必要があ
った。
3環性化合物は大きくわけて、(イ)ビフェニル環を含
むもの、(ロ)ビフェニル環を含まないものに分類され
る。前者は比較的よく検討されており、報告されている
化合物も数多い。しかしながら、このタイプの化合物で
はSC相の温度域はかなり広いものの、より低温域にお
いて、SC相より結晶相に近いスメクチック相を有する
ことが多く、そのため混合しても、SC相の温度範囲そ
のものはあまり広がらず、より低温域のスメクチック相
の温度域が広がってしまう場合が多かった。
後者のタイプの化合物は、あまり知られていないが、た
とえばJ.W.GoodbyとT.M.Leslieにより紹介されている
(i)、あるいは(ii)などをあげることができる。(
は不斉炭素であることをあらわしている) (ここでCrは結晶相、SAはスメクチックA相、Iは等方
性液体相をあらわす)これらを用いて室温域でSC相を
示すような液晶組成物も得られてはいる。しかし、これ
らの化合物はいずれも、その不斉中心の炭素と大きな分
子内双極子モーメントを有するカルボニル結合とが大き
く離れており、そのために、自発分極が小さく応答性は
満足のいくものではなかった。そのため、後者のタイプ
で自発分極がより大きいSC液晶化合物が望まれてい
た。
かかる目的から、本発明者らは先に一般式(1)′であ
らわされる新しい強誘電性液晶化合物を開発した。
(式中、R及びQは本化合物(I)におけるものと同
様である) この化合物(I)′は3環性であるが、ビフェニル環を
含まず、低温域に他のスメクチック相を有さないため、
混合による温度範囲の拡大が容易であり、しかも、光学
活性基をエステル結合によって分子末端に導入している
ため、カルボニル結合と不斉炭素が近接していて、大き
な自発分極を有するというすぐれた特徴があった。しか
し、この化合物(I)′は単一化合物ではその融点が高
く、SC相の温度範囲においても、たかだか40゜程度で
あるという問題点があった。そのため、前記のすぐれた
特徴を持ちながら、単一化合物として、さらに広い温度
域、低い融点を持つ化合物の開発が必要であった。
〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明者らは、光及び化学的安定性にすぐれた液晶化合
物として、エステル系化合物に着目し、単独もしくは配
合することによって、室温付近で強誘電性を有する液晶
相、特にカイラルスメクチックC相を広い範囲でとりう
る新規の液晶化合物であって、しかも自発分極が大きく
応答性にすぐれたものが得られないものかと鋭意検討
し、本発明に至ったものである。
また本発明はそのような液晶化合物、あるいは組成物を
用いて、高速応答性を有する液晶表示素子を提供しよう
というものである。
〔問題を解決するための手段〕
本発明における液晶化合物は、次の一般式(I)であら
わされるトリエステル化合物であることを特徴としてい
る。
ここで、式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基またはア
ルコキシ基をあらわし、Qは光学活性なアルキル基を
あわらす。また、Xは1,4−フェニレン基の置換基であ
ってハロゲン原子をあらわす。
また本発明における液晶組成物とは、一般式(I)であ
らわされる化合物(I)(以下に化合物(I)と略称す
る)の複数よりなるか、化合物(I)の1種またはそれ
以上と化合物(I)以外の液晶化合物とからなる液晶組
成物である。
前述の如く、液晶における強誘電性は、液晶がチルト系
であるカイラルスメクチック相、より具体的には、SC
相、SF(カイラルスメクチックF相…以下同様に略す
る)、SG相、SH相、SI相、SJ相、SK相である
ときにあらわれるが、そのうち、最も実用的とされてい
るのは、SC相である。他のカイラルスメクチック相に
おいても、スイッチング動作が検出されているが、それ
らの相ではより結晶相に近いため粘性が大きく応答速度
はSC相に比べて遅くなり実用的とは言えない。化合物
(I)においては、そのほとんどがSC相を有してお
り、その温度範囲がかなり広い化合物も多い。またその
多くはSC相の低温域に他のスメクチック相をとらない
ため、混合してその融点を下げて、SC相の温度域を低
温域に大きく拡大することも容易である。
化合物(I)において、Rは炭素数1〜20のアルキル
基、またはアルコキシ基であるが、強誘電液晶表示素子
として用いるにはその炭素数は8〜14程度が適当であ
る。アルキル基又は、アルコキシ基の炭素数が小さくな
ると、化合物(I)はネマチック性が増し、SC相を含
め、スメクチック相の温度域は狭くなる傾向にあり、そ
のため、強誘電性液晶表示素子として用いるには不充分
となってくるが、この場合、従来の液晶表示素子(TN
型)において少量添加することにより、いわゆるリバー
ス・ドメインの防止に有効であり、また最近注目されて
いるスーパーTN型にも用いることができる。
化合物(I)は一般式(I)にも示される如く、その分
子骨格中に、DOBAMBCに見られるような光に不安定なト
ランス2重結合、あるいは水分に不安定なアゾメチン結
合(−CH=N−)を有していない。そのために、化学的
に全く安定であり、長期の使用に耐えることができる。
また化合物(I)はDOBAMBCにアゾキシ系にみられるよ
うな着色はなく、それ自体無色であり、カラー表示にも
好適である。
強誘電性液晶が、高速応答性を示すのは、液晶が自発分
極を有しており、それが印加電場と直接に相互作用する
からである。液晶の粘度が一定であるならば、自発分極
の値が大きい程、その値に比例して、応答速度は速くな
る。従って、自発分極は強誘電性液晶における最も重要
な物性値の一つである。
自発分極を有するのは、SC相あるいは他のカイラルス
メクチック相であるが、液晶がこのような相を示すため
には、系がカイラルである必要がある。そのために分子
内にカイラルな基を導入するか、あるいは液晶中に他の
カイラル物質を添加するなどの方法が一般に採られてい
るが、後者では、自発分極が小さくなりすぎるため、主
に前者の方法が用いられている。化合物(I)において
も、(S)−2−メチルブチルアルコールをはじめとす
る光学活性アルコールQOHをカイラル源として用い、
分子内に導入している(Qは光学活性のアルキル基で
ある)。
自発分極は、前述のように大きい程望ましいわけである
が、そのためには、大きな分子内永久双極子(カルボニ
ル基が最も望ましい)と不斉炭素ができるだけ近傍に存
在することが望ましいとされている。現在、数nC(クー
ロン)/cm2以上の自発分極を有する強誘電性液晶化合
物はほとんどがそのような構造を有しており、本化合物
(I)においてもその条件を満たすことによって、同程
度の自発分極を有している。
光学活性アルコールQOHとして、最もよく用いられる
のは天然物としても容易に得られる(S)−2−メチル
ブタノールである。これは1級アルコールであって、後
述するようにその導入も容易であり、またこれを用いた
化合物(I)は、その温度範囲も広く、また、低温域に
より結晶相に近い他のスメクタック相をもたぬため、さ
らに広い温度域を有する組成物を得るのにも適してい
る。これを用いた場合、化合物(I)は1〜10hC/cm2
程度の自発分極を有することが多い。
OHとして不斉炭素がOH基から、さらに離れた、例え
ば(S)−4−メチルヘキサノール等を用いると、その
温度範囲はさらに改善されることが多いが、カルボニル
基と不斉炭素もより離れるので自発分極は1nC/cm2以下
と小さい値になってしまう。QOHとして例えば(S)
−2−ブタノール、(R)−2−オクタノール等の2級
のアルコールを用いると、不斉炭素がカルボニル基によ
り近接するため、その自発分極の値は(S)−2−メチ
ルブタノールを用いた場合に比較して1桁程度は大きく
なる。これは、アゾメチン系や他のエステル系において
既に例が知られているが、本化合物(I)についても同
様にあてはまる。しかし、これら2級アルコールを用い
た場合、その温度範囲は、やや狭くなる傾向にあり、
(S)−2−メチルブタノールを用いた時、あらわれな
かったより結晶相に近い他のスメクチック相を有するこ
ともある。従ってより広い温度範囲とより大きい自発分
極を持たせるためには、これらをうまく混合して組成物
として用いるのがより効果的である。
さて、本化合物(I)の大きな特徴としては、その骨格
中に、ハロゲン原子によって置換された1,4−フェニレ
ン基を有することがあげられる。
本化合物と類似の構造を有する化合物としては先に本発
明者らが発表した化合物(I)′があるが(R,Qは本
化合物(I) におけるものと同様である)これは、前述のようにビフ
ェニル環を含まない3環性化合物としては初めて大きな
自発分極を有するSC化合物であり、配合により容易に
そのSC相の温度範囲を室温域とできるものの、単一化
合物としての温度範囲は充分広いものとは言えなかっ
た。本化合物(I)においては骨格中のベンゼン環をハ
ロゲン原子で置換することにより、その点を大きく改善
することに成功している。
強誘電性を示すカイラルスメクチック液晶において、そ
の特定の位置にフッ素、塩素等のハロゲン原子を導入す
ることにより、その温度域をより広く、あるいはより低
く改善できることは既に本発明者らが報告していること
であるが、その場合、フッ素を導入することにより、液
晶間の相転移温度(特にSC相の上限)をあまり変化さ
せることなく、その融点を降下させ、また塩素を導入す
ることによりSC相の上限も降下させるが、融点をより
大きく降下させることができる。
本化合物(I)においても、ハロゲンの導入により同様
の融点の降下がみられる。しかも、そのSA−SC転移点
においては、塩素を導入した場合でも無置換体とあまり
かわらず、フッ素を導入した場合では20〜30゜上昇し、
その液晶性が上昇しており、これは注目すべきことであ
る。
次に化合物(I)の合成法について述べる。
化合物(I)はその分子骨格内に3個のエステル結合を
有しているが、その結合生成の順序によってA法及びB
法の2つの合成法がある。
A法は次の一般式(II)であらわされる酸塩化物(II)
(式中、Rは化合物(I)における ものと同様である)と一般式(III)であらわされるフ
ェノール誘導体(III)(式中、X,Qは化合物(I)に
おけるものと同様である)とをピリジン等の、塩基性物
質存在下 反応させることを特徴としている。
B法は酸塩化物(II)を4−ヒドロキシ安息香酸、また
はそのハロゲン置換体と反応させて、一般式(IV)であ
らわされるカルボン酸(IV)とし(式中、R,X,Qは、
化合物(I)におけるものと同様である)、これを塩化
チオニル等の塩素化剤と反応させて酸塩化物とした後、
光学活性アルコールQOH(Qは光学活性なアルキル
基をあらわす)と反応させるものである。また4−ヒド
ロキシ安息香酸、またはその ハロゲン置換体を用いるかわりに、4−ヒドロキシベン
ズアルデヒド、またはそのハロゲン置換体と反応させた
後、ホルミル基を無水クロム酸等で酸化してカルボン酸
(IV)に導く方法も用いることができる。
その合成経路を以下に図示する。
((A法)) ((B法)) 用いる光学活性アルコールQOHが1級アルコールの場
合、A法によるのが、簡便で収率も高い。しかし、Q
OHが2級アルコールの場合フェノール誘導体(III)を
合成する際にラセミ化の恐れがあり、光学純度を保った
まま(III)に導くためには頻雑な工程を必要とするた
め、実用的とは言い難い。B法はA法に比べると工程数
が多いが、QOHの如何にかかわらず用いることができ
るため、2級アルコールなどの場合、好適な方法であ
る。
さて、ここで原料として用いる酸塩化物(II)は次のよ
うにして合成できる。
即ち、4−アルキル(または4−アルコキシ)安息香酸
塩化物と4−ヒドロキシ安息香酸とを反応させて、一般
式(V)であらわされるカルボン酸(V) (式中、Rは化合物(I)におけるものと同様である)
とした後、塩化チオニル等の塩素化剤を反応させて得る
ことができる。(V)はあるいは、4−ヒドロキシ安息
香酸に換えて、4−ヒドロキシベンズアルデヒドを用い
て反応させた後、無水クロム酸等で酸化することによっ
ても得ることができる。
一方、A法において用いられるフェノール誘導体(II
I)はQOHが1級アルコルの場合には4−ヒドロキシ
安息香酸あるいはそのハロゲン置換体と酸触媒存在下脱
水縮合させることにより容易に得ることができるが、Q
OHが2級アルコールの場合には4−ヒドロキシ安息香
酸またはそのハロゲン置換体の水酸基をベンジルエーテ
ル等の適当な保護基により保護した後、塩化チオニル等
の塩素化剤で酸塩化物として、次いでQOHと反応させ
て光学活性エステルとした後、最後に保護基をはずすこ
とにより得ることができる。
さて、得られた液晶化合物あるいは組成物は、2枚の透
明な電極板の間に、均一な厚さ(1μm〜20μm程度)
の薄膜とすることにより、液晶表示用セルとして使用す
ることができる。
表示用セル中においては、液晶の分子は分子長軸が電極
面に平行な、いわゆるホモジニアスの、かつ向きの均一
な配向をとったモノドメインである必要がある。このた
めに電極板の表面にラビング、蒸着等による配向処理を
施すか、あるいは電場、または磁場を印加するか、ある
いは温度勾配をもたせるか、あるいはこれらの手段の複
数を併用した状態で、等方性液体相から、液晶相まで徐
徐に冷却して、配向させる方向が一般に採用されてい
る。本発明における化合物あるいは組成物においてもこ
のような方法によって均一に配向したモノドメインのセ
ルを得ることができる。
〔発明の効果〕
本発明の概要は以上の如きものであるが、本発明の化合
物(I)は従来代表的強誘電性液晶化合物として知られ
ていたDOBAMBCに比して、後述する実施例にも示される
如く、工業的にも容易に製造でき、それ自体無色であっ
て、光、水に対する化学的安定性にまされるものであ
る。またそのSC相の温度範囲も広く、本発明の組成物
においては、一般の液晶化合物と同様に単一化合物に比
して、融点の降下がみとめられ、かつ、低温域に他のス
メクチック相をもたないものが多いためSC相の温度範
囲は大きく広がり、室温における利用も可能である。
更に、本発明の強誘電性液晶化合物、及び組成物は従来
の強誘電性液晶と同様に応答速度がネマチック液晶の10
0倍以上と極めて大きく、表示用光スイッチング素子と
して、極めて有望である。
〔実施例〕
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、勿
論、本発明の主旨および適用範囲は、これらの実施例に
よって制限されるものではない。
尚、転移温度の測定は、温度調節ステージを備えた偏光
顕微鏡、及び、示差走査熱量計(DSC)を併用して行っ
たが、その試料の純度あるいは測定条件によって、若干
変動するものである。温度は℃を意味する。
〔実施例1〕 3−フルオロ−4−((S)−2−メチ
ルブチルオキシカルボニル)フェニル 4−(4−デシ
ルオキシベンゾイルオキシ)ベンゾエートの合成 1−a 4−(4−デシルオキシベンゾイルオキシ)安
息香酸の合成 4−デシルオキシ安息香酸塩化物2.97gを15mlの塩化メ
チレンに溶解し、これにピリジン15mlに溶解した4−ヒ
ドロキシ安息香酸1.38gを滴下した。滴下終了後6時間
加熱還流した後室温まで放冷した。10%塩酸100mlを加
え、生じた白色沈澱をろ別し、水で洗液が中性になるま
で洗滌した。得られた粗結晶をエタノールから3回再結
晶して、4−(4−デシルオキシベンゾイルオキシ)安
息香酸2.63gを得た。収率66% IRスペクトルを以下に
示す。
IR:2700,2560,1740,1695,1605,1520,1430,1260,1210,11
70,1070,845,765cm-1
このものは液晶相を示した 1−b 3−フルオロ−4−((S)−2−メチルブチ
ルオキシカルボニル)フェニル 4−(4−デシルオキ
シベンゾイルオキシ)ベンゾエートの合成 1−aで得られた4−(4−デシルオキシベンゾイルオ
キシ)安息香酸2.50gに塩化チオニル15ml及びピリジン
0.5mlを加え、還流下3時間撹拌した。
過剰の塩化チオニルを減圧下留去して得られた粗結晶に
トルエン100mlを加え、不溶物を傾瀉で除去した。減圧
下、トルエンを留去後、n−ヘキサンから再結晶して、
4−(4−デシルオキシベンゾイルオキシ)安息香酸塩
化物1.86gを得た(収率71%)。
この酸塩化物416.5mgおよび(S)−2−メチルブチル
3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾエート267mg
を5mlの塩化メチレン、及び3mlのピリジンに溶解して、
2時間還流下、撹拌した。室温まで放冷した後、酢酸エ
チル50mlを加え、10%塩酸、飽和重炭酸ナトリウム水溶
液、水、飽和食塩水で順次洗滌した。無水硫酸ナトリウ
ムで脱水後、減圧下、溶媒を留去して、得られた粗生成
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(展
開溶媒クロロホルム)、さらに、エタノールから再結晶
して3−フルオロ−4−((S)−2−メチルブチルオ
キシカルボニル)フェニル4−(4−デシルオキシベン
ゾイルオキシ)ベンゾエートの白色結晶45mgを得た(収
率68%)。
その化学構造は核磁気共鳴スペクトル(NMR)、赤外吸
収スペクトル(IR)及び質量スペクトル(MS)によっ
て、決定した。
NMR:δ7.9〜8.3(m,5H δ6.8〜7.4(m,6H,その他の芳香族水素),δ4.13(dd2
H−COO−CH2−),δ3.98(t,2H δ1.5〜2.0(m,3H, 及び δ1.1〜1.5(m,16H,その他のメチレン水素),δ0.8〜
1.1(m,9H,−CH3)、ただしm,dd,tはそれぞれ多重線、
2重の2重線、tは3重線をあらわす。
IR:1750,1715,1610,1520,1440,1260,1205,1170,1040,10
10,970,890,850,770,695cm-1
MS:m/e=606(P+) この化合物はSC相を示した。その相転移温度を以下に
記す。
I−SA:175゜ SA−SC140゜ 融点89゜ (Iは等方性液体相をあらわす) 〔実施例2〕 実施例1において4−デシルオキシ安息香酸に換えて4
−オクチルオキシ安息香酸,4−ドデシルオキシ安息香
酸、4−テトラデシルオキシ安息香酸を用いて同様に反
応を行った。最終的に得られた3−フルオロ−4−
((S)−2−メチルブチルオキシカルボニル)フェニ
ル 4−(4−オクチルオキシベンゾイルオキシ)ベン
ゾエート、3−フルオロ4−((S)−2−メチルブチ
ルオキシカルボニル)フェニル 4−(4−ドデシルオ
キシベンゾイルオキシ)ベンゾエート、3−フルオロ−
4−((S)−2−メチルブチルオキシカルボニル)フ
ェニル 4−(4−テトラデシルオキシベンゾイルオキ
シ)ベンゾエートのNMR,IRは実施例1におけるものとほ
とんど同様であって、わずかにメチレン鎖に対応するピ
ーク、あるいは吸収の強度比の異ったのみのチャートを
与えた。また、MSはそれぞれの親ピーク(P+)である、
m/e=578,634,662を与えた。
これらはともにSC相を示した。その相転移温度を表1
に示す。
〔実施例3〕 実施例1において、4−デシルオキシ安息香酸より導い
た4−デシルオキシ安息香酸塩化物に換えて、4−オク
チル安息香酸塩化物及び4−デシル安息香酸塩化物を用
いて、同様に反応を行い、3−フルオロ−4−((S)
−2−メチルブチルオキシカルボニル)フェニル 4−
(4−オクチルベンゾイルオキシ)ベンゾエート、3−
フルオロ−4−((S)−2−メチルブチルオキシカル
ボニル)フェニル 4−(4−デシルベンゾイルオキ
シ)ベンゾエートを得た。
後者のスペクトルデータを以下に示す。
NMR:δ8.0〜8.4(m,5H, δ7.1〜7.5(m,6H,その他の芳香族水素),δ4.20(d,d
2H δ2.70(t,2H, δ1.5〜2.1(m,3H, 及び δ1.1〜1.5(m,16H,その他のメチレン水素),δ0.8〜
1.1(m,9H,CH3) IR:1745,1720,1620,1435,1280,1255,1140,1065,1020,89
0,780,760,695cm-1
MS:m/e=590(P)。
これらはSC相を示した。その相転移温度を表1に示
す。
〔実施例4〕 実施例1,2,3において、(S)−2−メチルブチル3−
フルオロ−4−ビドロキシベンゾエートに換えて、
(S)−2−メチルブチル3−クロロ−4−ヒドロキシ
ベンゾエートを用いて同様に反応を行い、3−クロロ−
4−((S)−2−メチルブチルオキシカルボニル)フ
ェニル 4−(4−オクチルオキシベンゾイルオキシ)
ベンゾエート、3−クロロ−4−((S)−2−メチル
ブチルオキシカルボニル)フェニル4−(4−デシルオ
キシベンゾイルオキシ)ベンゾエート、3−クロロ−4
((S)−2−メチルブチルオキシカルボニル)フェニ
ル 4−(4−ドデシルオキシベンゾイルオキシ)ベン
ゾエート、3−クロロ−4−((S)−2−メチルブチ
ルオキシカルボニル)フェニル 4−(4−テトラデシ
ルオキシベンゾイルオキシ)ベンゾエート、3−クロロ
−4−((S)−2−メチルブチルオキシカルボニル)
フェニル 4−(4−オクチルベンゾイルオキシ)ベン
ゾエート、3−クロロ−4−((S)−2−メチルブチ
ルオキシカルボニル)フェニル 3−クロロ−4−
((S)−2−メチルブチルオキシカルボニル)フェニ
ル 4−(4−デシルベンゾイルオキシ)ベンゾエート
を得た。代表例のスペクトルデータを以下に示す。
○3−クロロ−4−((S)−2−メチルブチルオキシ
カルボニル)フェニル 4−(4−デシルオキシベンゾ
イルオキシ)ベンゾエート NMR:δ7.9〜8.4(m,5H, δ6.9〜7.5(m,6H,その他の芳香族水素),δ4.17(dd,
2H, δ4.05(t,2H, δ1.5〜2.1(m,3H, 及び δ1.1〜1.5(m,16H,その他のメチレン水素),δ0.85〜
1.1(m,9H,−CH3)。
IR:1740,1715,1605,1520,1400,1270,1205,1165,1145,10
15,965,890,850,765,690(cm-1) MS:m/e=622,624(P+) ○3−クロロ−4−((S)−2−メチルブチルオキシ
カルボニル)フェニル 4−(4−デシルベンゾイルオ
キシ)ベンゾエート NMR:δ7.85〜8.3(m,5H, δ7.1〜7.5(m,6H,その他の芳香族水素),δ4.16(dd,
2H, δ2.70(t,2H, δ1.45〜2.0(m,3H, 及び δ1.15〜1.45(m,16H,その他のメチレン),δ0.8〜1.1
(m,9H,−CH3)。
IR:1740,1715,1600,1515,1420,1275,1250,1205,1165,11
20,1070,1050,1015,885,845,760,690(cm-1) MS:m/e=606,608(P+) これらはすべてSC相を示した。その相転移温度を表1
にまとめて示す。
〔実施例5〕 2−フルオロ−4−((S)−2−メチ
ルブチルオキシカルボニル)フェニル 4−(4−デシ
ルオキシベンゾイルオキシ)ベンゾエートの合成 実施例1において4−デシルオキシ安息香酸塩化物に換
えて、4−オクチルオキシ安息香酸塩化物を用い、4−
(4−オクチルオキシベンゾイルオキシ)安息香酸(SC
→N158゜、N−I228゜m.p.127.5゜)を得、さらに、
(S)−2−メチルブチル 3−フルオロ−4−ヒドロ
キシベンゾエートに換えて、(S)−2−メチルブチル
2−フルオロ−4−ヒドロキシベンゾエートを用い、
2−フルオロ−4−((S)−2−メチルブチルオキシ
カルボニル)フェニル 4−(4−オタチルオキシベン
ゾイルオキシ)ベンゾエートを得た。
NMR:δ7.75〜8.35(m,6H δ6.9〜7.5(m,5H,その他の芳香族水素),δ4.16(dd,
2H, δ4.02(t,2H, δ1.5〜2.0(m,3H, 及び δ1.15〜1.5(m,12H,その他のメチレン),δ0.8〜1.15
(m,9H,CH3)。
IR:1760,1740,1720,1610,1520,1260,1190,1165,1060,10
20,890,760,690(cm-1) MS:m/e=578(P+) 相転移温度を以下に示す。
SA−N132゜N−I 151.5゜融点75.5゜ 〔実施例6〕 3−フルオロ−4−((R)−1−メチ
ルプロピルオキシカルボニル)フェニル 4−(4−デ
シルオキシベンゾイルオキシ)ベンゾエートの合成 6−a 2−フルオロ−4−{4−(4−オクチルオキ
シベンゾイルオキシ)ベンゾイルオキシ} 安息香酸の合成 実施例1−aにおいて得られた4−(4−デシルオキシ
ベンゾイルオキシ)安息香酸を塩化チオニルで処理して
4−(4−デシルオキシベンゾイルオキシ)安息香酸塩
化物を得た。
この酸塩化物0.95gを塩化メチレン10mlに溶解し、これ
に2−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸0.36gをピリ
ジン10mlに溶解して加えた。6時間加熱還流した後、放
冷した。10%塩酸を加えて反応液を酸性とし、析出した
結晶を別し、水、次いでエタノールで数回洗滌した。
結晶をトルエンから2回再結晶して、2−フルオロ−4
−{4−(4−オクチルオキシベンゾイルオキシ)ベン
ゾイルオキシ}安息香酸の白色結晶1.11gを得た。この
ものは液晶性を示した。
SC−N 265゜N−I 290゜以上、融点180゜6−b
3−フルオロ−4−((R)−1−メチルプロピルオキ
シカルボニル)フェニル 4−(4−デシルオキシベン
ゾイルオキシ)ベンゾエートの合成 6−aで得られた2−フルオロ−4−{4−(4−オク
チルオキシベンゾイルオキシ)ベンゾイルオキシ}安息
香酸653mgに塩化チオニル5ml及びピリジン0.5mlを加え
4時間加熱還流した。減圧下、過剰の塩化チオニルを留
去した。残渣にトルエン50mlを加えて溶解し、不溶物を
除去した。減圧下、トルエンを留去して、2−フルオロ
−4−{4−(4−オクチルオキシベンゾイルオキシ)
ベンゾイルオキシ}安息香酸塩化物の結晶410gを得た。
この酸塩化物360mg及び(R)−2−ブタノール200mgを
塩化メチレン4ml及びピリジン2mlとともに2時間加熱還
流した。放冷後、酢酸エチルを加え、10%塩酸、飽和重
炭酸ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次、洗滌
し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。減圧下、溶媒を留
去して得られた粗生成物シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製し(溶媒クロロホルム)次いでエタノール
から再結晶して3−フルオロ−4−((R)−1−メチ
ルプロピルオキシカルボニル)フェニル4−(4−デシ
ルオキシベンゾイルオキシ)ベンゾエートの白色結晶26
7mgを得た。
NMR:δ7.9〜8.45(m,5H, δ6.85〜7.5(m,6H,その他の芳香族水素),δ5.11(m,
1H, δ4.03(t,2H δ1.6〜2.1(m,4H,O−C−CH2−)δ1.1〜1.6(m,17H,
その他のメチレン水素及びO−C−CH3),δ0.9〜1.1
(m,6H,その他のCH3) IR:1755,1740,1705,1520,1290,1260,1240,1200,1145,10
50,1005,885,850,760,690(cm-1) MS:m/e=592(P+) このものはSC相を示した。その相転移温度を表1に示
す。
表中、2MBは(S)−2−メチルブチル基を、1MPは
(R)−1−メチルプロピル基をあらわす。また・はそ
の相を存在することを示し、−は存在しないことを示し
ている。数字はその相からより温度の高い相への転移温
度を示しており、()内はその相が融点以下のいわゆる
モノトロピックであることを示している。SXは他のカイ
ラルスメクチック相を示している。
〔実施例7〕 室温でSC相を示す組成物の調製 実施例1で得られた3−フルオロ−4((S)−2−メ
チルブチルオキシカルボニル)フェニル4−(4−デシ
ルオキシベンゾイルオキシ)ベンゾエート11.0%、実施
例3で得られた、3−フルオロ−4−((S)−2−メ
チルブチルオキシカルボニル)フェニル 4−(4−デ
シルベンゾイルオキシ)ベンゾエート11.0%、実施例3
で得られた3−クロロ−4−((S)−2−メチルブチ
ルオキシカルボニル)フェニル 4−(4−デシルオキ
シベンゾイルオキシ)ベンゾエート10.5%、3−クロロ
−4−((S)−2−メチルブチルオキシカルボニル)
フェニル 4−(4−デシルベンゾイルオキシ)ベンゾ
エート20.7%及び、4−((S)−2−メチルブチルオ
キシカルボニル)フェニル 4−(4−デシルオキシベ
ンゾイルオキシ)ベンゾエート11.0%、3−フルオロ−
4((S)−2−メチルブチルオキシカルボニル)フェ
ニル 4−デシルオキシベンゾエート34.8%からなる液
晶組成物を調製した。この組成物は、59゜以下でSC
を示し、室温域で結晶化せず、安定にSC相を保った。
また、この組成物の透明点(SA−I)は110゜であっ
た。
〔実施例8〕 実施例1で得られた3−フルオロ−4−((S)−2−
メチルブチルオキシカルボニル)フェニル4−(4−デ
シルオキシベンゾイルオキシ)ベンゾエートを加熱し
て、等方性液体とした。これを厚さ1.7μmのスペーサ
ーを介した2枚のポリイミド−ラビング配向処理を施し
たガラス透明電極間に充填し、薄膜セルを作成した。1
分間に5゜の割合で徐々に冷却し、スメクチックA相を
配向させ、ついで140゜以下まで冷却して、均一なSC
相のモノドメインを得た。このセルに122゜で電場(10V
100Hzの矩形波)を印加し、フォトマルチプライヤーで
光スイッチング動作を検出したところ、その応答速度は
55μsecであった。また97゜では210μsecであった。こ
れにより応答の速い光表示素子が得られたことになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/14 (72)発明者 東海林 忠生 東京都練馬区大泉町3−13−6

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、またはアルコ
    キシ基をあらわし、Qは光学活性なアルキル基をあら
    わす。Xは1,4−フェニレン基の置換基であって、ハロ
    ゲン原子をあらわす。) であらわされる化合物。
  2. 【請求項2】Xがフッ素あるいは塩素である特許請求の
    範囲第1項記載の化合物。
  3. 【請求項3】Qが(S)−2−メチルブチル基、また
    は炭素数4〜8(S)−2−アルキル基、(R)−2−
    アルキル基である特許請求の範囲第1項または2項記載
    の化合物。
  4. 【請求項4】一般式(I) (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、またはアルコ
    キシ基をあらわし、Qは光学活性なアルキル基をあら
    わす。Xは1,4−フェニレン基の置換基であって、ハロ
    ゲン原子をあらわす。) であらわされる化合物の少なくとも1種を配合成分とし
    て含有する液晶組成物。
  5. 【請求項5】一般式(I)で示される化合物の2種以上
    を含有する特許請求の範囲第4項記載の液晶組成物。
  6. 【請求項6】カイラルスメクチック相を有する特許請求
    の範囲第4項または5項記載の液晶組成物。
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