JP2510269B2 - 新規アルカノイルエステル化合物及びその中間体並びこれらの製造方法 - Google Patents

新規アルカノイルエステル化合物及びその中間体並びこれらの製造方法

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JP2510269B2 JP50293688A JP50293688A JP2510269B2 JP 2510269 B2 JP2510269 B2 JP 2510269B2 JP 50293688 A JP50293688 A JP 50293688A JP 50293688 A JP50293688 A JP 50293688A JP 2510269 B2 JP2510269 B2 JP 2510269B2
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利弘 平井
篤 吉沢
伊佐 西山
充睦 福政
伸之 白鳥
明久 横山
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Japan Energy Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、安定なサーモトロピックな液晶状態をとり
得、例えば、液晶テレビ等のディスプレイ用、光プリン
ターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等、液
晶やエレクトロケミクロミズムを利用するオプトエレク
トロニクス関連素子の素材として有用な液晶材料として
利用できる新規アルカノイルエステル化合物、この化合
物を含む液晶組成物、この製造中間体として利用できる
新規アルカノイルフェニル又はアルカノイルビフェニル
化合物及びこれらの化合物の製造方法に関する。
背景技術 現在、液晶化合物が、表示材料として種々の機器で応
用され、時計、電卓、小型テレビ等に実用化されてい
る。これらは、ネマチック液晶材料を主成分としたセル
を用い、TN型あるいはSTN型と呼ばれる表示方式のもの
が採用されている。この場合のセルは、液晶化合物の誘
電異方性Δεと電場Eとの弱い相互作用(ΔεE2/2)
に基づく作動であり、電場に対する応答速度が数m sec
と遅いことが欠点としてあげられている。そのため、テ
レビに用いた場合、駆動方式として画素ごとにスイッチ
ング素子を配置、付加したアクティブマトリクス方式が
主として用いられ、大画面化を図る上での障害の一つに
なっている。しかし、1975年R.B.Meyerらによって合成
された4−(4−n−デシルオキシベンジリデンアミ
ノ)ケイ皮酸−2−メチルブチルエステル(DOBAMBC)
を代表例とする強誘電体液晶の出現と、それを用いたN.
A.Clarkらの提案した新しい表示方式(Applied phys.le
tt.1980,36,899)により、μsecオーダーの高速応答性
及び電場を切っても液晶分子の配向が変わらない特性
(メモリー性)を有する液晶セルが可能となった。これ
らの材料を用いた表示素子を使えば、スイッチング素子
などを用いないマルチプレックス駆動による単純マトリ
クス方式による液晶テレビが可能となり、アクティブマ
トリクスのものに比べ、生産性やコスト、信頼性さらに
大画面化などの面ではるかに有利なものとなる。
このため、現在まで多くの強誘電性液晶材料が合成さ
れ、提案されてきた。これらの強誘電性液晶材料が表示
材料として用いられるためには、いくつかの物性が要求
されるが、その中でも基本的なものとしては、広い温度
範囲で大きな自発分極を有し、化学的に安定していると
いう点である。しかしながら、初期の強誘電性液晶は、
自発分極が、10nC/cm2以下と小さく、また分子内にシッ
フ塩基をもつものが多かったため、化学的に不安定であ
った。また、強誘電性液晶とするめには、光学活性基を
導入する必要があるが、この場合の不斉源としては、も
っぱら2−オクタノール、2−メチルブタノール誘導体
が使用されてきた。
ところで、最近、化学的に安定なエステル化合物によ
る大きな自発分極の発現が報告されている。例えば、次
式の化合物は、 78.7℃〜103.3℃の温度領域でカイラルスメクチックC
相の、また103.3〜120.8℃の温度領域でコレステリック
相の液晶となるが、この液晶の83℃における自発分極
は、89nC/cm2である(特開昭62-43号公報)。
また、次式の化合物は、 75.5〜91.5℃の温度領域でスメクチックE相の、91.5〜
107.0℃でカイラルスメクチックH相の、また107.0〜12
9.2℃でスメクチックC相の液晶となるが、この液晶の1
19.2℃における自発分極は184nC/cm2である(特開昭60-
149547号公報)。
これらはいずれも、特に後者は、大きな自発分極を有
するが、カイラルスメクチックC相をとる温度範囲が20
℃程であり、十分広いとは言えない。
一方、フェニルピリミジン系化合物についても、室温
近傍でカイラルスメクチックC相をとる例が報告されて
いる。
例えば、次式の化合物は、 40.7〜82.8℃の温度領域でカイラルスメクチックC相
の、82.8〜89.1℃でスメクチックA相の液晶となるが、
この液晶は応答速度が43℃で1500μsと遅く、自発分極
がかなり小さいと推定される(特開昭61-200973号公
報)。
また、従来とは異なる不斉炭素源、すなわちアミノ酸
を用いて大きな自発分極を発現させた、次のような化合
物が提案されている(特開昭61-165350号公報)。
この化合物は、33〜36℃の温度領域で高次のスメクチッ
ク相の、36〜52℃でカイラルスメクチックC相の、また
52〜66℃でスメクチックA相の液晶となり、降温時のカ
イラルスメクチックC相への相転移点から19℃低い温度
で、220nC/cm2と、今まで報告されたものの中で最も大
きな自発分極を発現している。この化合物は、室温近傍
でカイラルスメクチックC相をとるが、その温度範囲は
十分に広いとは言えない。また、アルキル鎖に炭素−塩
素結合を含むことから化学的に不安定である。また、一
般に、自発分極が200nC/cm2前後を有するものはカイラ
ルスメクチックC相の下に高次のスメクチック相をとる
場合が多く、これらのものは、液晶組成物を作る際に好
ましくない影響を与える場合がある。
さらに、ベンゼン環に直結したケトン基を分子内に有
する液晶化合物も、いくつか提案されている。例えばケ
トン基を有してSc相を示す化合物として次の様な化合物
が報告されている(Dietrich Demus et al.,「Flussige
Kristalle in Tabellen I及びII」、Grundstoffindust
rie、1974年及び1984年発行。) 上記式(a)の化合物では、nが9,10のものについて
降温時にのみ液晶状態をとることが、また(b)の化合
物では、nが8,9,15のもので液晶状態をとることが、さ
らに(c)の化合物は、nが3〜9のもので降温時にの
み液晶状態をとることが記載されている。しかし、これ
らの化合物は不斉炭素を有さず、強誘電性は発現しな
い。
また、分子内にケトン基と不斉炭素を有する次式の化
合物も提案されている(特開昭60-13729号公報)。
この化合物は、β位に不斉炭素を有し、降温時にのみ
68.3℃でカイラルスメクチックC相を示すが、自発分極
の値は知られていない。
またさらに、次式の化合物も報告されている(特開昭
61-251672号公報)。
この化合物は67〜69℃の温度領域でカイラルスメクチ
ックC相の、69〜79.3℃でスメクチックA相の液晶とな
るが、この液晶は応答速度が61℃で200μsecと遅いこと
から自発分極がかなり小さいと推定される。
上記の各種の化合物は、液晶において自発分極が比較
的小さいため応答速度が遅かったり、炭素−ハロゲン結
合を含むため、一般に光に対する安定性に欠けたり、ま
た、強誘電性を示す温度範囲が狭かったり、カイラルス
メクチックC相の低温側により高次のカイラルスメクチ
ック相を有する等の問題がある。
本発明者らは、かかる問題を解決するために鋭意検討
を進めた結果、α位に不斉炭素を有し、ベンゼン環に直
結したケトン基を分子内に有する化合物が、驚くべきこ
とに、光等に対し安定であり、エナンチオトロピックで
液晶状態を取る温度範囲が広く、特に、前記アルキル基
を光学活性基とすることにより自発分極が大きく応答速
度の速い強誘電性液晶となり、しかもこれらの化合物の
中にはカイラルスメクチックC相の低温側に、より高次
のカイラルスメクチック相を示さない、すなわち、カイ
ラルスメクチックC相から直結結晶へ転移する化合物が
存在すること等を見い出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたもの
で、本発明の目的は、液晶組成物として有用な新規なア
ルカノイルエステル化合物、それを含む液晶組成物及び
これらの化合物の中間体或いはこれらの製造方法を提供
することにある。
発明の開示 本発明は、一般式(I) (Aは、−、−O−、 又は 又は のいずれか、lとmは、1又は2でともに2をとること
はなく、kとnは、1以上の整数で、かつk>nであ
り、Rは、アルキル基である。ただし、Aが−O−、B
で、かつnが1の場合は、kは7以上である。)で表さ
れる新規アルカノイルフェニル化合物、これを含む液晶
組成物、この製造中間体となりうる下記一般式(II) (Xは、HO−、HOOC−又はHOCH2−のいずれか、kとn
は、1以上の整数で、かつk>nである。ただし、Xが
HO−で、かつnが1の場合は、kは7以上である。)で
表される新規アルカノイルビフェニル化合物、又は下記
一般式(III) (Xは、HO−、HOOC−又はHOCH2−のいずれか、kとn
は、1以上の整数で、かつk>nである。ただし、Xが
HO−で、かつnが1の場合は、kは7以上である。)で
表される新規アルカノイルビフェニル化合物及びこれら
の製造方法からなるものである。
上記式(I)中のRで示されるアルキル基は、原材料
の入手のし易さなどの実用的な製造上の見地から、Rと
しては、炭素数1〜18のものが好ましい。また、同様の
理由から、kは、2〜16が、nは、1〜4が好ましい。
尚、特には、上記式中Ck2k+1及びCn2n+1が結合
している炭素が不斉炭素となり、この炭素を不斉中心と
して化合物に光学活性が導入されると、液晶はカイラル
スメクチックC相を呈し、自発分極が非常に大きく応答
速度が速くて強誘電性液晶として好ましいものとなる。
上記式(I)の合成中間体となりうる上記一般式(I
I)で表される新規アルカノイルフェニル化合物及び上
記一般式(III)で表される新規アルカノイルビフェニ
ル化合物の例とその理化学的性質及び製造方法について
述べる。
先ず、上記式(II)のXが、HO−であるアルカノイル
フェノール化合物を例示する。
(+)−4−(2−メチルブタノイル)フェノール 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.2〜7.9(broa
d,1H)、8.0(ABq,2H)、7.0(ABq,2H)、3.4(m,1
H)、1.9(m,1H)、1.4(m,1H)、1.2(d,3H)、0.9
(t,3H) IR(cm-1):3250、1650、1580 Mass:174(M+) ▲〔α〕25 D▼:+38.6° (+)−4−(2−メチルオクタノイル)フェノール 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.2〜7.9(broa
d,1H)、8.0(ABq,2H)、7.0(ABq,2H)、3.4(m,1
H)、1.9〜1.2(m,17H)、0.9(t,3H) IR(KBr cm-1):3250、1650、1580 Mass:262(M+) ▲〔α〕25 D▼:+22.7° (+)−4−(2−メチルデカノイル)フェノール 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.2〜7.9(broa
d,1H)、8.0(ABq,2H)、7.0(ABq,2H)、3.4(m,1
H)、1.9〜1.2(m,17H)、0.9(t,3H) IR(KBr cm-1):3250、1650、1580 Mass:262(M+) ▲〔α〕25 D▼:+18.6° (+)−4−(2−メチルヘプタノイル)フェノール 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.2〜7.9(broa
d,1H)、8.0(ABq,2H)、7.0(ABq,2H)、3.4(m,1
H)、1.9〜1.2(m,11H)、0.9(t,3H) IR(KBr cm-1):3250、1650、1580 ▲〔α〕25 D▼:+26.9° (+)−4−(2−メチルノナノイル)フェノール 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.2〜7.9(broa
d,1H)、8.0(ABq,2H)、7.0(ABq,2H)、3.4(m,1
H)、1.9〜1.2(m,15H)、0.9(t,3H) IR(KBr cm-1):3250、1650、1580 ▲〔α〕25 D▼:+19.1° (+)−4−(2−エチルオクタノイル)フェノール 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):7.9(ABq,2
H)、7.8(s,1H)、7.0(ABq,d)、3.4(m,1H)、1.8
(m,2H)、1.5(m,2H)、1.2(ds,8H)、0.9(t,6H) IR(neat,cm-1):3250、2920、1640、1580 Mass:248(M+) ▲〔α〕25 D▼(10wt% CHCl3中):+0.55° (−)−4−(2−プロピルデカノイル)フェノール 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.0(s,1H)、
7.9(ABq,2H)、6.9(ABq,2H)、1.2(bs,18H)、0.9
(t,9H) IR(neat,cm-1):3250、2970、1640、1580 Mass:290(M+) ▲〔α〕25 D▼(2.7wt% CHCl3中):+2.6° 上記式(II−A)の化合物は、2−アルキル−1−ア
ルノールを出発原料として得られた酸ハロゲン化物をフ
ェノールと反応させることにより容易に得ることができ
る。
この出発原料である2−アルキル−1−アルカノール
は、1,2−エポキシアルカンから容易に製造できる。す
なわち先ず、上記1,2−エポキシアルカンをトリアルキ
ルアルミニウムと反応させて開環して2−アルキル−1
−アルカノールに変換させるが、これは、トリアルキル
アルミニウムのヘキサン、デカン、テトラデカン、シク
ロヘキサン等の有機溶媒溶液に、上記1,2−エポキシア
ルカンを−80℃〜150℃、ただし低沸点の有機溶媒の場
合は還流温度までの温度範囲で撹拌しながら滴下し、1
〜120時間反応させ、反応終了後の反応液を希塩酸溶液
に注入して加水分解することにより行う。この反応では
1,2−エポキシアルカン1モルに対し、トリアルキルア
ルミニウム0.5〜3モル、特には、トリアルキルアルミ
ニウム1〜2モルを使用することが好ましい。生成物で
ある2−アルキル−1−アルカノールは、抽出、相分
離、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の公知の手段で
単離精製することができる。
本発明では、上記式(II)の化合物で、−C
k2k+1、−Cn2n+1に結合した炭素が不斉炭素で、こ
の炭素を不斉中心として化合物に光学活性を持たせて、
自発分極が大きく、応答速度の速い強誘電性液晶化合物
を合成しようとする場合は、本発明の出発原料として用
いる上記2−アルキル−1−アルカノールは、光学純度
が少なくとも60%ee以上のものが好ましい。
このような光学活性の2−アルキル−1−アルカノー
ルを得るためには、光学活性を有する1,2−エポキシア
ルカンを用いるとよい。光学活性を有する1,2−エポキ
シアルカンは、ノカルディア属に属するエポキシ生産能
を有する菌株を、α−オレフィンを含有する培地で好気
的条件下に反応させることによって得ることができる
(特公昭56-40号公報参照)。この微生物を利用する方
法により得られる1,2−エポキシアルカンが光学活性を
有することは、その後に確認されたものであるが、α−
オレフィンから極めて簡便に、しかも安価に製造できる
ので、特に有利である。
上記式(II−A)の化合物の合成においては、2−ア
ルキル−1−アルカノールを、先ず、酸化剤で酸化す
る。酸化剤としては、光学活性化合物の合成においては
ラセミ化が起こらずに酸化できるものが選定されが、過
マンガン酸カリウムが、最も簡便で好ましい。この過マ
ンガン酸カリウムを用いる酸化反応は、酸性下で行うこ
とが好ましく、酸としては、硫酸を用いると良い。反応
操作は、10〜50%の硫酸水溶液に2−アルキル−1−ア
ルカノールを加え、このアルコールに対し1〜3倍モル
の過マンガン酸カリウムを20〜30℃の温度に保ちながら
ゆっくり加えて反応させる。以上のようにして得られた
反応混合物を亜硫酸水素ナトリウムの水溶液に加える
と、未反応の過マンガン酸カリウム及び二酸化マンガン
が水に溶け、エーテル等の有機溶媒で抽出することがで
きる。この抽出を繰返し、蒸留、カラムクロマトグラフ
ィー等の公知の手段で分離し、2−アルキルアルカン酸
を単離、精製することができる。
得られた2−アルキルアルカン酸を、無機ハロゲン化
物、例えば、塩化チオニル、五塩化リン、三塩化リン、
塩化ホスホリル等と反応させて酸ハロゲン化物とする。
この反応操作は、上記無機ハロゲン化物を20〜60℃の
温度に保持し、撹拌しながら、上記2−アルキルアルカ
ン酸を滴下し、50〜90℃の温度で、1〜3時間反応させ
ることが好ましい。
このようにして得られた酸ハロゲン化物を無水塩化ア
ルミニウムまたは三フッ化ホウ素等の触媒の存在下にフ
ェノールと反応させると、まずエステル化反応が起こ
り、次に転位反応により、光学活性を有する場合にはラ
ミル化することなく、いわゆるフェノールがアシル化さ
れた4−(2−アルキルアルカノイル)フェノールが生
成する。
このアシル化操作は、上記フェノールを塩化メチレン
等の有機溶媒に溶解し、−20〜−10℃の温度に保持し、
撹拌しながら、上記酸ハロゲン化物を滴下し、−10〜10
℃の温度で、1〜3時間反応させることにより、フェニ
ル−2−メチルアルカン酸エステルを得ることができ
る。このエステル化合物を、無水塩化アルミニウム等の
触媒の存在下に10〜40℃の温度で、2〜10時間反応させ
ることによりアシル化された4−(2−アルキルアルカ
ノイル)フェノールを得ることができる。
また、他の4−(2−アルキルアルカノイル)フェノ
ールの合成法としては、先ず酸ハロゲン化物を無水塩化
アルミニウムまたは三フッ化ホウ素等の触媒の存在下に
アニソールと反応させると、パラ位にアシル化された化
合物が生成する。これを蒸留、カラムクロマトグラフィ
ー等の単離操作に供した後、光学活性を有する場合はラ
セミ化することなく4−(2−アルキルアルカノイル)
アニソールが得られる。
このアシル化操作は、酸塩化物、無水ハロゲン化アル
ミニウムを塩化メチレン等の有機溶媒に溶解させ、これ
を塩化メチレン等の有機溶媒にアニソールを溶解した混
合物に、−10℃〜10℃の温度に保持しながら滴下し、1
〜10時間反応させることにより行う。更に、この様にし
て得られた4−(2−アルキルアルカノイル)アニソー
ルはトルエン等の有機溶媒に溶解させた後、無水ハロゲ
ン化アルミニウムを加えて1〜10時間、更に40℃で1〜
5時間反応させることにより、光学活性のものはラセミ
化することく4−(2−アルキルアルカノイル)フェノ
ールを得ることができる。
上記式(II)のXが、HOCH2−であるアルカノイルフ
ェニル化合物を例示する。
(+)−4−(2−メチルオクタノイル)ベンジルアル
コール 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):7.92(d,2H)、
7.40(d,2H)、4.68(s,2H)、3.43(m,1H)、2.0〜1.1
(m,10H)、1.15(d,3H)、0.85(t,3H) IR(cm-1):3400、2910、2840、1675、1605、146
1、1375、1225 ▲〔α〕25 D▼(4.0wt% CHCl3中):17.5° 上記タイプの化合物は、市販の4−ハロベンジルアル
コールをアルキルビニルエーテルと反応させて4−ハロ
ベンジル−(1−アルコキシ)エチルエーテルとした
後、2−アルキルアルカン酸ハライドとグリニャール反
応によりカップリングさせ、酸性条件下で、保護基を外
すことにより、光学活性を有する化合物の場合でも、ラ
セミ化することなく得られる。
上記式(II)のXが、HOOC−であるアルカノイルフェ
ニル化合物を例示する。
(+)−4−(2−メチルオクタノイル)安息香酸 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):10.50(broad
S,1H)、8.18(ABq,2H)、7.96(ABq,2H)、3.41(m,1
H)、1.8〜1.1(m,10H)、1.13(d,3H)、0.82(t,3H) IR(cm-1):3300〜2600、2910、2840、1705、168
0、1425、1285、1225、715 ▲〔α〕25 D▼(3.5wt% CHCl3中):7.9° 上記タイプの化合物は、4−(2−アルキルアルカノ
イル)ベンジルアルコールを過マンガン酸カリウム等に
よって酸化することにより、光学活性を有する化合物の
場合でも、ラセミ化することなく得られる。
次に、前記式(I)の化合物の他の中間体である前記
式(III)のXが、HO−であるアルカノイルビフェニル
化合物を例示する。
(+)−4−ヒドロキシ−4′−(2−メチルブタノイ
ルル)ビフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.05(d,2H)、
7.65(d,2H)、7.53(d,2H)、7.06(d,2H)、3.50(m,
1H)、2.10〜1.40(m,2H)、1.22(d,3H)、0.96(t,3
H) IR(KBR,cm-1):3300、2930、2910、1650、1590 Mass:254(M+) ▲〔α〕25 D▼(12.8wt% CHCl3中):+19.0° (+)−4−ヒドロキシ−4′−(2−メチルオクタノ
イル)ビフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):7.98(d,2H)、
7.60(d,2H)、7.50(d,2H)、6.92(d,2H)、6.00(b
r,1H)、3.84(m,1H)、2.00〜1.15(m,10H)、1.22
(d,3H)、1.0〜0.75(m,6H) IR(neat cm-1):3300、2900、2850、1650、1585 Mass:310(M+) ▲〔α〕25 D▼(4.8wt% CHCl3中):+2.6° 上記タイプの化合物は、2−アルキルアルカン酸をヒ
ドロキシビフェニルと縮合してエステル化する。このエ
ステル化反応は、鉱酸触媒の存在下に、60〜120℃の温
度で容易に進行する。この場合、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の有機溶媒の存在下、この溶媒の還流下に反
応させると良い。また、前記鉱酸触媒としては、塩酸、
硫酸、塩化チオニル、フッ化ホウ素、等を用いることが
できる。
次に、この2−アルキルアルカン酸ビフェニルエステ
ルを2−アルキルアルカン酸のハロゲン化物と反応させ
る。すなわち、上記2−アルキルアルカン酸ビフェニル
エステルとこのハロゲン化物とを無水塩化アルミニウム
または三フッ化ホウ素等の触媒の存在下に反応させる
と、前記ビフェニルエステルのビフェニルの4′位に、
2−アルキルアルカン酸ハライドが光学活性を有する場
合はラセミ化することなく、2−アルキルアルカノイル
として付加し、2−アルキルアルカン酸−4′−(2−
アルキルアルカノイル)ビフェニルが生成する。この場
合の2−アルキルアルカン酸は、上記酸ハロゲン化に用
いた2−アルキルアルカン酸と同じ化合物を用いても良
く、また別の鎖長の化合物を用いても良いことは言うま
でもない。
この反応操作は、上記2−アルキルアルカン酸ビフェ
ニルエステル及び2−アルキルアルカン酸ハライドをニ
トロベンゼン、塩化メチレン等の有機溶媒に溶解し、−
20〜50℃の温度に保持し、1〜100時間撹拌すると良
い。
この2−アルキルアルカン酸−4−′(2−アルキル
アルカノイル)ビフェニルを、アルコール/水等の溶媒
の存在下、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の
アルカリを用い、−20〜50℃の温度で、加水分解し、次
いで塩酸、硫酸等の無機酸で中和することにより上記タ
イプの化合物を得ることができる。
前記式(III)のXが、HOCH2−であるアルカノイルビ
フェニル化合物を例示する。
(+)−4−(2−メチルオクタノイル)−4′−ヒド
ロキシメチルビフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.02(d,2H)、
7.65(d,2H)、7.45(d,2H)、4.71(s,2H)、3.45(m,
1H)、2.75(broad s,1H)、1.7〜1.2(m,10H)、1.18
(d,3H)、0.85(t,3H) IR(neat cm-1):3400、2910、2840、1675、1600、
1480、1212、810 ▲〔α〕25 D▼(6.1wt% CHCl3中):+3.9° 上記タイプの化合物は、先ず、市販の4−ハロビフェ
ニルと塩化アセチルと反応させて4−アセチル−4′−
ハロビフェニルとし、アルカリ加水分解により、4′−
ハロビフェニル−4−カルボン酸とした後、水素化アル
ミニウムリチウムにより還元して4′−ハロ−4−ヒド
ロキシメチルビフェニルとする。この化合物にアルキル
ビニルエーテルを反応させて、4−(4−ハロフェニ
ル)ベンジル−(1−アルコキシ)エチルエーテルと
し、グリニャール反応により2−アルキルアルカン酸ク
ロリドとカップリングさせた後、酸性条件下で、保護基
を外すことにより、光学活性を有する化合物の場合で
も、ラセミ化することなく上記タイプの化合物を得るこ
とができる。
前記式(III)のXが、HOOC−であるアルカノイルビ
フェニル化合物を例示する。
(−)−4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル
−4−カルボン酸 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):10.55(broad
s,1H)、8.23(d,2H)、8.07(d,2H)、7.73(d,2H)、
7.65(d,2H)、3.45(m,1H)、1.80〜1.20(m,10H)、
1.20(d,3H)、0.85(t,3H) IR(KBr,cm-1):3200〜2500、2910、2840、1685、1
675、1600、1425、1300 ▲〔α〕25 D▼(1.1wt% CHCl3中):−19.90 上記タイプの化合物は、4′−(2−アルキルアルカ
ノイル)−4−ヒドロキシメチルビフェニルを過マンガ
ン酸カリウム等の酸化剤によって酸化することにより、
光学活性を有する化合物の場合でも、ラセミ化すること
なく上記タイプの化合物を得ることができる。
次に、前記式(I)の代表的化合物の例とその理化学
的性質及び製造方法を以下に述べる。
先ず、第1番目として、前記(I)式のうち下記のタ
イプの化合物について説明する。
(Aは、−、−O−、 又は のいずれか、Rは、アルキル基、kとnは1以上の整数
で、かつk>nである) この化合物は、一般的には2−アルキル−1−アルカ
ノールを酸化して、2−アルキル−1−アルカン酸を
得、これを酸ハロゲン化物とし、これにフェノールを反
応させて4−アルカノイルフェノールを得、次いで、こ
の4−アルカノイルフェノールと4′−アルコキシビフ
ェニル−4−カルボン酸、4′−アルキルビフェニル−
4−カルボン酸、4′−アルカノイルオキシビフェニル
−4−カルボン酸、4′−アルキルオキシカルボニルオ
キシビフェニル−4−カルボン酸、4′−アルキルオキ
シカルボニルビフェニル−4−カルボン酸、または4′
−アルカノイルビフェニル−4−カルボン酸とをエステ
ル化させることにより製造することができる。
上記式(IV)のうち、先ず下記の式のタイプの化合物
について具体的に例示する。
4−(2−メチルブタノイル)フェニル,4′−オクチル
オキシビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3〜7.0(12
H)、4.0(t,2H)、3.4(m,1H)、1.9〜0.9(m,23H) IR(KBr cm-1):2950〜2850、1735、1680、1600 Mass:486(M+) 4−(2−メチルデカノイル)フェニル,4′−オクチル
オキシビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3〜7.0(12
H)、4.0(t,2H)、3.4(m,1H)、1.9〜0.9(m,35H) IR(KBr cm-1):2950〜2850、1735、1680、1600 Mass:570(M+) 4−(2−メチルブタノイル)フェニル,4′−ドデシル
オキシビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3〜7.0(12
H)、4.0(t,2H)、3.4(m,1H)、1.9〜0.9(m,31H) IR(KBr cm-1):2950〜2850、1735、1680、1600 Mass:542(M+) 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4′−オクチ
ルオキシビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3〜7.0(12
H)、4.0(t,2H)、3.4(m,1H)、1.9〜0.9(m,31H) IR(KBr cm-1):2950〜2850、1735、1680、1600 Mass:542(M+) 4−(2−メチルヘプタノイル)フェニル,4′−オクチ
ルオキシビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3〜7.0(12
H)、4.0(t,2H)、3.4(m,1H)、1.9〜0.9(m,29H) IR(KBr cm-1):2950〜2850、1735、1680、1600 Mass:528(M+) 4−(2−メチルノナノイル)フェニル,4′−ヘキシル
オキシビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3〜7.0(12
H)、4.0(t,2H)、3.4(m,1)、1.9〜0.9(m,29H) IR(KBr,cm-1):2950〜2850、1735、1680、1600 Mass:528(M+) 4−(2−メチルノナノイル)フェニル,4′−オクチル
オキシビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3〜7.0(12
H)、4.0(t,2H)、3.4(m,1H)、1.9〜0.9(m,33H) IR(KBr cm-1):2950〜2850、1735、1680、1600 Mass:556(M+) 4−(2−メチルノナノイル)フェニル,4′−ノニルオ
キシビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3〜7.0(12
H)、4.0(t,2H)、3.4(m,1H)、1.9〜0.9(m,35H) IR(KBr cm-1):2950〜2850、1735、1680、1600 Mass:570(M+) 4−(2−メチルノナノイル)フェニル,4′−ドデシル
オキシビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3〜7.0(12
H)、4.0(t,2H)、3.4(m,1H)、1.9〜0.9(m,41H) IR(KBr cm-1):2950〜2850、1735、1680、1600 Mass:612(M+) 4−(2−エチルオクタノイル)フェニル,4′−オクチ
ルオキシビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3(ABq,2
H)、8.1(ABq,2H)、7.7(ABq,2H)、7.6(ABq,2H)、
7.3(ABq,2H)、7.0(ABq,2H)、4.0(t,2H)、3.4(m,
1H)、1.9〜1.4(m,4H)、1.4〜1.2(m,20H)、0.9(t,
9H) IR(KBr cm-1):2950〜2850、1735、1680、1600 Mass:556(M+) 4−(2−プロピルデカノイル)フェニル,4′−オクチ
ルオキシビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3(ABq,2H),
8.1(ABq,2H)、7.7(ABq,2H)、7.6(ABq,2H)、7.3
(ABq,2H)、7.0(ABq,2H)、4.0(t,2H)、3.4(m,1
H)、1.9〜1.4(m,4H)、1.4〜1.2(m,20H)、0.9(t,9
H) IR(KBr cm-1):2900、2850、1735、1680、1600 Mass:598(M+) これらのタイプの化合物は、4−アルカノイルフェノ
ールを4′−アルキルオキシビフェニル−4−カルボン
酸とエステル化させることにより容易に得ることができ
る。
尚、4′−アルキルオキシビフェニル−4−カルボン
酸は、市販されている4′−アルキルオキシ−4−シア
ノビフェニルをアルカリ条件下に加水分解することによ
って、または市販されている4−ヒドロキシ−4′−シ
アノビフェニルを加水分解して得られる4−ヒドロキシ
ビフェニル−4′−カルボン酸と1−ブロモアルカン等
を反応させることによって容易に得ることができる。
次に、前記式(IV)のうち、下記式のタイプの化合物
について具体的に例示する。
4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4′−デカノ
イルオキシビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.30〜8.00(AB
q,4H)、7.80〜7.61(ABq,4H)、7.40〜7.19(ABq,4
H)、3.44(m,1H)、2.60(t,2H)、1.90〜1.18(m,27
H)、0.88(t,6H) IR(KBr cm-1):2900、2850、1745、1730、1676、1
600 Mass:554(M+) 上記タイプの化合物は、アルカノイルフェノールを4
−アルカノイルオキシビフェニル−4′−カルボン酸と
反応させることにより、光学活性を有する化合物の場合
でもラセミ化することなく、上記化合物を得ることがで
きる。尚、上記4−アルカノイルオキシビフェニル−
4′−カルボン酸は、市販の4−ヒドロキシ−4′−シ
アノビフェニルを加水分解して得られる4−ヒドロキシ
ビフェニル−4′−カルボン酸を市販のアルカン酸クロ
リドと反応させることによって容易に得ることができ
る。
次に、前記式(IV)のうち、下記のタイプの化合物に
ついて具体的に例示する。
4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4′−オクチ
ルオキシカルボニルオキシビフェニル−4−カルボン酸
エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.45〜8.12(AB
q,4H)、7.85〜7.73(ABq,4H)、7.52〜7.37(ABq,4
H)、4.28(t,2H)、3.43(M,1H)、1.90〜1.19(m,25
H)、0.92(t,3H)、0.89(t,3H) IR(KBr cm-1):2900、2850、1755、1735、1675、1
595 Mass:586(M+) このタイプの化合物は、アルカノイルフェノールを4
−アルキルオキシカルボニルオキシビフェニル−4′−
カルボン酸と反応させることにより、光学活性を有する
化合物の場合でもラセミ化することなく、上記化合物を
得ることができる。尚、この4−アルキルオキシカルボ
ニルオキシビフェニル−4′−カルボン酸は、市販の4
−ヒドロキシ−4′−シアノビフェニルを加水分解して
得られる4−ヒドロキシビフェニル−4′−カルボン酸
を市販のアルキルギ酸クロリドと反応させることによっ
て容易に得ることができる。
次に、前記式(IV)のうち、下記式のタイプの化合物
について具体的に例示する。
4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4′−ノニル
ビフェニル−4−カルボン酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3〜7.2(12
H)、3.45(m,1H)、2.65(t,2H)、1.9〜1.2(m,27
H)、0.9(m,6H) IR(KBr cm-1):2950〜2850、1735、1675、1600 上記タイプの化合物は、市販の4′−アルキル−4−
シアノビフェニルを加水分解して4′−アルキルビフェ
ニル−4−カルボン酸とした後、4−(2−アルキルア
ルカノイル)フェノールとエステル化することにより、
光学活性を有する化合物の場合でもラセミ化することな
く得ることができる。
第2番目として、前記(I)式のうち下記のタイプの
化合物について説明する。
(Aは、−、−O−、 又は のいずれか、Rは、アルキル基、kとnは、1以上の整
数で、k>nである) この化合物は、一般的には2−アルキル−1−アルカ
ノールを酸化して、2−アルキル−1−アルカン酸を
得、これを酸ハロゲン化物とし、これにフェノールを反
応させて4−アルカノイルフェノールを得、次いで、こ
の4−アルカノイルフェノールと4−アルコキシ安息香
酸、4−アルキル安息香酸、4−アルカノイルオキシ安
息香酸、4−アルキルオキシカルボニルオキシ安息香
酸、4−アルキルオキシカルボニル安息香酸、または4
−アルカノイル安息香酸とをエステル化させることによ
り製造することができる。
前記式(V)のうち、先ず下記式のタイプの化合物に
ついて具体的に例示する。
4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−4−オクチ
ルオキシ安息香酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.2(ABq,2
H)、8.0(ABq,2H)、7.3(ABq,2H)、7.0(ABq,2H)、
4.1(t,2H)、3.5(m,1H)、1.9〜0.9(m,31H) IR(KBr cm-1):2950、2850、1720、1680、1610 Mass:466(M+) 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−4−テトラ
デシルオキシ安息香酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.2(ABq,2
H)、8.0(ABq,2H)、7.3(ABq,2H)、7.0(ABq,2H)、
4.1(t,2H)、3.5(m,1H)、1.9〜0.9(m,43H) IR(KBr cm-1):2950、2850、1720、1680、1610 Mass:550(M+) 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−4−ヘキシ
ルオキシ安息香酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.2(ABq,2
H)、8.0(ABq,2H)、7.3(ABq,2H)、7.0(ABq,2H)、
4.1(t,2H)、3.5(m,1H)、1.9〜0.9(m,27H) IR(KBr cm-1):2950、2850、1720、1680、1610 Mass:438(M+) これらのタイプの化合物は、4−アルカノイルフェノ
ールを通常のエステル化条件下に4−アルコキシ安息香
酸と反応させることにより、光学活性を有するものの場
合でもラセミ化することなく、上記式の化合物を得るこ
とができる。
尚、上記の4−アルコキシ安息香酸は、市販されては
いるが、同様に市販されている4−ヒドロキシ安息香酸
とハロゲン化アルキルとをアルカリ条件下に反応させる
ことによって、安価に得ることができる。
次に、前記式(V)のうち、下記式のタイプの化合物に
ついて具体的に例示する。
4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4−オクチル
安息香酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3〜8.0(m,4
H)、7.4〜7.2(m,4H)、3.2(m,1H)、2.8(t,2H)、
1.9〜0.9(m,31H) IR(KBr cm-1):2940、1740、1680、1600 Mass:466(M+) 上記タイプの化合物は、市販の4−アルキル安息香酸
と4−(2−アルキルアルカノイル)フェノールをエス
テル化させることにより、光学活性を有するものの場合
でもラセミ化することなく得ることができる。
次に、前記式(V)のうち、下記式のタイプの化合物
について具体的に例示する。
4−デカノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオク
タノイル)フェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3〜8.0(m,4
H)、7.4〜7.2(m,4H)、3.5(m,1H)、2.6(t,2H)、
1.9〜0.8(m,33H) IR(KBr cm-1):2950、2850、1760、1740、1680、1
610 Mass:508(M+) 4−ノナノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオク
タノイル)フェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.3〜8.0(m,4
H)、7.4〜7.2(m,4H)、3.5(m,1H)、2.6(t,2H)、
1.9〜0.8(m,31H) IR(KBr cm-1):2940、1740、1680、1600 上記タイプの化合物は、アルカノイルフェノールを4
−アルカノイルオキシ安息香酸と反応させることにより
合成することができる。尚、この4−アルカノイルオキ
シ安息香酸は、市販の4−ヒドロキシ安息香酸を市販の
アルカン酸クロリドと反応させることにより容易に得る
ことができる。
次に、前記式(V)のうち、下記式のタイプの化合物
について具体的に例示する。
4−ドデシルオキシカルボニルオキシ安息香酸−4−
(2−メチルオクタノイル)フェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.2(ABq,2
H)、8.1(ABq,2H)、7.4(ABq,2H)、7.2(ABq,2H)、
4.3(t,2H)、3.5(m,1H)、1.9〜0.9(m,39H) IR(KBr cm-1):2920、2850、1760、1740、1680、1
600 Mass:566(M+) 上記タイプの化合物は、アルカノイルフェノールを4
−アルキルオキシカルボニルオキシ安息香酸と反応させ
ることにより合成することができる。尚、この4−アル
キルオキシカルボニルオキシ安息香酸は、市販の4−ヒ
ドロキシ安息香酸を市販のアルキルギ酸クロリドと反応
させることにより容易に得ることができる。
次に、前記式(V)のうち、下記式のタイプの化合物
について具体的に例示する。
4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−4−オクチ
ルオキシカルボニル安息香酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,δppm):8.34〜7.26
(8H)、4.37(t,2H)、3.47(m,1H)、1.90〜0.89(31
H) IR(KBr cm-1):2800、2750、1730、1718、1670、1
580 Mass:494(M+) 上記タイプの化合物は、アルカノイルフェノールを4
−アルキルオキシカルボニル安息香酸と反応させること
により、光学活性を有する化合物の場合でもラセミ化す
ることなく、得ることができる。尚、上記4−アルキル
オキシカルボニル安息香酸は、市販のテレフタル酸ジク
ロリドとアルコールをエステル化させることにより得ら
れる。このエステル化は、例えば、ピリジン、トリエチ
ルアミン等の塩基性溶媒を用い、1〜2時間、還流下に
反応させることにより行うと良い。
次に、前記式(V)のうち、下記式のタイプの化合物
について具体的に例示する。
4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−4−オクチ
ルカルボニル安息香酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,δppm):8.24〜7.29
(8H)、3.42(m,1H)、3.02(t,2H)、1.90〜0.89(31
H) IR(KBr cm-1):2800、1750、1735、1680、1580 Mass:478(M+) 上記タイプの化合物は、アルカノイルフェノールを4
−アルカノイル安息香酸と反応させることにより、光学
活性を有する化合物の場合でもラセミ化することなく、
得ることができる。
尚、上記4−アルカノイル安息香酸は、先ず、フッ化
ベンゼンと酸ハライドを塩化アルミニウムや臭化アルミ
ニウム等のハロゲン化アルミニウム触媒の存在下に反応
させ、4−アルカノイルフッ化ベンゼンとする。次に、
これをシアン化ナトリウムとシアン化カリウム等で処理
して、4−アルカノイルベンゾニトリルとし、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム等のアルカリを用いて加水分
解することにより、4−アルカノイル安息香酸を得るこ
とができる。
第3番目として、前記(I)式のうち下記のタイプの
化合物について説明する。
(Aは、−、−O−、 又は のいずれか、Rは、アルキル基、kとnは、1以上の整
数で、かつk>nである) この化合物は、一般的には2−アルキル−1−アルカ
ノールを酸化して2−アルキル−1−アルカン酸を得、
これをヒドロキシビフェニルと縮合してエステル化し、
次いで、このエステル化物と2−アルキル−1−アルカ
ン酸の酸ハロゲン化物とを反応させた後、アルカリ条件
下に当該エステルを加水分解して、4−ヒドロキシ−
4′−(2−アルキルアルカノイル)ビフェニルとし、
これと4−アルコキシ安息香酸、4−アルキル安息香
酸、4−アルキルオキシカルボニル安息香酸、4−アル
カノイルオキシ安息香酸、4−アルカノイル安息香酸、
または4−アルキルオキシカルボニルオキシ安息香酸と
をエステル化させることにより製造することができる。
前記式(VI)のうち、先ず下記式のタイプの化合物に
ついて具体的に例示する。
4−オクチルオキシ安息香酸−4−(2−メチルブタノ
イル)ビフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.15(d,2H)、
8.0,(d,2H)、7.55(d,4H)、7.27(d,2H)、6.95(d,
2H)、4.02(t,2H):3.50(m,1H)、2.00〜1.20(m,14
H)、1.20(d,3H)、1.05〜0.80(m,6H) IR(KBr cm-1):2910、2840、1725、1675、1605 Mass:486(M+) 4−オクチルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオクタ
ノイル)ビフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.17(d,2H)、
8.05(d,2H)、7.70(d,4H)、7.32(d,2H)、6.98(d,
2H)、4.05(t,2H)、3.49(m,1H)、2.00〜1.15(m,22
H)、1.18(d,3H)、1.0〜0.75(m,6H) IR(KBr cm-1):2910、2860、1730、1680、1605 Mass:542(M+) 上記タイプの化合物は、4−ヒドロキシ−4′−(2
−アルキルアルカノイル)ビフェニルを、通常のエステ
ル化条件下に4−アルキルオキシ安息香酸と反応させる
ことにより、光学活性を有するものの場合でもラセミ化
することなく、上記式の化合物を得ることができる。
次に、前記式(VI)のうち、下記式のタイプの化合物
について具体的に例示する。
4−デカノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチルブタ
ノイル)ビフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.24(ABq,2
H)、8.02(ABq,2H)、7.67(ABq,4H)、7.31(ABq,2
H)、7.24(ABq,2H)、3.45(m,1H)、2.61(t,3H)、
2.05〜1.30(m,16H)、1.24(d,3H)、0.96(m,6H) IR(KBr cm-1):2910、2840、1740、1730、1670、1
600 Mass:528(M+) 4−デカノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオク
タノイル)ビフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.19(ABq,2
H)、7.98(ABq,2H)、7.62(ABq,4H)、7.26(ABq,2
H)、7.20(ABq,2H)、3.45(m,1H)、2.61(t,2H)、
2.00〜1.25(m,24H)、1.25(d,3H)、0.90(m,6H) IR(KBr cm-1):2910、2840、1745、1735、1670、1
600 Mass:584(M+) 4−テトラデカノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチ
ルオクタノイル)ビフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.25(d,2H)、
8.10〜7.92(m,2H)、7.75〜7.57(m,4H)、7.35〜7.15
(m,4H)、3.48(m,1H)、2.58(t,2H)、1.95〜1.70
(m,4H)、1.60〜1.20(m,28H)、1.23(d,3H)、0.88
(m,6H) IR(KBr cm-1):2910、2840、1745、1735、1675、1
600、1280、1070 4−ノナノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオク
タオイル)ビフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.26(d,2H)、
8.10(d,2H)、7.70(d,4H)、7.35(d,2H)、7.26(d,
2H)、3.47(m,1H)、2.60(t,2H)、2.00〜1.25(m,22
H)、1.27(d,3H)、0.87(m,6H) IR(KBr cm-1):2910、2840、1750、1738、1675、1
600、1280、1215、1160、1073 上記タイプの化合物は、4−ヒドロキシ−4′−(2
−アルキルアルカノイル)ビフェニルを、通常のエステ
ル化条件下に4−アルカノイルオキシ安息香酸と反応さ
せることにより、光学活性を有するものの場合でもラセ
ミ化することなく、得ることができる。
次に、前記式(VI)のうち、下記式のタイプの化合物
について具体的に例示する。
4−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−4−オク
チルオキシカルボニル安息香酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,δppm):8.36〜7.26
(12H)、4.36(t,2H)、3.50(m,1H)、2.00〜0.89
(m,31H) IR(KBr cm-1):2800、2750、1730、1712、1680、1
580 Mass:570(M+) 上記タイプの化合物は、4−ヒドロキシ−4′−(2
−アルキルアルカノイル)ビフェニルと4−アルキルオ
キシカルボニル安息香酸とエステル化反応させることに
より、光学活性を有するものの場合でもラセミ化するこ
となく、得ることができる。
次に、前記式(VI)のうち、下記式のタイプの化合物
について具体的に例示する。
4−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−4−ノナ
ノイル安息香酸エステル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,δppm):8.20〜7.30
(12H)、3.50(m,1H)、3.00(t,2H)、2.00〜0.90(3
1H) IR(KBr cm-1):2800、2750、1735、1680、1580 Mass:554(M+) 上記タイプの化合物は、4−ヒドロキシ−4′−(2
−アルキルアルカノイル)フェニルと4−アルカノイル
安息香酸とをエステル化反応させることにより、光学活
性を有するものの場合でもラセミ化することなく、得る
ことができる。
次に、前記式(VI)のうち、下記式のタイプの化合物
について具体的に例示する。
4−オクチル安息香酸−4−(2−メチルオクタノイ
ル)ビフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.12(d,2H)、
8.02(d,2H)、7.66(d,4H)、7.30(d,4H)、3.47(m,
1H)、2.71(t,2H)、2.00〜1.20(m,22H)、1.23(d,3
H)、0.89(m,6H) IR(KBr cm-1):2910、2840、1725、1670、1600、1
461、1270、1212、1055 上記タイプの化合物は、4−ヒドロキシ−4′−(2
−アルキルアルカノイル)ビフェニルを4−アルキル安
息香酸とエステル化することにより、光学活性を有する
化合物の場合でもラセミ化することなく得ることができ
る。
第4番目として、前記(I)式のうち下記のタイプの
化合物について説明する。
(Aは、−、−O−、 又は のいずれか、Rは、アルキル基、kとnは、1以上の整
数で、かつk>nである) この化合物は、一般的には4−アルカノイル安息香酸
と4−ヒドロキシ−4′−アルコキシビフェニル、4−
ヒドロキシ−4′−アルカノイルオキシビフェニル、4
−ヒドロキシ−4′−アルキルビフェニル、4−ヒドロ
キシ−4′−アルキルオキシカルボニルビフェニル、4
−ヒドロキシ−4′−アルキルオキシカルボニルオキシ
ビフェニル、または4−ヒドロキシ−4′−アルカノイ
ルビフェニルとをエステル化させることにより製造する
ことができる。
前記式(VII)のうち、先ず下記式のタイプの化合物
について具体的に例示する。
4−(2−メチルオクタノイル)安息香酸−4−オクチ
ルオキシビフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.27(d,2H)、
8.02(d,2H)、7.52(t,4H)、7.23(d,2H)、6.94(d,
2H)、4.00(t,2H)、3.46(m,1H)、2.00〜1.20(m,22
H)、1.21(d,3H)、0.89(m,6H) IR(KBr cm-1):2910、2840、1730、1678、1495、1
270、1215、1080、800 上記タイプの化合物は、次の方法により合成すること
ができる。すなわち、市販の4−ハロベンジルアルコー
ルをアルキルビニルエーテルと反応させて、4−ハロベ
ンジル−(1−エトキシ)アルキルエーテルとした後、
2−アルキルアルカン酸クロリドとグリニヤール反応に
よりカップリングさせ、次いで保護基を外して4−(2
−アルキルアルカノイル)ベンジルアルコールを得た。
これを過マンガン酸カリウム等の酸化剤により酸化し、
4−(2−アルキルアルカノイル)安息香酸とし、これ
と、市販の4,4′−ジヒドロキシビフェニルをモノアル
キル化することにより得られる4−ヒドロキシ−4′−
アルキルオキシビフェニルとをエステル化させることに
より、光学活性を有する化合物の場合でもラセミ化する
ことなく上記タイプの化合物を得ることができる。
次に、前記式(VII)のうち、下記式のタイプの化合
物について具体的に例示する。
4−(2−メチルオクタノイル)安息香酸−4−ノナノ
イルオキシビフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.33(d,2H)、
8.06(d,2H)、7.65(d,2H)、7.60(d,2H)、7.30(d,
2H)、7.17(d,2H)、3.46(m,1H)、2.56(t,2H)、1.
90〜1.20(m,22H)、1.20(d,3H)、0.85(m,6H) IR(KBr cm-1):2910、2840、1745、1735、1680、1
492、1282、1220、1080、815 上記タイプの化合物は、4−(2−アルキルアルカノ
イル)安息香酸と市販の4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ルとをエステル化させて、4−(2−アルキルアルカノ
イル)安息香酸−4′−ヒドロキシビフェニルとした
後、アルカン酸クロリドとエステル化させることによ
り、光学活性を有する化合物の場合でもラセミ化するこ
となく上記タイプの化合物を得ることができる。
第5番目として、前記(I)式のうち下記タイプの化
合物について説明する。
(Aは、−、−O−、 又は のいずれか、Rは、アルキル基、kとnは、1以上の整
数で、かつk>nである) この化合物は、一般的には4−アルカノイル安息香酸
と4−アルコキシフェノール、4−アルキルフェノー
ル、4−アルカノイルオキシフェノール、4−アルキル
オキシカルボニルフェノール、4−アルキルオキシカル
ボニルオキシフェノール、または4−アルカノイルフェ
ノールとをエステル化させることにより製造することが
できる。
前記式(VIII)のうち、下記式のタイプの化合物につ
いて具体的に例示する。
4−(2−メチルオクタノイル)安息香酸−4−オクチ
ルオキシフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.24(d,2H)7.
99(d,2H)、7.09(d,2H)、6.88(d,2H)、3.94(t,2
H)、3.43(m,1H)、2.00〜1.20(m,22H)、1.20(d,3
H)、0.89(m,6H) IR(KBr cm-1):2910、2840、1732、1675、1495、1
455、1250、1185、1070、817 4−(2−メチルオクタノイル)安息香酸−4−ヘキシ
ルオキシフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.25(d,2H)、
8.00(d,2H)、7.11(d,2H)、6.89(d,2H)、3.96(t,
2H)、3.47(m,1H)、2.00〜1.20(m,18H)、1.21(d,3
H)、0.90(m,6H) IR(KBr cm-1):2915、2840、1735、1680、1512、1
468、1270、1200、1080、975、860、710 上記タイプの化合物は、4−(2−アルキルアルカノ
イル)安息香酸と4−アルキルオキシフェノールとをエ
ステル化することにより、光学活性を有する化合物の場
合でもラセミ化することなく得ることができる。
第6番目として、前記(I)式のうち下記のタイプの
化合物について説明する。
(Aは、−、−O−、 又は のいずれか、Rは、アルキル基、kとnは、1以上の整
数で、かつk>nである) この化合物は、一般的には4′−アルカノイルビフェ
ニル−4−カルボン酸とアルコキシフェノール、4−ア
ルキルフェノール、4−アルカノイルオキシフェノー
ル、4−アルキルオキシカルボニルフェノール、4−ア
ルキルオキシカルボニルオキシフェノール、または4−
アルカノイルフェノールとをエステル化させることによ
り製造することができる。
前記式(IX)のうち、先ず下記式のタイプの化合物に
ついて具体的に例示する。
4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−4−カ
ルボン酸−4−オクチルオキシフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.24(d,2H)、
8.03(d,2H)、7.72(d,2H)、7.62(d,2H)、7.11(d,
2H)、6.90(d,2H)、3.96(t,2H)、3.50(m,1H)、2.
00〜1.20(m,20H)、1.21(d,3H),0.89(m,6H) IR(KBr cm-1):2910、2840、1735、1675、1602、1
505、1275、1245、1192、1075 上記タイプの化合物は、次のような方法で合成するこ
とができる。先ず、市販の4−ハロビフェニルと塩化ア
セチルとを反応させて、4−アセチル−4′−ハロビフ
ェニルとし、これを酸化して4′−ハロビフェニル−4
−カルボン酸とした後、水素化アルミニウムリチウムに
より還元し、4′−ハロ−4−ヒドロキシメチルビフェ
ニルとする。次いで、これにアルキルビニルエーテルを
反応させ、4−(4−ハロフェニル)ベンジル−(1−
アルコキシ)エチルエーテルとし、これと2−アルキル
アルカン酸クロリドとをグリニヤール反応によりカップ
リングさせた後、酸性条件下で保護基を外すことによ
り、4′−(2−アルキルアルカノイル)−4−ヒドロ
キシメチルビフェニルを得る。次いでこの化合物を過マ
ンガン酸カリウム等の酸化剤により酸化して、4′−
(2−アルキルアルカノイル)ビフェニル−4−カルボ
ン酸とした後、アルキルオキシフェノールとエステル化
することにより、光学活性を有する化合物の場合でもラ
セミ化することなく上記タイプの化合物を得ることがで
きる。
次に、前記式(IX)式のうち、下記式のタイプの化合
物について具体的に例示する。
4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−4−カ
ルボン酸−4−ヘプチルフェニル 1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.25(d,2H)、
8.09(d,2H)、7.72(d,2H)、7.62(d,2H)、7.29(d,
2H)、7.12(d,2H)、3.49(m,1H)、2.70(t,2H)、2.
00〜1.20(m,20H)、1.22(d,3H)、0.89(m,6H) IR(KBr cm-1):2910、2840、1730、1675、1600、1
480、1275、1055 上記タイプの化合物は、4′−(2−アルキルアルカ
ノイル)ビフェニル−4−カルボン酸を4−アルキルフ
ェノールとエステル化することにより、光学活性を有す
る化合物の場合でもラセミ化することなく得ることがで
きる。
尚、前記式(I)の化合物は、単独で用いることは勿
論、他の液晶材料と混合して用いることができることは
いうまでもない。
図面の簡単な説明 第1図は、4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル,4−オクチルオキシ安息香酸エステルと4−(2−メ
チルオクタノイル)フェニル,4−テトラデシルオキシ安
息香酸エステルとを比を変えて混合したときの相図、 第2図は、4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル,4−テトラデシルオキシ安息香酸エステルと4−デカ
ノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオクタノイ
ル)フェニルとを比を変えて混合したときの相図、 第3図は、4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル,4−オクチルオキシ安息香酸エステルと4−デカノイ
ルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオクタノイル)フ
ェニルとを比を変えて混合したときの相図をそれぞれ示
す。
発明を実施するための最良の形態 〈アルカノイルフェノール化合物〉 (実施例1) (+)−4−(2−メチルブタノイル)フェノールの合
成 水500mlに水酸化ナトリウム3.14g(74m mol)と過マ
ンガン酸カリウム25.9g(164m mol)とを溶解し、38〜4
2℃の温度に保持した液に、撹拌しながら、(−)−2
−メチルブチルアルコール10g(113m mol)を滴下ロー
トから42分間かけて滴下し、さらに、20分間撹拌反応さ
せた後、氷水で急冷した。
次に、得られた反応混合物をエーテルで洗浄し、3Nの
塩酸を加えて酸性にした後、クロロホルムで抽出した。
この抽出液を、10%塩化ナトリウムで洗浄した後、硫酸
マグネシウムで乾燥し、濃縮した後、減圧蒸留(沸点96
〜98℃/38mmHg)し、8.92gの無色透明の液状物を得た。
この化合物は分析の結果、(+)−2−メチルブタン酸
であることが確認され、収率78%(87.3m mol)であっ
た。
次に、フラスコに入れたチオニルクロリド11.7g(98.
3m mol)を36〜38℃の温度に保持し、撹拌しながら、こ
れに上記で得られた(+)−2−メチルブタン酸を7分
間で滴下した。40分間室温で撹拌、反応させた後、80℃
の温度で30分間撹拌し、反応させた。次いで、これを蒸
留し、無色透明の(+)−2−メチルブタン酸クロリド
6.5g(53.9m mol、収率64%)を得た。
次に、無水塩化メチレン78mlにフェノール7.41g(79m
mol)を入れ、窒素下−12℃で塩化アルミニウム24.78g
(310m mol)を加えたものに、−15℃の温度で、上記で
得られた(+)−2−メチルブタン酸クロリド9.95g(8
3m mol)を滴下して加え、塩氷で冷却しながら2時間撹
拌した。この反応混合物を氷水1000mlに入れ、塩化メチ
レンで抽出、水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾
別、濃縮後、赤褐色の液体であるフェニル−2−メチル
ブタル酸エスエル13.80gを得た。このフェニル−2−メ
チルブタル酸エステルを塩化メチレン75ml中に入れ、窒
素化で−10℃の温度で、塩化アルミニウム14.93g(186m
mol)を加え、ゆっくり室温に戻した後、4時間加熱還
流した。得られた反応混合物を氷水700mlに移し、クロ
ロホルムで抽出し、この有機層を水で洗浄した後、硫酸
マグネシウムで乾燥、濾別、濃縮後、シリカゲルによる
カラムクロマトグラフィーで分離し、前述した理化学的
性質を有する赤褐色液体の(+)−4−(2−メチルブ
タノイル)フェノール5.71g(32m mol、収率41%)を得
た。
(実施例2) (+)−4−(2−メチルデカノイル)フェノールの合
成 水96mlに濃硫酸14.6g及び(−)−2−メチルデカノ
ール8.6g(50m mol)を加えた後、反応温度を25℃以下
に保ちながら、少量づつ4時間かけて過マンガン酸カリ
ウム16.4g(10.4m mol)を加えた。得られた反応混合物
を氷水300mlに移し、亜硫酸水素ナトリウム30gを加え、
塩酸を用いてpH1以下にした後、エーテルで抽出し、次
いで、10%の水酸化ナトリウム溶液で抽出した。この抽
出物に塩酸を加え、pH1以下にし、クロロホルムで再度
抽出した。これを水洗し、乾燥、濃縮後、減圧蒸溜(0.
4mmHg,116〜120℃)により、(+)−2−メチルデカン
酸5.2g(収率63%)を得た。
次に、実施例1の後段に記載した方法において(−)
−2−メチルブタン酸の代わりに上記で合成した(+)
−2−メチルデカン酸を用い、実施例1と同様の方法に
より、当該化合物を酸塩化物にし、塩化メチレン中で塩
化アルミニウムを用いて、フェノールと反応させ、前述
した理化学的性質を有する(+)−4−(2−メチルデ
カノイル)フェノールを収率40%で得た。
(実施例3) (+)−4−(2−メチルオクタノイル)フェノールの
合成 水330mlに濃硫酸46.4g及び(−)−2−メチルオクタ
ノール21.2g(147m mol)を加えた後、反応温度を21〜2
8℃に保ちながら、少量づつ7.3時間かけて過マンガン酸
カリウム63.4g(401m mol)を加えた。得られた反応混
合物を氷水270mlに移し、亜硫酸水素ナトリウム52gを加
えた後、塩酸を用いてpH1以下にした後、エーテルで抽
出し、次いで、10%の水酸化ナトリウム溶液で抽出し
た。この抽出物に塩酸を加え、pH1以下にし、クロロホ
ルムで再度抽出した。これを水洗し、乾燥、濃縮後、減
圧蒸溜(0.28mmHg,91〜94℃)により、(+)−2−メ
チルオクタン酸15.3g(収率64%)を得た。
次に、フラスコに入れたチオニルクロリド8.98g(75.
5m mol)に、室温で撹拌しながら、上記で得られた
(+)−2−メチルオクタン酸8.93g(56.4m mol)を加
えた。次に、室温で10分間、30℃で20分間、40℃で30分
間、70℃で2時間、それぞれ撹拌、反応させた。過剰の
塩化チオニルを留去して、淡褐色の(−)−2−メチル
オクタン酸クロリド9.80g(55.5m mol、収率98%)を得
た。
無水塩化メチレン50mlにフェノール5.31g(56.4m mo
l)を入れた後、窒素下−12℃で塩化アルミニウム30.0g
(225m mol)を加えた。次に、これを−13〜−8℃の温
度に保ちつつ、上記で得られた(+)−2−メチルオク
タン酸クロリド9.80g(55.5m mol)を滴下して加えた。
滴下終了後、ゆっくり室温に戻し、35℃の温度で1時間
撹拌し、次いで13時間加熱還流した。得られた反応混合
物を3Nの塩酸水溶液800mlの入った容器に移し、クロロ
ホルムで抽出し、この有機層を水で洗浄した後、硫酸マ
グネシウムで乾燥、濾別、濃縮後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで分離し、前述した理化学的性質を有
する赤褐色液体の(+)−4−(2−メチルオクタノイ
ル)フェノール5.30g(22.6m mol、収率41%)を得た。
(実施例4) (+)−4−(2−メチルオクタノイル)アニソールの
合成 10mlの2つ口フラスコに2−メチルオクタン酸クロリ
ド2.03g(11.5m mol)と乾燥塩化メチレン3.0mlを導入
し、室温で撹拌しながら無水塩化アルミニウム1.75gを
加えた後、更に撹拌を続けてこれを溶解させた。次い
で、この内容物を乾燥アニソール1.23g(11.3m mol)と
乾燥塩化メチレン3.0mlの混合物中に、撹拌しながら氷
冷下、6℃以下の反応温度に保ちつつ、滴下し、30分間
撹拌した。その後、室温で一晩撹拌し続けた。
次に、この反応混合物を氷水100mlに移し、塩化メチ
レン25mlで2回抽出した後、有機層を水40mlで洗い、次
いで硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、濾過、濃縮
後、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーで分
離し、前述した理化学的性質を有する淡黄褐色のオイル
状生成物(+)−4−(2−メチルオクタノイル)アニ
ソール1.84g(7.4m mol、収率65%)を得た。
(実施例5) (+)−4−(2−メチルオクタノイル)フェノールの
合成 50mlナス型フラスコに、上記4−(2−メチルオクタ
ノイル)アニソール1.84g(7.4m mol)と乾燥トルエン3
5mlとを加え、氷冷下、撹拌しながら無水臭化アルミニ
ウム8.68gを加え、更に室温で一晩撹拌し続けた。その
後、40℃で4時間撹拌した後、放冷し、この反応混合物
を氷水100mlに移した。次いでトルエン40mlで2回抽出
後、有機層を水80mlで洗浄し、次いで硫酸マグネシウム
で乾燥した。その後、濾過、濃縮後、減圧乾燥して赤褐
色のオイル状(+)−4−(2−メチルオクタノイル)
フェノール1.70g(7.3m mol、収率98%)を得た。
(実施例6) (+)−4−(2−メチルヘプタノイル)フェノールの
合成 実施例3の(−)−2−メチルオクタノールの代りに
(−)−2−メチルヘプタノールを用い、実施例3と同
様に硫酸酸性下に過マンガン酸カリウムで酸化すること
により、2−メチルヘプタン酸を得、この化合物を塩化
チオニルと反応させて、(+)−2−メチルヘプタン酸
クロリドとした後、実施例3と同様の方法によりフェノ
ールと反応させ、前述した理化学的性質を有する赤褐色
液体の(+)−4−(2−メチルヘプタノイル)フェノ
ールを得た。
(実施例7) (+)−4−(2−メチルノナノイル)フェノールの合
成 実施例3の(−)−2−メチルオクタノールの代りに
(−)−2−メチルノナノールを用い、実施例3と同様
に硫酸酸性下に過マンガン酸カリウムで酸化することに
より、2−メチルノナン酸を得、この化合物を塩化チオ
ニルと反応させて、(+)−2−メチルノナン酸クロリ
ドとした後、実施例3と同様の方法によりフェノールと
反応させ、前述した理化学的性質を有する赤褐色液体の
(+)−4−(2−メチルノナノイル)フェノールを得
た。
(実施例8) (+)−4−(2−エチルオクタノイル)フェノールの
合成 (−)−2−エチル−1−オクタノール5.12g(32.3m
mol)に水60mlと濃硫酸9.12gを加えた後、撹拌しなが
ら、過マンガン酸カリウム9.96g(63.0m mol)を反応温
度22〜28℃に保ちながらゆっくり加えた。その後、反応
混合物にエーテル50ml、亜硫酸水素ナトリウム10.2ml及
び氷水30mlを加え、これらを氷水60mlに移した後、エー
テルで抽出した。このエーテル層から2−エチルオクタ
ン酸を10%水酸化ナトリウム水溶液で抽出した。
次に、この水層に濃塩酸30mlを加えpH1以下とし、2
−エチルオクタン酸をクロロホルムで抽出、有機層を水
で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾別後、
減圧蒸留(107〜111℃/1.1mmHg)し、(+)−2−エチ
ルオクタン酸を2.92g(収率52%)得た。
次に、上記の(+)−2−エチルオクタン酸2.72g(1
5.8m mol)とチオニルクロリド2.48g(20.8m mol)をフ
ラスコに入れ、撹拌しながら、27℃の温度で20分間、40
℃で50分、60℃で50分、さらに80℃で2時間反応させ
た。次に、これを蒸留して淡褐色液体の比旋光度▲
〔α〕25 D▼が+4.5の(+)−2−エチルオクタン酸ク
ロリド3.09gを得た。
無水塩化メチレン12.2mlにフェノール1.47g(15.6m m
ol)を入れた後,氷塩浴で冷却し、−15〜−8℃に保ち
ながら無水塩化アルミニウム8.24g(61.8m mol)を加え
た。次に、これに−14〜−7℃の温度に保ちながら、上
記で得られた(+)−2−エチルオクタン酸クロリド2.
95g(15.7m mol)を滴下して加え、38℃の温度に加温し
て7時間反応させた。反応混合物に水60mlとクロロホル
ム70mlとを加え、これを、氷水100mlに濃塩酸14mlを添
加した液中に入れ、クロロホルムで抽出、水洗した後、
硫酸マグネシウムで乾燥、濾別、濃縮後、赤褐色の液体
3.78gを得た。これをシリカゲルによるカラムクロマト
グラフィー及び薄層クロマトグラフィーで分離し、赤褐
色液体で、前述した理化学的性質を有する(+)−4−
(2−エチルオクタノイル)フェノール1.08g(純度84
%、収率46%)を得た。
(実施例9) (+)−4−(2−プロピルデカノイル)フェノールの
合成 実施例8の(−)−2−エチル−1−オクタノールの
代りに(−)−2−プロピル−1−デカノール5.07g(2
5.3 mol)を用い、実施例6と同様に硫酸酸性下、過マ
ンガン酸カリウムで酸化することにより、2−プロピル
デカン酸を得、この2.19g(10.2m mol)と塩化チオニル
1.75g(14.7m mol)とを用いて実施例8と同様な条件で
反応させて、淡褐色液体で、比旋光度▲〔α〕25 D▼が
+1.63の(+)−2−プロピルデカン酸クロリド2.39g
を得た。
次いで、実施例8の(+)−2−エチルオクタン酸ク
ロリドの代りに上記方法で得られた(+)−2−プロピ
ルデカン酸クロリド2.33g(9.36m mol)を用いて、同様
の操作を行った。この結果、前述した理化学的性質を有
する高粘性で赤褐色の(+)−4−(2−プロピルデカ
ノイル)フェノール0.77gを得た。
〈4−ヒドロキシ−4′−(2−アルキルアルカノイ
ル)ビフェニル化合物〉 (実施例10) (+)−4−ヒドロキシ−4′−(2−メチルブタノイ
ル)ビフェニルの合成 (+)−2−メチルブタン酸5.49g、4−ヒドロキシ
ビフェニル8.50g及びトルエン20mlをフラスコに入れ、
撹拌しながら塩化チオニル4.0ml(55m mol)を加え、70
〜80℃の温度に保持し、8時間反応させた。反応終了
後、室温まで冷却し、水を加えて過剰の塩化チオニルを
分解した後、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
させた。溶媒留去後に、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製し、油状の比旋光度▲〔α〕25 D▼(クロ
ロホルム中16.46wt%)が+15.1°の(+)−2−メチ
ルブタン酸ビフェニル12.69gを得た。
次に(+)−2−メチルブタン酸クロリド4.0gとニト
ロベンゼン7mlをフラスコに入れ0℃まで冷却して、撹
拌しながら、塩化アルミニウム10.74g(80m mol)を加
えた後、ニトロベンゼンの9mlに(+)−2−メチルブ
タン酸−4−ビフェニル4.97g(19.6m mol)を溶解した
液を加え、室温で70時間撹拌した。次に、2規定の塩酸
と氷を加えた後、クロロホルムで抽出した。当該クロロ
ホルム相を水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を留去した後に、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製し、油状の2−メチルブタン酸−4−
(2−メチルブタノイル)ビフェニル3.60g(収率54
%)を得た。この精製物のNMR分析値は次の通りであっ
た。
1H−NMR(CDCl3中,TMS基準,ppm):8.02(d,2H)、7.
63(d,2H)、7.60(d,2H)、7.20(d,2H)、3.42(m,1
H),2.67(m,1H),1.75〜1.95(m,2H)、1.4〜1.75(m,
2H)、1.32(d,3H)、1.20(d,3H)、1.06(t,3H)、0.
96(t,3H) 上記で得られた2−メチルブタン酸−4−(2−メチ
ルブタノイル)ビフェニル0.67g、メチルアルコール95m
l及び水5mlを取り、撹拌しながら炭酸水素ナトリウム1.
14g(13.6m mol)を加え、室温で40時間加水分解反応を
行った。反応終了後、メタノールを留去した後、1規定
の塩酸を加えてpHを1以下とし、ジクロロメタンで抽出
した。この液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を留去して、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製した。前述した物性を有する淡黄色結晶の
(+)−4−ヒドロキシ−4′−(2−メチルブタノイ
ル)ビフェニル0.44g(収率88%)を得た。
(実施例11) (+)−4−ヒドロキシ−4′−(2−メチルオクタノ
イル)ビフェニルの合成 (−)−2−メチルオクタノール21.2g(147m mol)
に水330mlと濃硫酸46.4gの水溶液を加え、撹拌して、エ
マルジョンにした。これに、過マンガン酸カリウム63.4
g(401m mol)を7時間かけて滴下した。次に、この反
応液に亜硫酸水素ナトリウム51.5gと氷水70ml、エーテ
ル200mlを用いて、氷水270mlに、全てを移した。二層を
分離後、水層からエーテルで反応生成物を抽出し、次い
で、10%水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、氷を加えた
後、濃硫酸を加えて、pHを1以下とした。この水層から
クロロホルムで抽出し、水で洗浄後、硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾別後、濾液を濃縮、減圧蒸留して、無色透
明の液体である、(+)−2−メチルオクタン酸16.5g
(収率71%)を得た。
次に、フラスコに入れた塩化チオニル2.38g(19.0m m
ol)を36〜38℃の温度に保持し、撹拌しながら、これに
上記で得られた(+)−2−メチルオクタン酸2.51g(1
5.9m mol)を7分間で滴下した。40分間室温で撹拌、反
応させた後、80℃の温度で30分間撹拌、反応させた。次
に、これを蒸留して無色透明の(+)−2−メチルオク
タン酸クロリド2.81g(15.9m mol、収率100%)を得
た。
次に、この(+)−2−メチルオクタン酸クロリド2.
02g(11.4m mo)とニトロベンゼン3mlをフラスコに入れ
0度まで冷却して、撹拌しながら、無水塩化アルミニウ
ム3.06g(22.9m mol)を加えた後、室温で30分間撹拌し
た。これにニトロベンゼン3mlに溶解した(+)−2−
メチフオクタン酸ビフェニル2.89g(7m mol)を加えた
後、室温で、140時間撹拌し、反応させた。反応終了
後、2N塩酸と氷を加えた後、クロロホルムで抽出し、水
で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去
した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し、油状の(+)−2−メチルオクタン酸−4−(2−
メチルオクタノイル)ビフェニル1.55g(収率49%)を
得た。
上記で得られた2−メチルオクタン酸−4−(2−メ
チルオクタノイル)ビフェニル0.85g(1.9m mol)、メ
チルアルコール70ml及び水5mlを入れ、撹拌しながら炭
酸水素ナトリウム0.98g(11.7m mol)を加え、室温で46
時間反応させた。反応終了後、メタノールを留去した
後、1規定の塩酸を加えてpHを1以下とし、ジクロロメ
タンで抽出した。この液を水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、溶媒を留去して、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製した。前述した理化学的性質を
有する淡黄色結晶の(+)−4−ヒドロキシ−4′−
(2−メチルオクタノイル)ビフェニル0.54g(収率92
%)を得た。
〈アルカノイルエステル化合物〉 (実施例12) 4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸の合
成 水−エタノールの混合溶媒240mlに水酸化ナトリウム5
0gを溶解させた溶液に、市販の4′−オクチルオキシ−
4−シアノビフェニル10g(32m mol)を加え、加熱、還
流下3時間反応させた。反応混合物を塩酸で酸性にした
後、濾別し、エタノール−酢酸溶媒で、再結晶し、固体
物を得た。この生成物について、KBr法による赤外スペ
クトル分析を行った結果、3400cm-1,3200cm-1,2950〜28
50cm-1,1650cm-1,1600cm-1にそれぞれ吸収が認められ、
4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸であ
ることが確認できた。
4−(2−メチルブタノイル)フェニル,4′−オクチル
オキシビフェニル−4−カルボン酸エステルの合成 上記の方法で得た4′−オクチルオキシビフェニル−
4−カルボン酸1.8g(5.5m mol)に塩化チオニル20mlを
加え、加熱、還流下に3時間反応させた後、過剰の塩化
チオニルを減圧留去し、油状の酸塩化物を得た。この塩
化物に、氷冷下で、(+)−4−(2−メチルブタノイ
ル)フェノール1g(5.6m mol)を乾燥ピリジン5mlに溶
解して滴下した。
滴下終了後、室温で24時間反応させ、水、クロロホル
ムを用いて抽出した。乾燥、濃縮後に、再結晶を行い、
固体結晶物120mg(0.25m mol)を得た。
得られた化合物を分析した結果、前記に示した理化学
的物性を有し、4−(2−メチルブタノイル)フェニ
ル,4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸エ
ステルであることが確認された。
液晶性の評価 上記化合物をホットステージ付きの偏光顕微鏡を用い
て、組織の変化を観察した結果、昇温過程において、7
4.5℃でスメクチックC相の液晶状態となり、131.0℃で
スメクチックA相の液晶に変化し、187.0℃で等方性液
体となった。また、降温過程では、185.6℃でスメクチ
ックA相の液晶状態と成り、130.0℃でスメクチックC
相の液晶に変化し、68.0℃で高次のスメクチック相に変
わり、51.2℃で固体結晶となった。
また、厚さ3μmのポリイミドを塗布したラビングセ
ルに上記化合物を封入し、100Hzの交流をかけ、三角波
法により、75℃で自発分極を測定した結果、138nC/cm2
と大きい自発分極を示した。
(実施例13) 4−(2−メチルデカノイル)フェニル,4′−オクチル
オキシビフェニル−4−カルボン酸エステルの合成 塩化メチレン5mlに4′−オクチルオキシビフェニル
−4−カルボン酸450mg(1.4m mol)、(+)−4−
(2−メチルデカノイル)フェノール350mg(1.4m mo
l)、4−ジメチルアミノピリジン10mgを入れた混合物
に、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド275mg(1.
4m mol)を加えた。これを4時間加熱還流した後、濾過
し、濾液を塩化メチレンで抽出し、水洗し、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、濾別、濃縮後、エタノールで再結晶
し、前述した物性を有する白色の4−(2−メチルデカ
ノイル)フェニル,4′−オクチルオキシビフェニル−4
−カルボン酸エステルを得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、59.0℃で強誘電性相
の液晶状態となり、124.0℃でスメクチックA相の液晶
に変化し、152.0℃で等方性液体となった。また、降温
過程では、150.7℃でスメクチックA相の液晶状態と成
り、125℃でスメクチックC相の液晶に変化し、58.0℃
で固体結晶となった。
また、実施例12と同様の方法で、自発分極を測定した
結果、60℃で、210nC/cm2と大きい自発分極を示した。
(実施例14) 4−(2−メチルブタノイル)フェニル,4′−ドデシル
オキシビフェニル−4−カルボン酸エステルの合成 実施例12の4′−オクチルオキシビフェニル−4−カ
ルボン酸の合成方法において、4′−オクチルオキシ−
4−シアノビフェニルの代わりに、4′−ドデシルオキ
シ−4−シアノビフェニルを用いた以外は、実施例12に
示した方法と同様の方法で加水分解して、4′−ドデシ
ルオキシビフェニル−4−カルボン酸を得た。この4′
−ドデシルオキシビフェニル−4−カルボン酸を用い
て、実施例13の4−(2−メチルデカノイル)フェニ
ル,4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸エ
ステルの合成に記載した方法と同様の方法で、4−(2
−メチルブタノイル)フェニルと縮合させることによ
り、前記に示した理化学的性質を有する4−(2−メチ
ルブタノイル)フェニル,4′−ドデシルオキシビフェニ
ル−4−カルボン酸エステルを合成した。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、68.0℃での強誘電性
相の液晶状態となり、107.0℃でスメクチックA相の液
晶に変化し、178.0℃で等方性液体となった。また、降
温過程では、177.0℃でスメクチックA相の液晶状態と
成り、105.0℃でスメクチックC相の液晶に変化し、64.
0℃で他の強誘電性相に変化した後、57.0℃で固体結晶
となった。
また、実施例12と同様の方法で、自発分極を測定した
結果、65℃で、100nC/cm2であった。
(実施例15) 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4′−オクチ
ルオキシビフェニル−4−カルボン酸エステルの合成 実施例13の4−(2−メチルデカノイル)フェニル,
4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸エス
テルの合成に記載した方法と同様の方法で、4′−オク
チルオキシビフェニル−4−カルボン酸と(+)−4−
(2−メチルオクタノイル)フェノールとを縮合させた
後、濾過し、濾液を塩化メチレンで抽出し、水洗し、硫
酸マグネシウムで乾燥し、濾別、濃縮後、エタノールで
再結晶し、前述した物性を有する4−(2−メチルオク
タノイル)フェニル,4′−オクチルオキシビフェニル−
4−カルボン酸エステルを得た(収率30%)。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、50.0℃で強誘電性相
の液晶状態となり、76.0℃のスメクチックC相に、さら
に132.0℃でスメクチックA相の液晶に変化し、150.0℃
で等方性液体となった。また、降温過程では、150.0℃
でスメクチックA相の液晶状態となり、132.0℃でスメ
クチックC相の液晶に変化し、60.0℃で他の強誘電性液
晶に変化した後、26.0℃で固体結晶となった。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、62℃で、293nC/cm2(30Vpp,100Hz)、39℃で、40
3nC/cm2(70Vpp,5Hz)と非常に大きな値であった。
(実施例16) 4−(2−メチルヘプタノイル)フェニル,4′−オクチ
ルオキシビフェニル−4−カルボン酸エステルの合成 実施例13の4−(2−メチルデカノイル)フェニル,
4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸エス
テルの合成に記載した方法と同様の方法で、4′−オク
チルオキシビフェニル−4−カルボン酸と(+)−4−
(2−メチルヘプタノイル)フェノールとを縮合させ
て、前述した物性を有する(+)−4−(2−メチルヘ
プタノイル)フェニル,4′−オクチルオキシビフェニル
−4−カルボン酸エステルを得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、65.0℃で強誘電性相
の液晶状態となり、71.0℃でカイラルスメクチックC相
に、さらに137.0℃でスメクチックA相の液晶に変化
し、156.5℃で等方性液体となった。また、降温過程で
は、155.9℃でスメクチックA相の液晶状態と成り、13
6.0℃でカイラルスメクチックC相の液晶に変化し、60.
1℃で他の強誘電性液晶に変化した後、29.1℃で固体結
晶となった。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、65℃で、310nC/cm2(30Vpp,100Hz)と非常に大き
な値であった。
(実施例17) 4−(2−メチルノナノイル)フェニル,4′−ヘキシル
オキシビフェニル−4−カルボン酸エステルの合成 実施例12の4′−オクチルオキシビフェニル−4−カ
ルボン酸の合成方法において、4′−オクチルオキシ−
4−シアノビフェニルの代わりに、4′−ヘキシルオキ
シ−4−シアノビフェニルを用いた以外は、実施例12に
示した方法と同様の方法で加水分解して、4′−ヘキシ
ルオキシビフェニル−4−カルボン酸を得た。この4′
−ヘキシルビフェニル−4−カルボン酸を用いて、実施
例13の4−(2−メチルノナノイル)フェニル,4′−オ
クチルオキシビフェニル−4−カルボン酸エステルの合
成に記載した方法と同様の方法で、(+)−4−(2−
メチルノナノイル)フェノールと縮合させることによ
り、前記に示した理化学的性質を有する4−(2−メチ
ルノナノイル)フェニル,4′−ヘキシルオキシビフェニ
ル−4−カルボン酸エステルを合成した。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、115℃でスメクチッ
クA相の液晶状態となり、150℃で等方性液体となっ
た。また、降温過程では、150℃でスメクチックA相の
液晶状態と成り、110℃でカイラルスメクチックC相の
液晶に変化し、85℃で固体結晶となった。
また、実施例12と同様の方法で、自発分極を測定した
結果、90℃で、136.7nC/cm2(30Vpp,100Hz)であった。
(実施例18) 4−(2−メチルノナノイル)フェニル,4′−オクチル
オキシビフェニル−4−カルボン酸エステルの合成 実施例13の4−(2−メチルデカノイル)フェニル,
4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸エス
テルの合成に記載した方法と同様の方法で、4′−オク
チルオキシビフェニル−4−カルボン酸と(+)−4−
(2−メチルノナノイル)フェノールとを縮合させて、
前述した物性を有する4−(2−メチルノナノイル)フ
ェニル,4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン
酸エステルを得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、57.5℃で強誘電性相
の液晶状態となり、67.6℃でカイラルスメクチックC相
に、さらに124.0℃でスメクチックA相の液晶に変化
し、144.5℃で等方性液体となった。また、降温過程で
は、142.8℃でスメクチックA相の液晶状態と成り、12
2.0℃でカイラルスメクチックC相の液晶に変化し、55.
3℃で他の強誘電性液晶に変化した後、28.0℃で固体結
晶となった。
また実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した結
果、65℃で、272.2nC/cm2(30Vpp,100Hz)と非常に大き
な値であった。
(実施例19) 4−(2−メチルノナノイル)フェニル,4′−ノニルオ
キシビフェニル−4−カルボン酸エステルの合成 実施例12の4′−オクチルオキシビフェニル−4−カ
ルボン酸の合成において、4′−オクチルオキシ−4−
シアノビフェニルの代りに、4′−ノニルオキシ−4−
シアノビフェニルを用いた以外は、実施例12に示した方
法と同様の方法で加水分解して、4′−ノニルオキシビ
フェニル−4−カルボン酸を得た。この4′−ノニルオ
キシビフェニル−4−カルボン酸を用いて、実施例13の
4−(2−メチルノナノイル)フェニル,4′−オクチル
オキシビフェニル−4−カルボン酸エステルの合成に記
載した方法と同様の方法で、4−(2−メチルノナノイ
ル)フェノールと縮合させることにより、前記に示した
理化学的物性を有する4−(2−メチルノナノイル)フ
ェニル,4′−ノニルオキシビフェニル−4−カルボン酸
エステルを合成した。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、38.6℃で強誘電性相
の液晶状態となり、56.2℃でカイラルスメクチックC相
に、さらに118.0℃でスメクチックA相の液晶に変化
し、141.7℃で等方性液体となった。また、降温過程で
は、140.6℃でスメクチックA相の液晶状態と成り、11
7.0℃でカイラルスメクチックC相の液晶に変化し、48.
2℃で他の強誘電性液晶に変化した後、28.0℃で固体結
晶となった。
また実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した結
果、50℃で、303.9nC/cm2(30Vpp,100Hz)と非常に大き
な値であった。
(実施例20) 4−(2−メチルノナノイル)フェニル,4′−ドデシル
オキシビフェニル−4−カルボン酸エステルの合成 実施例13の4−(2−メチルデカノイル)フェニル,
4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸エス
テルの合成に記載した方法と同様の方法で、4′−ドデ
シルオキシビフェニル−4−カルボン酸と(+)−4−
(2−メチルノナノイル)フェニールとを縮合させて、
前述した物性を有する4−(2−メチルノナノイル)フ
ェニル,4′−ドデシルオキシビフェニル−4−カルボン
酸エステルを得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、65.0℃で強誘電性相
の液晶状態となり、75.0℃でカイラルスメクチックC相
に、さらに112.0℃でスメクチックA相の液晶に変化
し、126.0℃で等方性液体となった。また降温過程では1
25.0℃でスメクチックA相の液晶状態となり、112.0℃
でカイラルスメクチックC相の液晶に変化し、54.5℃で
固体結晶となった。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、60℃で217.2nC/cm2(30Vpp,100Hz)であった。
(実施例21) 4−(2−エチルオクタノイル)フェニル,4′−オクチ
ルオキシビフェニル−4−カルボン酸エステルの合成 塩化メチレン10mlに、4′−オクチルオキシビフェニ
ル−4−カルボン酸660mg(2.0m mol)、(+)−4−
(2−エチルオクタノイル)フェノール500mg(2.0m mo
l)及び4−ジメチルアミノピリジン20mgを加えた混合
物に、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド500mg
(2.4m mol)を添加した。これを加熱、還流下に4時間
反応させた後、濾過し、濾液を塩化メチレンで抽出、水
洗、乾燥した。濃縮後、カラムクロマトグラフィーで単
離し、固体結晶物210mg(0.38m mol)を得た。
得られた化合物を分析した結果、前記に示した理化学
的性質を有し、4−(2−エチルオキタノイル)フェニ
ル、4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸
エステルであることが確認された。
液晶性の評価 上記化合物の液晶性について実施例12と同様の方法
で、組織の変化を観察した結果、昇温過程(+2℃/mi
n)において、64.8℃で強誘電性相の液晶状態となり、6
9.8℃でカイラルスメクチックC相となり、103.3℃でス
メクチックA相の液晶に変化した後、113.3℃で等方性
液体となった。また、降温過程では、114.2℃でスメク
チックA相の液晶状態と成り、102.6℃でカイラルスメ
クチックC相の液晶に変化し、67.2℃で他の強誘電性相
に変化した後、44.1℃で固体結晶となった。
また、実施例12の方法で自発分極を測定した結果、6
7.6℃で139nC/cm2を示した。
(実施例22) (+)4−(2−プロピルデカノイル)フェニル,4′−
オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸エステルの
合成 実施例21の4−(2−エチルオクタノイル)フェニ
ル,4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸エ
ステルの合成方法において、(+)−4−(2−エチル
オクタノイル)フェノールの代りに、(+)−4−(2
−プロピルデカノイル)フェノールを用いて、同様な操
作を行い、前述した理化学的性質を有する4−(2−プ
ロピルデカノイル)フェニル,4′−オクチルオキシビフ
ェニル−4−カルボン酸エステルを得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、22.0℃で強誘電性相
の液晶状態となり、27.0℃でカイラルスメクチックC相
の液晶に、66.2℃でスメクチックA相に変化した後、83
℃で等方性液体となった。また、降温過程では、85.0℃
でスメクチックA相の液晶状態と成り、69.9℃でカイラ
ルスメクチックC相の液晶に、また27.0℃で他の強誘電
性相の液晶状態に変化した後、17.6℃で固体結晶となっ
た。
(実施例23) 4−デカノイルオキシビフェニル−4′−カルボン酸の
合成 4−ヒドロキシ−4′−シアノビフェニルをアルカリ
加水分解して得られた4−ヒドロキシビフェニル−4′
−カルボン酸1.5g(7m mol)を乾燥ピリジン10mlに加
え、これにデカン酸クロリド1.4g(7m mol)を滴下し
た。1時間撹拌反応させた後、トルエン−水で抽出し
た。このトルエン層を酸性にし、析出した固体をエチル
アルコールで再結晶し、白色固体で、1745cm-1、1680cm
-1、1600cm-1に赤外吸収スペクトルを有する4−デカノ
イルオキシビフェニル−4′−カルボン酸1.0g(2.7m m
ol、収率36%)を得た。
4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4′−デカオ
イルオキシビフェニル−4−カルボン酸エステルの合成 塩化メチレン10mlに上記で得た4−デカノイルオキシ
ビフェニル−4′−カルボン酸250mg(0.68m mol)、4
−(2−メチルオクタノイル)フェノール300mg(1.28m
mol)及び4−ジメチルアミノピリジン20mgを加え、こ
れにN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド200mg(0.
68m mol)を添加した。これを2時間加熱還流した後、
濾過し、濾液を塩化メチレンで抽出、水洗、乾燥した。
この塩化メチレン溶液を濾別し、濃縮後、カラムクロマ
トグラフィーで単離し、前述した理化学的性質を有する
白色の4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4′−
デカノイルオキシビフェニル−4−カルボン酸エステル
100mg(0.17m mol、収率25%)を得た。
液晶性の評価 上記化合物の液晶性について実施例12に記載した方法
により組織の変化を観察した結果、昇温過程において、
66.0℃で、強誘電性液晶状態となり、76.0℃でカイラル
スメクチックC相の液晶に変わり、120.1℃でスメクチ
ックA相の液晶に変化し、154.2℃で等方性液体となっ
た。また、降温過程では、157.3℃でスメクチックA相
の液晶状態と成り、117.1℃でカイラルスメクチックC
相の液晶に変化し、57.6℃で他の強誘電性液晶相に変わ
り、38.0℃で固体結晶となった。
また、実施例12に記載した方法により自発分極を測定
した結果、62.1℃で180nC/cm2を示した。
(実施例24) 4−オクチルオキシカルボニルオキシビフェニル−4′
−カルボン酸の合成 実施例23の4−デカノイルオキシビフェニル−4′−
カルボン酸の合成に記載した方法において、デカン酸ク
ロリドの代りにオクチルギ酸クロリドを用い、同様の操
作により、1760cm-1、1680cm-1、1600cm-1に赤外吸収ス
ペクトルを有する4−オクチルオキシカルボニルオキシ
ビフェニル−4′−カルボン酸を得た。
4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4′−オクチ
ルオキシカルボニルオキシビフェニル−4−カルボン酸
エステルの合成 実施例23の4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル、4′−デカノイルオキシビフェニル−4−カルボン
酸エステルの合成に記載した方法において、4−デカノ
イルオキシビフェニル−4′−カルボン酸の代りに、上
記で得た4−オクチルオキシカルボニルオキシビフェニ
ル−4′−カルボン酸を用い、同様の操作により、前述
した理化学的性質を有する4−(2−メチルオクタノイ
ル)フェニル、4′−オクチルオキシカルボニルオキシ
ビフェニル−4−カルボン酸エステルを得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、28.3℃で強誘電性相
の液晶状態となり、39.5℃でカイラルスメクチックC相
の液晶に変わり、104.5℃でスメクチックA相の液晶に
変化し、147.3℃で等方性液体となった。また、降温過
程では、146.8℃でスメクチックA相の液晶状態と成
り、106.5℃でカイラルスメクチックC相の液晶に変化
し、37.5℃で他の強誘電性相の液晶になり、10.0℃で固
体結晶となった。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、46.5℃で207nC/cm2の自発分極を示した。
(実施例25) 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4′−ノニル
ビフェニル−4−カルボン酸エステルの合成 塩化メチレン40mlに、市販の4′−ノニル−4シアノ
ビフェニルを加水分解して得た4′−ノニルビフェニル
−4−カルボン酸500mg(1.5m mol)、4−(2−メチ
ルオクタノイル)フェノール270mg(1.2m mol)及び4
−ジメチルアミノピリジン20mgを入れ、この混合物にN,
N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド300mg(1.5m mo
l)を加えた。これを室温で一晩放置した後、生じた固
体を濾別、濾液を濃縮した。残留物をカラムクロマトグ
ラフィーで単離し、前述した物性を有する白色の4−
(2−メチルオクタノイル)フェニル,4′−ノニルビフ
ェニル−4−カルボン酸エステル380mg(0.7m mol、47
%)を得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、74.5℃でカイラルス
メクチックC相の液晶状態となった。また、降温過程で
は、116℃でスメクチックA相の液晶状態となり、98.6
℃でカイラルスメクチックC相の液晶に変化し、56℃で
固体結晶となった。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、63.6℃で183nC/cm2であった。
(実施例26) 4−オクチルオキシ安息香酸の合成 500mlのフラスコに水酸化ナトリウム15.6g、水80ml、
エタノール160mlを入れ、これに4−ヒドロキシ安息香
酸24.8g(0.18m mol)を加えて溶解させた。次に、この
混合物にブロモオクタン37.1g(0.18m mol)を加え、撹
拌しながら4時間加熱、還流した。その後、反応混合物
を冷却し、塩酸を添加してpH2以下として固体を析出さ
せ、濾別し、エチルアルコールで再結晶して、白色固体
物41.9gを得た。この生成物について、KBr法による赤外
スペクトル分析を行った結果、1675cm-1,1600cm-1にそ
れぞれ吸収が認められ、4−オクチルオキシ安息香酸で
あることが確認できた。
4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4−オクチル
オキシ安息香酸エステルの合成 塩化メチレン20mlに、上記の方法で得た4−オクチル
オキシ安息香酸425mg(1.7m mol)、上述の方法で得た
(+)−4−(2−メチルオクタノイル)フェノール43
0mg(1.7m mol)、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド350mg(1.7m mol)、及び4−ジメチルアミノピリ
ジン30mgを加え、2時間加熱、還流した。反応終了後、
固体を濾別し、濾液を濃縮した。残留混合物をシリカゲ
ルのカラムクロマトグラフィーを用いて、単離精製し、
白色固体物470mgを得た。
得られた化合物を分析した結果、前記に示した理化学
的性質を有し、4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル,4−オクチルオキシ安息香酸エステルであることが確
認された。
液晶性の評価 上記化合物の液晶性について実施例12と同様の方法
で、組織の変化を観察した結果、昇温過程(+2℃/mi
n)において、41℃で結晶が等方性液体となったが、降
温過程(−10℃/min)では、24℃でスメクチックA相の
液晶状態と成り、15℃でスメクチックC相の液晶に変化
し、11℃で固体結晶となった。
また、実施例12の方法で自発分極を測定した結果、12
℃で113nC/cm2を示した。
さらに上記化合物を厚さ2μmのモノドメインセルに
入れクロスニコル下で40.0Vpp、100Hzの方形波をかけ、
光の透過量の時間変化をフォトダイオードで検出し、応
答速度を測定した。この速度は、光の透過量の最大量を
100%、最小量を0%とし、10%から90%に要する時間
を応答速度とした。この結果、12℃で37.6μsecとかな
り速いものであった。
(実施例27) 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4−テトラデ
シルオキシ安息香酸エステルの合成 実施例26の4−オクチルオキシ安息香酸の合成方法に
おいて、ブロモオクタンの代わりに、ブロモテトラデカ
ンを用いた以外は、実施例26に示した方法と同様の方法
で反応させて、4−テトラデシルオキシ安息香酸を得
た。この4−テトラデシルオキシ安息香酸を用いて、実
施例26の4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4−
オクチルオキシ安息香酸エステルの合成に記載した方法
と同様の方法で、(+)−4−(2−メチルオクタノイ
ル)フェノールと縮合させることにより、前記に示した
理化学的性質を有する4−(2−メチルオクタノイル)
フェニル,4−テトラデシルオキシ安息香酸エステルを合
成した。
この化合物について、実施例26に記載したのと同じ方
法で相転移、自発分極、応答速度を測定した。
相転移は、昇温過程(+2℃/min)では、45.8℃で結
晶から等方性液体となり、降温過程(−10℃/min)で
は、25.0℃でスメクチックC相の液晶状態と成り、21.8
℃で固体結晶となった。
また、22.5℃での自発分極、応答速度は、それぞれ7
6.9nC/cm2、21.7μsecであった。
(実施例28) 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4−オクチル
安息香酸エステルの合成 実施例26の4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル,4−オクチルオキシ安息香酸エステルの合成に記載し
た方法と同様の方法で、4−オクチル安息香酸と、4−
(2−メチルオクタノイル)フェノールと縮合させるこ
とにより、前記に示した理化学的性質を有する4−(2
−メチルオクタノイル)フェニル,4−オクチル安息香酸
エステルを合成した。
(実施例29) 4−デカノイルオキシ安息香酸の合成 4−ヒドロキシ安息香酸5.0g(40m mol)をピリジン4
0mlに溶解し、この溶液にデカン酸クロリド7.0g(40m m
ol)を10分間で滴下した。この混合溶液を室温で5時間
撹拌して反応させ、この反応液を氷冷し、6規定の塩酸
水溶液を用いて、pH2以下とした。析出した固体を濾取
し、エチルアルコールで再結晶して、赤外吸収スペクト
ルで1760cm-1、1680cm-1に認められた白色固体の4−デ
カノイルオキシ安息香酸8.6g(収率94%)を得た。
4−デカノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオク
タノイル)フェニルの合成 上記方法で得られた4−デカノイルオキシ安息香酸53
0mg(1.8m mol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド400
mg(1.9m mol)及びジメチルアミノピリジン76mgを塩化
メチレン10mlに溶解した。この溶液に、2−メチルオク
タノイルフェノール420mg(1.8m mol)を塩化メチレン5
mlに溶解した溶液を15分間で滴下し、4時間還流下で、
撹拌、反応させた。反応終了後、濾別し、この濾液を濃
縮して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分
取した。この液から溶媒を留去し、エチルアルコールで
再結晶し、前述した理化学的性質を有する白色固体の4
−デカノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオクタ
ノイル)フェニル814mg(収率89%)を得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、30.0℃でスメクチッ
クA相の液晶状態となり、41.1℃で等方性液体となっ
た。また、降温過程では、38.5℃でスメクチックA相の
液晶状態と成り、28.8℃でカイラルスメクチックC相の
液晶に変化し、27.9℃で固体結晶となった。本化合物は
カイラルスメクチックC相の低温側に、他の強誘電性液
晶認められなかった。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、26.8℃で、46nC/cm2の自発分極を示した。
(実施例30) 4−ドデシルオキシカルボニルオキシ安息香酸の合成 4−ヒドロキシ安息香酸2.5g(18m mol)をピリジン3
0mlに溶解し、この溶液にクロロギ酸−n−ドデシル4.5
g(18m mol)を10分間で滴下した。この混合溶液を室温
で4時間撹拌して反応させ、この反応液を氷冷し、6規
定の塩酸水溶液を用いて、pH2以下とした。析出した固
体を濾取し、アセトンで再結晶して、赤外吸収スペクト
ルが1760cm-1、1680cm-1に認められた白色固体の4−ド
デシルオキシカルボニルオキシ安息香酸2.5g(収率40
%)を得た。
4−ドデシルオキシカルボニルオキシ安息香酸−4−
(2−メチルオクタノイル)フェニルの合成 上記方法で得られた4−ドデシルオキシカルボニルオ
キシ安息香酸500mg(1.4m mol)、ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド310mg(1.5m mol)及びジメチルアミノピ
リジン7mg(0.56m mol)を塩化メチレン10mgに溶解し
た。この溶液に、(+)−4−(2−メチルオクタノイ
ル)フェノール340mg(1.4m mol)を塩化メチレン5mlに
溶解した溶液を10分間で滴下し、18時間還流下で、撹
拌、反応させた。反応終了後、濾別し、この濾液を濃縮
して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分取
した。この液から溶媒を留去し、エチルアルコールで再
結晶し、前述した理化学的性質を有する白色固体の4−
ドデシルオキシカルボニルオキシ安息香酸−4−(2−
メチルオクタノイル)フェニル44mgを得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程(+2℃/min)においては、液
晶状態を取らなかったが、降温過程(−10℃/min)で
は、27.3℃でスメクチックA相の液晶状態と成り、14.6
℃でカイラルスメクチックC相の液晶に変化し、8.3℃
で固体結晶となった。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、10℃で32nC/cm2の自発分極を示した。
(実施例31) 4−ノナノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオク
タノイル)フェニルの合成 実施例29の4−デカノイルオキシ安息香酸の合成にお
いて、デカン酸クロリドの代りに、ノナノイルクロリド
を用い、同様な方法で4−ノナノイルオキシ安息香酸を
合成した。次いで、実施例29の4−デカノイルオキシ安
息香酸−4−(2−メチルオクタノイル)フェニルの合
成において、4−デカノイルオキシ安息香酸の代りに4
−ノナノイルオキシ安息香酸を用い、実施例29と同様の
方法で、(+)−4−(2−メチルオクタノイル)フェ
ノールと縮合することにより、前述した理化学的性質を
有する4−ノナノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチ
ルオクタノイル)フェニルを得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程(+2℃/min)においては、3
0.3℃でスメクチックA相の液晶状態と成り、22.0℃で
等方性液体と成り、降温過程(+2℃/min)では29.0℃
でスメクチックA相の液晶状態となった。また降温過程
(−10℃/min)では、30.1℃でスメクチックA相の液晶
状態と成り、19.0℃でカイラルスメクチックC相の液晶
に変化した。
(実施例32) 4−オクチルオキシカルボニル安息香酸の合成 テレフタル酸ジクロリド2.5g(12m mol)、オクチル
アルコール1.2g(9.2m mol)をピリジン100mlに溶解
し、2時間、室温で撹拌し、反応させた。反応終了後、
6規定の塩酸水溶液を加えて、固体を析出させ、濾過に
より分離した。この析出物をエタノールにより再結晶さ
せ、トルエンで洗浄して、白色固体で、2800cm-1、2700
cm-1、2500〜2700cm-1、1720cm-1、1680〜1700cm-1、15
80cm-1に赤外吸収スペクトルを有する4−オクチルオキ
シカルボニル安息香酸320mg(収率10%)を得た。
4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4−オクチル
オキシカルボニル安息香酸エステルの合成 塩化メチレン10mlに、(+)−4−(2−メチルオク
タノイル)フェノール170mg(0.72m mol)、上記で合成
した4−オクチルオキシカルボニル安息香酸200mg(0.7
2m mol)及び4−ジメチルアノミピリジン7mgを加え、
これにN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド165mg
(0.8m mol)を添加した。これを4時間、加熱還流して
反応させた後に、析出固体を濾過した。濾液を濃縮し、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離し、エチル
アルコールで再結晶して、前述した理化学的性質を有す
る白色の4−(2−メチルオクタノイル)フェニル−4
−オクチルオキシカルボニル安息香酸エステル67mg(収
率19%)を得た。
液晶性の評価 上記化合物12重量%と市販の2−(4′−(2″−メ
チルブチルオキシ)フェニル)−5−ウンデシルオキシ
ピリミジン88重量%とを混合し、実施例12と同様の方法
で、液晶組織の変化を観察した結果、2℃/minの降温過
程で、66.2℃でスメクチックA相となり、55.0℃でカイ
ラルスメクチックC相の液晶に変化し、45.7℃で固体結
晶となった。
また、50℃で自発分極を測定した結果、18nC/cm2であ
った。さらに2Vpp/μmの電界の矩形波を印加して応答
速度を測定した結果、154μsecであった。
尚、上記2−(4′−(2″−メチルブチルオキシ)
フェニル)−5−ウンデシルオキシピリミジン単独の場
合は、75.4℃でスメクチックA相となり、70.5℃でカイ
ラルスメクチックC相の液晶に変化し、45.5℃で固体結
晶となるもので、50℃での自発分極は4nC/cm2、2Vpp/μ
mの電界の矩形波を印加した時の応答速度は、242μsec
であった。これらから、上記本発明の化合物を混合する
ことにより、カイラルスメクチックC相の液晶領域を低
温側にシフトさせるとともに、自発分極を大きくでき、
しかも応答速度も速くできることがわかる。
(実施例33) 4−ノナノイル安息香酸の合成 1,2−ジクロロエタン566mlに無水塩化アルミニウム18
8.7g(1.413mol)を加え、3〜5℃の温度に保持しなが
ら、フッ化ベンゼン161.5g(1.682mol)を滴下した。こ
れに、ノナノイルクロライド254.5g(1.442mol)を2時
間かけて加え、8℃で1時間、8〜30℃で、5時間反応
させた。この反応液を、氷200gを入れた濃塩酸600ml中
に注ぎ、クロロホルム1.5lを用いて抽出した。抽出液を
水及び5%炭酸ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した。この液から、溶媒を留去後、減圧蒸
溜(145〜150℃/5mmHg)し、4−ノナノイル−フッ化ベ
ンゼン292.2g(収率86%)を得た。
次に、ジメチルスルホキシド1350mlに、4−ノナノイ
ル−フッ化ベンゼン292.2g(1.238mol)、シアン化ナト
リウム67.4g(1.374mol)を加え、110〜125℃で、12時
間反応させた。室温まで冷却後、反応液を水2.7l中に注
ぎ、クロロホルム2lを用いて抽出した。抽出液を飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この
液から溶媒を留去し、褐色油状物で、2220cm-1、1680cm
-1に赤外吸収スペクトルを有する4−ノナノイルベンゾ
ニトリル317.9gを得た。
次に、エチルアルコール314mlに、上記4−ノナノイ
ルベンゾニトリル314.1gを加え、80〜82℃に加温し、30
%の水酸化カリウム1500mlを滴下後、5時間還流、反応
させた。この反応液に水1.5lを加え、析出固体を濾取
し、メチルアルコールで洗浄、風乾し、淡褐色結晶283.
1gを得た。これを水1.5lに濃塩酸200mlを加えた液に入
れ、65〜82℃で、1時間加熱撹拌後、濾取した。さら
に、この固体を酢酸1100mlに濃塩酸200mlを加えた液に
入れ、加温、溶解し、30℃に冷却した後、濾過し、酢
酸、水、メチルアルコールで、順次洗浄し、風乾して、
次に示した物性を有する4−ノナノイル安息香酸170g
(収率50%)を得た。
1H−NMR(CDI3-CF3CO2D中、TMS基準、δppm):1
1.4(s,1H)、8.2〜8.0(ABq,4H)、3.1(t,2H)、2.1
〜1.1(m,12H)、0.9(t,3H) IR(cm-1):1680 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4−ノナノイ
ル安息香酸エステルの合成 塩化メチレン15mlに、上記で合成した4−ノナノイル
安息香酸336mg(1.3m mol)、(+)−4−(2−メチ
ルオクタノイル)フェノール300mg(1.3m mol)及び4
−ジメチルアミノピリジン7mgを加え、これにN,N′−ジ
シクロヘキシルカルボジイミド290mg(1.4m mol)を添
加した。これを5時間、加熱還流して反応させた後に、
析出固体を濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーで単離し、エチルアルコールで再結
晶して、前述した理化学的性質を有する白色の4−(2
−メチルオクタノイル)フェニル−4′−ノナノイル安
息香酸エステル70mg(収率15%)を得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例12と同様の方法により液晶組織の
変化を観察した結果、2℃/minの降温過程で、63.0℃で
カイラルスメクチックC相の液晶状態と成り、61.2℃で
固体結晶となった。
また、62℃で自発分極を測定した結果、142nC/cm2
大きい自発分極を示した。
(実施例34) 4−オクチルオキシ安息香酸−4−(2−メチルブタノ
イル)ビフェニルの合成 フラスコに、4−ヒドロキシ−4′−(2−メチルブ
タノイル)ビフェニル92.7mg(0.36m mol)、4−オク
チルオキシ安息香酸90.6mg(0.36m mol)、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド77.1mg(0.37m mol)、4−ジメ
チルアミノピリジン7.0mg(0.05m mol)及びジクロロメ
タン5mlを取り、撹拌しながら4時間、加熱還流した。
生じたウレタンを濾過で除き、ジクロロメタン、0.1N塩
酸、水でそれぞれ洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、溶媒を留去して得られた結晶を、エタノールから
再結晶し、前記に示した理化学的性質を有した無色針状
結晶の4−オクチルオキシ安息香酸−4−(−2−メチ
ルブタノイル)ビフェニル94.0mg(収率53%)を得た。
液晶性の評価 上記化合物の液晶性について実施例12と同様の方法
で、組織の変化を観察した結果、昇温過程において、8
4.0℃でカイラルスメクチックC相の液晶状態となり、9
1.0℃でスメクチックA相の液晶に変化し、169.8℃で等
方性液体となった。また、降温過程では、170.5℃でス
メクチックA相の液晶状態と成り、83.2℃でカイラルス
メクチックC相の液晶に変化し、53.8℃で他の強誘電性
液晶相に変わり、49.0℃で固体結晶となった。
また、実施例12に記載した方法により自発分極を測定
した結果、55.6℃で120nC/cm2を示した。
(実施例35) 4−オクチルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオクタ
ノイル)ビフェニルの合成 実施例34の4−ヒドロキシ−4′−(2−メチルブタ
ノイル)ビフェニルの代わりに、4−ヒドロキシ−4′
−(2−メチルオクタノイル)ビフェニルを用い、実施
例34と同様の方法により合成し、前記に示した理化学的
性質を有する4−オクチルオキシ安息香酸−4−(2−
メチルオクタノイル)ビフェニルを得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、57.1℃で強誘電性相
の液晶状態となり、61.2℃でカイラルスメクチックC相
の液晶に変わり、100.4℃でスメクチックA相の液晶に
変化し、139℃で等方性液体となった。また、降温過程
では、138℃でスメクチックA相の液晶状態と成り、10
6.0℃でカイラルスメクチックC相の液晶に変化し、47.
1℃で他の強誘電性相の液晶になり、32.0℃で固体結晶
となった。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、51℃で247nC/cm2と大きい自発分極を示した。
(実施例36) 4−デカノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチルブタ
ノイル)ビフェニルの合成 フラスコに、4−ヒドロキシ−4′−(2−メチルブ
タノイル)ビフェニル91.8mg(0.36m mol)、4−デカ
ノイルオキシ安息香酸117.1mg(0.40m mol)、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド91.5mg(0.42m mol)、4−ジ
メチルアミノピリジン4.8mg(0.04m mol)および乾燥ジ
クロロメタン5mlを取り、撹拌しながら5時間、加熱還
流した。生じたウレタンを濾過で除き、ジクロロメタ
ン、0.1N塩酸、水でそれぞれ洗浄した。無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、溶媒を留去して得られた結晶を、エタ
ノールから再結晶し、前記に示した理化学的性質を有し
た白色結晶の4−デカノイルオキシ安息香酸−4−(2
−メチルブタノイル)ビフェニル134.4mg(収率70%)
を得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、80.0℃で強誘電性相
の液晶状態となり、83.4℃でスメクチックA相の液晶に
変化し、174.2〜176.2℃で等方性液体となった。また、
降温過程では、170.5〜173.6℃でスメクチックA相の液
晶状態と成り、74.4℃で強誘電性相の液晶になり、71.0
℃で固体結晶となった。
(実施例37) 4−デカノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオク
タノイル)ビフェニルの合成 実施例35において、4−ヒドロキシ−4′−(2−メ
チルブタノイル)ビフェニルの代わりに、4−ヒドロキ
シ−4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニルを用
い、実施例35と同様の方法により合成し、前記に示した
理化学的性質を有する4−デカノイルオキシ安息香酸−
4−(2−メチルオクタノイル)ビフェニルを得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、74.0℃でカイラルス
メクチックC相の液晶状態となり、113.8℃でスメクチ
ックA相の液晶に変化し、150.0℃で等方性液体となっ
た。また、降温過程では、147.4℃でスメクチックA相
の液晶状態と成り、113.1℃でカイラルスメクチックC
相の液晶に変化し、73.1℃で固体結晶となった。本化合
物は、カイラルスメクチックC相の低温側に、他の強誘
電性相が認められず、他の液晶添加剤との混合等におい
て、カイラルスメクチックC相の温度領域を容易に変化
させることができ、好ましいものである。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、78.1℃で、182nC/cm2の自発分極を示した。
(実施例38) 4−ノナノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオク
タノイル)ビフェニルの合成 フラスコに、4−ノナノイルオキシ安息香酸80.7mg
(0.29m mol)、4−ヒドロキシ−4′−(2−メチル
オクタノイル)ビフェニル84.2mg(0.27m mol)、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド63.5mg(0.31m mol)、4
−ジメチルアミノピリジン6.0mg(0.05m mol)及び乾燥
ジクロロメタン5mlを取り、6時間加熱還流した。冷却
後、生じたウレタンを濾過で除き、ジクロロメタンで洗
浄した。有機層を0.1規定の塩酸及び水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。これをカ
ラムクロマトグラフィーで精製した後、エタノールで再
結晶して、白色の4−ノナノイルオキシ安息香酸−4−
(2−メチルオクタノイル)ビフェニル65.3mg(収率42
%)を得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、74.8℃でカイラルス
メクチックC相の液晶状態となり、111.3℃でスメクチ
ックA相の液晶に変化し、138.1〜139.5℃で等方性液体
となった。また、降温過程では、137.7〜139.5℃でスメ
クチックA相の液晶状態と成り、111.5℃でカイラルス
メクチックC相の液晶に変化し、71.5℃で固体結晶とな
った。本化合物は、カイラルスメクチックC相の低温側
に、他の強誘電性相が認められず、他の液晶添加剤との
混合等において、カイラルスメクチックC相の温度領域
を容易に変化させることができ、好ましいものである。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、76.5℃で、242nC/cm2(30Vpp,100Hz)を示した。
(実施例39) 4−テトラデカノイルオキシ安息香酸−4−(2−メチ
ルオクタノイル)ビフェニルの合成 フラスコに、4−テトラデカノイルオキシ安息香酸9
6.2mg(0.28m mol)、4−ヒドロキシ−4′−(2−メ
チルオクタノイル)ビフェニル78.0mg(0.25m mol)、
ジシクロヘキシルカルボジイミド63.5mg(0.31m mo
l)、4−ジメチルアミノピリジン3.5mg(0.03m mol)
及び乾燥ジクロロメタン5mlを取り、7時間加熱還流し
た。冷却後、生じたウレタンを濾過で除き、ジクロロメ
タンで洗浄した。有機層を0.1規定の塩酸及び水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
これをエタノールで再結晶して白色の4−テトラデカノ
イルオキシ安息香酸−4−(2−メチルオクタノイル)
ビフェニル63.5mg(収率40%)を得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、88.0℃でカイラルス
メクチックC相の液晶状態となり、116.7℃でスメクチ
ックA相の液晶に変化し、139.2〜142.2℃で等方性液体
となった。また、降温過程では、138.0〜141.0℃でスメ
クチックA相の液晶状態と成り、114.5℃でカイラルス
メクチックC相の液晶に変化し、81.2℃で固体結晶とな
った。本化合物も、カイラルスメクチックC相の低温側
に、他の強誘電性相が認められず、他の液晶添加剤との
混合等において、カイラルスメクチックC相の温度領域
を容易に変化させることができ、好ましいものである。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、84.5℃で、178nC/cm2(30Vpp,100Hz)の自発分極
を示した。
(実施例40) 4−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル,4−オクチ
ルオキシカルボニル安息香酸エステルの合成 塩化メチレン10mlに、実施例32で得た4−オクチルオ
キシカルボニル安息香酸85mg(0.31m mol)、4−ヒド
ロキシ−4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル
95mg(0.31m mol)及び4−ジメチルアミノピリジン20m
gを加え、これにN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド70mg(0.32m mol)を添加した。これを4時間、加熱
還流して反応させた後に、析出固体を濾過した。濾液を
濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離
し、前述した理化学的性質を有する白色の(+)−4−
(2−メチルオクタノイル)ビフェニル,4−オクチルオ
キシカルボニル安息香酸エステル42mg(収率24%)を得
た。
液晶性の評価 上記化合物の液晶性について実施例12に記載した方法
により組織の変化を観察した結果、2℃/minの昇温過程
において、67.0℃でカイラルスメクチックC相の液晶に
なり、96.3℃でスメクチックA相に変化し、115.6℃で
カイラルスメクチックC相の液晶に変化し、45.7℃で等
方性液体となった。また、2℃/minの降温過程では、11
5.6℃でスメクチックA相の液晶状態と成り、96.3℃で
カイラルスメクチックC相の液晶に変化し、57.3℃で固
体結晶となった。
また、実施例12に記載した方法により自発分極を測定
した結果、61.5℃で237nC/cm2と大きい自発分極を示し
た。
(実施例41) 4−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル,4−ノナノ
イル安息香酸エステルの合成 塩化メチレン10mlに実施例33で得た4−ノナノイル安
息香酸85mg(0.32m mol)、(+)−4−ヒドロキシ−
4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル100mg
(0.32m mol)及び4−ジメチルアミノピリジン6mgを加
え、これにN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド73m
g(0.35m mol)を添加した。これを4時間、加熱還流し
て反応させた後に、析出固体を濾過した。濾液を濃縮
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離し、エ
チルアルコールで再結晶して、前述した理化学的性質を
有する白色の4−(2−メチルオクタノイル)ビフェニ
ル,4−ノナノイル安息香酸エステル31mg(収率18%)を
得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例12と同様の方法で、液晶組織の変
化を観察した結果、2℃/minの降温過程において、154.
5℃でカイラルスメクチックC相の液晶となり、110.4℃
で固体結晶となった。
また、111.5℃で自発分極を測定した結果、209nC/cm2
と大きい自発分極を示した。
(実施例42) 4−オクチル安息香酸−4−(2−メチルオクタノイ
ル)ビフェニルの合成 フラスコに、市販の4−オクチル安息香酸147.2mg
(0.63m mol)、4−ヒドロキシ−4′−(2−メチル
オクタノイル)ビフェニル160.1mg(0.52m mol)、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド150.4mg(0.73m mol)、4
−ジメチルアミノピリジン8.5mg(0.07m mol)及び乾燥
ジクロロメタン6mlを取り、室内で1時間撹拌、反応さ
せた。
生じたウレアを濾過で除き溶媒を留去して、得られた
粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
後、エタノールから再結晶して白色結晶の4−オクチル
安息香酸−4−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル
101.6mg(収率37%)を得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、64.2℃でカイラルス
メクチックC相の液晶状態となった。また降温過程で
は、109.8〜113.3℃でスメクテックA相の液晶状態と成
り、74.0℃でカイラルスメクテックC相の液晶に変化
し、43.3℃で固体結晶となった。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、44℃で236nC/cm2と大きな値であった。
(実施例43) 4−(2−メチルオクタノイル)安息香酸の合成 フラスコに4−ブロモベンジルアルコール6.15g(32.
9m mol)、乾燥ジクロロメタン50ml、エチルビニルエー
テル4ml(41.8m mol)とピリジニウム−p−トルエンス
ルホネート0.20g(0.8m mol)をとり、室温で20時間撹
拌、反応させた。これを水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、溶媒を留去して油状の4−ブロモベンジ
ル−(1−エトキシ)エチルエーテル8.51gを得た。
次に、フラスコに金属マグネシウム323mg(13.3m mo
l)をとり、50℃で加温しながら、乾燥テトラヒドロフ
ラン10mlに溶解した。
これに上記で得られた4−ブロモベンジル−(1−エ
トキシ)エチルエーテル2.61g(10.1m mol)を40分間か
けて滴下した。滴下終了後1時間加熱還流した後、−78
℃に冷却し、これにテトラヒドロフラン20mlに溶解した
(+)−2−メチルオクタン酸クロリド1.70g(9.6m mo
l)を40分かけて滴下した。−78℃で3時間撹拌し、そ
の後徐々に室温にもどした。これに、0℃に冷却した1
規定の塩酸10mlを加え、1時間撹拌した。エーテルで抽
出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナト
リウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、溶媒を留去することにより得られた油状物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより無
色油状の4−(2−メチルオクタノイル)ベンジルアル
コール323mg(収率14%)を得た。
フラスコに、4−(2−メチルオクタノイル)ベンジ
ルアルコール323mg(1.3m mol)、アセトン20ml及び過
マンガン酸カリウム0.30g(1.9m mol)をとり室温で3
時間撹拌した。これに亜硫酸水素ナトリウム水溶液と1
規定の塩酸を加えてマンガンを2価に還元した後、減圧
下アセトンを留去し、クロロホルムで抽出し、水で洗浄
した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、得ら
れた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製することにより無色油状の4−(2−メチルオクタノ
イル)安息香酸327.2mg(収率92%)を得た。
4−(2−メチルオクタノイル)安息香酸−4−オクチ
ルオキシビフェニルの合成 フラスコに、p,p′−ビフェノール5.02g(27.0m mo
l)、オクチルブロミド5.23g(27.2m mol)、炭酸カリ
ウム3.73g(27.0m mol)及びアセトン150mlをとり、5
時間半、加熱還流した。減圧下に、アセトンを留去した
後、2規定の塩酸とクロロホルム50mlを加えた。生じた
固体を濾過で除き、濾液を有機層と水層に分液し、水層
をクロロホルムで2回抽出した。有機層を合し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して得られた固体
にトルエン50mlを加え、撹拌後とけないで残った固体を
集め、クロロホルムから再結晶して白色結晶の4−ヒド
ロキシ−4′−オクチルオキシビフェニル1.26g(収率1
6%)を得た。
フラスコにこの4−ヒドロキシ−4′−オクチルオキ
シビフェニル83.0mg(0.31m mol)、4−(2−メチル
オクタノイル)安息香酸70.9mg(0.27m mol)、N,N′−
ジシクロヘキシルカルボジイシド73.5mg(0.36m mo
l)、4−ジメチルアミノピリジン6.1mg(0.05m mol)
及び乾燥ジクロロメタン4mlをとり、室温で1時間半撹
拌、反応させた。生じたウレアを濾過で除いた後、溶媒
を留去して、得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製した後、エタノールから再結晶して
白色結晶の4−(2−メチルオクタノイル)安息香酸−
4−オクチルオキシビフェニル84.5mg(収率58%)を得
た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、室温以下で高次の他
のスメクチック相の液晶状態となり、101.0〜102.8℃で
スメクチックA相に変化し、139.8〜141.6℃で等方性液
体となった。また、降温過程では、140.5〜141.3℃でス
メクチックA相の液晶状態と成り、100.4〜102.1℃で高
次の他の強誘電性液晶に変化した後、室温以下で固体結
晶となった。
(実施例44) 4−(2−メチルオクタノイル)安息香酸−4−ノナノ
イルオキシビフェニルの合成 フラスコに、4−(2−メチルオクタノイル)安息香
酸151.0mg(0.58m mol)、p,p′−ビフェノール321.3mg
(1.74m mol)、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(0.66m mol)及び乾燥ピリジン6mlをとり、室温で6
時間撹拌した。生じたウレタンを濾過で除き、溶媒を留
去して得られた油状物を、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製して、4−(2−メチルオクタノイル)
安息香酸−4−ヒドロキシビフェニル122.3mg(収率49
%)を得た。
フラスコにこの4−(2−メチルオクタノイル)安息
香酸−4−ヒドロキシビフェニル62.3mg(0.14m mo
l)、ノナン酸クロリド0.2ml(11.1m mol)及び乾燥ピ
リジン5mlをとり、室温で2日間撹拌、反応させた。反
応終了後、これに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加
え、エーテルで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、溶媒を留去して、得られた油状物のシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製し、白色結晶の4−(2−
メチルオクタノイル)安息香酸−4−ノナノイルオキシ
ビフェニル43.3mg(収率52%)を得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、75.0℃で高次の強誘
電性相の液晶状態になり、次いで83.0℃で高次の強誘電
性を示さない相に変化し、91.6℃でカイラルスメクチッ
クC相の液晶に、119.4℃でスメクチックA相に変化し
た後、136.4〜141.2℃で等方性液体となった。また、降
温過程では、136.0〜139.6℃でスメクチックA相の液晶
状態と成り、119.3℃でカイラルスメクチックC相の液
晶に、また90.8℃で高次の強誘電性を示さない相に変化
し、72.9℃で強誘電性を示す高次の相の液晶状態に変化
した後、49.9℃で固体結晶となった。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、94.3℃で117nC/cm2であった。
(実施例45) 4−(2−メチルオクタノイル)安息香酸−4−オクチ
ルオキシフェニルの合成 フラスコに、4−オクチルオキシフェノール132.0mg
(0.59m mol)、4−(2−メチルオクタノイル)安息
香酸130.0mg(0.50m mol)、N,N′−ジシクロヘキシル
カルボジイミド131.0mg(0.64m mol)、4−ジメチルア
ミノピリジン6.0mg(0.05m mol)及び乾燥ジクロロメタ
ン8mlをとり、室温で1時間撹拌、反応させた。生じた
ウレアを濾過で除き、溶媒を留去して、得られた粗結晶
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、エタ
ノールから再結晶して白色結晶の4−(2−メチルオク
タノイル)安息香酸−4−オクチルオキシフェニル101.
2mg(収率45%)を得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、55℃で等方性液体と
なり、降温過程では、39.0℃で固体結晶となった。
(実施例46) 4−(2−メチルオクタノイル)安息香酸−4−ヘキシ
ルオキシフェニルの合成 フラスコに、4−ヘキシルオキシフェノール158.6mg
(0.82m mol)、4−(2−メチルオクタノイル)安息
香酸210.0mg(0.80m mol)、N,N′−ジシクロヘキシル
カルボジイミド201.3mg(0.98m mol)、4−ジメチルア
ミノピリジン13.8mg(0.11m mol)及び乾燥ジクロロメ
タン10mlをとり、室温で1時間撹拌、反応させた。生じ
たウレアを濾過で除き、溶媒を留去して、得られた粗結
晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、エ
タノールから再結晶して白色結晶の4−(2−メチルオ
クタノイル)安息香酸−4−ヘキシルオキシフェニル6
9.0mg(収率20%)を得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、57.3〜59.1℃で等方
性液体となり、降温過程では、54.0〜55.3℃で固体結晶
となった。
(実施例47) 4′−(2−メチルオクタノイル)−4−ヒドロキシメ
チルビフェニルの合成 フラスコに、無水塩化アルミニウム6.50g(48.7m mo
l)、塩化アセチル3.5ml(49.2m mol)及び乾燥ジクロ
ロメタン20mlをとり、0℃で10分間撹拌、反応させた。
これに、乾燥ジクロロメタン30mlに溶解した4−ブロモ
ビフェニル10.02g(43.0m mol)を加え、0℃で30分
間、次いで室温で2時間撹拌、反応させた。これを0℃
まで、冷却し、1規定の塩酸を加え、ジクロロメタンで
抽出した。抽出液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し
て、白色結晶の4−アセチル−4′−ブロモビフェニル
11.82gを得た。
フラスコに、水酸化ナトリウム14.96g(374m mol)、
水100mlをとり、5℃に冷却して臭素6.7ml(130m mol)
を30分間で滴下した。これに4−アセチル−4′−ブロ
モビフェニル11.66g(42.4m mol)及びジオキサン50ml
を加え、室温で18日間撹拌、反応させた。
1規定の塩酸を加え、生じた結晶を濾別することによ
り、4′−ブロモビフェニル−4カルボン酸10.58g(収
率90%)を得た。
フラスコにこの4′−ブロモビフェニル−4−カルボ
ン酸3.108g(11.2m mol)及び乾燥テトラヒドロフラン3
0mlをとり、0℃に冷却して、水酸化アルミニウムリチ
ウム0.64g(16.9m mol)をゆっくり加え、1時間撹拌し
た。1規定の塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、抽出
液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して得られた粗結
晶をヘキサン−エーテルで再結晶して、白色結晶の4′
−ブロモ−4−ヒドロキシメチルビフェニル2.20g(収
率75%)を得た。
フラスコに、4′−ブロモ−4−ヒドロキシメチルビ
フェニル2.12g(8.1m mol)、乾燥ジクロロメタン20m
l、エチルビニルエーテル3ml(31.3m mol)及びピリジ
ニウム−p−トルエンスルホネート0.20g(0.8m mol)
をとり室温で15時間撹拌、反応させた。反応終了後、水
で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去
して4−(4−ブロモフェニル)ベンジル−(1−エト
キシ)エチルエーテル2.70gを得た。
フラスコに、金属マグネシウム220mg(9.0m mol)を
とり、これに50℃に加温しながら、乾燥テトラヒドロフ
ラン10mlに溶解した上記4−(4−ブロモフェニル)ベ
ンジル−(1−エトキシ)エチルエーテル2.70g(8.1m
mol)を30分間かけて滴下した。1時間加熱、還流した
後、−78℃に冷却し、これに、乾燥テトラヒドロフラン
20mlに溶解した(+)−2−メチルオクタン酸クロリド
1.42g(8.0m mol)を20分かけて滴下した。次いで、−7
8℃で3時間撹拌し、その後徐々に室温に戻した。
これに1規定の塩酸10mlを加え1時間撹拌し、エーテ
ルで抽出した後、抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することにより得ら
れた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製することにより、無色油状の4′−(2−メチルオク
タノイル)−4−ヒドロキシメチルビフェニル293.1mg
(収率11%)を得た。
4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−4−カ
ルボン酸−4−オクチルオキシフェニルの合成 フラスコに、4′−(2−メチルオクタノイル)−4
−ヒドロキシメチルビフェニル131.1mg(0.40m mol)、
アセトン15ml及び過マンガン酸カリウム0.15g(0.95m m
ol)をとり、室温で2時間撹拌した。
これに亜硫酸水素ナトリウム水溶液及び1規定の塩酸
を加えて、マンガンを2価に還元した後、減圧下アセト
ンを留去し、クロロホルムで抽出した。抽出液を、水で
洗浄し、白色結晶の4′−(2−メチルオクタノイル)
ビフェニル−4−カルボン酸125.0mg(収率92%)を得
た。
フラスコに、4′−(2−メチルオクタノイル)ビフ
ェニル−4−カルボン酸100.0mg(0.30m mol)、4−オ
クチルオキシフェノール67.0mg(0.30m mol)、N,N′−
ジシクロヘキシルカルボジイミド69.3mg(0.34m mo
l)、4−ジメチルアミノピリジン5.0mg(0.04m mo)及
び乾燥ジクロロメタン6mlをとり室温で13時間撹拌し
た。生じたウレアを濾過で除いた後、溶媒を留去し、得
られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製した後、エタノールから再結晶して白色結晶の4′
−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−4−カルボ
ン酸−4−オクチルオキシフェニル69.8mg(収率44%)
を得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、60.7℃でカイラルス
メクチックC相の液晶状態となった。また、降温過程で
は、138.5〜140.7℃でスメクチックA相の液晶状態と成
り、108.1℃でカイラルスメクチックC相の液晶に変化
し、53.1℃で固体結晶となった。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、53.1℃で277nC/cm2と非常に大きな値であった。
(実施例48) 4′−(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−4−カ
ルボン酸−4−ヘプチルフェニルの合成 フラスコに、4′−(2−メチルオクタノイル)ビフ
ェニル−4−カルボン酸119.3mg(0.35m mol)、4−ヘ
プチルフェノール74.5mg(0.39m mol)、N,N′−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド87.3mg(0.42m mol)、4−
ジメチルアミノピリジン4.3mg(0.04m mol)及び乾燥ジ
クロロメタン6mlをとり、室温で1時間半加熱還流し
た。生じたウレアを濾過で除き、濾液を濃縮し、得られ
た油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
した後、エタノールから再結晶して白色結晶の4′−
(2−メチルオクタノイル)ビフェニル−4−カルボン
酸−4−ヘプチルフェニル57.3mg(収率32%)を得た。
液晶性の評価 この化合物の液晶性について実施例12と同様の方法で
観察した結果、昇温過程において、89.9〜90.9℃でコレ
ステリック相の液晶状態となり、98.5〜98.7℃で等方性
液体となった。また、降温過程では、98.2〜98.3℃でコ
レステリック相の液晶状態となり、84.6℃で固体結晶と
なった。
(実施例49) 混合系での液晶性の評価 実施例26で得られた4−(2−メチルオクタノイル)
フェニル,4−オクチルオキシ安息香酸エステル及び実施
例27で得られた4−(2−メチルオクタノル)フェニ
ル,5−テトラデシルオキシ安息香酸エステルを等モルづ
つ混合して、実施例26に示した方法で相転移、自発分
極、応答速度を測定した。
この結果、昇温過程(+2℃/min)において、18.5℃
で結晶が強誘電性液晶相になり、35.1℃で等方性液体と
なった。降温過程(−2℃/min)では、29.8℃でスメク
チックA相の液晶状態と成り、23℃でスメクチックC相
に変化した後、−1.5℃で固体結晶となった。また、自
発分極は、16℃で、102.7nC/cm2、応答速度は、同温度
で、27.3μsecであった。
(実施例50) 混合系での液晶性の評価 4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4−ヘキシル
オキシ安息香酸エステルの合成 実施例26の4−オクチルオキシ安息香酸の合成方法に
おいて、ブロモオクタンの代わりに、ブロモヘキサンを
用いた以外は、実施例26に示した方法と同様の方法で反
応させて、4−ヘキシルオキシ安息香酸を得た。この4
−ヘキシルオキシ安息香酸を用いて、実施例26の4−
(2−メチルオクタノイル)フェニル,4−オクチルオキ
シ安息香酸エステルの合成に記載した方法と同様の方法
で、(+)−4−(2−メチルオクタノイル)フェノー
ルと縮合させることにより、前記に示した理化学的性質
を有する4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4−
ヘキシルオキシ安息香酸エステルを合成した。
実施例26で得られた4−(2−メチルオクタノイル)
フェニル,4−オクチルオキシ安息香酸エステル、実施例
27で得られた4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル,4−テトラデシルオキシ安息香酸エステル及び上記で
得られた4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4−
ヘキシルオキシ安息香酸エステルを等モルづつ混合し
て、実施例26に示した方法で相転移、自発分極、応答速
度を測定した。
この結果、昇温過程(+2℃/min)において、14℃で
結晶が強誘電性液晶相になり、30℃で等方性液体となっ
た。降温過程(−2℃/min)では、27.4℃でスメクチッ
クA相の液晶状態と成り、11.5℃でスメクチックC相に
変化した後、−9.0℃で固体結晶となった。また、自発
分極は、2.5℃で、155nC/cm2、応答速度は、10℃の温度
で、20μsecであった。
また、実施例12と同様な方法で、自発分極を測定した
結果、25.0℃で239nC/cm2の自発分極を示した。
(実施例51) 混合系での液晶性の評価 実施例29で得られた4−デカノイルオキシ安息香酸−
4−(2−メチルオクタノイル)フェニルと実施例15で
得られた4−(2−メチルオクタノイル)フェニル,4′
−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸エステル
とを等モル混合し、実施例12と同様の方法により液晶性
の評価を行った。
この結果、昇温過程において、−3.7℃で高次の他の
スメクチック相の液晶状態となり、25.5℃でカイラルス
メクチックC相に変化した。降温過程では、102.0℃で
スメクチックA相の液晶状態と成り、70.0℃でカイラル
スメクチックC相の液晶に変化し、23.2℃で高次の他の
スメクチック相に変わり、−15.0℃で固体結晶となっ
た。
(実施例52) 混合系での液晶性の評価 実施例37で得られた4−デカノイルオキシ安息香酸−
4−(2−メチルオクタノイル)ビフェニルと実施例29
で得られた4−デカノイルオキシ安息香酸−4−(2−
メチルオクタノイル)フェニルとを等モル混合し、実施
例12と同様の方法により液晶性の評価を行った。
この結果、昇温過程において、22.1℃でカイラルスメ
クチックC相の液晶状態をとり、57.0℃でスメクチック
A相の液晶に変化し、100.4℃で等方性液体となった。
また、降温過程では、97.1℃でスメクチックA相の液晶
状態と成り、58.0℃でカイラルスメクチックC相の液晶
に変化し、10.0℃で固体結晶となった。
また、自発分極を測定した結果、44.0℃で、125nC/cm
2の自発分極を示した。
(実施例53) 混合系での液晶性の評価 実施例26で得られた4−(2−メチルオクタノイル)
フェニル,4−オクチルオキシ安息香酸エステルと実施例
27で得られた4−(2−メチルオクタノイル)フェニ
ル,4−テトラデシルオキシ安息香酸エステルとを比を変
えて混合し、相図を作成した。これを第1図に示す。
この図から明らかなように、4−(2−メチルオクタ
ノイル)フェニル,4−オクチルオキシ安息香酸エステル
は、17〜15℃という狭い温度領域でしかカイラルスメク
チックC相を示さず、4−(2−メチルオクタノイル)
フェニル,4−テトラデシルオキシ安息香酸エステルは、
−2℃/minの降温過程では、カイラルスメクチックC相
を示さないにもかかわらず、両者の混合により、特に、
前者を80モル%、後者を20モル%混合した場合、19〜4
℃と広い温度範囲でカイラルスメクチックC相を示し、
またその温度も低下している。
(実施例54) 混合系での液晶性の評価 実施例27で得られた4−(2−メチルオクタノイル)
フェニル,4−テトラデシルオキシ安息香酸エステルと実
施例29で得られた(+)−4−デカノイルオキシ安息香
酸−4−(2−メチルオクタノイル)フェニルエステル
とを比を変えて混合し、相図を作成した。これを第2図
に示す。
この図からも明らかなように、カイラルスメクチック
C相が、著しく拡大し、低温化することが分かる。
(実施例55) 混合系での液晶性の評価 実施例26で得られた4−(2−メチルオクタノイル)
フェニル,4−オクチルオキシ安息香酸エステルと実施例
29で得られた4−デカノイルオキシ安息香酸−4−(2
−メチルオクタノイル)フェニルとを比を変えて混合
し、相図を作成した。これを第3図に示す。
この図からも明らかなように、カイラルスメクチック
C相が、著しく拡大し、低温化することが分かる。
これらの結果から明らかなように、2種以上の液晶を
混合することにより、液晶を取りうる温度及びその範囲
を変えることができる。
産業上の利用可能性 本発明の化合物は、光等に対する安定性に優れ、広い
温度範囲で液晶状態を取り得、特に、この化合物に光学
活性基を導入することにより、自発分極が大きくて応答
速度が速い強誘電性液晶となる等、オプトエレクトロニ
クス関連素子の素材として極めて優れた効果を奏するも
のである。
従って本発明は、例えば、液晶テレビ等のディスプレ
イ用、光プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライ
トバルブ等、液晶やエレクトロケミクロミズムを利用す
るオプトエレクトロニクス関連素子の素材として極めて
有用な液晶材料といえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 65/32 9450−4H C07C 65/32 A 65/34 65/34 67/08 67/08 67/14 67/14 69/82 9546−4H 69/82 A 69/86 69/86 69/92 69/92 69/94 69/94 69/96 9546−4H 69/96 Z C09K 19/20 9279−4H C09K 19/20 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 (31)優先権主張番号 特願昭62−96219 (32)優先日 昭62(1987)4月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−206384 (32)優先日 昭62(1987)8月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−293999 (32)優先日 昭62(1987)11月24日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−294000 (32)優先日 昭62(1987)11月24日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−294001 (32)優先日 昭62(1987)11月24日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−294002 (32)優先日 昭62(1987)11月24日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−294003 (32)優先日 昭62(1987)11月24日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭63−21381 (32)優先日 昭63(1988)2月2日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 福政 充睦 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 日 本鉱業株式会社内 (72)発明者 白鳥 伸之 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 日 本鉱業株式会社内 (72)発明者 横山 明久 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 日 本鉱業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−159351(JP,A)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (Aは、−、−O−、 又は のいずれか、lとmは1又は2でともに2をとることは
    なく、kとnは1以上の整数で、かつk>nであり、R
    はアルキル基である。ただし、Aが−O−、Bが で、かつnが1の場合は、kは7以上である。)で表さ
    れる新規アルカノイルエステル化合物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の一般式(I)で表される
    化合物が光学活性を有する化合物であることを特徴とす
    る新規アルカノイルエステル化合物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の一般式(I)で表
    される化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
  4. 【請求項4】一般式(II) (Xは、HO−、HOOC−又はHOCH2−のいずれか、kとn
    は1以上の整数で、かつk>nである。ただし、XがHO
    −で、かつnが1の場合は、kは7以上である。)で表
    される新規アルカノイルフェニル化合物。
  5. 【請求項5】一般式(III) (Xは、HO−、HOOC−又はHOCH2−のいずれか、kとn
    は1以上の整数で、かつk>nである。ただし、XがHO
    −で、かつnが1の場合は、kは7以上である。)で表
    される新規アルカノイルビフェニル化合物。
  6. 【請求項6】2−アルキル−1−アルカノールを酸化し
    て、2−アルキル−1−アルカン酸を得、これを酸ハロ
    ゲン化物とし、この酸ハロゲン化物でフェノールをアシ
    ル化させ、請求項4の一般式(II)においてXがHO−で
    ある化合物を合成することを特徴とするアルカノイルフ
    ェノール化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】2−アルキル−1−アルカノールを酸化し
    て、2−アルキル−1−アルカン酸を得、これを酸ハロ
    ゲン化物とし、この酸ハロゲン化物でアニソールをアシ
    ル化させた後、メチル基を水素で置換して、請求項4の
    一般式(II)においてXがHO−である化合物を合成する
    ことを特徴とするアルカノイルフェノール化合物の製造
    方法。
  8. 【請求項8】4−ハロベンジルアルコールをアルキルビ
    ニルエーテルと反応させて、4−ハロベンジル−(1−
    アルコキシ)エチルエーテルとした後、これを2−アル
    キルアルカン酸ハライドとグリニャール反応によりカッ
    プリングし、次いで、酸で処理して、請求項4の一般式
    (II)においてXがHOCH2−である化合物を合成するこ
    とを特徴とするアルカノイルフェニル化合物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】請求項4の一般式(II)においてXがHOCH
    2−である化合物を過マンガン酸カリウムで酸化して、
    請求項4の一般式(II)においてXがHOOC−である化合
    物を合成することを特徴とするアルカノイルフェニル化
    合物の製造方法。
  10. 【請求項10】2−アルキル−1−アルカノールを酸化
    して、2−アルキル−1−アルカン酸を得、これをヒド
    ロキシビフェニルと縮合してエステル化し、次いでこの
    エステル化物を2−アルキル−1−アルカン酸ハライド
    と反応させて後、加水分解して、請求項5の一般式(II
    I)においてXがHO−である化合物を合成することを特
    徴とする新規なアルカノイルビフェニル化合物の製造方
    法。
  11. 【請求項11】4−ハロビフェニルと塩化アセチルとを
    反応させて、4−アセチル−4′−ハロビフェニルと
    し、これを酸化して、4′−ハロビフェニル−4−カル
    ボン酸とした後、水素化アルミニウムリチウムにより還
    元して、4′−ハロ−4−ヒドロキシメチルビフェニル
    とし、この化合物をアルキルビニルエーテルと反応させ
    て、4−(4−ハロフェニル)ベンジル−(1−アルコ
    キシ)エチルエーテルとした後、これを2−アルキルア
    ルカン酸ハライドとグリニャール反応によりカップリン
    グし、次いで、酸で処理して、請求項5の一般式(II
    I)においてXがHOCH2−である化合物を合成することを
    特徴とする新規なアルカノイルビフェニル化合物の製造
    方法。
  12. 【請求項12】請求項5の一般式(III)においてXがH
    OCH2−である化合物を過マンガン酸カリウムで酸化し
    て、請求項5の一般式(III)においてXがHOOC−であ
    る化合物を合成することを特徴とするアルカノイルフェ
    ニル化合物の製造方法。
  13. 【請求項13】2−アルキル−1−アルカノールを酸化
    して、2−アルキル−1−アルカン酸を得、これを酸ハ
    ロゲン化物とし、これにフェノールを反応させて4−ア
    ルカノイルフェノールを得、次いで、この4−アルカノ
    イルフェノールと4′−アルコキシビフェニル−4−カ
    ルボン酸、4′−アルキルビフェニル−4−カルボン
    酸、4′−アルカノイルオキシビフェニル−4−カルボ
    ン酸、4′−アルキルオキシカルボニルオキシビフェニ
    ル−4−カルボン酸、4′−アルキルオキシカルボニル
    ビフェニル−4−カルボン酸、または4′−アルカノイ
    ルビフェニル−4−カルボン酸とをエステル化させ、一
    般式(IV) (Aは、−、−O−、 のいずれか、Rは、アルキル基、kとnは、1以上の整
    数で、かつk>nである)で示す化合物を製造すること
    を特徴とする新規アルカノイルエステル化合物の製造方
    法。
  14. 【請求項14】2−アルキル−1−アルカノールを酸化
    して、2−アルキル−1−アルカン酸を得、これを酸ハ
    ロゲン化物とし、これにフェノールを反応させて4−ア
    ルカノイルフェノールを得、次いで、この4−アルカノ
    イルフェノールと4−アルコキシ安息香酸、4−アルキ
    ル安息香酸、4−アルカノイルオキシ安息香酸、4−ア
    ルキルオキシカルボニルオキシ安息香酸、4−アルキル
    オキシカルボニル安息香酸、または4−アルカノイル安
    息香酸とをエステル化させ、一般式(V) (Aは、−、−O−、 のいずれか、Rは、アルキル基、kとnは、1以上の整
    数で、かつk>nである)で示す化合物を製造すること
    を特徴とする新規アルカノイルエステル化合物の製造方
    法。
  15. 【請求項15】2−アルキル−1−アルカノールを酸化
    して、2−アルキル−1−アルカン酸を得、これをヒド
    ロキシビフェニルと縮合してエステル化し、次いで、こ
    のエステル化物と2−アルキル−1−アルカン酸の酸ハ
    ロゲン化物とを反応させた後、アルカリ条件下に当該エ
    ステルを加水分解して、4−ヒドロキシ−4′−(2−
    アルキルアルカノイル)ビフェニルとし、これと4−ア
    ルコキシ安息香酸、4−アルキル安息香酸、4−アルキ
    ルオキシカルボニル安息香酸、4−アルカノイルオキシ
    安息香酸、4−アルカノイル安息香酸、または4−アル
    キルオキシカルボニルオキシ安息香酸とをエステル化さ
    せ、一般式(VI) (Aは、−、−O−、 のいずれか、Rは、アルキル基、kとnは、1以上の整
    数で、かつk>nである)で示す化合物を製造すること
    を特徴とする新規アルカノイルエステル化合物の製造方
    法。
  16. 【請求項16】4−アルカノイル安息香酸と4−ヒドロ
    キシ−4′−アルコキシビフェニル、4−ヒドロキシ−
    4′−アルカノイルオキシビフェニル、4−ヒドロキシ
    −4′−アルキルビフェニル、4−ヒドロキシ−4′−
    アルキルオキシカルボニルビフェニル、4−ヒドロキシ
    −4′−アルキルオキシカルボニルオキシビフェニル、
    または4−ヒドロキシ−4′−アルカノイルビフェニル
    とをエステル化させ、一般式(VII) (Aは、−、−O−、 のいずれか、Rは、アルキル基、kとnは、1以上の整
    数で、かつk>nである)で示す化合物を製造すること
    を特徴とする新規アルカノイルエステル化合物の製造方
    法。
  17. 【請求項17】4−アルカノイル安息香酸と4−アルコ
    キシフェノール、4−アルキルフェノール、4−アルカ
    ノイルオキシフェノール、4−アルキルオキシカルボニ
    ルフェノール、4−アルキルオキシカルボニルオキシフ
    ェノール、または4−アルカノイルフェノールとをエス
    テル化させ、一般式(VIII) (Aは、−、−O−、 のいずれか、Rは、アルキル基、kとnは、1以上の整
    数で、かつk>nである)で示す化合物を製造すること
    を特徴とする新規アルカノイルエステル化合物の製造方
    法。
  18. 【請求項18】4′−アルカノイルビフェニル−4−カ
    ルボン酸と4−アルコキシフェノール、4−アルキルフ
    ェノール、4−アルカノイルオキシフェノール、4−ア
    ルキルオキシカルボニルフェノール、4−アルキルオキ
    シカルボニルオキシフェノール、または4−アルカノイ
    ルフェノールとをエステル化させ、一般式(IX) (Aは、−、−O−、 のいずれか、Rは、アルキル基、kとnは、1以上の整
    数で、かつk>nである)で示す化合物を製造すること
    を特徴とする新規アルカノイルエステル化合物の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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