JPH07254506A - 磁性粉末及びその製造方法 - Google Patents

磁性粉末及びその製造方法

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JPH07254506A
JPH07254506A JP6045525A JP4552594A JPH07254506A JP H07254506 A JPH07254506 A JP H07254506A JP 6045525 A JP6045525 A JP 6045525A JP 4552594 A JP4552594 A JP 4552594A JP H07254506 A JPH07254506 A JP H07254506A
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Japan
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ferrite
iron
spinel
magnetic powder
powder
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JP6045525A
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English (en)
Inventor
Hajime Takeuchi
肇 竹内
Osamu Kubo
修 久保
Etsuji Ogawa
悦治 小川
Tsutomu Nomura
力 野村
Tatsumi Maeda
辰巳 前田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録媒体に用いる磁性粉末において、従
来のスピネル型フェライト被着型六方晶系フェライトで
は実現が容易でなかった短波長S/N特性を改善するた
めに、粒子サイズ・形状分布の制御が容易な磁性粉末を
得ること。 【構成】 六方晶M型マグネトプランバイトフェライト
微粉末の表面の少なくとも一部に、スピネル型フェライ
トとα鉄の微結晶粒子とを被着してなる磁性粉末。スピ
ネル型フェライト及びα鉄の原料として2価鉄塩を用い
ること、2価鉄を共沈させること、又は適度の酸素量の
下で酸化反応と還元反応とを同時に起こさせて、α鉄及
びスピネル型フェライトを同時に析出させることを含む
磁性粉末の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体などに用
いる磁性粉に関する。
【0002】
【従来の技術】塗布型の磁気記録媒体は、ポリエチレン
テレフタレートなどの非磁性支持体と、この支持体に設
けられた強磁性粉と樹脂バインダとを主成分とする磁性
層とから構成されている。上記磁性粉としては、従来よ
りγ−Fe23 などの針状磁性粉が広く用いられてき
たが、近年では、磁気記録媒体の記録密度の大幅な向上
を目指して、六方晶系フェライトの超微粒子磁性粉を用
いたものが開発されており、一部で実用化も進められて
いる。
【0003】また六方晶系フェライトの磁化量を向上さ
せ、さらに高密度の記録再生を可能にしようとする、ス
ピネル型フェライト被着型六方晶系フェライトの研究開
発も行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スピネル型フェライト
被着型六方晶系フェライトにおいては、スピネル型フェ
ライト固有の質量磁化は置換型六方晶系フェライトの質
量磁化に比べて高いので、質量磁化は向上するものの、
磁気記録に必要な体積磁化量はスピネル型フェライトと
六方晶系フェライトとの間では大きな差がない。したが
って、体積磁化量を有意に向上させるには意図的に六方
晶系フェライト粒子を小さくし、スピネル型フェライト
導入量を多くする必要があった。
【0005】磁気記録媒体は、出力特性において短波長
特性に優れていることが高密度化を図るうえで要求され
るが、この際、短波長特性、とりわけS/Nを確保する
ためには、粒子サイズ・形状分布の制御が求められてい
る。ところが、従来のスピネル型フェライト被着型六方
晶系フェライトでは、スピネル型フェライト導入量を多
くせざるを得ないため、短波長S/N特性の確保には必
須の、粒子サイズ・形状分布の制御が困難であった。
【0006】本発明はスピネル型フェライト導入量を粒
径制御可能領域に押さえながら、体積磁化量が向上し、
粒子サイズ・形状分布の制御が容易で短波長S/N特性
の確保が可能な磁性粉末を供給するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の磁性粉末は、酸
化物の強磁性体微粉末において、酸化物強磁性体微粉末
が六方晶M型マグネトプランバイトフェライトであっ
て、表面の少なくとも一部にスピネル型フエライトとα
鉄の微結晶微粒子とを被着してなることを特徴とする磁
性粉末である。また、本発明の製造方法は、六方晶M型
マグネトプランバイトフェライト微粉末の表面の少なく
とも一部に、スピネル型フェライトとα鉄とを含む結晶
微粒子を被着してなる磁性粉末の製造方法であって、上
記スピネル型フェライトとα鉄との原料として2価鉄塩
を用い、上記2価鉄を共沈させるプロセスと、適度の酸
素量の下で酸化反応と還元反応とを同時に起こさせて、
上記スピネル型フェライトとα鉄とを同時に析出させる
こと、を特徴としたものである。
【0008】本発明における六方晶系フェライトとして
は、鉄を置換する複数の元素の原子数平均の価数が3価
となるようなM型マグネトプランバイトの六方晶系フェ
ライトであることが望ましい。したがって、2価の遷移
金属を導入した場合、同時に4〜6価金属が含まれてい
ることが望ましい。4価金属としては、Ti、Zr、H
f、Snなど、5価金属としては、Nb、Sb、Taな
どが挙げられる。
【0009】また、上記六方晶系フェライトの製造方法
としては、ガラス結晶化法、水熱合成法、共沈法などい
かなる方法によるものでもよい。いずれの方法において
も形状分布・粒径分布がシャープになる条件を見い出す
ことが重要である。本発明において母体六方晶系フェラ
イトのサイズを意図的に小さくする必要はほとんどな
い。
【0010】本発明における、表面の少なくとも一部を
被覆するスピネル型フェライトを構成する2価金属とし
ては、Co2+、Fe2+、Ni2+、Zn2+、Mn2+、Mg
2+、Cu2+などが挙げられる。また、六方晶系フェライ
トに対するスピネル型フェライトの量は、仕込みモル比
で六方晶系フェライト1に対して、スピネル型フェライ
トを0.01〜2.0の範囲とすることが好ましい。ス
ピネル型フェライト量が多くなると粒径粒子形状の制御
が困難になり本発明の意図する所ではない。
【0011】本発明は、2価鉄塩をα鉄及びスピネル型
フェライトの原料として用い、六方晶フェライト1モル
に対し、(スピネル鉄+α鉄)原料が0.01から2モ
ルの範囲となるように調整することが好ましく、適度の
酸素量の下で酸化反応と還元反応とを同時に起こさせ、
α鉄及びスピネル型フェライトを同時に析出させる方法
を採っているので、導入するスピネル型フェライト量が
少なすぎるとα鉄へ変換する鉄量が少なく、酸化量は向
上しなくなる。
【0012】またスピネル型フェライトが六方晶系フェ
ライトのc面上にエピタキシャルに被覆していることが
望ましい。スピネル型フェライトと六方晶系フェライト
との界面で交換相互作用が働くため、一斉磁化反転が起
こり易くなる。スピネル型フェライトを被覆する方法と
しては、たとええば、スピネル型フェライトを構成する
ための金属イオン、および六方晶系フェライト粉末を含
むアルカリ懸濁液を加熱する方法が挙げられる。
【0013】本発明において、表面の少なくとも一部を
被覆する金属微結晶としては、Fe、Co、Niなどの
強磁性金属、とりわけα鉄が磁化の大きさ・耐候性の点
で優れている。金属の被着量は、X線ピーク強度で見て
金属のメインピークが母体六方晶系フェライトの(10
7)ピーク強度の1/200〜1/10程度であること
が望ましい。金属(α鉄)量が多くなると粒子は軟磁気
特性を示すようになり、磁気記録用には向かなくなる。
【0014】スピネル系フェライトは、六方晶フェライ
トのc面上に好んで析出成長する。このために、α鉄も
c面上に析出する。従って、α鉄量が少ない場合、母体
六方晶系フェライトの磁気モーメントとの静磁気的相互
作用で、一斉磁化回転を行うことが出来る。
【0015】しかし、α鉄量が多い場合、ある注目する
α鉄の磁気モーメントは、他の(注目するα鉄粒子の横
に位置する)α鉄の磁気モーメントとの静磁気的相互作
用と、母体六方晶系フェライトとその上にエピタキシャ
ル成長したスピネル型フェライトの磁気モーメントと
の、静磁気的相互作用が打ち消されるため、母体六方晶
系フェライトの磁気モーメントと弱くカップリングする
だけになり、結果として、α鉄のモーメントの寄与分が
増えるとモーメントの一斉磁化反転が起きにくくなる。
【0016】さらにこの範囲以上にα鉄が増えると、α
鉄が粉の、ごく表面に存在する確率か増え、酸化による
経時劣化も問題になってくる。逆に、上記範囲をはずれ
て少なくなると磁化量向上が期待できない。
【0017】本発明の金属微粒子量の制御は、スピネル
型フェライトを構成するための金属イオン、および六方
晶系フェライト粉末を含むアルカリ懸濁液を加熱する際
の雰囲気制御でなされる。すなわち酸素導入量が多い場
合、金属微粒子は生成できにくく、逆に酸素導入量が少
ない場合、金属微粒子は生成されやすい。酸素導入レー
トの最適値は、反応釜のサイズ・形状、酸素吹き出し口
の位置・形状、用いる水の履歴によって異なり、一概に
は言えない。
【0018】本発明の磁性粉末の酸化に対する安定性は
実用上問題にならない。本発明は適度の酸素量の下で酸
化反応と還元反応とを同時に起こし、スピネル型フェラ
イトとα鉄を析出させる製造方法を採るので、ごく表面
に存在するα鉄(工程の後期に析出)は容易に酸化され
るが、それ以外のα鉄はスピネル型フェライト粒子間に
挟まれ容易には酸化しない。すなわちスピネルがα鉄の
酸化を防止する働きをする。
【0019】本発明における、表面の少なくとも一部を
被覆する金属微結晶粒子のサイズは、粉末法X線回折で
得られるブラッグピークの半値幅より求めた粒径が10
〜300Åにあるものを言う。
【0020】ここに粒径を上記のごとく規定したのは上
記範囲を超えて大きくなると、めざすS/Nが得られに
くくなるためである。金属の微結晶のサイズは、導入す
るα鉄の量と密接に相関するが、本発明の範囲において
は、スピネル型フェライトを構成するための金属イオ
ン、および六方晶系フェライト粉末を含むアルカリ懸濁
液を30分以上加熱すると自動的にこの範囲に入る。
【0021】又、粒径が上記範囲に達しない小さい値の
ものである場合には、スーパーパラ領域に入り、残留磁
化に寄与しなくなる、という不都合を生じる。粒径の好
ましい範囲は30〜250Åであり、最も好ましい範囲
は50〜100Åである。粒径と電気的特性との関係を
示す測定データを表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【作用】六方晶系フェライトの表面の少なくとも一部
を、スピネル型フェライト及びα鉄で覆った粒子とする
ことにより、飽和磁化が高い磁性粉が得られる。
【0024】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。た
だし、磁気特性は最大印加磁場10kOe により測定し
た。その際、磁性粉試料を、反磁界の影響を小さく抑え
るため、試料ホルダー中に形状比1:10の薄い板状に
なるようにプレスしその面内方向に磁界をかけて測定し
た。
【0025】実施例1 ガラス結晶化法によりBa OFe10.52 Co0.74Ti
0.7418で示される板状粒子のBa フェライト粉(保磁
力1,230Oe、飽和磁化56emu/g 、比表面積36m2
/g)を作製した。この磁性粉500g を、0.25mol
のCoCl2 および0.55mol のFeCl2 とともに
12時間N2 バブリングした水5,000mlに入れ、こ
れに等量の2倍のNa OH水溶液1,300mlを添加し
た後、90℃の液温に加熱し、この温度を保って100
cm3/min のレートでO2 バブリングしながら2時間撹拌
した。その後、沈殿物を濾別し、水洗して乾燥した。
【0026】得られた粉末はX線回折パターンにより、
Ba フェライトとスピネル型フェライト、α鉄の混相か
らなることがわかった。ピークの半値幅よりα鉄は粒径
100Åの微結晶であることが分かった。六方晶系フェ
ライト(107)とα鉄の(110)ピーク強度の比は
200:1であった。またその磁気特性は、保磁力が
1,080Oe、飽和磁化が65emu/g であった。
【0027】得られた粉を下記バインダー液中によく分
散させた後PETフィルム上に塗布した後配向し塗布膜
表面を鏡面加工し裁断磁気記録テープを得た。
【0028】 磁性粉 100重量部 スルフォン基含有塩ビ 4重量部 スルフォン基含有ウレタン 7重量部 潤滑剤 3重量部 研磨剤 3重量部 溶剤 270重量部
【0029】このテープを8ミリVTRのデッキに掛け
て電気特性を調べた。
【0030】実施例2 ガラス結晶化法によりBa OFe10.52 Co0.74Ti
0.7418で示される板状粒子のBa フェライト粉(保磁
力1,230Oe、飽和磁化56emu/g 、比表面積36m2
/g)を作製した。この磁性粉500g を、0.25mol
のCoCl2 および0.55mol のFeCl2 とともに
12時間N2 バブリングした水5,000mlに入れ、こ
れに等量の2倍のNa OH水溶液1,300mlを添加し
た後、90℃の液温に加熱し、この温度を保って50cm
3/min のレートでO2 バブリングしながら2時間撹拌し
た。その後、沈殿物を濾別し、水洗して乾燥した。
【0031】得られた粉末は、X線回折パターンによ
り、Ba フェライトとスピネル型フェライト、α鉄の混
相からなることがわかった。ピークの半値幅よりα鉄は
粒径100Åの微結晶であることが分かった。六方晶系
フェライト(107)とα鉄の(110)ピーク強度の
比は20:1であった。またその磁気特性は、保磁力が
1,080Oe、飽和磁化が67emu/g であった。
【0032】実施例1と同様のプロセスで得られたテー
プの電気特性を調べた。
【0033】実施例3 ガラス結晶化法によりBa OFe10.52 Co0.74Ti
0.7418で示される板状粒子のBa フェライト粉(保磁
力1,230Oe、飽和磁化56emu/g 、比表面積36m2
/g)を作製した。この磁性粉500g を、0.25mol
のCoCl2 および0.55mol のFeCl2 とともに
12時間N2 バブリングした水5,000mlに入れ、こ
れに等量の2倍のNa OH水溶液1,300mlを添加し
た後、90℃の液温に加熱し、この温度を保って40cm
3/min のレートでO2 バブリングしながら2時間撹拌し
た。その後、沈殿物を濾別し、水洗して乾燥した。
【0034】得られた粉末は、X線回折パターンによ
り、Ba フェライトとスピネル型フェライト、α鉄の混
相からなることがわかった。ピークの半値幅よりα鉄は
粒径100Åの微結晶であることが分かった。六方晶系
フェライト(107)とα鉄の(110)ピーク強度の
比は10:1であった。またその磁気特性は、保磁力が
1,080Oe、飽和磁化が72emu/g であった。
【0035】実施例1と同様のプロセスで得られたテー
プの電気特性を調べた。
【0036】実施例4 ガラス結晶化法によりBa OFe10.52 Co0.74Ti
0.7418で示される板状粒子のBa フェライト粉(保磁
力1,230Oe、飽和磁化56emu/g 、比表面積36m2
/g)を作製した。この磁性粉500g を、0.005mo
l のCoCl2 および0.11mol のFeCl2 ととも
に12時間N2 バブリングした水5,000mlに入れ、
これに等量の2倍のNa OH水溶液1,300mlを添加
した後、90℃の液温に加熱し、この温度を保って4cm
3/min のレートでO2 バブリングしながら2時間撹拌し
た。その後、沈殿物を濾別し、水洗して乾燥した。
【0037】得られた粉末は、X線回折パターンによ
り、Ba フェライトとスピネル型フェライト、α鉄の混
相からなることがわかった。ピークの半値幅よりα鉄は
粒径100Åの微結晶であることが分かった。六方晶系
フェライト(107)とα鉄の(110)ピーク強度の
比は200:1であった。またその磁気特性は、保磁力
が1,080Oe、飽和磁化が60emu/g であった。
【0038】実施例1と同様のプロセスで得られたテー
プの電気特性を調べた。
【0039】実施例5 ガラス結晶化法によりBa OFe10.52 Co0.74Ti
0.7418で示される板状粒子のBa フェライト粉(保磁
力1,230Oe、飽和磁化56emu/g 、比表面積36m2
/g)を作製した。この磁性粉500g を、1.0mol の
CoCl2 および2.2mol のFeCl2 とともに12
時間N2 バブリングした水5,000mlに入れ、これに
等量の2倍のNa OH水溶液1,300mlを添加した
後、90℃の液温に加熱し、この温度を保って100cm
3/min のレートでO2 バブリングしながら2時間撹拌し
た。その後、沈殿物を濾別し、水洗して乾燥した。
【0040】得られた粉末は、X線回折パターンによ
り、Ba フェライトとスピネル型フェライト、α鉄の混
相からなることがわかった。ピークの半値幅よりα鉄は
粒径100Åの微結晶であることが分かった。六方晶系
フェライト(107)とα鉄の(110)のピーク強度
の比は10:1であった。またその磁気特性は、保磁力
が1,080Oe、飽和磁化が78emu/g であった。
【0041】実施例1と同様のプロセスで得られたテー
プの電気特性を調べた。
【0042】比較例1 ガラス結晶化法によりBa OFe10.52 Co0.74Ti
0.7418で示される板状粒子のBa フェライト粉(保磁
力1,230Oe、飽和磁化56emu/g 、比表面積36m2
/g)を作製した。この磁性粉500g を、1.5mol の
CoCl2 および3.0mol のFeCl2 とともに12
時間N2 バブリングした水5,000mlに入れ、これに
等量の2倍のNa OH水溶液1,300mlを添加した
後、90℃の液温に加熱し、この温度を保って空気で1
50cm3/min のレートでO2 バブリングしながら2時間
撹拌した。その後、沈殿物を濾別し、水洗して乾燥し
た。
【0043】得られた粉末は、X線回析パターンによ
り、Ba フェライトとスピネル型フェライトの相からな
ることがわかった。またその磁気特性は、保磁力が1,
080Oe、飽和磁化が58emu/g であった。
【0044】実施例1と同様のプロセスで得られたテー
プの電気特性を調べた。
【0045】比較例2 ガラス結晶化法によりBa OFe10.52 Co0.74Ti
0.7418で示される板状粒子のBa フェライト粉(保磁
力1,230Oe、飽和磁化56emu/g 、比表面積36m2
/g)を作製した。この磁性粉500g を、0.25mol
のCoCl2 および0.5mol のFeCl2 とともに1
2時間N2 バブリングした水5,000mlに入れ、これ
に等量の2倍のNa OH水溶液1,300mlを添加した
後、90℃の液温に加熱し、この温度を保って空気で1
50cm3/min のレートでO2 バブリングしながら2時間
撹拌した。その後、沈殿物を濾別し、水洗して乾燥し
た。
【0046】得られた粉末は、X線回析パターンによ
り、Ba フェライトとスピネル型フェライトからなるこ
とがわかった。またその磁気特性は、保磁力が1,08
0Oe、飽和磁化が56emu/g であった。
【0047】得られた磁性粉を用いて実施例1と同様の
プロセスで得られたテープの電気特性を調べた。
【0048】比較例3 ガラス結晶化法によりBa OFe10.52 Co0.74Ti
0.7418で示される板状粒子のBa フェライト粉(保磁
力1,230Oe、飽和磁化56emu/g 、比表面積36m2
/g)を用いて実施例1と同様のプロセスで得られたテー
プの電気特性を調べた。
【0049】上記5つの実施例及び3つの比較例の特性
データを、夫々表2及び表3に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】上記具体例からわかるように、本実施例の
磁性粉末は、所定の組成範囲の六方晶系フェライト微粉
末の表面の少なくとも一部を、スピネル型フエライト及
びα鉄の微結晶粒子で覆った粒子とすることにより、高
い飽和磁化が得られた。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁性粉の
ごとく、所定の組成範囲の六方晶系Ba フェライトの表
面の少なくとも一部をスピネル型フェライト及びα鉄の
微結晶粒子で覆った粒子とすることにより、飽和磁化が
高く、しかも形状分布のそろった磁性粉が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 力 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 前田 辰巳 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布型磁気記録媒体に用いられる酸化物
    強磁性体微粉末において、上記酸化物強磁性体微粉末が
    六方晶M型マグネトプランバイトフェライトであり、上
    記六方晶M型マグネトプランバイトフェライト微粉末の
    表面の少なくとも一部に、スピネル型フェライトとα鉄
    とを含む微結晶粒子を被着してなることを特徴とする磁
    性粉末。
  2. 【請求項2】 上記微結晶粒子が、10〜300Åの粒
    径を有することを特徴とする請求項1記載の磁性粉末。
  3. 【請求項3】 上記スピネル型フェライトと上記α鉄と
    の原料として2価鉄塩を用いたことを特徴とする請求項
    1又は請求項2記載の磁性粉末。
  4. 【請求項4】 六方晶M型マグネトプランバイトフェラ
    イト微粉末の表面の少なくとも一部に、スピネル型フェ
    ライトとα鉄とを含む結晶微粒子を被着してなる磁性粉
    末の製造方法であって、上記スピネル型フェライトとα
    鉄との原料として2価鉄塩を用い、上記2価鉄を共沈さ
    せるプロセスと、適度の酸素量の下で酸化反応と還元反
    応とを同時に起こさせて上記スピネル型フェライトとα
    鉄とを同時に析出させることを特徴とする磁性粉末の製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6893581B2 (en) 2002-02-01 2005-05-17 Sanyo Electric Co., Ltd. Composite magnetic material and a method for producing the same
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