JPH05101917A - 金属磁性粉末の製造方法および磁気記録媒体用塗膜 - Google Patents

金属磁性粉末の製造方法および磁気記録媒体用塗膜

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JPH05101917A
JPH05101917A JP4089570A JP8957092A JPH05101917A JP H05101917 A JPH05101917 A JP H05101917A JP 4089570 A JP4089570 A JP 4089570A JP 8957092 A JP8957092 A JP 8957092A JP H05101917 A JPH05101917 A JP H05101917A
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JP
Japan
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ferrite
magnetic powder
particles
acicular
iron oxide
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Application number
JP4089570A
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English (en)
Inventor
Michihito Igaki
通人 井垣
Masayuki Yuzawa
正幸 湯沢
Toshiharu Arita
俊治 有田
Shigeo Fujii
滋夫 藤井
Yoshio Aoki
由郎 青木
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】針状晶の含水酸化鉄粒子の粒子表面に少なくと
も2価の遷移金属化合物層か、または少なくとも2価の
遷移金属化合物および該針状晶の含水酸化鉄粒子に対し
て吸着能を有する炭素化合物を含有する混合物層を被覆
した後、あるいは更に該該炭素化合物を含有する表面層
を被覆した後、該針状晶粒子を不活性ガス気流中で高温
加熱して、該針状晶粒子を実質的に脱水孔の存在しない
フェライトとし、次いで該フェライトを加熱還元する金
属磁性粉末の製造方法、並びに該金属磁性粉末を含有す
る磁気記録媒体用塗膜。 【効果】本発明によると、実質的に脱水孔の存在しない
フェライトを形成させることができ、該フェライトの加
熱還元により高い保磁力、保磁力分布の狭い金属磁性粉
末が得られる。またこれを用いて、耐酸化性が一段と優
れた磁気記録媒体用塗膜を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録に用いられる金
属磁性粉末の製造方法および該方法により得られる金属
磁性粉末を含有する磁気記録媒体用塗膜に関する。更に
詳しくは、製造工程中に実質的に脱水孔の存在しないフ
ェライトを形成させることにより、比表面積が大きく高
保磁力、高分散性であり、更に耐食性の優れた金属磁性
粉末を製造する方法に関するものであり、またそのよう
な金属磁性粉末を用いた耐食性に優れ、かつ磁気特性に
優れた磁気記録媒体用塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】近年、各
種の記録方式の発展は著しいものがあるが、中でも磁気
記録再生装置の小型軽量化の進歩は顕著である。これに
つれて磁気テープ・磁気ディスク等の磁気記録媒体に対
する高性能化の要求が大きくなってきている。
【0003】磁気記録に対するこのような要求を満足す
るためには高い保磁力と高い飽和磁化を有する磁性粉末
が必要である。従来、磁気記録用の磁性粉末として一般
には針状のマグネタイトやマグヘマイト又はこれらの磁
性酸化鉄粉末をコバルトで変性したいわゆるコバルト含
有酸化鉄が用いられているが、より高出力の媒体を得る
ためにはより高い保磁力・飽和磁化を持つ強磁性の金属
磁性粉末いわゆるメタル磁性粉が用いられ始めている。
【0004】このような金属磁性粉末の製造方法として
は種々の方法が提案されているが、経済的な優位性から
一般的には、針状のゲーサイトまたはこれを加熱脱水し
て得られる酸化鉄粒子を水素等の還元性ガス雰囲気中で
加熱して金属鉄にまで還元する方法が用いられている。
しかし、この方法では還元を高温で行うため、粒子の融
着、形状の崩壊等を生じ易く充分に満足できる性能が得
られないため種々の提案がなされている。
【0005】その一例は、ゲーサイトにケイ素化合物を
付着処理して空気中で加熱処理した後、水素気流中で還
元を行う方法(特開昭63−61413号公報)が報告
されている。しかし、この提案では空気中で加熱脱水を
行なうため、脱水時に脱水孔が生じやすく、脱水孔の存
在したままで還元メタル化を行なうことになる。そのた
めメタル化時に粒子の切断が生じ、得られる金属磁性粉
末の磁気特性が低下するという問題が指摘されている。
【0006】また、微粒子の金属磁性粉末においてはも
う一つの問題が存在する。すなわち、金属磁性粉末は化
学的に不安定であり時間の経過と共に飽和磁化が減少す
るという欠点があるが、粒子が小さくなるほどこの欠点
が目立ってくる。この欠点の解決のために種々提案がな
されており、本発明者らも表面遷移金属層の形成により
耐酸化性が向上することを見いだし特許出願済みである
(特開昭63−62205号公報、特開平1−1640
06号公報)が、これらの解決法は比較的粒子径の大き
い場合には顕著な効果を示すが、微粒子ではこれらの処
理の無いものに比べると優れた耐酸化性を示すものの十
分満足できる効果を得るには至っていない。
【0007】このように高い保磁力、飽和磁化を有する
金属磁性粉末の開発が当業界では望まれているが、特に
微粒子の金属磁性粉末についてはまだ十分な性能を有す
るものは得られていないのが実情である。本発明の目的
はこのような微粒子の金属磁性粉末の製造段階における
粒子の切断および粒子同士の焼結を防止し、優れた磁気
特性を示すと共に、耐酸化性の優れた金属磁性粉末の製
造方法及びこの方法により得られる金属磁性粉末を用い
た磁気記録媒体用塗膜を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために針状晶の含水酸化鉄粒子から、金属
磁性粉末を得る過程について検討を行なった。その結
果、針状晶の含水酸化鉄粒子の粒子表面に少なくとも2
価の遷移金属化合物等による所定の層を設けて被覆した
後に、該含水酸化鉄粒子を不活性ガス気流中で高温加熱
することにより実質的に脱水孔の存在しないフェライト
を形成させ、次いで該フェライトを加熱還元することに
より、還元時の焼結および切断の防止、形状維持が容易
となり、高い保磁力、保磁力分布の狭い金属磁性粉末が
得られること、および、得られた金属磁性粉末の耐酸化
性が一段と優れることを見出し、本発明の完成に至っ
た。
【0009】即ち、本発明の要旨は、(1)針状晶の含
水酸化鉄粒子の粒子表面に少なくとも2価の遷移金属化
合物層を被覆した後、該針状晶粒子を実質的に脱水孔の
存在しないフェライトと化し、次いで該フェライトを加
熱還元することを特徴とする金属磁性粉末の製造方法、
(2)針状晶の含水酸化鉄粒子の粒子表面に少なくとも
2価の遷移金属化合物および該針状晶の含水酸化鉄粒子
に対して吸着能を有する炭素化合物を含有する混合物層
を被覆した後、該針状晶粒子を実質的に脱水孔の存在し
ないフェライトと化し、次いで該フェライトを加熱還元
することを特徴とする金属磁性粉末の製造方法、(3)
針状晶の含水酸化鉄粒子の粒子表面に、(1)少なくと
も2価の遷移金属化合物層、または(2)少なくとも2
価の遷移金属化合物および該針状晶の含水酸化鉄粒子に
対して吸着能を有する炭素化合物を含有する混合物層を
被覆し、さらに該針状晶の含水酸化鉄粒子に対して吸着
能を有する炭素化合物を含有する表面層を被覆した後、
該針状晶粒子を実質的に脱水孔の存在しないフェライト
と化し、次いで該フェライトを加熱還元することを特徴
とする金属磁性粉末の製造方法、(4)針状晶の含水酸
化鉄粒子の粒子表面に少なくとも2価の遷移金属化合物
層を被覆した後、該針状晶粒子を不活性ガス気流中で高
温加熱することにより、実質的に脱水孔の存在しないフ
ェライトを形成し、次いで該フェライトを加熱還元する
ことを特徴とする金属磁性粉末の製造方法、(5)針状
晶の含水酸化鉄粒子の粒子表面に少なくとも2価の遷移
金属化合物および該針状晶の含水酸化鉄粒子に対して吸
着能を有する炭素化合物を含有する混合物層を被覆した
後、該針状晶粒子を不活性ガス気流中で高温加熱するこ
とにより、実質的に脱水孔の存在しないフェライトを形
成し、次いで該フェライトを加熱還元することを特徴と
する金属磁性粉末の製造方法、(6)針状晶の含水酸化
鉄粒子の粒子表面に、(1)少なくとも2価の遷移金属
化合物層、または(2)少なくとも2価の遷移金属化合
物および該針状晶の含水酸化鉄粒子に対して吸着能を有
する炭素化合物を含有する混合物層を被覆し、さらに該
針状晶の含水酸化鉄粒子に対して吸着能を有する炭素化
合物を含有する表面層を被覆した後、該針状晶粒子を不
活性ガス気流中で高温加熱することにより、実質的に脱
水孔の存在しないフェライトを形成し、次いで該フェラ
イトを加熱還元することを特徴とする金属磁性粉末の製
造方法、並びに(7)前記(1)〜(6)いずれかに記
載の製造方法により得られる金属磁性粉末を含有するこ
とを特徴とする磁気記録媒体用塗膜に関する。
【0010】本発明に用いられる針状含水酸化鉄の軸
比、大きさは一般的に金属磁性粉末の原料として通常用
いられるものであれば良く、特に制限はない。しかし、
前記のように一般に粒子径が小さくなる程化学的に不安
定になるが、本発明の製造方法によるとそのような微粒
子であっても優れた性能を有するので、粒子径の小さい
ものについて本発明の方法によらないものと比較して本
発明の効果が特に顕著にみられる。
【0011】本発明の方法においては、針状晶の含水酸
化鉄粒子の粒子表面に、(1)少なくとも2価の遷移金
属化合物層、または(2)少なくとも2価の遷移金属化
合物および該針状晶の含水酸化鉄粒子に対して吸着能を
有する炭素化合物を含有する混合物層を被覆した後にな
される。あるいはこれらの層にさらに該針状晶の含水酸
化鉄粒子に対して吸着能を有する炭素化合物を含有する
表面層を被覆した後になされる。
【0012】本発明で用いられる2価の遷移金属化合物
としては、Co,Fe,Zn,Cu,Cr,Niなどが
挙げられる。また針状晶の含水酸化鉄粒子に対して吸着
能を有する炭素化合物(以下、吸着能を有する炭素化合
物と略す)としては、該針状晶の含水酸化鉄表面に静電
気的引力あるいは化学反応等の物理的および化学的吸着
力を有するものをいい、例えばポリカルボン酸およびそ
の塩、長鎖カルボン酸およびその塩、ポリエチレンイミ
ン、アルキルアミン塩等が挙げられ、特に制限されるも
のではない。
【0013】2価の遷移金属化合物層、または2価の遷
移金属化合物および吸着能を有する炭素化合物を含有す
る混合物層における2価の遷移金属化合物の量は、2価
の遷移金属化合物がゲーサイト中の鉄原子に対する重量
比として、通常3〜25%、好ましくは7〜20%を含
有している。これは、2価の遷移金属の量が多すぎても
少なすぎても所望の特性が得られなくなるためである。
【0014】また、針状晶の含水酸化鉄粒子に対して吸
着能を有する炭素化合物の添加量は、通常ゲーサイトに
対する重量比として、0.5%以上、好ましくは、1.
0%以上である。但し、高温熱処理において炉壁内にタ
ール等が付着しない量であって、かつ熱処理時のゲーサ
イト脱水反応が阻害されない程度の量までである。0.
5%より少ないと添加する効果が得られない。また、2
価の遷移金属化合物をゲーサイト表面に被覆する時、吸
着能を有する炭素化合物が添加されると、高温熱処理時
のフェライト化が促進される。
【0015】このような2価の遷移金属化合物層、また
は2価の遷移金属化合物および吸着能を有する炭素化合
物を含有する混合物層を針状晶の含水酸化鉄粒子表面に
形成するには、溶液状態からの不溶物の析出、コロイド
状化合物等の沈着等に用いられる公知の方法により行な
われる。その具体例として、例えば2価の遷移金属化合
物層を形成するには、ゲーサイトスラリーに硫酸塩等の
酸性水溶性化合物水溶液を加えて系のpHを7付近に調
整し、その後アルカリ水溶液にて系のpHを10付近に
調整することにより不溶性酸化物ないし水和酸化物を析
出させる方法が挙げられる。
【0016】また、2価の遷移金属化合物および吸着能
を有する炭素化合物を含有する混合物層を形成する場合
も、同様に行うことができる。例えば、コバルト化合物
とポリカルボン酸塩の混合物からなる混合物層を形成さ
せるには、ポリカルボン酸系分散剤を添加したゲーサイ
トスラリーに硫酸コバルト水溶液にて系のpHを7付近
とし、その後アルカリ水溶液にて系のpHを10とする
など、通常、針状晶の含水酸化鉄粒子に対して吸着能を
有する炭素化合物を添加したゲーサイトのスラリーに硫
酸塩等の酸性水溶性化合物水溶液を加え、次いでアルカ
リ性水溶液により系のpHを調節することにより不溶性
酸化物ないし水和酸化物を析出させる方法が挙げられ
る。
【0017】本発明において、針状晶の含水酸化鉄粒子
に対して吸着能を有する炭素化合物を含有する表面層と
は、針状晶の含水酸化鉄粒子の粒子表面に、(1)少な
くとも2価の遷移金属化合物層、または(2)少なくと
も2価の遷移金属化合物および該針状晶の含水酸化鉄粒
子に対して吸着能を有する炭素化合物を含有する混合物
層を被覆した後に、さらに吸着能を有する炭素化合物等
で被覆される層をいう。この表面層には、吸着能を有す
る炭素化合物の他に加熱還元時において金属磁性粉末の
粒子間の焼結を防止する等の目的でケイ素、アルミニウ
ムなどの公知の化合物を含有させてもよい。このような
吸着能を有する炭素化合物を含有する表面層は単一の層
であってもよく、また必要により複数に積層してもよ
い。
【0018】このような表面層を形成するには、前記の
ような2価の遷移金属化合物層や2価の遷移金属化合物
および吸着能を有する炭素化合物を含有する混合物層の
形成方法と同様な方法が適宜使用される。具体的には、
例えば水に易溶性のポリカルボン酸塩、ポリエチレンイ
ミン等を用いる場合は、これらの炭素化合物をあらかじ
め水に溶解し、これを該針状含水酸化鉄スラリーに添加
し、攪拌後、濾過する方法が挙げられる。例えば、長鎖
カルボン酸を用いる場合は、アルカリと反応させ水に可
溶にした後、この水溶液を該針状含水酸化鉄スラリーに
添加し、攪拌後、濾過する方法が挙げられる。なかでも
特に、ポリカルボン酸およびその塩は、該針状含水酸化
鉄表面に対し吸着能を有するばかりでなく、分散能をも
有するため、該針状含水酸化鉄表面に均一被着しやすい
と考えられ有利である。また、表面層にケイ素、アルミ
ニウムなどの公知の化合物を含有させる場合は、水ガラ
ス、硫酸アルミニウム等の水溶液を、該針状含水酸化鉄
スラリーに添加した後、酸あるいはアルカリ性水溶液に
より系のpHを調節することにより不溶性酸化物ないし
水和酸化物を析出させる方法により容易に行うことがで
きる。
【0019】本発明で言うフェライトとは酸化鉄を主と
した酸化物であり、面間隔2.97±0.05、2.5
3±0.05、2.10±0.05オングストロームに
相当する位置にX線回析の主要ピークを有する状態をさ
している。このフェライトの典型的な粉末X線回析パタ
ーンを図1に示した。
【0020】一般に、ゲーサイトを空気中で加熱脱水す
ると脱水孔が生じやすくなるが、この脱水孔は電子顕微
鏡により観察することができる。脱水孔の有無を簡単に
判断する方法としては、流動式比表面積自動測定装置
(フローソーブ2300形、島津製作所製)により測定
された粒子の比表面積値と脱水孔の有無とは相関がみら
れるので、脱水孔の有無を比表面積値から得られる減少
率を用いて判断することができる。即ち、本発明で言う
実質的に脱水孔の存在しないフェライトとは、高温加熱
処理する前後での粒子のBET法による比表面積の減少
率が5%以上、好ましくは10%以上のフェライトであ
り、5%未満のものは脱水孔がみられるものである。こ
こで減少率は次式により求められる。 減少率=(熱処理前の比表面積−熱処理後の比表面積)
/熱処理前の比表面積
【0021】本発明の方法において、このような実質的
に脱水孔の存在しないフェライトを形成させるには、針
状晶の含水酸化鉄粒子を不活性ガス気流中で高温加熱処
理することにより容易になし得る。この処理は、針状晶
の含水酸化鉄粒子表面に前記のようにして2価の遷移金
属化合物層、または2価の遷移金属化合物および吸着能
を有する炭素化合物を含有する混合物層を被覆した後、
あるいはさらにこれらの層に吸着能を有する炭素化合物
を含有する表面層を被覆した後になされる。この場合、
不活性ガスとしては特に制限されることはなく、通常窒
素ガス、アルゴンガスなどが用いられるが、安価である
点から好ましくは窒素ガス気流中で行うのが良い。
【0022】高温加熱処理の温度範囲は、通常400〜
700℃であり、好ましくは450〜600℃である。
400℃より低いとヘマタイトのままであるため、不活
性ガス気流中の処理であっても脱水孔が生じやすくな
り、700℃より高いと粒子が融着を起こしやすくなる
ので、好ましくない。加熱時間は、加熱温度にもよるが
通常0.5〜4時間、好ましくは1〜2時間である。
【0023】このような、高温加熱処理を特開昭63−
61413号公報に記載されているように空気中で行う
とフェライトは形成されず、脱水孔の残ったヘマタイト
を形成するに留まり、水素気流中での還元時に切断が生
じてしまい針状性を保持しなくなり、目的とする性能を
もつ金属磁性粉末を得ることができなくなる恐れがある
ので注意を要する。
【0024】本発明の方法においては、前記のように針
状晶の含水酸化鉄粒子表面に2価の遷移金属化合物層、
または2価の遷移金属化合物および吸着能を有する炭素
化合物を含有する混合物層を被覆した後、あるいはさら
にこれらの層に吸着能を有する炭素化合物を含有する表
面層を被覆した後になされる。本発明の方法において
は、さらに必要に応じて吸着能を有する炭素化合物を含
有する表面層を被覆する前に、前記の2価の遷移金属化
合物層、または2価の遷移金属化合物および吸着能を有
する炭素化合物を含有する混合物層の上に、例えば、加
熱還元時において金属磁性粉末の粒子間の焼結を防止す
るため、ケイ素、アルミニウムなどの公知の化合物を沈
着させることができ、これらの層の上に吸着能を有する
炭素化合物を含有する表面層を被覆してもよい。このよ
うなケイ素化合物層、アルミニウム化合物層は単独ある
いは両者の併用の形で形成されるが、なかでもケイ素化
合物層形成後、アルミニウム化合物層を形成すると最終
的に得られる金属磁性粉末の性能が優れる。
【0025】この場合のケイ素および/またはアルミニ
ウム化合物層の形成はゲーサイト中の鉄原子に対するケ
イ素および/またはアルミニウムの合計の重量比として
1〜10%、好ましくは2〜6%である。これは、ケイ
素、アルミニウムの合計が10%よりも多すぎると得ら
れる金属磁性粉体の飽和磁化がかえって低くなり望まし
くないためである。また、1%未満では最外層としてこ
れらの被覆を行なった効果が得られないからである。
【0026】このように本発明の方法において、針状晶
の含水酸化鉄粒子を被覆するには種々の態様が挙げら
れ、例えば(1)針状晶の含水酸化鉄粒子表面に2価の
遷移金属化合物層を被覆したもの、(2)針状晶の含水
酸化鉄粒子表面に2価の遷移金属化合物および吸着能を
有する炭素化合物を含有する混合物層を被覆したもの、
(3)針状晶の含水酸化鉄粒子表面に2価の遷移金属化
合物層を被覆し、さらに吸着能を有する炭素化合物を含
有する表面層を被覆したもの、(4)針状晶の含水酸化
鉄粒子表面に2価の遷移金属化合物および吸着能を有す
る炭素化合物を含有する混合物層を被覆し、さらに吸着
能を有する炭素化合物を含有する表面層を被覆したも
の、(5)針状晶の含水酸化鉄粒子表面に2価の遷移金
属化合物層を被覆し、次いで、ケイ素および/またはア
ルミニウム等からなる層を被覆し、さらに吸着能を有す
る炭素化合物を含有する表面層を被覆したもの、(6)
針状晶の含水酸化鉄粒子表面に2価の遷移金属化合物お
よび吸着能を有する炭素化合物を含有する混合物層を被
覆し、次いで、ケイ素および/またはアルミニウム等か
らなる層を被覆し、さらに吸着能を有する炭素化合物を
含有する表面層を被覆したもの等が例示される。
【0027】このような各種の層により被覆されたゲー
サイトを前記のように不活性ガスとして、例えば窒素気
流中で400〜700℃に加熱すると実質的に脱水孔の
存在しないフェライトに変換できる。その後の加熱還元
は、水素気流中で通常350〜550℃に、通常2時間
以上保つことによって緻密で形状の優れた金属磁性粉末
を製造することができる。
【0028】上述のようにして得られる耐酸化性、磁気
特性に優れた金属磁性粉末を含有する本発明の磁気記録
媒体用塗膜の製造は、常法に準じて行なう。例えば、こ
の金属磁性粉末を、結合剤樹脂、有機溶剤およびその他
の必要成分とともに分散混合して磁性塗料を調製し、こ
の磁性塗料をポリエステルフイルムなどの基体上に、ド
クターブレード法、グラビア、リバース法、ロール塗り
など任意の手段で塗布し、必要により磁場配向後、乾燥
するなどの方法で行う。
【0029】ここで、結合剤樹脂としては、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、繊維
素系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエーテル系樹
脂、イソシアネート化合物など従来から汎用されている
結合剤樹脂がいずれも用いられる。
【0030】また、有機溶剤としては、シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステ
ル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素系溶剤、ジメチルスルホキシドなどのスルホキ
シド系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ
ーテル系溶剤など、使用する結合剤樹脂を溶解するのに
適した溶剤が、特に制限されることなく単独または二種
以上混合して使用される。
【0031】なお、磁性塗料中には通常使用されている
各種添加剤、例えば、潤滑剤、研摩剤、帯電防止剤など
を適宜に添加してもよい。このようにして形成された磁
気記録媒体用塗膜は、用途に応じてテープ状あるいはデ
ィスク状にカットし、組み上げることにより、信頼性の
高い高性能磁気記録媒体として使用し得るものである。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例により何等制限され
るものではない。 実施例1 反応層の外部にパイプライン型分散機マイルダー(荏原
製作所製)を設置した循環ラインを設けた装置を用い、
ゲーサイト(長軸径:0.18μm、軸比:8)500
gを、ポイズ530(ポリカルボン酸型高分子界面活性
剤、有効分40%:花王株式会社製)15g(対粉3
%)をイオン交換水10リットルに添加した溶液に加え
て約1時間分散した。マイルダーによる分散を続けなが
ら、硫酸コバルト七水和塩270gを1000mlのイ
オン交換水に溶解した水溶液を滴下し、1時間分散した
後、1.2mol/1−NaOH水溶液を滴下し、表面
にコバルト化合物とポリカルボン酸型高分子界面活性剤
とからなる混合物層を形成した。その後、イオン交換水
を用いて洗浄液の電気電導度が100μS/cm以下に
なるまで洗浄した。さらに、これに、ポイズ530(1
5g)を加え再分散し、3号ケイソー(SiO2 分29
%)69gを加え、1時間後希硝酸を滴下し、pHを
6.5にして、表面層としてポリカルボン酸型高分子界
面活性剤を含むケイ素化合物の層を被着せしめた。最後
に、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤を含むこの懸濁
液に濃度2NのNaOH水溶液172mlを添加した
後、ただちに、硫酸バンド(Al分9.3%)34gを
イオン交換水165gに溶解した水溶液を滴下し、さら
に表面層としてポリカルボン酸型高分子界面活性剤を含
むアルミニウムの水酸化物を被着せしめ、この沈澱を水
洗、濾過、乾燥した。
【0033】以上のようにして得たメタル前駆体を48
〜64メッシュに整粒し、内径62mmの流動層炉でガ
ス線速度7cm/秒の窒素気流中550℃で2時間高温
加熱処理を行った。次いで水素気流中500℃で6時間
加熱還元した。還元終了後窒素気流中で冷却し50℃と
した後、ガス線速度7cm/秒で酸素濃度250ppm
のN2 ガスを通気して表面を酸化して金属磁性粉末1を
得た。高温加熱処理後サンプルの比表面積と減少率を表
1に示す。また高温加熱処理後サンプルの電子顕微鏡写
真を図2に示すが、脱水孔は認めなかった。
【0034】次いで、下記塗料配合の配合物をバッチ式
サンドミルで6時間混合後、混合物にコロネートL(日
本ポリウレタン工業株式会社製)2.5重量部を添加
し、さらに15分間混合を行った後、濾過してガラスビ
ーズを分離し、磁性塗料を調製した。この塗料を10μ
m厚のPETフイルム上に乾燥膜厚が3μmになるよう
に塗布し、磁場配向処理後乾燥してPETフイルム上に
磁性層を形成した。次いで、カレンダー処理により鏡面
加工して塗膜1を得た。金属磁性粉末1および塗膜1の
静磁気特性としてHc(保磁力)、σs(飽和磁化)、
σs’(60℃/90%RH保存1週間後のσs)、σ
r/σs、Bs(飽和磁束密度)、Br/Bs(角型
比)、Bs’(60℃/90%RH保存30日間後のB
s)を常法により求めた。その結果を表2および表3に
示す。
【0035】 塗料配合 金属磁性粉末 100重量部 レシチン 2 〃 カーボンブラック 3 〃 γ−アルミナ 5 〃 VAGH*1 15 〃 ニッポラン2304*2 10 〃 メチルエチルケトン 150 〃 トルエン 50 〃 シクロヘキサノン 75 〃 (註)*1:ユニオンカーバイド社製塩化ビニル/酢酸
ビニル/ポリビニルアルコール共重合体 *2:日本ポリウレタン工業株式会社製のポリウレタン
樹脂
【0036】実施例2 実施例1において得たメタル前駆体を、窒素気流中50
0℃で2時間加熱すること以外は実施例1と同様にして
金属磁性粉末2、さらに塗膜2を得た。得られた金属磁
性粉末2についての高温加熱処理後サンプルの比表面積
と減少率を表1に示す。また高温加熱処理後サンプルの
電子顕微鏡写真を図3に示すが、実施例1と同様に脱水
孔は認めなかった。金属磁性粉末2および塗膜2の静磁
気特性について実施例1と同様に行い、その結果を表2
および表3に示す。
【0037】実施例3 反応層の外部にパイプライン型分散機マイルダー(荏原
製作所製)を設置した循環ラインを設けた装置を用い、
ゲーサイト(長軸径:0.18μm、軸比:8)500
gをイオン交換水10リットルに添加し、約1時間分散
した。マイルダーによる分散を続けながら、硫酸コバル
ト七水和塩270gを1000mlのイオン交換水に溶
解した水溶液を滴下し、1時間分散した後、1.2mo
l/1−NaOH水溶液を滴下し、コバルト化合物から
なる層を形成した。その後、イオン交換水を用いて洗浄
液の電気電導度が100μS/cm以下になるまで洗浄
した。さらに、これに3号ケイソー(SiO2 分29
%)69gを加え、1時間後希硝酸を滴下し、pHを
6.5にして、表面にケイ素化合物の層を被着せしめ
た。最後に、この懸濁液に濃度2NのNaOH水溶液1
72mlを添加した後、ただちに、硫酸バンド(Al分
9.3%)34gをイオン交換水165gに溶解した水
溶液を滴下し、アルミニウムの水酸化物を被着せしめ、
この沈澱を水洗、濾過、乾燥した。以降の操作(還元、
酸化安定化、塗料、塗膜化)は実施例1と同様に行い、
得られた金属磁性粉末3についての高温加熱処理後サン
プルの比表面積と減少率を表1に示す。金属磁性粉末3
および塗膜3の静磁気特性について実施例1と同様に行
い、その結果を表2および表3に示す。
【0038】実施例4 反応層の外部にパイプライン型分散機マイルダー(荏原
製作所製)を設置した循環ラインを設けた装置を用い、
ゲーサイト(長軸径:0.18μm、軸比:8)500
gを、ポイズ530(ポリカルボン酸型高分子界面活性
剤、有効分40%:花王株式会社製)15g(対粉3
%)をイオン交換水10リットルに添加した溶液に加え
て約1時間分散した。マイルダーによる分散を続けなが
ら、硫酸コバルト七水和塩270gを1000mlのイ
オン交換水に溶解した水溶液を滴下し、1時間分散した
後、1.2mol/1−NaOH水溶液を滴下し、表面
にコバルトの水酸化物を被着せしめてコバルト化合物と
ポリカルボン酸型高分子界面活性剤とからなる混合物層
を形成した。その後、イオン交換水を用いて洗浄液の電
気電導度が100μS/cm以下になるまで洗浄し、こ
の後ポイズ530(35g)を添加し、この沈澱を水
洗、濾過、乾燥した。以降の操作(還元、酸化安定化、
塗料、塗膜化)は実施例1と同様に行い、得られた金属
磁性粉末4についての高温加熱処理後サンプルの比表面
積と減少率を表1に示す。ただし、高温熱処理は窒素気
流化にて500℃、1時間行い、還元は水素気流下にて
450℃、2時間行った。金属磁性粉末4および塗膜4
の静磁気特性について実施例1と同様に行い、その結果
を表2および表3に示す。
【0039】実施例5 実施例3において合成したメタル前駆体のアルミニウム
の水酸化物の表面に吸着能を有する炭素化合物としてオ
レイン酸を被着すること以外は実施例3と同様にして金
属磁性粉末5、さらに塗膜5を得た。尚、得られた乾燥
粉のオレイン酸の残量は、3.18%であった。高温加
熱処理後サンプルの比表面積と減少率を表4に示す。金
属磁性粉末5および塗膜5の静磁気特性について実施例
1と同様に行い、その結果を表5および表6に示す。
【0040】実施例6 実施例3において合成したメタル前駆体のアルミニウム
の水酸化物の表面に吸着能を有する炭素化合物としてポ
リエチレンイミンを被着すること以外は実施例3と同様
にして金属磁性粉末6、さらに塗膜6を得た。尚、得ら
れた乾燥粉のポリエチレンイミンの残量は、3.60%
であった。高温加熱処理後サンプルの比表面積と減少率
を表4に示す。金属磁性粉末6および塗膜6の静磁気特
性について実施例1と同様に行い、その結果を表5およ
び表6に示す。
【0041】実施例7 実施例3において合成したメタル前駆体のアルミニウム
の水酸化物の表面に吸着能を有する炭素化合物としてア
ルキルアミンアセテート(アセタミン86,花王(株)
製)を被着すること以外は実施例3と同様にして金属磁
性粉末7、さらに塗膜7を得た。尚、得られた乾燥粉の
アルキルアミンアセテートの残量は、3.80%であっ
た。高温加熱処理後サンプルの比表面積と減少率を表4
に示す。金属磁性粉末7および塗膜7の静磁気特性につ
いて実施例1と同様に行い、その結果を表5および表6
に示す。
【0042】比較例1 実施例1において得たメタル前駆体を、加熱処理せずに
ただちに水素気流中500℃で還元すること以外は実施
例1と同様にして金属磁性粉末8、さらに塗膜8を得
た。金属磁性粉末8および塗膜8の静磁気特性について
実施例1と同様に行い、その結果を表2および表3に示
す。
【0043】比較例2 実施例1において得たメタル前駆体を、窒素気流中30
0℃で2時間加熱すること以外は実施例1と同様にして
金属磁性粉末9、さらに塗膜9を得た。得られた金属磁
性粉末9についての高温加熱処理後サンプルの比表面積
と減少率を表1に示す。また高温加熱処理後サンプルの
電子顕微鏡写真には、微細な多くの脱水孔を認めた。金
属磁性粉末9および塗膜9の静磁気特性について実施例
1と同様に行い、その結果を表2および表3に示す。
【0044】比較例3 実施例1において得たメタル前駆体を、空気気流中55
0℃で2時間加熱すること以外は実施例1と同様にして
金属磁性粉末10を得た。得られた金属磁性粉末10に
ついての高温加熱処理後サンプルの比表面積と減少率を
表1に示す。また高温加熱処理後サンプルの電子顕微鏡
写真には、比較的大きな脱水孔を認めた。金属磁性粉末
10の静磁気特性について実施例1と同様に行い、その
結果を表2に示す。
【0045】比較例4 実施例1において得たメタル前駆体を、空気気流中50
0℃で2時間加熱処理を行った。得られたサンプルの電
子顕微鏡写真を図4に示すが、比較的大きな脱水孔を認
めた。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】以上の結果から、実施例1〜7において
は、高温加熱処理後、比表面積の減少率が5%以上のフ
ェライトであるため、還元時の焼結、切断が防止でき、
形状維持が可能となり、高保磁力(Hc)、高角型比
(σr/σs)をもつ金属磁性粉末が得られた。また、
得られた金属磁性粉末の飽和磁化(σs)および60℃
/90%RH雰囲気下で1週間保存後の飽和磁化(σ
s’)が高く、耐酸化性が優れることがわかる。一方、
比較例2,3においては、熱処理後、比表面積の減少率
が10%未満でかつ、その構造は、ヘマタイト(α−F
2 3 )であるため、還元時の焼結、切断が起こり、
形状維持が困難となり、得られた金属磁性粉末の磁気特
性および耐酸化性は低く、満足できるものではない。ま
た、比較例1においても、高温加熱処理をしないため、
金属磁性粉末の磁気特性および耐酸化性は低く、比較例
2,3と同様に満足できるものではなかった。
【0053】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、含水酸化鉄
粒子に少なくとも2価の遷移金属化合物層等を形成した
後、該針状晶粒子を不活性ガス気流中で高温加熱するこ
とにより実質的に脱水孔の存在しないフェライトを形成
させることができ、該フェライトの加熱還元により高い
保磁力、保磁力分布の狭い金属磁性粉末が得られる。ま
た、このようにして得られた金属磁性粉末を用いること
により、耐酸化性が一段と優れた磁気記録媒体用塗膜を
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェライトの典型的な粉末X線回析パターンを
示す。
【図2】実施例1で得られた高温加熱処理後サンプルの
微粒子粉の形状を表す電子顕微鏡写真を示す。
【図3】実施例2で得られた高温加熱処理後サンプルの
微粒子粉の形状を表す電子顕微鏡写真を示す。
【図4】比較例4で得られた高温加熱処理後サンプルの
微粒子粉の形状を表す電子顕微鏡写真を示す。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針状晶の含水酸化鉄粒子の粒子表面に少
    なくとも2価の遷移金属化合物層を被覆した後、該針状
    晶粒子を実質的に脱水孔の存在しないフェライトと化
    し、次いで該フェライトを加熱還元することを特徴とす
    る金属磁性粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 針状晶の含水酸化鉄粒子の粒子表面に少
    なくとも2価の遷移金属化合物および該針状晶の含水酸
    化鉄粒子に対して吸着能を有する炭素化合物を含有する
    混合物層を被覆した後、該針状晶粒子を実質的に脱水孔
    の存在しないフェライトと化し、次いで該フェライトを
    加熱還元することを特徴とする金属磁性粉末の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 針状晶の含水酸化鉄粒子の粒子表面に、
    (1)少なくとも2価の遷移金属化合物層、または
    (2)少なくとも2価の遷移金属化合物および該針状晶
    の含水酸化鉄粒子に対して吸着能を有する炭素化合物を
    含有する混合物層を被覆し、さらに該針状晶の含水酸化
    鉄粒子に対して吸着能を有する炭素化合物を含有する表
    面層を被覆した後、該針状晶粒子を実質的に脱水孔の存
    在しないフェライトと化し、次いで該フェライトを加熱
    還元することを特徴とする金属磁性粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 針状晶の含水酸化鉄粒子の粒子表面に少
    なくとも2価の遷移金属化合物層を被覆した後、該針状
    晶粒子を不活性ガス気流中で高温加熱することにより、
    実質的に脱水孔の存在しないフェライトを形成し、次い
    で該フェライトを加熱還元することを特徴とする金属磁
    性粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 針状晶の含水酸化鉄粒子の粒子表面に少
    なくとも2価の遷移金属化合物および該針状晶の含水酸
    化鉄粒子に対して吸着能を有する炭素化合物を含有する
    混合物層を被覆した後、該針状晶粒子を不活性ガス気流
    中で高温加熱することにより、実質的に脱水孔の存在し
    ないフェライトを形成し、次いで該フェライトを加熱還
    元することを特徴とする金属磁性粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 針状晶の含水酸化鉄粒子の粒子表面に、
    (1)少なくとも2価の遷移金属化合物層、または
    (2)少なくとも2価の遷移金属化合物および該針状晶
    の含水酸化鉄粒子に対して吸着能を有する炭素化合物を
    含有する混合物層を被覆し、さらに該針状晶の含水酸化
    鉄粒子に対して吸着能を有する炭素化合物を含有する表
    面層を被覆した後、該針状晶粒子を不活性ガス気流中で
    高温加熱することにより、実質的に脱水孔の存在しない
    フェライトを形成し、次いで該フェライトを加熱還元す
    ることを特徴とする金属磁性粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 2価の遷移金属化合物がコバルト化合物
    である請求項1〜6いずれかに記載の金属磁性粉末の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 不活性ガス気流中での加熱温度が400
    ℃〜700℃である、請求項4、5、または6いずれか
    に記載の金属磁性粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8いずれかに記載の製造方法
    により得られる金属磁性粉末を含有することを特徴とす
    る磁気記録媒体用塗膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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