JPS5835241B2 - 鉄−銅を主成分とする合金磁性粉の製造方法 - Google Patents

鉄−銅を主成分とする合金磁性粉の製造方法

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JPS5835241B2
JPS5835241B2 JP51014548A JP1454876A JPS5835241B2 JP S5835241 B2 JPS5835241 B2 JP S5835241B2 JP 51014548 A JP51014548 A JP 51014548A JP 1454876 A JP1454876 A JP 1454876A JP S5835241 B2 JPS5835241 B2 JP S5835241B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、磁気記録媒体に使用して好適な針状の鉄−銅
を主成分とする合金磁性粉の製造方法に関する。
一般に磁気記録媒体用磁性材料としては、7−Fe2O
3、Fe3O4あるいは之等にCo等の異種元素を添加
したもの、更にはCr02粉末が使用されている。
他方、高密度記録用磁性材料として、抗磁力及び飽和残
留磁束密度の大きい磁気特性を有する磁性材料の研究も
盛んであり、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル
(Ni)等の金属粉末、鉄−コバルト、鉄−コバルト−
ニッケル等の合金粉末が開発されている。
特にこのような合金粉末の場合、抗磁力Hcの大きさは
コバルトの含有量を調整することにより広範囲に調整す
ることが可能であるが、好適な高密度記録をなすには、
コバルトの量を比較的多量に使用する必要があり、この
為従来の酸化鉄磁性粉末と比較すると高価となる欠点が
ある。
又、磁気ヘッドとしては近年、耐摩耗性に優れ、電気抵
抗が大きく且つ高周波においても透磁率の小さくならな
いフェライトヘッドが広汎に使用されつつあるが、この
フェライトヘッドの場合、磁気記録媒体の抗磁力が約7
000e程度以上になると消去が完全になされず、いわ
ゆる”消し残り”が発生する障害がみられ、フェライト
ヘッドの利点を充分に発揮しえない慮れがある。
さらに記録時に於てもフェライトヘッドでは、7000
e以上の高抗磁力テープを飽和記録することは困難とな
ってくる。
本発明においては、上記の欠点を改善するものであり、
比較的低い抗磁力のものから高い抗磁力までの高密度記
録に適した鉄−銅を主成分とする針状の合金磁性粉の提
供にある。
鉄−銅を主成分とする合金粒子の製法としては、例えば
特公昭41−13122号公報に開示された製法がある
この製法は鉄、銅の金属塩の水溶液に蓚酸を加えて単に
蓚酸鉄、蓚酸銅の共沈物を得、これを水素還元して合金
粉末を得るものであるが、骨塩である蓚酸塩は粒径が大
きい上にその形骸粒子も針状にはならず、結局最終的に
得られる粒子は針状にならないので高密度用磁性粉末と
しての充分な磁気特性を有する合金粉末を提供するまで
には至っていない。
因みにこの方法によって得られる抗磁力は公報中にも記
載されている如く例えば銅の量が10原子%の場合で4
000e程度のものしか得られず、不充分である。
本発明は、針状性の良好な含水酸化鉄若しくは(I
Fe2o3j 7− Fe2 o3.F e304の様
な酸化鉄粒子を出発物質として、この良好な針状性を鉄
−銅合金になるまで保持し、現在磁気テープ用に床机に
使用されているγ−F e 20 sのような針状の鉄
−銅合金をつくるものである。
即ち、本発明は出発物質として針状の含水酸化鉄(a−
Fe00H)または針状のαFe2O3tγ−Fe20
3.Fe3O4のような酸化鉄を用い、この表面に水酸
化銅、又は水酸化銅と水酸化コ・リレトあ爬社及び水酸
化ニッケルを吸着させ、乙比を加熱処理して針状の酸化
物粒子となし次いで還元して少くとも銅を1〜30原子
%含有する針状の鉄鋼を主成分とする合金磁性粉を製造
する。
以下、本発明を実施例に従って説明する。
実施例 1 γ−FeOOH(長軸0.3〜0.4μ、軸比15)0
.945モル(83,97g)に水1.51を加えて攪
拌器で2時間攪拌し、α−Fe00Hを充分に分散した
懸濁液とする。
次に硫酸鋼(CuS045H20) 13.73 gを
水に溶解した液を上記の溶液に加え、更に1時間攪拌す
る。
これに1規定のKOH水溶液を約130TrLl加え、
充分攪拌しCu(OH)2のコロイ ド状沈澱を生成さ
せると共に、溶液のpHを略11にしα−FeOOH粒
子の表面にCu(OH)2を吸着させる。
この溶液を0.5時間攪拌後、凝集剤を加えて水酸化銅
を吸着したα−Fe00Hを沈降させ、デカンテーショ
ンにより水洗をくり返しpHが略7になってから吸引濾
過し乾燥させた後、粉砕して水酸化銅を吸着した針状の
ゲータイト粉末を得る。
次いで、このゲータイト粉末Logを非還元性雰囲気例
えば空気中700℃で2時間の加熱脱水処理し、銅をゲ
ータイト中に一様に拡散した鉄−銅酸化物を得た後に、
この鉄−銅酸化物粒子1.5gを還元炉に入れ、400
℃で3時間、水素流量を21/minに保ち、還元処理
して針状の鉄−銅固溶体磁性粉末を得る。
この磁性粉末はFe二94.5原子%、Cu : 5.
5原子%の組成を有し、長軸0,2〜0.3μ、軸比約
10の合金粒子であり、その静磁気特性は抗磁力Hc−
8500e、飽和磁化量6 s = l 58.5 e
rrlL1/g1角型比R8=48.0%であった。
尚、上記の工程で酸化物にする熱処理を行わないで水酸
化銅を吸着させたα−Fe00Hを直接上記と同じ条件
で還元しても針状の鉄−銅合金粉末を得られることが確
認された。
この場合の静磁気特性は抗磁力Hc=9200e、飽和
磁化量σS=14 Q、 8emu/、 、角型比R3
=49.5%であった。
実施例 2 a−Fe00H(長軸0.3〜0.4μ、軸比15)を
空気中300°Cで2時間熱処理し針状のα−F e
20 sを得る。
このct−Fe2O,、:0.475モル(75,86
g)に水1.51を加えて2時間攪拌し充分に分散した
懸濁液とする。
この懸濁液に硫酸銅(CuS04m !5I(20)
0.05モル(12,48g)を加え、更に1時間攪拌
する。
次いで1規定のKOH水溶液を約120TfLl加え、
Cu(OH)2のコロイド状沈澱を生成させると共に、
溶液のpHを略11にし、a Fe2O3の表面にC
u(OH)2を吸着させる。
以下実施例1と同様の工程を経て鉄−銅固溶体磁性粉末
を得る。
この磁性粉末はFe:95原子%、Cu:5原子%の合
金粒子で抗磁力Hc=9200e、飽和磁化量as=
163.5emu/g1角型比R8=51.5%であっ
た。
実施例 3 実施例1の製法で700℃、2時間の加熱脱水処理して
得られた針状の鉄−銅酸化物粒子を還元炉に入れ、30
0℃、3時間、水素流量21/minに保ち、還元処理
してFe:94.5原子%、Cu:5.5原子%の針状
合金磁性粒子を得る。
この磁性粒子の静磁気特性は抗磁力Hc=6800e、
飽和磁化量σ5−125.3emu/g1角型比R
8=45.0%を示した。
実施例 4 次にスケールアップした場合に備え還元効率を高め、ま
た角型比R8を改善する目的で少量のコバルト(Co
)を添加した場合を示す。
a−Fe00H(長軸0.3〜O14μ、軸比15)0
.94モル(83,52g)に水1.51を加えて攪拌
器で2時間攪拌し、α−Fe00Hの分散を行う。
次で硫酸銅(CuSO,−5H20)0.03モル(7
−49g)と、硫酸コバルト(Co50. ・7H20
)OD3モ/L/ (8,43g )を上記の溶液に加
え、更に1時間攪拌する。
次でl規定のKOH水溶液約140m1を上記溶液に加
え、Cu(OH)2.co(OH)2のコロイド状沈澱
を生成すると共に溶液のpHを略11にし、α−Fe0
0H粒子表面にCu (OH) 2 。
co(OH)2を吸着させる。
次いで実施例1と同様の工程を経て針状の鉄−銅−コバ
ルト固溶体磁性粉末を得る。
この磁性粉末は、Fe二94原子%、Cu : 3原子
%、Co:3原子%の組成を有し、抗磁力Hc=880
0e、飽和磁化量a s= 165.5emu/、、角
型比R8=50.0%であった。
因みにCoを吸着させない場合の合金粒子Fe : 9
7原子%、Cu:3原子%においては、抗磁力Hc−8
300e、飽和磁化量σ5=160.0emh1角型比
R8=47.0%であった。
実施例 5 コバルト(co)に代えてニッケル(Ni )を添加し
た場合を示す。
実施例4と同様にα−FeOOHの分散を行う。
次で硫酸銅(CuSO,−5H20)0.03モル(7
,49g)と塩化ニッケル(NiC12・6H20)0
.03モル(7,13g)を上記の分散溶液に加え1時
間攪拌する。
次で1規定のKOH水溶液約14Mを上記の溶液に加え
Cu(OH) 2.N1(OH) 2のコロイド状沈澱
を生成させると共に溶液のpHを略11にし、FeoO
H粒子表面にCu (OH) 2 ・N t (OH)
2を吸着させる。
次で実施例1と同様の工程を経て針状の鉄−銅一ニッケ
ル固溶体磁性粉末を得る。
この磁性粉末は、Fe : 94原子%、Cu : 3
原子%、Ni:3原子%の組成を有し、抗磁力Hc=8
300e1飽和磁化量、 s= 160.4 (emu
、6 )角型比R8=49.5%であった。
実施例 6 実施例4と同様にα−FeOOHの分散を行う。
次で硫酸銅(CuSO,・5H20)0.05モル(1
2,48g)と塩化ニッケル(N t Cl 2・6H
20)0.05モル(11,89g)を上記の分散溶液
に加え、1時間の攪拌の後、1規定のKOH水溶液約2
2011Llを上記の溶液に加えCu (OH) 2
N1(OH)2のコロイド状沈澱を生成させると共に溶
液のpHを略11にし、FeoOH粒子表面にCu (
OH) 2 、N t (OH) 2を吸着させる。
次で実施例1と同様の工程を経て針状の鉄−銅−ニッケ
ル固溶体粉末を得る。
この磁性粉末は、Fe:90原子%、Cu二5原子%、
Ni : 5原子%の組成を有し、抗磁力Hc = 9
100e1飽和磁化量σ8=157.5 (emu/、
)、角型比R8=51%テアッた。
なお実施例5及び6のNi添加の場合も実施例4におけ
るCo添加と同様に還元効率、角型比R8の改善に有効
であった。
又、上記実施例4或は実施例5,6においてさらにNi
或はCoを添加して夫々鉄−銅−ニッケルーコバルト固
溶体磁性粉末とした場合も同様であった。
さらに、上記各実施例に於てα−Fe203゜γ−Fe
2O3又はFe3O4を出発物質とした場合も同様に出
来るものである。
さらに又、上記の各実施例において、鉄−鋼合金粒子は
空気中にとり出したとき燃焼しないようにメタノール
エタノール トルエン アセトンのような有機溶剤中に
浸漬し、次いでこれをとり出し耐着した液体を蒸発させ
ることにより表面に薄い安定な酸化被膜を形成させ、磁
気的に安定化する処理が為される。
出発物質の針状比は抗磁力Hcの関係から5以上、好ま
しくは7以上であることが必要である。
本発明の鉄−銅固溶体磁性粉末においては銅の含有率(
原子%)が特徴的な事項の一つである。
第1図は、本発明製法による鉄−銅固溶体磁性粉末の銅
含有率(原子%)に対する磁気特性の変化を示したもの
である。
図において、曲線a、b及びCは夫々本発明製法で還元
温度を400’Cとした場合の抗磁力HO・角型比Rs
及び飽和磁化量681曲線a′及びa“は従来製法(特
公昭41−13122号公報)で還元温度を300’C
及び400℃とした場合の抗磁力Hcを示す。
この特性図より明らかなように、銅の含有率が増加する
に従い抗磁力Hc及び角型比Rsは共に大きくなり、銅
の含有率が10原子%附近で各々極太値を示し、その後
次第に低下してくるのが認められる。
これは銅の被着量に伴い粒子の形状が悪化してくる為と
考えられる。
特に銅の含有率が30原子%以上では水酸化銅が完全に
拡散されずに粒子表面上に銅粒子として析出し易くなる
ことが判明した。
この場合、銅粒子はCuOとして存在すると考えられ、
還元時粒子相互間でシンタリングし易くなる。
またテープ化した場合、表面に残っているとその分だけ
バッキング(磁性粉末の充填)の向上にも影響を及ぼし
好ましくない。
次に、飽和磁化量σS(曲線C)をみると、銅含有率の
増加に伴い除々に低下しているが、特に30原子%附近
以上では飽和磁化量σSが10100e//g を割る
ことが判明した。
このように飽和磁化量σSがl QQ emu/gを割
る磁性粉末を用いてテープ化した場合には、第2図の飽
和磁化量σSと残留磁束密度Brとの関係を示す特性図
より明らかなように、その残留磁束密度Brが2000
ガウスをきってしまい高密度テープとしての効果がなく
なってしまう。
なお、銅の含有率を1原子%より少ないときは磁気特性
の向上が期待できなくなる。
以上の理由により銅含有率は1〜30原子%の範囲であ
ることが好ましい。
しかし、銅含有率が10原子%以上になると粒子の表面
が平滑さを欠き針状性が悪化してくる。
このためテープとした場合の磁気特性中、特に角型比R
sが70%を割る様になってくる。
これは、特に高抗磁力テープの場合に記録電流、消去電
流をいたずらに増大させる結果を生み好ましくない。
角型比Rsが70%以上の配向性を得るために特に望ま
しい銅の含有率は1〜10原子%の範囲である。
又、本発明の製法において、脱水熱処理温度は、特に6
00〜750℃の範囲に選定することが好ましい。
その理由は600℃より低い熱処理温度ではゲータイト
の表面に水酸化物の形で吸着させた銅がその内部まで均
一に拡散することができず、酸化銅のまま粒子表面に残
ってしまい均一な鉄鋼、または鉄−銅一コバルト、また
は鉄−銅−ニッケル、または鉄−銅一コバルトーニッケ
ルを主成分とする酸化物が得られない。
従って、この酸化物に還元処理を施しても均一な還元が
出来ず、最終的に得られる粒子の針状性は低下してしま
い磁気特性中、特に充分な磁気量が得られない。
また脱水熱処理温度が750’Cを越えると鉄−銅の酸
化物を得るのに好ましいが、粒子の族長が進みすぎて針
状性が悪化し丸みを帯びた粒状に近づく。
この場合、最終的な磁性粉末の抗磁力Hcは低下する。
尚、本発明によって得た鉄−銅(又は鉄−銅一コバルト
、鉄−銅−ニッケル、鉄−銅−コバルト−ニッケル)固
溶体粉末を使用して磁場中でオリエンテーションした場
合、角型比Rsは75〜80%のものが得られたにもか
かわらず脱水熱処理温度が6’OO’Cより低い温度あ
るいは750℃より高い温度で処理したものの場合の角
型比は共に70%以下であった。
上述のように、本発明は鉄−銅を主成分とする針状磁性
粉末の製法において、出発物質としての針状の酸化鉄若
しくは含水酸化鉄と水酸化銅等の金属水酸化物とのζ電
位がアルカリ溶液中では逆符号になり、これが吸引力と
なることを利用して出発物質粒子表面に金属水酸化物を
吸着させ、次いで熱処理を行い出発物質の針状性を保っ
たまま金属イオンを拡散し、その後この酸化物を還元す
ることにより針状の合金粒子となすものであり、銅含有
量を比較的少量の範囲で選択することにより、従来方法
では得られなかった高密度記録に適した磁気特性を提供
することが可能である。
従って本発明で得られる磁性粉末は高級オーディオテー
プ、ビデオ用のマスターテープをはじめ計測テープ、シ
ート、ディスク等高密度用材料として効果があり、安価
に提供でき、またフェライトヘッドの性能を充分発揮さ
せる用途にも好適である。
すなわち、磁性テープとした場合、Cuの添加により粒
子間の凝集を防ぎ、且つ出来た磁性粉の表面性がよいこ
とから分散性がよく磁性粉の充填性を向上すると共に、
粒子間の相互作用でHcを下げフェライトヘッドでの使
用を可能にする等すぐれた磁気テープが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明製法にて得られた鉄−銅固溶体磁性粉末
の銅含有率(原子%)に対する磁気特性の変化を示す特
性図、第2図は飽和磁化量σSと残留磁束密度Brとの
関係を示す特性図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 針状の含水酸化鉄若しくは針状の酸化鉄粒子上に水
    酸化銅、または水酸化銅と水酸化コバルトあるいは及び
    水酸化ニッケルを吸着せしめ、これを熱処理して針状の
    酸化物粒子となし、次いで還元することにより少くとも
    銅の含有率を1〜30原子%になしたことを特徴とする
    鉄−銅を主成分とする合金磁性粉の製造方法。
JP51014548A 1976-02-13 1976-02-13 鉄−銅を主成分とする合金磁性粉の製造方法 Expired JPS5835241B2 (ja)

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